第2回税制調査会 総2-2

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第6回税制調査会 総6-3

第13回税制調査会 総務省説明資料(個人住民税)

個人市民税 控除・税率等の変遷【市民税課】

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平成19年度税制改正.xls

平成19年度分から

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

平成19年度市民税のしおり

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

Microsoft Word - 個人住民税について(2018~2022)

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1 見直しの視点 個人住民税の諸控除 住民税の所得控除については 控除項目 金額ともに所得税の範囲内としてきたところであり 所得税において成年扶養控除 配偶者控除を見直す場合には 住民税についても同様の検討が必要ではないか 所得税の給与所得控除や退職所得金額の計算方法の見直しは 住民税には原則 自動

Microsoft Word - 個人住民税について

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

第23回税制調査会 総23-2

1 個人住民税の見直しの方向性 ( その 1) 論点 1 住民税の所得控除については 控除項目 金額ともに所得税の範囲内としてきたところであり 所得税にお いて成年扶養控除 配偶者控除を見直す場合には 税体系上の整合性の観点等から 住民税についても同 様に見直すこととしてはどうか 所得税の給与所得控

所得控除 雑損控除 医療費控除 社会保険料控除等 旧生命保険料控除 旧個人年金保険料控除 ( 実質損失額 - 総所得金額等の合計額 10%) 又は ( 災害関連支出の金額 -5 万円 ) のうち いずれか多い方の金額医療費の実質負担額 -(10 万円と総所得金額等の 5% のいずれか低い金額 ) 限

個人住民税の諸控除の見直し 住民税の諸控除については 今後の所得税における控除整理も踏まえ 控除のあり方について検 討を進めます (H22 年度税制改正大綱 ) との方針を踏まえるとともに 地域社会の会費 という住民税 の基本的性格や地域主権改革の観点も勘案し 以下のとおり見直してはどうか 住民税の

第2回基礎問題小委員会 礎1-2

給与の所得金額の算出速算表 収入金額 給与所得の金額 0 ~ 650, ,000 ~ 1,618,999 収入金額 -650,000 1,619,000 ~ 1,619, ,000 1,620,000 ~ 1,621, ,000 1,622,000 ~ 1,6

MR通信H22年1月号

平成 31 年度 ( 平成 30 年分 ) 所得控除 雑損控除 納税義務者又はその者と生計同一の配偶者 その他親族が有する資産について 災害 盗難 横領によ る住宅 家財 現金の損害一定額 控除計算 A B いずれか多い方の金額 A:( 損失額 - 保険金等による補てん額 )-( 総所得金額等の合計

第2回税制調査会 総2-1

第1回基礎問題小委員会  礎1-6

第22回税制調査会 総22-2

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

< 所得控除の詳細 > 1 所得控除額計算一覧表 控除名 控除の詳細 控除額町県民税 控除額 参考 所得税 次の イ と ロ のい 次の イ と ロ のい ずれか多い方の金額 ずれか多い方の金額 災害や盗難等により 本人や本 イ ( 損害金額 - 保険 イ ( 損害金額 - 保険 雑損控除 人と同一

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妙高市 税に関するWEBページ

PowerPoint プレゼンテーション


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妙高市 税に関するWEBページ

平成13年度 住民税のしおり



第5回基礎問題小委員会 礎5-4

住民税 所得税の税率国から地方への税源移譲に伴い 平成 19 年度から住民税所得割の税率が 10% に統一され 所得税の税率が 4 段階から 7 段階の累進税率に改正されています 住民税については平成 19 年度分 ( 平成 19 年 6 月納付分 ) 所得税については平成 19 年分 ( 平成 1

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賦課の根拠となった法律及び条例(その2)

Q1 市県民税 ( 住民税 ) とはどんな税金ですか? A1 その年の1 月 1 日現在 市内に住所がある個人に対し 前年中の所得 ( 給与 年金 営業 不動産 譲渡などの所得 ) に応じて課税されます また その年の1 月 1 日現在市内に住所がなくても 市内に事務所 事業所又は家屋敷があれば課税

