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1 流通研究社 標準化を進める会 サプライチェーンの効率化と 輸送容器の取扱い 柴田 彰

2 2 グローバルサプライチェーン標準化の考え方

3 サプライチェーン標準化の考え方 3 EDI (EC) の導入促進 UN/EDIFACT, EANCOM, XML 製品のライフサイクル管理の実現 部品 製品の調達 生産 輸送 販売 修理 リサイクルの一元管理が必要 全ての企業への EDI 導入は不可能 EDI データと荷物を紐付けする必要がある リニアシンボルによるデータベース集中システムからの脱皮 全ての物品 全ての輸送容器 全ての輸送手段に固有の識別番号が必要 ペーパー EDI EDI 補完の手段が必要 EDI データを荷物に表示する手段が必要 高容量データキャリアによるデータベース複合システムの構築 通関を含めたインターモーダル輸送の実現 在庫削減 適切な生産計画の実現 高容量データキャリアの利用促進 2D シンボル RF タグ データキャリア / コンテンツの標準化 リアルタイムロケーションシステムの利用促進 絶対ロケーションコードの標準化

4 サプライチェーンでの物品識別の原則 4 全ての産業分野で全ての輸送手段に 世界で唯一のオープンな識別コードを付与する 全ての産業分野で全ての輸送容器に 世界で唯一のオープンな識別コードを付与する SCM の高度化 複合一貫輸送の実現 全ての産業分野で全ての発注者 受注者 配送先に 世界で唯一のオープンな識別コードを付与する 全ての産業分野で全ての発注者 受注者 配送先の位置を示す 世界で唯一のオープンな位置コードを付与する 全ての産業分野で全ての輸送単位 ( 梱包 ) に 世界で唯一のオープンな識別コードを付与する GPS /GLS と連動 緯度経度 全ての税関 / 出入国管理事務所の位置を示す 世界で唯一のオープンな位置コードを付与する 全ての輸送中継地点 ( 空港 港湾等 ) の位置を示す 世界で唯一のオープンな位置コードを付与する 全ての産業分野で全ての物に 世界で唯一のオープンな識別コードを付与する

5 サプライチェーン規格での協力体制 5 税関 WCO World Customs Organization Intelligent Transport Systems 自動車輸送 ISO TC204 IMO International Maritime Organization Electrical Railway Equipment 鉄道輸送 IEC TC9 ISO/IEC JTC1 SC31 船舶輸送 ISO TC8 Ships and marine technology Freight containers コンテナ ISO TC104 包装 ISO TC122 Packaging

6 サプライチェーンマネージメントのゴール 6

7 サプライチェーンマネージメントのゴール 7 アイテム 輸送手段 マスターカートン コンテナ パレット RFID サプライチェーン全域の可視化

8 サプライチェーンの階層 8

9 サプライチェーンの階層 9 RPI: Returnable Packaging Items 階層 4 ISO TBD 輸送手段 ( 自動車 飛行機 船 列車 ) コンテナ RPI RPI Vehicle Marine Container 階層 3 ISO ISO 輸送単位 RTI&RPI 輸送単位 RTI&RPI Transport Unit ISO 階層 2 ISO ISO 包装 包装 包装 包装 RPI RPI RPI RPI Product Packaging 階層 1 ISO ISO 個品 個品個品個品個品個品個品個品 RPI RPI RPI RPI RPI RPI RPI RPI Item

10 RTI Returnable Transport Item と RPI Returnable Packaging Item 10

11 11 グローバルサプライチェーン標準化の進捗

12 サプライチェーンのデータキャリア階層 12

13 サプライチェーンでの標準化 13 (1) どこまで標準化できたか基本的な規格は完成した データキャリア :ISO/IEC M3 ISO/IEC C (RFID) ISO/IEC ISO/IEC (2 次元シンボル ) ISO/IEC ISO/IEC (1 次元シンボル ) データ構造 :ISO/IEC ISO/IEC ISO/IEC ISO/IEC ISO/IEC ISO/IEC データ格納方法 :ISO/IEC ISO/IEC (RFID) ISO/IEC ISO/IEC (1 次元 /2 次元シンボル ) アプリケーション :ISO ISO ISO17367 (RFID) ISO ISO ISO (1 次元 /2 次元シンボル ) (2) 残された課題は何か? a) RF タグに ISO/IEC で規定するデータが格納できない b) インターモーダルなサプライチェーン規格がない c) アプリケーションで RFID と 1 次元 /2 次元シンボルとのホストへの転送データ構造が一致しない d) 通い箱物流システムが確立していない e) オープンな位置コードが標準化されていない

