Microsoft Word - 24授業実践.docx

Similar documents
この時期の児童は 自己主張が強くなりがちである 友だちと意見がくい違うと 一方的に自分の意見が正しいと信じ込み 相手の立場や気持ちを受け入れようとしない場面が多々ある しかし 時間がたつと冷静に判断でき どうすべきなのかわかるときもある そこで 自分と異なる意見にも耳を傾け 相手の立場や気持ちを認め

意見にも なぜそう考えるのか根拠を示した上で 相手にきちんと伝えることなどを指導してきた 道徳の授業においては 相手の立場や気持ちを考え 広い心で人の過ちを許そうとする心情を育てたいと考え 6 月に お別れ会 2 -( 4 )( 学研 ) を行った 児童は 自分を見つめる場面で 友だちが一緒に遊びに

(3) 資料について本資料は混雑したお店で孫が積んである段ボールを崩してしまい困っているおばあさんの代わりに わたし とその友達の友子が 整理していると 事情の知らない店員に叱られてしまう その後 おばあさんにお礼を言われたが わたし と友子はすっきりしないで帰る 数日後 店員からお詫びの手紙が来た

第 5 学年道徳学習指導案 研究主題 摂津市立鳥飼北小学校 指導者 一人ひとりの力を伸ばし 自尊感情を高め 互いに学び合える授業をめざす 1 正しく読み取る力を育成する 2 自尊感情を高め 道徳性を高める 研究仮説 Ⅰ 国語科の授業を中心に 読む 書く についての取り組みを行うことで 正しく読みとる

4 研究主題との関連 自分を見つめ 友達の思いを大切にする子供の育成 道徳授業の充実を通して 研究主題に迫るために 4 年生では子供たちの目指すべき児童像を 自分の思いを見つめる子 友達の思いに気付く子とした また 目指すべき具体的な児童像を 資料の世界観に浸り 登場人物に自分を重ねながら登場人物の

Taro-6年HP

(3) 教材について本教材は ピアノの稽古に一緒に行く約束をしたよし子とえり子の話である それぞれの思いで行動した結果 心がすれ違ってしまう どう考えて行動すればよかったのか 同じ出来事を二人がそれぞれの立場から書いた日記でそれぞれの思いを知ることができる そこで 本時では よし子の日記を読んで話し

2年生学級活動(性に関する指導)指導案

Microsoft Word - 24授業実践.docx

<4D F736F F D E A96E291E889F08C C88A778F4B2E646F6378>

平成27年度 小・中道徳教育 研究の実際2

生徒自身, 思いやりをもった行動ができたと感じていても, 相手の立場に立った行動になっていないこともあるこのキャストの心情を考えることで, 相手の気持ちや立場に共感し, 相手のことを考えた上でキャストがとった思いやりある行動, 親切な行為を学ばせたい (4) 生徒の実態と関わらせた指導の方策 ( 指

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

第 3 学年道徳学習指導案 1 主題名どうすることが正しいか 1-(3) 勇気 平成 27 年 9 月 11 日 ( 金 ) 第 3 学年 2 組 34 名 授業者久米亨 2 資料名 思いきって言ったらどうなるの? ( 出典 : 光文書院 ) 3 主題設定の理由 (1) ねらいとする価値について中学

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

道徳学習指導案

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

7 月の 人の心にふれて では, 人に素直に親切にできた経験をふり返る ぼく の気持ちを考えることを通して, だれに対しても相手の立場に立って温かな心で接していこうとする心情を育てることをねらいとして取り組んだ 授業後には, 親切にしたいと心では思っていても行動に移すのは難しい でも思っているだけで

(2) 指導の実際 1 話すこと 聞くこと の実践ア協働による教材研究の柱 モデルの提示について対話のためのスキルの定着や対話の深まりを目指し, 教師や代表グループによる対話のモデルを提示し, 気付いたことや発見したことを基に自分たちの対話や話合いの様子を振り返らせ, 学びの充実を図るようにする 共

第 2 学年道徳学習指導案 平成 27 年 6 月 12 日 ( 金 ) 第 2 学年 2 組 34 名授業者川田聡子 1 主題名友達と助け合う心 2-(3) 信頼 友情 助け合い 2 資料名 森のともだち ( 出典 : 東京書籍 みんなたのしく ) 3 主題設定の理由 (1) ねらいとする価値につ