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

市 県民税 ( 住民税 ) 市民税は 県民税と合わせて住民税と呼ばれ 住民のみなさんがそれぞれの税の負担能力に応じて分担し合うという性格をもつ税金で 個人が負担する個人市民税と 会社などが負担する法人市民税があります 市民税には 均等の額によって納めていただく均等割と 個人の所得に応じて納めていただ

市県民税所得課税証明書から年間所得金額を見る場合 平成 年度 ( 平成 年分 ) 市県民税所得課税証明書 住所 羽生市 134 番地 1 氏名 羽生田羽生子 所得の区分 所得金額 所得の区分 所得金額 総所得金額 330,000 所得控除金額 1,500,000 合計所得金額 330,000 課税標

第 11 表の 1 平成 25 年度個人の市町村民税の納税義務者等に関する調 所得割のみを納める者 納税義務者 ( 人 ) 所得割額 ( 千円 ) 給与所得者営業等所得者農業所得者その他の所得者給与所得者営業等所得者農業所得者その他の所得者 1 下 関 市

[ 特別控除の一覧 ] 控除の内容 特定扶養親族控除 ( 税法上の扶養親族で満 16 才以上 23 才未満の扶養親族 ) 老人扶養親族 配偶者控除 ( 税法上の扶養親族で満 70 才以上の扶養親族 ) 控除額 1 人につき 250,000 1 人につき 100,000 障がい者控除寡婦 ( 夫 )

平成13年度 住民税のしおり

資料5 表紙

はしがき 配偶者控除 と 配偶者特別控除 は 昭和 36 年と昭和 62 年の税制改正で導入された歴史ある制度です ここ数年 配偶者控除の改正について様々な議論が行われてきましたが 平成 29 年度税制改正において 就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築する観点から配偶者控除と配偶者特別控除の見直し

計算してみましょう あなたの個人住民税はいくらになりますか? 高知市に住む T さんの場合 ( サラリーマン ) 家 族 妻 ( パートタイム労働者 収入 120 万円 : 所得 =120 万円 -65 万円 =55 万円 ) 子 人大学生 中学生 収 入 万円 社会保険料 万円 新生命保険料 万円

2. 改正の趣旨 背景の等控除は 給与所得控除とは異なり収入が増加しても控除額に上限はなく 年金以外の所得がいくら高くても年金のみで暮らす者と同じ額の控除が受けられるなど 高所得の年金所得者にとって手厚い仕組みとなっている また に係る税制について諸外国は 基本的に 拠出段階 給付段階のいずれかで課

平成28年度 いばらき県税ガイドブック

給与所得控除 給与収入の金額 控 除 額 162 万 5,000 円以下 65 万円 162 万 5,000 円超 180 万円以下 収入金額 40% 180 万円超 360 万円以下 収入金額 30% + 18 万円 360 万円超 660 万円以下 収入金額 20% + 54 万円 660 万円

あなたと生計を一にする配偶者やその他の親族が受け取る公的年金等から引き落とされている国民健康保険 料 後期高齢者医療保険料 介護保険料はあなたの控除の対象とはなりませんので御注意ください 5 生命保険料控除 地震保険料控除 について それぞれ該当する欄に昨年中に支払った金額を記入し 以下の計算方法に

PowerPoint プレゼンテーション

給与所得控除 給与収入の金額控除額 162 万 5,000 円以下 65 万円 162 万 5,000 円超 180 万円以下収入金額 40% 180 万円超 360 万円以下収入金額 30% + 18 万円 360 万円超 660 万円以下収入金額 20% + 54 万円 660 万円超 1,00

平成 28 年度市民税 県民税申告の手引き 申告書を提出しなければならない人平成 28 年 1 月 1 日現在 幸手市内に住所を有する人 (1 月 2 日以降に幸手市に転入した人は従前の住所地で申告を行ってください ) ただし 次に該当する人は この申告をする必要はありません 1 平成 27 年分の

をしていないもの と読み替えた場合に同号イに該当する所得割の納税義務者又は同項第 12 号中 妻と死別し 若しくは妻と離婚した後婚姻をしていない者又は妻の生死の明らかでない者で政令で定めるもの とあるのを 婚姻によらないで父となった男子であって 現に婚姻をしていないもの と読み替えた場合に同号に該当

