顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの治療開発に向けた基礎研究の現状

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1 2019 年 7 月 28 日国立病院機構本部講堂 市民公開講座 知っておきたい 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー 眼咽頭型筋ジストロフィー 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー (FSHD) の治療開発に向けた基礎研究の現状 熊本大学発生医学研究所筋発生再生分野 小野悠介

2 FSHD 発症のメカニズム 筋肉の再生 FSHDの基礎研究 FSHD 治療開発の現状

3 顔面肩甲上腕型筋ジスロフィー (FSHD) の発症メカニズム Lec et al., Trends Mol Med May;21(5): ( 一部改変 )

4 FSHD の主な病態表出部位 Lec et al., Trends Mol Med May;21(5): ( 一部改変 )

5 FSHD 罹患筋の組織病理 FSHD 症状重度 ( 後期 )

6 筋肉は損傷しても再生できる 筋組織横断面 非損傷 損傷 5 日目 激しい運動 打撲 筋断裂 損傷 14 日目

7 筋幹細胞 ( サテライト細胞 ) は損傷した筋肉を再生する 筋組織横断面 非損傷 筋核 サテライト細胞 一本の筋線維 ( 筋細胞 ) サテライト細胞 ( 骨格筋幹細胞 ) 損傷 5 日目 筋核 ( 筋線維は多核 ) 損傷 14 日目 Gnocchi, et al., PLoSONE 2009 Morgan and Partridge, Int J Biochem Cell Biol. 2003

8 サテライト細胞は活性化, 増殖, 分化して新しい筋線維を作る サテライト細胞 ( 骨格筋幹細胞 )

9 サテライト細胞移植による筋再生治療の可能性 野生型サテライト細胞 2 週間 mdx マウス : デュシェンヌ型筋ジストロフィーマウス 移植サテライト細胞によって新しく作られた筋線維 サテライト細胞を移植すると筋線維を作る ( 黄色矢印 ) 同時に自己複製したサテライト細胞も生み出す ( 白矢印 ) 筋肉の再生治療に有望 ジストロフィンサテライト細胞核 Kitajima and Ono, Skelet Muscle Aug 24;8(1):26

10 幹細胞を用いた筋再生治療のストラテジー 細胞 ips 細胞 筋肉細胞へ誘導 ゲノム編集遺伝子操作等 増やす サテライト細胞 細胞移植

11 サテライト細胞の機能異常と筋脆弱症 サテライト細胞 カヘキシア 横紋筋肉腫 サルコペニア 廃用性筋萎縮 デュシェンヌ型筋ジストロフィー エメリ ドレフュス型筋ジストロフィー COPD 2 型糖尿病 脊髄性筋萎縮症肢帯型筋ジストロフィー 2H 筋強直性ジストロフィー 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー 眼咽頭型筋ジストロフィー

12 は筋肉の形成を妨げる 健常筋由来細胞 FSHD 筋由来細胞 MyHC ( 筋肉 ) 細胞核 Barro et al., J Cell Mol Med 2010 コントロール 発現誘導 MyHC ( 筋肉 ) 細胞核 Bosnakovski et al., J Cell Sci 2017

13 はさまざまな角度から筋再生不全と筋萎縮を誘導する 筋線維 サテライト細胞 増殖分化融合萎縮 筋変性 萎縮 増殖抑制筋形成阻害細胞毒性 筋形成低下 再生不全 細胞毒性

14 を標的にした FSHD 治療開発 発現制御因子 転写 抑制 遺伝子 抑制 翻訳 タンパク質 抑制 抑制 毒性 細胞毒性 酸化ストレスアポトーシス dsrna 蓄積タンパク質凝集生殖遺伝子発現筋再生阻害 治療標的 筋変性 萎縮 促進 筋肥大

15 FSHD 治療開発の現状 治療標的作用メカニズム臨床試験文献 抗炎症免疫抑制, 毒性の緩和 Neuromuscul Disord 2017 抗酸化酸化ストレスの抑制, 毒性の緩和 アンチセンス RNA D4Z4 抑制の増強, 発現の抑制と毒性緩和 Neuromuscul Disord 2006; Skelet Muscle 2014; Free Radic Biol Med 2015; Free Radic Biol Med 2016; Hum Mol Genet 2019 PLoS One 2011; Mol Ther 2011; Mol Ther 2012; Hum Mol Genet 2015; Mol Ther 2016; Hum Mol Genet 2016; Genes 2017; PLoS Genet 2017; Elife 2018 BET ブロモドメイン阻害剤 D4Z4 抑制の増強, 発現の抑制 Skelet Muscle 2017 β2 アドレナリンアゴニスト筋量 筋力増加,D4Z4 抑制の増強, 発現の抑制 カルシウムチャネル阻害剤カルシウム制御異常の改善, 毒性の緩和 運動筋量 筋力増加 Neurology 2001; Neurology 2004; Phys Med Rehabil 2009; Skelet Muscle 2017 Med Hypotheses 2005; Neurology 2007 Neurology 2005; Neurology 2014; Medicine 2016 GSK3β 阻害剤 D4Z4 抑制の増強, 発現の抑制 Hum. Mol. Genet 2013 マイオスタチン阻害剤筋量 筋力の増強 ステロイド筋量 筋力の増強 移植筋再生の増強, 発現拡散の抑制 Ann. Neurol 2008; ClinicalTrials NCT ; JCI Insight 2018 Neurology 1997 J Cell Physiol 2016; ClinicalTrials NCT チロシンキナーゼ阻害剤筋再生の増強, 毒性の緩和 Elife 2016 p38 阻害剤 発現の抑制と毒性緩和 J Pharmacol Exp Ther 2019 Hum Mol Genet Aug 1;27(R2):R153-R162( 一部追記 )

