高分解能LC/MSによる構造解析(新規導入装置による超高分解能測定および多段階MS測定)

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1 The TRC ews, (July 17) 高分解能 LC/M による構造解析 ( 新規導入装置による超高分解能測定および多段階 M 測定 ) 有機分析化学研究部小野田資 秋山毅 井口詔雄 要旨質量分析計の進歩は目覚ましく 現代ではありとあらゆる分野の微量分析 構造解析において欠かすことのできない分析手法である 特に 幅広い成分に適用可能な HPLC および 質量分解能の非常に高い質量分析計 を組み合わせた 高分解能 LC/M は 混合物中の微量有機成分の構造解析など 他手法では達成できない高度な解析が可能である 本稿では 弊社に導入した新規の高分解能 LC/M 装置の特長とその分析事例を紹介する 1. はじめに 2. 高分解能 LC/M および新規導入装置 材料 先端デバイスから 医薬 バイオ ライフイノベーションの分野に至るまで 先端材料の機能発現には有機化合物が大きな役割を担っている 含有元素の組み合わせの多様性から有機化合物の構造は非常に複雑であり さらに実際の製品においては多数の成分の混合物になっている場合が多いため 有機化合物の解析は容易ではない 多成分の混合物を各成分に分離する 液体クロマトグラフィー (LC: Liquid Chromatography) および 検出器に 質量分析計 (M: Mass pectrometry) を接続した LC/M は 混合物中の微量成分の質量情報を得ることが可能であり 有機化合物の解析において強力なツールとなる 質量分析計に質量分解能の高い高分解能 M を用いることで 検出されたイオンの精密質量から組成式の推定が可能であり LC/M は有機化合物の解析に必須の手法となりつつある LC/M における高分解能 M としては TF-M (Time f Flight Mass pectrometer: 飛行時間型質量分析計 ) や rbitrap R ( 電場型のフーリエ変換型質量分析計 ) FT-ICR M(Fourier Transform Ion Cyclotron Resonance Mass pectrometry: フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析装置 ) などが挙げられる さらに 四重極 -TF 型や四重極 -rbitrap R 型等 質量分析計を複数結合させた機種では M/M 測定におけるプロダクトイオンを解析することで詳細な構造情報を取得することが可能である 弊社ではこれまでに四重極 -rbitrap R 型の高分解能 LC/M( 従来装置 ) を用いて 様々な分野での有機微量成分の解析を実施してきた 1) 以前は構造情報の取得が困難であった事例についても rbitrap R の導入により その構造解析が可能となり ここ数年で構造解析が可能な領域が飛躍的に広がってきた そこで 高分解能 LC/M を用いた構造解析を更に進化 深化させるために 弊社ではさらに高性能な高分解能 LC/M である rbitrap Fusion Tribrid Mass pectrometer を新たに導入した 1

2 以上の様に 新規装置では測定解析方法を工夫することで これまで以上に高精度の構造解析が可能となり 解析対象の範囲も広がった 3. 分析事例 図 1 新規装置 rbitrap Fusion の装置外観 今回導入した新規装置は 3 つのアナライザー [1 Quadrupole( 四重極 ) 2 rbitrap R ( 電場型 FT) 3 Ion trap( イオントラップ )] を搭載しており これ らのアナライザーを駆使することで高分解能での M 測定 M/M 測定 さらには M n 測定を実施するこ とが可能である 表 1 に本装置の特徴を記載した 表 1 新規装置 rbitrap Fusion の特徴 アナライザー ( 質量分離部および検出器 ) 四重極 rbitrap R ( 電場型 FT) イオントラップ 質量分解能 最大分解能 5, ( ) 多段階 M 開裂方法 M 1 まで精密質量で測定可能 CID, HCD, ETD から選択可能 CID: HCD: ETD: Collision-Induced Dissociation Higher-energy Collisional