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かずゆきよどぎみ
5 years ago
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1 資料 1 温室効果ガス大幅削減の必要性 2007 年 7 月 24 日東京都気候変動対策方針ステークホルダーミーティング国立環境研究所西岡秀三気候の恵みをかみしめる

2 全球平均気温の観測過去 100 年間で世界平均気温が 0.74 上昇 (2001 年報告では 0.6 上昇 ) 最近 50 年間の気温上昇傾向は過去 100 年間のほぼ 2 倍平均地上気温 (1961~1990 年までの平均気温と偏差 )

3 IPCC 第 4 次報告書 ( 自然科学的根拠 ) 2007 年 2 月 2 日 1. 温度上昇が加速している [ ようやく観測結果 : 予想以上の進行 : 認識遅れ ] 平均気温は工業化から0.74 度上昇最近 50 年は過去 100 年の2 倍の速度熱帯低気圧強度増大豪雨頻発積雪面積極域海氷縮小海洋酸性化 2. この温暖化は人為起源 [ 不確実論争に終止符 ] 年まで 10 年当たり 0.2 度昇温必至 [ 慣性あり適応策の必要性 ] 年から2100 年まで温暖化進行予測化石燃料経済発展社会: 4 度 ( 度 ) 上昇循環型社会: 1.8 度 ( 度 ) 上昇 5. 気候変化被害加速の不確実性 [ 予防的措置の必要性 ] 正のフィードバック : 大気二酸化炭素海洋吸収減少森林枯死凍土融解メタン排出などグリンランド氷床融解等の危険

4 気候変化はすべての大陸の物理 / 生態システムに影響し始めている (IPCC 影響評価 ) 雪氷融解北極海氷消失南極グリンランド氷床後退氷棚崩壊氷河後退永久凍土溶解動植物変化淡水湖沼の鉛直安定化変化森林火災増 [ 例 : 加で 1920 年から 7 万 km 2 増 ] 熱波の期間頻度増加海水温上昇 : サンゴの白化海洋性プランクトン魚種の極方向拡大海洋の酸性化 [1800 年以降水素イオン濃度 30% 上昇 ] 動植物発生量への影響渡り鳥など行動パターン変化高中緯度域での春到来早まりと育成期間拡大農作業の早まり

5 予測される分野毎の将来影響気候変化に脆弱な分野においてはたとえ 0~1 の気温上昇でも温暖化の悪影響が生じると予測される気温上昇の程度と様々な分野への影響規模水湿潤熱帯地域と高緯度地域での水利用可能性の増加中緯度地域と半乾燥低緯度地域での水利用可能性の減少及び干ばつの増加数億人が水不足の深刻化に直面する 5 生態系食糧最大 30% の種で絶滅リスクの増加地球規模での重大な絶滅サンゴの白化の増加ほとんどのサンゴが白化広範囲に及ぶサンゴの死滅 ~15% ~40% の生態系が影響を受けることで陸域生物圏の正味炭素放出源化が進行種の分布範囲の変化と森林火災リスクの増加海洋の深層循環が弱まることによる生態系の変化小規模農家自給的農業者漁業者への複合的で局所的なマイナス影響低緯度地域における穀物生産性の低下中高緯度地域におけるいくつかの穀物生産性の向上低緯度地域における全ての穀物生産性の低下いくつかの地域で穀物生産性の低下重大な : ここでは 40% 以上沿岸域健康洪水と暴風雨による損害の増加世界の沿岸湿地の約 30% の消失毎年の洪水被害人口が追加的に数百万人増加栄養失調下痢呼吸器疾患感染症による社会的負荷の増加熱波洪水干ばつによる罹 ( り ) 病率と死亡率の増加罹 ( り ) 病率 : 病気の発生率のこといくつかの感染症媒介生物の分布変化医療サービスへの重大な負荷 2000~2080 年の平均海面上昇率 4.2mm/ 年に基づく年に対する世界年平均気温の変化 ( ) 出典 :AR4 SPM

温暖化の模式図気候の安定化 : 排出量 / 年 =( 吸収量 - 自然発生量 )/ 年究極的には半減以下へ危険なレベル回避早急な対応が必要人為的排出量 7.2Gt / 年 ( 年 1.9 ppm 増 ) Q: 危険なレベルとは? 産業革命以前から 2.4-2.8?

6 温暖化の模式図気候の安定化 : 排出量 / 年 =( 吸収量 - 自然発生量 )/ 年究極的には半減以下へ危険なレベル回避早急な対応が必要人為的排出量 7.2Gt / 年 ( 年 1.9 ppm 増 ) Q: 危険なレベルとは? 産業革命以前から ? 現在自然の濃度 ppm 工業化 380ppm 280ppm 大気中の二酸化炭素 Q: 危険なレベルにならないようにどう栓を締めてゆくか自然の吸収量 3.1Gt / 年 Q: 自然はもっと吸収しないか? フィードバックは? ( 二酸化炭素で代表した説明 ) Gt=10 億トン炭素換算

7 気温上昇 (1990 年 =0.6 ) 気温上昇産業革命前より BaU(B2,CS=3.0) 441ppm(CS=3.0) 495ppm(CS=3.0) 507ppm(CS=3.0) 556ppm(CS=3.0) 624ppm(CS=3.0) 726ppm(CS=3.0) 温室効果ガス排出量 ( 二酸化炭素換算 :GtC/ 年 ) B2 III II * I BaU(B2,CS=3.0) 441ppm(CS=3.0) 495ppm(CS=3.0) 507ppm(CS=3.0) 556ppm(CS=3.0) 624ppm(CS=3.0) 726ppm(CS=3.0) 世界の温室効果ガス削減経路 * 産業革命前から 2.5 度の上昇に止めるには 2050 年半減へ温室効果ガス濃度 ( 二酸化炭素換算 :ppm) 温室効果ガス濃度上昇予測 BaU(B2,CS=3.0) 441ppm(CS=3.0) 495ppm(CS=3.0) 507ppm(CS=3.0) 556ppm(CS=3.0) 624ppm(CS=3.0) 726ppm(CS=3.0) 割引率 :4%,2020 年下げ止まり制約無し CS=3.0: 気候感度 3.0 I 441ppm( CS=3.0): 産業革命前 2 上昇 2050 年 :74% 削減, 2010 年の排出制約を緩めないと解けない EM_CE.LO( 2010 ) = (2010 年 BaU 排出量 ) *0.8 II 495ppm( CS=3.0): 産業革命前 2.5 上昇 2050 年 :52% 削減 III 507ppm( CS=3.0): 産業革命前 2.6 上昇 2050 年 :49% 削減 IV 556ppm( CS=3.0): 産業革命前 3 上昇 2050 年 :24% 削減 V 624ppm( CS=3.0): 産業革命前 3.5 上昇 2050 年 :4% 増 VI 726ppm( CS=3.0): 産業革命前 3.6 上昇 2050 年 :9% 増 AIM/Impact[policy] モデルによる結果肱岡 (NIES) 他

8 日本の究極削減量の相場感世界全体で排出量 = 吸収量にする 3Gt が上限とする世界人口 100 億人一人当たり 0.3 tc 日本人口 2050 年 1 億人日本全体で 0.03Gt 1990 年日本排出量 0.3Gt 1990 年よりの削減率 90% 削減世界半減時の日本の削減量? 3つの要因危険なレベルをどうとるか? 気候予測の不確実性をどう取り入れるか国際分担をどう考えるかによって決まる何れにしても世界平均より大幅減が必要 60-80%?

