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1 上原記念生命科学財団研究報告集, 26 (2012) 19. 機能性ペプチドを利用した sirna の新しい非侵襲的皮内送達法の開発 金沢貴憲 Key words:sirna, 機能性ペプチド, タイトジャンクション, 細胞透過性ペプチド 東京薬科大学薬学部製剤設計学教室 緒言アトピー性皮膚炎 (AD) を代表とするアレルギー疾患は, 肉体活動, 精神活動および社会活動が妨げられ QOL の著しい低下を引き起こす. 現在, その根治療法はほとんど無く, 新しい作用機序を持った新規治療法の開発が期待されている. 近年, バイオテクノロジーの進歩に伴い遺伝子発現を制御することで病気を治療する新しい医薬品の開発が盛んに行われており, その 1 つとして sirna が挙げられる.siRNA は疾患の原因タンパクを配列特異的に分解するため, アレルギー疾患に対する新規治療薬として期待されている. しかし,siRNA は水溶性の高分子であるため, 動物やヒトへの実用化を可能とするには対象疾患に適した投与部位 経路の選択, さらに標的細胞内への高い導入効率を有しかつ安全なキャリアを組み合わせた非侵襲的な sirna 投与システムの開発が最大の課題となっている. 我々は, これまでに細胞内で sirna の効果を最大限発揮させる事を目的として,1siRNA と安定な複合体の形成能,2 細胞内への効率的な取り込み能,3エンドソーム内から細胞質への効率的な脱出能,4 細胞質での sirna 放出能を満たす効率的な遺伝子ベクターの設計に着手しており, アルギニン (R), ヒスチジン (H), システイン (C) からなるペプチドに長鎖脂肪酸であるステアリン酸 (STR) をアミド結合により修飾した STR-CH 2 R 4 H 2 C を開発している 1). AD の発症部位である皮膚は, 表皮, 真皮, 皮下組織の 3 層から構成され, 表皮と真皮には免疫応答に関わるマクロファージ, ランゲルハンス細胞, 肥満細胞などが存在する. これら皮内の炎症性細胞に効率よく sirna を作用させることでより有効な AD の治療に繋がると考えられる. しかし, 表皮には角質層の細胞間脂質, 顆粒層のタイトジャンクションなどの強固なバリアが存在し, 親水性高分子である sirna の送達は困難である. 本研究の対象疾患である AD 患者の皮膚は, 皮脂膜の減少, さらにセラミドの減少による細胞間脂質の変化により, 正常な皮膚と比較して角質層の細胞間脂質のバリア機能は低下しているため,siRNA を表皮下や真皮に送達させるためには, 顆粒層のタイトジャンクションを突破することが最も重要である.AT1002 は,H-FCIGRL-OH 配列を持つ 6 個のアミノ酸からなる合成ペプチドであり, 可逆的にタイトジャンクションを開口し, 薬物の細胞間隙ルートを介した輸送を促進する G と Zot の生物学的活性を保持している. 実際, AT1002 の皮膚への塗布により可逆的にタイトジャンクションが開口されることが報告されている 2). 本研究では, 皮膚に塗布するだけで sirna を表皮下や真皮へ送達可能な sirna 皮内送達システムを構築するため, 機能性ペプチドに着目し, 細胞透過性ペプチド Tat(Gly-Arg-Lys-Lys-Arg-Arg-Gln-Arg-Arg-Arg-Cys-Gly-NH 2 ) および STR-CH 2 R 4 H 2 C(STR-Cys-His-His-Arg-Arg-Arg-Arg-His-His-Cys-COOH) とタイトジャンクション開口作用を持つ AT1002(Phe-Cys-Ile-Gly-Arg-Leu-Cys-Gly-NH 2 ) などの機能性ペプチドを用いた際のマウス背部皮膚および AD 発症マウスの耳介における sirna 皮内送達性と AD 発症マウスにおける AD 治療効果を検討した. 皮内送達性実験では蛍光標識 sirna(famsirna) を,AD 治療効果実験では NF-κB のサブユニットの 1 つである RelA に対する sirna(sirela) を用いて検討した. 本研究にて実施する動物実験については, 東京薬科大学動物実験倫理委員会に承認を受け, その実施には 動物の愛護及び管理に関する法律, 実験動物の飼育及び保管に関する基準 を遵守して実施した. 1

