平成14年度数値予報研修テキスト

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1 14 10 October 2002

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3 13 3 NAPS 1 NAPS (GPV) GPV 15 NOAA

4 20023(MSM) ( 2002) MSM MSM RSM MSM (2001)(2002) km10mm5mm1mm 3 610mm2002 FT=00-06RSMMSM MSMRSM 1mm5mm FT018MSM RSM MSM RSM MSM ( )RSM( )4 MSM 10mmFT=00-06 FT= mm1mm FT= FT=00-065mm 1mm MSM 1RSM RSM MSM 10mm5mmFT=00-06 RSM MSM mm MSM 5mm1mm RSMMSM 10mmMSM5mm1mm RSM MSM

5 スレットスコア (10mm) スレットスコア (5mm) スレットスコア (1mm) RSM01 MSM01 RSM02 MSM RSM01 MSM01 RSM02 MSM RSM01 MSM01 RSM02 MSM 図 解析雨量に対するスレットスコア 閾値は,3 時間積算雨量を 40km 格子で平均して 10mm( 左 ) 5mm( 中央 ) 1mm( 右 ) 以上 なお 図は 6 時間毎にまとめたもの 横軸は 棒グラフは 左から RSM2001 年 RSM2002 年 MSM2001 年 MSM2002 年を示す スレットスコア年変化のモデル差 (10mm) スレットスコア年変化のモデル差 (5mm) スレットスコア年変化のモデル差 (1mm) 図 図 と同じ ただしスレットスコア年変化のモデル差 値は MSM の差 (2002 年 年 )-RSM の差 (2002 年 年 ) バイアススコア (10mm) バイアススコア (5mm) バイアススコア (1mm) RSM01 MSM01 RSM02 MSM RSM01 MSM01 RSM02 MSM RSM01 MSM01 RSM02 MSM 図 図 と同じ ただし バイアススコア 2

6 1.1.4 FT=0FT=12 RMSE850hPa 500hPa250hPa 500hPa 06 18UTCMSM0012UTC MSM 00UTC12UTC 00UTC 12UTCMSMFT=0FT= UTC MSM12UTCMSM RSM RMSERSM RMSEMSMRMSE (2001) FT=0MSMRMSE FT=RSM RMSE MSM4 4 4 FT= MSMRSMRMSE FT= MSM RSMMSMTYM (m) Z500 RMSE (K) T500 RMSE (m/s) U500 RMSE Apr-01 May-01 Jun-01 Jul-01 Apr-02 May-02 Jun-02 Jul Apr-01 May-01 Jun-01 Jul-01 Apr-02 May-02 Jun-02 Jul Apr-01 May-01 Jun-01 Jul-01 Apr-02 May-02 Jun-02 Jul-02 MSM FT=0 MSM FT=12 RSM FT=0 RSM FT= hPa()()()RMSEMSMFT=0MSMFT=12 RSMFT=0RSMFT=12MSMRSMRMSE ()200247() 3

7 4

8 5

9 6

10 7

11 1.3 メソスケール低気圧の過発達の改善に向けて はじめに RSM km - RSM RSM メソスケール低気圧の過発達と降水過程 RSM 1997; 1998; 1999; RSM3 -A-S A-S 1997 A-S 900hPa 700hPa RSM RSM RSM 500mm A-S 100mm RSMA-S UTC24 A-S 1,10,50,100,200,300mm 細見卓也 8

12 RSMA-S RSMA-S19963 GSM こ A-S RSMA-S RSMGSMA-S 実験版 RSM の物理過程 A-SRSM GSMGSM GSM9912A-S RSMGSM9912 A-S GSM UTC メソスケール低気圧が過発達する事例 UTC RSMRSM UTC RSM 680mm RSM50mm RSM RSM RSM UTC18 hpa6(mm) RSMRSM 4hPa1,5,10,20,50,100mm 9

13 A-S RSMA-S RSM K/sec K/sec A-S RSM 年 10 月の予報実験 RSM RSMA-S RSM 50mm100mm RSM A-S 00,12UTC Root Mean Square ErrorRMSE 250hPaRSM RSM RMSE RSM 500hPa RMSE500hPa RSM24 RMSE 850hPaRSM00UTC UTC0.1 RMSE12UTC 00UTC RSMRSM UTC K/sec RSM HRLCA-SHRCVRSMRTN RSMTEST1000hPa15 750hPa25400hPa 1.3.6RSMRSM 10

14 1.3.6 今後の課題 A-S RSM RSM RSM RSMA-S RSM RSMRSM MSM MSM TYM 参考文献, 2001:. 13,, , 2000:. 46,, , 2000:. 46,, , 1997:. 9,, , 1998:. 44,, , 1999: 9. 11,, A-S RSMRSM

15 RSM 250hPa500hPa500hPa850hPaMean Error Root Mean Square ErrorRSMRSM00UTC 12UTC 12

16 TYM km TYM TYM GSM TYM TYM TYMGSM TYM,GSM km72400km 2001 GSM TYMGSM TYM1.4.3 TYMGSM GSM TYM 2000 Nagata and Tonoshiro TYM TYMGSM TYMGSMTYM GSM TYM GSM

