将来気候における洪水量の分析

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1 将来気候における洪水の分析

2 流出計算

3 流出計算モデル 流出モデルは 北海道の実洪水での活用の実績がある分布型の 2 段タンク型貯留関数モデルを採用する モデル定数 C 11 C 12 C 13 および分離時定数 T c は 近年の主要洪水への再現性を考慮して設定した 2 段タンク型貯留関数モデル 基礎式 (2 段タンク ) s 1 = k 11 q p1 d 1 + k 12 dt q 1 ds 1 dt = r q 1 b b = k 13 q 1 d s 2 = K 21 q 2 + k 22 dt q 2 ds 2 dt = b q 2 q = q 1 + q 2 p2 k 11 = c 11 A.24 k 12 = c 12 k 112 r.2648 k 13 = c 13 1 k 21 = c 1 c k 13 c = K 22 = 1 c k 13 c 1 = C 11 = X f c f c = n i.6 モデル定数 δ T c 2 δ 2 T c 北海道開発局洪水予測システム 解説書 より ( 北海道開発局, 平成 19 年 3 月 ) 基礎式 ( 河道追跡 ) da dt + dq dx = Q = hbv v = 1 n h5 3i 1 2 s 1 1 段目タンク貯留高 (mm) s 2 2 段目タンク貯留高 ( mm ) r 観測雨 ( mm /h) q 全流出高 ( mm /h) q 1 : 表面 中間流出高 ( mm /h) q 2 地下流出高 ( mm /h) b 1 段目タンクから2 段目タンクへの浸透供給 ( mm /h) k 11, k 12, k 21, k 22 貯留係数 k 13 浸透係数 p 1, p 2 貯留指数 A 流域面積 (km 2 ) r 平均雨強度 ( mm /h) c 11, c 12, c 13 モデル定数 ( 未知定数 ) f c : 流域粗度 N: 等価粗度 s m 1 3 i: 平均斜面勾配 p 1 =.6 p 2 =.4648 δ = 2.1 X 未知定数 h: 水深 m B: 河道幅 m n: 河道粗度 i: 河道勾配 38

4 流出計算モデルー定数設定と計算結果の関係 モデル定数 C 11 C 12 C 13 および分離時定数 T c の値の変化によって 算出される流は以下のように変化する C 11 : ハイドロのシャープさを表す C 12 : ハイドロの時間的遅れを表す C 13 : 流出が地下に損失 ( 浸透 ) する割 合を表す 流流流 C 11 を小さくするとピーク生起時刻が早まり 先鋭化する C 12 を小さくするとピーク生起時刻が早まる C 13 を小さくするとボリュームが増える T C : 地下水流出成分の低減部の傾きに関する係数 地下水流出成分の曲線はハイドロ減衰部の傾きの関数 T C : 低減部の傾きに関する係数 T C を変化させることで 地下水流出成分の低減部の傾きが変化する 北海道開発局洪水予測システム 解説書 より ( 北海道開発局, 平成 19 年 3 月 ) 39

5 ダウンスケーリング後降雨データと分布型モデルメッシュサイズの関係 メッシュサイズは 流域特性及び全国合成レーダ雨の 1km メッシュ分布データを有効活用することを基本とし 地形勾配や流域形状 河道網を勘案し 現在配信されているレーダ雨メッシュサイズと同様に 1km 分割とした 入力する降雨データは 5km メッシュとなっており その解像度を活かせる詳細なメッシュサイズとした 各流域のメッシュ分割図 ( 青線 1km メッシュ ) 5km メッシュ重ね図に差替え 5km メッシュ重ね図に差替え d4pdf におけるメッシュデータは緯度経度を基準に設定されている 5km メッシュは 緯度経度方向ともに.5 度 (=18 秒 ) となっているため 実際には縦 6km 横 4km の形に近いが ここでは便宜上 5km メッシュと表現している 一方で 流出モデルの 1km メッシュは地域標準 3 次メッシュを使用している 地域標準メッシュは できるだけ縦横の距離が等しくなるように設定されており 緯度方向 45 秒 経度方向 3 秒で設定されている そのため 5km メッシュ (18 秒 18 秒 ) 内には 1km メッシュ (45 秒 3 秒 ) は 縦 6 メッシュ 横 4 メッシュが含まれることになる 4

6 標高データの設定 各メッシュの標高データは 国土地理院の基盤地図情報数値標高モデル 1m メッシュ ( 標高 ) を用いて設定した 地盤高図 ( 十勝川流域の一部 ) 41

7 流出算出に用いる等価粗度の設定 国土数値情報等の土地利用データを基にした各メッシュの代表土地利用状況から 表面 中間流出の算出に必要な等価粗度を設定した なお 等価粗度は水理公式集 ( 平成 11 年版 ) を基に設定した 土地利用状況図 ( 十勝川流域の一部 ) 土地利用形態 等価粗度 n(m -1/3 s) 代表土地地目 水田 2. 河川湖沼 水田 山林.7 森林 丘陵 畑地 ゴルフ場 公園 土地利用形態と等価粗度 n の標準値.3 他農用地 荒地 ゴルフ場 市街地.3 建物用地 他用地 水理公式集 ( 平成 11 年版 ) 参考 流域特性と等価粗度 ( 田岡 日野 1965) 流域の状態 等価粗度 n(m -1/3 s) 階段状に宅地造成を行った丘陵地帯.5 流域の一部 (15%) に宅地を含む丘陵地帯 階段状田畑主体流域.1~.2.2~.4 上流山地 中下流に市街地を含む階段状田畑主体流域.3~.5 主として林相のかなりよい山地流域 上流丘陵地 5% 中流市街地 2% 下流低平水田 3% の流域 排水改良の行われていない水田地帯.4~.8.6~1.1 1~3 国土交通省河川砂防技術基準調査編および参考となる資料 ( 平成 24 年 6 月版 ) 42