<4D F736F F D E817592AC82BD82F182AF82F181762E646F63>

< F2D8FAC90BC E AB290FC82C581768E77>

平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

道徳の時間学習指導案 指導者 T1 長手英克 T2 浜井綾子 1 学年第 4 学年 15 名 2 主題名本当の友達 B 友情, 信頼 3 ねらいなつみに逆上がりを教えようと思うようになったてつおの気持ちを考えることを通して, 友達には自分とは違ったよさがあり, それぞれが力を発揮すると一人ではできな

道徳学習指導案

座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

第1学年5組 道徳学習指導案

< F2D95F18D908F FE393632E6A7464>

3 指導方針 本主題は, 愛校心である 自分たちの学校のためにできることをしたい 自分たちの学校をよりよくしていきたい という気持ちを育てることや, よりよい玉諸小学校にするために自分たちに何ができるか ということを考えさせ, そのような態度を育てることが大切である 導入では, これまでの学校行事を

とができる児童が増えてきている 総合的な学習の時間の 私たちにできることは何だろう では 調べ学習や実際の車いす体験の学習を通して 相手の気持ちを考えて親切な行動をすることの大切さを学んできている 一方で 仲の良い友達には親切にできるが そうでない友達には同じように親切にできない児童がいる また 困

3 第 3 学年及び第 4 学年の評価規準 集団活動や生活への関心 意欲態度 集団の一員としての思考 判断 実践 学級の生活上の問題に関心 楽しい学級をつくるために を持ち 他の児童と協力して意 話し合い 自己の役割や集団と 欲的に集団活動に取り組もう してよりよい方法について考 としている え 判

5 児童の実態と主題に迫るための手だて (1) 児童の実態本学級の児童は明るく 男女の仲もよい いろいろな場面で声を掛け合ったり 仕事を手伝ったりできる児童も多い 話し合い活動では 友達の意見のいいところを取り上げて考えをまとめることができたり 人の意見を聞いて自分の考えを変えることができたりする児

第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

案3                            ⑤なかまの誘い方(小学校低学年)

う来なかった 翌々日の月曜日 あきらは じゅんに いいよ と返事をもらったのに どうしてこなかったのか と詰め寄った それに対して じゅんからは いいよ って 断ったじゃないか という返事が返ってきた という内容である ここでは 文字だけで思いを伝える難しさと 相手の立場をよく考えて情報を発信する大

解答類型

内容 児童 経験したことや調べたことから選んで話す 内容 ( 考え ) を分かりやすく話す はっきりした発音で声の大きさを考えて話す 丁寧な言葉を使って話す 相手の顔を見ながら話す 大事なこと

2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる

道徳科の授業を構成する手立て 1 教育課程編成の一般方針道徳教育は, 学校や児童生徒の実態などを踏まえ設定した目標を達成するために, あらゆる教育活動を通じて, 適切に行われなくてはならない その中で, 道徳科は, 各活動における道徳教育の要として, それらを補ったり, 深めたり, 相互の関連を考え

「埼玉発世界行き」高校生留学奨学金交付要綱

な考えをもつ人がいるので 相手の言葉の裏側にある思いを知り 相手への理解を深め 自分も更に相手からの理解が得られるように意見を伝えることについて考えさせる 最後に これからはどのように互いに理解し合っていきたいかについて 自分なりに考えることができるようにしていきたい (2) 児童について本学級のつ

<小学校 生活科>

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

<4D F736F F D C91CC8CB C88A778F4B8EC091488E9697E A AC97A782B982E782D082AA82B58FAC8A778D5A816A2E646F6378>

<4D F736F F D AAE90AC94C5817A E7793B188C481698D5D E7397A791E58A A778D5A814094F68FE3816A2E646F63>

3 各エキスパートグループを解体し 一人ずつ組み合わせて新たなグループを作り 意見を統合し問いに対する新たな答えを出す ( ジグソー活動 ) 4 最後に 各ジグソーグループで考えた自分達の答えを全体で交換し合い 一人一人が 様々な答えから自分で最も納得のいく 言い方 表現 を拾って 納得できる答えを

