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2 博士論文 路面プロファイルと舗装に生ずる 構造的ダメージの相関性に関する研究 平成 24 年 3 月 城本政一

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4 目 次 第 1 章序論 研究背景... 1 (1) 道路事業の現状... 1 (2) アセットマネジメントの取り組み 破損の種類と主な原因... 9 (1) ひび割れ... 9 (2) わだち掘れ (3) 平たん性の低下 (4) その他の破損 舗装のLCC アスファルト舗装の寿命予測について (1) アスファルト混合物の最下面のひずみを用いた舗装の寿命予測 (2) 機能的破損 ( 供用性曲線 ) を考慮した方法 (3) FWD を用いた寿命予測 本研究のテーマと目的 (1) 動的荷重の推定方法 (2) 動的荷重が舗装ダメージに与える影響 (3) 路面プロファイルが LCC に与える影響について 本論文の構成と内容 第 2 章動的荷重の推定方法について 動的荷重の測定 (1) 実験条件 車両の鉛直加速度の理論と実測値の比較検証 路面プロファイルおよび走行速度が動的荷重に与える影響 (1) 検討概要 (2) 検討結果 まとめ (1) ハンプを用いた動的荷重の測定より (2) QC モデルを用いたシミュレーション結果と走行車両の加速度の検証より (3) 路面プロファイルおよび走行速度が動的荷重に与える影響 第 3 章動的荷重が舗装ダメージに与える影響 検討概要 検討条件 (1) MCDL i

5 (2) FWD 最大たわみ量 検討結果 まとめ 第 4 章路面プロファイルが LCC に与える影響 検討概要 検討方法 疲労破壊輪数の計算 (1) 計算条件 (2) ひずみ計算結果 (3) 疲労破壊輪数の計算条件 (4) 疲労破壊輪数の計算結果 LCC の計算 (1) 供用年数計算条件 (2) LCC の計算条件 (3) LCC の計算結果 まとめ (1) 疲労破壊輪数計算結果 (2) LCC の計算 第 5 章結論 ii

6 第 1 章序論

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8 第 1 章序論 1.1. 研究背景 (1) 道路事業の現状道路は社会資本に必要なインフラであり, 人や車を安全かつ快適に通行させるトラフィック機能, 上下水道等の公共公益施設を収容する収納機能, 市街地における街並み形成などの空間機能, その他多目的な役割を果たしている 1),2). 戦後の復興とともに, 我が国の道路ストックは整備されてきた 年からの道路事業費の年度毎の費用を縦軸に, 道路事業費を横軸にしたものを図 1-1 に示す. このように道路事業費は高度経済成長とともに着実に整備されてきたが,1990 年初頭から始まった景気 後退により税収が減少し, このため 1998 年から道路事業費は減少 し始めこの傾向は今もなお続いている 3 ) 道路事業費 ( 単位 : 億円 ) 0 20,000 40,000 60,000 80, , , 年度 図 1-1 道路事業費の推移 ( 出典 : 道路統計年報 2010 p17) 1

9 年度毎の道路事業に投資されている内訳を図 1-2 に示す. この図より, 戦後から整備されてきた道路ストックの高齢化により維持費, 舗装補修費を減らすことは難しいことから, 舗装新設費への投資金額が急激に減少していることを示している. しかしながら, 今後も厳しい財政状況が続けば, 真に必要な社会資本整備だけではなく, 既存施設の維持管理, 更新にも支障をきたす恐れが指摘されている 4 ) 道路事業費 ( 単位 : 億円 ) 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25, 年度 舗装新設舗装補修維持調査 図 ~ 2008 年までの道路事業費内訳 舗装新設, 舗装補修, 維持, 調査 ( 出典 : 道路統計年報 1992~ 2011 年 5 ) ) 2

10 このような厳しい財政事情等を背景として, 公共工事のコスト構造改善については, 政府全体で進めており, 現在は, 平成 20 年 3 月に策定した 国土交通省公共事業コスト構造改善プログラム に基づき, 総合的なコスト構造改善に取り組んでいる 6 ). 図 1-3 に政府全体で進めているコスト構造改善のこれまでの経緯を示す. 具体的には, 従来の取組みに加え, VFM( Value for Money) 最大化を重視し, 以下の 3 項目について取り組んでいる. 1 環境負荷の低減効果等の社会的コスト構造の改善 2 施設の長寿命化によるライフサイクルコスト構造の改善 3 民間企業の技術革新によるコスト構造改善を評価する 総合コスト改善率 の設定現在,5 年間で 19 年度比 15% の総合コスト改善率の達成を目標としており,21 年度時点の国土交通省 関係機構等の総合コスト改善率の実績は 5.6% となっている 6 ). 図 1-3 政府全体で進めているコスト構造改善のこれまでの経緯 ( 出典 : 国土交通白書 2011 p121 6 ) ) 3

11 このように, コスト削減が必要となっている中, 道路事業費の中で大きな割合を占めている道路維持管理費を削減する取り組みが国や各地方自治体で行われている. 取り組み例として, 秋田県および福島県内の直轄国道の取り組みを以下に示す. ( 1 ) 国土交通省 ( 秋田河川国道事務所, 湯沢河川国道事務所, 能代河川国道事務所 ) 7 ) 1 道路パトロール の実施を, 従来の毎日から, 2 日に 1 回へ変更. これにより, 落下物等の発見や処理の遅れが生じ, 道路利用者の安全な通行への影響が懸念されることから, 図 1-4 に示すように, 道路利用者であるバスやタクシー協会, 地域住民からの情報協力を得て, 安全の確保に努める. 図 1-4 道路利用者への情報提供のお願い ( 出典 : 平成 22 年 5 月 13 日国土交通省秋田河川国道事務所, 湯沢 河川国道事務所, 能代河川国道事務所記者発表資料 ) 4

12 2 秋田県内における一般国道 (7 号 13 号 46 号 ) においても, 防雪柵 の通年設置, 除草 樹木剪定 の回数の削減, 写真 1-1 に示すような 道路照明 の部分的消灯など, 道路維持管理コスト縮減に向け 試行的な取り組がなされている. 写真 1-1 消灯実施状況 ( 2 ) 国土交通省 ( 東北地方整備局磐城国道事務所 ) 8 ) 1 トンネル照明 道路 ( 橋梁 ) 照明の減灯を, 照明効果及び夜間における交通量の状況を勘案しつつ試行する. 2 道路パトロール を, 毎日から2 日に1 回へ変更し, 落下物の発見や処理の遅れが生じ, 道路利用者の安全な通行への影響が懸念されることから, ボランティア協定による ( 社 ) 福島県建設業協会のロードレポーターや地域住民からの情報協力を得て, 安全の確保に努める. 5

13 このような道路事業費削減が行われるなか, 近年, 社会資本の適切な維持管理の手法として, アセットマネジメント が注目されている. 道路事業における 道路アセットマネジメント とは, 従来, 損傷等が発生した後に対処するという 事後的管理 から, 事前に点検し, 異常が確認または予測された場合, 致命的欠陥が発現する前に速やかに措置するという 予防保全的管理 へと転換し, 戦略的に維持管理を実施することである. このことから, 国民の生命と財産を守り安全 安心を確保するとともに, 施設の寿命を伸ばすことでライフサイクルコスト ( 以下 LCC) の低減を図っていく必要性がある. (2) アセットマネジメントの取り組みアセットマネジメントとは, 資産を効率よく管理 運用することである. 主に証券業や不動産業で使われていた言葉である. 一般的に 道路構造物の劣化は経過年数とともに加速度的に進展し, 早期に予防的な対策を行ったほうが, 維持管理を先送りしてそのまま放置するよりもトータルコストが安くなる といわれている 9 ). このことから, アセットマネジメントの考えを道路事業に取り入れることにより, 道路事業費の維持管理費を効率的かつ計画的に活用することできる. 我が国では, 国土交通省が 2002 年度の重点施策の 1 つとして, アセットマネジメントを掲げ, それを受けて, 同省の 道路構造物の今後の管理 更新等のあり方に関する検討委員会 ( 委員長 : 岡村甫高知工科大学学長 ) が道路構造物の維持管理にアセットマネジメントを導入する方針を示した 10). その基本フレームを図 1-5 に示す. 6

14 図 1-5 総合的なアセットマネジメントシステムのイメージ ( 出典 : 低頻度メガリスク型の沿岸域災害に関する多様な効果を持 つ対策の評価に関する研究 11) ) 図 1-5 より, 総合的なアセットマネジメントシステムを構築する ためには, 以下の流れが必要である. 1 設計 施工. 2 定期的な点検データ. 3 設計 施工, 点検結果, 健全度評価を行ったデータから, データベースを作成. 4 データベースの点検データを用いて, 舗装の劣化予測. 5 施工管理を計画し,LCC の最小化を図る このように, アセットマネジメントを構築するためには,1 定期 的点検データ,2 データベースの構築が必須である. 7

15 現在, 道路アセットマネジメントを行っている地方自治体としては, 東京都, 茨城県, 静岡県, 三重県, 横浜市がある 12). 東京都建設局では, 平成 18 年度末に道路アセットマネジメントシステムの稼動を開始し, 現在システムを用いた橋梁長寿命化計画のとりまとめを行っている 13). 東京都建設局はアセットマネジメントの取り組みとして, 1 道路施設の現状調査 2 道路施設の劣化速度算定 3 社会的便益算定 4 施設の長寿命化工法の調査 5 プロトタイプ構築 6 アセットマネジメントシステム本稼働 以上の 6 項目を挙げている. このように, アセットマネジメントに力を入れる地方自治体もあるが, 全ての地方自治体が道路の維持管理にアセットマネジメントを導入しておらず, 定期点検を実施している団体が半数に満たないのが現状である. アセットマネジメントが実施できない理由として, 地方自治体が財政難のため, 定期的な点検を行うことすらできないという実情がある. このことから, 安価に点検ができ, その点検結果を容易にデータベース化することができ, その点検項目から劣化予測が容易に出来るようなシステムを構築することが有効であり, それにより国民の生命と財産を守り安全 安心を確保するとともに, 施設の寿命を伸ばすことで LCC の低減を図っていくことが必要である. 8

16 1.2. 破損の種類と主な原因舗装の破損には様々な要因が原因となっているため, 様々な破損形態を示している. このことから, 点検, 補修を行うためには, 破損形態から破損原因を特定し, 原因を取り除くことが重要である. 本項では, アスファルト舗装の主な破損の種類とその主となる原 因を示す 14). また, アスファルト舗装保全ハンドブック 15) に掲 載されているアスファルト舗装の破損の種類の一覧表を表 1-1 に示 す. (1) ひび割れひび割れには, アスファルト層下面から生じる疲労ひび割れや, 表層の劣化 老化等により舗装表面から生じるひび割れなど各種のものがある. 1 亀甲状ひび割れ ( 主に車輪走行跡部 ) 主に車輪走行部に生じる亀甲状ひび割れは, 舗装厚さ不足や路床 路盤の支持力低下が原因で発生することが多い. 舗装厚さ不足や支持力低下が原因の場合, 路盤や路床の変形に起因する沈下を伴うことが多く. 2 亀甲状ひび割れ ( 車輪走行部 ~ 舗装面全体 ) 亀甲状ひび割れのうち車輪走行部から舗装面全体に発達しているものは, アスファルト混合物層の劣化. 老化が原因であることが多い. また, 寒冷地においては, 路床 路盤の凍上による路面の変形に伴い, 舗装路面全体に亀甲状のひび割れが発生することがある. 3 線状ひび割れ ( 車輪走行部縦断方向 ) 線状ひび割れのうち, 車輪走行部に沿って縦断方向に発生するものは, 舗装表面から発達する表面ひび割れであることが多く, わだち割れとよばれる. アスファルト混合物の劣化 老化がひび割れの発生の一要因になっていると考えられるが, その原因やメカニズム等に関する統一的な見解は得られていない. 9