8 河道追跡に用いる粗度係数の設定 落水線は 各メッシュの地盤高を基に設定した 河道追跡計算に用いる粗度係数は 国土交通省河川砂防技術基準調査編および参考となる資料 ( 平成 24 年 6 月版 ) より 山地流路の粗度係数.3 を採用した 河道網図 ( 十勝川流域の一部 ) 河川や水路の状況と粗度係数の範囲 国土交通省河川砂防技術基準調査編および参考となる資料 ( 平成 24 年 6 月版 ) 43

9 9/1 : 19/1/1 19/1/8 19/1/15 19/1/2 19/1/29 19/2/5 19/2/12 19/2/19 19/2/26 19/3/4 19/3/1 19/3/18 19/3/25 19/4/1 19/4/8 19/4/15 19/4/2 19/4/29 19/5/6 19/5/13 19/5/2 19/5/27 19/6/3 19/6/1 19/6/17 19/6/24 19/7/1 19/7/8 19/7/15 19/7/2 19/7/29 19/8/5 19/8/12 19/8/19 19/8/26 9/2 : 9/3 : 9/4 : 9/5 : 9/6 : 9/7 : 9/8 : 9/9 : 9/1 : 9/11 : 再現計算によるモデル定数の設定 ( 十勝川 ) ー H23.9 出水再現定数 1 十勝川流域において H23.9 出水を対象に再現計算を実施し 最適定数を設定した 十勝川帯広基準地点 H23.9 出水再現計算結果 平成 23 年 9 月 6 日洪水 ( 帯広観測所 ) 流ハイドログラフ 7 流域平均雨 実績流 再現流 流 4 4 雨 (m 3 /s) 計算ピーク流 2,384m 3 /s 実績ピーク流 2,373m 3 /s (mm/hr) モデル定数 ( 平均値 ) C11=47.43 fc C12=.15 C13= 2.82 Tc=84.73 時間 44

10 9/7 : 8/6 : 19/1/1 19/1/8 19/1/15 19/1/2 19/1/29 19/2/5 19/2/12 19/2/19 19/2/26 19/3/4 19/3/1 19/3/18 19/3/25 19/4/1 19/4/8 19/4/15 19/4/2 19/4/29 19/5/6 19/5/13 19/5/2 19/5/27 19/6/3 19/6/1 19/6/17 19/6/24 19/7/1 19/7/8 19/7/15 19/7/2 19/7/29 19/8/5 19/8/12 19/8/19 19/8/26 9/8 : 9/9 : 9/1 : 9/11 : 9/12 : 19/1/1 19/1/8 19/1/15 19/1/2 19/1/29 19/2/5 19/2/12 19/2/19 19/2/26 19/3/4 19/3/1 19/3/18 19/3/25 19/4/1 19/4/8 19/4/15 19/4/2 19/4/29 19/5/6 19/5/13 19/5/2 19/5/27 19/6/3 19/6/1 19/6/17 19/6/24 19/7/1 19/7/8 19/7/15 19/7/2 19/7/29 19/8/5 19/8/12 19/8/19 19/8/26 8/7 : 8/8 : 8/9 : 8/1 : 8/11 : 9/13 : 8/12 : 9/14 : 8/13 : 9/15 : 8/14 : 9/16 : 8/15 : 9/17 : 8/16 : 9/1 : 8/16 : 19/1/1 19/1/8 19/1/15 19/1/2 19/1/29 19/2/5 19/2/12 19/2/19 19/2/26 19/3/4 19/3/1 19/3/18 19/3/25 19/4/1 19/4/8 19/4/15 19/4/2 19/4/29 19/5/6 19/5/13 19/5/2 19/5/27 19/6/3 19/6/1 19/6/17 19/6/24 19/7/1 19/7/8 19/7/15 19/7/2 19/7/29 19/8/5 19/8/12 19/8/19 19/8/26 19/1/1 19/1/8 19/1/15 19/1/2 19/1/29 19/2/5 19/2/12 19/2/19 19/2/26 19/3/4 19/3/1 19/3/18 19/3/25 19/4/1 19/4/8 19/4/15 19/4/2 19/4/29 19/5/6 19/5/13 19/5/2 19/5/27 19/6/3 19/6/1 19/6/17 19/6/24 19/7/1 19/7/8 19/7/15 19/7/2 19/7/29 19/8/5 19/8/12 19/8/19 19/8/26 19/9/2 19/9/9 19/9/16 19/9/23 19/9/3 19/1/7 19/1/14 19/1/21 19/1/28 19/11/4 19/11/11 19/11/18 19/11/25 19/12/2 19/12/9 19/12/16 19/12/23 19/12/3 191/1/6 191/1/13 191/1/2 191/1/27 191/2/3 191/2/1 191/2/17 191/2/24 191/3/3 191/3/1 191/3/17 191/3/24 191/3/31 191/4/7 191/4/14 191/4/21 8/17 : 9/2 : 8/18 : 8/19 : 9/3 : 8/2 : 8/21 : 9/4 : 8/22 : 8/23 : 9/5 : 8/24 : 8/25 : 9/6 : 8/26 : 8/27 : 9/7 : 8/28 : 8/29 : 9/8 : 8/3 : 8/31 : 9/9 : 9/1 : 9/2 : 9/1 : 9/3 : 9/4 : 9/11 : 9/5 : 再現計算によるモデル定数の設定 ( 十勝川 ) ー H23.9 出水再現定数 2 H23.9 出水の再現計算で設定したモデル定数で レーダー雨が得られている近年の主要洪水の再現性を確認した 確認の結果 H13.9 出水に対しては良い再現性が得られた 一方で H15.8 出水に対しては過大評価する結果となり 連続降雨である H28.8 出水に対しては 3 山目のピーク流を過小評価する結果となった 十勝川帯広基準地点 平成 13 年 9 月 11 日洪水 ( 帯広観測所 ) 流ハイドログラフ H13.9 出水 平成 23 年 9 月 6 日洪水 ( 帯広観測所 ) 流ハイドログラフ H23.9 出水 1 流域平均雨 実績流 再現流 流 35 (m 3 /s) 計算ピーク流 2,121m 3 /s 実績ピーク流 2,11m 3 /s 4 雨 5 (mm/hr) 流 35 (m 3 /s) 計算ピーク流 2,384m 3 /s 実績ピーク流 2,373m 3 /s 4 雨 5 (mm/hr) 時間 時間 流 (m 3 /s) 平成 15 年 8 月 1 日洪水 ( 帯広観測所 ) 流ハイドログラフ 時間 平成 28 年 8 月 31 日洪水 ( 帯広観測所 ) 流ハイドログラフ H15.8 出水 H28.8 出水 7 流域平均雨 計算ピーク流 2,773m 3 /s 実績ピーク流 1,915m 3 /s 雨 (mm/hr) 実績流 再現流 流 (m 3 /s) 実績ピーク流 6,334m 3 /s 計算ピーク流 3,978m 3 /s 時間 雨 (mm/hr) 流域平均雨 実績流 再現流 45

