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1 断るという行為の認識の仕方が断り表現の選択に与える影響 山田恵美子 放送大学新潟学習センター 要旨学習者に語用知識の習得を促すには 語用論的転移が生じることに関与する要因を解明する研究を一層進める必要がある 断りはフェイスを脅かす行為 (FTA)(Brown & Levinson 1987) になり得るので FTA の度合に応じて断り表現が選択されると想定する 選択された表現が異なる時は 表現選択に影響を与えるとされる変数の捉え方が異なると想定されるが 変数をどう捉えるかは話し手の断るという行為の認識の仕方による ここから 学習者が選択した表現が母語話者と異なる時は 断るという行為の認識の仕方が母語話者と異なるという仮説が導かれる 本研究は 語用論的転移が生じることに関与する要因を探る一方策として この仮説の妥当性を検証する キーワード : 語用論的転移が生じることに関与する要因 断り 断り表現 変数の捉え方 断るという行為の認識の仕方 0. はじめに 母語話者は学習者の発音や語彙の誤用には寛大であるが 語用論的誤用は否定的に解釈する傾向があると言われている 学習者が場面 状況に適したことばの使い方をしなければ 母語話者は学習者を傲慢であるとか無礼であると解釈する傾向があると言われている 学習者の伝達能力を高めるには 語彙や文法の能力を高めるだけでなく 語用能力を高めることが必要であるとされている 語用論的誤用が生じる原因の1つは 語用論的転移 (pragmatic transfer) である 語用論的転移に関しては 学習者が依頼 提案 断りなどの発話行為を第二言語 (L2) で行う際の母語 (L1) の語用知識の転移の有無が調査され 学習者言語には語用言語学的 (pragmalinguistic) 側面 社会語用論的 (sociopragmatic) 側面において種々の語用論的転移が見られることが報告されてきた (Kasper & Schmidt 1996) 語用論的転移が生じることに関与する要因として 例えば 文法能力の発達段階と転移との関係が注目されてきた 文法能力の発達とともに転移が減るかどうかについては 文法能力の発達とともに転移が減るという報告 ( 例えば Maeshiba et al. 1996) と L2 の能力が高くなると L1 のいろいろな社会文化的規範を L2 で表現することができるようになるので 転移

2 が増えるという報告 ( 例えば Takahashi & Beebe 1987) があり 結論が異なる 結論が異なるのは 検証している発話行為の種類が異なる (Maeshiba et al. 1996 は謝罪だが Takahashi & Beebe 1987 は断り ) ことが一因であるとされる 文法能力のほかに 学習者の学習環境 学習者の発話行為に対する認識の仕方なども語用論的転移が生じることに関与すると考えられる 学習者に L2 の語用知識の習得を促すには 転移が生じることに関与する要因を解明する研究をさらにすすめ どのような要因がどのように語用知識の習得 使用に影響を与えるかを明らかにすることが必要である そこで 本研究は断りを切り口として語用論的転移が生じることに関与する要因を探る 断りに関しては Beebe et al. (1990) が日本語を母語とする英語学習者の断りの発話行為を意味公式を用いて分析し 直接断り表現を選択するか間接断り表現を選択するかという点に聞き手の話し手に対する力関係が関与し その関与の仕方に母語からの転移が見られることを報告している 日本語学習者を対象とした研究では 転移が生じることに関与する要因を検証しているものは極めて少ないが 藤森 (1994) と水野 (1996) が話し手と聞き手の距離が転移が生じることに関与することを示唆する結果を報告している しかし 親疎 いずれの場合に転移が生じやすいかは 両研究で異なっている 断りはフェイスを脅かす行為 ( 以下 FTA) になり得るため FTA の度合を求める公式 (FTA の度合 = 話し手と聞き手の距離 (D)+ 聞き手の話し手に対する力関係 (P)+メッセージの負担の度合 (R)) に従ってポライトネス ストラテジーが選択される (Brown & Levinson 1987( 以下 B&L)) と想定する それ故 選択された断り表現が異なる時は 変数 (D P R) の捉え方が異なると想定されるが 変数の捉え方は話し手が断るという行為をどのように認識しているかによる ( 変数の捉え方と認識の仕方の関係は 杉戸 2007 に基づく ) ここから 学習者が選択した断り表現が母語話者と異なる時は 断るという行為の認識の仕方が母語話者と異なるという仮説が導かれる 本研究は 語用論的転移が生じることに関与する要因を探る一方策としてこの仮説を検証する なお 本研究では 学習者を 日本語を教室で習得しつつ生活の場で運用している人であれ 日本語を職場で自然習得しつつ運用している人であれ 日本社会で生活するための能力として日本語を習得しようとしている日本語の非母語話者 という意味で使用する 1. 調査 1.1 調査対象者 調査は アメリカ人男性 (5 名 )( 以下 A B C D E)( 表 1) の日本語での断り発話を対象とする 調査対象としたアメリカ人は アメリカ英語を母語としており 調査時点で日本の同じ大学で教えており 生活環境も同じである 年齢 (E を除いて 40 歳前後 ) 日本語の文法力 (E を除く ) アカデミックバックグランドもほぼ同じである