町・県民税は次のように計算されます

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特別障害者控除同居特別障害者寡婦控除特別寡婦控除寡夫控除 障害者控除に該当する場合のうち 障害の程度が身体障害者手帳 1 級または2 級の方や療育手帳 AまたはAの場合 また精神障害者手帳 1 級の場合等 納税者の配偶者その他の親族 ( 扶養親族や配偶者控除を受ける配偶者に限る ) が特別障害者でか

Ⅰ 年の中途で行う年末調整の対象となる人 年末調整は 原則として給与の支払者に 給与所得者の扶養控除等 ( 異動 ) 申告書 ( 以下 扶養控除等申告書 といいます ) を提出している人について その年最後に給与の支払をする時に行うことになっていますので 通常は12 月に行うこととなりますが 次に掲

のとする () 道府県は, 上記 (1) の規定により個人の市町村民税均等割を課することができないこととされる者に対 しては, 市町村民税均等割と併せて賦課徴収すべき個人の道府県民税均等割を課することができない 3 4 所得割の特例( 法付則 3の3) -10 点 - (1) 所得割の非課税道府県及

スライド 1

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改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

不在者財産管理人:

平成16年度

平成27年度 いばらき県税ガイドブック

平成16年度

PowerPoint プレゼンテーション

(1)制度創設時の考え方

緊急に措置すべき事項

資料9

住民税について

(3) 市町村民税の特別徴収義務者に関する調 ( ロ ) 年金特徴に係る分 特別徴収義務者数 ( 単位 : 人 千円 ) 納税義務者数 特別徴収税額 特別徴収税額の内訳 (b)+(c) 納税義務者数うち均等割のみ (a) 所得割額 (b) 均等割額 (c) 高知市 9 19,810 3,962 60

3 ページ 4 ページ 5 ページ 5 6 ページ 7 ページ 8 ページ 8 ページ 9 ページ 10 ページ 2

3 車体課税 自動車取得税の見直し 自動車取得税の税率 ( 一定税率 ) を以下のとおり引下げ ( 平成 26 年 4 月 1 日以降 ) 自家用自動車 ( 軽自動車を除く ) 5%( ) 3%( ) 営業用自動車 軽自動車 3%( ) 2%( ) いわゆる エコカー減税 について 環境性能に優れた

資料2-1(国保条例)

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1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

1 給与所得控除額を算出する計算式は給与収入金額によって異なります 今回は給与収入金額 3,600,000 円以上 6,599,999 円以下の場合の式を用いています 2 調整控除額は合計課税所得金額 2,000,000 円超と 2,000,000 円以下で算出方法が異なります 今回は 2,000,

公的年金からの特別徴収制度の見直しについて ( 平成 28 年 10 月以降適用 ) 公的年金からの特別徴収制度の見直しが行われ 平成 28 年 10 月以降に実施 される特別徴収より 下記のとおり制度が改正されました 1 特別徴収税額の算定方法の見直し 年間の公的年金からの特別徴収税額の平準化を図

第8回税制調査会 総8-2(案とれ)

税法実務コース 所得税 学習スケジュール 回数 学 習 テ ー マ 内 容 第 1 章 テーマ1 所得税の仕組みテーマ2 所得税額の計算テーマ3 非課税所得 所得税の仕組み 税額計算 所得税が課税されないものについて学習します テーマ1 各種所得金額の計算の概要テーマ2 利子所得テーマ3 配当所得

(千円未満切り捨て所得控除額総所得金額年税額 平成 31 年度市県民税の計算方法 ( 鳥取市 ) まず 計算の全体の流れを示すと 以下のようになります - = 課税標準額 ) 所得割の税率 6% 所得割の税率 4% 算出所得割額 調整税額控均等割 = 控除額除額額 算出調整税額控均等割