11 8/16 : 19/1/1 19/1/8 19/1/15 19/1/2 19/1/29 19/2/5 19/2/12 19/2/19 19/2/26 19/3/4 19/3/1 19/3/18 19/3/25 19/4/1 19/4/8 19/4/15 19/4/2 19/4/29 19/5/6 19/5/13 19/5/2 19/5/27 19/6/3 19/6/1 19/6/17 19/6/24 19/7/1 19/7/8 19/7/15 19/7/2 19/7/29 19/8/5 19/8/12 19/8/19 19/8/26 19/9/2 19/9/9 19/9/16 19/9/23 19/9/3 19/1/7 19/1/14 19/1/21 19/1/28 19/11/4 19/11/11 19/11/18 19/11/25 19/12/2 19/12/9 19/12/16 19/12/23 19/12/3 191/1/6 191/1/13 191/1/2 191/1/27 191/2/3 191/2/1 191/2/17 191/2/24 191/3/3 191/3/1 191/3/17 191/3/24 191/3/31 191/4/7 191/4/14 191/4/21 8/17 : 8/18 : 8/19 : 8/2 : 8/21 : 8/22 : 8/23 : 8/24 : 8/25 : 8/26 : 8/27 : 8/28 : 8/29 : 8/3 : 8/31 : 9/1 : 9/2 : 9/3 : 9/4 : 9/5 : 再現計算によるモデル定数の設定 ( 十勝川 ) ー H28.8 出水再現定数 1 十勝川流域において H28.8 出水を対象に再現計算を実施し 最適定数を設定した 再現計算の結果 H28.8 出水については前半ハイドロのピーク流は過大に評価されるものの 最も大きいピーク流が再現されることを確認した 7 十勝川帯広基準地点 H28.8 出水再現計算結果 平成 28 年 8 月 31 日洪水 ( 帯広観測所 ) 流ハイドログラフ 流域平均雨 実績ピーク流 6,334m 3 /s 1 2 実績流 再現流 5 45 計算ピーク流 6,31m 3 /s 3 流 4 4 雨 (m 3 /s) (mm/hr) モデル定数 ( 平均値 ) C11=14.85 fc C12=.14 C13= 1.71 Tc=84.73 時間 46

12 8/6 : 9/7 : 19/1/1 19/1/8 19/1/15 19/1/2 19/1/29 19/2/5 19/2/12 19/2/19 19/2/26 19/3/4 19/3/1 19/3/18 19/3/25 19/4/1 19/4/8 19/4/15 19/4/2 19/4/29 19/5/6 19/5/13 19/5/2 19/5/27 19/6/3 19/6/1 19/6/17 19/6/24 19/7/1 19/7/8 19/7/15 19/7/2 19/7/29 19/8/5 19/8/12 19/8/19 19/8/26 19/1/1 19/1/8 19/1/15 19/1/2 19/1/29 19/2/5 19/2/12 19/2/19 19/2/26 19/3/4 19/3/1 19/3/18 19/3/25 19/4/1 19/4/8 19/4/15 19/4/2 19/4/29 19/5/6 19/5/13 19/5/2 19/5/27 19/6/3 19/6/1 19/6/17 19/6/24 19/7/1 19/7/8 19/7/15 19/7/2 19/7/29 19/8/5 19/8/12 19/8/19 19/8/26 8/7 : 9/8 : 8/8 : 9/9 : 8/9 : 9/1 : 8/1 : 9/11 : 8/11 : 9/12 : 8/12 : 9/13 : 8/13 : 9/14 : 8/14 : 9/15 : 8/15 : 9/16 : 8/16 : 9/17 : 9/1 : 8/16 : 19/1/1 19/1/8 19/1/15 19/1/2 19/1/29 19/2/5 19/2/12 19/2/19 19/2/26 19/3/4 19/3/1 19/3/18 19/3/25 19/4/1 19/4/8 19/4/15 19/4/2 19/4/29 19/5/6 19/5/13 19/5/2 19/5/27 19/6/3 19/6/1 19/6/17 19/6/24 19/7/1 19/7/8 19/7/15 19/7/2 19/7/29 19/8/5 19/8/12 19/8/19 19/8/26 19/1/1 19/1/8 19/1/15 19/1/2 19/1/29 19/2/5 19/2/12 19/2/19 19/2/26 19/3/4 19/3/1 19/3/18 19/3/25 19/4/1 19/4/8 19/4/15 19/4/2 19/4/29 19/5/6 19/5/13 19/5/2 19/5/27 19/6/3 19/6/1 19/6/17 19/6/24 19/7/1 19/7/8 19/7/15 19/7/2 19/7/29 19/8/5 19/8/12 19/8/19 19/8/26 19/9/2 19/9/9 19/9/16 19/9/23 19/9/3 19/1/7 19/1/14 19/1/21 19/1/28 19/11/4 19/11/11 19/11/18 19/11/25 19/12/2 19/12/9 19/12/16 19/12/23 19/12/3 191/1/6 191/1/13 191/1/2 191/1/27 191/2/3 191/2/1 191/2/17 191/2/24 191/3/3 191/3/1 191/3/17 191/3/24 191/3/31 191/4/7 191/4/14 191/4/21 8/17 : 9/2 : 8/18 : 8/19 : 9/3 : 8/2 : 8/21 : 9/4 : 8/22 : 8/23 : 9/5 : 8/24 : 8/25 : 9/6 : 8/26 : 8/27 : 9/7 : 8/28 : 8/29 : 9/8 : 8/3 : 8/31 : 9/9 : 9/1 : 9/2 : 9/1 : 9/3 : 9/4 : 9/11 : 9/5 : 再現計算によるモデル定数の設定 ( 十勝川 ) ー H28.8 出水再現定数 2 H28.8 出水の再現計算で設定したモデル定数で レーダー雨が得られている近年の主要洪水の再現性を確認した 確認の結果 H28.8 出水ではピーク流を再現できたが その他の出水に対しては ピーク流を過大に評価する結果となった H28.8 出水は これまでに経験のない連続降雨による出水であり H28.8 出水で設定した定数を用いると それ以外の出水の再現性が得られないことから 洪水変化の検討では十勝川の流出計算には H23.9 出水再現定数を用いることとした 十勝川帯広基準地点 流 平成 13 年 9 月 11 日洪水 ( 帯広観測所 ) 流ハイドログラフ H13.9 出水 計算ピーク流 3,165m 3 /s 雨 流 平成 23 年 9 月 6 日洪水 ( 帯広観測所 ) 流ハイドログラフ H23.9 出水 計算ピーク流 4,181m 3 /s 雨 流域平均雨 実績流 再現流 35 (m 3 /s) 実績ピーク流 2,11m 3 /s 5 (mm/hr) (m 3 /s) 実績ピーク流 2,373m 3 /s 5 (mm/hr) 時間 時間 流 平成 15 年 8 月 1 日洪水 ( 帯広観測所 ) 流ハイドログラフ 平成 28 年 8 月 31 日洪水 ( 帯広観測所 ) 流ハイドログラフ H15.8 出水 H28.8 出水 7 計算ピーク流 5,1m 3 /s 雨 流 実績ピーク流 6,334m 3 /s 計算ピーク流 6,31m 3 /s 雨 流域平均雨 実績流 再現流 35 (m 3 /s) 3 25 実績ピーク流 1,915m 3 /s 5 (mm/hr) 6 35 (m 3 /s) (mm/hr) 時間 1 時間 1 47