3 表 1 調査対象者 対象者 日本語文法力 学習環境 滞日年数 A 初級レベル 教室習得 + 自然習得 6.5~7 年 B 初級レベル 自然習得 7 年 C 初級レベル 自然習得 3.5~4 年 D 初級レベル 自然習得 4 年 E 中級レベル 教室習得 + 自然習得 3.5~4 年 人は 場面 状況に適した言語表現を選択し コミュニケーションを成立させ 自己の要求を実現しようとする その場面 状況にどのような言語表現が対応するか つまり 言語表現 状況 意図 / 判断の三者の関係性の捉え方には日本語社会に継承されてきた捉え方があるとされる しかし 日本語社会の構成員すべてが常にその捉え方どおりに日本語を運用しているわけではない 言語行動は個人的で創造的な行動である このように考えると 学習者は 母語話者を含めた他者と実際にインターアクションを行い その対人関係の中で日本語を使って自己表現を行おうとする過程で 選択された言語表現と場面 状況との関係性を認識し 更に関係性を認識していることを自覚することにより 日本語社会の言語運用の習慣を身につけると想定される ( 学習者の L2 の言語運用習慣 ( 言語表現 状況 意図 / 判断の三者の関係性 ) の習得に関しては 細川 2000 に基づく ) 以上のことから そして 調査対象者の大半が日本語を職場で自然習得しつつ運用していることを踏まえると 本調査で対象としたアメリカ人は 日本語の言語運用の習慣を身につける過程で 日々職場でインターアクションを行っている日本人の言語運用の習慣の影響を受けていると推測される 5 名の調査対象者が共通して一番多く接触している日本人は 調査対象者が毎日教えている日本人学生である それ故 学生と調査対象者は年齢は離れているが 本調査ではこの日本人学生 (22 名 ) を統制群とする 1.2 調査のデザイン 調査はポライトネス理論 (B&L) の枠組みでデザインした 1 ( 例 1 参照 ) 断り表現選択に影響を与えるとされる3つの変数のうち 話し手と聞き手の距離 ( 以下 距離 ) は 調査対象者の生活環境を考慮し 接触の頻度から捉えた 親 とし 聞き手の話し手に対する力関係 ( 以下 力関係 ) は 上位 同等 下位の3 水準 メッセージの負担の度合は 夕食のためのお金を貸してくれと頼まれたこと ( 以下 依頼 ) と 自宅でのパーティーに招待されたこと ( 以下 招待 ) の 2 水準とした 依頼と招待の 2 水準としたのは 断りの前提となる発話が依頼する人の利益を前提とした発話 ( 例えば 依頼 ) の場合と受け手の利益を前提とした発話 ( 例えば 招待 ) の場合では 話し手の断るという行為の認識の仕方が異なる可能性があるからである 結果として変数の異なる6つの断りの発話行為が行われる状況が準備で

4 きた なお 実際の調査では6つの状況はランダムに提示した 断り表現は調査対象者の日本語の文法力を考慮し 多肢選択で求めた 断り表現の選択肢としては 藤森 (1994) を踏まえ { 結論 } { 弁明 } { 代案 } { 弁明 + 代案 } という4つの意味公式に分類される言語表現を提示した 断り発話では 謝ることから話を始めることがあるが 謝るということはほかのいずれの断り表現とも共起できる ( 森山 1990) そこで 語用論的転移が生じることに関与する要因を探るという調査の目的を考え 選択肢は { 詫び } に分類される言語表現を付加していない形とした 回答者の断るという行為に対する認識の仕方を知るため 依頼あるいは招待されて話し手が感じる負担の度合 ( 以下 負担の度合 ) と依頼あるいは招待を断られて聞き手が失望すると話し手が思う度合 ( 以下 失望すると思う度合 ) から状況評価を求めた 負担の度合と失望すると思う度合という2つの側面に関して評価を求めたのは お互いのフェイスを維持することが 参加者全員の最大の利益になる (B&L) ので 話し手と聞き手の2 側面を見る必要があると考えたからである アンケートは 統制群には日本語で 調査対象者には日本語の文法力を考慮し英語で作成したが 多肢選択の選択肢は英語と日本語で提示した 調査対象者には英語で個別インタビューを行ない 結果の分析 解釈を補った アンケート調査は 2004 年 11 月に行った アンケートの回収率は 統制群は 85% 調査対象者は 100% である [ 例 1]Your Japanese boss invites you to a party at his/her home. Q1. How do you decline? From the following descriptions (A) ~ (D), please select the one which most appropriately describes your behavior when speaking in Japanese. (A) Decline the invitation directly. For example: ikemasen. I cannot. (B) Give