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平成13年度 住民税のしおり

平成 24 年度国民健康保険税税率改定案 1 医療保険分 ( 基礎課税額 ) 現行 改定 増減 伸率 所得割額 4.30 % 4.63 % % 資産割額 % 9.80 % % 税率等 均等割額 17,100 円 18,000 円 900 円 5.3%

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平成23年度税制改正の主要項目

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Microsoft Word - ⟖⟖⟖⟖平拒ï¼fi2年勃給且æfl¯æ›Łå€±å‚−æł¸ã†®è¨Ÿè¼›ã†®ã†Šã†‰ã†�.docx

地震保険料 寡婦控除寡夫控除 あなたやあたなと生計を一にする配偶者その他の親族が所有している居住用家屋 生活用動産を保険や共済の目的とする契約で かつ 地震 噴火又は津波等を原因とする火災 損壊等による損害の額を補てんする保険金や共済金が支払われる地震保険 また平成 18 年末までに結んだ保険期間

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

Microsoft Word 【資料】 抜本改革法案 概要.doc

(3) 支給限度 ( 就学支援金には 支給期間や単位数に上限があります ) 支援期間の上限 支援される単位の上限 全日制 36 月 (3 年 ) まで 定時制 48 月 (4 年 ) まで 年間 30 単位まで かつ 通算 74 単位まで 通信制 48 月 (4 年 ) まで 年間 30 単位まで


以下の表のように計算されます 総 所 得 金 額 所得控除 課税総所得金額 退職所得金額 雑 損控除額 課税退職所得金額 山林所得金額 土地等に係る事業所得等の金額 土地建物等に係る譲渡所得金額 医療費 社会保険料 小規模企業共済等掛金 生命保険料 地震保険料 配偶者 配偶者特別 課税山林所得金額

Transcription:

4. 所得控除方式の見直し 19

その他の控除所得課金税額所得20 個人住民税における税負担の調整 個人住民税の税負担の調整は 主に 控除のあり方 によって実現 課税所得 を担税力の指標として位置付け その計算の過程で 家族構成や収入等の納税者が置かれた事情の斟酌やその他の政策的な配慮を行うために各種の所得控除を適用 所得控除の適用により 課税最低限が画されることとなり 一定の所得金額までは負担を求めないという役割 課税所得 に対して比例 ( 標準 :) を適用 人的控除 課税所得の金額の計算 比例 の適用 算出税額

21 個人住民税における構造の推移 ( イメージ ) 昭和 41 年度分 昭和 63 年度分 16% 12% 13% 14%1 11% 6% 7% 8% 4% 17% 13 段階 18% 7% 1 16% 14% 12% 7 段階 課税標準 課税標準 平成元年度分 平成 11 年度分 平成 19 年度分 1 13% 3 段階 3 段階 一律 課税標準 課税標準 課税標準

22 税源移譲時の個人住民税の構造の見直し 個人住民税については 応益性や偏在度縮小の観点から 所得割のをフラット化 (~ 平成 18 年度 ) ( 平成 19 年度 ~) 比例化 < 参考 > 所得 (~ 平成 18 年 ) 13% 0 200 万円 700 万円 国から地方へ ( 約 3.4 兆円 ) 税源移譲 0 国 ( 所得税 ) 3% 地方から国へ ( 約 0.4 兆円 ) 4 段階 37% 30% 20% ( 平成 19 年 ~ 平成 26 年 ) 6 段階 0 200 万円 700 万円 個人住民税は 13% の累進から 比例化 一方 所得税は最低 最高 37% 40% 20% 23% 33% ( 注 ) 平成 27 年分以後の所得税から 4 を加えた 7 段階となる 40%

23 我が国における個人住民税は比例となっており この比例における所得課税の場合は 負担調整効果の観点から見れば 1 所得控除 3 ゼロ 4 税額控除については いずれも同じ効果となる また 2 合算分割課税 (2 分割 ) については そのこと自体による負担調整効果は生じない 給与収入の額にをそのまま適用した場合 税額 収入給与収入 減額収入軽ゼロ 1 所得控除 Y 軽減額 3 ゼロ 所得控除 収入 ( 比例 ) における負担調整制度の効果 ( イメージ ) 2 合算分割課税 (2 分割 ) 合算分割課税 (2 分割 ) においては 所得控除後の額 (Y) の2 分の1の額に係る税額 (A) を2 倍して税額を算出 A A 軽減なし収入 Y 1/2 Y 4 税額控除減額所得課税 税額控除軽収入