13 8/16 : 19/1/1 19/1/8 19/1/15 19/1/2 19/1/29 19/2/5 19/2/12 19/2/19 19/2/26 19/3/4 19/3/1 19/3/18 19/3/25 19/4/1 19/4/8 19/4/15 19/4/2 19/4/29 19/5/6 19/5/13 19/5/2 19/5/27 19/6/3 19/6/1 19/6/17 19/6/24 19/7/1 19/7/8 19/7/15 19/7/2 19/7/29 19/8/5 19/8/12 19/8/19 19/8/26 8/17 : 8/18 : 8/19 : 8/2 : 8/21 : 8/22 : 8/23 : 8/24 : 8/25 : 8/26 : 再現計算によるモデル定数の設定 ( 常呂川 ) ー H28.8 出水再現定数 1 常呂川流域において H28.8 出水を対象に再現計算を実施し 最適定数を設定した 常呂川北見基準地点 H28.8 出水再現計算結果 平成 28 年 8 月 21 日洪水 ( 北見観測所 ) 流ハイドログラフ 3 流域平均雨 28 実績流 26 再現流 流 16 雨 (m 3 /s) 計算ピーク流 1,688m 3 /s 実績ピーク流 1,667m 3 /s 3 (mm/hr) モデル定数 ( 平均値 ) C11=62.3 fc C12=.5 C13= 1.1 Tc=71.6 時間 48

14 9/15 : 9/1 : 19/1/1 19/1/8 19/1/15 19/1/2 19/1/29 19/2/5 19/2/12 19/2/19 19/2/26 19/3/4 19/3/1 19/3/18 19/3/25 19/4/1 19/4/8 19/4/15 19/4/2 19/4/29 9/16 : 19/1/1 19/1/8 19/1/15 19/1/2 19/1/29 19/2/5 19/2/12 19/2/19 19/2/26 19/3/4 19/3/1 19/3/18 19/3/25 19/4/1 19/4/8 19/4/15 19/4/2 19/4/29 9/11 : 9/17 : 9/12 : 9/18 : 9/13 : 9/19 : 9/14 : 9/2 : 9/15 : 8/16 : 8/17 : 19/1/1 19/1/8 19/1/15 19/1/2 19/1/29 19/2/5 19/2/12 19/2/19 19/2/26 19/3/4 19/3/1 19/3/18 19/3/25 19/4/1 19/4/8 19/4/15 19/4/2 19/4/29 8/18 : 8/19 : 19/1/1 19/1/8 19/1/15 19/1/2 19/1/29 19/2/5 19/2/12 19/2/19 19/2/26 19/3/4 19/3/1 19/3/18 19/3/25 19/4/1 19/4/8 19/4/15 19/4/2 19/4/29 19/5/6 19/5/13 19/5/2 19/5/27 19/6/3 19/6/1 19/6/17 19/6/24 19/7/1 19/7/8 19/7/15 19/7/2 19/7/29 19/8/5 19/8/12 19/8/19 19/8/26 8/17 : 8/18 : 8/19 : 8/2 : 8/21 : 8/2 : 8/22 : 8/23 : 8/21 : 8/24 : 8/25 : 8/22 : 8/26 : 再現計算によるモデル定数の設定 ( 常呂川 ) ー H28.8 出水再現定数 2 H28.8 出水の再現計算で設定したモデル定数で レーダー雨が得られている近年の主要洪水の再現性を確認した 確認の結果 H18.8 出水では過大評価となっているが それ以外の出水では概ね再現できているため H28.8 出水の再現定数を用いることとした 常呂川北見基準地点 平成 1 年 9 月 17 日洪水 ( 北見観測所 ) 流ハイドログラフ H1.9 出水 平成 18 年 8 月 19 日洪水 ( 北見観測所 ) 流ハイドログラフ H18.8 出水 流域平均雨 実績流 再現流 流 16 (m 3 /s) 計算ピーク流 1,83m 3 /s 実績ピーク流 898m 3 /s 3 4 雨 5 (mm/hr) 流 16 (m 3 /s) 計算ピーク流 1,537m 3 /s 実績ピーク流 1,3m 3 /s 3 4 雨 5 (mm/hr) 時間 時間 3 平成 13 年 9 月 12 日洪水 ( 北見観測所 ) 流ハイドログラフ H13.9 出水 3 平成 28 年 8 月 21 日洪水 ( 北見観測所 ) 流ハイドログラフ H28.8 出水 流域平均雨 実績流 再現流 流 16 (m 3 /s) 計算ピーク流 1,16m 3 /s 実績ピーク流 932m 3 /s 雨 5 (mm/hr) 流 16 (m 3 /s) 計算ピーク流 1,688m 3 /s 実績ピーク流 1,667m 3 /s 1 2 雨 (mm/hr) 時間 1 時間 5 49