some reasons or excuses for not accepting the invitation, and then decline. For example: isogashii node ikemasen. I am busy, so I cannot. (C) Decline the invitation, offering an alternative. For example: sono hi wa ikemasen. ^ ^ de ii nara, ikitainodesu kedo. I cannot go that day; but if ^ ^ is all right with you, I d like to. (D) Give some reasons or excuses for not accepting the invitation, and then decline, offering an alternative. For example: isogashii node sono hi wa ikemasen. ^ ^ de ii nara, ikitainodesu kedo. I am busy, so I cannot go that day; but if ^ ^ is all right with you, I d like to. Q2. When that person makes the above invitation: * How annoying is this situation for you? Please select from the following:

5 5.Very annoying 4. Somewhat annoying 3. Neutral 2. Hardly annoying 1.Not at all annoying * How disappointed do you think that person will get if his/her invitation is declined? Please select from the following: 5.Very disappointed 4. Somewhat disappointed 3. Neutral 2. Hardly disappointed 1.Not at all disappointed 2. 調査結果と考察 2.1 選択された断り表現 本節では 選択された断り表現が異なる時は 断るという行為の認識の仕方が異なるという第 0 節でたてた仮説を検証する そのため まず 統制群と調査対象者がそれぞれどのような断り表現を選択したかを分析する なお [ 例 1] で断り表現の選択肢として提示した表現のうち { 結論 } に分類される (A) は直接断り表現であり { 弁明 } { 代案 } { 弁明 + 代案 } に分類される (B) (C) (D) は間接断り表現である 本稿では 間接断り表現の方が直接断り表現より丁寧度が高いとする そして 藤森 (1994) を踏まえて 断り表現の丁寧度は言語表現の長さに現れると想定し 間接断り表現のなかでは { 弁明 + 代案 } に分類される言語表現の方が { 弁明 } あるいは { 代案 } に分類される言語表現よりも丁寧度が高いとする 統制群が全体としてどのような表現を選択したかを知るため 統制群の選択した断り表現を母比率の検定を用いて検定した その結果 直接断り表現を選択した回答に比べて間接断り表現を選択した回答の比率が有意に高く 全体としては 断り表現として間接断り表現を選択していることが明らかになった (p=0.000) 次に 回答者が状況により異なる断り表現を選択しているかどうかを調べてみると 表 2 表 3に示したように 状況に応じて選択された断り表現の間に有意な差が見られる場合があった (6つの状況に関しては 1.2 節を参照 ) 親 上位 依頼 の断りと 親 下位 依頼 の断りの間では 親 上位 依頼 の断りで間接断り表現を選択していた回答者が 親 下位 依頼 の断りでは直接断り表現を選択することが有意に多かった (JavaScript-STAR を用いて直接確立計算を行った結果 p=.035 片側確率)( 表 2) また 親 同等 依頼 の断りと 親 下位 依頼 の断りの間では 親 同等 依頼 の断りで間接断り表現を選択していた回答者が 親 下位 依頼 の断りでは直接断り表現を選択することが有意に多かった (JavaScript-STAR を用いて直接確立計算を行った結果 p=.008 片側確率)( 表 3) 表 2 表 3で提示した状況以外では 状況に応じて選択された断り表現の間に有意な差は見られなかった

