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うのすけみやのじょう
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1 第 7 回記者懇談会 2017 年 6 月 29 日高度管理医療機器としてのコンタクトレンズの現状を憂えるなぜ起こる? コンタクトレンズによるトラブル日本コンタクトレンズ学会常任理事ウエダ眼科植田喜一コンタクトレンズ (CL) の問題点 CL は視力補正を目的とするが目にとっては異物 CL は高度管理医療機器副作用又は機能の障害が生じた場合 ( 適正に使用した場合に限る ) において重大な影響を与えるおそれがあることから適切な管理が必要眼障害安全他の高度管理医療機器と異なり日々の管理は CL 使用者自身に委ねられている 1

2 眼球摘出に至ったアカントアメーバ角膜炎 ( 臨眼 68(4): ,2014) 58 歳, 女性ワンデー用 SCL を数日連続装用していた右眼の矯正視力は手動弁で角膜潰瘍 ( アカントアメーバが検出 ) の治療のため入院した薬剤を投与したが 3 週間後に角膜が穿孔したために角膜移植術を施行した角膜が融解したため 50 日後に眼球を摘出した ( 現在は義眼を装用している ) ハードコンタクトレンズ (HCL) ソフトコンタクトレンズ (SCL) 2

3 CL による主な眼障害 1. 酸素不足による角膜障害 2. 乾燥による角膜障害 3. 刺激による角膜障害 4. アレルギー結膜炎 5. 角膜感染症酸素不足による角膜障害中央付近の角膜の上皮が点状あるいは面状の障害を受けている ( 写真中の緑は色素で涙液を染色したものであるが角膜障害のある部で濃く染まる ) 3

SCL 装用 3597 cells / mm 2 931 cells / mm 2

4 酸素不足による角膜障害角膜は透明で血管のない組織だが結膜から角膜内へ細い血管が伸びている角膜内皮細胞密度正常酸素不足による角膜障害 SCL 装用 3597 cells / mm cells / mm 2 正常 :2000 以上 Grade1:1000 以上 2000 未満 ( 正常の角膜における生理機能を逸脱しつつある状態 ) Grade2:500 以上 1000 未満 ( 角膜の透明性を維持する上で危険な状態わずかな侵襲が引き金となって水疱性角膜症に至る可能性がある ) Grade3:500 未満で角膜浮腫を伴っていない状態 Grade4: 水疱性角膜症 ( 角膜が浮腫とともに混濁した状態 ) 角膜内皮障害の重症度分類 ( 日眼会誌 118:81-83,2014) 4

5 乾燥による角膜障害 HCL 装用 SCL 装用 ( 特殊なフィルターを使用 ) 色素で涙を緑に染めたが角膜障害のある部で濃く染まる刺激による角膜障害 HCL 装用 SCL 装用色素で涙を緑に染めたが角膜障害のある部で濃く染まる ( 特殊なフィルターを使用 ) 5

6 CL 装用によるアレルギー結膜炎汚れた SCL 上眼瞼の裏の結膜にぶつぶつ ( 乳頭 ) ができる角膜感染症 ( 感染症角膜炎 ) ( 山口大学柳井亮二氏提供 ) 角膜の中央部に円形の白い混濁が生じている 6

日本眼感染症学会による感染性角膜炎全国サーベイランス期間 : 2003 年 1 月 10 日 ~12 月 31 日参加施設 :24 施設 60 例 50 40 30 CL 使用 (-) CL 使用 (+) 20 10 0 0~9 10~19 20~29 30~39 40~49 50~59 60~69 70~79 80~89 90~99( 歳 ) 261 症例中に CL 使用者は 109 例