15 将来気候における洪水の変化

16 流域平均雨とピーク流の関係 十勝川帯広基準地点では 将来実験のピーク流の最大値 (11,847m 3 /s) が過去実験のピーク流の最大値 (7,258m 3 /s) の約 1.6 倍 平成 28 年 8 月出水のピーク流 (6,334m 3 /s) の約 1.9 倍であった 常呂川北見基準地点では 将来実験のピーク流の最大値 (7,673m 3 /s) が過去実験のピーク流の最大値 (3,373m 3 /s) の約 2.3 倍 平成 28 年 8 月出水のピーク流 (1,667m 3 /s) の約 4.6 倍であった 十勝川流域では 同一の流域平均雨に対するピーク流の幅が大きくなった 一方 常呂川流域では 同一の流域平均雨に対するピーク流の幅が十勝川流域と比較して小さくなった 過去実験 将来実験 十勝川帯広基準地点 赤の 印は H28.8 再現定数で連続降雨となるケースを計算した結果 ( 詳細については参考資料参照 ) H28.8 出水ピーク流 6,334m 3 /s H28.8 出水ピーク流 6,334m 3 /s 常呂川北見基準地点 537 ケース中 2 ケース再計算中 H28.8 出水ピーク流 1,667m 3 /s H28.8 出水ピーク流 1,667m 3 /s 51

17 降雨波形とピーク流について 1 降雨波形によるピーク流の違いを確認するために 十勝川帯広基準地点の将来実験において ピーク流最大となったケースの 72 時間雨 266mm±2.5mm に該当するケースを抽出し その中からピーク流の異なる 4 ケースを選定し ハイドロ ハイエトグラフを作成した ピーク流は ある期間に降雨が集中するような降雨波形の場合に 大きくなる傾向となった 266mm±2.5mm No.1 No.2 No 実験ケース名 流域平均総雨 (mm/72hr) ピーク流 (m 3 /s) 1 MI_m114_ ,847 2 MR_m17_ ,965 3 MP_m15_ ,137 4 MI_m11_ ,87 5 MP_m16_ ,842 6 MP_m17_ ,164 7 CC_m11_ ,135 8 MP_m14_ ,888 9 MP_m112_ ,6 1 GF_m15_ ,35 11 MI_m111_ ,82 12 GF_m112_ ,7 13 CC_m13_ , MR_m111_ , MI_m13_ ,528 該当ケースは 15 ケース No.7 No.14 52

18 降雨波形とピーク流について 2 72 時間積算雨分布図から 同一の流域平均 72 時間雨の降雨であっても 空間的には異なる分布を持っていることが確認できる また 降雨波形が一山で先鋭であった No.1 や No.2 では 降雨は山地の一部に集中している 一方で No.14 のような同一規模の雨が断続的に降り続く波形では 流域に一様に降雨が生じている 大アンサンブルデータの流出計算を行うことにより 降雨の空間的な分布による流出の違いを把握することができる さらに そのような降雨の空間分布が生じる気象場を理解することにより 事前対応等の危機管理にも活用が期待できる 72 時間積算雨分布図 266mm±2.5mm MI m 年 MR m 年 No.1 No.2 No 実験ケース名 流域平均総雨 (mm/72hr) ピーク流 (m 3 /s) 1 MI_m114_ ,847 2 MR_m17_ ,965 3 MP_m15_ ,137 4 MI_m11_ ,87 5 MP_m16_ ,842 6 MP_m17_ ,164 7 CC_m11_ ,135 8 MP_m14_ ,888 9 MP_m112_ ,6 1 GF_m15_ ,35 11 MI_m111_ ,82 12 GF_m112_ ,7 13 CC_m13_ , MR_m111_ , MI_m13_ ,528 該当ケースは 15 ケース No.7 CC m 年 No.14 MR m 年 53

19 洪水リスクの共有 リスクの考え方 分析方法

20 リスク評価に用いる外力

21 リスク評価に用いる外力 十勝川過去実験 1 リスク評価に用いる外力として 十勝川帯広基準地点における過去実験 GEV 分布の 1/15 確率降雨のとりうる範囲のうち 1 中央値付近のピーク流最大ケース 295% 信頼区間内のピーク流最大ケース 395% 信頼区間内の流域平均 72 時間雨最大ケースを抽出した 降雨の確率規模に基づいたリスク評価を行う場合 ケース 1: 確率雨の中央値から設定 確率雨の中央値 255±1mm に該当するケースからピーク流最大ケースを選定 m ケース 2: 確率雨の 95% 信頼区間の範囲に該当ケースからピーク流最大ケースを選定 m ケース 3: 確率雨の 95% 信頼区間の範囲に該当ケースから 72 時間雨最大ケースを選定 m ケース 1 中央値付近ピーク流最大ケース ケース 2 信頼区間ピーク流最大ケース ケース 3 信頼区間雨最大ケース 中央値 255mm 95% 信頼区間 186mm~357mm 56