17 (a) TYM (b) GSM (c) TYM (d) GSM TYMGSM TGTYMGSM GSM GSMTYM GSM 500hPa 2.1.3(2) TYM ME RMSE RMSE RMSE Sakai et al TYM ME,RMSE MERMSE TYM hPa 14

18 15 y=x y=x 940hPa 2001TYM TYMGSM 140TYM,GSM 140GSM TYM TYMGSM GSM TYMGSM TYM TYM TYMGSMTYM400,06,12,18UTC 84GSM1200,12UTC90 140E 130E 40N 30N 20N 140E 130E 40N 30N 20N TYM hPa

19 40N 30N 20N 130E 140E TYM_RTN TYM_BLM TYM ,06,12,18UTC84 30kt km2300km 300km ; JMA UTC 890km1100kmTYM 1300km TYM 800km500km TYM TYM TYM TYM

20 UTC TYM (a) (b) (a),(b)36 (c) (a)(b) 0 (c)bst RTNBGC (c) ,7,8,17, TYM_RTN TYM_BGC ,7,8,17, TYM_RTN TYM_BGC JMA

21 (a) (b) (c) TYM 24 (a) (b) 12 (b) TYM 5 TYM,GSM GSM 940hPa RMSE TYM 2 TYM , 2000:., 197, , 1997:. 43,, , 2001: TYM. 13,, , 2001:. 13,, 1-3. JMA, 2002: Outline of the operational numerical weather prediction at the Japan Meteorological Agency. Appendix to WMO Numerical Weather Prediction Progress Report, 157pp. Nagata. M and J. Tonoshiro, 2001: A simple guidance scheme for tropical cyclone predictions. RSMC Tokyo-Typhoon Center Technical Review, No.4, Sakai. R, H. Mino and M. Nagata, 2002: Verifications of tropical cyclone predictions of the new numerical models at JMA. RSMC Tokyo-Typhoon Center Technical Review, No.5,

22 (GSM) ( 2000; 2002) (NAPS) ( 3D-Var) NAPS20013 GSM 21612UTCGSM 2 () 3 (RMSE) hPa 72 GSM( ) D-Var (850hPa) ( ) 500hPa hPa 1 2 (20N90N) (20N20S)(90S20S) UTC UTC [m/s] [ ] Jan-98 Jul-98 南半球域 北半球域 Jan-99 Jul-99 Jan Jul-00 Jan-01 Jul-01 Jan-02 Jul (20N90N)(90S 20S)250hPa72 12 Jan-98 南半球域 Jul-98 北半球域 Jan-99 Jul-99 Jan Jul-00 Jan-01 Jul-01 Jan-02 Jul (20N90N)(90S 20S)500hPa72 12 [m] Jan-98 Jul-98 南半球域 北半球域 Jan-99 Jul-99 Jan Jul-00 Jan-01 Jul-01 Jan-02 Jul (20N90N)(90S 20S)500hPa

23 hPa(2.1.3) D-Var 500hPa () () ()( ) hPa850hPa 72( ) hPa 5880m ( ) 5880m ( ) 850hPa( ) 4 5 (2.1.4) ( ) (2.1.4) ( ) 300hPa(2.1.5) hPa 500hPa(2.1.42) 500hPa() (2.1.41) (RMSE) 500hPa ( 1.4.2) 500hPa(2.1.42) (168) hPa ( +50m) hPa(2.1.6) 4 () 500hPa500hPa 5 GSM (2001) 20

24 夏季 (2002 年 6 月 ~7 月 ) 冬季 (2001 年 12 月 ~2002 年 1 月 ) 500hPa 東西風速 ( 解析値, FT72) 500hPa 東西風速 ( 解析値, FT72) 500hPa 高度 ( 解析値, FT72) 500hPa 高度 ( 解析値, FT72) 850hPa 気温 ( 解析値, FT72) 850hPa 気温 ( 解析値, FT72) 海面気圧 ( 解析値, FT72) 海面気圧 ( 解析値, FT72) () ()GSM hPa5m/s2500hPa60m3 850hPa hPa hPa72 850hPa 300hPa 高度 ( 解析値, FT72) 500hPa 高度 (FT168) 海面気圧 (FT168) GSM300hPa GSM72120m GSM 500hPa()()

25 GSM 2002 NOAA (TRMM) [mm/day] ( 360) () GSM 24()45(96 120)24()TRMM () GSM ()24 GSM()80km 12 6 NASA (TRMM)3 TRMM ( 12UTC GSMRSM 66( ) GSM RSM GSMRSM6 (1,20mm) 22

26 (1mm)GSM 1mm120mm 0.5RSM 1 12 (FT2448)24 (2.1.10)RSM GSM GSM GSM1mm00,12UTC ,1521JST ( 2001) GSMRSM 7 (ETS)ETS ETS1 01mmETS 1GSMRSM 2GSMRSM 20mmETS 40 FT ETS(1mm)(2.1.11)GSM RSM RSMGSM 2.21( )44%( ) GSM1.2 GSM241mm 7 (ETS) (2001) (80km )GSMRSM(12UTC ) 00UTC GSM(12UTC)(1mm) Bias Score (FT24~48) GSM(2002 年 6~7 月 ) GSM(2001 年 12 月 ~2002 年 1 月 ) RSM(2002 年 6~7 月 ) RSM(2001 年 12 月 ~2002 年 1 月 ) [mm] (80km) GSMRSM(12UTC)12(FT24 48)24 (150) Bias Score 2002 年 6~7 月 Equitable Threat Score 2002 年 6~7 月 GSM(1mm) 12UTC GSM(20mm) 12UTC RSM(1mm) 12UTC RSM(20mm) 12UTC GSM(1mm) 00UTC 冬季 GSM(1mm) 12UTC 予報時刻 [hour] GSM(1mm) GSM(20mm) RSM(1mm) RSM(20mm) (80km ) GSM RSM(12UTC)ETS 閾値 予報時刻 [hour] 23