0630指導案A1

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

<4D F736F F D20819A82B982E782D082AA82B58FAC8A778D5A2E646F6378>

6 年 No.8 You can see Daibutsu! 1/7 単元の目標 主な言語材料 できることを紹介する表現や感情を表す表現が分かる 修学旅行でできることについて具体物などを見せながら伝え合う 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現で書かれたものの意味が分かり できることについ

7 学習指導過程 段階 導入 学習活動 1 友達との絆 について考える 2 教材 心のレシーブ の範読を聞いて話し合う 主な発問と予想される児童の心の動き 友達との絆 を深めるためには何が大切だと思いますか 困っていたら助けること 一緒に遊ぶこと 仲良くすること チーム分けの時, どこかやる気のない

H26関ブロ美術プレ大会学習指導案(完成版)

6 年 No.22 my summer vacation. 1/8 単元の目標 主な言語材料 過去の表し方に気付く 夏休みの思い出について, 楽しかったことなどを伝え合う 夏休みの思い出について, 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現で書かれたものの意味が分かり, 他者に伝えるなどの目的

から 自分はよいと思っていても, 相手は迷惑がっているかもしれないから 自分がいらいらしている時などは思いやりを忘れてしまうから 相手のことを思っても, どうしたらよいか分からないことがあるから などがあったこれらの結果から, 多くの児童が思いやりの心で人に接することは大切であるが, 相手との人間関

深く考えさせるために ロベーヌの感じ方や考え方をとらえさせ その変化に気付かせる また 経済的援助という親切な行動だけでなく 心からロベーヌを気遣うジョルジュの温かな心遣いや言動に注目させ そのことが相手の立場を考えた真心からの親切な行為であることに気付かせたい さらに 真に相手に対する思いやりの心

第 3 学年道徳学習指導案 1 日時平成 28 年 7 月 1 日 ( 金 ) 公開授業 1 第 1 校時 指導者教諭千葉哲朗 2 学級盛岡市立上田中学校 3 年 1 組男子 20 名女子 16 名計 36 名南校舎 2 階 3 年 1 組教室 3 主題自己を見つめ, 自己の向上を図る 個性の伸長

具体的な場面を設定し 実際に整理 整頓の計画を立てることで 実生活に繋げていくことができる よう指導していきたい また 第 3 次には環境とのかかわりについても押さえ 広い視野で考えられ るようにしていきたい 3 題材の目標 身の回りの整理 整頓に関心をもち 気持ちよく過ごそうとする 家庭生活への関

Microsoft Word - 6年国語「パネルディスカッションをしよう」

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

中学校第 3 学年国語科学習指導案 日時平成 28 年 月 日第 校時対象第 3 学年 組学校名 中学校授業者 1 教材名 故郷 2 単元の目標 情景や人物を描写する語句や表現を読み取り 内容への理解を深めることができる 作品を通して 社会の中での人間の生き方について考え 自分の意見をもつことができ

Taro-10月22日道徳指導案.jtd

< 心の中でおうえんしながらそっと見守ったぼく > ぼくの状況 家に用事があったけれど じっとおばあさんを見ていた < 最初に声をかけたぼく > ぼくの状況 お母さんのお手伝いをする約束を果たすため 下校を急いでいた おばあさんの状況 不自由な足を一生懸命動かして坂を上っている この間より足どりが重

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

< F2D8FAC93C18A C28E528FAC81458E4F9E8A816A2E6A>


国語科学習指導案様式(案)

3 本時のねらい 相手の立場を理解し 思いやりの心をもって温かく見守ろうとする心情を育てる 4 他の教育活動との関連 事前指導 ( 日常の指導 ) 当番係活動 仲間と協力して果たせるようにして 全員で取り組むことを大切にしてきた (5 月学校行事 ) 運動会 表現運動や応援合戦など 力を合わせて競技

(3) 指導について本単元のねらいは 体の発育 発達について その一般的な現象や思春期の体の変化などについて理解できるようにすること 体をより良く発育 発達させるための生活のしかたについて理解できるようにすること である そのねらいを達成するため 児童が学習に興味 関心をもち 意欲的に取り組むことが

