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あつひろこやぎ
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1 建物防災シンポジウム ~ 拠点建築物の機能継続 ~ Symposium for Building Disaster Prevention sustaining the functions of buildings Considering Building Disaster Prevention from the Experiences of Past Disasters 最近の災害事例から考える建築防災 TAMURA, Keiko 田村圭子 Professor Risk Management Office, Headquarters for Risk Management, Niigata University, JAPAN 新潟大学危機管理本部危機管理室災害復興科学研究所 ( 兼務 )

2 国連防災世界会議防災の主流化 Mainstreaming Disaster Risk Reduction 1. 各国政府が防災を政策の優先課題とすること 2. すべての開発政策計画に防災を導入すること 3. 防災に関する投資を増大させること

3 ポスト HFA 策定に向けた日本提案 Post Hyogo Framework for Action 年横浜 2005 年神戸 2015 仙台 (1) 取組が遅れている優先行動 4( 潜在的な災害リスクの削減 ) の強化 (P2 及び P6) 1 災害防止軽減 (prevention/mitigation) への投資の位置づけ (P2) 人的被害経済被害の増加傾向を踏まえまずは人命及び資産を守るために災害予防への投資を位置付け開発プロジェクトのガイドラインともなるような力強い柱建てとするその際ハード施策とソフト施策を効果的に組み合わせる観点にも留意する具体的には A2 のリスクアセスメントと A4 の災害に強い地域づくり ( 土地利用災害に強いインフラ整備など ) の施策を組み合わせながら柱建てする 2 復旧復興段階の災害予防 (build back better) を独立強化 (P6) A4 に含まれている復旧復興段階の災害予防の取組については災害発生前の事前対策と切り離して以下の観点から補強して P6 として独立させる阪神淡路大震災からの復興の経験東日本大震災からの復旧復興の取組や国際復興支援プラットフォームが蓄積してきた様々なノウハウ等を踏まえ早期復旧段階の取組 ( 迅速な災害後ニーズアセスメント (PDNA) など ) 抜本的な災害予防策を含む災害に強い地域づくりなどの施策を位置付けるとともにその考慮事項を盛り込む

4 復興のモデル被災者の生活再建経済の活性化地元企業対策住宅再建まちの再建社会基盤の復旧

5 復興のモデル被災者の生活再建経済の活性化地元企業対策建築防災住宅再建建築土木複合領域まちの再建社会基盤の復旧土木防災

6 被災者の生活再建課題 7 要素項目 (30.1%) 田村圭子立木茂雄林春男 (2000) (25.1%) 全体 N=1623 項目 (12.1%) 154 (9.5%) 154 (9.5%) 138 (8.5%) (5.2%) 50 0 すまいつながりまちこころとからだ

7 被災者の生活再建課題 7 要素項目 (30.1%) 田村圭子立木茂雄林春男 (2000) (25.1%) 全体 N=1623 項目 (12.1%) 154 (9.5%) 154 (9.5%) 138 (8.5%) (5.2%) 50 0 すまいつながりまちこころとからだ

8 4 種類の被災者の存在生命財産生活支障恐怖心

9 明暦の大火 ( 振袖大火 :1772)

10 出火件数死者数の推移状況は安定 80,000 2,500 70,000 2,000 60,000 50,000 1,500 出火件数 40,000 死者数 30,000 1,000 20, , 年 0

11 風水害伊勢湾台風 (1959) 林春男領域代表

12 新しい防災課題 : 地震防災十勝沖地震 (1968) 短柱のせん断破壊宮城県沖地震 (1978) ピロティ部分の崩壊林春男領域代表

13 Kobe earthquake Mw=6.9 林春男領域代表

14 死者数第 2 次大戦後の自然災害による死者災害は制圧できていなかった都市災害の厳しさ地震津波災害洪水土砂災害年林春男領域代表

15 防災のモデル脆弱性どれだけ災害に弱いか D = f (H,E,V) 災害被害自然の脅威人為の脅威暴露 ( 脅威にさらされている量 ) Where D: Damage H: Hazard E: Exposure V: Vulnerability 林春男領域代表

16 地域の防災力外力 ( 脅威となる力 ) 建物土木構造物を強化する地域の防災力を強化するいのちをまもるくらしをまもる被害災害外力の理解の深化被害を想定する予知予測をする災害対応いのちを守る地震防災学林春男岩波書店 2003 を一部改変