17 4 線状ひび割れ ( 横断方向 ) 道路横断方向に発生した線状ひび割れのうち,- 20 を下回るような極度の低温になる箇所において,5~ 10m 程度の間隔で発生したひび割れは, 温度ひび割れとよばれる. このひび割れは舗装の温度低下により舗装内部に発生した応力が緩和されなくなることで発生する. 5 線状ひび割れ ( ジョイント部 ) 線状ひび割れのうちジョイント部に入るひび割れは, 施工ジョイント部に沿って直線的に発達する. ジョイント部の接着不良や転圧不足等が原因である. 6 リフレクションクラック リフレクションクラックは, アスファルト混合物層下の目地やひび割れに誘発されて, その直上のアスファルト混合物層にひび割れが生じる現象である. アスファルト混合物層の下に, コンクリート舗装等の目地を有した版がある場合やセメント安定処理路盤, スラグを用いた路盤等にひび割れが生じている場合に発生しやすい. 7 ヘアクラック ヘアクラックは, 表層表面に発生する小さなひび割れで, アスフ ァルト混合物の品質不良や施工不良が原因で発生する. 8 構造物付近のひび割れ 構造物付近のひび割れは, 橋梁との取付部やボックスカルバート, マンホールなどの地中構造物周辺に発生するひび割れで, 構造物周 辺部の不同沈下が原因で発生する. 9 橋面舗装のひび割れ 橋梁舗装に発生するひび割れには各種のものがあるが, 特徴的な ものにウエブやリブ上に生じるひび割れがある. このひび割れは鋼 床版のウエブやリブに沿って発生し, 直線的に発達する. 10

18 (2) わだち掘れ わだち掘れには, アスファルト混合物の塑性変形によるもの, 沈 下によるもの, アスファルト混合物層の磨耗によるものなどがある. 1 塑性変形によるわだち掘れ アスファルト混合物層の塑性変形によるわだち掘れは, 交通荷重によりアスファルト混合物が塑性変形することで発生する. このようなわだち掘れは一般的に流動わだちと呼ばれ, 施工時と比較して車輪走行部は沈下し, その周辺 ( 車線中央側および路肩部 ) は盛り上がるという特徴がある. 早期に塑性変形によるわだち掘れが発生する場合, アスファルト混合物の品質不良, 交通条件や気候に適したアスファルト混合物やアスファルトの選択がなされていないことが原因であることが多い. 2 沈下によるわだち掘れ 沈下によるわだち掘れは, 路床や路盤の圧縮変形により路盤以下が沈下することにより発生する. 塑性変形によるわだち掘れと異なり, 施工時と比較して車輪走行部を中心に沈下するが, その周辺部で顕著な盛り上がりを伴わない. 舗装厚不足, 路床の支持力不足, 路盤以下の締め固め不足などが原因であることが多い. 3 アスファルト混合物の磨耗によるわだち掘れ アスファルト混合物層の磨耗によるわだち掘れは, タイヤチェーン等によりアスファルト混合物層表面が削り取られることで発生する. 車輪走行部が磨耗してわだち掘れになり, 沈下によるわだち掘れと同様にその周辺部に盛り上がりを伴わない. (3) 平たん性の低下平たん性の低下は, 施工不良や材料不良, 支持力不足など様々な原因で発生する. 平たん性の低下のなかでも代表的なものを以下にします. 1 コルゲーション コルゲーションは道路延長方向に生じる比較的波長の短い波状の 11

19 凹凸で, 通行車両がブレーキを頻繁にかける箇所や曲線部などに発 生し,1 箇所発生すると縦断方向に連鎖的に発生する. アスファル ト混合物の品質不良や混合物層間の接着不良などが原因であること が多い. 2 寄り 舗装表面が局部的に盛り上がる現象で, プライムコートやタック コートの過剰散布等による層間の接着不良が原因で発生する. 3 くぼみ くぼみは, 舗装表面に生じる局所的な沈下で, アスファルト混合 物の品質不良, アスファルト混合物層間の接着不良が原因で発生す る. 4 縦断方向の凹凸 縦断方向の凹凸は道路延長方向に生じる比較的波長の長い不陸で, 主に路床, 路盤の支持力が不均一なことによる不同沈下が原因で発 生する. 5 段差 段差は, 構造物との取付部, 地下埋設物などに沿った不陸で, 構造物や地下埋設物と一般部の構造の差による不同沈下が原因で発生する. 路盤層以下の締固めが十分でない場合, 早期に段差が発生しやすい. (4) その他の破損 1 ブリージング ( フラッシュ ) ブリージングは舗装表面にアスファルトがにじみ出す現象で, アスファルト量過剰, 粒度不良等のアスファルト混合物の品質不良やタックコートの過剰散布などが原因で発生する. 2 ポリッシング ポリッシングは車両の通行により粗骨材とモルタル分がともにす り磨かれる現象で, 粗骨材の品質不良が原因で発生することが多い. ポリッシングが進行すると, すべり抵抗が低下する. 12

20 3 ポットホール ポットホールは舗装が局部的に剥脱飛散する現象で, アスファルト混合物の品質不良や施工時の締固め不足が原因で発生する. 排水性舗装の場合, オイルなどの油脂の浸透や基層の剥離が原因で発生することがある. 4 ブリスタリング ブリスタリングは, 舗装内に閉じ込められた水分や油分が機構的な作用で気化し, その蒸気圧が上層のアスファルト混合物を押し上げる現象で, 橋梁床版等の気密性の高い箇所の上にグースアスファルト混合物のような空隙率の小さい混合物を舗設した場合に発生しやすい. 5 排水性舗装の骨材飛散 排水性舗装の骨材飛散は, 排水性ほそうの代表的な損傷で, タイヤチェーンの打撃等の衝撃荷重により骨材が飛散するものと, タイヤのねじりなどにより骨材が飛散するものがある. タイヤのねじりによる骨材飛散は, 交差点部や道路周辺施設への出入り口などで発生しやすい. 13

21 表 1-1 アスファルト舗装の破損の種類 わだち掘れ ひび割れ 亀甲状ひび割れ 線状ひび割れ ( 出典 : アスファルト舗装保全ハンドブック p4) 走行軌跡部 走行部 舗装面全体 路床 路盤の沈下によるわだち掘れ 流動によるわだち掘れ 磨耗によるわだち掘れ量 路床 路盤の支持力低下によるひび割れ 地下水の影響などによる路床 路盤の支持力低下および圧密沈下 路盤の締固め不足 交通量および交通荷重の増大 夏期の高温時における交通量および交通荷重の増大 車両走行位置の集中化 混合物の品質不良 ( アスファルト量の過多, 軟質アスファルトの使用, 細粒分過多, 空隙不足 ) タイヤチェーン等によるアスファルト舗装の磨耗 混合物の品質不良 ( アスファルト量の不足, 粒度が粗い, 空隙が大きい ) 地下水等による路床 路盤の支持力低下および圧密沈下 路床 路盤の長期的な品質 ( 強度 ) 低下 路盤の締固め不足 アスファルト混合物の劣化 アスファルトの長期的な劣化と老化( 紫外線, 温度, 雨水等 ) 老化によるひび割れ 混合物の品質不良( アスファルト量の不足, 粒度が粗い ) 破損の区分機能構造 凍上によるひび割れ 路床 路盤の凍上による盛り上がり わだち掘れ ( 走行軌跡部 ) 夏期高温時に走行軌跡部に生じた微細なひび割れの成長 縦断方向床版たわみによるひび割れ ( 橋面上のひび割れ ) 横断方向 縦横断方向 破損の種類 温度応力ひび割れ ( 等間隔にひび割れ ) ヘアクラック ( 微細な線状ひび割れ ) リフレクションクラック 施工継目ひび割れ ( ジョイント部 ) 不等沈下によるひび割れ 主桁上などの床版局部変形に対する混合物の不追従 混合物の長期的な品質低下によるたわみ性不足 温度低下に伴う舗装体の収縮 混合物の品質不良 ( 粒度の不良, アスファルト量の不適合 ) ローラの転圧温度が高い コンクリート版の目地やひび割れからの誘発 基層および路盤のひび割れからの誘発 ジョイント部の締固め不足 ジョイント部の接着力不足 骨材最大寸法が大きい混合物の使用による継目処理の不手際 切盛境の支持力の違い 狭小部での締固め不足 路床 路体の圧密沈下 ( 長期 ) 主な原因 縦断方向コルゲーション 頻繁なブレーキによる交通荷重 混合物の品質不良 ( アスファルト量の過多, 粒度の不良, 安定度不足 ) 層間の接着力不足 ( 路盤の過度の湿気, タックコートの散布ムラ等 ) 平たん性の低下 すべり抵抗値の低下 その他 不特定くぼみ ( 局部的沈下 ) 路肩部路肩部寄り ( こぶ状 ) 構造物周辺 不特定 段差 ブリスタリング ( 表層の局部的な膨らみ ) 路床 路盤の局所的な品質不良 長期間の静止荷重 アスファルト乳剤 ( プライムコート, タックコート ) 散布量の過多もしくは不均一 地下埋設物 ( ボックスカルバート, 踏掛版等 ) の有無 構造物周辺での締固め不足 温度上昇による舗装内部に閉じ込められた水分の体積膨張 不特定フラッシュ, ブリージング 混合物の品質不良 ( アスファルト量の過多, 粒度が不適合 ) タックコートの過剰散布 走行部ポリッシング すり減りやすい骨材 ( 石灰岩等 ) の使用 不特定 走行部 ポットホール ポンピング ずれ 路盤の局部的な支持力不足 粗骨材とアスファルト間の結合力不足 混合物の混合不良 ひび割れ部からの雨水等の浸入 水による路盤材のエローション ( 侵食 ) 状態での車両走行 舗装層間への水の侵入 タックコートの過剰散布あるいは散布量不足 床版防水層の施工不良 14

22 1.3. 舗装のLCC アセットマネジメントを行い, 維持管理費を効率的に投資するためには,LCC を計算し,LCC を最小化する必要がある. ここでは, LCC について記述する. LCC を計算するためには, 道路整備に要する事業費及び維持管理費, 供用年数, 交通条件の条件が必要である 16). これらの条件を図 1-6 のように変化させ,LCC が最小になる条件を見出すことがアセットマネジメントである. 図 1-6 予防保全対策を考慮した LCC の低減 ( 出典 : 国土交通白書 2011 p121 17) ) しかしながら,LCC を計算するのに重要な供用年数は, 舗装構成, 走行車両, 気候, 破壊形態等により大きく変化するために, 推定す ることが難しい. 谷口らの研究 18 ) および舗装設計施工指針 ( 日本道路協会 pp ) 19) によると,LCC 計算には, 図 1-6 に示すように補修 15

23 再建設条件の設定をする必要性があると記述している. これは, 舗装は建設 ( 舗装の新設あるいは再建設 ) の後, 交通に供用されると, 交通荷重などにより, 次第にひび割れ率やわだち掘れ量等が増加し, 舗装の性能は低下していく. このため, 舗装の性能の低下を予測し, どのような状態に至った場合に, それに応じた補修 再建設を実施するのかを設定する必要があるからである. 現在, 舗装性能の低下を予測する方法として, 1 2 既存の予測式を用いる方法 舗装の設計条件や交通条件が類似する箇所の路面状態の推移 を基に予測する方法. 3 当該舗装の設計の理論から予測する方法 上記 3 つの方法がある. これらの方法を用い, 舗装性能の低下予 測にもとづき, 補修 再建設の工法とその実施時期を設定する. この設定を基に, 道路管理者費用, 道路利用者費用, 沿道および 地域社会の費用について計算を行う. LCC 算定に必要な項目を表 1-2 に示す. 表 1-2 LCC 算定項目 道路管理者費用 道路利用者費用 沿道及び地域社会の費用 調査設計費用設計費用維持修繕費用改築費用廃棄処分費用関係行政費用車両走行費用工事規制区間通過時間損失費用車両走行費用迂回時間損失費用事故費用路面劣化車両走行費用大気汚染騒音地球温暖化 16

24 1.4. アスファルト舗装の寿命予測についてアスファルト舗装の寿命予測方法については, 様々な理論を用いた検討がなされている 20) ~ 29). 前項にて, 舗装性能の低下予測方法を 3 つ挙げた. しかしながら, 3 式ともに経験により組み立てられた予測方法あるため, 誤差が大きく, 条件が異なる場合は, 予測に用いることが難しい. このことから, 上記の予測方法に理論式を加えた以下の 3 つの理論方法が現在使われている. 1 アスファルト混合物の最下面のひずみを用いた舗装の寿命予測 2 機能的破壊 ( 供用性曲線 ) を考慮した寿命予測 3 FWD を用いた寿命予測 以下に,3 つ寿命予測の概要を示す. (1) アスファルト混合物の最下面のひずみを用いた舗装の寿命予 測 舗装設計便覧 ( 日本道路協会 pp ) 20) によると, アスファ ルト混合物の暫定破壊基準は, 一般的にアスファルト混合物層下面の引っ張りひずみ, アスファルト混合物の弾性係数と許容標準輪 ( 軸 ) 数の関係で表される. なお, 日本において, アスファルト混合物層の暫定破壊基準は, アスファルト層下面で発生し上方へ進行するひびわれが, ひびわれ率 20% となったときと規定している 20). 21) 代表的な破壊基準の 1 つとして AI(Asphalt Institute) の式がある. この計算式を式 ( 1. 1 ) に示す. この式の右辺の { } 内が室内疲労曲線であり, 定数項 18.4 は現 場で観測されたひび割れ率約 20% となる時の輪数に合わせるため, 算出された経験的な係数である. 17