7 日本眼感染症学会による感染性角膜炎全国サーベイランス期間 : 2003 年 1 月 10 日 ~12 月 31 日参加施設 :24 施設 60 例 CL 使用 (-) CL 使用 (+) ~9 10~19 20~29 30~39 40~49 50~59 60~69 70~79 80~89 90~99( 歳 ) 261 症例中に CL 使用者は 109 例 (41.8%) 10 代の CL 使用率 :96.3%,20 代の CL 使用率 :89.8%,60 代の CL 使用率 : 9.8% 感染性角膜炎全国サーベイランススタディグループ : 感染性角膜炎全国サーベイランス分離菌患者背景治療の現況. 日本眼科学会雑誌 110,2006 日本コンタクトレンズ学会日本眼感染症学会による重症 CL 関連角膜感染症全国調査矯正視力初診時期間 : 2007 年 4 月 ~2009 年 3 月報告数 : 224 施設から 350 例 3 ヶ月後記載なし 19% 0 0% 光覚弁 ~ 手動弁 1% 指数弁 ~0.03 5% 1.0 以上 36% 0.04~0.06 2% 0.1~0.3 7% 0.4~0.6 13% 0.7~0.9 16% 0.09 以下 40 例宇野ら重症コンタクトレンズ関連角膜感染症全国調査日本眼科学会雑誌 ,

8 失明医学的失明 : 明暗のわからないもの社会的失明 : 眼を使って仕事をすることができない程度の視力減退 ( 参考 ) 身体障害者福祉法では失明の定義はない施行規制 (6 級の定義 ) 一眼の視力が 0.02 以下他眼の視力が 0.6 以下のもので両眼の視力の和が 0.2 を越えるもの WHO 失明 (Blindness):0.05 未満米国 :0.1 以下分離培養期間 : 2007 年 4 月 ~2009 年 3 月報告数 : 224 施設から350 例菌種黄色ブドウ菌表皮ブドウ菌コリネバクテリウム緑膿菌セラチアその他のグラム陰性桿菌アスペルギルスアカントアメーバ角膜病巣結膜嚢眼脂 CL CL ケースその他宇野ら重症コンタクトレンズ関連角膜感染症全国調査日本眼科学会雑誌 ,

緑膿菌グラム陰性で好気性の桿菌の一種であり地球上の環境中に広く分布している代表的な常在菌の 1 つであるヒトに対しても病原性を持つものの仮に健常者に感染しても発症させることはほとんど無い対して免疫力の低下した者に感染すると日和見感染症の 1 つとして数えられる緑膿菌感染症の原因となるアカントアメーバアメーバ型の原生生物の一種で土壌中に普通に存在する土壌微生物である

9 緑膿菌グラム陰性で好気性の桿菌の一種であり地球上の環境中に広く分布している代表的な常在菌の 1 つであるヒトに対しても病原性を持つものの仮に健常者に感染しても発症させることはほとんど無い対して免疫力の低下した者に感染すると日和見感染症の 1 つとして数えられる緑膿菌感染症の原因となるアカントアメーバアメーバ型の原生生物の一種で土壌中に普通に存在する土壌微生物である淡水域やその他の場所にも広く分布するアカントアメーバ属の大半はバクテリアを捕食して生活する従属栄養生物であるが一部の種は感染性を持ちヒトや他の生物に対して角膜炎や脳炎を引き起こす ( ウィキペディアより引用 ). CL の種類 SCL の消毒方法 1 週間連続装用 SCL 2% 従来型 SCL 3% RGPCL 3% PMMA 素材の HCL 1% オルソ K レンズ 1% 不明 7% 過酸化水素 6.0% ポビドンヨード 0.0% 煮沸 0.4% カラー SCL 5% 1 日ディスポーザブル SCL 7% 1~6 ヶ月定期交換 SCL 17% 2 週間頻回交換 SCL 54% MPS 93.6% 宇野ら重症コンタクトレンズ関連角膜感染症全国調査日本眼科学会雑誌 ,