27 FT2448 ( )6 (1.76)ETS6 (0.23) (3) GSM 北海道 北海道 2002 年 6 月 ~7 月 Equitable Threat Score 東北 GSM(1mm) 関東 中部 北陸 (80km )GSMRSM(12UTC )12(FT2448)24 ETS 1mm 近畿 中国 四国 RSM(1mm) FT24-48 九州 2002 年 6 月 ~7 月 Bias Score 東北 GSM(1mm) 関東 中部 北陸 近畿 中国 四国 沖縄 全国集計 RSM(1mm) FT24-48 九州 沖縄 全国集計 GSM 3 (20019) GSM 2002 ( 2001) (),, 2001:. 13,, , 2001:. 13,, , 2002: 3. 48,, , 2001:. 13,, , 2000:. 12,,

28 25

29 26

30 300hPa 100hPa

31 hPa hPa 月 18 日 9 月 25 日 10 月 2 日 変更前 変更後 UKMO 月 18 日 9 月 25 日 10 月 2 日 変更前 変更後 UKMO 28

32 Z500 NH PSEA NH Z500 SH PSEA SH 29

33 EPS-0103 pf992 EPS-0202 pf992 EPS-0103 pf996 EPS-0202 pf

34 アンサンブル平均予報の RMSE またはスプレッドの大きさ (m) 500hPa 高度場での改善率 (%) 4 :3 日予報 :5 日予報 :7 日予報太線 : 北半球域 細線 : 北緯 20~60 度 東経 100~170 度の領域 熱帯域での改善率 (%) :3 日予報 :5 日予報 :7 日予報 + 31

35 領域X領域Y 500hPa 高度場 アンサンブル平均予報図 500hPa 高度場 スプレッド分布図 線 A 領域Z 500hPa 高度場 全メンバーの 5700m 等高度線 500hPa 高度場 全メンバーの 5760m 等高度線 2 メンバーが深い谷を予想 線 A をはさんで谷の位相ずれがある 一部のメンバーが谷を深く予想 32

36 33 台風第 3 号発生台風周辺に誤差があるコントロールランある摂動ランアンサンブル平均スプレッドアンサンブル平均の RMSE 実況台風を予想熱帯にばらつきがある

37 hPa

38 mm 40km 1600km km RATIO 2 2 MRR MRR 1999RATIO 0mm 0mm RATIO GPV 5km 2 RATIO MRR MRR RATIO (a) 850hPa (b) 850hPa (c) SSI (d) 1000hPa 400hPa (e) (f) (g) 1 35

39 4 (a)(f) RSM GPV (g) MRRRATIO RATIO RATIO RATIO RATIO RATIO RATIO 1 3 RATIO RATIO RATIO 実況値 予測値 実況値 予測値 実況値 予測値 実況値 予測値 実況値 予測値 RATIO RATIO 1 3 RATIO MRR 実況値 予測値 36

40 MRR UTC 3 5mm10mm/3h 30mm/3h 1 30mm/3h mm/3h mm/3h 18 MRR MRR RATIO RATIO UTC FT= JST 2 50mm/3h

41 MRR mm/1h mm/24h mm/24h mm/1h50mm/3h UTC mm/1h100mm/3h FT= UTC RATIO

42 RATIO mm 250mm 350mm 2 20km MRR MRR 20km A MRR A A 34N 20km RATIO RATIO RATIO MRR MRR MRR MRR MRR 20km MRR 134E A A 20km, ,

43 1 40

44 a) 0.7 b) 1.8 ETS バイアススコア c) 1 d) 検出率 ヒット率 a) 0.5 b) 2 ETS バイアススコア c) 1 d) 検出率 ヒット率

45 42

46 a) 0.7 b) 1.8 ETS バイアススコア c) 1 d) 検出率 ヒット率 a) 0.5 b) 2 ETS バイアススコア c) 1 d) 検出率 ヒット率