Dissociation Electron-Transfer Dissociation 本装置は rbitrap R の高い質量分解能から 34 に加 え 18 や 15 といった同位体イオンも観測可能である ことから高精度な組成演算が可能であり を 超える高質量数側でも高い質量分解能を有するため 中高分子量成分の解析にも適用可能である また イ オントラップを搭載していることから プロダクトイ オン ( 部分構造 ) 同士の繋がりに関する情報が取得可 能である さらに rbitrap R とイオントラップを組み 合わせた測定解析を行うことで 末端 側鎖構造解析 やシーケンス解析にも活用可能であることを見出して いる 2 本稿では新規装置 rbitrap R Fusion による高精度 の構造解析事例として 有機赤色染料 ( 図 2 参照 分 子量 :652 組成式 :C32H24662) を測定解析した 結果を紹介する H 2 H 2 H C 32 H Exact Mass: Mol. Wt.: 図 2 測定解析対象とした赤色染料の分子構造 3.1 超高分解能を用いた解析 高分解能 M である新規装置は 質量分解能が非常 に高く 最高分解能は 5,( ) の超高分解 能測定が可能である 従来装置では困難であった 16 ( 酸素 ) の同位体イオン 18 や 14 ( 窒素 ) の同位体イ オン 15 も分離して検出できるため 劣化成分をはじ めとした微量成分の元素組成式の決定が高精度で可能 である 赤色染料を測定して得られたデータ [ プロトン付加 イオン周辺のマススペクトル : 図 3 プロトン付加イ オンの同位体イオン ([M+H+1] + および [M+H+2] + ) 部分の拡大図 : 図 4] を以降に示した F: FTM + p EI Full ms [ ] C:3~ と推測 :2 と推測 12 C 32 H [M+H+1] + 12 C C 1 H [M+H+2] + 12 C 32 H 図 3 赤色染料のマススペクトル H2 H2 + H H C 32 H Exact Mass: C 3 13 C 2 H

3 [M+H+1] + 部分の拡大 [M+H+2] + 部分の拡大 [M+H+1] + 部分の拡大 [M+H+2] + 部分の拡大 33 由来 34 由来 13 C 由来 実測スペクトル設定分解能 1K ( 従来装置と同等 ) 15 由来 12 C 32 H 図 4 赤色染料のマススペクトル ( 同位体イオン部分の拡大 ) 12 C 3 13 C 2 H 実測スペクトル設定分解能 5K ( 新規導入装置 ) C 22 H ( 18 :1) 図 4 のマススペクトル ( 部分拡大図 ) において [M+H+2] + に着目すると 34 由来のピーク ( 12 C32H ) および 13 C 由来のピーク ( 12 C3 13 C2H ) を新規装置では完全に分離 して検出することが確認できた 32 に対する 34 の天 然同位体存在比が 4.25% であることを考慮すると ピークと [M+H+2] + ピークのイオン強度比から 分子内に を 2 個含むと推定できる TF 型質量分析計の質量分解能では 上記に示した [M+H+2] + における 34 由来のピークと 13 C 由来のピ ークを分離検出することは困難であることから rbitrap R ( 電場型 FT) ならではの解析例と言える 新規装置では M 測定はもとより M/M 測定 さ らには M n 測定においても高分解能測定が可能であり 得られたプロダクトイオンも精密質量であることから 詳細な解析が可能である 赤色染料について M/M 測定した際の解析例を以 降に示す ( 図 5 および図 6) をプリカ ーサーイオンとした際の M/M スペクトルを図 5 に 示した また プロダクトイオンとして検出された について その同位体イオン ([M+H+1] + お よび [M+H+2] + ) 部分の拡大図を図 6 に示した C 12 H 1.66 ppm C 1 H ppm C 32 H C 32 H ppm 推定組成式 : C 22 H C 22 H ppm C 22 H ppm C 22 H ppm C 22 H ppm C 1 H C 13 H C.8251 ppm 7 H ppm C 21 H ppm.2874 ppm 図 5 赤色染料の M/M スペクトル ( ) L: 4 1_1 e3_dd RT: 1 EI d [5. 