10 CL のこすり洗い SCL の消毒その他 3.1% 記載なし 12.6% 毎日 19.0% 週 4~6 回 8.4% 記載なし 29.7% 毎日 32.8% 全くしない 17.1% ほとんどしない 17.9% 時々 15.1% 週 2~3 回 6.7% その他 1.7% 全くしない 7.3% ほとんどしない 5.9% 時々 8.4% 週 4~6 回 7.6% 週 2~3 回 6.7% 宇野ら重症コンタクトレンズ関連角膜感染症全国調査日本眼科学会雑誌 ,2011. レンズケースの交換 CL の定期検査その他 4.5% 記載なし 11.8% 全くしない 13.7% ほとんどしない 18.5% 3 ヶ月以内 18.5% 不定期 17.1% 6 ヶ月以内 12.0% 1 年以内 3.9% その他 1% 全く受けない 18% ほとんど受けない 12% 記載なし 12% 不定期 13% 1 ヶ月 1% 3 ヶ月 23% 1 年 4% 6 ヶ月 15% 宇野ら重症コンタクトレンズ関連角膜感染症全国調査日本眼科学会雑誌 ,

2 週間交換 SCL 宇野ら重症コンタクトレンズ関連角膜感染症全国調査日本眼科学会雑誌 107-115,2011.

11 CL 装用期間 1 ヶ月 ~ 6% 2 週間 ~1 ヶ月 13% 記載なし 13% 1 日 38% 1 ヶ月 ~ 12% 3 週間 ~1 ヶ月 17% 記載なし 10% 2 週間以内 36% 2~3 日 25% 2~3 週間 25% 1~2 週間 6% 1 日使い捨て SCL 2 週間交換 SCL 宇野ら重症コンタクトレンズ関連角膜感染症全国調査日本眼科学会雑誌 ,2011. 日本眼科医会の CL による眼障害アンケート調査 ( 平成 27 年度 ) 他覚所見コンタクトレンズによる眼障害アンケート調査の集計結果報告 ( 平成 27 年度 ) 11

12 CL の種類度のないカラー SCL 3.5 オルソケラトロジーレンズ 0.1 カラー SCL 12.8 不明 2 無回答 0.4 HCL 10.6 従来型 SCL 3.6 その他未承認レンズ 0.1 1~6 ヶ月定期交換 SCL 週間頻回交換シリコーンハイドロゲル CL 日使い捨て SCL 19 2 週間頻回交換 SCL 日使い捨て SHCL 1 週間連続装 2.7 用使い捨て SCL 0.4 コンタクトレンズによる眼障害アンケート調査の集計結果報告 ( 平成 27 年度 ) CL の処方施設その他 1.6 不明 7.6 無回答 1.6 一般病院 6.6 大学病院 0.1 眼鏡店に隣接する眼科診療所 3.3 医師の処方を受けなかった 15.4 CL 量販店に隣接する眼科診療所 24.3 一般眼科診療所 39.4 コンタクトレンズによる眼障害アンケート調査の集計結果報告 ( 平成 27 年度 ) 12

定期検査の受診頻度定期検査未受診の理由月に 1 回 1.8 その他 8.6 無回答 1.

7 無回答 17 眼科に受診する時間が取れない 16.3 定期的に受診するとの説明がなかった 3.

13 定期検査の受診頻度定期検査未受診の理由月に 1 回 1.8 その他 8.6 無回答 1.1 年に 1 回 17.4 その他の理由で受診していない 12 経済的な理由で受診していない 0.7 無回答 17 眼科に受診する時間が取れない 16.3 定期的に受診するとの説明がなかったヶ月に 1 回 30 半年に 1 回 41.1 眼科を受診する必要を感じていなかったため 48.4 転居したため 1.8 コンタクトレンズによる眼障害アンケート調査の集計結果報告 ( 平成 27 年度 ) 原因原因 (CL 自体 ) 原因 ( 処方ケア ) 原因 ( 使用方法 ) コンタクトレンズによる眼障害アンケート調査の集計結果報告 ( 平成 27 年度 ) 13

14 CL によるトラブルの主な原因 1. 処方 2. 使用方法 3. CL 自体 4. レンズケア 5. 定期検査単一または複数の原因トラブル CL によるトラブルの主な原因 1. 処方 1) CL 非適応者にCLを処方 2) 誤ったCLの選択 3) CLのフィッティング不良 4) 説明指導不足眼科専門医による処方が大切 14

