Microsoft Word - jpn PhRMAPrinciplesForResponsibleClinicalTrialDataSharing-R

Similar documents
料 情報の提供に関する記録 を作成する方法 ( 作成する時期 記録の媒体 作成する研究者等の氏名 別に作成する書類による代用の有無等 ) 及び保管する方法 ( 場所 第 12 の1⑴の解説 5に規定する提供元の機関における義務 8 個人情報等の取扱い ( 匿名化する場合にはその方法等を含む ) 9

する 研究実施施設の環境 ( プライバシーの保護状態 ) について記載する < 実施方法 > どのような手順で研究を実施するのかを具体的に記載する アンケート等を用いる場合は 事前にそれらに要する時間を測定し 調査による患者への負担の度合いがわかるように記載する 調査手順で担当が複数名いる場合には

医師主導治験取扱要覧

12_モニタリングの実施に関する手順書 

医療機器開発マネジメントにおけるチェック項目

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

標準業務手順 目次

北里大学病院モニタリング 監査 調査の受け入れ標準業務手順 ( 製造販売後臨床試験 ) 第 1 条 ( 目的 ) 本手順書は 北里大学病院において製造販売後臨床試験 ( 以下 試験とする ) 依頼者 ( 試験依頼者が業務を委託した者を含む 以下同じ ) が実施する直接閲覧を伴うモニタリング ( 以下

a. 氏名及び住所の詳細 b. メールアドレス c. ユーザー名及びパスワード d. IP アドレス e. 雇用に関する情報 履歴書 3.2 当社は 当社サイトを通じてパスポート情報や健康データなどのセンシティブな個人データを収 集することは 適用プライバシー法令の定める場合を除き ありません 3.

ISO9001:2015内部監査チェックリスト

ヘルシンキ宣言

<4D F736F F D A835E838A F8B7982D18AC48DB85F20534F A68CEB8E9A E9A8F4390B38DCF2

9 中止基準 ( 研究対象者の中止 研究全体の中止について ) 10 研究対象者への研究実施後の医療提供に関する対応 通常の診療を超える医療行為 を伴う研究を実施した場合 研究実施後において 研究対象者が研究の結果より得られた利用可能な最善の予防 診断及び治療が受けられるように努めること 11 研究

第 4 章治験責任医師の業務 目次 1. 目的と適用範囲 1 2. 治験責任医師の要件 1 3. 治験実施計画書の遵守に関する合意 1 4. 同意説明文書の作成 1 5. 治験分担医師及び治験協力者のリストの作成 2 6. 治験の実施依頼 ( 新規 変更 継続 ) 3 7. 治験の実施等の了承 3

手順書03

<90528DB88EBF96E2955B2E786C73>

SGEC 附属文書 理事会 統合 CoC 管理事業体の要件 目次序文 1 適用範囲 2 定義 3 統合 CoC 管理事業体組織の適格基準 4 統合 CoC 管理事業体で実施される SGEC 文書 4 CoC 認証ガイドライン の要求事項に関わる責任の適用範囲 序文

<4D F736F F D208EA18CB182C98AD682B782E995578F808BC696B18EE88F878F E38E748EE593B1816A E7B8D732E646F637

PYT & Associates Attorney at law

文書管理番号

ISO9001:2015規格要求事項解説テキスト(サンプル) 株式会社ハピネックス提供資料

プライバシーポリシー

臨床評価とは何か ( 独 ) 医薬品医療機器総合機構医療機器審査第一部方眞美

米国のHIPAA法における 個人情報等の保護に関する規定について

説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 利害関係者の特定 QMS 適用範囲 3. ISO 9001:2015への移行 リーダーシップ パフォーマンス 組織の知識 その他 ( 考慮する 必要に応

ICH-GCPとJ-GCPとの比較表

市場調査における有害事象報告の実態について

PowerPoint プレゼンテーション

スライド 1

【押印あり】日本医学会宛

< F2D8E9197BF A836F815B2E6A7464>

宮城県立がんセンター受託研究業務手順書

<4D F736F F D E34208EA18CB18EE891B182AB977697CC C8E8DB782B591D682A688CB978A>

(目的)