図 6 赤色染料の M/M スペクトル ( の同位体イオン部分の拡大 ) 図 6 のマススペクトル ( 部分拡大図 ) において [M+H+2] + に着目すると 設定分解能 1,( 従来 装置の最高分解能と同程度 ) で取得したマススペクト ル [ 上段 ] ではピークは 2 つだけ確認された 一方 設定分解能 5,( 新規装置の最高分解能 ) で取得し たマススペクトル [ 中段 ] では 3 つのピークが確認 された これらは 13 C 2 個由来のピーク ( 12 C 13 C2H ) に加えて 13 C 15 由来の ピーク ( 12 C21 13 C1H ) および 18 由来 のピーク ( 12 C22H ) であり 15 由来のピ ークや 18 由来のピークも検出可能であることが確認 された また 当該スペクトルパターンは C22H174 のシミュレーション結果 [ 下段 ] とも良く一致してい た 15 由来 12 C C 1 H ( 13 C:1, 15 :1) 13 C 由来 22 H 17 4 ( 分解能 37K) 13 C, 15 由来 18 由来 13 C 2 由来 以上 新規装置では M~M n 測定において 15 由来のピークや 18 由来のピークを分離して検出する ことが可能である 例えば 微量成分の分子内に ( 酸 素 ) が存在するか否かを判別可能であることから 新 規装置による超高分解能測定は 酸化変成の有無を議 論する上でも有用な手法と成り得ると考えられ 有機 化合物の反応機構解明等への応用も期待できる 12 C 13 C 2 H 17 4 ( 13 C:2) 3

4 3.2 多段階 M 新規装置のもう一つ大きな特徴として 従来装置にはなかったイオントラップを搭載している点が挙げられる イオントラップにより 多段階のマススペクトルの取得 (M n 測定 ) が可能であり 既に前項で記載した通りM n 測定においても高分解能測定による精密質量の取得が可能である さらに 新規装置では開裂方法を複数の手法 (CID HCD ETD) から選択可能であるため 化合物の構造や分析の目的に応じて適切な開裂手法を適用することで高度な解析が可能となった 従来装置では M 2 測定において高エネルギーで衝突乖離を行い なるべく多くのプロダクトイオンを生じさせることで 多くの部分構造情報を得ようとしていたが プロダクトイオン同士を紐付けするのは必ずしも容易ではなかった 一方 新規装置では M n 測定を実施することで部分構造同士の繋がりについても情報を得ることが可能となった 例えば M 3 測定で得られたプロダクトイオン α1 α2 α3 のうち α1 をプリカーサーイオンとした M 4 測定でプロダクトイオン β1 β2 β3 が検出され α2 をプリカーサーイオンとした M 4 測定でプロダクトイオン γ1 γ2 γ3 が検出されたとする この結果から α1 は β1 β2 β3 を部分構造として有することが判別でき α2 は γ1 γ2 γ3 を部分構造として有することが判別できる M n 測定の解析事例として 赤色染料を M 5 まで実施した事例を以降に示す ( 図 7) まず M 1 測定のマススペクトル (1 段目 ) では 分子量関連イオンの が検出され 組成式 C 32 H を決定することが可能であった 次いで 検出された分子量関連イオンをプリカーサーイオンとして M 2 測定のマススペクトルを取得した (2 段目 ) 生じたプロダクトイオンはそれぞれ高精度の精密質量であることから 検出イオンの組成式 ( 部分構造 ) を推定することが可能である また プロダクトイオン同士の質量差 ( ニュートラルロス ) 分も高精度の精密質量となり 質量差から脱離した分子の組成式 ( 部分構造 ) を推定することが可能である 得られたプロダクトイオンを次段のプリカーサーイオンに設定して更にプロダクトイオンを生成させることで M 3 測定 (3 段目 ) M 4 測定 (4 段目 ) M 5 測定 (5 段目 ) とマススペクトルを取得していくことが可能である C 1 H 24 M C H C H ppm ppm 図 7 赤色染料の M~M 5 スペクトル なお M 2 および M 3 測定で得られたマススペクト ルにおいて プロダクトイオン同士の質量差から 2 +H が脱離していることが推定された 図 8 上 段スキームの様に アゾ基由来の 2 脱離と開裂だ けでは M 4 測定以降のマススペクトルを解釈するこ とが困難であることから 図 8 下段スキームの様に アゾ基由来の 2 脱離に際して転移反応も生じてい る可能性が考えられた 2) H 2 Dissociation? H H 2 Rearrangement? H 図 8 アゾ基からの 2 脱離スキーム ( 推定 ) C 32 H ppm 2.21 ppm M C 22 H ppm C 22 H ppm C C 32 H H 16 2 C 16 H ppm C.232 ppm.6935 ppm 1 H M 3 M 4 M C 22 H ppm C 6 H C 22 H ppm C 22 H ppm C 22 H ppm 3 H C 22 H ppm H 3H C 1 H C 1H H 2 H 3 C 6H 6 H 2 2H C 1H 7 2 L: 3.37E7 1_1dil_2uL_JIMCo_pos_Full1K_1e5_d K_MD5_noEx_23#1338 RT: 1.62 AV: 1 F: + p EI Full ms [ ] L: 2.3E7 1_1dil_2uL_JIMCo_pos_Full1K_1e5_d K_MD5_noEx_23#1359 RT: 1.69 AV: 1 F: + p EI d Full ms @cid35. [ ] L: 2.54E7 1_1dil_2uL_JIMCo_pos_Full1K_1e5_d K_MD5_noEx_23#135 RT: 1.66 AV: 1 F: + p EI d Full ms @cid @cid35. [ ] L: 1.51E7 1_1dil_2uL_JIMCo_pos_Full1K_1e5_d K_MD5_noEx_23#1351 RT: 1.66 AV: 1 F: + p EI d Full ms @cid @cid @cid35. [12.-.] L: 5.24E6 1_1dil_2uL_JIMCo_pos_Full1K_1e5_d K_MD5_noEx_23#1352 RT: 1.67 AV: 1 F: + p EI d Full ms @cid @cid @cid @cid35. [ ]

5 前述したアゾ基以外の構造においても 多段階 M (M/M 測定も含む ) により生じたプロダクトイオンを プリカーサーイオンの単純な開裂だけでは説明できないケースも少なくない 従って 高分解能 LC/M による構造解析を深化するためには 数多くの測定 解析を実施し 経験則やモデル試験から転移反応や環状化合物の開環反応等についても理解を深める必要があると考えられる 小野田資 ( おのだもとし ) 有機分析化学研究部有機分析化学第 2 研究室主任研究員趣味 : 音楽鑑賞秋山毅 ( あきやまつよし ) 有機分析化学研究部有機分析化学第 2 研究室研究員趣味 : 自転車 ギター 4. まとめ本稿では 新規導入装置での解析例を用いて有機化合物の解析に有用な高分解能 LC/M を用いた構造解析例について紹介した 高分解能 LC/M 分析は LC 分離により複雑な混合試料中でも微量成分が検出可能であり 高質量分解能により検出成分の分子式が決定可能であることが特徴である 新規導入した高分解能 LC/M は 非常に高い質量分解能から精密質量および各種同位体イオンが詳細に解析可能であり 高精度に検出イオンの分子式を決定できる さらに 多段階 M および種々の開裂方法を駆使することで 部分構造同士の繋がりについても解析が可能であった 高分解能 LC/M は非常に強力な分析手法であるが 不適切な前処理 測定条件で分析を行っても分析目的は達成できない 質の高いデータを取得するには 測定試料 対象成分に応じた前処理 LC 分離条件 M 測定条件も重要であることを忘れてはならない また LC/M におけるマススペクトルの解析には 装置付随や公開されているデータベースだけでは困難であるのが現状であり 解析ノウハウや独自のデータベース構築も必要である 今後も高分解能 LC/M による解析を様々な分野に応用展開していきたい 井口詔雄 ( いぐちのりお ) 有機分析化学研究部有機分析化学第 1 研究室主席研究員趣味 : 読書 引用文献 1) 井口詔雄, The TRC ews, 116, 23 (13). 2) A Ramachandran, University of Wollongong Thesis Collection (8). 5

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