25 N fa 18.4 ( ) { ε } = C E t ( 1. 1 ) ここに,N fa: 許容標準輪 ( 軸 ) 数 C : アスファルト混合物の最下層に使用する混合物の 容積特性に関するパラメータ ε t : アスファルト混合物層下面の引張りひずみ (μ: 10-6 ) E : アスファルト混合物の最下層に使用する混合物の 弾性係数 (MPa) この理論を用いたアスファルト舗装の寿命予測プログラムとして, DAMA 22) などがある. 23) また, 丸山は, 現道における調査と室内での曲げ疲労試験から, アスファルト混合物最下層に使用する混合物の配合により, 疲労ひび割れの発生年数が異なることを確認し, 疲労破壊基準式を提示した, その式を式 ( 1. 2 ) に示す. log N f = 6.123logVFA logε log S mix ( 1. 2 ) ここに,N f : 混合物の曲げ疲労破壊回数 ( 回 ) VFA: 混合物の飽和度 S mix: 曲げスティフィネス (MPa) ε : 曲げ疲労試験時のひずみ ( 10-6 ) この理論を検証した結果, 丸山らは 疲労破壊年数の計算値が小さい断面ほど実際に路面に疲労ひび割れの発生が観測されている傾向にあり, 平均 ±σの範囲もしくは約 - 3 年 ~+6 年の誤差の範囲での疲労破壊年数の算定が可能だ と報告している 23). 18

26 (2) 機能的破損 ( 供用性曲線 ) を考慮した方法谷口らは 24),LCC を概算するためには, 解析期間に対する適切な供用性曲線が不可欠であることから, 確率論的解析手法を用いた路面性状予測モデルを提案した. 以下にそれまでの予測手法であった1 線形モデル,2 漸化式モデルも合わせて示す. 1 線形モデル この許容性予測式 25) は, 建設省各地方建設局 ( 現国土交通省地方 整備局 ) から得られた修繕工法と路面性状の推移データを用い, 地域区分を一般地域と雪寒地域の 2 地域, 工法を 新設または打ち換え, オーバーレイ, 表面処理 の 3 種に分け合計 6 種類の維持管理指数 (MCI) の供用予測式を示した. これらは, 経年数 (a), 車線あたりの交通量 (b) 及び大型車混入率 (c) で表されることから, 谷口らは線形モデルと呼んだ. ⅰ) 一般地域, 新設または打ち換え MCI= a b c ( 1. 3 ) ⅱ) 一般地域, オーバーレイ MCI= a b c ( 1. 4 ) ⅲ) 一般地域, 表面処理 MCI= a b c ( 1. 5 ) ⅳ) 雪寒地域, 新設または打ち換え MCI= a b c ( 1. 6 ) ⅴ) 雪寒地域, オーバーレイ MCI= a b c ( 1. 7 ) ⅵ) 雪寒地域, 表面処理 MCI= a b c ( 1. 8 ) 19

27 2 漸化式モデル前述の 6 種類の維持管理指数について, 建設省関東地方建設局 ( 現国土交通省関東地方整備局 ) のデータを用いて予測精度を検証した結果, 誤差が大きかったことから, 予測精度を高めた新たな供用性予測モデルが関東地方建設局から提案された 26). このモデルは, ひび割れ率 (C%), わだち掘れ量 (Dmm), 平たん性 (σmm) について,3 年前の実測値と最新の実測値との関係から回帰分析により作成されたものである. 以下にこのモデルの基本式を示す. ⅰ) ひび割れ : C i+1=αci + β ( 1. 9 ) ⅱ) わだち掘れ : D i+1=αdi + β ( 1. 10) ⅲ) 平たん性 : σ i+1=ασ i + β ( 1. 11) ここに,α,β: パラメータ 3 確率論的解析手法 前述の漸化式モデルは,3 年前の実測値と最新の実測値との関係 を回帰して作成されたもので,3 年以内の短期的予測精度は高いが, LCC 算定のために必要な長期的予測精度は実証されていない. し たがって, 長期的な供用性予測モデルを提案するためには新たな予測手法が必要となった. そこで, 阿部ら 27) が提案した確率論的に捉える手法 ( 確率論的解析手法 ) を用いて長期的な供用性予測モデルを谷口ら 24) が提案した. 提案式を以下に示す. 20

28 ⅰ) 打ち換え, ひび割れ率 (C % ) 3 2 N N N C = ( 1. 12) ( N 77, ただし N のとき C=0) ⅱ) 打ち換え, わだち掘れ深さ (D mm) 3 2 N N N D = ( 1. 13) ( N 77) ⅲ) 打ち換え, 平たん性 (σ mm) 3 2 N N N σ = ( 1. 14) ⅳ) 切削オーバーレイ, ひび割れ率 (C % ) 3 2 C = N N N ( 1. 15) ( N 25, ただし N のとき C=0) ⅴ) 切削オーバーレイ, わだち掘れ深さ (D mm) 3 2 D = N N 0.896N ( 1. 16) ( N 25) ⅵ) 切削オーバーレイ, 平たん性 (σ mm) 3 2 σ = N 0.001N N ( 1. 17) ⅶ ) 表面処理, ひび割れ率 (C % ) 3 2 N N N C = ( 1. 18) ( N 60, ただし N のとき C=0) ⅷ ) 表面処理, わだち掘れ深さ (D mm) 3 2 N N N D = ( 1. 19) ( N 60) 21

29 ⅸ ) 表面処理, 平たん性 (σ mm) 3 2 N N N σ = ( 1. 20) (3) FWD を用いた寿命予測フォーリング ウエイト デフレクトメータ ( 以下 FWD) は 1964 年デンマークの国立道路研究所にて開発され, 我が国には 1980 年 代に港湾技術研究所, 長岡技術科学大学に導入された. 現在日本で は 35 台以上の FWD が稼動しており, 主な目的として, 補修工法の 選定を行うために, 舗装体の支持力および構造評価の計算に使用さ れている 28). FWD の基本構造を図 1-8 に, 測定状況を写真 1-2 に 示す. FWD の構造評価は, 重錘を落下させたときの衝撃荷重と, そのと きのたわみセンサーよって測定されたたわみ量を用いて行う. 具体 的には, 多層弾性理論および逆計算法を用い, 各層の弾性係数 ( 変 形係数 ) や等値換算係数を算定し, 評価を行っている. 以下に舗装 構造における評価項目とその概要および FWD による評価手法を示 す. 1 路床の CBR 舗装は, 図 1-7 に示すように, 原地盤の上に構築される. 原地盤 のうち, 舗装の支持層として構造計算上取り扱う層を路床という. この路床の支持力を表す指標として CBR ( California Bearing Ratio) 試験で求めた値を用いている. 一般的に CBR3% 未満の路床 は軟弱な路床といわれる. 表層 路盤 舗装 路床 ( 原地盤 ) 路体 図 1-7 舗装の基本的な構成 22

30 2 残存 Ta 等値換算厚 (Ta) は, 舗装の相対的な強度を表す指標である. 舗装の構造的ダメージにより供用後から等値換算厚 (Ta) は減少する. 残存 Ta は, ダメージを受けた舗装に残っている強度である. 3アスファルト層の弾性係数アスファルト層の剛性を示す指標. 一般的にアスファルト層の弾性係数が減少するとクラックなどの構造的破壊が生じる. 阿部ら 29) は,FWD から算出した構造評価に AI の破壊基準を加えた舗装の寿命予測方法を提案した. この寿命予測を検証するために, 幾つかの実路線において実験を行った. 提案方法のフローチャートを図 1-9 に示す. この方法は, 繰り返し荷重や, 温度変化によりアスファルト混合物層が疲労し, アスファルト混合物の強度が低下し, アスファルト混合物層の荷重分散能力が低下, その後下層に掛かる垂直応力が増加し, 圧縮による永久変形が進行するものと予測し, その検証を行ったものである. 検証を行うため, 一般国道 ( 交通量区分 N 5, 設計 CBR8, 1986 年 4 月に供用開始 ) において,1987 年 11 月から 1993 年 6 月までに 13 回の FWD 測定を行い, 舗装の寿命予測を行った. その結果, 寿命予測と, 線状クラックの発生時期が一致した. このことから,FWD 測定により, 舗装がこれまで受けた累積ダメージを踏まえた舗装寿命の推定が可能となり, 数年毎に舗装の供用性の低下傾向を把握することにより破壊時期の予測精度を更に高めることができた. 23

31 図 1-8 FWD の基本構造 写真 1-2 FWD 測定状況 ( 大成ロテック所有 ) FWD 測定結果 弾性係数の推定 応力, ひずみの計算 多層弾性理論 破壊基準式による載荷輪数の計算 ダメージの検討 マイナー則の適用 舗装の残存寿命の予測 図 1-9 FWD を用いた舗装寿命予測のフローチャート 24

32 1.5. 本研究のテーマと目的前述したように, 現在, 道路事業費削減が行われるなか, 近年, 社会資本の適切な維持管理の手法として, アセットマネジメント が注目されている. 道路事業における 道路アセットマネジメント とは, 従来の損傷等が発生した後に対処するという 事後的管理 から, 事前に点検し, 異常が確認または予測された場合に, 致命的欠陥が発現する前に速やかに措置するという 予防保全的管理 への転換であり, 戦略的に維持管理を実施することである. このことから, 国民の生命と財産を守り安全 安心を確保するとともに, 施設の寿命を伸ばすことで LCC の低減を図っていく必要性がある. また, 東京都や横浜市など, アセットマネジメントに力を入れる地方自治体もあるが, 全ての地方自治体が道路の維持管理にアセットマネジメントを導入しておらず, 定期点検を実施している団体が半数に満たないのが現状である. 定期点検が実施できない理由として, 地方自治体の財政難がある. 定期点検すら実施できなければ, アセットマネジメントは導入不可である. このことから, 安価に点検ができ, その点検結果を容易にデータベース化することができ, その点検項目から劣化予測が容易に出来るようなシステムが求められている. 本研究は 安価に測定できると面点検方法を確立する ために, 前述した既往の舗装の寿命予測と点検方法の課題を踏まえ, 安価に道路点検が出来るよう, 走行車両の鉛直方向の振動を測定することで, 舗装のダメージが推定できるか検討を行った. また, 点検などで蓄積されたプロファイルデータより動的荷重が推定できるかの検証の評価も合わせて行った. 評価を行うために, 以下のとおりテーマと目的を設定した. 25

33 (1) 動的荷重の推定方法前述したように, 舗装は, 劣化や疲労の蓄積などにより破損が発生し, 供用性が低下する. 破壊の形態は, 路面性状の低下が主である機能的破壊 ( 流動によるわだち掘れ, すべり抵抗値の低下等 ) と, 構造的破壊 ( 路床 路盤の支持力低下によるひび割れ等 ) に大別される. クラックや平たん性の低下など, 機能的破損が発生し, 路面のプロファイルが悪化した舗装では, 走行車両の走行性が悪化し, 車両の鉛直方向の振動に起因する 動的荷重 も増加する. これに伴い, 機能的および構造的な破損の進行が, さらに促進されると考えられる. この点については, 過去において類似した研究がなされていない為, 路面プロファイルと舗装に作用する動的荷重の関係性については明らかになっていない. 本研究は, 路面プロファイルと舗装に作用する動的荷重の関係を明らかにすることで, 舗装が受ける構造的ダメージを推定できる可能性があると考え, 路面プロファイル, 走行車両の振動, 舗装への動的荷重, 舗装のダメージの相互関係の検証を実施した. 舗装のダメージを把握するには, 走行車両が舗装に与える動的荷重を正確に把握する必要がある. そのため, 車両走行時に車軸 ( 以下, バネ下 ) の鉛直方向の加速度を測定し, それにより動的荷重を算出する手法を考えた. その有効性を実証するために, 構内走行試験を実施し, バネ下の鉛直加速度から算出した動的荷重 と 実測したひずみより算出した動的荷重 を比較し 評価した. また, 点検などで蓄積されたプロフィルデータを有効活用するために, クウォーターカー モデル ( 以下 QC モデル ) を用いて, 路面プロファイルから動的荷重が推定できるかの検証を行った. ここでは, 検証と合わせて, 動的荷重推定における他の要因による影響も理論計算にて評価した. 26