研究課題名 臨床研究実施計画書 研究責任者 : 独立行政法人地域医療推進機構群馬中央病院 群馬県前橋市紅雲町 1 丁目 7 番 13 号 Tel: ( 内線 )Fax: 臨床研究期間 : 年月 ~ 年月 作成日 : 年月日 ( 第 版

1. はじめに ステージティーエスワンこの文書は Stage Ⅲ 治癒切除胃癌症例における TS-1 術後補助化学療法の予後 予測因子および副作用発現の危険因子についての探索的研究 (JACCRO GC-07AR) という臨床研究について説明したものです この文書と私の説明のな かで わかりにくいと

概要 PMDAにおける次世代審査 相談体制の構築 データ標準の利用 承認申請時の電子データ提出に関する基本的考え方 ( 案 ) について パイロット実施について CDISC 利用に関する今後の検討と展望 2014/05/16 CDISC 概説コース 2

JPCERTコーディネーションセンター製品開発者リスト登録規約

これまでの検討経緯 2014 年 6 月 E17 EWG 設立 2014 年 11 月第 1 回対面会合 ( リスボン ) 2015 年 6 月第 2 回対面会合 ( 福岡 ) 2015 年 12 月第 3 回対面会合 ( ジャクソンビル ) 2016 年 5 月 -6 月 エクスパートによるサイン

Microsoft PowerPoint - 運用 [互換モード]

【PDF】MyJCB利用者規定(セブン銀行用)

<4D F736F F D B835E8BA4974C8EE888F E63294C5816A8F4390B E31322E F4390B394C5816A2E646F63>

治験審査委員会手順書 平成 27 年 10 月 1 日 医療法人新光会

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

品質マニュアル(サンプル)|株式会社ハピネックス

Microsoft Word - 規則11.2版_FSSC22000Ver.4特例.doc

スライド 1

( 別紙 ) 承認申請時の電子データ提出に関する基本的考え方について ( 平成 26 年 6 月 20 日付け薬食審査発 0620 第 6 号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知 ) 新旧対照表 ( 別添 ) 改正後 承認申請時の電子データ提出に関する基本的考え方 1. 承認申請時に電子データ提出を

Microsoft Word 【医学系指針】ガイダンス(溶け込み)

資料1:「生命倫理に関する研究機関における検討について」(赤林先生資料)

シマンテック テスト用CA認証業務運用規程(テストCPS)日本バックエンド

埼玉医科大学倫理委員会

TPT859057

Microsoft Word - アンチ・ドーピング規程(クリーン).docx

未承認の医薬品又は適応の承認要望に関する意見募集について

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

プライバシーポリシー 発効日 :2017 年 12 月 本ポリシーはウルルン河口湖が所有し 運営する に適用されます 本ポリシーは ユーザーが のウェブサイトで提供する個人情報を当施設がどのように

( 様式第 6) 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法に関する書類 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法 計画 現状の別 1. 計画 2. 現状 閲 覧 責 任 者 氏 名 閲 覧 担 当 者 氏 名 閲覧の求めに応じる場所 閲覧の手続の概要 ( 注 ) 既に医療法施行規則第 9 条の

課題名

山形県立中央病院治験審査委員会業務手順書

薬事法等の一部改正に伴う特許法施行令改正に係る事前評価書

<4D F736F F D20819B8CA48B868C7689E68F D A8CA9967B5F E646F63>

Privacy Policy Code of Ethics - JP

Microsoft Word - 2-① 補償ガイドライン平成27年版(本文)Ver3.1.1.do

ISO/TC176/SC2/N1291 品質マネジメントシステム規格国内委員会参考訳 ISO 9001:2015 実施の手引 目次 1.0 序文 2.0 ISO 9001:2015 改訂プロセスの背景 3.0 ユーザグループ 4.0 実施の手引 4.1 一般的な手引 4.2 ユーザグループのための具