24 人的控除の種類及び概要 個人住民税の人的控除については 地域社会の会費 という個人住民税の基本的性格から 所得税の控除と同様の体系としながら その金額は所得税よりも低く設定 創設年 ( 個人住民税 ) 対象者 控除額 現行( 平成 28 年度 ) ( 参考 ) 所得税 ( 平成 27 年 ) 本人の所得要件 基礎的な人 基 礎 控 除 配 偶 者 控 除 控除対象配偶者 老人控除対象配偶者 配偶者特別控除 扶 養 控 除 昭和 41 年度 (1966 年度 ) 昭和 41 年度 (1966 年度 ) 昭和 56 年度 (1981 年度 ) 昭和 63 年度 (1988 年度 ) 本人 生計を一にし かつ 年間所得が 以下である配偶者 ( 控除対象配偶者 ) を有する者 年齢が 70 歳未満の控除対象配偶者を有する者 年齢が 70 歳以上の控除対象配偶者を有する者 生計を一にする年間所得がを超え76 万円未満である配偶者を有する者 生計を一にし かつ 年間所得が以下である親族等 ( 扶養親族 ) を有する者 33 万円 33 万円 最高 33 万円 48 万円最高 年間所得 1,000 万円以下 的 一般の扶養親族 年齢が 16 歳以上 19 歳未満又は 23 歳以上 70 歳未満の扶養親族を有する者 33 万円 控 特定扶養親族 平成 2 年度 (1990 年度 ) 年齢が 19 歳以上 23 歳未満の扶養親族を有する者 45 万円 63 万円 除特別な 老人扶養親族 ( 同居老親等加算 ) 障害者控除 ( 特別障害者控除 ) ( 同居特別障害者控除 ) 昭和 48 年度 (1973 年度 ) 昭和 55 年度 (1980 年度 ) 昭和 43 年度 (1968 年度 ) 平成 24 年度 (2012 年度 ) 年齢が 70 歳以上の扶養親族を有する者 直系尊属である老人扶養親族と同居を常況としている者 障害者である者 障害者である控除対象配偶者又は扶養親族を有する者 特別障害者である者 特別障害者である控除対象配偶者又は扶養親族を有する者 特別障害者である控除対象配偶者又は扶養親族と同居を常況としている者 +7 万円 26 万円 30 万円 53 万円 48 万円 +10 万円 27 万円 40 万円 75 万円 人 寡婦控除 1 夫と死別した者 2 夫と死別又は夫と離婚した者で かつ 扶養親族を有する者 26 万円 27 万円 1 の場合年間所得 500 万円以下 的 ( 特別寡婦加算 ) 平成 2 年度 (1990 年度 ) 寡婦で 扶養親族である子を有する者 +4 万円 +8 万円 年間所得 500 万円以下 控 寡夫控除 昭和 57 年度 (1982 年度 ) 妻と死別又は離婚をして扶養親族である子を有する者 26 万円 27 万円 年間所得 500 万円以下 除 勤労学生控除 本人が学校教育法に規定する学校の学生 生徒等である者 26 万円 27 万円 年間所得 65 万円以下かつ給与所得等以外が 10 万円以下

25 収入金額による所得税 個人住民税負担のあり方 ( 給与所得者の場合のイメージ ) 税負担 所得税 以降 33% 40% 4 の区分がある 生活扶助基準 114 生活保護基準 個人住民税所得割 個人住民税均等割 100 115 121 98 収入金額 ( 万円 ) 20% 23% 所得税 (~4 の累進 ) 個人住民税所得割 ( の比例 ) 納税義務者数: 約 5,600 万人 100 441 649 個人住民税均等割 (5,000 円 ) 1,098 収入金額 納税義務者数: 約 6,100 万人 ( 万円 ) ( 注 1) 単身 ( 給与所得者 25 歳 ) のケース ( 注 2) 生活扶助 ( 保護 ) 基準は 1 級地 1,Ⅵ 区の例 ( 注 3) 生活保護を受けている者は 収入金額に関わらず個人住民税は非課税 ( 注 4) 個人住民税均等割には 東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律 ( 平成 23 年 12 月 2 日法律第 118 号 ) に基づく復興財源確保のための均等割の標準の引上げを含んでいる ( 注 5) この他 復興特別所得税がある ( 注 6) 納税義務者数は個人住民税 所得税ともに 平成 27 年度市町村税課税状況等の調 による