34 (2) 動的荷重が舗装ダメージに与える影響動的荷重を舗装のダメージおよび寿命予測に用いることの可能性について, 実路で測定された 路面プロファイル から計算した動的荷重と,FWD 試験により測定された D 0 たわみ量の関係について検討を行った. 検討を行ったデータは, アメリカ連邦道路局 ( 以下,FHWA) で公開されている Long-Term Pavement Performance( 以下,LTPP) データ 30) に収録されている路面プロファイルデータと FWD データを用いた. (3) 路面プロファイルが LCC に与える影響について最後に, 路面プロファイルから計算された動的荷重が, 舗装の寿命および LCC にどのように影響を与えているかを, アスファルトの破壊基準式を用いて理論計算にて試算を行った. また, この理論計算により, 本手法の有用性についても合わせて検討を行った. 27

35 1.6. 本論文の構成と内容本論文の全体構成は, 次の通りである. 第 1 章序論第 2 章動的荷重の推定方法について第 3 章動的荷重が舗装ダメージに与える影響第 4 章動的荷重が LCC に与える影響第 5 章結論 走行車両の鉛直方向における振動加速度と動的荷重の関係把握 ( 実測 ) 過去のデータの有効利用のため路面プロファイルより動的荷重の推定に関する検証 ( 実測値と理論値の検証 ) 第 2 章 QC モデルを用い動的荷重に影響を与える路面プロファイラ及び走行速度の影響を計算 動的荷重による舗装ダメージの関係 第 3 章 動的荷重がライフサイクルコストに与える影響 第 4 章 図 1-10 本論文構成フローチャート 28

36 各章の概要を以下に記す. 第 1 章 序論 研究背景を把握し, 既往の研究成果を踏まえた上で, 本研究の目 的を示した. 第 2 章 動的荷重の推定方法について 走行車両による鉛直方向の動的荷重を, 車両走行時のバネ下の鉛 直方向の加速度から算出できるか検討を行った. また, 点検などにより蓄積されたプロファイルデータを有効に活 用するために,QC モデルを用いて, 路面プロフィルより動的荷重 が推定可能か検討を行い, 結論付けた. 第 3 章 動的荷重が舗装ダメージに与える影響 既知の路面のプロファイルデータから動的荷重を算出し, その経年変化と FWD の D 0 たわみの変化との関係を求め, 路面のプロファイルと舗装の構造的ダメージとに相関があるか評価を行い, 結論付けた. 第 4 章 路面プロファイルが LCC に与える影響 路面プロファイルから計算された動的荷重から寿命予測を行う事 で,LCC にどのように影響を与えるかを LCC 算出より計算するこ とにより, 本手法の有用性について検討を行い, 結論付けた. 第 5 章 結論 第 1 章から第 4 章までで得られた知見について, 章毎に簡潔にま とめて示した. 29

37 参考文献 1) 日本道路協会 : 道路構造令の解説と運用, pp.57-58, ) 日本道路協会 : 舗装施工便覧,2001 3) 全国道路利用者会議 : 道路統計年報 2010, p.17, ) 国土交通省 : 国土交通白書 2011, p.121, ) 全国道路利用者会議 : 道路統計年報 1992~2010 の集計, 表 86-1, ~ ) 国土交通省 : 国土交通白書 2011, p.120, ) 国道交通省東北地方整備局 : 道路維持管理費の更なるコスト削減へ!!( 記者発表資料 ), ) 国土交通省東北地方整備局磐城国道事務所 : 道路維持管理費の更なる縮減に取り組みます ( 記者発表資料 ), ) 阿部允 : 実践土木のアセットマネジメント, 日経 BP 社 pp.20-25, ) 国土交通省道路局 (2003) 11) 小田勝也, 鈴木武, 池田清, 根木貴史 : 低頻度メガリスク型の沿岸域災害に関する多様な効果を持つ対策の評価に関する研究, 国土技術政策総合研究所プロジェクト研究報告第 34 号,p.141, ) 社団法人日本道路協会 : 舗装マネジメントシステム (PMS) ガイドライン作成に向けて, 月現在 13) 東京都建設局 : 東京都道路アセットマネジメントの取り組み状況, 月現在 14) 日本道路協会 : 舗装調査 試験法便覧 [ 第 1 分冊 ], 参考 1 アスファルト舗装の破損の種類と代表的な破損例,pp36-43, ) 道路保全技術センター : アスファルト舗装保全技術ハンドブック, p4, ) 国土交通省道路局都市 地域整備局 : 費用便益分析マニュアル,p.2, ) 国土交通省 : 国土交通白書 2011, p.121,

38 1 8 ) 谷口聡, 吉田武 : 舗装工事におけるプロジェクトレベルの LCC 算定法に関する研究, 土木学会舗装工学論文集第 7 集, ) 日本道路協会 : 舗装設計施工指針,pp , ) 日本道路協会 : 舗装設計便覧,pp , )The Asphalt Institute: Research and Development of the Asphalt Institute s Thickness Design Manual(MS-1) 9th Edition,pp.8-11, ) 阿部忠行, 田中輝栄 : アスファルト舗装の寿命予測, アスファルト, ) 丸山記美雄, 田高淳, 笠原篤 : 積雪寒冷地におけるアスファルト舗装の疲労寿命予測手法, 舗装, ) 谷口聡, 伊藤正秀, 野村敏明, 安部忠行 : 舗装データベースを用いた供用性曲線作成手法に関する研究, 土木学会舗装工学論文集第 8 集, ) 建設省道路局国道第一課, 建設省土木研究所道路部舗装研究室 : 舗装の管理水準と維持修繕工法に関する総合的研究, 第 41 回建設省技術研究会報告,pp , ) 落合文雄 : 建設省の舗装データベースシステム, アスファルト, Vol.41No198,pp.2-7, ) 阿部頼政, 飯野忠雄 : わだち掘れ測定データの解析法に関する研究, 土木学会論文集,Vol.478 v - 21, pp , ) 土木学会舗装工学委員会, 舗装工学ライブラリ 2 FWD および小型 FWD 運用の手引き,p.1, ) 阿部長門, 丸山暉彦, 名塚忠一 : FWD に基づく舗装の寿命予測方法, 舗装,pp.8-12, )iENGINEERING Corporation : LTPP Products Online, 年 11 月現在 31

39 32

40 第 2 章動的荷重の推定方法について

41

42 第 2 章動的荷重の推定方法について 舗装は, 供用直後から酸素や紫外線などの影響による劣化や, 走行車両や温度変化などの疲労蓄積などにより破損が発生し, 供用性が低下するといわれている. 破壊の形態は, 前章で述べたように, 路面性状の低下が主である機能的破壊 ( 流動によるわだち掘れ, すべり抵抗値の低下等 ) と, 構造的破壊 ( 路床 路盤の支持力低下によるひび割れ等 ) に大別される 1). クラックや平たん性の低下などによる機能的破損は, 路面のプロファイルを悪化させ, 走行車両の走行性も悪化させる. このときの車両の鉛直方向の振動に起因する 動的荷重 も路面のプロファイル悪化とともに増加する. この動的荷重がさらに機能的および構造的な破損の進行をさらに促進すると考えられる. 舗装路面と走行車両の振動については, 国内外問わず, 様々な研究が報告されている 2) ~ 10). また, 舗装路面と車両走行時の動的荷重については, 汎用車両運動シミュレーションパッケージウエア (TruckSim) 11) を用いた既存の研究 12) もあるが, 実際の路面のプロファイルと走行車両のとの関係性について研究された報告はない. 本研究では, 路面プロファイルに起因する走行車両の鉛直方向の振動と舗装に作用する動的荷重の関係を明らかにすることで, 舗装が受ける構造的ダメージを推定できる可能性があると考え, これらの関係について検証をおこなった. ただし, ポーラスアスファルト舗装等の開粒度舗装は, 骨材飛散や, 基層アスファルトの剥離など構造的破損以外の破損が生じるために, 本研究では検証より除外した. 33

43 2.1. 動的荷重の測定路面プロファイルに起因する走行車両の鉛直方向の振動から舗装が受ける構造的ダメージを推定するために, ここでは, 動的荷重を測定する方法について検討を行った. 測定方法は, 車両走行時に車体 ( 以下, バネ上 ) および車軸 ( 以下, バネ下 ) の鉛直方向の加速度を測定し, それにより動的荷重を算出する手法とした. また, この手法の有効性を実証するために, 構内走行試験を実施し, バネ上およびバネ下の鉛直加速度から算出した動的荷重 と 実測したひずみより算出した動的荷重 を比較し 評価した. 検討は, 以下の手順で行った. 1 鉛直加速度測定は, 構内の試験走路に形状が既知のハンプを設け, このハンプを車両が走行した時のバネ上およびバネ下の位置に設置した加速度計より測定した. 2 走行車両がハンプに与える動的荷重は, ハンプの裏面に設置したひずみゲージで測定されたひずみにより求めた. ただし, ひずみと動的荷重の関係は次ページに示す室内試験にて検証を行った. 3 上記の加速度計で測定された加速度とひずみゲージにより測定された動的荷重の関係を比較した. 34

44 動的荷重と加速度計の関係について走行試験を行う前に, 鋼鉄製のハンプに設置したひずみゲージで動的荷重の測定が可能か室内試験にて検証を行った. 検証実験は, 写真 2-1 に示すように, 鋼鉄製のハンプと同じ材料の鋼板にひずみゲージを設置し, その上部にエアーシリンダーを用いて鉛直方向に動的荷重を発生させ, 動的荷重とひずみの関係を求めた. その結果を図 2-1 に示す 写真 2-1 動的載荷試験状況 y = x R 2 = ひずみ (ε) 荷重 (kn) 図 2-1 室内試験による動的荷重とひずみの関係 35

45 図 2-1 より, 動的荷重 (P ) とひずみ (ε) の関係を式 ( 2.1) に 示す. P = ε ( 2. 1 ) この関係式を用いて, ハンプ通過時の測定ひずみから, 動的荷重を求め, 加速度と動的荷重を比較する方法で検討を行った. バネ下の鉛直加速度の測定の概要を図 2-2 に, ハンプおよびハンプ裏面のひずみゲージの設置状況を図 2-3 に示す. 図 2-2 加速度設置位置 裏面 0.04m 0.3m 0.4m 0.3m 図 2-3 ハンプ概要 36

46 (1) 実験条件以下に実験条件を示す. a ) 走行条件動的荷重は, 走行速度により変化するものと考えられるため, 走行速度を以下のような条件として試験を行った. 走行速度 : 時速 5 ~ 40km の定速走行 ( 走行試験時の速度 :5~40km/h の範囲で 9 ~ 11 条件 ) 走行車両 : 表 2-1 に示す普通自動車, 軽車両トラックの 2 車種 表 2-1 走行車両 車種外観車両総重量タイヤ種類 普通 乗用車 1,825kg 195/65R15 軽車両 トラック 1,260kg 145R12-6PRLT b ) 実測ひずみによる動的荷重の算出方法実際の車両走行により発生する動的荷重は, 図 2-3 右上に示すひずみゲージを用いて算出した. ハンプ上を車両が走行した時の鉛直方向の加速度と, ひずみゲージにより測定された動的荷重の関係を図 2-4 に示す. ただし, ひずみと動的荷重の関係は図 2-1 で測定された結果を用いて算出した. 図 2-4 より以下のことが分かった. ハンプ上を車両が走行した時の鉛直方向の加速度と, 動的荷重の相関係数は R=0.87 以上となり, 加速度と動的荷重には強い相関があることが確認できた. 37

47 動的荷重と加速度の関係は, 走行車両および, 加速度計取り付け位置により異なっていることが確認された. バネ上の鉛直加速度よりもバネ下の鉛直加速度の方が, 動的荷重との相関が良いことが確認できた. これは, 車体の懸架装置の減衰により加速度が減衰していることが原因だと思われる y = x R 2 = 動的荷重 (kn) y = x R 2 = y = x R 2 = y = x R 2 = 普通乗用車バネ上 1.0 普通乗用車バネ下 軽トラックバネ上 0.0 軽トラックバネ下 加速度 (m/sec 2 ) 図 2-4 鉛直加速度と動的荷重の関係 一般的に, 動的荷重は, 加速度と質量の積で算出することから, 車両の軸重が動的荷重を決定する 1 要因と捉え, この要因を取り除くことで, 測定した加速度より車種に依存しない動的荷重の指標が求められると考えた. 具体的には, 動的荷重を測定車両の軸重 ( 本研究では, 軸重はハンプ上で車両を静止したときの荷重値 ) で割った値をその指標とし, ここでは, Modified Coefficient of Dynamic Load( 修正動的荷重係数 ) ( 以下,MCDL) と呼ぶこととした ( 式 2.2 参照 ). この MCDL と加速度の関係を求めた. 38

