5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

Similar documents
給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

Ⅲ.( 見直し ) 基礎控除基礎控除について 次の見直しを行う 1 控除額を一律 10 万円引き上げる 2 合計所得金額が 2,400 万円を超える個人についてはその合計所得金額に応じて控除額が逓減し 合計所得金額が 2,500 万円を超える個人については基礎控除の適用はできないこととする 上記の見

(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

アクタスマネジメントサービス㈱

< F31322D89FC90B390C C18F578D8692C7985E5B315D2E6A74>

労働基準法が改正されます

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

平成 30 年度税制改正 ( 所得税 ) の主な内容 1. 給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除への振替給与所得控除及び公的年金控除の控除額を一律 10 万円引き下げ 基礎控除の控除額が一律 10 万円の引き上げとなる 2. 給与所得控除 公的年金等控除 基礎控除の見直し (1) 給与所得控除の

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

A&K パートナーズ税理士法人 秋山税理士事務所 秋山総合研究所 1

平成23年度税制改正の主要項目

3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

<4D F736F F D F95BD90AC E937890C590A789FC90B D88D38CA981698AAE816A C882C781A A2E646

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

問題 1 1 問題 1 1 納税義務者 相続税の納税義務者及び課税財産の範囲 課税価格 1 納税義務者 ⑴ 次に掲げる者は 相続税を納める義務がある 1 居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 3 1 一 ) 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有するもの

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

未成年者控除 障害者控除の見直し 未成年者控除 障害者控除 6 万円 20 歳に達するまでの年数 6 万円 ( 特別障害者 :12 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 10 万円 20 歳に達するまでの年数 10 万円 ( 特別障害者 :20 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 小規模宅地等につ

<4D F736F F D208C6F89638FEE95F182A082EA82B182EA E34816A>

taxguide_point_fy2018

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

< F2D A91B C FC90B38E9197BF>

「図解 外形標準課税」(仮称)基本構想

2. 改正の趣旨 背景の等控除は 給与所得控除とは異なり収入が増加しても控除額に上限はなく 年金以外の所得がいくら高くても年金のみで暮らす者と同じ額の控除が受けられるなど 高所得の年金所得者にとって手厚い仕組みとなっている また に係る税制について諸外国は 基本的に 拠出段階 給付段階のいずれかで課

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組

の範囲は 築 20 年以内の非耐火建築物及び築 25 年以内の耐火建築物 ((2) については築 25 年以内の既存住宅 ) のほか 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第三章及び第五章の四の規定又は地震に対する安全上耐震関係規定に準ずるものとして定める基準に適合する一定の既存

2. 中小企業のための主な優遇制度 注 : 各項目に付記している番号は 関連する参考資料です 番号に対応する資料名などは 5~6 ページに掲載していますのでご参照ください [1] 中小法人等 に適用される主な優遇制度 紙面の都合により ここでは制度の種類と それに関連する参考資料の番号を紹介していま

2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

所令要綱

スライド 1

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について


平成30年3月決算における税務上の留意事項

( 相続時精算課税適用者の死亡後に特定贈与者が死亡した場合 ) (6) 相続時精算課税適用者 ( 相続税法第 21 条の9 第 5 項に規定する 相続時精算課税適用者 をいう 以下 (6) において同じ ) の死亡後に当該相続時精算課税適用者に係る特定贈与者 ( 同条第 5 項に規定する 特定贈与者

5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

2. 改正の趣旨 背景 国内に住所を有しないことにより相続税 贈与税の課税を免れる租税回避行為を抑制するため 平成 12 年度改正 ( 相続人 受贈者の国籍による納税義務判定の導入 ) 平成 25 年度改正 ( 相続人 受贈者が日本国籍なしの場合の課税強化 ) が行われてきた 平成 29 年度改正で

2. 二世帯住宅と特定居住用宅地等 [1] 区分所有なし : 外階段 / 親族が取得する場合 Q. 被相続人 A が所有する宅地の上に A の所有する建物があり 1 階に A が居住し 2 階に子 B とその家族が居住しています ( 建物内部では行き来ができない構造 ) A と B は別生計です こ

