5 騒音 振動 悪臭
5 騒音 振動 悪臭 (1) 騒音 1 騒音の現状騒音は工場や建設工事 商店飲食店などの生産 営業活動をはじめ 自動車などの走行により発生します 騒音についての苦情は 近年増加傾向にあり 平成 28 年度の全公害苦情 93 件のうち 17 件 18.3% を占めています 近年は 住宅の過密化により家庭生活から発生する音などの生活環境音が苦情の原因となる事案が増加しています 隣人間に発生したこうした問題は 両者の話し合いなどによる歩み寄りでの解決を促していますが コミュニケーション不足から感情的に対立する場合が多く 解決が困難になっています 2 自動車騒音常時監視結果市内の主要道路において 5 カ年計画で騒音の測定を実施し 自動車騒音に係る環境基準の達成状況を調査しています 平成 28 年度は 国道 150 号線 ( 石脇下から中根新田まで ) の任意の 3 地点で騒音測定を実施しました 平成 28 年度騒音測定結果 路線名 測定場所 昼間 ( 環境基準 70 db ) 夜間 ( 環境基準 65 db ) 測定日 測定結果 適否 測定結果適否 石脇下 142 番地 74.7 69.9 国道 150 号線 八楠三丁目 71.2 66.1 平成 28 年 12 月 20~21 日 中根新田 1091 番地 68.5 63.0 面的評価結果 全 体 近接空間 非近接空間 昼夜とも基準値以下 1,096 (97.1%) 371 (93.2%) 725 (99.2%) 昼のみ基準値以下 戸数 ( 割合 ) 夜のみ基準値以下 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) - 52-4 (0.3%) 0 (0.0%) 4 (0.5%) 昼夜とも基準値超過 29 (2.6%) 27 (6.8%) 2 (0.3%) 計 1,129 近接空間とは 以下の区分に応じ道路端からの距離により特定される範囲である 2 車線以下の車線を有する幹線交通を担う道路 15 メートル 2 車線を超える車線を有する幹線交通を担う道路 20 メートル 398 731
騒音に係る環境基準 環境基準 (db) 地域 類型 都市計画法の用途地域 昼間 (6~22 時 ) 夜間 (22 時 ~ 翌日 6 時 ) 該当地域 AA 50 以下 40 以下 療養施設 社会福祉施設等が 集合して設置される地域な ど特に静穏を要する地域 A 第 1 種低層住居専用地域第 1 種中高層住居専用地域第 2 種中高層住居専用地域 専ら住居の用に供される地域 第 1 種住居地域 55 以下 45 以下 B 第 2 種住居地域準住居地域 主として住居の用に供される地域 市街化調整区域 C 近隣商業地域商業地域準工業地域工業地域 60 以下 50 以下 相当数の住居と併せて商業 工業等の用に供される地域 騒音規制法に基づく規制基準 規制地域の区分 規制基準 (db) 区域区分 都市計画法の用途地域 昼間朝 (6 時 ~8 時 ) 夜間 (22 時 ~ (8 時 ~18 時 ) 夕 (18 時 ~22 時 ) 翌日 6 時 ) 第 1 種低層住居専用地域 第 1 種区域 第 1 種中高層住居専用地域のうちすみれ台 1 2 丁目 50 45 40 第 1 種中高層住居専用地域 ( すみれ台を除く ) 第 2 種区域 第 2 種中高層住居専用地域第 1 種住居地域第 2 種住居地域準住居地域市街化調整区域 ( 静浜飛行場を除く ) 55 50 45 近隣商業地域 第 3 種区域 商業地域準工業地域 65 60 55 第 4 種区域 工業地域 70 65 60-53 -