48 結果を図 2-5 に示す. また, この式は動的荷重が加速度と質量の積の関係であると考えていることから,MCDL と加速度の関係式は直線とした. MCDL= 動的荷重 測定車両の軸重 ( 2. 2 ) ただし, ここで用いた鉛直加速度は, 動的荷重と相関の強いバネ 下のみとした 普通乗用車バネ下軽トラックバネ下 MCDL y = x + 1 R 2 = 加速度 (m/sec 2 ) 図 2-5 鉛直加速度と MCDL 図 2-5 から, バネ下の鉛直方向の加速度と MCDL は, 車種に依存 せず, 回帰式上に分布しており, 相関係数が R=0.87 と大きな値を 示した. このことより, バネ下の加速度から求めた動的荷重を軸重で割っ た MCDL を用いることで, 軸重が未知の走行車両でも, 走行時 のバネ下加速度から動的荷重の指標となる MCDL を求めることが 可能である. さらに, 鉛直方向の加速度だけを測定することで MCDL を把握す 39

49 ることができ, 平均軸重が既知の路線であれば, 平均軸重と乗じることで, 走行車両が当該路線の舗装に与える平均的な動的荷重を知ることができる. このように, 測定された加速度計から MCDL を求めることは, 動的荷重を推定する上で有効な手段であることが確認できた 車両の鉛直加速度の理論と実測値の比較検証前項にて, 走行車両に設置したバネ下の鉛直加速度から MCDL を計算できることを示したが, 様々な路面プロファイルの路線で加速度を実測し,MCDL を測定することは, 多くの時間および測定費用, 設置費用が掛かる. また, 点検などにより過去に測定されたプロフィルのデータより MCDL を理論的に計算することが出来れば, 点検データを有効に活用することができ, 測定に要する時間や費用が低減可能となる. そこで, 国際ラフネス指数 (International Roughness Index : 以下,IRI) の計算に用いられているクォーターカーモデル 13) ( 以 下,QC モデル ) を用いて, 路面プロファイルよりバネ下の加速度 が計算できるかを, 車両がハンプ上を走行したときの鉛直方向の加速度の実測値と QC モデルによる計算値を比較し,QC モデルを用いる手法の妥当性を検証した. なお,QC モデルとは, 通常用いられている 2 軸 4 輪の乗用車の 1 輪だけを取り出して抽象化した仮想車両である. 40

50 QC モデルに含まれている力学的な動作の基本部分を図 2-6 に示 す. Z u バネ上重量 :m u 進行速度 V=80km/h Zs k s バネ下重量 :m s c s Z X c s : 車体懸架装置の減衰率 (N sec/mm) k s : 車体懸架装置の弾性率 k t ( N/mm) k t : タイヤの弾性率 ( N/mm) m s : バネ上重量 (kg) B=250mm m u : バネ下重量 (kg) 図 2-6 QC モデル QC モデルは, 式 ( 2. 3 ) および式 ( 2. 4 ) の 2 つの二階微分方程式 で表すことができる. Z s + C( Zs Zu ) + K 2 ( Zs Zu) = 0 ( 2. 3 ) Z s µ Zu + K Zu = K y ここで Z s : バネ上重量の高さ ( mm) ( 2. 4 ) Z u : バネ下重量の高さ ( mm) y(t): 平滑化されたプロファイル高 ( mm) C : c s / ms ( 1/s) K 1 : k t / ms ( 1 /s 2 ) K 2 : k s / ms ( 1/s 2 ) μ : m u / ms 41

51 42 車両の加速度を求めるには, 式 ( 2. 3 ) および式 ( 2. 4 ) を,Z s, Z u について展開をしなければならない.Z s, Z u について展開した式を式 ( 2. 5 ) に示す. なお, この数式は,4 連の一階常微分方程式のマトリックス形式となっている. ( 2. 5 ) ここで Z および A, B の各配列は次のように表される ( 2. 6 ) ( 2. 7 ) ( 2. 8 ) 検証を行う車両特性を表 2-2 に示す. この特性は, 川村らが開発した IRI 測定装置 STAMPER に付属している 測定車両 1 次固有振動推定ソフト を用いて計算した結果と, それを用いた IRI 測定時のキャリブレーションで設定した値を用いた. 図 2-7 に測定車両の 1 次固有振動を計算状況を示す. ) ( 1) ( ) ( t y B t Z A t Z + = [ ] u u s s T Z Z Z Z Z = + = µ µ µ µ C - (K - C K C c - K ) K K A = µ T K B

52 図 2-7 測定車両 1 次固有振動推定ソフト 表 2-2 測定車両特性入力項目 C : バネ上重量 / バネ上重量 2.50 K 1 : 車体懸架装置の弾性率 / バネ上重量 K 2 : タイヤの弾性率 / バネ上重量 1200 μ : バネ下重量 / バネ上重量

53 ハンプ形状のプロファイルから QC モデルを用いて計算された加 速度および実測値を図 2-8, 図 2-9 に示す. 図 2-8, 図 2-9 より, 乗り上げたときの加速度 ( 図中の 0 ~ 0.1 秒 ) では計算値が実測値より大きな値を示しているが, その後は同程度の加速度が記録されている. これは, ハンプ材料である鋼板がハンプの乗り上げ時に変形したため, 実測値は計算値より小さな加速度であったと考えられる. また, ハンプを走行したときのバネ下加速度の実測値と,QC モ デルのシミュレーションから求められた鉛直方向の加速度について, ISO 14) で提案されているパワースペクトル密度 ( 以下,PSD) によ り比較も行った. その結果を図 2-10 に示す 測定値計算値 10 加速度 (m/s 2 ) 時間 (sec) 図 2-8 ハンプ走行時の鉛直加速度比較 ( バネ上, 走行速度 19km/h) 44

54 30 20 測定値計算値 加速度 (m/s 2 ) 時間 (sec) 図 2-9 ハンプ走行時の鉛直加速度比較 ( バネ下, 走行速度 19km/h) Acceleration PSD ((m/s2)2/s-1) 1.E+00 1.E-01 1.E-02 1.E-03 1.E-04 1.E-05 1.E-06 1.E-07 測定値 QC モデル 1.E Frequency(Hz) 図 2-10 ハンプを走行時の実測値とモデル計算値の P SD 比較 ( バネ下, 走行速度 19km/h) 45

55 図 2-10 より, 振動波形と PSD に関する実測値と理論値の関係は ハンプの材料である鋼板の変形があったため, ピーク値の周波数位 置が多少のズレが見られた. 同様の傾向を示している. これらより, 以下のことが検証することが出来た. QC モデルに走行車両の車両特性を入力することで, 走行車両 の実測値データとの加速度及び PSD の関係は同様の傾向を示 すことがわかった. QC モデルを用いることで, 様々な路面を走行する時の車両の 鉛直方向振動加速度の推定が可能であることが推定できる. QC モデルを用いることで過去において蓄積された点検データ を有効に活用することが出来るようになった. 46

56 2.3. 路面プロファイルおよび走行速度が動的荷重に与える影響過去の路面プロファイルを用いて, 車両走行時の鉛直加速度を計算する場合, 鉛直加速度が車両の走行速度により変化する. この項では, 走行速度が鉛直加速度にどの程度影響を与えるかを, 路面プロファイル指標である IRI の異なる複数路線を対象に,QC モデルを用いて計算により求めた. (1) 検討概要検討で用いた路面のプロファイルは, 表 2-3 に示すように IRI 値の異なる 10 路線を用いた. また, また,QC モデルの走行速度は, 実用範囲を想定し 20,30,40,50,60,70,80km/h の 7 条件とした. さらに, 荷重条件は,MCDL1.0 を 49k N として設定した. 表 2-3 計算路面プロファイル一覧 路線番号 IRI(mm/m) 路線番号 IRI(mm/m)

57 IRI=0.54mm/m プロファイル高さ (mm) 距離 (m) IRI=0.71mm/m プロファイル高さ (mm) 距離 (m) IRI=0.99mm/m プロファイル高さ (mm) 距離 (m) 図 2-11 計算プロファイル (IRI=0.54, 0.71, 0.99) 48

58 IRI=1.41mm/m プロファイル高さ (mm) 距離 (m) IRI=1.74mm/m プロファイル高さ (mm) 距離 (m) IRI=2.23mm/m プロファイル高さ (mm) 距離 (m) 図 2-12 計算プロファイル (IRI=1.41, 1.74, 2.23) 49

59 IRI=2.61mm/m プロファイル高さ (mm) 距離 (m) IRI=3.55mm/m プロファイル高さ (mm) 距離 (m) IRI=3.98mm/m プロファイル高さ (mm) 距離 (m) 図 2-13 計算プロファイル ( IRI=2.61, 3.55, 3.98) 50

60 IRI=4.97mm/m プロファイル高さ (mm) 距離 (m) 図 2-14 計算プロファイル ( IRI=4.97) (2) 検討結果 IRI の異なるプロファイルの路面を走行したときの バネ下の鉛 直加速度 を 振動の強度を表す二乗平均平方根 ( 以下 RMS) と して, MCDL を算出した.RMS の計算式を式 ( 2. 9 ) に示す. ( 2. 9 ) ここに,x i :i 番目の加速度 ( m/sec 2 ) N : x の個数 また,RMS より算出した MCDL と走行速度の関係を, 図 2-15 に 示す. 51

61 MCDL No1 IRI=0.54 No2 IRI=0.71 No3 IRI=0.99 No4 IRI=1.41 No5 IRI=1.74 No6 IRI=2.23 No7 IRI=2.61 No8 IRI=3.55 No9 IRI=3.98 No10 IRI= 走行速度 (km/h) 図 2-15 路面プロファイルと走行速度の影響 図 2-15 より, 次の事項が確認できた. IRI に関わらず, 走行速度が大きくなると,MCDL は大きくなることが QC モデルを用いた計算にて確認することができた. 走行速度が一定でも IRI が大きな路面ほど,MCDL は大きくなる傾向が QC モデルを用いた計算にて確認することができた. このことから,IRI が大きいほど,MCDL の値は走行速度に敏感になり, 大きな値を示す傾向を示した. また,IRI が異なるプロファイルの違いにより,MCDL の速度に 対する変化に違いが見られた. これは, QC モデルが波数 0.42cycle/m( およそ 2.4m の波長に相当 ) の波数を持ったサイナソイド勾配に最大の感度 15) を持っているためであり, ある走行速度で定速走行したときのプロファイルの波数がこの波数と一致し加速度が大きくなったためだと考えられる. このことを確認するために走行速度 50km/h において,MCDL が 52

62 大きい路線 6( IRI=2.23mm/m) について, 路面プロファイルの PSD を求めた. その結果を図 2-16 に示す. 1.E-06 Profile PSD (m2-m/cycle) 1.E-07 1.E-08 1.E-09 1.E Wave Number(cycle/m) 図 2-16 路線番号 6 ( IRI=2.23mm/m) の路面プロファイルの PSD QC モデルが 50km/h で走行したときの感度が大きくなる波数を 計算したものを式 ( 2. 10) に示す cycle/m 80km/h 50km/h= 0.67 cycle/m ( 2. 10) 式 ( 2. 10) から, 路線 6 の有する波数と,50km/h で走行したと きの波数が一致しており, このことから,MCDL が大きくなったと 考えられる. 従って, 走行速度に対する MCDL の変化が大きな路線では, 路面 プロファイルと走行速度から発生する波数と,QC モデルの波数の 一致により, 加速度が大きくなったことが原因と判明した. 53