9 欧州における中長期 ( 志望 ) 目標の例国名時期目標設定機関報告書長期目標中期目標イギリス (2003 年 2 月 ) エネルギー白書大気中の CO 2 濃度を 550ppm 以下 2050 年までに CO 2 排出量を 60% 削減ドイツ (2003 年 10 月 ) ドイツ連邦政府気候変動諮問委員会 (WBGU) 産業革命前と比較して地表温度の上昇を最大 2 10 年で 0.2 以下 CO 2 濃度 450ppm 以下 2050 年までにエネルギー起源 CO 2 を 45-60% 削減 (1990 年比 ) フランス (2004 年 3 月 ) 気候変動問題省庁間専門委員会 CO 2 濃度を 450ppm 以下で安定一人当たり CO 2 排出量を 0.5tC までに制限 (2050 年 ) 世界全体で年間 30 億 tc の排出量までの削減 (2050 年 ) スウェーデン (2002 年 11 月 ) スウェーデン環境保護庁京都議定書で規定されたすべての温室効果ガスの大気中濃度を 550ppm で安定化 (CO 2 濃度を 500ppm 以下 ) 2050 年までに世界の工業先進国での CO 2 及び他の温室効果ガスの一人当たり排出量を 4.5tC としその後随時減少させていく ( 現在 8.3tC) 欧州連合 (2005 年 3 月 ) 欧州環境理事会気温上昇を 2 以下に抑えるとの目標を達成するため大気中の温室効果ガス濃度を 550ppm 以下で安定化先進国について 1990 年に比べて 2020 年までに 15~30% 2050 年までに 60~80%

10 環境省地球環境研究総合推進費戦略研究開発プロジェクト日英共同研究低炭素社会の実現に向けた脱温暖化 2050 プロジェクト 2050 日本低炭素社会シナリオ : 温室効果ガス 70% 削減可能性検討本研究は日本を対象に 2050 年に想定されるサービス需要を満足しながら主要な温室効果ガスである CO2 を 1990 年に比べて 70% 削減する技術的なポテンシャルが存在することを明らかにしている 2050 日本低炭素社会プロジェクトチーム 2007 年 2 月国立環境研究所京都大学立命館大学東京工業大学みずほ情報総研

11 低炭素社会の実現に当たっての前提一定の経済成長を維持する活力ある社会 A. 活発社会 /B. ゆったり社会の 2 つの社会シナリオ想定社会シナリオによって想定されるエネルギーサービスの維持提案されている革新的な技術の想定ただし核融合などの不確実な技術は想定しない原子力など既存の国の長期計画との整合性本研究の対象は削減ポテンシャルの実証でありその具現化のために必要となる炭素排出コストの市場への内部化などの政策措置については言及していない

12 CO 2 70% 削減シナリオ 2000 産業家庭業務旅客輸送貨物輸送 (Mtoe) 最終エネルギー需要の構成 2050 シナリオA 2050 シナリオB エネルギー需要削減 40-45% 削減需要供給側の等分の努力産業家庭業務旅客輸送貨物輸送 (Mtoe) 一次エネルギー供給の構成シナリオA 石炭石油ガス水力原子力集中型エネルギー利用 2050 シナリオB バイオマス太陽風力分散型エネルギー利用一次エネルギー供給石炭石油ガスバイオマス原子力水力太陽風力

13 70% 削減を可能にする需要削減供給側エネルギー構成例各部門の需要対策の効果二次エネルギー消費量 (Mtoe) 年 ( 実績 ) 運輸産業家庭業務運輸旅客貨物 2050 年 ( シナリオ A) 2050 年 ( シナリオ B) エネルギー需要削減 2000 年に比べて 40-45% の削減産業家庭業務運輸旅客運輸貨物産業部門 : 構造転換と省エネルギー技術導入等で 20~40% 運輸旅客部門 : 適切な国土利用エネルギー効率炭素強度改善等で 80% 運輸貨物部門 : 輸送システムの効率化輸送機器のエネルギー効率改善等で 60~70% 家庭部門 : 利便性の高い居住空間と省エネルギー性能が両立した住宅への誘導で 50% 業務部門 : 快適なサービス空間 / 働きやすいオフィスと省エネ機器の効率改善で 40%