医薬品たるコンビネーション製品の不具合報告等に関する Q&A [ 用いた略語 ] 法 : 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年法律第 145 号 ) 施行規則 : 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則 ( 昭和 36 年

CROCO について

日本医科大学付属第二病院治験標準業務手順書

JCROA自主ガイドライン第4版案 GCP監査WG改訂案及び意見

岩手医科大学医学部及び附属病院における人を対象とする医学系研究に係るモニタリング及び監査の実施に関する標準業務手順書 岩手医科大学医学部及び附属病院における 人を対象とする医学系研究に係る モニタリング及び監査の実施に関する標準業務手順書 岩手医科大学 第 1.0 版平成 29 年 10 月 1 日

Microsoft PowerPoint - (140428NIIELS説明会)J-STAGE Lite(仮称)のご紹介_v2.pptx

<4D F736F F D2090BB91A294CC94848CE392B28DB8905C90BF8E9E92F18F6F8F9197DE82A882E682D1928D88D38E968D E48DEC90AC816A

治験実施規程

<93648EA593498B4C985E82C98AD682B782E E838A F E315F C668DDA95AA292E786C7378>

untitled

3. 本事業の詳細 3.1. 運営形態手術 治療に関する情報の登録は, 本事業に参加する施設の診療科でおこなわれます. 登録されたデータは一般社団法人 National Clinical Database ( 以下,NCD) 図 1 参照 がとりまとめます.NCD は下記の学会 専門医制度と連携して

別紙様式 (Ⅴ)-1-3で補足説明している 掲載雑誌は 著者等との間に利益相反による問題が否定できる 最終製品に関する研究レビュー 機能性関与成分に関する研究レビュー ( サプリメント形状の加工食品の場合 ) 摂取量を踏まえた臨床試験で肯定的な結果が得られている ( その他加工食品及び生鮮食品の場合

別添 治験副作用等症例の定期報告に関する質疑応答集 (Q&A) について < 半年ごとの定期報告の受け付け> Q1 平成 26 年 6 月 30 日までの間は 治験依頼者 ( 自ら治験を実施する者を除く ) が提出する副作用等症例の定期報告は なお従前の例によることができる とあるが 平成 26 年

生殖発生毒性試験の実施時期について

Webエムアイカード会員規約

資料2 ゲノム医療をめぐる現状と課題(確定版)

RBMへの取り組みの実際

Microsoft Word - 第14回定例会_平田様_final .doc

最終解析と総括報告書

臨床試験(治験)実施の手続き

社会福祉法人春栄会個人情報保護規程 ( 目的 ) 第 1 条社会福祉法人春栄会 ( 以下 本会 という ) は 基本理念のもと 個人情報の適正な取り扱いに関して 個人情報の保護に関する法律 及びその他の関連法令等を遵守し 個人情報保護に努める ( 利用目的の特定 ) 第 2 条本会が個人情報を取り扱

実地審査チェックリスト (改 0) QA-057_____

静岡県立静岡がんセンター臨床研究事務局の業務手順書

モニタリング計画書・報告書

平成28年度 第1回 臨床研究に関する研修会

Microsoft Word 年度シニア 呼吸器内科 2014.docx

2. 各検討課題に関する論点 (1) 費用対効果評価の活用方法 費用対効果評価の活用方法について これまでの保険給付の考え方等の観点も含め どう考 えるか (2) 対象品目の選定基準 1 費用対効果評価の対象とする品目の範囲 選択基準 医療保険財政への影響度等の観点から 対象となる品目の要件をどう設

しなければならない 2. 乙は プライバシーマーク付与の更新を受けようとするときは プライバシーマーク付与契約 ( 以下 付与契約 という ) 満了の8ヶ月前の日から付与契約満了の4 ヶ月前の日までに 申請書等を甲に提出しなければならない ただし 付与契約満了の4ヶ月前の日までにプライバシーマーク付