17 米国同時多発テロ林春男領域代表

2011.3.11 Tohoku Earthquake and Tsunami Disaster (Mw=9.0) http://www.dailymail.co.

18 Tohoku Earthquake and Tsunami Disaster (Mw=9.0) /Japan earthquake tsunami The moment mother nature engulfed nation.html 林春男領域代表

19 Japanese Disasters by Mortalities 平成 24 年防災白書 Floods & Land Slides Earthquakes & Tsunamis 林春男領域代表

20 レジリエンスのモデル R = f (D,A,T) 人間の行動防災対策時間の概念災害過程 R = f (f (H,E,V),A,T) 自然の脅威人為の脅威暴露 ( 脅威にさらされている量 ) D = f (H,E,V) 脆弱性どれだけ災害に弱いか R: Resilience A: Human Activities T: Time

Very Large Earthquakes 1957/03/09,9.1,Andreanof Islands, Alaska 1952/11/04,9.0,Kamchatka 2011/03/11, 9.0,Near the East Coast of Honshu, Japan 1964/03/28,9.2,Prince William Sound, Alaska 2004/12/26, 9.

22 Very Large Earthquakes 1957/03/09,9.1,Andreanof Islands, Alaska 1952/11/04,9.0,Kamchatka 2011/03/11, 9.0,Near the East Coast of Honshu, Japan 1964/03/28,9.2,Prince William Sound, Alaska 2004/12/26, 9.1, Off the West Coast of Northern Sumatra 2010/02/27,8.8,Offshore Maule, Chile Date,TimeUTC,Magnitude,Location 1960/05/22,19:11,,9.5,Chile 1964/03/28,03:36,9.2,Prince William Sound, Alaska 2004/12/26,00:58,,9.1,Off the West Coast of Northern Sumatra 2011/03/11,05:46,9.0,Near the East Coast of Honshu, Japan 1952/11/04,16:,9.0,Kamchatka 2010/02/27,06:34,,8.8,Offshore Maule, Chile ( 1960/05/22,9.5,Chile 22

23 複合災害による被災地の広域化

24 全国に散らばる避難者の実態

26 東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震津波対策に関する専門調査会第 1 回資料

27 東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震津波対策に関する専門調査会第 1 回資料

28 2011Tohoku Earthquake 2011 年東北地方太平洋沖地震 Situation of the tsunami (11 March, 2011) 28

29 1995 Hanshin-Awaji Earthquake 阪神淡路大震災 ( )

30 2004 Niigata Chuetsu Earthquake 新潟県中越地震地盤崩壊による家屋被害道路を覆う土砂崩れせき止め湖により水没する集落

31 2007 Niigata Chuetsu-Oki Earthquake 新潟県中越沖地震酒造メーカー自動車部品メーカー

32 Catastrophe Incident Emergency Crisis Disaster 大軽短期で解決する現場発生頻度被害程度長期間の活動を必要とする現場 + 対策本部 (EOC) 小重

35 防災拠点の被災 Emergency Operation Base in the Impacted Area

36 東日本大震災仮設の庁舎で対応を実施 ( 陸前高田市 )

37 東日本大震災大槌町役場

38 東日本大震災各種の支援制度に関する相談申請に対応宮古市 (2011/05/10 撮影 ) 大槌町 (2011/05/10 撮影 ) 大槌町 (2011/05/10 撮影 ) 大槌町 (2011/05/10 撮影 )

39 東日本大震災情報システムの被害

40 新潟県中越地震中越地震直後の川口町役場

41 新潟県中越地震中越地震テントの中の災害対策本部

42 新潟県中越地震役場内部の惨状

43 新潟県中越地震長岡市役所の内部

44 1.1yr 10,000 hr 42days 1,000 hr 4days 100 hr Ⅴ Ⅳ Ⅲ 災害ユートピア ( ブルーシートの世界 ) Ⅱ 生活復興へ現実への帰還被災地社会の成立社会システムが再構築されもう被災者 / 被災地ではないと感じ新たな社会への持続的発展を目指す時期社会フローシステムの復旧により被災地社会が終息に向かい人々が生活の再建に向け動き出す社会機能のマヒにより一種の原始共産制社会が産まれ通常とは異なる社会的価値観に基づく世界が成立する災害発生を理性的に受け止め被災地社会という新しい秩序に則った現実が始まったことに適応する 10 hr Ⅰ 失見当震災の衝撃から強いストレスを受け一体何が起こっているかについての客観的な把握が困難になる 0 hr 0 災害発生木村他 (2001) より田村が作成