15 CL によるトラブルの主な原因 2.CL 自体 1) 低酸素透過性素材 2) 乾燥 3) 汚れの付着 4) キズ破損 5) 変形 6) 規格不良 CL によるトラブルの主な原因 3. 使用方法 1) 無理な装用 ( 長時間装用, 連続装用 ) 2) 誤った使用 ( 使い捨てレンズの再使用 ) 3) 調子が悪くても装用を継続適正な眼鏡を併用眼鏡をもっていない眼鏡の度が合っていない者が多い眼鏡を普段かけていない 15

16 CL によるトラブルの主な原因 4. 定期検査 1) 眼科専門医の未チェック 2) 眼科専門医の処方によらない CL 購入インターネット販売通信販売での購入増加インターネット, 通信販売による購入 1) 待ち時間が不要 2) 診察, 検査代が不要 3) 通院費 ( 交通費 ) が不要 4) いつでも注文が可能 5) 低価格診察, 検査を受けないことが問題 16

17 インターネット販売購入の 1 週間連続装用 CL による重篤な角膜潰瘍の 1 例 ( 東京医大誌第 82 巻臨時増刊号頁 E233-E243 平成 24 年 1 月 ) 52 歳, 男性右眼の矯正視力は手動弁で角膜潰瘍 ( 緑膿菌が検出 ) の治療のため入院した薬剤の投与で角膜潰瘍は治癒したが角膜混濁が残存して 7 ヵ月後の視力は手動弁であった日本コンタクトレンズ学会によるカラー SCL 眼障害調査年齢歳歳歳歳歳歳歳歳 50 歳以上 2% 5.1% 3.8% 1.3% 0.8% 0.5% 15.9% 30.1% 40.5% 期間 :2012 年 7 月 1 日 ~9 月 30 日 (3 ヶ月間 ) 参加施設 :97 施設眼障害数 :395 例渡邉潔, 植田喜一, 佐渡一成, 稲葉昌丸, 糸井素純, 宇津見義一, 木下茂 : カラーコンタクトレンズ装用にかかわる眼障害調査報告. 日コレ誌 56-1:2-10,

18 メーカー名レンズ名メーカー名判明 35.7% レンズ名判明 37.5% メーカー名不明 64.3% レンズ名不明 62.5% 渡邉潔, 植田喜一, 佐渡一成, 稲葉昌丸, 糸井素純, 宇津見義一, 木下茂 : カラーコンタクトレンズ装用にかかわる眼障害調査報告. 日コレ誌 56-1:2-10,2014. レンズの度数レンズの使用期間不明 15.7% 不明 15.9% % 2 週間 6.1% 度数あり 41.0% 度数なし 43.3% 2 ヶを越える 30.6% 1 ヶ 32.7% 渡邉潔, 植田喜一, 佐渡一成, 稲葉昌丸, 糸井素純, 宇津見義一, 木下茂 : カラーコンタクトレンズ装用にかかわる眼障害調査報告. 日コレ誌 56-1:2-10,

19 購入先購入時の眼科受診の有無眼科 5.1% その他 2.3% 不明 2.0% 不明 6.3% 受診した 13.4% 量販店 9.6% 通販 52.7% 受診していない 80.3% 雑貨店大型ティスカウントショッフ 28.4% 渡邉潔, 植田喜一, 佐渡一成, 稲葉昌丸, 糸井素純, 宇津見義一, 木下茂 : カラーコンタクトレンズ装用にかかわる眼障害調査報告. 日コレ誌 56-1:2-10,2014. レンズケア定期検査半年に 1 回 4.8% 年 1 回 1.8% 月に1 回 3ヶ月に1 回 0.5% 3.5% 不明 0.5% 不明 31.1% 正しいケアをしていた 33.4% 不適正 35.5% 無し 79.8% 渡邉潔, 植田喜一, 佐渡一成, 稲葉昌丸, 糸井素純, 宇津見義一, 木下茂 : カラーコンタクトレンズ装用にかかわる眼障害調査報告. 日コレ誌 56-1:2-10,