2 方法 結果および考察 1.siRNA/ 機能性ペプチドの物性評価機能性ペプチドと sirna 複合体の平均粒子径 ( 質量平均 ) およびゼータ電位を, 動的光散乱光度計 (DLS-7000, 大塚電子 ) およびゼータ電位 粒度分布測定装置 (NICOMP 380ZLS,Particle Sizing Systems) を用いて測定した. その結果,siRNA/Tat(N/P=10) は,70.7 nm,+6.27 mv を,siRNA/STR-CH 2 R 4 H 2 C(N/P=10) は,113.9 nm,+28.6 mv を示した. 2.siRelA/ 機能性ペプチド複合体の RNaseA 耐性評価各 sirela/ 機能性ペプチド複合体を調製し,RNaseA 耐性について検討した. 実験は,siRelA 1μg に対し,RNase 10 ng を添加し, 室温で 時間インキュベーションした際の,SYBR GreenⅠassay を行い, 各群における 0 時間の試料をデキストランで硫酸処理したものの蛍光強度を 100% とした ( 図 1). 図 1 より,naked sirela は RNaseA 添加後, 時間依存的に RNaseA による分解を受けているのに対し,siRelA/Tat および sirela/str-ch 2 R 4 H 2 C では,24 時間後も高い相対蛍光強度が観察された. 特に,siRelA/STR-CH 2 R 4 H 2 C についてはインキュベーション 24 時間後においても 80% を超える相対蛍光強度を示した. 以上より, 機能性ペプチドによる sirela の安定性向上が期待された. 図 1. 機能性ペプチドと複合体とした際の sirela の RNaseA 耐性. 機能性ペプチドとの sirela 複合体溶液に,RNaseA 溶液を (sirela 1μg に対して 10 ng) 加え,0.25,0.5,1, 2,5,10,24 時間後の各試料を分取し, デキストラン硫酸溶液を加え 30 分間室温でインキュベーションした. 試料に SYBR GreenⅠ 溶液を添加し 30 分間室温でインキュベーションした後, マイクロプレートリーダー (Safore Microplate Reader,TECAN,JAPAN) を用いて蛍光強度を測定することで sirela 量を経時的に求めた. 2

3 3. 機能性ペプチドによる sirna のマウス皮膚透過性 3) Tat および STR-CH 2 R 4 H 2 C と共に FAMsiRNA を投与した際の sirna 皮内送達性について, テープストリッピングを 20 回行ったマウス (6 週令雄性 ICR 系マウス, 日本 SLC) 背部皮膚を用いて検討した. ここでは,Control,Naked sirna (Naked),Tat/siRNA 複合体と AT1002 の混合溶液 (Tat+AT1002),STR-CH 2 R 4 H 2 C/siRNA 複合体と AT1002 の混合溶液 (STR-CH 2 R 4 H 2 C+AT1002) をそれぞれ投与した ( 図 2). 図 2 より.Naked では, 皮内での蛍光は観察されなかったのに対し,Tat+AT1002,STR-CH 2 R 4 H 2 C+AT1002 を用いた場合, 表皮および真皮まで蛍光が観察された. これより機能性ペプチドを利用した sirna の皮内送達システムが有用であることが示された. 図 2. テ プストリップマウス背部皮膚における FAMsiRNA の皮内透過性. テープストリップを 20 回行ったマウスの背部皮膚に Naked sirna (Naked),Tat/siRNA 複合体と AT1002 の混合溶液 (Tat+AT1002),STR-CH 2 R 4 H 2 C/siRNA 複合体と AT1002 の混合溶液 (STR-CH 2 R 4 H 2 C+AT1002) を塗布し (sirna 量として 20μg),10 時間後の皮膚の凍結切片を共焦点顕微鏡を用いて観察した. Green:FAMsiRNA,Bar:100μm. 3