< F2D87408E7793B188C C993A190E690B6816A2E6A7464>

2、協同的探究学習について

第 3 4 学年 ( 複式学級 ) 学級活動指導案 平成 26 年 6 月 11 日 ( 水 ) 第 5 校時指導者教諭 ( 学級担任 ) 養護教諭 1 題材 バランスよく食べよう ( 第 3 学年及び第 4 学年 (2) 日常の生活や学習への適応及び健康安全キ食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい

道徳学習指導案

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

<4D F736F F D F18CBE A D8D DC58F49816A39382E646F63>

指導に当たっては, 作品に対する解釈は開かれていることから, 子供たちがそこから何を感じどのように考えたか, 子供の思いを大切にしたい そのために, 子供が自分の感じたことを進んで話したり, 友達の思いに興味を持って聞いたりできるような雰囲気づくりに努めることが大切である 自分と異なった捉え方や感じ

Microsoft Word - t2gika1.doc

群教セ I01-08 平 集 特 情緒障害 中学校自閉症 情緒障害特別支援学級における人と関わる意識を高める支援の工夫 自己肯定感を高めるための振り返りと ソーシャルスキルトレーニングを通して 特別研修員田子賢一 Ⅰ 研究テーマ設定の理由 自閉症 情緒障害特別支援学級の生徒は 社会生活

授業の構成要素 学び合う授業で育つ 3 つの力 資料 2 基礎 基本の力知識 理解 技能 問題解決力思考力 判断力 表現力 想像力 学ぼうとする力学習意欲 自己有用感 身に付けた知識 技能を活用したり その成果を踏まえた探究活動を行う中で学び合う授業を展開する 教師の役割 < 問題提示の工夫 > 多

中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

いとする価値 生命の尊さ と自己の生き方との関わりについて, さらに考えを深める時間としたい これは, 内容項目 生命の尊さを知り, 生命あるものを大切にすること に関する学習を道徳の時間を要にし, 関連する各教科 領域または日常生活と組み合わせて作成したものである 導入では, 生命に関する価値を確

道徳学習指導案

まったり お互いに流されてしまい ルールを守れないこともある 修学旅行を控えたこの時期に 法やきまりの遵守 について学習し きまりの意義や守る意味を学習させることは 集団生活の中でルールを守る大切さに気付かせ 修学旅行でのルール決定などに対して意欲的に臨ませる事につながると考える (3) 資料の特質

Taro-12事例08.jtd

4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

自己紹介をしよう

<4D F736F F D B993BF8BB388E782C98AD682B782E98D5A93E08CA48F432E646F63>

道徳学習指導案

総合第 3 学年福山市立千年小学校指導者山本康子 単元名 何もないとは言わせない!~ 千年の町のじまんをしよう ~ 本単元で育成する資質 能力 表現力主体性 積極性 思いやり自らへの自信 1 年間指導計画 月 千年の町をじまんしよう (70 時間 )

5. 単元について本単元は,2 年生 1 学期に学習した ともこさんはどこかな から引き続いての 話す 聞く の学習である ともこさんはどこかな では, 大事なことを落とさずに話したり聞いたりできるようにすることをねらいとして学習してきた 本単元では, これに加えて互いの話をしっかり聞いてやり取りを

Microsoft Word - 小学校第6学年国語科「鳥獣戯画を読む」

あなたの立場とわたしの気持ち

第 3 学年社会科学習指導案 1 小単元名 わたしたちのまちのようす 平成 24 年 6 月 27 日 ( 水 ) 第 3 学年 2 組 3 3 名指導者 : 今橋美都 2 単元について本単元は学習指導要領の第 3 学年及び第 4 学年の内容 (1) アの内容に基づいている (1) 自分たちの住んで

(3) 計画 学習課題学習内容時間 変わり方のようすをわかりやすく表すにはどうしたらよいか考えよう変わり方が大きいか小さいかを調べるにはグラフのどこに目をつけるとよいのだろう 2つの折れ線グラフからどんなことが分かるだろう折れ線グラフをかこう 変わり方を分かりやすく表す工夫 折れ線グラフの縦軸と横軸

自立活動学習指導案 難聴通級指導教室 ( たいよう教室 )1 人 (6 年男子 1 人 ) 指導者清藤大嗣 1 活動名場に合わせた言い方 ( 人間関係の形成 : コミュニケーション ) 2 活動の目標 言葉には, 相手の立場や周りの状況に合わせた使い方があることを理解し, 大切なポイント ( 言葉の