6 表 2 親 上位 依頼 の断りと 親 下位 依頼 の断りで 選択された断り表現 表 3 親 同等 依頼 の断りと 親 下位 依頼 の断りで 選択された断り表現 下位の相手 下位の相手 直接断り間接断り 直接断り間接断り 上位の相手 同等の相手 直接断り 1 1 直接断り 1 0 間接断り 7 13 間接断り 7 14 次に 調査対象者がどのような断り表現を選択したかを分析する 調査対象者は人数が少 ないので アンケート結果の分析 解釈をインタビューで補う質的な分析とする アンケー トで調査対象者が選択した断り表現は 表 4 表 5 のとおりである 表 4 調査対象者の選択した断り表現 依頼の断りの場合 対象者上位の相手に断る場合 同等の相手に断る場合下位の相手に断る場合 A 弁明 + 代案 弁明 + 代案 弁明 B 弁明 弁明 + 代案 結論 C 弁明 + 代案 弁明 + 代案 結論 D 弁明 + 代案 弁明 + 代案 弁明 + 代案 E 弁明 + 代案 弁明 + 代案 弁明 注 ){ 弁明 + 代案 } { 弁明 } は間接断り表現で { 結論 } は直接断り表現である 表 5 調査対象者の選択した断り表現 招待の断りの場合 対象者上位の相手に断る場合同等の相手に断る場合 下位の相手に断る場合 A 弁明 + 代案 弁明 + 代案 弁明 B 弁明 弁明 弁明 C 弁明 + 代案 弁明 結論 D 弁明 + 代案 弁明 + 代案 弁明 + 代案 E 弁明 + 代案 代案 弁明 注 ){ 弁明 + 代案 } { 弁明 } { 代案 } は間接断り表現で { 結論 } は直接断り表現である 表 4 表 5 から 調査対象者も全体としては間接断り表現を選択していることがわかる 次

7 に 断りの発話行為が行われる6つの状況ごとに選択された断り表現を見てみると 状況に応じて異なった表現を選択していることがわかる 調査対象者 (A B C E) は 親 上位 依頼 の断り 親 同等 依頼 の断りでは丁寧度の高い表現を選択していたが 親 下位 依頼 の断りでは より丁寧度の低い表現を選択していた ( 表 4) また 調査対象者 (A C) は 親 上位 招待 の断り 親 同等 招待 の断りでは丁寧度の高い表現を選択していたが 親 下位 招待 の断りではより丁寧度の低い表現を選択していた ( 表 5) 以上をまとめると以下のようになる 統制群も調査対象者も全体としては間接断り表現を選択していたが 断りが行われる個々の状況を見てみると 統制群も調査対象者も断り表現を使い分けている場合があった しかし 統制群と調査対象者では 使い分けのために選択された断り表現が異なっていた つまり 統制群は直接断り表現か間接断り表現かという使い分け方であったが 調査対象者にはそうした傾向は明確には見られなかった 2.2 断るという行為の認識の仕方 第 0 節で述べたように 断り発話では3つの変数 ( 距離 力関係 負担の度合 ) に従ってポライトネス ストラテジーが選択されると想定する それ故 選択された断り表現が異なる時は 変数の捉え方が異なると想定される ( 本調査では 距離は1 水準であるので 力関係 負担の度合の捉え方が異なると想定される ) が 変数の捉え方は話し手が断るという行為をどのように認識しているかによる 2.1 節で明らかにしたように 統制群と調査対象者とでは 選択した断り表現は必ずしも同じようなパターンをなしてはいない そこで 本節では 統制群と調査対象者の断るという行為の認識の仕方が異なるかどうかを考察する 統制群は 親 上位 依頼 の断りあるいは 親 同等 依頼 の断りで間接断り表現を選択していた回答者が 親 下位 依頼 の断りでは直接断り表現を選択することが有意に多かった ( 表 2 表 3) しかし 状況の評価を JavaScript-STAR を用いて直接確立計算を行った結果 親 上位 依頼 の断りと 親 下位 依頼 の断りの間 親 同等 依頼 の断りと 親 下位 依頼 の断りの間には 負担の度合にも失望すると思う度合にも有意な差は見られなかった ( 状況評価の方法については 1.2 節参照 ) 一方 調査対象者の場合は 断り表現の使い分けが行われた状況間には 失望すると思う度合には差異が見られなかったが 負担の度合には差異が見られるところがあった 調査対象者が負担の度合から行った状況評価を表 6 表 8に示す 負担の度合を調査対象者が選択した断り表現 ( 表 7(= 表 4) 表 9(= 表 5)) と対照してみると 負担の度合と選択した断り表現の間に関連が見られるところがあった すなわち 表 6と表 7を見てみると 調査対象者 5 名ともに 親 同等 依頼 の断りより 親 下位 依頼 の断りの方が負担の度合が高いと捉える傾向が見られるが 調査対象者 (A B C E) は 負担の度合が高いと捉える傾向が見られた 親 下位 依頼 の断りの方により丁寧度の低い表現を選択する傾向が見られる 表 8と表 9を見てみると 調査対象者 (A C) には 親 同等 招待 の

8 断りと 親 下位 招待 の断りの間に負担の度合と選択した表現の丁寧度の間に関連があ ることを窺わせる傾向が見られる 表 6 負担の度合から行った状況評価 調査対象者の依頼の断りの場合 対象者上位の相手に断る場合同等の相手に断る場合 下位の相手に断る場合 A 高い どちらとも言えない 高い B 高い 低い 高い C 低い 低い 高い D 低い 低い 高い E どちらとも言えない 低い どちらとも言えない 注 ) アンケート [ 例 1](1.2 節参照 ) の Q2で5あるいは4と回答したものを 高い 3と回答したものを どちらとも言えない 2あるいは1と回答したものを 低い とした 表 7(= 表 4) 調査対象者の選択した断り表現 依頼の断りの場合 対象者上位の相手に断る場合 同等の相手に断る場合下位の相手に断る場合 A 弁明 + 代案 弁明 + 代案 弁明 B 弁明 弁明 + 代案 結論 C 弁明 + 代案 弁明 + 代案 結論 D 弁明 + 代案 弁明 + 代案 弁明 + 代案 E 弁明 + 代案 弁明 + 代案 弁明 表 8 負担の度合から行った状況評価 調査対象者の招待の断りの場合 対象者上位の相手に断る場合同等の相手に断る場合 下位の相手に断る場合 A 高い 低い どちらとも言えない B 高い どちらとも言えない 低い C 高い 低い どちらとも言えない D 低い 低い 低い E 低い 低い 低い 注 ) 高い どちらとも言えない 低い は表 6に同じ