備考 1 第 2 種区域 第 3 種区域又は第 4 種区域の区域内に所在する病院等 学校 保育所 図書館 特別養護老人ホーム及び認定こども園の敷地の周囲概ね 50 メートル以内の区域における規制基準は 規制基準欄に掲げる値から5dBを減じた値とする 2 第 1 種区域と第 3 種区域又は第 2 種区域と第 4 種区域がその境界を接している場合における当該境界線から当該第 3 種区域及び第 4 種区域内へ 30 メートル以内の区域における規制基準は 規制基準の欄に掲げる値から5dBを減じた値とする 道路騒音の環境基準と要請限度 ( 単位 =db) 基準の区分 環境基準 ( 道路に面する地域 ) 要請限度 都市計画法の用途地域 類型の 区分 車線数 2 車線 1 車線以上 類型の 区分 車線数 2 車線 1 車線以上 第 1 種低層住居専用地域 第 1 種中高層住居専用地域第 2 種中高層住居専用地域第 1 種住居地域第 2 種住居地域準住居地域 A B 道路に面する地域の基準は適用されない ( 騒音に係る環境基準を適用する ) 60/55 (70/65) a b 65/55 (75/70) 70/65 (75/70) 市街化調整区域 65/60 75/70 近隣商業地域 (70/65) (75/70) 商業地域 準工業地域 C c 工業地域 欄内の数値は環境基準値もしくは要請限度で 昼間 ( 午前 6 時 ~ 午後 10 時 )/ 夜間 ( 午後 10 時 ~ 翌日の午前 6 時 ) を表す 欄内の ( ) 内の数値は 幹線道路交通を担う道路に近接する空間に係る環境基準値もしくは限度値を表す - 54 -
航空機騒音に係る環境基準地域の類型 該当地域 基準値 ( 単位 :WECPNL) Ⅰ 別表に掲げる地域のうち 第 1 種低層住居専用地域 第 2 種低層住居専用地域 第 1 種中高層住居 70 以下 専用地域及び第 2 種中高層住居専用地域 Ⅱ 別表に掲げる地域のうち Ⅰの地域の類型をあてはめる地域以外の地域 ( 工業専用地域 飛行場内及び空港敷地内を除く ) 75 以下 第 1 種低層住居専用地域 第 2 種低層住居専用地域 第 1 種中高層住居専用地域 第 2 種中高 層住居専用地域及び工業専用地域は都市計画法 ( 昭和 43 年法律第 100 号 ) 第 8 条の規定に定 められた地域をいいます 別表 2 焼津市の区域のうち 別図に表示する地域 別図は省略します WECPNL(Weighted Equivalent Continuous Perceived Noise Level) とは 航空機 騒音の特徴を取り入れた騒音の単位で 1 日の全てのピーク騒音レベルをパワー平均したも のに 時間帯ごとの飛行機数を加味したものです 新幹線鉄道騒音に係る環境基準 地域の類型都市計画法の用途地域基準値 ( 単位 :db) Ⅰ Ⅱ 第 1 種低層住居専用地域第 1 種中高層住居専用地域第 2 種中高層住居専用地域第 1 種住居地域第 2 種住居地域準住宅地域市街化調整区域近隣商業地域商業地域準工業地域工業地域 70 以下 75 以下 - 55 -
騒音の大きさの例 130dB 120dB 最大可聴限度 飛行機のエンジンの近く ジェット機の音 110dB 自動車の警笛 ( 前方 2m) 100dB 90dB 80dB 70dB 60dB 50dB 40dB 30dB 20dB 0dB 電車が通るときのガード下騒々しい工場電車の中 普通の工場騒々しい事務所の中 静かな工場普通の会話 ( 距離 1m) 静かな乗用車静かな事務所 図書館静かな公園 住宅地の昼静かな住宅地の夜ささやき声 木の葉のそよぎ最少可聴覚限度 - 56 -
(2) 振動 振動の現状振動は ほとんどの場合 騒音を伴って発生しています このため 騒音の苦情とともに対処することが多くなっています 振動規制法は 他の公害法令中最も新しく規定されたもので振動の環境基準は定められていませんが 同法により金属加工機械などの著しく振動を発生する施設 ( 特定施設 ) を設置している工場は 区域ごと振動の規制基準が定められています 振動規制法に基づく規制基準と自動車振動の要請限度 種別 第 1 種 区域 第 2 種 区域 1 2 1 都市計画法の用途地域 第 1 種低層住居専用地域 第 1 種中高層住宅専用地域のうち すみれ台 1 丁目 2 