45 100 % 90 阪神淡路大震災 : 被災者における住まいの移動 2003 年調査震度 6 7 地域 N=381~ 自宅避難所自宅血縁勤務先友人近所避難所テント車の中車庫駐車場仮設住宅賃貸住宅血縁友人近所賃貸住宅応急仮設住宅 0 1/17 午前 10 0 午後 /18 夜中 /19 /20/21/22 -/29-2/5 2 月 3 月 -6 月 -9 月 -12 月 hours 失見当被災地社会の成立ブルーシートの世界現実への帰還復興

46 100 % 場所の移動 (2007 中越沖地震 ) 自宅自宅血縁勤務先友人近所避難所テント車の中車庫駐車場仮設住宅賃貸住宅 N=406~ 避難所テント車の中車庫駐車場血縁当日 2-4 日 1 週間 1 ヶ月 3 ヶ月 6 ヶ月 1 年 1 年 6 ヶ月 (2009 年 3 月 ) 失見当被災地社会の成立災害ユートピア現実への帰還創造的復興 hours X=log 震災発生から経過した時間

47 % 新潟県中越地震 : 被災者における住まいの移動自宅 2006 年 3 月調査 N=760~ テント車車庫駐車場血縁友人近所当日 2-4 日 2 週間避難所 1ヶ月 2ヶ月 3-6ヶ月 -1 年 -9ヶ月 -1 年 3ヶ月 (2006 年 3 月 ) hours 自宅血縁勤務先友人近所避難所テント車の中車庫駐車場仮設住宅賃貸住宅応急仮設住宅賃貸住宅失見当被災地社会の成立ブルーシートの世界現実への帰還復興

48 % 自新潟県中越地震における高齢者の居住地移動 65.9 % 宅(震災前)27.1 設(震災前)本人死亡施テント車の中避難所血縁友人近所病院介護保険施設自宅当日 2-4 日 1 週間 1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月仮設住宅賃貸住宅 X=log 震災発生から経過した時間 1 年 2 年 3-6 年 7-8 年 n=245~256

49 人間行動からみた災害過程災害発生 10 h 10 2 h (4 日 ) 10 3 h (42 日 ) 10 4 h (1.1 年 ) time Ⅰ 失見当 Ⅱ 被災地社会の成立 Ⅲ 災害ユートピア ( ブルーシートの世界 ) Ⅳ 現実への帰還 Ⅴ 生活再建復興へ初動緊急対応期避難行動支援応急期避難生活支援復旧期仮住まい生活支援復興期生活再建支援対応からみた災害過程地域に期待されること木村他 (2001) より木村が作成

50 Ⅰ 失見当 (~10 時間 ) 震災の衝撃から強いストレスを受け自分の身のまわりで一体何が起こっているか客観的に把握することが困難な時期何が起こったのかわからないどうすればよいかわからない組織的な対応はできない情報空白期

51 Ⅱ 被災地社会の成立 (10~10 2 時間 ) 震災による被害を理性的に受け止め被災地社会という新しい秩序に則った現実が始まったことに適応する時期救急救命活動 (Golden 72 hours) 安否確認行動二次災害の防止活動組織的活動の開始被災地社会 : 非日常から新しい日常へ

52 新潟県中越地震 100% 小千谷市全人口 40,645 人 65 才以上 80% 10,329 人 60% 15~64 才以上ピーク時避難者数 10 月 27 日 40% 24,689 人 29,243 人全人口の 71.9% 20% 0% 14 才以下 5,627 人避難所 136 カ所静岡新聞 2004 年 11 月 7 日朝刊 1 面