また 情報の作り手としての活動も学習に組み込まれている 放送局は情報の作り手として 考えたことや伝えたいことなどから話題を集め 収集した知識や情報を関連付け 目的や意図に応じて 事柄が明確に伝わるように話の構成を工夫している これは 学習指導要領に示されている 話すこと 聞くこと の話すこと内容と同

< F31322D C8E825693FA8A778F4B8E7793B188C42E6A7464>

< F2D93B993BF8BB388E78E7793B18E9197BF826D826E82558CB48D65>

1 対象児童 省略 2 児童の実態 省略 発達障害 情緒障害通級指導教室自立活動学習指導案 コミュニケーションに課題のある児童の指導 平成 30 年 11 月 6 日 ( 火 ) 第 5 校時 3 指導観これまでに通級指導教室では 落ち着いた環境の中で 精神的安定を図り 本来持っている能力を発揮し

<ICTの活用 > 第 3 時でデジタルカメラを使い子ども達の制作途中の作品を撮影し, 大型テレビを活用して提示する 道具の使い方の工夫を分かりやすく示したり, 作品の面白さを紹介したりすることで 自分の作品にも取り入れてみたい という活動への意欲付けになると考える 2 題材の目標 粘土を切ったりけ

きるか, 必要なものを取捨選択したり, 試したり見立てたり工夫したりしながら, 自分が選んだおもちゃや楽器をつくる できたおもちゃや楽器を交流し, 友達とアドバイスしあいながら, 改良したり, 遊び方を工夫したりして, よいものにしようとする おもちゃフェスティバルを開き実際に遊び, みんなが楽しく

Transcription:

第 5 学年道徳学習指導案 第 5 学年 2 組 22 名指導者安藤淳一 1 主題名相手の立場になって (2-(4) 寛容 謙虚 ) 2 資料名 すれちがい 3 主題設定の理由 (1) ねらいとする価値人は自分の価値基準 行動規範と異なる言動に出合ったとき 怒ったり非難したりしてしまうことが多い 相手がなぜそのような言動をとったのか考えられず 自分の立場や利害だけで判断や行動をしがちである しかし それでは温かく深まりのある人間関係を築くことはできない 相手の心情を考え 利害による判断や安易な妥協を越えて 広い心で相手の立場を認めることが大切である また 自分も過ちを犯すことがあると自覚し 相手の心情や立場を考え 広い心で接する必要がある (2) 児童の実態について高学年になると 児童は他人を大切にすることの必要性を感じてはいるが 自分と異なった言動を受け入れられないことがある 本学級も例外ではなく 明るく素直で気の優しい面があるものの自分の利害がからんでくると 自分を正当化したり安易な妥協をしたりする場面がみられる 休み時間の遊びにおいても 自分の言い分を通そうとするあまり 友達の気持ちを聞かずにトラブルになることがある そこで自分の気持ちだけではなく 相手の立場や気持ちがあると気付き それを受け入れようとする心を育てたい (3) 資料について本資料は 普段児童たちが生活している中で起こりうる事柄であり 児童たち自身が身近な問題としてとらえることができると考える まずは よし子とえり子の二人の日記からそれぞれの気持ちに共感させたい 次に 二人の気持ちがすれちがわないための解決策を考えることで 相手の立場を考える大切さに気付かせたい よりよい人間関係を築くためには その場の自分の感情に左右されず 相手の事情に耳を傾けたり自分の思いを素直に伝えたりすることが大切だということを考えさせたい 4 研究主題との関連 1 資料提示の工夫学級を二つのグループに分け 半分の児童にはよし子のみの作文 もう半分の児童にはえり子のみの作文を配布する 一方の事情しか知らないことで それぞれの気持ちに共感できるようにする 2 展開の工夫前半児童がそれぞれの人物になりきって役割演技をする意見交換によって 相手の事情が分からないと自分本位に考えてしまうことに気付かせる 後半教師が相手役になり 役割演技をすることによって 自分の気持ちだけではなく 相手の立場や気持ちを考えることが大切だと気付かせる