47 44

48 a) ETS b) バイアススコア c) 0.5 d) 検出率 ヒット率 a) 0.3 b) ETS バイアススコア c) 0.5 d) 検出率 ヒット率

49 3.3 航空ガイダンス はじめに短距離飛行用飛行場予報 ( 以下 TAF-S 2 と略す ) の作成を支援する新たな航空ガイダンス ( 以下 TAF-S ガイダンスと略す ) の配信を 2002 年 8 月から開始した 従来の航空ガイダンスは長距離飛行用飛行場予報ガイダンス ( 以下 TAF-L ガイダンスと略す ) と名称を変更し 新ガイダンスと区別する TAF-S とは 飛行場における 9 時間先までの気象予報である 最新の解析に基づく予測資料を用いて 3 時間ごとに 1 日 8 回作成される 作成するためには 時間的 空間的にも細かな気象変化の予測が必要とされる このため TAF-S ガイダンスは 高頻度 時間的 空間的高分解能であるメソ数値予報モデル (MSM) の GPV を用いて 各飛行場における 1 時間毎の各種予測値を作成している MSM は 1 日 4 回実行され その出力結果を用いて TAF-S ガイダンスも 1 日 4 回作成される 1 回の TAF-S ガイダンスは 2 回分の TAF-S を支援できるように予報期間を 15 時間までとしている TAF-S ガイダンスと TAF-L ガイダンスの主な仕様の比較を表 に示す 以下の項で TAF-S ガイダンスの各予報要素の作成手法と検証結果を述べる 天気ガイダンスは基本的にお天気マップのアルゴリズムを用いて作成されている 詳しくは 平成 6 年度数値予報研修テキスト お天気マップ ( 萬納寺 1994) を参照していただきたい 表 TAF-SガイダンスとTAF-Lガイダンスの比較 項目 TAF-Sガイダンス TAF-Lガイダンス 使用する GPV MSM RSM 作成頻度 4 回 / 日 2 回 / 日 予報期間 15 時間 45 時間 対象時間 前 1 時間 前 3 時間または3 時 間毎の正時 予報要素 最大風速と風向最小視程雲量 雲底高度現在天気 平均風速と風向最小視程雲量 雲底高度現在天気 最大風に関するガイダンス (1) 概要 最大風に関するガイダンス は飛行場予報に必要なガイダンスでありながら 観測データがきめ細かく通報されなかったために これまで作成できなかった 今回 TAF-S 作成の支援を目的に新たにガイダンスを作成するに当たり METARAUTO により 10 分毎の風向風速 ,3.3.3 岩倉晋, 松本逸平, 大林正典 2 TAF : Terminal Aerodrome Forecast の略 の入手が可能となっていることから 予測の対象を最大風としてガイダンスを作成した このガイダンスは MSM を基に 1 日 4 回 ( 以下 FT= と略する )2~15 の毎時 対象時刻までの 1 時間における各官署の 最大風速 (FF) とその風向 (DD) を予測するものである (2) 作成手法 TAF-S ガイダンス の最大風速に関するガイダンス ( 以下 TAF-S 風ガイダンス と略記 ) の作成手法は基本的に現用の TAF-L ガイダンスや天気予報用の風ガイダンス ( 以下 従来風ガイダンス と略記 ) と同じである その手法は平成 9 年度及び 10 年度量的予報研修テキストに記述されている 簡潔には 各地点毎 対象時間毎に 前回計算した予測値と通報された観測値を使ってカルマンフィルターにより逐次最適化を行った予測式に 予測因子を代入して風向風速を得る ( 国次 1997) 1 で得られた予測風速に対してバイアススコアを 1 に近づける補正を行って最終製品を得る ( 木村 1998) の 2 工程からなる このとき使用するデータは従来風ガイダンスと同じく 観測値並びに GPV ともに地上の風のみである 但し 対象時間 目的変数 及び説明変数に表 の違いがある 表 従来風ガイダンスとの違い 従来風ガイダンス TAF-S 風ガイダンス 対象時間 3 時間毎の正時毎時の前 1 時間 目的変数 説明変数 対象時刻に通報された風 対象時刻のRSM 地上風 対象時間帯内の通報の中の最大風 対象時間帯をはさむ 2 時刻のMSM 地上風のうち強いほう なお このガイダンスは係数の更新に観測電報 ( METAR,METARAUTO,SCAN,SPECI ) の風を使用している したがって METARAUTO を通報しない官署については 10 分毎の観測値が入手できないために 毎正時を対象とした風ガイダンス とほぼ同じになる また 観測電報を通報していない時間帯については MSM の値がそのままガイダンスとなる (3) 予測特性と精度平均的な予測特性を把握するために 全予報地点を平均した検証スコアを利用して調査した 図 上に 3 時間毎の観測値 毎時間の最大風速の観測値 MSM の風速の RMSE ガイダンスの風速の RMSE について観測値を指標に MSM と ガイダンス とを対比する形で示す 46