4 4.AD モデルマウスにおける各 FAMsiRNA 複合体の皮内送達性 3 の検討により,AD 発症時のような角質層バリアが崩壊したテープストリップマウス皮膚において,AT1002 および Tat, STR-CH 2 R 4 H 2 C 複合体が sirna 皮内送達性を高めることを明らかにした. 本項では, 実際に AD を発症させたマウス (6 週令雄性 NC/Nga マウス, 日本チャールズリバー ) の耳介皮膚を用いて sirna を投与し,AT1002 および Tat,STR- CH 2 R 4 H 2 C 複合体の有用性を検討した ( 図 3). その結果,Tat,STR-CH 2 R 4 H 2 C 投与群において, 表皮および真皮に蛍光が観察された. 以上より,AT1002,Tat および STR-CH 2 R 4 H 2 C を用いた sirna 皮内送達システムでは, バリア機能が低下する AD 発症皮膚において, 高い皮内送達性を有することが明らかとなった. 図 3. AD 発症マウス耳介皮膚における FAMsiRNA の皮内透過性. AD 症状を発症させた NC/Nga マウスの耳介皮膚に,Naked sirna (Naked),Tat/siRNA 複合体と AT1002 の混合溶液 (Tat+AT1002),STR-CH 2 R 4 H 2 C/siRNA 複合体と AT1002 の混合溶液 (STR-CH 2 R 4 H 2 C+AT1002) を塗布し (sirna 量として 5μg),10 時間後の皮膚の凍結切片を共焦点顕微鏡を用いて観察した. Green:FAMsiRNA,Bar:100μm. 4

5 5.AD モデルマウスにおける治療効果 4) 本項では, 機能性ペプチドからなる sirna 皮内送達システムを用いて,AD を発症させたマウス (6 週令雄性 NC/Nga マウス, 日本チャールズリバー ) 耳介皮膚へ sirela を適用し, 治療効果を評価した. 図 4 に, ハプテンおよび sirna を投与した左耳介の厚さ, 臨床スコアの変化を示す. 臨床スコアは発赤 出血 肥厚 変形 乾燥の 5 項目を軽症 :1 点, 中等症 :2 点, 重症 :3 点とし, これらの総計を算出した (15 点満点 ). 結果より,Untreated 群では,6 日目以降, 耳の肥厚 ( 左図 ), 臨床スコア ( 右図 ) が増大し, 症状の急激な悪化が認められた. このとき,12 日目では耳介には瘡蓋が見られ, 厚さ 1 mm に達した. 一方,siRelA 投与群では,Untreated 群に比べ, 耳の肥厚, 臨床スコアの増大は抑制され, 特に Tat 群, STR-CH 2 R 4 H 2 C 群において顕著な改善が認められた. 次に, 左耳介の組織切片を用いて HE 染色およびトルイジンブルー (TB) 染色を行い,HE 染色像より肥厚を,TB 染色像より肥満細胞浸潤の様子をオールインワン蛍光顕微鏡 (BZ8000,KEYENCE) により観察した ( 図 5).HE 染色像より Untreated 群では表皮過形成が確認され,siRelA 投与群に比較して顕著な耳の肥厚が見られた.TB 染色像より,Untreated 群で, 多くの肥満細胞が表皮および真皮で観察された. 一方,siRelA を投与することで肥満細胞の数は減少し, 特にペプチド併用群においてその現象は顕著であり,AD 症状に深く関与すると言われている表皮における肥満細胞の浸潤が抑制できることが示された. 図 4. AD 発症マウス耳介皮膚における sirela 投与後の耳の肥厚および臨床スコア. ハプテンの反復投与 (0,4,7,10 日目 ) により,AD 症状を発症させたマウス耳介皮膚に,3,5,7,9,11 および 13 日目に,Naked sirela (Naked), Tat/siRelA 複合体と AT1002 の混合溶液 (Tat+AT1002), STR- CH 2 R 4 H 2 C/siRelA 複合体と AT1002 の混合溶液 (STR-CH 2 R 4 H 2 C+AT1002) を塗布し (sirela 量として 5μg), 経日的な耳の肥厚および臨床スコアを測定した. 臨床スコアは発赤 出血 肥厚 変形 乾燥の 5 項目を軽症 :1 点, 中等症 :2 点, 重症 :3 点とし, これらの総計を算出した (15 点満点 ). 5