学習活動 ( 主な発問 と予想される反応 ) 指導上の留意点 評価 導入展開前段開後段終末5 本時の学習 (1) 本時のねらい物事を自分本位な見方でとらえてしまいがちであることに気付き 広い心で相手の立場を考え 自分と異なる意見や考えを大切にしようとする気持ちを育てる (2) 本時の展開 1 普段の生活で 誤解されてけんかになってしまったことについて発表する 友達に誤解されてけんかになってしまった時 どんな気持ちでしたか 2 資料 よし子の日記 えり子の日記 を読んで話し合う よし子とえり子はお互いに怒っているのはどんな気持ちからでしょう お互いに言いたいことを言い合いましょう ( よし子 ) 電話ぐらいしてくれてもいいのに もう えり子さんとはあまりつきあいたくない ( えり子 ) 理由くらい聞いてくれてもいいのに 謝ったのに何で許してくれないの 日常的によくある身近な問題であることを気付かせ ねらいとする価値への方向付けを図る 児童を二つの教室に分け それぞれの日記の範読を聞く それぞれの立場になりきって役割演技させる ( 両者の事情について担任が説明するのを聞く ) 板書により どのような経緯でけんかになってしまったか十分理解させる 3 二人へのアドバイスを考える すれちがってしまった二人にアドバイスをするなら何と言いますか よし子はえり子の話を聞いてあげればよかったね 相手の言い分も聞いてあげればいいね 自分の気持ちばっかり押し付けないで 相手の気持ちも考えなよ 教師と役割演技をすることにより 二人に足りなかった点を深く考えさせる 自分の気持ちだけでなく 相手の立場を考えることの大切さに気づいている ( ワークシート 発言 ) 展4 自分や自分のまわりの生活を振り返る あなたはやわらかい心や広い心をもっていますか また あなたのまわりでやわらかい心で接している人はいますか 相手のことを考えないで怒ってしまった事があるな 寛容 謙虚な心情面にスポットをあてるようにし 心の中で思い起こすことができるように 時間を確保する 5 教師の話を聞く 相田みつをの詩 セトモノと を読む 本時で学んだことが 詩を通して児童の心にしみ入ることをねらいとする

研究協議会 (1) 自評事前のアンケートで もめごとが解決した後でも全員が納得することはありえない と考える児童が複数名いた 研究主題である よりよい人間関係を築いていく力の育成 をするためにも 話し合いによってもめごとが解決に向かうということを体験させていくことが必要であると考えた そのために様々な場面を設定して話し合い 解決していく場面を作ってきた 今回使用した題材は 児童に一方の状況しか分からない状態を意図的に作ることができる題材である この点を活用し 一方のみの資料を与え 登場人物の気持ちにより入りこみやすい状況をつくった さらに役割演技をさせることにより 児童が二人の言い分にかみ合わない点があることに気付かせることができた 中盤に登場する教員と児童の役割演技の部分では 児童の声を十分に生かすことができなかったので 児童の考えをより深く追及するための発問や方法を練っていくことが必要であると感じた (2) 協議 < 視点 1> 教師が相手役になり 役割演技をすることは ねらいとする価値に迫るために有効であったか 方法は有効であったが 児童にねらいとする価値を考えさせるのには弱かった 児童が一人よがりな考えに気付き どうすればよかったのかを考えさせることをねらいとしていた しかし 教師の返答が一つに偏ってしまった 児童の多様な考えをより引き出すために教師が複数の返答を用意しておく必要があった < 視点 2> 自分自身を振り返るだけでなく 周りの人の行動にも目を向けさせたことは より深く自己を見つめ直すことに有効であったか 今まで行ってきた授業では 自分のことを振り返ることが多かった 今回は自分だけでなく 周りの人の考えや行動を振り返ることにより 自分自身と比較をしてより深く自己を見つめ直すことができると考え行った 児童が気付いた周りの人の考えや行動を全体で共有できるように発表させることができればよかった 有効であったと考えられるが 時間が足りなかったので 自分や周りを見つめる時間をもっと十分にとれるとよかった 友達にしてもらって嬉しかったことなどをもっと発表させる時間があるとよかった 模範となる友人の行動を振り返ることによって 自分自身も友人と同じように行動できるようになりたいと考え 明日からの自分に希望をもてるようにするとよい (3) 講師講評講師東京家政学院大学教授長谷徹先生 < 授業について > 本日の授業の展開の仕方は良かった その展開の仕方は一つのチャレンジであり 研究授業で挑戦したことに意義がある 授業の流れを変える必要はないが 構造を見直す必要があった 高学年の児童は 心の揺れや葛藤が出てくる時期であるので その思いを児童が語れるよう 内容を十分に理解させる必要がある そのために それぞれの部屋に分かれた時に 内容理解までをさせておく方が良かった 内容理解を十分にし 集団対集団の役割演技でそれぞれの立場の理解ができていれば さらに活発な意見の交換ができたであろう 内容理解の方法が課題であった ワークシートを使って 周りの人に目をむけさせる活動は良かった このことは 児童が これから自分はどうしていこうか と考えるきっかけとなった それは 1 ねらいとする道徳的価値に気付く 2 自分の生活との関わりを考える 3 自分なりの課題 夢 希望をもたせる ことにつながっていく