丁目 第 1 種中高層住居専用地域 ( すみれ台を除く ) 第 2 種中高層住居専用地域第 1 種住居地域第 2 種住居地域準住居地域市街化調整区域 近隣商業地域 商業地域 準工業地域 2 工業地域 ( ) 内は要請限度値を示す 規制基準 要請限度 ( 単位 :db) 昼間 ( 午前 8 時 ~ 午後 8 時 ) 60 (65) 65 (65) 70 (70) 70 (70) 夜間 ( 午後 8 時 ~ 翌日午前 8 時 ) 特定工場 事業場振動に係る規制基準 ( 県条例 ) は 振動規制法の基準に準ずる 55 (60) 55 (60) 60 (65) 65 (65) - 57 -
振動の大きさの例人体に生理的影響 90dB が生じはじめる深い睡眠にも影響 80dB がある浅い睡眠に影響が 70dB 出はじめる振動を感じはじめる 60dB ほとんど睡眠影響はない 気象庁震度階吊り下げ物が大きく揺れ 棚にある食器類が音をたてる 眠っている人のほとんどが目を覚まし 歩いている人も揺れを感じる程度の地震室内にいる人のほとんどが揺れを感じ 棚にある食器類が音をたてることがある程度の地震室内にいる人の多くが揺れを感じ 電灯などの吊下げ物がわずかに揺れる程度の地震室内にいる人の一部が わずかな揺れを感じる程度の地震 中震震度 4 弱震震度 3 軽震震度 2 微震震度 1 50dB 40dB ほとんど感じない 常時微動 人体に感じず 地震計に記録される程度無感震度 0-58 -
(3) 悪臭 1 悪臭の現状私たちの周りには さまざまなにおいが存在します においを発する物質は数十万ともいわれ このなかで腐敗臭のように 人に不快感や嫌悪感を与えるにおいが工場などから排出され 周辺住民の生活環境を損なうと悪臭公害となります 悪臭のほとんどは 低濃度の悪臭成分が複合し悪臭として感じられます 悪臭は 主に魚の残滓から飼肥料を製造する魚腸骨処理場 鰹節や切り身などの水産食料品製造業 塗装業 畜産農業などから発生しています 過去には当市の地場産業からの臭いであることから受任されてきた魚臭も 市街化が進み市民の住みやすく快適な環境を求める欲求が高まるにつれて悪臭苦情の対象となっています 近年 悪臭防止法の一部改正により 臭気指数 を用いた規制を導入している市町が増えてきましたが 市内及び近隣市町の状況を見ながら検討していきたいと考えています 平成 27 年度における悪臭に関する苦情発生件数は 12 件でした 2 三点比較式臭袋法による測定結果 事業場名採気年月日採気場所臭いの質臭気指数 飼肥料製造 A 社 H28.11.15 敷地境界 13 飼肥料臭洗浄塔排出口 41 食料品製造 B 社 H28.11.16 敷地境界 水産加工臭 16 水産食料品製造 C 社 H28.11.16 敷地境界 水産加工臭 22 飼肥料製造 D 社 H28.11.16 敷地境界 飼肥料臭 <10 水産食料品製造 E 社 H28.11.15 敷地境界 下水臭 22 水産食料品製造 F 社 H28.11.15 敷地境界 水産加工臭 <10 水産食料品製造 G 社 H28.11.16 敷地境界 <10-59 -
三点比較式臭袋法現在 悪臭防止法によりアンモニア等の 22 物質が規制対象となっていますが 実際の悪臭公害に対処できないということが従来から指摘されています 悪臭が 22 物質以外の物質に起因している場合において 各物質の濃度が規制基準より低いが 各物質の相互作用により強い臭気となっている場合があります また 物質の濃度測定には高度の測定技術を有するため 苦情発生時に即応できないという難点もあります このため 人間の嗅覚を利用して臭いの強さを測る方法が研究され その中で最も一般的な方法がこの三点比較式臭袋法です 測定方法無臭の袋 3つに活性炭をとおした無臭空気を入れてふくらめ その 1つに工場などで採取した臭気を適量 注射器で注入し その3つの袋のうち どの袋に臭気が入っているかを悪臭判定員 ( パネル ) が判定します