50 m/s 7 風速及びその RMSE の日変化 (2002 年 1 月 : 全官署平均 ) 風向についても全ての時間帯について改善しており 特に風速の弱い時間帯の改善が大きい 観測 ( 最大風速 ) 観測 (3 時間毎 ) MSM 風速 TAFS 風 G 風速 MSM 風速誤差 TAFS 風 G 誤差 スレットスコアとバイアススコアによる検証 TAF-S 風ガイダンスは最大風速を対象としているため 強い風に対する予測精度が重要である このため 閾値を 1m/s 刻みにして 閾値より強い風が吹いたか否を対象としたスレットスコア ( 図 上 ) 及びバイアススコア ( 図 下 ) により検証を試みた 0 deg Z 04Z 06Z 08Z 10Z 12Z 14Z 16Z 18Z 20Z 22Z 00Z 風向の RMSE の日変化 (2001 年 1 月 : 全官署平均 ) MSM 風向誤差 TAFS 風 G 誤差 TAF-S 用ガイダンスのスレットスコア (2002 年 1 月 : 全官署による ) MSM TAFS 風 G RSM TAFL 風 G 0 02Z 04Z 06Z 08Z 10Z 12Z 14Z 16Z 18Z 20Z 22Z 00Z >=1 >=2 >=3 >=4 >=5 >=6 >=7 >=8 >=9 >=10 >=11 >=12 >=13 >=14 >=15 m/s 図 TAF-S 風ガイダンス及び MSM の風向 風速の予測精度 2002 年 1 月 全官署の 2 13 時間予報の総計 最大風速と 3 時間毎の風速の差毎時間の最大風速 ( 観測値 ) は 3 時間毎の観測値に対して 0.2~0.5m/s 程度大きい TAF-S 風ガイダンスは従来風ガイダンスと比べて 観測値において この程度大きな値を対象としている 予測風の強さと誤差 MSM は夜間に 0.3~0.5m/s 日中に 1m/s 程度弱いのに対して TAF-S 風ガイダンスは 1 日を通して 0.2m/s ほど観測より強い程度である また 風速の RMSE において TAF-S 風ガイダンスの MSM に対する改善は夜間には 0.5m/s 程度 日中には 0.5~0.9m/s である 風速の日変化これまでの報告から RSM や GSM の地上風は観測に比べて日変化が小さい ( 国次 1997 酒井 2000) ことが知られており MSM についても同様の傾向が見られる しかし TAF-S 風ガイダンスは 従来風ガイダンス同様 対象とする時間帯毎に係数を持っていることから モデルではあまり表現しない風速の日変化についても妥当な予測をしている 風向の誤差図 下に MSM の風向の RMSE 及び TAF-S 風ガイダンスの風向の RMSE を示す TAF-S 用ガイダンスのバイアススコア (2002 年 1 月 : 全官署による ) >=15 >=14 >=13 >=12 >=11 >=10 >=9 >=8 >=7 >=6 >=5 >=4 >=3 >=2 >=1 これによると TAF-S 風ガイダンスは バイアススコアが示すとおり 10m/s 以上の強い風についても観測と同程度の頻度で予測している また スレットスコアで見ると 最大風速を予測しているために大きな風速を閾値とした場合に TAF-L ガイダンスより高いスコアを示し モデルからの改善も大きい しかし TAF-S 風ガイダンスは最大風速を予測するものであるので 3 時間毎の正時の風を対象 ( 検証も ) とした TAF-L 風ガイダンスとは予測対象が異なるため 両者を単純に比較することはできない (4) 強風の予測精度官署によって風の強さの特性は異なるが TAF-S 風 m/s MSM TAFS 風 G RSM TAFL 風 G 図 TAF-S ガイダンスと MSM の風速予測精度 2002 年 1 月 全官署の 2 13 時間予報の総計 MSM 及び TAF-S 風ガイダンスは FT=02-13 について RSM 及び TAF-L 風ガイダンスは FT=06-15 のデータを使用 47