26 所得情報 ( 税情報 ) を活用している社会保障制度等 (1/2) 給与所得者のケースのイメージ 収入に応じて適用の異なるもの 就学援助 ( 横浜市の場合 ) 児童扶養手当 ( 妻が死亡した場合 ) 公営住宅 ( 家賃算定基礎額 ) 全額支給 (52,330 円 / 月 ) 一部支給 (52,310~14,990 円 / 月 ) 34,400 円 / 月 最大 107,300 円 / 年 39,700 円 / 月 45,400 円 / 月 51,200 円 / 月 ( 原則 ) 入居不可 保育料 市町村民税所得割額を判断基準に利用 6,000 円 / 月 16,500 円 / 月 27,000 円 / 月 41,500 円 / 月 収入に応じて比例的に負担が変化するもの 介護保険料 医療保険料 協会けんぽの場合 国民健康保険の場合 協会けんぽの場合 国民健康保険の場合 個人住民税の基礎控除後の総所得金額等を元に算定 0.79% ( 標準報酬月額がベース ) 1.39% ( 基礎控除後総所得金額がベース ) 5.00% ( 標準報酬月額がベース ) 8.88% ( 基礎控除後総所得金額がベース ) 98 172 256 309 366 395 413 419 441 447 497 個人住民税均等割の非課税限度額 収入金額 ( 万円 ) ( 注 1) 給与所得者夫 45 歳 ( 給与所得のみ ) 妻 45 歳 ( 収入なし ) 子 6 歳 ( 小学校 1 年生 ) 子 4 歳 ( 保育所 ) のケース ( 注 2) 平成 28 年 8 月時点ベースで作成 ( 注 3) 保育料については 妻が就労しており 年収 103 万円以下の場合 また 生活保護世帯の場合は 0 円となる ( 注 4) 国民健康保険は特別区の平均 介護保険料 には介護分 医療保険料 には医療分 ( 基礎分及び後期高齢者支援金分 ) の保険料 ( 所得割 ) を計上 このほか保険料 ( 均等割 )( 介護分 :14,700 円 / 年, 医療分 :46,200 円 / 年 ) があり 低所得者対策として 7/10 5/10 2/10 の 3 段階の軽減措置がある

27 所得情報 ( 税情報 ) を活用している社会保障制度等 (2/2) 公的年金等受給者のケースのイメージ 後期高齢者医療保険料 所得割額 均等割額 個人住民税の基礎控除後の総所得金額等を元に算定 4,530 円 / 年 6,790 円 / 年 4.5 9.09% ( 基礎控除後総所得金額がベース ) 22,650 円 / 年 36,230 円 / 年 45,290 円 / 年 国民健康保険料 ( 特別区の場合 ) 所得割額 個人住民税の総所得金額等を判断基準に利用 8.88% ( 基礎控除後総所得金額がベース ) 均等割額 13,860 円 / 年 23,100 円 / 年 36,960 円 / 年 46,200 円 / 年 介護保険 保険料 2,481 円 / 月 高額介護サービス費 ( 上限 ) 15,000 円 / 月 4,136 円 / 月 6,617 円 / 月 7,168 円 / 月 8,271 円 / 月 9,374 円 / 月 24,600 円 / 月 37,200 円 / 月 44,400 円 / 月 80 153 168 211 221 240 264 310 434 440 個人住民税均等割の非課税限度額 ( 注 1) 夫 70 歳以上 ( 年金収入のみ ) 妻 70 歳以上 ( 年金収入 80 万円 ) 子なしのケース 図表の収入金額は夫の年金収入を示す ( 注 2) 後期高齢者医療保険料は 夫婦ともに 75 歳以上の場合 ( 注 3) 平成 28 年 8 月時点ベースで作成 収入金額 ( 万円 ) 社会保障制度等には収入等に応じて負担が変化するものがあり これらの制度を運用する地方団体等は個人住民税のかからない者であっても収入等を把握する必要 負担額の判断基準として市町村民税所得割額を用いているもの ( 保育料 ) や 個人住民税の基礎控除後の総所得金額等を用いているもの ( 国保料 後期高齢者医療保険料 ) 等がある