この作業をパネル6 人で行います 工場 事業場の敷地境界線における望ましい臭気濃度 臭気強度 2.5の場合 臭気濃度は概ね 10( 臭気指数の範囲 10~15) 臭気強度 3.0の場合 臭気濃度は概ね 30( 臭気指数の範囲 12~18) 臭気強度 3.5の場合 臭気濃度は概ね 70( 臭気指数の範囲 14~21) 臭気濃度 臭いのある空気を無臭の空気で臭いの感じられなくなるまで希釈した場合の希釈倍数 臭気指数 臭気濃度を対数で表示したもの ( 臭気指数 )=10 Log( 臭気濃度 ) 臭気強度 0: 無臭 1: やっと感知できるにおい ( 検知閾値濃度 ) 2: 何のにおいであるかわかる弱いにおい ( 認知閾値濃度 ) 3: 楽に感知できるにおい 4: 強いにおい 5: 強烈なにおい 検知閾値濃度 とは においを感知できる境目となる濃度をいいます 認知閾値濃度 とは 何のにおいかを判断できる境目となる濃度です - 60 -
悪臭防止法に基づく悪臭物質の規制基準 (E 区域 ) と主な発生源 物質名 化学式 基準値 (ppm) におい アンモニア NH2 2 し尿のようなにおい メチルメルカプタ腐った玉ねぎのよ CH3SH 0.002 ンうなにおい 硫化水素 H2S 0.02 腐った卵のようなにおい 硫化メチル (CH3)2S 0.01 腐ったキャベツのようなにおい 二硫化メチル CH3SSCH3 0.009 腐ったキャベツのようなにおい トリメチルアミン (CH3)3N 0.02 腐った魚のようなにおい アセトアルデヒド CH3CHO 0.05 刺激的な青ぐさいにおい プロピオンアルデ刺激的な甘酸っぱ CH3CH2CHO 0.05 ヒドい焦げたにおい ノルマルブチルア刺激的な甘酸っぱ CH3(CH2)CHO 0.009 ルデヒドい焦げたにおい イソブチルアルデ刺激的な甘酸っぱ (CH3)2CHCHO 0.02 ヒドい焦げたにおい ノルマルバレルア CH3(CH2)2CHO 0.009 むせるような甘酸ルデヒドっぱい焦げたにおい イソバレルアルデ (CH3)2CHCH2CHO 0.003 むせるような甘酸ヒドっぱい焦げたにおい イソブタノール (CH3)2CHCH2OH 0.9 刺激的な発酵したにおい 酢酸エチル CH3COOC2H5 3 刺激的なシンナーのようなにおい メチルイソブチル刺激的なシンナー CH3COCH2CH(CH3)2 1 ケトンのようなにおい トルエン C6H5CH3 10 スチレン C6H5CHCH2 0.4 キシレン C6H4(CH3)2 1 プロピオン酸 CH3CH2CH2COOH 0.07 ガソリンのようなにおい 都市ガスのようなにおいガソリンのようなにおい 刺激的な甘酸っぱいにおい ノルマル酪酸 CH3CH2CH2COOH 0.002 汗くさいにおい ノルマル吉草酸 CH3(CH2)3COOH 0.002 むれた靴下のようなにおい イソ吉草酸 (CH3)2CHCH2COOH 0.004 むれた靴下のようなにおい 主な発生源 畜産事業場 化製場 し尿処理場など パルプ製造工場 化製場 し尿処理場など 畜産事業場 パルプ製造工場 し尿処理場など パルプ製造工場 化製場 し尿処理場など パルプ製造工場 化製場 し尿処理場など 畜産事業場 化製場 水産缶詰製造工場など 化成工場 魚腸骨処理場 たばこ製造工場など 化学工場 魚腸骨処理場 たばこ製造工場など 焼付け塗装工程を有する事業場など 焼付け塗装工程を有する事業場など 焼付け塗装工程を有する事業場など 焼付け塗装工程を有する事業場など 焼付け塗装工程を有する事業場など 塗装工程を有する事業場など 塗装工程または印刷工程を有する事業場など 塗装工程または印刷工程を有する事業場など 塗装工程または印刷工程を有する事業場など 化学工場 FRP 製品製造工場など 塗装工程または印刷工程を有する事業場など 脂肪酸製造工場 染織工場など 畜産事業場 化製場 でんぷん工場など 畜産事業場 化製場 でんぷん工場など - 61 -