07案3団体あて臨床研究法COI通知

3) 適切な薬物療法ができる 4) 支持的関係を確立し 個人精神療法を適切に用い 集団精神療法を学ぶ 5) 心理社会的療法 精神科リハビリテーションを行い 早期に地域に復帰させる方法を学ぶ 10. 気分障害 : 2) 病歴を聴取し 精神症状を把握し 病型の把握 診断 鑑別診断ができる 3) 人格特徴

過去の医薬品等の健康被害から学ぶもの

臨床研究に関する研修会1

る として 平成 20 年 12 月に公表された 規制改革推進のための第 3 次答申 において 医療機器開発の円滑化の観点から 薬事法の適用範囲の明確化を図るためのガイドラインを作成すべきであると提言したところである 今般 薬事法の適用に関する判断の透明性 予見可能性の向上を図るため 臨床研究におい

IAF ID 2:2011 Issue 1 International Accreditation Forum Inc. 国際認定機関フォーラム (IAF) IAF Informative Document ISO/IEC 17021:2006 から ISO/IEC 17021:2011 への マネ

リーダーシップ声明

Transcription:

責任ある臨床試験 ( 治験 ) データ共有の原則 患者と研究者に対するコミットメント バイオ製薬企業は 以下の 原則 に 致する責任ある臨床試験 ( 治験 ) データの共有を通じて 公衆衛 の向上に献 する : 患者プライバシーの保護 国の規制制度の統合性の尊重 物医学研究への投資インセンティブの維持 企業は 社の臨床研究を定期的に公表し 学術研究者と共同研究し また患者募集時 新薬承認後 治験プログラムの中 時には公式ウェブサイト上でその臨床試験 ( 治験 ) 情報を共有する バイオ製薬企業は 共通基準としてこれらの 責任ある臨床試験 ( 治験 ) データ共有の原則 を 主的に採 する また官学等のすべての医学研究者に対し 下記のコミットメントの採 実施を通じ 医学と科学の進歩を促進することを推奨する : 1. 研究者とのデータ共有の強化バイオ製薬企業は 資格要件を満たした科学研究者や医学研究者から要求された場合 正当な研究を実施するために必要な患者レベルの臨床試験 ( 治験 ) データ 研究レベルの臨床試験 ( 治験 ) データ 国 (US) および欧州連合 (EU) で承認された医薬品 適応症に対する治験プロトコル ( 治験実施計画書 ) の共有に取り組む また 研究企画書を受領 検討し それらの科学研究 医学研究に寄与する適切なデータやプロトコルの提供システムを確 する 各企業は 社外の科学者および / または医療専 家を含む科学審査委員会を設置する 科学審査委員会の委員は 企業が該当する臨床試験 ( 治験 ) データの共有を早期に決定している場合を除き データ要求の審査に参加し データ要求者の資格や研究 的の正当性など 下記の基準を満たしているか否かを判定する またデータ要求に関する審査プロセスや社外の委員との既存関係等 科学審査委員会に参加した社外の科学者 医療専 家の 元を公開する 企業は 患者のプライバシー保護の原則に反さない患者レベルのデータ その他の臨床情報へのアクセスを提供する ; 臨床試験 ( 治験 ) への参加に関連して患者が提供したインフォームド コンセントを尊重する 共有する患者レベルのデータはすべて匿名化し 個 の識別が可能となる情報を保護する 個々の患者が再識別される合理的な可能性がある場合は 企業は患者レベルのデータへのアクセスの提供を要求されない また 第三者へのデータ転移を禁じる契約書または同意 書の規定に従うことを条件に