20 CL 自体の原因処方指導が原因内面着色汚れ 8.9% 14.4% 処方せんなしで購入したこと 58.2% 外面着色材質劣化 3.8% 8.1% 説明指導を受けていないこと 44.3% 破損 0.5% 不適切な処方 17.5% 変形キズ 0.3% 0.3% 不適切な説明指導 11.9% 渡邉潔, 植田喜一, 佐渡一成, 稲葉昌丸, 糸井素純, 宇津見義一, 木下茂 : カラーコンタクトレンズ装用にかかわる眼障害調査報告. 日コレ誌 56-1:2-10,2014. カラー SCL による眼障害の原因 1. カラー SCL 使用者のコンプライアンス不良カラー SCL を高度管理医療機器として認識していない眼科医による処方, 定期検査を受けていない眼科医の指導, 添付文書の熟読していない使用期限, 長時間装用, 清潔な取り扱い, レンズケアなどが不適切である 20

21 カラー SCL による眼障害の原因 2. カラー SCL 自体の問題 1) 材質低い酸素透過性色素の漏出酸素不足になりやすい角膜結膜に刺激を与える 2) サイズ大きなサイズのレンズ角膜結膜に吸着しやすい ( デカ目 ) 酸素不足になりやすい 3) 厚さ厚みのあるレンズ酸素不足になりやすいカラー SCL 装用による眼障害角膜障害 21

カラー SCL 装用による眼障害角膜障害 CL による眼障害 (CL の種類別でカラー SCL

9 2.9 5.7 7.2 6.1 5.0 4.0 3.5 合計 (%) 2.2 4.1 5.2 6.0 10.

22 カラー SCL 装用による眼障害角膜障害 CL による眼障害 (CL の種類別でカラー SCL の占める割合 ) 2006 年 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年カラー CL (%) 度なしカラー CL (%) 合計 (%) 日本眼科医会の CL による眼障害アンケート調査 22

23 カラー CL 関連角膜感染症の全国調査 2012 年 1 月 ~2015 年 12 月,62 大学病院がアンケートに回答した 28 施設 (45.2%) が角膜感染症を経験し症例数は 63 症例であった 28 施設のうち 13 施設で入院加療が必要な重篤な症例を経験していた 8 例がアカントアメーバ角膜炎,3 例が緑膿菌角膜炎であった第 59 回日本コンタクトレンズ学会総会発表坂根由梨, 大橋裕一, 愛媛大学カラー CL の製造法 1 ポリマー層形成色素印刷モノマー充填重合 2モノマー充填色素印刷モノマー充填重合 3 色素印刷重合モノマー充填重合 4 色素印刷モノマー充填重合色素はモノマーと混合した状態で印刷される 23

24 平成 26 年度厚労省科学研究費補助金特別研究事業カラー CL の規格適合性に関する調査研究 1. 承認基準 ( 直径, ベースカーブ, 度数, 中心厚 ) に関する試験 2. 色素局在解析 3. 海外におけるCLの審査基準に関する調査 4. 学校現場でのCL 使用状況データの2 次解析 5. カラー CLによる眼障害の発生状況に関する実態調査平成 26 年度厚労省科学研究費補助金特別研究事業カラー CL の規格適合性に関する調査研究 2. 色素局在解析法の特徴分類解析方法破壊非破壊測定深度単分子層の存在の有無の判定光干渉断層計 (OCT) 解析非破壊 - 解像度不足理由形態観察共焦点蛍光顕微鏡 (Z-Stack) 解析非破壊 - 解像度不足切片化 / 光学顕微鏡観察破壊 - 解像度不足走査型電子顕微鏡 (SEM)/ 形態観察破壊 - 形態変化の可能性 X 線光電子分光 (XPS) 分析破壊数 nm~10nm 感度不足元素解析走査型電子顕微鏡 (SEM)/ エネルギー分散型 X 線 (EDX) 分析破壊 1um 測定深度が単分子層の厚さを越えている飛行時間二次イオン質量 (TOF-SIMS) 分析単分子層の厚さの範囲破壊 1-3nm 〇内で解析可能 ( 平成 26 年度総括分担研究費より引用 ) カラー CL の最表面のポリマー被膜 ( 単分子層 ) の厚さ : 数 nm 24