63 以上より,MCDL は走行速度に大きく影響されることから, 過去の路面プロフィルメータを用いて走行車両のバネ下加速度を計算する場合, 計算路線の平均走行速度を調べることが重要なことが確認できた まとめ 2 章にて得られた知見を以下に示す. (1) ハンプを用いた動的荷重の測定より ハンプ上を車両が走行した時の鉛直方向の加速度と, 動的荷重の相関係数は R=0.87 以上となり, 加速度と動的荷重には強い相関が確認できたことから, 加速度より動的荷重が推定できることが確認できた. 動的荷重と加速度の関係は, 走行車両および, 加速度計取り付け位置により異なっている. 異なる原因として, 軸重が大きく影響していることが確認された. バネ上の鉛直加速度よりもバネ下の鉛直加速度の方が, 動的荷重との相関が良いことが確認できた. これは, 車体の懸架装置の減衰により加速度が減衰していることが原因だと思われる. MCDL を用いることで, 車種に依存せず測定加速度から簡易に動的荷重が求められる方法を確立した. (2) QC モデルを用いたシミュレーション結果と走行車両の加速度の検証より QC モデルに走行車両の車両特性を入力することで, 走行車両の実測値データとの振動及び PSD の関係は同様の傾向を示すことがわかった. QC モデルを用いることで, 様々な路面を走行する時の車両の鉛直方向振動加速度の推定が可能であることが確認された. QC モデルを用いることで過去において蓄積された点検データ 54

64 を有効に活用することが出来るようになった. (3) 路面プロファイルおよび走行速度が動的荷重に与える影響路面プロファイルおよび走行速度が動的荷重に与える影響の計算結果より IRI に関わらず, 走行速度が大きくなると,MCDL は大きくなることが理論計算により確認することができた. 走行速度が一定でも IRI が大きな路面ほど,MCDL は大きくなる傾向が理論計算により確認することができた. 走行速度に対する MCDL の変化が大きな路線では, 路面プロファイルと走行速度から発生する波数と,QC モデルとの波数が一致したため, 加速度が大きくなるメカニズムを解明した. 通行車両の種別や交通量などの交通条件が同一の路線では, IRI が大きなプロファイルを持つ路線ほど, 動的荷重が大きくなることが分かった. このことより, IRI が悪い路線ほど, 動的荷重が大きいことから, 舗装に与えるダメージが大きくなること推測できる. 以上より, 本章では, 今まで測定できていなかった, 走行車両による鉛直方向の動的荷重を, 加速度計を用いて推定する方法を見出した. しかしながら, この手法は車両の特性により大きく変化することから, 動的荷重を走行車両の軸重で除した, MCDL を提案した. この MCDL を用いることで, 車種に依存せず簡易に動的荷重の測定を可能とすることができた. 55

65 参考文献 1 ) 財団法人道路保全技術センター道路構造物保全研究会 : アスファルト舗装保全技術ハンドブック,2010 年 2 ) Takahashi,Y. : A theory relating to road surface property and automotive vibration, Journal of JSAE of Japan, Vol.7, No.11-12, ) Kawai, H. and Morisaki, K. : Power spectral analysis of road roughness and its effects on automobile vibration and riding comfort, Journal of JSAE, Vol.20, No.3, ) Kaku, T. and Kawamura, A. : An investigation on road roughness and vehicle dynamics, Proc. Of the 14th Japan Road Conference, Tokyo, ) Kasamura,A. and Kaku, T. : Some aspects on road roughness forms, Proc. of the 38th Annual Conference of JSCE, 4, ) Murakami, K. : Analysis method of noise and vibration source contribution and application to motorcar, Journal of the JSAE, Vol.37, No.12, ) Healey, A.J., Nathman,E. and Smith, C.C. : An analytical and experimental study of automotive dynamics with random roadway inputs, Transaction of the ASME, No.284, ) Wambold, J.C. : Road roughness effects on vehicle dynamics, ASTM Special Technical Publication 884, University of Michigan Transportation Research Institute, ) Ellis, J.R. : Vvehicle Dynamics, London Business Book LTD., London, ) Ogata, R. : 路面形状が車両挙動に及ぼす影響に関する 1 検討, Proc. of the 63th Annual Conference of JSCE, 9, ) 株式会社バーチャルメカニクス : TruckSim, 12) Tomisawa, K. : 路面凹凸による車両走行時の動的荷重に注目したアスファルト舗装のダメージ解析, 北陸道路会議技術報文集, 6,

66 12) 小関裕二, 鈴木康豊, 関口英輔 : 国際ラフネス指数 (IRI) について, アスファルト,pp.55-67, 現在 13) ISO, Mechanical vibration Road surface profiles Reporting of measured data, ISO8608, ) 社団法人土木学会 : 舗装工学ライブラリー 1 路面のプロファイリング入門, ) Masakazu, J.: Study on relationships between road profile and structural damage of the pavement, 8 th International Conference on Managing Pavement Asseets, 11, ) 城本政一, 川村彰, 富山和也, 高橋清 : 路面のプロファイルと舗装に生ずる構造的ダメージの相関性について, 土木学会論文集 E1( 舗装工学 ), Vol167, No.3, pp73-79,12,

67 58

68 第 3 章動的荷重が 舗装ダメージに与える影響

69

70 第 3 章動的荷重が舗装ダメージに与える影響 動的荷重が舗装ダメージに与える影響を把握するために, 実路で 測定された 路面プロファイル と FWD の最大たわみ量 ( 以下, D 0 たわみ量 ) を用いて, 路面プロファイルから計算された動的荷 重から, 舗装の構造的なダメージの推定方法について検討した. 以下に, 検討の概要および結果を示す. 阿部, 丸山らの研究 1 ) ~ 10) により,FWD 試験のたわみから路床の CBR, アスファルト層の弾性係数, 残存 Ta, K 値など舗装の力学性状を推定する方法が提案されている. 本研究では, 舗装の構造的ダメージとして同一箇所で測定された D 0 たわみ量の経年変化を用いた. これは,D0 たわみ量が表層から路床まで舗装全体の健全度を示しており, 本研究で求める 舗装全体としてのダメージ度 を示している指標と一致しているためである 検討概要本章では, 既知の路面プロファイルデータから MCDL を算出し, その経年変化と FWD の D 0 たわみの変化との関係を求め, 路面のプロファイルと舗装の構造的ダメージとに相関があるかを評価した. 検討では, FHWA で公開されている LTPP Standard Data Relese#24 のデータを用いた. LTPP Standard Data Relese#24 には, アスファルト舗装だけでなくコンクリート舗装など様々な点検データが収録されている. 今回使用したデータは,GPS-1( アスファルト混合物層と粒状路盤で構成されている舗装 ) に収録されている路面プロファイルデータと FWD データ 11) を用いた. 収録データの中から, アスファルト混合物層厚が異なる 3 路線 ( R105, R166, I - 10) を選定した. 選定した路線の概要を表

71 に示す. テキサス州の R105 の路線の位置図を図 3-1 に, 各路線の位置データ, 施工などの詳細データを表 3-2 に, 交通量を図 3-2 に示す. カルフォルニア州の R166 の路線の位置図を図 3-3 に, 各路線の位置データ, 施工などの詳細データを表 3-3 に, 交通量を図 3-4 に示す. アリゾナ州の I - 19 の路線の位置図を図 3-5 に, 各路線の位置データ, 施工などの詳細データを表 3-4 に, 交通量を図 3-6 に示す. 表 3-1 検討路線の概要 路線名 R105 R166 I-19 場所 舗装タイプ テキサス州 Navasota カリフォルニア州 Cuyama GPS-1( アスファルト混合物 + 粒状路盤 ) アリゾナ州 Green Valley As 厚 46mm 99mm 254mm 路盤厚 409mm 381mm 170mm 供用開始 1985 年 7 月 1989 年 2 月 1979 年 6 月 60

72 図 3-1 R105 位置図 ( テキサス州 Navasota) 61

73 表 3-2 R105 詳細 REGION Southern (Austin, TX, USA) EXPERIMENT GPS-1 STATE/PROVINCE Texas COUNTY GRIMES LATITUDE LONGITUDE ELEVATION 378 MILEPOINT 10 FUNCTIONAL CLASS Rural Minor Arterial ROUTE/DIRECTION State NO. OF LANES 1 CONSTRUCTED 01/01/1987 OUT OF STUDY 11/30/1996 Survey Date 図 3-2 R105 交通量 ( 縦軸は等価単軸荷重を表している ) 62

74 図 3-3 R166 位置図 ( カリフォルニア州 Cutama) 63

75 表 3-3 R166 詳細 REGION Western (Reno, NV, USA) EXPERIMENT GPS-1 STATE/PROVINCE California COUNTY SANTA BARBARA LATITUDE LONGITUDE ELEVATION 1084 MILEPOINT 30 FUNCTIONAL CLASS Rural Minor Arterial ROUTE/DIRECTION State NO. OF LANES 1 CONSTRUCTED 02/28/1989 OUT OF STUDY Survey Date 図 3-4 R166 交通量 ( 縦軸は等価単軸荷重を表している ) 64

76 図 3-5 I - 19 位置図 ( アリゾナ州 Green Vallry) 65

77 表 3-4 I - 19 詳細 REGION Western (Reno, NV, USA) EXPERIMENT GPS-1 STATE/PROVINCE Arizona COUNTY SANTA CRUZ LATITUDE LONGITUDE ELEVATION 3218 MILEPOINT 24 FUNCTIONAL CLASS Rural Principal Arterial - Interstate ROUTE/DIRECTION Interstate NO. OF LANES 2 CONSTRUCTED 08/09/1988 OUT OF STUDY 05/12/1997 Survey Date 図 3-6 I - 19 交通量 ( 縦軸は等価単軸荷重を表している ) 66

78 3.2. 検討条件今回検討を行う調査区間は図 3-7 に示されるように, 延長 152.4m を 1 ユニットとしており,FWD は,OWP において 7.6m ピッチで測定されている. 各項目の計算方法を以下に示す. 路肩 調査区間 L=152.4m C L 走行方向 路面プロファイル測定箇所 (OWP) 7.6m 0.76m 路肩 FWD 測定位置 (7.6m ピッチ ) 図 3-7 調査路線の概要図 (1) MCDL 本研究では, 一般にわが国では舗装の調査間隔が 20m 程度である ことを踏まえ 22.8m( 7.6m 3) を 1 区間として計算を行った.FWD のデータが OWP で測定されていることから, 検討で用いる路面プ ロファイルデータも,OWP のものとした.( 収録データは,OWP と IWP の 2 種類である.) 各路線の MCDL は, 測定路面 ( プロファイル ) 上を QC モデルが 走行したときのバネ下の鉛直加速度を計算し,1 区間 (22.8m) の RMS を求め, その RMS 値を図 2-5 の関係式 (y=0.0284x+1) に代 入し 修正動的荷重計数を算出した. なお, 本検討で選定した 3 路線が 全て高速走行可能な箇所であ ったことから,QC モデルの走行速度は全路線とも時速 80km とし た. 67

79 (2) FWD 最大たわみ量アスファルトは粘性材料であるため, その性質は温度に依存している. このため, 測定した季節, 気温, 時間により,D 0 たわみ量が大きく変化する. このため, 測定された D 0 たわみ量について, 温度補正が必要になる. 本論文では, 測定されたデータを AASHTO で提案されている 付録 L アスファルト舗装のたわみの温度補正 に示されている補正方法 13) を用いた. また, 構造的破壊の有無および箇所を確認するために,FWD 試験結果を用いて, アスファルトの弾性係数および路床の CBR を求めた. ただし, 計算方法は道路保全センターの 活用しよう FWD のたわみの式を用い計算を行った 14) 検討結果各路線の MCDL と D 0 たわみ量 の供用後の経年変化を図 3-8 ~ 図 3-10 に, MCDL と D 0 たわみ量 の関係を図 3-11~ 図 3-13 示す. また,FWD 測定結果から計算した, アスファルト層の弾性係数と路床の CBR を図 3-14~ 図 3-16 に示す. 図 3-8 ~ 図 3-10 より, 3 路線ともに, MCDL の経年変化と D 0 たわみ量 の経年変化の状況は同様の傾向を示していることが確認できた. また,D 0 たわみ量のバラツキが大きい箇所ほど,MCDL のバラツキが大きい. これは,D 0 たわみ量のバラツキが大きい箇所は, 地下構造物等の支持力が異なることにより路面プロファイルが早期に悪くなり, 修正動的荷重もこの支持力の大きなバラツキに影響された可能性がある. 68

80 MCDL R105 修正動的荷重係数 R105 Do たわみ量 D0 たわみ量 (μm) 供用年数 ( 年 ) 図 3-8 MCDL と D 0 たわみ量の経年変化 ( R105) MCDL R166 修正動的荷重係数 R166 D0 たわみ量 D0 たわみ量 (μm) 供用年数 ( 年 ) 図 3-9 MCDL と D 0 たわみ量の経年変化 ( R166) 69