9 表 9(= 表 5) 調査対象者の選択した断り表現 招待の断りの場合 対象者上位の相手に断る場合同等の相手に断る場合 下位の相手に断る場合 A 弁明 + 代案 弁明 + 代案 弁明 B 弁明 弁明 弁明 C 弁明 + 代案 弁明 結論 D 弁明 + 代案 弁明 + 代案 弁明 + 代案 E 弁明 + 代案 代案 弁明 調査対象者にインタビューを行ったところ その人が自分にとってどういう人であるか 例えば 好きな人であるか 一緒にいて気持のいい (comfortable) 人であるかどうかが どのように断るかに影響するというコメントが複数の調査対象者から寄せられた このコメントは 負担の度合と選択された断り表現との間に関連があるというアンケート結果を裏付けるものである 調査対象者は 話し手の意向を中心に断るという行為を認識し その認識を基に変数を評価し 断り表現を選択していると解釈できよう ただし 興味深いことには 親 上位 依頼 の断りと 親 下位 依頼 の断りの場合は 負担の度合は同じと捉える傾向が見られるのに 選択された表現の丁寧度は異なる 親 上位 招待 の断りと 親 下位 招待 の断りの場合も負担の度合と選択された表現の丁寧度の間の関連は明らかではない この点の解明は今後の課題としたい 一方 統制群の場合は 負担の度合も失望すると思う度合も表現選択に関与せず 断るという行為が話し手の意向を中心にも聞き手への配慮を中心にも認識されていなかったと推測される 本調査で提示しなかった何らかのほかの要因から状況評価を行い 断り表現を選択したものと推測される 井出 (1998:76) は フェイスの概念化に対して批判的な立場をとり 日本語社会においては会話参加者の位置確認などのわきまえという共通認識が言語行動の基準となっているとする 本調査で統制群とした日本人学生の断るという行為についての認識の仕方を探るとき 井出 ( 前出 ) の視点は示唆するところが大きい 3. まとめと今後の課題 本研究では 語用論的転移が生じることに関与する 1 つの要因を探るために 選択された断り表現が異なるときは断るという行為の認識の仕方が異なるという仮説を提起し その仮説を検証した 調査の結果 選択された断り表現は 統制群と調査対象者で異なっていた 統制群は直接断り表現か間接断り表現かという使い分けだったが 調査対象者にはそうした傾向は明確には見られなかった 断るという行為の認識の仕方も両グループで異なっていた 統制群では負担の度合も失望すると思う度合も表現選択に関与せず 断るという行為が話し手の意向を中心にも聞き手への配慮を中心にも認識されていなかった 一方 調査対象者に

10 は話し手の意向を中心に認識する傾向が見られた 断るという行為の認識の仕方が異なることが一因で選択された断り表現が異なったと言えよう 仮説は概ね支持された 学習者に語用知識の習得を促すインプットを提供する教室活動を行なうために 母語話者が断りをどのように認識しているかを探ることを次の課題としたい 注 1. 本調査は 日本語学習者が断り表現をどのように認識しているかを把握するために行なった調査 (24 の異なる状況からなるアンケート調査 ) の一部である 付録には 本調査の議論にかかわる 6 つの状況のうち 2 つの状況 ( 英語版 日本語版 ) を掲載した 参考文献 (1) Beebe, L. M., Takahashi, T., & Uliss-Weltz, R. (1990) Pragmatic Transfer in ESL Refusals. On the Development of Communicative Competence in a Second Language. Eds. Scacella, R.C., Andersen, E. S., & Krashen, S.D.. New York: Newbury House.55-73. (2) Brown, P. & Levinson, S. C. (1987) Politeness: Some Universals in Language Usage. Cambridge: Cambridge University Press. (3) Kasper, G. & Schmidt, R. (1996) Developmental Issues in Interlanguage Pragmatics. Studies in Second Language Acquisition 18: 149-169. (4) Maeshiba, N., Yoshinaga, N., Kasper, G., & Ross, S. (1996) Transfer and Proficiency in Interlanguage Apologizing. Speech Acts Across Cultures: Challenges to Communication in a Second Language. Eds. Gass, S., & Neu, J.. Berlin: Mouton de Gruyter. 