16 FSHD 治療開発の基礎研究 発現制御因子 BET ブロモドメイン阻害剤 転写 p38 阻害剤 β2 アドレナリンアゴニスト 遺伝子 GSK3β 阻害剤 アンチセンス RNA 翻訳 タンパク質 治療標的 抗炎症物質 抗酸化物質 毒性 p38 阻害剤 カルシウムチャネル阻害剤 細胞毒性 酸化ストレスアポトーシス dsrna 蓄積タンパク質凝集生殖遺伝子発現筋再生阻害 筋変性 萎縮 マイオスタチン阻害剤 β2 アドレナリンアゴニスト運動 筋肥大

17 核酸を使った FSHD 治療開発の一例 タンパク質 遺伝子 細胞毒性 FSHD 異種移植 モルフォリノ (FM10) 遺伝子発現 Cont FM10 Cont FM10 上腕二頭筋異種移植 三角筋異種移植 Chen et al., Mol Ther vol ,

18 FSHD 治療開発の基礎研究 発現制御因子 BET ブロモドメイン阻害剤 転写 p38 阻害剤 β2 アドレナリンアゴニスト 遺伝子 GSK3β 阻害剤 アンチセンス RNA 翻訳 タンパク質 治療標的 抗炎症物質 抗酸化物質 毒性 p38 阻害剤 カルシウムチャネル阻害剤 細胞毒性 酸化ストレスアポトーシス dsrna 蓄積タンパク質凝集生殖遺伝子発現筋再生阻害 マイオスタチン阻害剤 筋変性 萎縮 β2 アドレナリンアゴニスト運動 筋肥大

19 筋肉の太さは肥大と萎縮のバランスで決まる 萎縮刺激 不活動, 筋疾患, 慢性炎症, ステロド, 低栄養等 肥大刺激 レジスタンストレーニング, アミノ酸, アンドロゲン等 タンパク質分解系 相互連関 タンパク質合成系 筋萎縮 筋肥大

20 フォリスタチンは筋萎縮系を抑制して筋肥大を誘導する Winbanks et al., J. Cell Biol. Vol. 197 No フォリスタチン : 強力な筋萎縮抑制作用をもつ分泌因子 処置無し フォリスタチン遺伝子導入 フォリスタチン タンパク質分解系 相互連関 タンパク質合成系 筋力 筋萎縮 筋肥大 処置無し フォリスタチン遺伝子導入

21 FSHD 動物モデルの開発 コントロール ( 発現無 ) 筋力テスト FSHD マウス ( 発現誘導 ) Tam 筋量 筋力の低下筋損傷 炎症 高低 有 無 Carlee et al., JCI Insight;3(22):e

22 FSHD 動物モデルを使った治療効果の検証 無 フォリスタチン遺伝子非導入 有 フォリスタチン遺伝子導入 筋力テスト 有 無 導入非導入フォリスタチン遺伝子 Carlee et al., JCI Insight;3(22):e

23 % 筋量 (vs 介入前 ) フォリスタチンの作用を応用した FSHD 第 2 相試験 アクセルロン ファーマによる臨床試験 (NCT ) ACE-083 ( フォリスタチンドメイン含有タンパク質 ) 第 1 相試験で筋量改善効果を確認 (Glasser et al., Muscle Nerve 2018) MRI による筋量, 脂肪量の評価 試験開始から 106 日後 前脛骨筋 三角筋 mg投与で :15% 以上の筋量増加 : 筋内脂肪の低下

24 FSHD 治療開発における基礎研究の現状 発現制御因子 BET ブロモドメイン阻害剤 転写 p38 阻害剤 β2 アドレナリンアゴニスト 遺伝子 GSK3β 阻害剤 アンチセンス RNA 翻訳 タンパク質 治療標的 抗炎症物質 抗酸化物質 毒性 p38 阻害剤 カルシウムチャネル阻害剤 細胞毒性 酸化ストレスアポトーシス dsrna 蓄積タンパク質凝集生殖遺伝子発現筋再生阻害 筋変性 萎縮 マイオスタチン阻害剤 β2 アドレナリンアゴニスト運動 筋肥大

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