< 講義 > 道徳に大切なことは 多様な価値観と出会うこと である そして 広い心 とは 多様な価値観を自分の中に取り入れられることである そのためには 相手の事情や背景を理解しようとすることが大切である 今回の授業で言うと どうして来なかったのかな 何があったんだろうな 何で怒っているんだろう など 相手の背景をここまで理解することが大切なのである さらに 広い心 とは むやみに相手の考えを受け入れるのではなく 相手の立場を考えた上で受け入れられる心である つまり 広い心 とは 許容 寛容 受容 を包括したものと考えて良い 道徳的実践力 = 道徳性 その要素は順番に 心情 判断 意欲 態度 である 今日の授業の展開 3 の自分の振り返りの場面では道徳的判断力を育てるためのものだった だから ねらいは心情を育てることではなく 自分と異なる意見や考えを受け入れることの大切さを知る が本時のねらいでよかった 成果と課題 (1) 成果 各児童の課題を教師が把握するよう努め 学級の実態に応じためあてをたてたり 資料を選択したりしたことで 目指そうとする心情を育てることができた 年間を通して話し合いの練習をし 話し合いの機会を多く設定したことで 友達の考え方との違いに気付かせることができた 自分の意見をしっかりと聞いてもらえるという経験を積み重ねてきたことで 友達の意見を尊重するようになってきた 以前の自分と比較させることで 成長を実感させやすくなった 肯定的な言葉のかけ方や 多様な考え方があってよいのだということを繰り返し指導してきたことで 自分の意見を素直に言い合える環境や関係が育ってきた (2) 課題 高学年として自分を振り返るとともに 友達はどうだろう と周囲に目を向けさせるのが難しかった 心情 判断 の段階から 意欲 態度 にしていくためには 繰り返しの指導が必要である 高学年の資料の内容をよく吟味し ねらいに合ったものを選択できるようにしていく

Ⅲ 研究の成果と課題 (1) 成果 児童が自分自身を見つめる場を設定し 以前の自分と比較できるようにしたことで 自分の成長を実感したり 目指す自己の姿を思い描いたりできるようになった 役割演技や動作化を工夫したことで 相手の気持ちを自分のこととして考えることや 考えをより深めることができた 道徳やその他の時間にも話し方や聞き方を重点的に指導したことで 自分の意見を素直に表現し また相手の意見を受け止める環境が整ってきた 児童にとって 身近に感じられる資料を精選したため ねらいについてより深く考えさせることができた 全校で取り組んだあいさつ運動を通して よいことをすると自分も相手も気持ちが良い ということを実感し 進んであいさつをする児童が増えた 話し合いの場を設定し お互いの考えを伝え合う大切さを実感させたことで 道徳の授業でも 他の場面でも話し合って問題を解決しようとする意識が育ってきた 相手の気持ちを考えた言葉のかけ方を意識させることで 友達に対して優しい言葉づかいができるようになってきた (2) 課題 自分の考えや思いを伝えられる児童は増えたが 相手の気持ちを聞いて 受け入れる段階まで進めない児童がいる その児童が自分の思いを受け止めてもらっていると感じられる環境づくりや継続した指導が必要である 道徳的な心情から判断力 そして意欲 態度の形成へとつなげていくためには 繰り返しの指導が必要である ねらいとする価値と 資料が合っているか十分吟味したり 資料提示の仕方をさらに改善 工夫したりする必要がある 個々の課題を児童自身や教師が把握していけるような工夫が必要である