6 図 5. sirela 投与後の AD 発症マウス耳介皮膚の組織学的観察. ハプテンの反復投与により,AD 症状を発症させたマウス耳介皮膚に,3,5,7,9,11 および 13 日目に,Naked sirela (Naked),Tat/siRelA 複合体と AT1002 の混合溶液 (Tat+AT1002),STR-CH 2 R 4 H 2 C/siRelA 複合体と AT1002 の混合溶液 (STR-CH 2 R 4 H 2 C+AT1002) を塗布し (sirela 量として 5μg),15 日目にマウス耳介皮膚を摘出し組織切片を作製した. 組織切片を HE 染色およびトルイジンブルー (TB) 染色し, 顕微鏡により観察した. Bar:100μm. 以上, 本研究より, 機能性ペプチドである AT1002,Tat および STR-CH 2 R 4 H 2 C が sirna の皮内送達を高めることで, sirela による AD 治療効果を向上する有効なキャリアとなることを明らかとした. 本研究は, 根本的治療法が確立されていない AD に対する新規治療薬の開発に貢献するものと考える. 本研究で得られた知見は, 難治性皮膚疾患に対する有用な薬剤開発への大きな足がかりになると期待される. 最後に, 本研究にご支援を賜りました上原記念生命科学財団に深く感謝いたします. 文献 1) Tanaka, K., Kanazawa, T., Ogawa, T., Takashima, Y., Fukuda, T. & Okada, H.:Disulfide crosslinked stearoyl carrier peptides containing arginine and histidine enhance sirna uptake and gene silencing. Int. J. Pharm., 398: , ) Song, K. H., Fasano, A. & Eddington, N. D.:Enhanced nasal absorption of hydrophilic markers after dosing with AT1002, a tight junction modulator. Eur. J. Pharm. Biopharm., 69: , ) Uchida, T., Kanazawa, T., Takashima, Y. & Okada, H.:Development of an efficient transdermal delivery system of small interfering RNA using functional peptides, Tat and AT Chem. Pharm. Bull., 59: , ) Uchida, T., Kanazawa, T., Kawai, M., Takashima, Y. & Okada, H.:Therapeutic effects on atopic dermatitis by anti-rela short interfering RNA combined with functional peptides Tat and AT1002. J. Pharmcol. Exp. Ther., 338: ,

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研究の背景 ヒトは他の動物に比べて脳が発達していることが特徴であり, 脳の発達のおかげでヒトは特有の能力の獲得が可能になったと考えられています この脳の発達に大きく関わりがあると考えられているのが, 本研究で扱っている大脳皮質の表面に存在するシワ = 脳回 です 大脳皮質は脳の中でも高次脳機能に関わ News Release 各報道機関担当記者殿 平成 29 年 11 月 8 日 脳の表面にシワを作るシグナルを発見 脳の高機能化の理解に手がかり 本研究成果のポイント ヒトの脳の表面に存在するシワ ( 脳回 )( 注 1, 図 1) は高度な脳機能の発達にとても重要だと考えられていますが, 医学研究で用いられているマウスの脳には脳回がないため, 脳回に関する研究は困難でした 本研究では, 解析が困難だった脳回が作られる仕組みを,

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