81 MCDL I-19 修正動的荷重係数 I-19 D0 たわみ量 D0 たわみ量 (μm) 供用年数 ( 年 ) 図 3-10 MCDL と D 0 たわみ量の経年変化 ( I - 19) R105 Do たわみ量 (μm) y = x R 2 = MCDL 図 3-11 MCDL と D 0 たわみ量 ( R105) 70

82 R166 Do たわみ量 (μm) y = x R 2 = MCDL 図 3-12 MCDL と D 0 たわみ量 ( R166) I Do たわみ量 (μm) y = 2307x R 2 = MCDL 図 3-13 MCDL と D 0 たわみ量 ( I - 19) 71

83 アスファルト層の弾性係数 (MPa) 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 R105 アスファルト層の弾性係数 R105 CBR CBR (%) 供用年数 ( 年 ) 0 図 3-14 アスファルト弾性係数と路床の CBR 値 ( R105) アスファルト層の弾性係数 (MPa) 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 R166 アスファルト層の弾性係数 R166 CBR CBR (%) 供用年数 ( 年 ) 0 図 3-15 アスファルト弾性係数と路床の CBR 値 ( R166) 72

84 25, アスファルト層の弾性係数 (MPa) 20,000 15,000 10,000 5,000 I-19 アスファルト層の弾性係数 I-19 CBR CBR (%) 供用年数 ( 年 ) 0 図 3-16 アスファルト弾性係数と路床の CBR 値 ( I - 19) 図 3-11~ 図 3-13 より,MCDL と D 0 たわみ量の関係を路線毎に示した. その結果,3 路線ともに, 相関係数 R は 0.66 以上であることから,MCDL と D 0 たわみ量には相関があることが数値的に確認することが出来た. ここでも,D 0 たわみ量のバラツキが大きい路線ほど相関係数が悪くなっている傾向が見られた. 図 3-14~ 図 3-16 では FWD でのたわみ量測定結果から求めた各路線のアスファルトの弾性係数および路床の CBR の推移を示した. こ の結果より,R105 と R166 ではアスファルト層の弾性係数が経年の 劣化およびダメージにより低くなっていることが確認された. また I - 19 ではアスファルトの弾性係数は経年変化を示さず, 路床の CBR は年々小さくなっていることから, アスファルト層ではなく, 路床にダメージが与えられていることが確認された. このことから, 路線によりダメージを受ける箇所は異なっていることが分かる. 73

85 R105 と R166 のアスファルト層の弾性係数が健全の目安 15) である 5,000MPa より小さくなったときに,MCDL が急激に大きくなっている. これは, 舗装表面に設置しているアスファルト層が破壊したことにより, 路面プロファイルが急激に悪化したためだと考えられることから,MCDL を継続的に測定した場合, このような現象を把握することが出来れば, アスファルト層が破壊する時期が把握することが出来, アスファルト層の打ち換え時期の推定ができる可能性が見出せた. しかしながら今回の調査では, データ数が少ないため断言するまでには至らなかった. 以上より, MCDL は, 舗装全体のダメージを把握することはできても,FWD 試験のように, ダメージ箇所の特定を行うことは難しいという欠点がある. 一般に言われているように,D 0 たわみ量はアスファルトの弾性係数, 路床の CBR が小さいほど大きな値を示し, アスファルトの弾性係数, 路床の CBR が大きいほど小さな値を示している. このことから, 走行車両から与えられた動的荷重により, 舗装が損傷を受けた場合, 損傷を受けた層の弾性係数が小さくなるため D 0 たわみ量は大きくなる. このメカニズムより, D 0 たわみ量の経年変化から, 舗装のダメージ度の推定をすることができると考えられている. 今回の検討から,D 0 たわみ量と MCDL は同様の傾向を示し, 相関があることが確認できたことから,MCDL の経年の変化を調べることで D 0 たわみ量と同様に, 舗装の経年変化および舗装のダメージ度の推定ができると考えられる まとめ 3 章にて得られた知見を以下に示す. MCDL と D 0 たわみ量 の経年変化の状況は同様の傾向を示していることを数値にて確認することができた. MCDL と D 0 たわみ量 の関係を路線毎に示すが,3 路線と 74

86 もに, 相関係数 R は 0.66 以上であることから, MCDL と D 0 たわみ量 に相関があることが確認できた. D 0 たわみ量のバラツキが大きい路線は修正動的荷重もバラツ キが大きくなり,D 0 たわみ量と MCDL の相関も悪くなる傾向 が見られた. MCDL だけでは, 舗装のダメージ箇所を FWD 試験のように特定することは難しいことを確認することができた. D 0 たわみ量と MCDL は同様の傾向を示し, 相関があることが確認できたことから,MCDL の経年の変化を調べることで D 0 たわみ量と同様に, 舗装の経年変化と舗装のダメージ度の推定ができる. 舗装の機能評価の指標であった, 路面プロファイルから,MCDL 計算することで, 今まで関係のないと考えられていた舗装の構造評 価を行える可能性を見出すことが出来た初めての検証である. 75

87 参考文献 1 ) 阿部長門, 関根悦夫, 鴨智彦, 丸山暉彦 :FWD 比較試験に基づくアスファルト混合物の弾性係数, 年次学術講演会概要集,pp , ) 阿部長門, 関根悦夫, 上浦正樹, 三枝長夫, 丸山暉彦 :FWD による路盤 路床の支持力評価方法, 舗装工学論文集第 2 巻,pp ) 佐藤弘, 伊藤与一, 阿部長門, 酒井義郎 : 特集フォーリング ウエイト デフレクトメータの活用北陸地建における FWD の活用事例, 舗装, Vol32,No2,pp.14-21, ) 鴨智彦, 関根悦夫, 阿部長門, 丸山暉彦 :FWD による K 値と K30 値の比較, 年次学術講演会概要集,pp , ) 雑賀義夫, 姫野賢治, 丸山暉彦 :FWD によるアスファルト層の弾性係数の評価, 年次学術講演会概要集,pp.40-49, ) 雑賀義夫, 伊藤春彦, 阿部長門 :FWD による試験舗装区間の構造調査, 年次学術講演会概要集,pp , ) 丸山暉彦, 後藤巌, 阿部長門, 姫野賢治, 林正則 : アスファルト舗装の FWD たわみに関する研究 : 北陸道路会議報文集,pp.73-74, ) 佐藤研一, 吉田信夫, 田中秀明, 出利葉淳, 永谷謙治 :FWD を用いた道路舗装の支持力評価, 舗装工学論文集第 3 巻,pp.67-72, ) 松井邦人, 井上武美, 三瓶辰之 : 舗装各層の弾性係数を表面たわみから推定する一手法, 土木学会論文集, No420/V-13,pp , ) 土木学会 : 舗装工学,p.129, ) iengineering Corporation. : LTPP Standard Data Relese#24, 年 6 月現在 12 ) U.S.Department of Transportation : Long-Term Pavement Performance Program Manual for Falling Weight Deflectometer MEASUREMENTS Ver4.1,

88 13) 財団法人セメント協会 : 舗装に関する AASHTO 指針 1896 年版, pp , ) 財団法人道路保全センター : 活用しよう!FWD, ) 土木学会 : 多層弾性理論による舗装構造解析入門, 舗装工学ライブ ラリー, ) 城本政一, 川村彰, 富山和也, 高橋清 : 路面のプロファイルと舗装に生 ずる構造的ダメージの相関性について, 土木学会論文集 E1( 舗装工学 ), Vol167, No.3, pp73-79,12,

89 78

90 第 4 章路面プロファイルが LCC に与える影響

91

92 第 4 章路面プロファイルが LCC に与える影響 4.1. 検討概要 前章により,D0 たわみ量と MCDL に相関があることが分かり, MCDL が大きい路線ほど, 早期に舗装が破壊することが予測される. ここでは, 平たん性の異なる舗装の破壊に至るまでの時間につい て,MCDL を用いた理論計算より比較した. 比較を行うのは,2 章で用いた平たん性の異なる 3 路線で図 4-1 に示すような代表的な IRI の路線を選択した. 路線番号 3 ( IRI=0.99mm/m: 空港滑走路および高速道路の平均 的な平たん性 ) と, 路線番号 6 ( IRI=2.23mm/m: 新設舗装の平均的 な平たん性 ), 路線番号 9( IRI= 3.98mm/m: 古い舗装の平均的な平 たん性 ) の 3 路線について比較を行った. 計算に用いるプロファイルを図 4-2 ~ 図 4-4 に示す. 路線番号 3 路線番号 6 路線番号 9 図 4-1 計算路面の IRI の位置付け 79

93 プロファイル高さ (mm) 距離 (m) 図 4-2 計算プロファイル (IRI=0.99mm/m) プロファイル高さ (mm) 距離 (m) 図 4-3 計算プロファイル (IRI=2.23mm/m) プロファイル高さ (mm) 距離 (m) 図 4-4 計算プロファイル (IRI=3.98mm/m) 80

94 4.2. 検討方法 検討方法は, 各路線の疲労破壊輪数および LCC の計算を行い, 比 較を行った. この 2 項目についての計算方法の概略を以下に示す. 1 疲労破壊輪数 AI の破壊基準式 1) を用いて, アスファルト層の下面の引っ張りひ ずみおよび路床上面の圧縮ひずみから, 疲労破壊輪数の計算を行う. 2 LCC 舗装設計施工指針 2) の LCC の算定方法に基づき, 供用年数から LCC の計算を行う. ただし, 許容年数は, 疲労寿命予測で用いられるマイナー則 ( Miner's Rule) を用いて, 疲労破壊輪数から, 求められた値を用いた 疲労破壊輪数の計算凹凸路面を車両が走行したときの動的荷重より, 疲労破壊輪数を計算するために,AI の破壊基準式 3) を適用した疲労破壊輪数は, アスファルト層の下面の引っ張りひずみおよび路床上面の圧縮ひずみから算出した. アスファルト層の下面の引っ張りひずみおよび路床上面の圧縮ひずみは, 動的荷重を用いて, 多層弾性理論ソフト GAMES 4),5) より計算を行った. 計算条件および計算結果を以下に示す. 81

95 (1) 計算条件 1 舗装断面舗装断面は一般幹線道路を想定し, 交通量区分 N 6( 1,000~ 3,000 台 / 日 方向 ), 信頼度 90%, 設計 CBR = 4% を満足する断面とした. 表 4-1 に舗装断面を示す. 2 荷重条件 MCDL1.0 を 4.9kN として各々の荷重を計算した. 表 4-1 計算条件 ( 交通区分 N 6 ) 材料 厚さ 弾性係数 (MPa) ポアソン比 表層 基層加熱アスファルト混合物 10cm 5, 瀝青安定処理 8cm 3, 上層路盤 粒度調整砕石 20cm 下層路盤クラッシャラン 35cm 路床 CBR=4% (2) ひずみ計算結果ひずみの計算結果を図 4-5 に示す. 図 4-5 より, 計算されたアスファルト層の下面の引っ張りひずみおよび路床上面の圧縮ひずみは,MCDL に比例して大きくなっていることが確認された. 82

96 アスファルト層下面引っ張りひずみ 路床上面の圧縮ひずみ ひずみ (μ) MCDL 図 4-5 MCDL とひずみの関係 (3) 疲労破壊輪数の計算条件 1 AI の破壊基準式 適用した AI の破壊基準式は, わが国の条件に修正した, 暫定破 壊基準式 6 ) である. 暫定破壊基準式を式 (4.1) に示す. N fa { ε } = ( C) E t ( 4. 1 ) ここに,N fa: 許容標準輪 ( 軸 ) 数 C : アスファルト混合物の最下層に使用する混合物の 容積特性に関するパラメータ ε t : アスファルト混合物層下面の引張りひずみ (μ:10-6 ) E : アスファルト混合物の最下層に使用する混合物の 弾性係数 (MPa) 83

97 2 舗装設計交通量 舗装計画交通量 1,000( 台 / 日 方向 ) 以上 3 アスファルトの弾性係数 アスファルトの弾性係数は, 構造的に健全と言われる 5,000MPa を用いた 7). 4 アスファルト混合物の飽和度 アスファルト混合物の飽和度は, 密粒度アスファルト混合物の配 合試験で得られた 76.2% を用いた. (4) 疲労破壊輪数の計算結果疲労破壊輪数の計算結果を図 4-6 に示す. 図 4-6 より,MCDL が大きくなるほど, 疲労破壊輪数は少なくなっていることが確認できた. ここで, 疲労破壊輪数とは,49kN の輪荷重を繰り返し載荷した 場合に, 舗装の構造的破壊 ( ひびわれ率 20%) が生じるまでに要す る回数である. 1.00E+08 アスファルト層下面路床上面 1.00E+07 疲労破壊輪数 1.00E E E MCDL 図 4-6 MCDL と疲労破壊輪数 84