14 サプライチェーンでの標準化 14 (3) どう取り組むか? 1) サプライチェーン全体を統括する規格 アプリケーションプロファイル標準化 (ISO TC204) 2) 複数データキャリアの使用に対する整合性確保 サプライチェーンの階層を横断的に利用するためのデータキャリア標準化 (ISO TC122) 3) 通い箱物流システムの進化 通い箱ダイレクトマーキングの標準化 (ISO TC122) 4) サプライチェーンにおける位置コードの利用 世界的に統一 ( 統合 ) 化された位置コードの標準化 (ISO TC211)

15 15 グローバルサプライチェーンの全体像と課題

16 サプライチェーンにおける物の流れ 16

17 グローバルサプライチェーンの課題 17

18 18 通い箱物流管理システム

19 通い箱物流システム 19

20 通い箱物流管理システム 20 WEB 型 EDI の標準化 クラウドコンピューティング 輸送資材管理プロジェクト 自動車業界規格 部品識別プロジェクト (JAIF) データキャリアの混在使用 物流用データキャリアのインターフェイス標準化プロジェクト (JAISA) RFID が医用機器に与える影響緩和 ビジネスインフラ対応コンソーシアム (JAPIA) 通い箱物流システム かんばん 現品票納品書 受領書の小型化標準 リライタブルハイブリッドメディア 通い箱のリース 洗浄管理プロジェクト 通い箱識別プロジェクト (JAIF) 通い箱ダイレクトマーキングプロジェクト (JAISA) 自動車業界規格 ローコストデータキャリア 部品ダイレクトマーキング

21 21 サプライチェーン用途の RFID の課題

22 UHF 帯はアセアンで自由に使用可能か? 22 中国独自規格 ( ) インド ( ) 韓国 ( ) 中国 ( ) 香港 ( ) 台湾 ( ) マレーシア ( ) フィリピン ( ) シンガポール ( ) タイ ( ) ベトナム ( ) 日本は孤立か? ( MHz) Europe USA Japan ( MHz) ( MHz) ( MHz) 3m 幅の道路 26m 幅の高速道路 周波数幅と処理速度は関係がある 13 倍 2m 幅の県道 周波数移行 周波数 (MHz)

23 電波法技術基準共用化条件 23 現在の電波法は日本独自でアセアンでは通用しない 日本では 9 台しか同時使用できない 9 台以上使用するためには LBT が不可欠であるが高速の搬送設備に対応できない 複数のリーダ / ライタが同時に稼動する時のパフォーマンス確保が重要

24 サプライチェーンの階層タグ応用例 24

25 25 日本の標準化成果

26 日本発国際提案 (ISO/IEC JTC1 SC31 ISO TC122) 26 ISO/IEC JTC1 SC31 ( 規格番号の先頭に ISO/IEC が付く ) 規格番号 内容 次元シンボルQRコード / マイクロQRコード 物品管理用 RFIDのアプリケーション要件 物品管理用 RFIDのエアインターフェイス 135 khz 以下 Annex 固有の商品コード 固有のトレーサビリティコード ダイレクトマーキングガイドライン データマネージメント リライタブルハイブリッドメディア AIDCメディアのデータ構造 RFIDが組み込み型医療機器に及ぼす影響の測定 緩和法 モバイル 2 次元シンボル (QR コード 開発中 ) ISO TC122 ( 規格番号の先頭に ISO が付く ) 規格番号 内容 リターナブル輸送容器へのダイレクトマーキングガイドライン ( 開発中 ) サプライチェーンにおけるデータキャリアの利用ガイドライン ( 開発中 )