51 ガイダンスは 検証した期間について全体としては 10m/s 以上の風を予測した 4390 例 ( 総予測例の 8.0%) 中 59% が 10m/s 以上の風を観測しており 12m/s 以上の風を予測した 1618 例 ( 総予測例の 2.9%) 中 48% が 12m/s 以上の風を観測している バイアススコアがほぼ 1 であることも併せて 概ね実用的な精度は確保していると考えられる 視程に関するガイダンス (1) 概要本ガイダンスは TAF-S の視程予測を支援する目的で作成される 視程の予測値は統計的手法によって求めた係数と MSM の予報出力結果 ( 地上の気温 相対湿度 1 時間降水量 ) を診断式に適用して求められる TAF-L ガイダンスに用いられている診断式は 高湿度時の視程を過大に見積もる 本 TAF-S 用視程ガイダンスは TAF-L ガイダンスの予報特性の一部を改善する目的で 診断に用いる式を変更した これについては および で詳しく述べる (2) 作成手法作成手法において 本ガイダンスと TAF-L ガイダンスとで異なる主な特徴を 2 点あげる 一つめは TAF-L ガイダンスの視程予測特性の一部を改善する目的で 新たな診断式を用いたことである 診断式に用いた式を以下に示す 視程 V(m) は光消散係数 σ(m -1 ) によって次のように求められる (Middleton, 1952) V = σ (3.3.1) 光消散係数とは簡単にいうと 粒子による光の吸収と散乱の特性を表すものである これと物体の識別限界となるコントラストから (3.3.1) 式によって視程が求まる 光消散係数は 空気分子と霧による散乱 吸収を無視すると σ = σ + σ + σ p R S (3.3.2) と表すことができる ここで σ p σ R σ S はそれぞれ大気中の浮遊塵 雨滴 雪片による光消散係数を表す 浮遊塵による光消散係数 σ p と地上における相対湿度 H の関係は次のように近似できる ( 岩倉 2000) σ = α 1 p p β ( H ) p (3.3.3) 相対湿度 H は湿度 100% に対する比を表すものとする ここで αp βp はそれぞれ浮遊塵に関連した係数を表す 係数は各地点での通報された卓越視程と予測相対湿度を用いて統計的に求められる ただし (3.3.3) 式の 近似は相対湿度が 100% の近傍では成り立たない このため 湿度が 80% 以上では 90% より大きくならないように線型式を用いて変換している また 雨滴および雪片による光消散係数は σ = α R R β R R σ = α R S S β S (3.3.4) (3.3.5) と近似できると仮定する R は 1 時間降水量である ここで αr βr αs βs は各々雨滴 雪片の光消散係数に関連した係数を表し 通報された卓越視程と予測された 1 時間降水量から統計的に求められる 本ガイダンスの精度の検証結果については (4) で述べるが 決して精度は高いといえない これは TAF-L ガイダンスが前 3 時間内を対象とする予測値であるのに対し TAF-S ガイダンスは前 1 時間内を対象としており 時間的な誤差の許容範囲が TAF-L ガイダンスに比べ小さいことが原因の一つである TAF-L ガイダンスではバイアススコアを 1 に近づけるような補正をして メリハリのついた予測を行っている 同様なことを TAF-S ガイダンスで行うと 見逃しと空振りが多くなり 結果としてこのようなガイダンスはユーザーにとって使いにくいものとなってしまう そこで バイアススコアを 1 に近づける補正は行わず ガイダンスがある閾値未満となると予想した場合の空振りを少なくするように係数を求めた なお (3.3.3) (3.3.4) および (3.3.5) は非線型の式なので 線形の式を用いている TAF-L ガイダンスとは異なりカルマンフィルターを適用して係数を更新することはできない (3.3.2) 式から明らかなように 光消散係数は 降水現象がない場合 (3.3.3) 式から 降水現象を伴う場合には (3.3.3) 式および (3.3.4) 式または (3.3.5) 式から求めることができる 得られた光消散係数を用いて (3.3.1) 式から視程を予測する 二つめは 雨と雪の取り扱いを分けたことである TAF-L ガイダンスでは 降水量に関する説明変数の係数をカルマンフィルターを用いて逐次更新しているが 雨と雪の判別は行っていない しかし 雨と雪では降水量の視程に対する特性が大きく異なる したがって 本ガイダンスでは係数を固定化し 雨と雪それぞれに係数を求めた 雨雪判別は MSM の地上気温の予測値が 2 以上ならば雨 それ未満は雪としている (3) 予測特性 (2) で示した診断式の採用で TAF-L ガイダンスと比べ 相対湿度が高い時により視程を低下させ 降水が強い時に必要以上の低下を生じさせないようになった 以下に例を示して TAF-L TAF-S ガイダンスの特性の違いを解説する 降水量と相対湿度それぞれを以下のように変数変換したものを考える 48

52 h = 1 H r = R (3.3.6) (3.3.7) これらを用いると線型結合した診断式 ( 以下 TAF-L 型と略す ) と線型結合ではない診断式 ( 以下 TAF-S 型と略す ) の二つの式は次のようになる V = h 1. 8r ( 0.19 h 0. r) V = (3.3.8) (3.3.9) ここでは視程 V の単位を km としている TAF-L 型の係数は本稿執筆時点での東京国際空港での係数を参考に多少変更して使用した また 比較しやすいように TAF-L 型は定数項 相対湿度に依存する項 降水量に関する項のみを用いて簡略化している また 降水量として 3 時間降水量を用いて係数を求めているため 係数を 1 時間降水量に対応するよう補正して用いている (3.3.8) 式では降水現象を伴わない場合 5.4km 未満とならない これに対し (3.3.9) 式では 高湿度時での視程の低下を予測できる 図 に降水量を 2mm/hr とした時の相対湿度に対する視程の変化の例を示す 破線が TAF-L 型による変化曲線 実線が TAF-S 型による変化曲線である この例では 相対湿度が 0.8 未満ではどちらも同様の変化を示しているが 0.8 以上では TAF-S 型がより大きく低下している 同様に (3.3.8) 式の降水量に大きな値が与えられると 視程が負の値になる 現実には負の値とはならないので補正が必要となる これに対し (3.3.9) 式は 0 に漸近する 相対湿度を 0.85 とした時の 1 時間降水量に対する視程の変化の例を図 に示す 降水量が 2.5mm/hr 未満ではどちらも同様の変化を示しているが 2.5mm/hr 以上では破線で示した TAF-L 型の変化がより大きく 降水量が大きくなると負の値となってしまう MSM の出力結果から予測される相対湿度および 1 時間降水量の現在の精度を考えると ここで示した両者の差は無視できると考えられるが 今後数値予報モデルの高度化により精度が向上すると無視できなくなる ただし 診断式が (3.3.8) 式のような線型結合ではないため 係数を逐次更新するカルマンフィルターの手法を利用できなくなった 今後このような診断式に適用するための係数を逐次更新する手法を開発していく必要がある (4) 検証結果係数を 年 月からの 年間のデータで作成し 検証は 年 月から 月までの ヶ月間の独立資料を用いて行った 対象は三宅島空港を除く 73 の航空ガイダンス作成地点である 表 に視程 未満の場合を的中としたスレットス Visibility (km) Visibility (km) Relative Humidty 図 降水量が 2mm/hr の時の相対湿度に対する予測視程の変化特性 実線は TAF-S 型 破線は TAF-L 型 相対湿度が 0.8 以上で TAF-S 型の低下がより大き TAF-L TAF-S Hourly Precipitation (mm/hr) TAF-L TAF-S 図 相対湿度が 0.85 の時の 1 時間降水量に対する視程の変化特性 実線は TAF-S 型 破線は TAF-L 型 降水量が 2.5mm/hr 以上で TAF-S 型の低下がより小さい コアの各階級別地点数を月別に示した TAF-L ガイダンスでは全地点平均で約 0.3 であるのに対し 半数以上の官署でスレットスコアは 未満とかなり低い 一つには TAF-L ガイダンスが前 時間内の最小視程を予測するのに対し TAF-S ガイダンスでは前 時間内と時間的な制約が大きいことが考えられる 5km 未満と予想した中で的中した割合は 全地点の合計では 4 月と 7 月では約 0.4 と低いが その他の期間では 0.5 前後と (2) で述べた目的どおりの結果が得られた 地点毎に精度のばらつきがみられるが データ数を増やして係数の再計算を行うことにより改善されることが期待される 49