98 4.4. LCC の計算路線番号 1(IRI=0.54mm/m), 路線番号 6 ( IRI=2.23mm/m) および路線番号 9 ( IRI=3.98mm/m) の 3 路線について LCC の計算を行った. 各路面の許容年数は, マイナー則を用いて, 疲労破壊輪数から計算を行った. 供用年数の計算条件および計算結果を以下に示す. (1) 供用年数計算条件供用年数の計算方法を以下に述べる. a ) 計算方法マイナー則を用い, 図 4-6 の疲労破壊から計算を行った. 計算式は式 ( 4. 2 ) の通りであり,M =1 となったとき, 疲労破壊が生じる. ni M = N ここで i n i : 走行速度 i の車両走行輪数 ( 4. 2 ) N i : 走行速度 i の疲労破壊輪数 b ) 計算条件 1 走行速度 走行速度は, 図 4-7 に示す値を用いた. これは,1999 年 ( 平成 11 年 ) 道路交通センサス ( 旧建設省 ) の幹線道路における旅行速度分布 ( 北海道 ) の値を参考 8) に, 今回の計算方法に合わせ, 走行速度区 分を分けたものである. また, 計算に用いる, 路線番号 3, 路線番号 6 および路線番号 9 の走行速度と疲労破壊輪数の関係を表 4-2 に示す. 2 交通量 交通量は交通区分 N 6( 1,000~ 3,000 台 / 日 方向 ) とし,10 年間 の通過輪数は 700 万輪 ( 2,000 台 / 日 方向 365 日 10 年 ) とし 85

99 て計算を行った 走行量構成比 (%) 走行速度区分 (km/h) 図 4-7 計算に用いた走行速度分布 表 4-2 走行速度と疲労破壊輪数 ( 路線番号 3 : IRI=0.99mm/m) 走行速度疲労破壊輪数 MCDL (km/h) アスファルト層下面路床上面 E E E E E E E E E E E E E E E E+06 86

100 表 4-3 走行速度と疲労破壊輪数 走行速度 (km/h) ( 路線番号 6 : IRI=2.23mm/m) MCDL アスファルト層下面 疲労破壊輪数 路床上面 E E E E E E E E E E E E E E E E+06 表 4-4 走行速度と疲労破壊輪数 走行速度 (km/h) ( 路線番号 9 : IRI=3.98mm/m) MCDL アスファルト層下面 疲労破壊輪数 路床上面 E E E E E E E E E E E E E E E E+06 87

101 c ) 計算結果供用年数の計算結果を表 4-5 に示す. この結果より, 路線番号 3 ( IRI=0.99mm/m: 滑走路, 高速道路 ) は, 路線番号 6( IRI=2.23 mm/m: 新設道路 ) に比べ 1.66 倍の輪数 で, 路線番号 9 ( IRI= 3.98 mm/m: 古い道路 ) は,0.35 倍の輪数 で破壊することがわかった. この値を用いて, 供用年数を計算した. その結果を表 4-6 に示す. 表 4-6 より, 路線番号 6 ( IRI=2.23 mm/m: 新設道路 ) は, 設計年数どおり,10 年で疲労破壊を起こしたが, 路線番号 3( IRI=0.99 mm/m: 滑走路, 高速道路 ) の供用年数は,16.6 年と, 設計基準である 10 年を超えている. また, 路線番号 9 ( IRI= 3.98 mm/m: 古い舗装 ) は,3.6 年と設計年数の半分以下であった. 表 4-5 疲労破壊輪数 路線番号疲労破壊輪数 破壊箇所 3 11,600,000 路床上面 6 7,000,000 路床上面 9 2,500,000 路床上面 表 4-6 供用年数 路線番号供用年数

102 (2) LCC の計算条件前項において求めた供用年数を用いて LCC を計算するため, 谷口ら 9),10) が,FHWA の Life-cycle Cost Analysis in Pavement Design 11), 世界銀行で開発した HDM-Ⅲ を PIARC( 世界道路協会 ) が中心となって改良した HDM- 4 12), 東京都の長期舗装導入に関す る調査検討報告書 13) などの研究成果を整理統合した費用を用いて 計算を行った. 計算条件を以下に示す. a ) 補修工法および工事日数 補修工法 : アスファルト全層打ち換え 工事日数 :15 日間 b ) 解析期間解析期間は 舗装構造に関する技術基準 同解説 14) によると高速道路では 40 年, 一般道路で 20 年が目安と示されているが, 前項で計算された, 路線番号 3 の供用年数が 16.6 年であることから, 解析期間 20 年では短いと考えられるため, 今回は 40 年で計算を行った. c ) ライフサイクルパターン計算に用いたライフサイクルパターン ( 供用性曲線 : MCI) は表 4-6 で表す供用年数を基に作成した. 作成したライフサイクルパターンを図 4-8 ~ 図 4-10 に示す. MCI の算出は 費用便益分析マニュアル の付録 3 を参照 1 5 ) し, 地域を関東, アスファルト舗装の係数を用いて計算を行った. 89

103 路線番号 3 (IRI=0.99) 供用性能 補修基準 供用年数 ( 年 ) 図 4-8 ライフサイクルパターン ( 路線番号 3 : IRI= 0.99 mm/m) 路線番号 6 (IRI=2.54) 供用性能 補修基準 供用年数 ( 年 ) 図 4-9 ライフサイクルパターン ( 路線番号 6 : IRI= 2.54mm/m) 90

104 路線番号 9 (IRI=3.98) 供用性能 補修基準 供用年数 ( 年 ) 図 4-10 ライフサイクルパターン ( 路線番号 9 : IRI= 3.98 mm/m) d ) 各費用の算定 LCC の費用項目として, 道路管理者費用, 道路利用者費用の算出方法を以下に示す. なお, 各費用の算定に使用する原単位については, 費用便益分析マニュアル 15), 道路投資の評価に関する指針 ( 案 ) 16), 道路投資の評価に関する指針( 案 ) 第 2 編総合評価 17) を参考とした. 以下に, 今回の計算で用いた各費用の概要を示す. 1 道路管理者費用 道路管理者費用の算定項目として, 維持費用, 修繕費用の 2 項目について計算を行った. 維持費用は, 解析期間中に掛かる道路を維持管理するための費用であり, 一般的に舗装の性能が低下するほど, ポットホールや段差の補修等の維持管理に掛かるコストは増加する. このため, 今回は, 供用性曲線から年間に掛かるコストを計算した. 使用した維持費用モデル式を式 (4.3) に示す. ここで MCI は図 4-8 ~ 図 4-10 の値を用いて計算を行った. 91

105 y = MCI ( 4. 3 ) ただし,y : 維持費用 ( 円 / 年 /m 2 ) 修繕費用は, 舗装の性能が補修基準を下回ったときに行う補修で あり, 今回の計算では, アスファルト打ち換え工法とし, 1m 2 当た り 10,100 円で計算を行った. 2 道路利用者費用 道路利用者費用の算定項目として, 工事に伴う時間損失費用と, 車両走行費用の 2 の項目について算出を行った. 工事に伴う時間損失費用は, 舗装工事に伴い現道に何らかの規制を実施すると, 当該道路の交通量によっては, 交通容量の低下による渋滞が発生する. このように舗装工事に伴う道路利用者の時間の損失について計算した. 車両走行費用には, 工事規制区間を通過する際の車両走行費用 ( 渋滞待ちによるアイドリング費用 ) と, 路面の性能の低下による道路利用者に与える影響を含めたコストの算定について計算した 表 4-7 計算条件 項目 LCC 計算条件 工区 No. IRI=0.99mm/m IRI=2.54mm/m IRI=3.98mm/m 適用混合物補修工法交通量施工延長施工復員供用年数 199ヶ月 加熱アスファルト混合物 5+5cm アスファルト層全層打換え工法 1,000~3,000 台 / 日 方向 3,000m 3.0m 120ヶ月 43ヶ月 直接工事費規制日数解析期間 10,100 円 /m 2 15 日 40 年 92

106 (3) LCC の計算結果 LCC の計算結果を, 表 4-8 に示す. 表 4-8 LCC 計算結果 項目 費用 ( 百万円 ) 路線番号 3 路線番号 6 路線番号 9 工区 (IRI=0.99mm/m) (IRI=2.54mm/m) (IRI=3.98mm/m) 補修工法 アスファルト層全層打換え工法 道路管理者費用 ,424.8 維持費用 修繕費用 ,090.8 道路利用者費用 , ,256.7 工事に伴う時間損失費用 ,680.9 車両走行費用 工事規制区間を通過する際の車両走行費用路面性状悪化による車両走行費用残存価値トータルコスト , , , , , ,000.0 道路管理者費用道路利用者費用トータルコスト 費用 ( 百万円 ) 2, , , , 路線番号 3 (IRI=0.99) 路線番号 6 (IRI=2.54) 路線番号 9 (IRI=3.98) 図 4-11 LCC 計算結果 93

107 表 4-8 より, 以下のことが確認できた. 解析期間 40 年間の補修回数は, 路線番号 3 ( IRI=0.99mm/m) で 3 回, 路線番号 6 ( IRI=2.23 mm/m) で 4 回, 路線番号 9 ( IRI=3.98 mm/m) で 12 回となることが数値にて確認することが出来た. 維持 修繕にかかわる道路管理者費用は, 路線番号 6 を 1.0 と考えた場合, 路線番号 3 は 0.77 に, 路線番号 9 は 3.58 となることが数値にて確認することが出来た. 工事規制に伴う時間損失費用および車両走行費用よりなる道路利用者費用は, 路線番号 6 を 1.0 と考えた場合, 路線番号 3 は 0.84 に, 路線番号 9 は 1.98 となることが数値にて確認することが出来た. 道路管理者費用と道路利用者費用の合計から残存価値を差し引いた路線番号 6 のトータルコストは, 路線番号 6 を 1.0 と考えた場合, 路線番号 3 は 0.79 に, 路線番号 9 は 2.35 となることが数値にて確認することが出来た. LCC 計算結果より, LCC の観点からも路面性状が悪い舗装は, 道路管理者費用が増大するだけでなく, 道路利用者費用も増大するが理論計算の数値にて確認することができた. このことより, 平たん性の悪い舗装は, 動的荷重が大きくなり, 早期に舗装が破壊するという予測が妥当であることが確認できた. また, 路面プロファイルは道路管理者だけでなく道路利用者も大きな損害を受けることが分かった. このことから, 路面プロファイルを常に監視し, 異常を発見することは, 道路管理者の費用を減少させるだけでなく, 道路利用者へのサービス水準の向上させることでもあると言える. 94

108 4.5. まとめ 4 章にて得られた知見を以下に示す. (1) 疲労破壊輪数計算結果 動的荷重から, アスファルト層の下面の引っ張りひずみおよび路床上面の圧縮ひずみを計算した結果, 各ひずみは MCDL に比例して大きくなっていることが計算にて確認することができた. 疲労破壊輪数を計算した結果,MCDL が大きくなるほど, 疲労破壊輪数は減少していることが計算にて確認することができた. 交通区分 N 6 の舗装構造にて,3 種類の IRI について, 疲労破壊輪数を計算した結果,IRI が大きな路線ほど, 疲労破壊輪数が減少していることが計算にて確認することができた. 交通区分 N 6 の舗装構造にて,3 種類の IRI について, 供用年数を計算した結果,IRI= 0.99 mm/m で 16.6 年,IRI= 2.54 mm/m で 10.0 年,IRI=3.98 mm/m で 3.6 年となった. このことから, IRI の値で大きく舗装の供用年数が変化することが計算にて確認することができた. 疲労破壊輪数の計算結果より, 平たん性が悪くなると MCDL が増 大し, このことより, 疲労破壊輪数が減少することが理論的に証明 することができた. (2) LCC の計算 解析期間 40 年間の補修回数は, IRI=0.99 mm/m で 3 回, IRI=2.23 mm/m で 4 回, IRI=3.98 mm/m で 12 回と大きく変化していることが計算にて確認することができた. これは, 平たん性が良好な路線ほど, 舗装構造に与える動的荷重が小さいため, 供用年数が長くなるためである. 維持 修繕にかかわる道路管理者費用は, IRI=2.23 mm/m を 1.0 と考えた場合,IRI=0.99 mm/m は 0.77 に,IRI=3.98 mm/m は 95

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