27 サプライチェーン関連規格の JIS 化 27 SC31 WG1 ISO/IEC 成立 JIS 成立 内容 X データキャリア識別子 X EAN/UPC X コード X PDF X QRコード XXXX データマトリックス X コード X インターリーブド 2 of X GS1データバー N/A - X コーダバー (NW7) SC31 WG2 ISO/IEC 成立 JIS 成立 内容 X AI & DI X Data Syntax X 固有の識別子技術基準 X 固有の識別子手続基準 SC31 WG3 ISO/IEC 成立 JIS 成立内容 X リニアシンボル印刷品質 D シンボル印刷品質 X バーコードマスタ X 印刷機性能評価法 X リニア読取機性能評価法 D 読取機性能評価法 X リニア検証器性能評価法 D 検証器性能評価法 ダイレクトマーキング XXXX RHM ダイレクトマーキング評価 SC31 WG4 ISO/IEC 成立 JIS 成立内容 X 総論 X KHz 未満 X MHz X GHz

28 サプライチェーン関連規格の JIS 化 28 SC31 用語 ISO/IEC 成立 JIS 成立内容 X 用語一般 X 用語 ORM X 用語 RFID ISO TC122 ISO 成立 JIS 成立内容 ISO X 輸送ラベル ISO X 個装ラベル ISO 個品マーキング IEC C 電子部品用個装ラベル ISO TC122 ISO 成立 JIS 成立内容 ISO RFIDコンテナ ISO RFID 輸送資材 ISO RFID 輸送単位 ISO RFID 個装 ISO RFID 個品 28 規格の JIS が完成今後 15 規格の JIS 化が必要今後 9 規格の JIS 改訂が必要

29 29 自動車業界の RFID 規格の概要と 要求事項

30 国内推進体制 30 部工会 自工会 電子情報化委員会 EDI 部会 電子情報委員会 ビジネスシステム部会 電子タグ標準検討グループ JAMA/JAPIA AIDC(RFID) ワーキンググループ 電子タグコア会議 電子タグ研究ワーキンググループ

31 国際委員会構成 31 Joint Automotive Industry Forum 2007 年 11 月に従来の 3 極覚書を更新し 新体制発足 日本 自工会 部工会 米国 AIAG Automotive Industry Action Group 北米自動車工業界における標準策定推進団体 STAR Standards for Technology in Automotive Retail 北米自動車販売店業界における標準策定推進団体 欧州 Odette International Organisation for Data Exchange by Tele-Transmission in Europe 欧州全域の自動車業界における標準策定推進団体 Odette 傘下の各国標準化団体 VDA ( 独 ) GALIA ( 仏 ) Odette Sweden Odette Spain SMMT ( 英 ) Odette Czech

32 プロジェクトテーマの選定 32

33 JAIF RTI Returnable Transport Item 規格 33 JAIF : Joint Automotive Industry Forum

34 JAIF RTI 規格開発メンバー 34 RTI: Returnable Transport Item

35 JAIF 輸送資材識別規格の内容 35 1 適用範囲 2 引用規格 3 用語及び定義 4 サプライチェーンモデル 5 輸送資材 (RTI) の定義 6 輸送資材の固有識別 7 RFID 要件 8 1 次元 /2 次元シンボルの要件 9 ラベルのレイアウトと位置 10 リライタブルハイブリッドメディアの要件 管理対象を規定 識別コードを規定 RFID を始めとするデータキャリアの仕様を規定

36 JAIF 輸送資材識別規格の対象 36

37 JAIF 輸送資材識別規格策定のポイント 37 輸送資材 (RTI) 管理への RFID 適用規格 JAMA JAPIA で運用している各種 コード や従来 メディア をそのまま使用可能とする たとえば 国内用の 通い箱 と 輸出用の 通い箱 とで 使用すべきコード体系が変わらない 通い箱 用のデータ読取り と かんばん / 現品票用のデータ読取り で読取り機器を多種類用意せざるを得ない環境は避ける