53 手法の基本方針は 旧アルゴリズムを踏襲している 表 km 未満を的中としたスレットスコアの階級別地点数 スレットスコア 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 < < < 雲に関するガイダンス (1) 開発の経緯と方針従来から配信してきた TAF-L 雲ガイダンスでは 2001 年 3 月に モデルの雲量予測バイアスやモデル地形の標高と実際の空港標高の差による誤差を軽減することを目的として それまでのモデル予測雲量をそのまま用いた診断方式から カルマンフィルターによる逐次最適化方式に変更した ( 大林 榊原 2000) その後 実況と異なり 100ft 以下の雲量 8/8 を連続して予測する事例が散見されたため 2001 年 6 月 8 日からは 1000ft 以下かつ対流凝結高度以下では雲を作らないように修正して運用してきた この結果 低シーリング ( 雲量 5/8 以上の最低雲層の雲底高度 ) の予測頻度が実況より少なく スレットスコアも低いという悪影響が現れていた ( 大林 2001) 今回の TAF-S 雲ガイダンス開発では 従来の TAF-L 雲ガイダンスのアルゴリズム ( 以下 旧アルゴリズム ) に改良を加え 低シーリングの予測精度改善を目指した なお この新しいアルゴリズムを適用することにより TAF-L 雲ガイダンスも改善されることがわかったので 同ガイダンスも 2002 年 7 月 9 日からこのアルゴリズムに変更した (2) 配信要素 FT=2~15 の毎時 前 1 時間で雲量 5/8 以上の雲層 ( 無い場合は最低雲層 ) が最も低い時の 下から 3 層の雲量 (8 分値 ) 雲底高度 (ft) を配信 3 する 3 層は TAF における雲の表現 ( 気象庁 1998) に合わせ 最も低い雲層 その上で雲量 3/8 以上の雲層 さらにその上で雲量 5/8 以上の雲層である TAF に表現すべき それ以外の重要な対流雲 ( 積乱雲 塔状積雲 ) は考慮していない (3) 作成手法カルマンフィルターで最適化した係数を用いて 空港上空のモデル面予測雲量から高度別の雲量時系列を作成し それから出力すべき 3 層を抽出する この作成 3 TAF-L ガイダンスでは 従来 上 中 下層雲を配信していたが 2002 年 7 月 9 日から TAF-S ガイダンスと同じ下から 3 層の雲に配信内容を変更した ( ア ) 高度別の雲量時系列予測作成各空港上空のモデル面雲量予測値から 高度別の雲量時系列を予測する 雲量予測の対象高度は 旧アルゴリズムでは 100m 毎 10000m まで ( 下から 2000m まではカルマンフィルターによる予測 2500m より上はモデル面雲量を内挿 その間は不連続を避けるため両者の重み付き平均 ) であったが 最終的に 100ft 単位で出力するための内挿 外挿による誤差や 係数最適化を行う高度とその上での特性の違いが発生していた これらの欠点を解消するため TAF で要求される鉛直方向の解像度を考慮して 予測対象高度を表 の通り下層ほど間隔を狭く設定し 全層で係数最適化を行うこととした それぞれの対象高度の雲量 C klm を その高度に近いモデル面 3 層の予測雲量 Ci mdl から次式で求める C klm 表 雲量予測の対象高度 地表面からの高度地表 ~ 1000ft ~ 5000ft ~ 10000ft ~ 30000ft = X 層間隔 100ft 毎 500ft 毎 1000ft 毎 2000ft 毎 3 mdl 0 + Ci X i (3.3.10) i= 1 バイアス項 X0 および係数 Xi (i =1~3) に関して カルマンフィルターによる逐次最適化を行う 旧アルゴリズムでは 係数は対象時間帯によらず地点毎に 1 セットであったが これを対象時間帯毎に持つようにした これにより モデルでは日変化が不十分な場合でもガイダンスである程度表現できるようにした さらに 頻度バイアス補正 ( 降水量ガイダンス等で適用されている 予測値が閾値以上となる頻度を実況の頻度に近づけるための補正 ( 藤田 1996)) を適用し 最終的な高度別の雲量時系列予測値とする ( イ ) 出力すべき 3 層の抽出各予測対象時刻の高度別雲量予測値を最下層から検索し TAF における雲の表現に合わせ 最も低い雲層 その上で雲量 3/8 以上の雲層 さらにその上で雲量 5/8 以上の雲層 の 3 層を抽出する この際 あまり近接した層が選択されないよう 高度差が高度の 20% 以内である 2 層は 1 層とみなすようにしている 例えば 900ft で雲量 1/8 1000ft で雲量 3/8 の場合 2 層を一体とみなし 900ft を雲量 3/8 とする 下にある層が雲量 8/8 の予測でも それより上の層も抽出する これは 予報を作成する際にガイダンスに修正が必要な場合 より上層の情報が必要となることが考 50