経 ViewPoint 営相談 相続時における小規模宅地等の特例の改正 谷口敬三相談部東京相談室 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 ( 以下 小規模宅地等の特例 ) は 一定の要件を満たす宅地等 ( 特定事業用等宅地等 特定居住用宅地等 貸付事業用宅地等 ) につ

テキスト編 第 1 章相続税 贈与税とはなにか 目次 1 相続税が課税される理由 1 2 どれくらいの遺産がある場合 相続税は課税されるか 2 3 贈与税が課税される理由 3 4 相続税と贈与税の関係 4 第 2 章相続人と相続分 1 相続人と相続順位 5 2 相続の承認と放棄 14 3 相続人の相

申告所得税関係 手続名 帳票名平成年分セルフメディケーション税制の明細書 ( 次葉 ) 特定証券投資信託に係る配当控除額の計算書 平成 年分給与所得の源泉徴収票 ( 平成 28 年以降用 ) 平成 年分特定口座年間取引報告書 ( 平成 28 年以降用 ) 平成 年分公的年金等の源泉徴収票 ( 平成

Microsoft Word - FP2級法改正情報 doc

申告者と配偶者の合計所得金額の入力フォーム 申告者 ( 給与の支払いを受ける人 ) の事業所得 雑所得 配当所得 不動産所得 その他の所得の収入金額と必要経費を入力して合計所得金額を計算します 申告者の合計所得金額が 900 万円を超えると 配偶者控除または配偶者特別控除の控除額が変動します 申告者

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

おき 太郎様 Inheritance Report 相続診断書 税理士法人おき会計 平成 28 年 7 月 20 日作成

理サブ_改正修正表.indd

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

1. 相続税 (1) 基礎控除額の引き下げ 1) 改正の趣旨現在 ( ) の相続税の仕組みは 下図の通りです すなわち 合計課税価格から 基礎控除額を除いた課税遺産総額が相続税の計算の対象となるため 合計課税価格が基礎控除額の範囲内である場合には 相続税が課税されません その結果として 現状の相続税

税制改正を踏まえた生前贈与方法の検討<訂正版>

平成19年度市民税のしおり

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

はじめに ファイナンシャル プランニング技能検定 およびCFP 資格審査試験では 下記のとおり 試験日程ごとの法令基準日が設けられています 法令基準日 ファイナンシャル プランニング 技能検定 (1 級 2 級 3 級 ) CFP 資格審査試験 平成 30 年 6 月試験 平成 30 年 1 月 1

第 5 章 N

法人税 faq

PowerPoint プレゼンテーション

日税研メールマガジン vol.143 ( 平成 31 年 2 月 15 日発行 ) 公益財団法人日本税務研究センター Article 平成 31 年度税制改正大綱の解説 ( 2) 税理士金井恵美子 * 本稿では 前号 ( vol.142) に引き続き 平成 31 年度税制改正の大綱 に示された改正事

平成30 年度税制改正について税制改正について今回の特集では 平成30 年4 月1 日に施行(特段の定めがあるものを除く )された改正税法について その概要や想定される第68 回税理士試験への影響を各科目ごとにご紹介致します なお 第68 回税理士試験において適用される法令等は平成30 年4 月2

平成19年12月○日

はしがき 配偶者控除 と 配偶者特別控除 は 昭和 36 年と昭和 62 年の税制改正で導入された歴史ある制度です ここ数年 配偶者控除の改正について様々な議論が行われてきましたが 平成 29 年度税制改正において 就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築する観点から配偶者控除と配偶者特別控除の見直し

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

2011年税制改正のポイント

事業承継税制の全体像は ( 図表 1) の通りである ( 図表 1) 事業承継税制の全体像 経営者 1 代目 経営者 2 代目 一括贈与 大臣認定 贈与税の課税 贈与税の納税猶予の適用 相続税の納税猶予制度と同様 雇用確保を含む 5 年間の事業継続を行い その後も株式を継続保有 生前贈与により株式の