155-187. (5) Takahashi, T. & Beebe, L.M. (1987) The Development of Pragmatic Competence by Japanese Learners of English. JALT Journal 8: 131-151. (6) 井出祥子 (1998) 文化とコミュニケーション行動 日本語はいかに日本文化とかかわるか 日本語学第十七巻第十一号:62-77. (7) 杉戸清樹 (2007) 日本語社会における言語行動のバリエーションと日本語教育 日本語教育 134:18-27. (8) 藤森弘子 (1994) 日本語学習者に見られるプラグマティック トランスファー 断り 行為の場合 名古屋学院大学日本語学 日本語教育論集 1: 1-19. (9) 細川英雄 (2000) 崩壊する 日本事情 ことばと文化の統合をめざして 21 世紀の 日本事情 日本語教育から文化リテラシーへ 第 2 号 :16-27. (10) 水野かおる (1996) 依頼 の言語行動における中間言語語用論 中国人日本語学習者

11 の場合 名古屋大学言語文化論集 17-2: 91-106. (11) 森山卓郎 (1990) 断り の方略 対人関係調整とコミュニケーション 言語 19-8: 59-66. 付録 本調査の議論にかかわる 6 つの状況のうち 2 つの状況 ( 英語版 日本語版 ) を掲載する SCENARIO 3 Your close Japanese friend invites you to a party at his/her home. Q1. How do you decline? From the following descriptions (A) ~ (D), please select the one which most appropriately describes your behavior when speaking in Japanese. (A) Decline the invitation directly. For example: ikemasen. I cannot. (B) Give some reasons or excuses for not accepting the invitation, and then decline. For example: isogashii node ikemasen. I am busy, so I cannot. (C) Decline the invitation, offering an alternative. For example: sono hi wa ikemasen. ^ ^ de ii nara, ikitainodesu kedo. I cannot go that day; but if ^ ^ is all right with you, I d like to. (D) Give some reasons or excuses for not accepting the invitation, and then decline, offering an alternative. For example: isogashii node sono hi wa ikemasen. ^ ^ de ii nara, ikitainodesu kedo. I am busy, so I cannot go that day; but if ^ ^ is all right with you, I d like to. Q2. When that person makes the above invitation: * How annoying is this situation for you? Please select from the following: 5.Very annoying 4. Somewhat annoying 3. Neutral 2. Hardly annoying 1.Not at all annoying * How disappointed do you think that person will get if his/her invitation is declined? Please select from the following: 5.Very disappointed 4. Somewhat disappointed 3. Neutral 2. Hardly disappointed 1.Not at all disappointed