54 えられるためである (4) 精度 24 時間観測値が得られる 11 空港について シーリング 600ft のスレットスコア バイアススコアを求めた スコアの算出には ルーチンで配信した TAF-L ガイダンスと比較するため 3 時間の最低シーリングを対象とした 図 は 閾値 600ft のスレットスコア ( 上 ) とバイアススコア ( 下 ) である 今回の TAF-S 雲ガイダンスのアルゴリズムにより 低シーリング出現頻度が少ない ( バイアススコアが小さい ) 欠点は解消され スレットスコアは大幅に改善されている 参考までに 同じアルゴリズムを適用した改良 TAF-L 雲ガイダンスのスコアも示してある 改良 TAF-L 雲ガイダンスでも TAF-S ガイダンスとほぼ同程度の精度に改善されることがわかる (5) 今後の課題現在 (3.3.10) 式の Ci mdl ( モデル面の予測雲量 ) は 相対湿度から診断的に求められている ( 細見 1999) 一方 TAF-L ガイダンスに利用している RSM については 雲水量の予報変数化の開発が進められている ( 第 1.3 節 ) 雲水スキームから得られる予測雲量は 現行の予測雲量と比較するとバイアス傾向に大きな変化が見られるため 当面は雲ガイダンスの説明変数としては雲水スキームから得られる雲量は使わず 相対湿度から計算した雲量を引き続き使用する予定である 今後 雲水スキームで予測される雲量の特性を調査し 雲ガイダンスへの利用方法を検討していく また TAF-S ガイダンスに利用する MSM は 2003 年度中に非静力学モデルに置き換り より高度な雲物理過程が導入される 雲物理過程はもともと水平格子間隔 1km 以下のモデルのためのパラメタリゼーションであるため 当初導入される 10km 程度の格子間隔のモデルで どの程度雲量予測精度が改善できるか 現在の雲ガイダンスのアルゴリズムでその改善を的確に反映させることができるかどうか等について調査していく必要がある 参考文献岩倉晋, 岡田菊夫 1999: 東京国際空港における卓越視程の相対湿度依存性. 気象研究所報告,. 大林正典, 榊原茂記,2000: 航空気象予報. 平成 12 年度数値予報研修テキスト, 大林正典,2001: 航空ガイダンス. 平成 13 年度数値予報研修テキスト, 気象庁,1998: 飛行場予報. 航空気象予報作業指針, 木村陽一,1998: 風ガイダンスの統計的特徴と風速 Threat * 100 Bias * hours hours 現 TAFL00 現 TAFL12 TAFS00 TAFS06 TAFS12 TAFS18 改 TAFL00 改 TAFL12 現 TAFL00 現 TAFL12 TAFS00 TAFS06 TAFS12 TAFS18 改 TAFL00 改 TAFL12 図 雲ガイダンスの 3 時間最低シーリング閾値 600ft のスレットスコア ( 上 ) とバイアススコア ( 下 ) 横軸は 00UTC からの予測時間 24 時間観測値が得られる 11 空港を対象とし 期間は 2001 年 7 月 ~2002 年 6 月の 1 年間 図中 現 TAFL はルーチンの TAF-L ガイダンス TAFS は TAF-S ガイダンス 改 TAFL は改良 TAF-L ガイダンス その後ろの数字は初期時刻 なお TAF-S ガイダンスは 00,06,12,18UTC 初期値で 15 時間予測を TAF-L ガイダンスは 00UTC 初期値から 33 時間予測 12UTC 初期値から 21 時間予測まで図示しているが 初期値の時刻から 3 時間後の予報発表に対し TAF-S ガイダンスは利用できるが 配信が遅い TAF-L ガイダンスは利用できない ( すなわち FT=3~6 は実際の予報には使えない ) ことに注意が必要である 補正. 平成 10 年度量的予報研修テキスト, 国次雅司,1997: 風ガイダンスの開発. 平成 9 年度量的予報研修テキスト, 酒井喜敏,2000: GSM 風ガイダンス. 平成 12 年度数値予報研修テキスト, 藤田司,1996: 降水ガイダンスの統計的検証. 平成 8 年度数値予報研修テキスト, 細見卓也,1999: 雲水の予報変数化. 平成 11 年度数値予報研修テキスト, 萬納寺信崇,1994: お天気マップ. 数値予報課報告 別冊第 41 号, Middleton, W. E. K., 1952: Vision through the Atmosphere. The University of Toronto press, 250pp. 51

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