1. 色素成分はモノマーと混合されて印刷されるため色素上にポリマー被膜が存在する可能性がある ( 理論的に考えられる最も薄い被膜はポリマー分子一層から成る nm オーダーの単分子膜 ) 2. 光学的顕微鏡観察 OCT 解析 Z-Stack 解析では色素の分布状態を確認できる Z-Stack 解析では色素の存在深度 ( 表面から 1um 以内 ) を数値化できる 3.

25 1. 色素成分はモノマーと混合されて印刷されるため色素上にポリマー被膜が存在する可能性がある ( 理論的に考えられる最も薄い被膜はポリマー分子一層から成る nm オーダーの単分子膜 ) 2. 光学的顕微鏡観察 OCT 解析 Z-Stack 解析では色素の分布状態を確認できる Z-Stack 解析では色素の存在深度 ( 表面から 1um 以内 ) を数値化できる 3. TOF-SIMS 解析の測定深度は 1~3nm であり感度も高いので色素の露出状況を科学的に判定する最も優れた手法である XPS 解析は測定深度が数 ~10nm 程度であるが色素成分 ( 数 +ug/ レンズ ) を検出するためには感度が不十分である SEM/DEX 解析は um オーダーの測定深度であるため nm オーダーの単分子膜の存在を否定できない 4. レンズ表面の色素成分の露出には元素分析 (TOF-SIMS) が必要である ( 平成 26 年度総括分担研究費より ) 光学顕微鏡観察の例 ( 平成 26 年度総括分担研究費より引用 ) 25

26 Z-Stack 解析により測定した各製品のレンズ表面からの色素局在深度レンズ No. 焦点位置のズレ ( 枚数 ) 表面からの距離 (um) 色素局在レンズ No. 焦点位置のズレ ( 枚数 ) 表面からの距離 (um) 色素局在レンズ内表面付近表面付近レンズ外表面付近表面付近表面付近レンズ外表面付近表面付近表面付近表面付近表面付近レンズ内表面付近表面付近表面付近レンズ内 ( 平成 26 年度総括分担研究費より引用 ) TOF-SIMS 解析による各製品の色素検出レンズ No. 色素面色素検出の有無検出された色素成分 ( 検出部位 ) レンズ No. 色素面色素検出の有無 1 まぶた側 - 10 まぶた側〇検出された色素成分 ( 検出部位 ) Ti( 褐色 ), Pigmento Blue15( 黒色 ) 2 角膜側 Fe( 全体 )#1 11 角膜側〇 Fe( 黒色 ) 3 角膜側〇 Ti( 赤褐色 ),Fe( 赤褐色 ) 12 角膜側 - 4 まぶた側 Fe( 全体 )#2, Pigment Blue15( 褐色 ) 13 まぶた側〇 Fe( 黒色 ) 5 角膜側 - 14 角膜側 - 6 まぶた側 Fe( 全体 ), スルホン酸 15 角膜側〇 Pigmento Yellow139( 赤紫色 ) 7 角間側〇 Ti( 赤褐色 ),Fe( 赤褐色 )#3 Pigment Yellow139( 褐色 ) 16 まぶた側 - 8 角膜側 - 17 まぶた側〇 Fe( 黒色 ) 9 まぶた側〇 Ti( 全体 ),Fe( 全体 )#3 Pigment Blue15( 主に紫色 ) #1 Fe がわずかに検出されたが n=2 で再現していない #2 光学顕微鏡で観察される色素の分布と Fe の分布は一致していない #3 非常に少ない平成 26 年度総括分担研究費より引用 26