38 JAIF 輸送資材識別規格策定のポイント 38

39 RTI の識別コード 桁以内 但し 取引き企業間での合意があれば 50 桁まで使用可 25B + 企業コード + 固有コード ISO/IEC で定めるデータ識別子 RTI は 25B ISO/IEC で定める登録機関から発番機関の認定を受けた団体が決定した企業コード その企業が個別に付加するシリアル番号 例 ) 25B LA N55J4H0001 デンソー デンソー社内で決めた管理番号

40 JAIF 部品 Item Level Standard 規格 40

41 JAIF 部品規格開発メンバー 41 最終版は変更されている

42 42 経済産業省の RFID 実証実験概要 2004 年

43 日 ASEAN 実証実験取組みの経緯 年度に業務側のニーズから物流課題を取り上げた 目的 アセアンにおける国際 ( 域内 ) 物流コストの低減 業務ニーズ 対応策 物流部門からのニーズ ( この時点では RFID 活用は想定外 ) 1 国際物流において 国内直納品同様に 段ボール箱 から 通い箱 に変更して 物流コストを低減したい 2 通い箱 を 各国通関において非課税対象としたい 1 標準的な国際通い箱 ( リターナブル箱 ) の導入 2ASEAN 各国の優遇税制 ( 再輸入容器免税 ) の活用システム構築 2004 年度 J-FRONT 実証事業 JFRONT 経済産業省 04 年度先導的貿易投資環境整備実証事業

44 日 ASEAN 実証実験物流ルート 44

45 日 ASEAN 実証実験通い箱例 45 アセアンの標準国際通い箱として急速に使用拡大中

46 日 ASEAN 実証実験結果まとめ 46

47 デンソー J-FRONT の実際システム構成 年 2006 年

48 デンソー J-FRONT の実際当時の課題 48

49 49 経済産業省の RFID 実証実験 以後の状況

50 デンソー J-FRONT の実際関連企業と箱種 50

51 デンソー J-FRONT の実際箱種と使用個数 年時点で箱種 :5 種類使用総数 :138,134 個 73% 日本調達

52 デンソー J-FRONT の実際箱種と輸送ルート 52 関税支払い 戻し税処理をコンピュータ化 シングルウィンドウによるネットワーク どの箱が どこに何個あるかは各拠点で即座に分かる

53 デンソー J-FRONT の実際使用状況とコスト低減 年目標 8000 万円コストセーブ 1USD=80 円

54 デンソー J-FRONT の実際リターナブル容器の比率 年のリターナブル容器比率 80%

55 デンソー J-FRONT の実際リターナブル容器の比率 55 国際輸送容器 2008 年時点総数 :115,202 63% が RTI TH 91% MY 73% IA 73% PAC 42%

56 56 トヨタグループの RTI 種類低減活動

57 通い箱 ( 空箱 ) の現状 57

58 通い箱 ( 空箱 ) の現状 58

59 箱種低減の考え方 専用プラ箱 ダンプラ箱は TP 箱に統合 59 TP 箱

60 TP 箱低減の目標 60

61 平パレットの現状 61

62 平パレットの現状 62

63 平パレットの現状種類 63

64 平パレット種類低減の考え方と目標 64

65 65 提言

66 提言 66 国際標準に基づいた番号体系の導入企業コード 拠点コード 箱種コード 介在コード シリアル番号 データキャリアの決定 QR コードのラベル ( 紙 金属箔 プラスチック ) QR コードのダイレクトマーキング (QR コードの大きさは 3 段階程度に標準化 ) RFID(13.56MHz MHz) 読取り方法 機種の推奨動脈物流での読取り 納品情報 には箱情報がない静脈物流 ( 返却時 ) での読取り 一括読取り 空箱の引取り指示方法の決定 箱の回転率から最適総箱数を決定 生産計画にリンクした箱管理の実現 国際サプライチェーンにおいて RTI の課税処理の廃止

67 67 ご清聴 ありがとうございました 柴田 彰