22 リスク評価に用いる外力 十勝川過去実験 2 選定されたケース 1~3 について ハイドロ ハイエトグラフを以下に示す ケース 1:1/15 確率雨の中央値付近 ピーク流最大ケースケース 2:1/15 確率雨の 95% 信頼区間内 ピーク流最大ケース ケース 3:1/15 確率雨の 95% 信頼区間内 流域平均雨最大ケース m m

23 リスク評価に用いる外力 十勝川将来実験 1 リスク評価に用いる外力として 十勝川帯広基準地点における将来実験 GEV 分布の 1/15 確率降雨のとりうる範囲のうち 1 中央値付近のピーク流最大ケース 2 95% 信頼区間内のピーク流最大ケース 395% 信頼区間内の流域平均 72 時間雨最大ケースを抽出した また 将来の十勝川流域で発生しうる最悪の事態を想定するため 将来実験 54 ケースの中から流域平均 72 時間雨が最大となるケースを抽出した 降雨の確率規模に基づいたリスク評価を行う場合 ケース 1: 確率雨の中央値から設定 確率雨の中央値 344±1mm に該当するケースからピーク流最大ケースを選定 MI-m ケース 2: 確率雨の 95% 信頼区間の範囲に該当ケースからピーク流最大ケースを選定 MI-m ケース 3: 確率雨の 95% 信頼区間の範囲に該当ケースから 72 時間雨最大ケースを選定 CC-m ケース 2 信頼区間ピーク流最大ケース ケース 1 中央値付近ピーク流最大ケース ケース 4 起こりうる雨最大ケース ケース 3 信頼区間雨最大ケース 起こりうる最大のリスク評価を行う場合 ケース 4: 全実験ケースの中から雨最大となるケースを選定 MI-m 中央値 344mm 95% 信頼区間 247mm~57mm 58

24 リスク評価に用いる外力 十勝川将来実験 2 選定されたケース 1~4 について ハイドロ ハイエトグラフを以下に示す ケース 1:1/15 確率雨の中央値付近 ピーク流最大ケース ケース 2:1/15 確率雨の 95% 信頼区間内 ピーク流最大ケース MI-m MI-m ケース 3:1/15 確率雨の 95% 信頼区間内 流域平均雨最大ケース ケース 4: 将来実験 54 ケース内 流域平均雨最大ケース CC-m MI-m

25 リスク評価に用いる外力 常呂川過去実験 1 リスク評価に用いる外力として 常呂川北見基準地点における過去実験 GEV 分布の 1/1 確率降雨のとりうる範囲のうち 1 中央値付近のピーク流最大ケース 295% 信頼区間内のピーク流最大ケース 395% 信頼区間内の流域平均 24 時間雨最大ケースを抽出した 降雨の確率規模に基づいたリスク評価を行う場合 ケース 1: 確率雨の中央値から設定 確率雨の中央値 176±1mm に該当するケースを抽出し ピーク流が最大となるケースを選定 m87_1976 ケース 1 中央値付近ピーク流最大ケース ケース 2 信頼区間ピーク流最大ケース ケース 2: 確率雨の 95% 信頼区間の範囲に該当ケースからピーク流最大ケースを選定 m5_1965 ケース 3: 確率雨の 95% 信頼区間の範囲に該当ケースから 24 時間雨最大ケースを選定 m5_1965 ケース 3 信頼区間雨最大ケース 中央値 176mm 95% 信頼区間 135mm~234mm 6

26 リスク評価に用いる外力 常呂川過去実験 2 選定されたケース 1~3 について ハイドロ ハイエトグラフを以下に示す ケース 1:1/1 確率雨の中央値付近 ピーク流最大ケース ケース 2:1/1 確率雨の 95% 信頼区間内 ピーク流最大ケース m87_1976 m5_1965 ケース 3:1/1 確率雨の 95% 信頼区間内 流域平均雨最大ケース m5_

27 リスク評価に用いる外力 常呂川将来実験 1 リスク評価に用いる外力として 常呂川北見基準地点における将来実験 GEV 分布の 1/1 確率降雨のとりうる範囲のうち 1 中央値付近のピーク流最大ケース 295% 信頼区間内のピーク流最大ケース 395% 信頼区間内の流域平均 24 時間雨最大ケースを抽出した また 将来の常呂川流域で発生しうる最悪の事態を想定するため 将来実験 54 ケースの中から流域平均 24 時間雨が最大となるケースを抽出した 降雨の確率規模に基づいたリスク評価を行う場合 ケース 1: 確率雨の中央値から設定 確率雨の中央値 249±1mm に該当するケースからピーク流最大ケースを選定 CC-m ケース 2: 確率雨の 95% 信頼区間の範囲に該当ケースからピーク流最大ケースを選定 GF-m ケース 3: 確率雨の 95% 信頼区間の範囲に該当ケースから 24 時間雨最大ケースを選定 GF-m ケース 1 中央値付近ピーク流最大ケース ケース 4 起こりうる雨最大ケース ケース 2 信頼区間ピーク流最大ケース ケース 3 信頼区間雨最大ケース 起こりうる最大のリスク評価を行う場合 ケース 4: 全実験ケースの中から雨最大となるケースを選定 GF-m 中央値 249mm 95% 信頼区間 182mm~356mm 62

28 リスク評価に用いる外力 常呂川将来実験 2 選定されたケース 1~4 について ハイドロ ハイエトグラフを以下に示す ケース 1:1/1 確率雨の中央値付近 ピーク流最大ケース ケース 2:1/1 確率雨の 95% 信頼区間内 ピーク流最大ケースケース 3:1/1 確率雨の 95% 信頼区間内 流域平均雨最大ケース CC-m GF-m ケース 4: 将来実験 54 ケース内 流域平均雨最大ケース GF-m