27 平成 26 年度厚労省科学研究費補助金特別研究事業カラー CL の規格適合性に関する調査研究 4. 学校現場での CL 使用状況調査の二次解析 1) 種類透明なSCLに比して度ありカラー SCLの眼障害が有意に高かった高含水性カラー SCL( 度あり ) に比して低含水性カラー SCLが有意に高かった 2) 主たる原因 1 透明なSCL 使用方法( 長時間装用誤った洗浄消毒連続装用 ) 2 カラー SCL 製品自体( 低酸素透過性素材色素の漏出色素の凹凸 ) 使用方法( 長時間装用誤った洗浄 ) 3)CLの購入医師の処方を受けずにインターネット通販で購入する者に眼障害発症が多かった度なしカラー SCLはそのほとんどが医師の処方を受けずに購入していた平成 21 年 24 年に日本眼科医会が実施した全国の小中高生を対象としたCL 使用状況調査を解析平成 21 年 :13,106 名平成 24 年 :13,415 名平成 26 年度厚労省科学研究費補助金特別研究事業カラー CL の規格適合性に関する調査研究 5. カラー SCL による眼障害の発生状況に関する実態調査眼障害の危険因子 1 高学年 2 女子学生 3 長い装用期間 4 不適切なケア 5 量販店近くの眼科での定期検査 6 長時間の装用 (1 日あたり ) 通販インターネットでの購入者が増加し平成 24 年にはこれらの非対面での購入者は眼科医療機関受診者よりも眼障害のオッズが 1.3 倍高かった平成 26 年 12 月 1 日 ~ 平成 27 年 2 月 14 日 SCL 装用者 :407 例 649 眼透明 SCL :174 例 258 眼カラー SCL:233 例 391 眼 27

28 カラー CL の安全性確保のための検討ワーキングサブワーキング 1 テーマ承認書等の記載内容の充実論点どのような記載があれば品質管理の徹底監視の強化につながるか ( 着色工程着色面の位置等が分かるイメージ図等 ) 着色面の位置等は医家向けに必要な情報に加えてはどうか方向性承認申請 Q&A の発出メンバー厚労省 ( 機器室監麻課 ) PMDA( 審査部品管部 ) 日本 CL 協会コンタクトレンズの承認申請に関する質疑応答集 (Q&A) について薬生機発 1218 第 1 号平成 27 年 12 月 18 日平成 26 年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業カラーコンタクトレンズの規格適合性に関する研究における課題等を踏まえコンタクトレンズの承認申請に関する質疑応答集 (Q&A) をとりまとめる 28

29 コンタクトレンズの承認申請に関する質疑応答集 (Q&A) について薬生機発 1218 第 1 号平成 27 年 12 月 18 日 1. 環状着色部について申請書の形状構造及び原理欄にはどのように記載したらよいか環状着色部の内径及び外径の方法着色剤が表面に露出しているか否か並びに着色面の位置がわかる最終製品の断面図を記載すること断面図は製造工程より合理的に推定される範囲で記載することコンタクトレンズの承認申請に関する質疑応答集 (Q&A) について薬生機発 1218 第 1 号平成 27 年 12 月 18 日 2. 環状着色レンズについて申請書の製造方法欄にどのように記載したらよいか環状着色の工程レンズの構造及び着色剤の含有状態が分かる図表等を記載すること環状着色の工程についてはモノマー注入着色剤の転写重合切削等の製造方法を工程順に明確に記載すること記載例ポリマー層形成色素印刷モノマー充填重合モノマー充填色素印刷モノマー充填重合色素印刷重合モノマー充填重合色素印刷モノマー充填重合 29