14 社会産業民生交通エネ供給 2050 年 CO 2 排出量 70% 削減を実現する対策オプションの検討シナリオ A:2050 年高い経済成長率人口世帯数の減少 CO 2 排出量に変化を及ぼす主な要因生産機器のエネルギー効率の大幅改善石油石炭から天然ガスへ燃料転換高断熱住宅建築物の普及促進 HEMS BEMS によるエネルギー消費の最適制御高効率ヒートポンプエアコン給湯器照明の普及燃料電池の開発普及太陽光発電の普及土地の高度利用都市機能の集約旅客交通の公共交通機関 ( 鉄道バス LRT など ) へのモーダルシフトの促進電気自動車燃料電池自動車等モータ駆動自動車の普及原子力発電の維持夜間電力の有効利用電力貯蔵の拡大水素の製造輸送貯蔵利用に関するインフラの設備高効率化石燃料利用技術 + 炭素隔離貯留 (CCS) 化石燃料による水素製造 +CCS 要因分類活動量 * 変化エネ効率改善炭素強度改善サービス需要削減エネ効率改善炭素強度改善サービス需要削減エネ効率改善炭素強度改善炭素強度改善 CCS CO 2 増加量 2000 年 CO 2 排出量活動量変化による需要増加 31 CO 2 削減量 (MtC) 年 CO 2 排出量需要削減 29 エネ効率改善 84 炭素強度改善 27 エネ効率炭素強度改善 73 炭素隔離貯蔵 42 主にエネルギー最終需要部門における削減 (MtC) 主にエネルギー転換部門における削減 (MtC) * 活動量 : エネルギーサービス需要を起因する社会経済活動の指標

15 産業構造転換 : 低炭素社会の実現エネルギー利用の少ない構造へ産業構造転換と低炭素技術に戦略目標設定エネルギーをどう使わないか = 需要側主導エネ供給側プッシュ時代終焉自動点灯の例 : エネルギーでの解決から自動検知機器での省エネ EUはもちろん米国までも低炭素型社会へ移ろうとしている我が国も構造改革を進め低炭素型の経済構造を早期に構築しないと世界全体の流れに乗り遅れる日本は停滞気味今後の目標や計画がないことが問題政府の役目長期目標を示し企業など民間部門に対する長期方向シグナルを提供する企業が投資に関する意思決定などに盛り込むことが可能となる行動に結びつける知識の浸透 ( 科学と技術選択国内外 ) 国際交渉に臨み対策についての長期ビジョン ( 腹づもり ) が必要不可欠削減目標設定と手段原単位目標だけでは総排出量減少の保証なし何らかの形で総量枠設定必須米国 : 原単位目標あれど総量増大数値目標設定と成果主義環境価値の内部経済化 ( 税排出量取引規制教育のPolicy Mix)

16 低炭素社会到来をきっかけとする持続可能な日本構築低炭素社会 = 定常化社会 : 日本社会経済の方向を定める重要な転機あらゆる政策行政の中にでイノベーション喚起技術 :20 世紀エネルギー供給主導技術社会需要側削減努力が主導社会インフラや住宅省エネ機器国民の努力など需要側の行動と技術選択が鍵日本の省エネルギー体質を生かしてエネルギー需要の適正化新エネルギー開発エネルギー資源安全保障需要側省エネ技術競争の開始産業構造の転換 ( 知的サービス産業へ ) 国土 : インフラ更新に合わせ高齢化対応の街づくり省エネ型国土配置交通体系低炭素高福祉コンパクトシティ気候変化対応防災都市新たな農村の役目 : 国土保存バイオマス供給吸収源維持地産地消高齢化社会での豊かな農村経済 : ただでなくなった環境に金を払うシステム総量削減目標下での排出量取引環境税など高齢化対応都市つくりへの財源の転換 ODA 再構築 : 環境部門拡大という切り口から低炭素世界構築へ. 高エネルギー体質のインフラにLock-inさせないための投資へ早期に導く Los Angels 型かシンガポール東京型か

<4D F736F F D F967B95D281698DC58F4988C4816A B815B834F838C815B816989E6919C8F6B8FAC94C5816A2E646F63>

<4D F736F F D F967B95D281698DC58F4988C4816A B815B834F838C815B816989E6919C8F6B8FAC94C5816A2E646F63> 第 1 章計画の意義 1 地球温暖化現象とその影響 (1) 地球温暖化現象とは地球温暖化現象とは二酸化炭素 (CO 2 ) などの温室効果ガスが大気中に排出されることにより大気中の温室効果ガス濃度が上昇し地球の気温が上昇する現象のことです 2007 年にIPCC( 気候変動に関する政府間パネル ) が発表した第 4 次評価報告書では地球の平均気温は過去 100 年で0.74 上昇しており 20