29 リスク評価に用いる外力設定方法 リスク評価に用いる外力として選定したケースをまとめると 以下のとおりである いずれのケースも 将来実験の流域平均雨およびピーク流は 過去実験よりも大きくなっている 十勝川帯広基準地点 流域平均雨 (mm / 72hr) ピーク流 (m 3 /s) 常呂川北見基準地点 流域平均雨 (mm / 24hr) ピーク流 (m 3 /s) 過去実験ケース , ,395 ケース , ,926 ケース , ,287 将来実験ケース , ,53 ケース , ,495 ケース , ,495 ケース , ,673 ケース 1:1/15( 常呂川は 1/1) 降雨分布の中央値付近ピーク流最大ケースケース 2:1/15( 常呂川は 1/1) 降雨分布の 95% 信頼区間内ピーク流最大ケースケース 3:1/15( 常呂川は 1/1) 降雨分布の 95% 信頼区間内流域平均雨最大ケースケース 4: 将来実験 54 ケース内の流域平均雨最大ケース ケース 4 のピーク流は H28.8 出水再現定数を用いて算定 64

30 対象とするリスク分析項目および 使用する氾濫計算モデルの概要

31 本委員会で対象とするリスク評価項目 本委員会では 気候変動後の浸水域の増加 人的被害の増加 農地被害の増加に着目し リスク分析を行う リスク評価の対象とする被害項目 指標および評価手法 ( 案 ) 評価対象とするリスク 浸水域の増加 人的被害の増加 農地被害の増加 被害項目 指標 評価手法 対象氾濫 ブロック 浸水面積 戸数 人口 要配慮者施設 想定死者数 1 流域資産データ ( 国勢調査 経済センサス ) をもとに 氾濫計算結果から算出 国土数値情報 ( 医療機関データ等 ) から 氾濫計算結果を用いて氾濫域内の施設数を算出 現在 日本で一般的に用いられている 米陸軍工兵隊がハリケーン カトリーナ災害後の施設整備等の評価に用いたモデルを用い 氾濫計算結果の浸水深から算出 直轄区間全氾濫ブロック 直轄区間全氾濫ブロック 直轄区間全氾濫ブロック 最大孤立者数 水害の被害指標分析の手引きより 算出 直轄区間 全氾濫ブロック 想定死者数 2 農地被害面積 オランダの手法に倣い 浸水深や流速を基にした死亡率から 想定死者数を算定する 浸水深や流速については 氾濫計算により算出する 国土数値情報土地利用データより農地を抽出し 氾濫計算結果から農地の浸水面積を算出 市街地を含む 1 ブロック ( 帯広市 北見市 ) 直轄区間全氾濫ブロック 計算メッシュサイズ 十勝川 1m 常呂川 125m 十勝川 1m 常呂川 125m 十勝川 1m 常呂川 125m 十勝川 1m 常呂川 125m 25m 十勝川 1m 常呂川 125m 66

32 リスク評価に用いる氾濫計算モデルの概要 氾濫計算モデルは 北海道で適用実績のある平面二次元不定流計算を組み込んだ 以下のモデルを用いる (1) 氾濫流追跡モデル透過率 空隙率を考慮した平面二次元不定流計算 (2) 決壊 越水モデル越流公式 ( 河道 氾濫原 : 栗城等の式 氾濫原 河道 : 本間の式 ) 施設状態は現況を想定 67

33 浸水域の増加 気候変動によって 将来想定される浸水域の変化を評価する 評価にあたっては 過去実験および将来実験から得られる同一の確率規模の流を対象に 氾濫計算モデルを用いて浸水域を算定する 堤防越水による浸水域を表示しており 堤防の決壊による浸水は含まれていない 石狩川における将来の気候変動による浸水域増加の算定例 石狩川流域における気候変動に適応した治水利水対策検討会 (H2.3~H23.3) より 68

34 人的被害の増加 1~ 米陸軍工兵隊の手法による想定死者数の推定 ~ 水害の被害指標分析の手引き (H25 試行版 ) に示されている手法を基に死亡率を推定する この手法は LIFESim モデルをベースに米陸軍工兵隊がハリケーン カトリーナ災害後の施設整備等の評価に用いたモデルである 浸水深による危険度の分類 内閣府, 大規模水害時の排水施設の状況 死者数 孤立者数の想定手法 ; 死者数の想定手法, 28.3, pp3, から内容 図を引用 69

35 人的被害の増加 2~ オランダの手法による想定死者数の推定 ~ オランダで検討されている 水深および流速から死亡率を推定するモデルを用いて 想定死者数を算出する 領域区分の設定 流速及び水深 水位上昇率によって 氾濫域内を 3 つの領域に区分する 領域 1 h v 7m2/s かつ v 2m/s h: 浸水深さ (m) v: 流速 (m/s) 領域 2 w.5m/hr w: 上昇率 (m/hr) 領域 3 領域 1 および領域 2 に該当しない領域 死亡率の推定 (F D ) 領域 1~ 領域 3 の各領域における死亡率関数を基に 氾濫域内各地点の死亡率を推定 領域 1 F D (h)=1 F D : 洪水死亡率 h: 浸水深 (m) 領域 2 F D h = Φ ln h μ σ なお μ = 1.46, σ =.28 指数関数 避難率の推定 (F E ) イベントツリー解析により 氾濫域内の避難率を推定する 洪水に見舞われた人の割合 (F EXP ) 領域 1 破堤地点 領域 3 F D h = Φ ln h μ σ なお μ = 7.6, σ = 2.75 F EXP = 浸水区域内人口 / N PAR N PAR : 氾濫ブロック内人口 領域 2 指数関数 領域 3 死者数 N = N PAR F EXP 1 F E F D 7