臨床データが収集される場合がある そのような制限によって これらの 原則 に基づいて許可されるアクセスが無効になる場合がある 共同開発契約 その他の法的制限によって特定のデータの共有が阻まれる場合 企業は資格要件を満たした要求者と協 して 共有可能な部分の要約情報を提供する データの要求者は 研究課題の正当性および要求者の適格性を実証する研究企画書の提出を求められる 研究企画書は以下を含み また以下に関して評価される : 調査仮説を含む要求データの説明 ; 提案された研究の根拠 ; 分析計画 ; 出版 掲 計画 ; 提案された研究チームの資格と経験 ; データの競合使 の可能性等 潜在的な利益相反の説明 ; 全研究費の資 源 企業データへのアクセスを許可された研究者は 各々の分析結果の発表が奨励され また期待されている 研究者は 研究企画書に明 されていない関係者への共有データまたは情報の転移 研究企画書に含まれていない 的でのデータの使 または研究被験者の再識別を わないことに同意しなければならない 2. 臨床試験情報への 般アクセスの強化患者や医療専 家の臨床試験 ( 治験 ) 結果や新薬承認のエビデンスに対する理解を促すため 国や EU 域内で新薬あるいは既承認薬に対する新しい適応症が承認された場合 バイオ製薬企業は少なくとも 国 品医薬品局 (FDA) 欧州医薬品庁(EMA) EU 加盟国の所轄官庁に提出した治験総括報告書 (CSR) の概要を公開する 企業は 適切な編集を い患者の個 情報 版権 機密商業情報の保護ニーズに反しない情報を公開する また 企業は患者レベル 研究レベルのデータを含む CSR 全 に対する要求を評価し 前述のコミットメント 1 の条件に従って共有する 企業は 2014 年 1 1 以降に規制当局に提出した CSR の概要を公開する ;CSR の概要は 製品や適応症の承認後 合理的な期間内に公開する 3. 被験者との臨床試験 ( 治験 ) 結果の共有 らが参加した臨床試験 ( 治験 ) について患者に情報を提供し また患者を啓発するため バイオ製薬企業は規制当局と協 して臨床試験 ( 治験 ) 結果の事実要約を提供する仕組みを導 し 研究の被験者が要約を閲覧できるようにする 4. 臨床試験 ( 治験 ) データ共有 順の認証 責任ある臨床試験( 治験 ) データ共有の原則 を遵守する企業は これらデータ共有コミットメントの実施 針および 順を定めた旨を 公開ウェブサイト上で明らかにする 5. 臨床試験 ( 治験 ) 結果の公表に対するコミットメントの再確認企業がスポンサーの臨床試験 ( 治験 ) はすべて その結果が肯定的 否定的であるかに関係なく 学術 献での発表を検討すべきである 少なくとも第 III 相臨床試験 ( 治験 ) の結果や医学的に重要な

臨床試験 ( 治験 ) の結果はすべて出版投稿すべきである またこのコミットメントは 開発プログラムが中 された治験薬にも該当する これらのコミットメントは 2014 年 1 1 より施 する 問答集 Q: バイオ製薬企業が コミットメント 1 にある資格要件を満たした科学研究者や医学研究者と共有するために準備するのは どのような情報か? A: バイオ製薬業界は 資格要件を満たした科学研究者や医学研究者との患者レベルのデータ 研究レベルのデータ 臨床試験設計 プロトコルの共有に取り組んでいる 患者レベルのデータとは 臨床試験中に収集された個々の患者の情報を意味し 以下を含む : 統計学的データ 臨床検査の結果 ベースライン特性 薬物 中濃度 バイオマーカーと薬理遺伝学的データ 発現した有害事象 これらの情報は症例報告書 (CRF) に収集 記載されるか または電 的に取り込まれ 患者レベルの 覧表やデータセットに簡単に整理できるデータベースに される この情報は 国医学研究所 (IOM) がプロセスと称する つまり 書きまたはデジタルの CRF から抽出した臨床試験のデータを 試験本来の治験責任医師やスタッフの監査 照会 直しを経て曖昧さを解消し 最終的に 患者個 データ として 成するというプロセスを経て作成される 1 研究レベルのデータは 臨床試験のアウトカムを解釈する際に使 するために結合 編集 集計 操作 階層化 あるいは研究レベルのデータセットに整理された個 レベルのデータにより構成される 研究レベルのデータとは 主観的分析や解釈を排除した客観的な臨床試験 ( 治験 ) データであり 通常は収集した試験データの 例えば平均 層別化またはパターンなどを した表やグラフ 統計の形で される 治験対象 集団全体またはサブグループ別の患者のベースライン特性 ( 統計学的および疾患関連 ) 患者傾向( すなわち 治験を終了 / 中 した患者数 / 割合 ) 評価項 ( 主要 副次 その他 ) 治験薬の暴露 有害事象 命徴候 実験室およびその他の安全対策を した表はその 例である 臨床試験設計の情報やプロトコルは ある特定の試験をどのように進めるかについて治験責任医師を導く プロトコルは 例えばどの薬剤をいつ投与するのか 何の値を測定するのか その測定値をいつ どのように記録するのか 有害事象にどのように対処し 記録するのかといった指 を治験責任医師に与える Q: コミットメント 2 にある CSR の概要を提供する理由は何か 2? A: 何百万ページにも及ぶこともある規制当局への申請書類のデータ量を考慮し 企業は 国 EU または加盟国の販売承認後の概要の公表に取り組んでいる