53 新潟県中越地震新潟県中越地震の特徴避難者数が多かった阪神淡路住宅被害約 50 万棟で避難者最大 30 万人新潟中越住宅被害約 5 万棟で避難者最大 10 万人余震が長く続いた避難は集落単位で行われた避難勧告が市内の広い範囲 ( 最大値 29 箇所 /532 世帯 ) に出されたライフラインの被害が大きかった家族や地域の在宅福祉サービスを利用していた要介護要支援高齢者への緊急避難的な入所ニーズが急増

54 阪神淡路大震災震災直後 1700 人を超える避難者で埋まった御蔵小の体育館暖房もなくかぜをひいたり体調を崩す人が多かった 1 月 24 日報道写真全記録大震災一年朝日新聞社 1996

55 新潟県中越地震指定避難所の被害使用不能となった体育館

56 新潟県中越地震地域の避難所

57 新潟県中越地震屋内避難所の収容力を上回る避難者河川敷のテント村

58 新潟県中越地震車中泊等の多様な避難形態

59 新潟県中越地震地域内の共同避難所

60 新潟県中越地震小千谷総合病院小千谷総合病院は昭和 40 年代に建設された7F 建の建物であり今回の地震では私の部屋の本棚も全て倒れました倒れにくいようにしていたスチールのカルテ棚も飴のように曲がって倒れてしまいました病院の1Fでは水浸しになり壁も落ちライフラインも断絶し入院治療ができない状態に陥りました

61 新潟県中越沖地震福祉避難所 : 元気館障がい者デイサービスセンター

62 新潟県中越沖地震柏崎小学校のコミュニティルーム音楽室本格的な福祉避難所は今回初めて設置簡易ベッドを設置新潟県県老施協福祉事業者 ( 長岡 ) に設置を委託社会福祉士介護福祉士ケアマネージャー保健師看護士コーディネーターの部屋中央部分に支援者

63 新潟県中越沖地震弁当電話掲示板テレビ車いすトイレは洋式で車いす対応ポータブルトイレも使用スタッフの執務室自衛隊の入浴支援介護用のいすも必要

64 Ⅲ 災害ユートピア (10 2 ~10 3 時間 ) ブルーシートの世界ライフラインの途絶など従来の社会機能のマヒにより一種の原始共産制社会が産まれて通常とは異なる社会的価値観に基づく世界が成立する時期ライフラインなどフローシステムの復旧が始まる避難生活災害ユートピア ( 理想郷 ) : 善意と助け合いに満ちた平等主義の社会サービスの再開と事業継続

65 阪神淡路大震災伊丹市伊丹市 HP

66 阪神淡路大震災須磨区 ( ))

67 新潟県中越地震

68 現実への帰還 (10 3 時間 ~) ライフラインなどの社会フローシステムの復旧により被災地社会が終息に向かい人々が生活の再建に向け動き出す時期都市再建被災者支援経済再建新しい市民社会の形成 : 自律と連帯

69 阪神淡路大震災中央区北長狭通 2 丁目 ( 三宮ガード下の商店街の整備 ) ( )

70 阪神淡路大震災灘区備後町 5 丁目 ( 六甲新道の東側仮設の写真店 ) ( )

71 阪神淡路大震災東灘区住吉本町 1 丁目 (JR 住吉駅前にコープこうべ本部の仮設 ) ( )

72 生活復興へ (10 4 時間 ~) 社会システムが再構築されもう被災者 / 被災地ではないと感じ新たな社会への持続的発展を目指す時期次の世代への継承震災遺構

2011 tsunami here but died later, sparking a project to preserve it,

73 RIKUZEN TAKATA( 陸前高田 ) Before The "miracle pine tree" :A lone pine tree that survived the March 2011 tsunami here but died later, sparking a project to preserve it, was lit up in a test run on June 28, following the completion of restoration work earlier in the month.

Microsoft PowerPoint - 3ヶ月 (田村圭子）提出用.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - 3ヶ月 (田村圭子）提出用.ppt [互換モード] 中越地震等の復興と東日本大震災への教訓新潟大学危機管理室 / 災害復興科学研究所田村圭子 1.1yr 1, hr 42days 1, hr 4days 1 hr Ⅴ Ⅳ Ⅲ 災害ユートピア ( ブルーシートの世界 ) Ⅱ 生活復興へ現実への帰還被災地社会の成立社会システムが再構築されもう被災者 / 被災地ではないと感じ新たな社会への持続的発展を目指す時期社会フローシステムの復旧により