28 税制抜本改革法 ( 抜粋 ) 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律 ( 平成 24 年 8 月 22 日法律第 68 号 ) ( 税制に関する抜本的な改革及び関連する諸施策に関する措置 ) 第七条第二条及び第三条の規定により講じられる措置のほか 政府は 所得税法等の一部を改正する法律 ( 平成二十一年法律第十三号 ) 附則第百四条第一項及び第三項に基づく平成二十四年二月十七日に閣議において決定された社会保障 税一体改革大綱に記載された消費課税 個人所得課税 法人課税 資産課税その他の国と地方を通じた税制に関する抜本的な改革及び関連する諸施策について 次に定める基本的方向性によりそれらの具体化に向けてそれぞれ検討し それぞれの結果に基づき速やかに必要な措置を講じなければならない 二個人所得課税については 次に定めるとおり検討すること ニ個人住民税については 地域社会の費用を住民がその能力に応じて広く負担を分かち合うという個人住民税の基本的性格 ((2) において 地域社会の会費的性格 という ) を踏まえ 次に定める基本的方向性により検討する (1) 構造については 応益性の明確化 税源の偏在性の縮小及び税収の安定性の向上の観点から 平成十九年度に所得割のを比例 ( 一の率によって定められるをいう 以下 (1) において同じ ) とした経緯を踏まえ 比例を維持することを基本とする (2) 諸控除の見直しについては 地域社会の会費的性格をより明確化する観点から 個人住民税における所得控除の種類及び金額が所得税における所得控除の種類及び金額の範囲内であること並びに個人住民税における政策的な税額控除が所得税と比較して極めて限定的であることを踏まえるとともに 所得税における諸控除の見直し及び低所得者への影響に留意する (3) ( 略 )

29 個人住民税における控除の考え方 ( 過去の答申等 ) わが国税制の現状と課題 21 世紀に向けた国民の参加と選択 ( 抄 )( 平成 12 年 7 月政府税制調査会 ) 第二個別税目の現状と課題一個人所得課税 14. 個人住民税関係 (3) 個人住民税の課題 2 所得割の所得控除と課税最低限所得割の所得控除及び課税最低限のあり方については 個人住民税の負担分任の性格から所得税に比較してより広い範囲の納税義務者がその負担を分かち合うべきものであるため 所得税と一致させる必要はないと考えられます 個人所得課税に関する論点整理 ( 抄 )( 平成 17 年 6 月政府税制調査会基礎問題小委員会 ) 5. 個人住民税 (1) 所得割所得割の諸控除については 個人住民税の性格も踏まえて簡素化 集約化などの見直しを図り 課税ベースの拡大に努めるべきである 特に 税源移譲に伴い応益的な性格が強まることから 人的控除をはじめ各種の所得控除について 所得税とは独立して 整理合理化を図ることが望ましい なかでも 生命保険料控除 損害保険料控除など政策誘導的な色彩の強い控除については 地方分権の観点からも 地方税である個人住民税においては速やかに整理すべきである 抜本的な税制改革に向けた基本的考え方 ( 抄 )( 平成 19 年 11 月政府税制調査会 ) 第 2 各論 1. 個人所得課税 (8) 個人住民税 1 今後の改革のあり方また 所得割の諸控除については 応益的な性格がより明確になったことを踏まえ 政策誘導的な控除の見直しを行うなど課税ベースの拡大に努めていく必要がある