Ⅰ 法人関連税制 1 減価償却制度 2 年連続の大改正になった背景 減価償却制度については 平成 19 年度税制改正により 残存価額および償却可能限度額の取扱いが廃止される大改正が行われ 定率法はいわゆる 250% 定率法 と呼ばれる従来にない新しい計算の仕組みが採用されました そして平成 20 年

PowerPoint プレゼンテーション

(1) 改正の内容 内容 現行制度 特例制度 納税猶予対象株式 納税猶予税額 発行済議決権株式総数の 3 分の 2 に達するまでの株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係る贈与税の全額 相続の場合 : 納税猶予対象株式に係る相続税の 80% 取得した全ての株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係

2015 年 1 月いよいよ施行! 相続税増税の影響と対策 Part 1 相続税はどう変わる? 影響は? Part 2 相続税の負担を軽減するには?

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除額の変遷 1 昭和 49 年産業構造が転換し会社員が急速に増加 ( 働き方が変化 ) する中 (1) 実際の勤務関連経費が給与所得控除を上回っても 当時は特定支出控除 ( 昭和 63 年導入 ) がなく 会社員は実際の勤務関連経費がいくら高くても実額控除できなかった

平成16年版 真島のわかる社労士

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

平成 28 年度税制改正の概要 1. 復興特区関係 * (1) 機械等に係る特別償却等の特例措置の5 年延長及び要件の緩和 * 要件緩和 : 建築物整備事業 ( テナント建物 ) の構造要件について まちなか再生計画に位置付けられた場合には 非耐火構造でも対象となるよう緩和 (2) 被災雇用者等を雇

★889133_相続税ハンドブック_本体.indb

2011年度税制改正大綱(相続・贈与税)

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

Microsoft Word 役立つ情報_税知識_.doc

<4D F736F F D20947A8BF48ED28D548F9C A8BF48ED293C195CA8D548F9C82CC8CA992BC82B582C98AD682B782E >

<4D F736F F D20819A95BD90AC E937890C590A789FC90B392F18CBE8F918C8B89CA95F18D EE8C9A8BA689EF976C A2E646F6378>

平成 30 年度税制改正大綱概要 平成 30 年度税制改正大綱 閣議決定 ( 平成 29 年 12 月 22 日 ) 目 次 項目ページ区分 1. 法人課税 1 所得拡大促進税制の改組 3 2 租税特別措置の適用要件の見直し 5 3 法人税における収益の認識等の見直し 6 4 情報連携投資等の促進に

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

税法入門コース 相続税 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 4 回 第 4 回 第 1 章 第 2 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 4 章 第 5 章 テーマ 1 相続税 贈与税とは? テーマ 2 用語の説明 テーマ 1 相続人となれる人は? テ

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

速報!  平成27年度税制改正セミナー

野村資本市場研究所|顕著に現れた相続税制改正の影響-課税対象者は8割増、課税割合は過去最高の8%へ-(PDF)

目次 1 個人所得課税の改正 1 給与所得控除の見直し 公的年金等控除の見直し 基礎控除の見直し ----

平成 30 年度 税制改正 1. 個人所得課税の改正 2. 資産課税の改正 3. 法人課税の改正 4. 消費課税の改正 事務所通信

時価で譲渡したものとみなされ所得税が課税され かつ その所得税は相続税の課税価格の計算上被相続人の債務として控除されていることにより 所得税と相続税の負担の調整は済んでいますので この特例の適用は受けられません 2 取得費に加算される金額平成 26 年度の改正前は 相続財産である土地等の一部を譲渡し

平成19年度税制改正.xls

相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

<4D F736F F D FC194EF90C C98AD682B782E >

Transcription:

平成 30 年度税制改正について 平成 30 年 4 月 1 日に施行 ( 特段の定めがあるものを除く ) された改正税法について 第 68 回税理士試験に影響すると考えられるものを中心にご紹介致します なお 第 68 回税理士試験において適用される法令等は平成 30 年 4 月 2 日現在施行のものとされております 所得税法 所得税法では 働き方が多様化している現代 様々な形で働く個人を広く支援すること等の観点から 主に以下の改正が行われました 1 給与所得控除額 給与所得控除額を一律 10 万円引き下げ 給与収入が 850 万円を超える場合の控除 額が 195 万円に引き下げられます 2 所得金額調整控除給与収入が850 万円を超える居住者について 特別障害者に該当する者 年齢 23 歳未満の扶養親族を有する者等一定の要件を満たす者については 給与所得の金額について 一定の調整が図られることとなります 3 公的年金等控除額公的年金等控除額を一律 10 万円引き下げ 公的年金等収入が 1,000 万円を超える場合における控除額について195 万 5 千円の上限が設けられます また 公的年金等に係る雑所得以外の所得がある場合に 合計所得金額に応じて控除額が更に引き下げられます 4 基礎控除基礎控除額を一律 10 万円引き上げ 合計所得金額が 2,400 万円を超える場合にはその合計所得金額に応じて控除額が逓減し 2,500 万円を超える場合には適用なしとなります 1

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申告する場合の控除額が65 万円とされます 7 延払基準 従来の延払基準が平成 30 年 3 月 31 日をもって廃止となり 同年 4 月 1 日以後は 対象となる資産の販売等がリース譲渡に限定されました 8 特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例買換資産が建築後使用されたことのある家屋で耐火建築物以外のもの ( 非耐火既存住宅 ) である場合の要件に 取得の日以前 25 年以内に建築されたものであること等の要件 ( 経過年数等要件 ) が追加されました なお 経過年数等要件を満たさない非耐火既存住宅を取得した場合であっても その取得期限までに改修等を行うことにより経過年数等要件に適合することとなったときは 経過年数等要件を満たす家屋を取得したものとされました 上記 1~6 については 平成 32 年分以後の適用とされています 法人税法 法人税法では デフレ脱却と経済再生に向け 賃上げ 生産性向上のための税制上の措置等が行われました このほか収益の認識に関して法令上明確化等が行われました 主な税制改正項目は次のとおりとなります 1 所得拡大促進税制中小企業者等以外については 平均給与等支給額から比較平均給与等支給額を控除した金額の比較平均給与等支給額に対する割合が3% 以上であり かつ 国内設備投資額が減価償却費の総額の90% 以上である場合には 給与等支給増加額の 15% の税額控除ができます なお この場合において 一定の要件を満たすときは 給与等支給増加額の20% の税額控除ができることとなります 2

中小企業者等については 平均給与等支給額から比較平均給与等支給額を控除した金額の比較平均給与等支給額に対する割合が1.5% 以上である場合には 給与等支給増加額の15% の税額控除できます なお この場合において 一定の要件を満たすときは 給与等支給増加額の25% の税額控除ができます 2 雇用促進税制 雇用促進税制のうち 同意雇用開発促進地域に係る税額控除制度は廃止されます 3 返品調整引当金 返品調整引当金は廃止されます 4 長期割賦販売等リース譲渡の場合を除き 延払基準により収益の額及び費用の額を計算する選択制度は廃止されます なお リース譲渡の特例については 現行どおりの取扱いとなります 5 所得金額の計算資産の販売等に係る収益の額として所得の金額の計算上 益金の額に算入する金額及びその帰属時期について法令上明確化されます 具体的には 益金の額 とは別に 収益の額 が法令上規定されます 相続税法 相続税法では 高度外国人材等の確保 長期滞在等の更なる促進 合法的な税負担軽減の手法に関する取扱いの見直し及び非上場株式等の納税猶予制度の更なる拡充などを目的として 以下の改正が行われました 1 相続税 贈与税の納税義務者 贈与税の期限内申告非居住被相続人 非居住贈与者の意義が改正され 外国人の方からの財産取得について 国内財産のみの課税に留めやすくなりました また 贈与者が出国してから2 年を経過する前に贈与が行われたことを前提として 贈与税の期限内申告書の提出義務について調整が図られることとなりました 3