12 SCENARIO 16 Your close Japanese friend asks you to lend some money for dinner. Q1. How do you refuse in Japanese? Choose the description you prefer the best from (A)~(D) below. (A) Refuse the request directly. For example: okotowarishimasu. / iie, okashidekimasen. I refuse. / I cannot. (B) Give some reasons or excuses for not granting the request, and then refuse. For example: sonnani okane wo motteinai node okashidekimasen. I do not have enough money to lend you, so I cannot. (C) Refuse the request, but offer an alternative. For example: sonnani wa okashidekimasen kedo, #### de ii nara, okashishimasu. I cannot lend you so much; but if #### is all right with you, I can lend you that much. (D) Refuse the request but give an excuse and then offer an alternative. For example: sonnani okane wo motteinai node okashidekimasenkedo, ####de ii nara, okashishimasu. I do not have enough money to lend you, so I cannot; if #### is all right with you, I can lend you that much. Q2. When that person makes the above request: * How annoying is this situation for you? Choose one from 1~5 below: 5.Very annoying 4. Somewhat annoying 3. Neutral 2.Hardly annoying 1.Not at all annoying * How disappointed do you think that person will get if his/her request is refused? Choose one from 1~5 below: 5.Very disappointed 4. Somewhat disappointed 3. Neutral 2. Hardly disappointed 1.Not at all disappointed シナリオ3 あなたの親しい友達が その人の家で開かれるパーティに招待してくれた 質問 1 どのように断りますか 日本語で話しているとしたら あなたが 一番よく使うと思う返答を (A)~(D) から 選んでください (A) 招待を直接断る 例えば : 行けません (B) 言い訳をして 招待を断る 例えば : 忙しいので 行けません (C) 招待を断るが 代案を示す 例えば : その日は行けません でいいなら 行きたいのですけど

13 (D) 言い訳をして招待を断るが 代案を示す 例えば : 忙しいので その日はいけません でいいなら 行きたいのですけど 質問 2 招待されたとき : * この状況は あなたにとってどのくらいやっかいなものですか 下から選んでください 5. とてもやっかいである 4. すこしやっかいである 3. どちらとも言えない 2. ほとんどやっかいでない 1. すこしもやっかいでない * あなたが断ったら 招待した人は どのくらいがっかりすると思いますか 下から選んでください 5. とてもがっかりする 4. すこしがっかりする 3. どちらとも言えない 2. ほとんどがっかりしない 1. すこしもがっかりしない シナリオ16 あなたの親しい友達から 夕食を食べるためのお金を貸してくれと頼まれた 質問 1 どのように断りますか 日本語で話しているとしたら あなたが 一番よく使うと思う返答を (A)~(D) から 選んでください (A) 頼みを直接断る 例えば : お断りします / いいえ お貸しできません (B) 言い訳をして 頼みを断る 例えば : そんなにお金を持っていないので お貸しできません (C) 頼みを断るが 代案を示す 例えば : そんなにはお貸しできませんけど でいいなら お貸しします (D) 言い訳をして頼みを断るが 代案を示す 例えば : そんなにお金を持っていないのでお貸しできませんけど でいいなら お貸しします 質問 2 頼まれたとき : * この状況は あなたにとってどのくらいやっかいなものですか 下から選んでください 5. とてもやっかいである 4. すこしやっかいである 3. どちらとも言えない 2. ほとんどやっかいでない 1. すこしもやっかいでない * あなたが断ったら 頼んだ人は どのくらいがっかりすると思いますか 下から選んでください 5. とてもがっかりする 4. すこしがっかりする 3. どちらとも言えない 2. ほとんどがっかりしない 1. すこしもがっかりしない