30 コンタクトレンズの承認申請に関する質疑応答集 (Q&A) について薬生機発 1218 第 1 号平成 27 年 12 月 18 日 3. 環状着色部の着色剤について申請書の原材料欄にどのように記載したらよいかレンズ1 枚当たりの添加量を記載すること例着色剤ごとに最大添加量を記載化学名添加量構造式規格銅フタロシニアン mg 以下別紙参照別紙参照酸化チタン mg 以下別紙参照別紙参照酸化鉄 mg 以下別紙参照別紙参照例色調ごとに添加量を記載色調化学名添加量構造式規格ブラック酸化鉄 mg 別紙参照別紙参照ブルーグリーン酸化チタン mg 別紙参照別紙参照銅フタロシニアン mg 別紙参照別紙参照銅フタロシニアン mg 別紙参照別紙参照酸化チタン mg 別紙参照別紙参照カラー CL の安全性確保のための検討ワーキングサブワーキング 2 テーマ販売時の情報提供の徹底論点適正使用に向けて現在の情報提供の内容のあり方は適切かネットでの購入者に対してどのようにしたら行動変容につながるか顧客に対するフォローアップ ( 目の状態と受診状況の確認 ) の方策等メンバー厚労省 ( 機器室監麻課安対課 ) PMDA( 安全部 ) 特別研究研究者日本眼科医会日本 CL 学会日本 CL 協会 30

31 カラー CL の安全性確保のための検討ワーキング局長通知指示事項の遵守を高めるための取り組みを検討 1)CL の販売時の情報提供の在り方 2) 指示事項の見直し 3) インターネット販売の対応 4) 眼科への受診勧奨新たな局長通知の発出都道府県を通した監視指導 CL 小売販売規制の組み合わせ 1. 小売業許可制度アジアの小売業者 2. 販売資格制度視覚専門職種 ( 眼科医眼鏡士検眼士 ) 3. 処方せん要求処方せんに基づいて販売 1 つの要件のみの規制 ( 小売業許可制度 ) 日本医薬品医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業 ( 指定型 ) コンタクトレンズ販売の実態調査に基づく販売規制のあり方に関する研究 (H24- 医療 - 指定 -032) 平成 24 年度総括分担報告書平成 25(2013) 年 3 月 31

32 世界のインターネット販売に関する規制全面禁止 : 韓国台湾フランスインターネット販売許可取得した正規の医療機器販売業者のみ可 : 中国禁止していないが処方せんを要求 : カナダ米国豪規制なし : 日本独英 1. CL 処方 CL に関する医療と販売医療機関インフォムドコンセント検査処方せんの発行販売店処方せんに基づく CL の販売医療機関 CL のチェック ( 視力のフィッティング ) 2. 定期検査 3. 苦情処理 4. CL 障害の治療と予防 5. 眼疾患の発見と治療 32

33 CL 使用に必要な説明指導 1.CL の選択 CL のメリットとデメリット CL の種類と特徴 2.CL の取り扱い使用方法着脱指導定期検査 3. ケア用品の選択製品の種類と特徴取り扱い指導定期検査 1) 自覚症状の確認 2) 視力の確認 3) レンズのフィッティングを確認 4) レンズの汚れ傷変形変色の程度を確認 5)CLによる眼障害の有無 6)CLとは無関係な眼疾患の早期発見 7)CLに関する新情報の提供問題点があれば早期に対処する 33

34 CL によるトラブルを起こさないためのポイント 1. 眼科専門医の処方処方せんに基づくCLの購入 2. 正しい使用 3. 正しいレンズケア 4. 眼鏡との併用 5. 異常を自覚した場合眼科を受診 6. 定期検査ご静聴いただきましてありがとうざいました 34

薬生発 0926 第 5 号平成 29 年 9 月 26 日都道府県知事各保健所設置市長殿特別区長厚生労働省医薬生活衛生局長 ( 公印省略 ) コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底についてコンタクトレンズ ( カラーコンタクトレンズを含む ) の販売に関してはこれまで

薬生発 0926 第 5 号平成 29 年 9 月 26 日都道府県知事各保健所設置市長殿特別区長厚生労働省医薬生活衛生局長 ( 公印省略 ) コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底についてコンタクトレンズ ( カラーコンタクトレンズを含む ) の販売に関してはこれまで薬生発 0926 第 5 号平成 29 年 9 月 26 日都道府県知事各保健所設置市長殿特別区長厚生労働省医薬生活衛生局長 ( 公印省略 ) コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底についてコンタクトレンズ ( カラーコンタクトレンズを含む ) の販売に関してはこれまでコンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について ( 平成 24 年 7 月 18 日付け薬食発