2 小規模宅地等の減額別居親族が取得した場合の特定居住用宅地等の判定について 家屋の所有の有無等に関する要件がより厳格化され 貸付事業用宅地等の判定に関しても 3 年間の貸付事業の継続の有無 事業的規模で行われているかどうかなどの要件を加えて判定することとなりました 3 非上場株式等の贈与税 相続税の納税猶予及び免除の特例従来の規定を残しつつ 新法においては 非上場株式等に係る贈与税 相続税の 100% 納税猶予が可能となりました また 納税猶予の適用対象者について 従来の規定では 1 社につき 1 人まで とされていましたが 複数の後継者 (3 人まで ) を選任した場合 複数の贈与者から贈与を受けた場合でも 納税猶予の適用が認められることとなりました 4 相続時精算課税適用者の特例 3の規定と連動し 相続時精算課税の特例が新設されました 非上場株式等の贈与税の納税猶予及び免除の特例の対象となる贈与に関しては 推定相続人及び孫以外の者でも相続時精算課税の適用が可能となります 5 特定の一般社団法人等に対する課税一般社団法人等を利用しての課税回避の横行を是正するため 理事に該当する被相続人が死亡した場合には 一定の金額について一般社団法人等に課税することとなりました 消費税法 1 券面のない有価証券等の譲渡に係る国内取引の判定無券面の有価証券等の譲渡に係る国内取引の判定については 譲渡者の事務所等の所在地 で補完を行うなど不明確な状態であったことから 振替機関等が取り扱う有価証券等の譲渡については その振替機関等の所在地で判定を行うなどの措置が講じられています 2 輸出物品販売場における免税 外国人旅行者の利便性の向上等の観点から 以下の措置が講じられています 4

( イ ) 免税販売手続の電子化及びペーパーレス化の推進現行の書面による手続きを廃止し 輸出物品販売場が 外国人旅行者から旅券等の提示を受け 旅券等に記載された情報などの電磁的記録を 電子情報処理組織を使用して 国税庁長官に提供する方法とすることとされました ( ロ ) 免税販売の対象となる下限額の判定の見直し 免税販売の対象となる下限額は 一般物品と消耗品を合算判定することは認められていませんでしたが 特殊包装を行うなどを条件として その一般物品と消耗品の販売金額を合計して免税販売の対象となる下限額を判定できることとなりました 3 長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例の見直し 国際会計基準を前提とした新たな収益認識基準の検討を踏まえ 長期割賦販売等に該当する資産の譲渡等に係る延払基準の取扱いは廃止となりました ただし リース譲渡に係る延払基準の取扱いは 現行どおり規定は存在するため注意が必要です 4 申告書の電子情報処理組織による提出義務の創設資本金額が 1 億円を超える法人などの特定法人が提出する確定申告書などの各種申告書については 記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法により提供しなければならないとされました 上記 2 については 平成 30 年 7 月 1 日以後の適用とされています 上記 4 については 平成 32 年 4 月 1 日以後の適用とされています 酒税法 租税特別措置法に規定される清酒等 ビールに係る酒税の税率の特例について その前年度の酒類の総課税移出数量が10,000 klを超える酒類製造者を適用対象から除外した上で その適用期限が清酒等に係る特例は5 年延長 ビールに係る特例は3 年延長されました なお 平成 29 年度税制改正項目であるビール及び果実酒の定義に係る改正は平成 30 年 4 月 1 日より適用となります 5

事業税 事業税の主な改正ポイントは 自署及び押印の義務の廃止 となります これに伴い 平成 30 年 4 月 1 日以後開始事業年度から申告書に法人の代表者及び経理責任者の自署押印の必要がなくなります 6