36 まとめ 2 流出計算 流出計算は 北海道の実洪水で活用実績のある分布型の 2 段タンク型貯留関数モデルを用いた 流出計算モデルの定数は 十勝川流域では H23.9 出水再現定数 常呂川流域では H28.8 出水再現定数を用いて 将来実験 54 ケース 過去実験 3 ケースの計算を実施した 将来気候における洪水の変化 十勝川帯広地点では 将来実験の 1/15 降雨分布の中央値付近のピーク流最大値 (8,851m 3 /s) が過去実験の 1/15 降雨分布の中央値付近のピーク流最大値 (7,258m 3 /s) の約 1.2 倍となった 常呂川北見地点では 将来実験の 1/1 降雨分布の中央値付近のピーク流最大値 (4,53m 3 /s) が過去実験の 1/1 降雨分布の中央値付近のピーク流最大値 (2,395m 3 /s) の約 1.7 倍となった リスク評価に用いる外力 リスク評価に用いる外力は 過去実験 (3 ケース ) および将来実験 (54 ケース ) の中から 11/15( 常呂川は 1/1) 降雨分布の中央値付近ピーク流最大ケース 21/15( 常呂川は 1/1) 降雨分布の 95% 信頼区間内ピーク流最大ケース 31/15( 常呂川は 1/1) 降雨分布の 95% 信頼区間内流域平均雨最大ケースを基本として 今後の検討を行う予定である 上記に加えて 将来起こりうる最悪のケースを想定するため 将来実験 54 ケース内の流域平均雨最大ケースも対象とする 対象とするリスク評価項目 気候変動後の浸水域の増加 人的被害の増加 農地被害の増加に着目してリスク評価を行う 71

37 参考資料

38 バイアス補正結果 y=ax+b 式による補正 十勝川帯広基準地点 十勝川帯広基準地点については y=ax+b 式を適用した場合の補正を実施した 補正式は y=.95x+6.52 となった 本検討では この後の流出解析に入力する時間雨の補正に適用するため y=ax 式を採用することとする 十勝川帯広基準地点 過去実験 最大値の変化過去実験 442mm 過去実験補正値 426mm 将来実験 最大値の変化過去実験 615mm 過去実験補正値 591mm 73

39 バイアス補正結果 y=ax+b 式による補正 常呂川北見基準地点 常呂川北見基準地点については y=ax+b 式を適用した場合の補正を実施した 補正式は y=1.4x+6.78 となった 本検討では この後の流出解析に入力する時間雨の補正に適用するため y=ax 式を採用することとする 常呂川北見基準地点 過去実験 最大値の変化過去実験 228mm 過去実験補正値 244mm 将来実験 最大値の変化過去実験 414mm 過去実験補正値 437mm 74

40 バイアス補正結果 ダウンスケーリング前降雨の補正 十勝川帯広基準地点 十勝川帯広基準地点のダウンスケーリング前降雨に対してバイアス補正係数を算出した結果 ダウンスケーリング後降雨のバイアス補正値よりも大きい 1.14 となった バイアス補正の結果 過去実験における年最大雨の中央値は 9mm 実績における年最大雨の中央値は 88mm となっており 過去実験における年最大雨の累積度数は実績の年最大雨の累積度数に概ね一致している 十勝川帯広基準地点 過去実験 最大値の変化過去実験 34mm 過去実験補正値 388mm 将来実験 最大値の変化過去実験 663mm 過去実験補正値 582mm 75

41 バイアス補正結果 ダウンスケーリング前降雨の補正 常呂川北見基準地点 常呂川北見基準地点のダウンスケーリング前降雨に対してバイアス補正係数を算出した結果 ダウンスケーリング後降雨のバイアス補正値よりも小さい 1.5 となった バイアス補正の結果 過去実験における年最大雨の中央値は 65mm 実績における年最大雨の中央値は 58mm となっており 過去実験における年最大雨の累積度数は実績の年最大雨の累積度数に概ね一致している 常呂川北見基準地点 過去実験 最大値の変化過去実験 217mm 過去実験補正値 227mm 将来実験 最大値の変化過去実験 356mm 過去実験補正値 372mm 76

42 連続降雨発生時の洪水 ( 十勝川 ) 十勝川流域を対象に 過去実験 3 ケースおよび将来実験 54 ケースのうち 最もピーク流が大きくなる連続降雨が発生したパターンを抽出し 連続降雨であった H28.8 出水の再現計算で設定したモデル定数を用いた流出計算を実施した H28.8 出水で設定したモデル定数を用いた場合 過去実験のピーク流は 9,17m 3 /s となり H23.9 出水で設定したモデル定数で計算したピーク流 6,75m 3 /s よりも大きくなった H28.8 出水で設定したモデル定数を用いた場合 将来実験のピーク流は 13,345m 3 /s となり H23.9 出水で設定したモデル定数で計算したピーク流 9,14m 3 /s よりも大きくなった 過去実験 m 年 H23.9 出水で設定したモデル定数を用いて計算した場合のピーク流の過去実験のピーク流の最大値は 7,258m 3 /s この値よりも 連続降雨ケースを H28.8 出水で設定したモデル定数を用いて計算した場合の方が 大きくなる結果となった H23.9 定数 H28.8 定数 将来実験 MI m 年 H23.9 出水で設定したモデル定数を用いて計算した場合の将来実験のピーク流の最大値は 11,847m 3 /s この値よりも 連続降雨ケースを H28.8 出水で設定したモデル定数を用いて計算した場合の方が 大きくなる結果となった H23.9 定数 H28.8 定数 77

洪水リスクの共有

洪水リスクの共有 洪水リスクの共有 リスク評価に用いる外力 リスク評価に用いる外力 十勝川過去実験 リスク評価に用いる外力として 十勝川帯広基準地点における過去実験 GEV 分布の 1/150 確率降雨のとりうる範囲のうち 1 中央値付近のピーク流量最大ケース 295% 信頼区間内のピーク流量最大ケース 395% 信頼区間内の流域平均 72 時間雨量最大ケースを抽出した なお 流出計算結果については C11 関数化モデルの結果を用いることを基本とした

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