概要は 臨床試験 ( 治験 ) の結果や新薬の承認に使 されたエビデンスに関する詳細情報を 患者とその主治医に提供する 概要は CSR の 部であり 承認の 環として FDA や EMA の審査を受ける 研究を迅速化し 科学的理解を深めるため 企業は患者レベル 研究レベルのデータを含む CSR 全体に対する要求を評価し コミットメント 1 の条件に従って共有する 概要の提供に加えて 患者のプライバシーと機密企業情報の保護のために編集された CSR の追加情報を 主的に公開することを選択する企業もある Q: データが再識別される可能性の い患者を対象に実施された臨床試験 ( 治験 ) に関して 患者レベルのデータの利 の可能性を制限する必要があるのは 何故か? A: 資 を提供して医学研究を実施するバイオ製薬企業にとって 臨床試験 ( 治験 ) に参加する患者のプライバシーの保護は極めて重要な義務である 匿名化 された患者レベルのデータであっても 近代的データマイニング技術を使 することによって再識別が可能な場合もある 2 そのため 患者のプライバシーが危険にさらされる合理的な可能性がある場合は 企業は通常 患者レベルの情報の公表を差し控える 希少疾患の患者を対象とした 例えば 25 以下の患者しか含まないような臨床試験 ( 治験 ) など 患者数が少ない場合は 再識別 のリスクが極めて い Q: コミットメント 1 によって企業は 患者レベルのデータやその他の専有情報を競合他社と共有しようとしているのか? A: いいえ 新薬の創薬は く 複雑で コストのかかるプロセスである 2007 年の調査によると 通常 検討した 5,000 10,000 の実験的化合物うち たった 1 つが平均 12 億ドルのコストを要する 10 15 年の研究開発を経て FDA の承認を受ける つまり数少ない成功で無数の失敗を埋め合わなければならない 事実 費やしたコストを回収できるのは 10 の薬剤のうち わずか 2 剤にすぎない バイオ製薬企業は 新薬の創薬に極めて多額の投資をする 社の能 を守ることのできる持続可能な研究エコシステムの構築に取り組んでいる イノベーションのリスクの つは 開発者が った多額の投資への ただ乗り を許す可能性のある企業秘密や専有情報が競合他社に渡ることである そのような環境では 企業は新しい医療技術に対する数 年もかかる投資の能 を育成することはできない 従って 持続可能な研究エコシステムでは 企業は専有情報が競合他社に暴露されることなく 安全に保持されることを確信する必要がある そのためコミットメント 1 では 競合薬の承認取得に利 されかねない患者レベルのデータやその他の機密商業情報は 資格要件を満たした科学研究者や医学研究者のみと共有するよう企業に求めている コミットメント 1 はこれらの懸念を反映したものであり これによって企業は 競合他社のデータ利 の可能性などの利益相反の可能性に照らした臨床情報公開の要望の検討が可能になっている

コミットメント 1 に基づき 企業は提案された研究に科学的 医学的に正当な 的があるか データの要求者と企業との間に利益相反の可能性はないか あるいは競合他社のデータ利 の可能性はないかなど 様々な点を評価する データの要求者が 企業の患者レベルのデータまたはその他の情報を 競合する可能性のある薬剤の承認を得るために利 する意図を持って要求することも想定される 企業は医薬製品の共同開発契約を締結することもあるが これらデータ共有に関する 原則 は 便乗を許したり バイオ製薬研究に投資する企業のインセティブを損なったりすることを意図したものではない 従って コミットメント 1 に基づき 企業が競合他社と専有情報を共有することを拒むことに何ら問題はない Q: 企業は 誰が患者レベルのデータ その他の専有情報の提供を受けられるのかを どのように判断するのか? A: 各企業は 研究企画書やデータを要求する研究者の経歴を検討し 提案された研究が誠実なものであるか否かを判断するシステムを整備する 企業は これらのシステムを個別または中央科学審査委員会と共同で整備することができる 患者のプライバシー保護に対する約因には 研究被験者のインフォームド コンセントや プライバシー許可 ( 例 : 国の HIPAA 法 ) および / またはデータ使 許諾契約書等 その他の法的許可が含まれる 患者に対するコミットメントに関して 共有可能な患者レベルのデータすべてが 個 識別可能情報を保護するための法的要件を遵守して 匿名化 される 企業は 患者個 が再識別される合理的な可能性がある場合 患者レベルのデータへのアクセスを提供しない また 共同開発契約またはその他の法的制限が特定データの共有を妨げる場合 企業は 可能ならば 資格要件を満たした要求者と協 して要約情報を提供する Q: コミットメント 1 に基づき提供されるデータの使 に関して その他に制限はあるか? A: 各企業は 患者のプライバシーを保護し 患者レベルのデータへのアクセスがバイオ製薬研究に対する将来的な投資インセンティブを損なわないことを保証する最善の 法を決定する コミットメント 1 は データの要求者が研究企画書に特定された関係者以外に共有データを転移しない 研究企画書に含まれる 的以外でデータを使 しない 研究への被験者の再識別を試みないことに同意することを求めている また企業は データが 商業 的のみで使 されることを要求する場合がある その他の追加的な条件として 企業の情報システム上のデータのみへのアクセス許可や 規制当局への報告義務がある安全性所 その他の重要な結果を企業に通知することをデータの要求者に要求することなどが含まれる場合がある Q: 患者のプライバシー情報以外で コミットメント 2 によって 般に提供される CSR 情報から除外されるのは どのような情報か? A: バイオ製薬研究に対する将来の投資インセンティブを維持するため 個々の企業は CSR への 般アクセスから以下の情報を除外することを選択する場合がある : 様々なビジネス 法や分析法に関する情報 ; 製造および前臨床情報またはその他の機密商業情報 ; 試験の実施に直接関係のない情報あるいは知的財産権を侵害する可能性のある情報 ; 企業が共有する法的権利を持たない情報 ( 例 :

既存の共同開発契約による ) CSR への 般アクセスから除外される情報は 上記にも関わらず コミットメント 1 の条件に従って資格要件を満たした研究者に公表される場合がある Q: 企業が任意でコミットメントに述べられた臨床試験 ( 治験 ) 情報以外の情報を共有する可能性はあるか? A: はい これらのコミットメントをどのように実施するか 責任あるデータ共有の 般的なコミットメントを越えた共有を うか否かについては 企業が個々に決定する 例えば 企業は患者のプライバシーあるいは機密商業情報を保護するために編集した CSR の本 を 主的に 般公開することを選択する可能性もある 1 Institute of Medicine, Sharing Clinical Research Data: A Workshop Summary 10 (2013). 2 Melissa Gymrek et al., Identifying Personal Genomes by Surname Inference, 339 SCIENCE 6117 321-324 (2013). 2013 年 7 18