( 宅建 ) <30> 要点解説講義 要点確認テスト 4 権利関係 4 問題 制限時間 20 分 問 1 Aは 所有する家屋を囲う塀の設置工事を業者 Bに請け負わせたが Bの工事によりこの塀は瑕疵がある状態となった Aがその後この塀を含む家屋全部をCに賃貸し Cが占有使用しているときに この瑕疵により塀が崩れ 脇に駐車中の D 所有の車を破損させた A B 及びCは この瑕疵があることを過失なく知らない この場合に関する次の記述のうち 民法の規定によれば 正しいものの組合せはどれか ア Bは 瑕疵を作り出したことに故意又は過失がなければ Dに対する損害賠償責任を免れることができる イ Cは 損害の発生を防止するのに必要な注意をしていれば Dに対する損害賠償責任を免れることができる ウ Aは 損害の発生を防止するのに必要な注意をしていれば Dに対する損害賠償責任を免れることができる 1 ア イ 2 ア ウ 3 イ ウ 4 ア イ ウ 問 2 Aが その過失によって B 所有の建物を取り壊し Bに対して不法行為による損害賠償債務を負担した場合に関する次の記述のうち 民法の規定及び判例によれば 正しいものはどれか 1 Aの損害賠償債務は BからAへ履行の請求があった時から履行遅滞となり Bは その時以後の遅延損害金を請求することができる 2 Aの不法行為に関し Bにも過失があった場合でも Aから過失相殺の主張がなければ 裁判所は 賠償額の算定に当たって 賠償金額を減額することができない 3 Bが 不法行為による損害と加害者を知った時から 1 年間 損害賠償請求権を行使しなければ 当該請求権は消滅時効により消滅する 4 不法行為がAの過失とCの過失による共同不法行為であった場合 Aの過失が Cより軽微なときでも Bは Aに対して損害の全額について賠償を請求することができる 9142-18501704 要点 4 問 -1
問 3 事業者 Aが雇用している従業員 Bが行った不法行為に関する次の記述のうち 民法の規定及び判例によれば 正しいものはどれか 1 Bの不法行為がAの事業の執行につき行われたものであり Aに使用者としての損害賠償責任が発生する場合 Bには被害者に対する不法行為に基づく損害賠償責任は発生しない 2 Bが営業時間中にA 所有の自動車を運転して取引先に行く途中に前方不注意で人身事故を発生させても Aに無断で自動車を運転していた場合 Aに使用者としての損害賠償責任は発生しない 3 Bの不法行為がAの事業の執行につき行われたものであり Aに使用者としての損害賠償責任が発生する場合 Aが被害者に対して売買代金債権を有していれば 被害者は不法行為に基づく損害賠償債権で売買代金債務を相殺することができる 4 Bの不法行為がAの事業の執行につき行われたものであり Aが使用者としての損害賠償責任を負担した場合 A 自身は不法行為を行っていない以上 Aは負担した損害額の2 分の1をBに対して求償できる 問 4 Aが死亡した場合の相続に関する次の記述のうち 民法の規定によれば 誤っているものはいくつあるか ア Aに 配偶者 B Bとの間の子 C D(Dは Aの死亡より前に死亡 ) Dの子 Eがいる場合 BとCと Eが相続人となり Eの法定相続分は 1/4となる イ Aに 配偶者 B 母 F 兄 Gがいる場合 BとFが相続人となり Fの法定相続分は 1/4となる ウ Aに かつて配偶者であったが離婚した Hと Hとの間の子 Iがいる場合 HとIが相続人となり HとIの法定相続分はいずれも 1/2となる 1 一つ 2 二つ 3 三つ 4 なし 要点 4 問 -2
問 5 相続の承認及び放棄に関する次の記述のうち 民法の規定によれば 誤っているものはどれか 1 被相続人の子が相続を放棄した場合 その者の子がこれを代襲して相続人となる 2 相続の放棄をする場合 その旨を家庭裁判所に申述しなければならない 3 相続人が数人あるときは 限定承認は 共同相続人の全員が共同してのみ することができる 4 相続人が 自己のために相続の開始があったことを知った時から 3ヵ月 ( 家庭裁判所が期間の伸長をした場合は当該期間 ) 以内に 限定承認又は放棄をしなかったときは 単純承認をしたものとみなされる 問 6 遺留分に関する次の記述のうち 民法の規定及び判例によれば 誤っているものはどれか 1 被相続人の配偶者と弟のみが相続人である場合 配偶者のみならず弟も 遺留分権利者となる 2 遺留分の減殺請求は 訴えを提起しなくても 内容証明郵便による意思表示だけでもすることができる 3 相続が開始して9 年 6カ月経過する日に はじめて相続の開始と遺留分を害する遺贈のあったことを知った遺留分権利者は 6カ月以内であれば 遺留分の減殺請求をすることができる 4 被相続人 Aの生前に Aの子 Bが家庭裁判所の許可を得て遺留分の放棄をした場合でも Bは Aが死亡したとき その遺産を相続する権利を失わない 要点 4 問 -3
問 7 借地人 Aが 平成 28 年 5 月 1 日に甲地所有者 Bと締結した建物所有を目的とする甲地賃貸借契約に基づいてAが甲地上に所有している建物と甲地の借地権とを第三者 Cに譲渡した場合に関する次の記述のうち 民法及び借地借家法の規定によれば 正しいものはどれか 1 甲地上のA 所有の建物が登記されている場合には AがCと当該建物を譲渡する旨の合意をすれば Bの承諾の有無にかかわらず CはBに対して甲地の借地権を主張できる 2 Aが借地上の建物をDに賃貸している場合には AはあらかじめDの同意を得ておかなければ 借地権を譲渡することはできない 3 AB 間の借地契約が専ら事業の用に供する建物 ( 居住の用に供するものを除く ) の所有を目的とし かつ 存続期間を 20 年とする借地契約である場合には AはBの承諾の有無にかかわらず 借地権を Cに対して譲渡することができ CはBに対して甲地の借地権を主張できる 4 Aが借地権をCに対して譲渡するに当たり Bに不利になるおそれがないにもかかわらず Bが借地権の譲渡を承諾しない場合には AはBの承諾に代わる許可を与えるように裁判所に申し立てることができる 問 8 Aが Bに土地を賃貸し Bがその土地上に建物を所有している場合の契約終了に伴う建物買取請求権に関する次の記述のうち 借地借家法の規定及び判例によれば 誤っているものはどれか 1 建物買取請求権は 契約終了の理由を問わず Bの債務不履行を原因とする契約終了の場合にも BはAに対して建物の買取りを請求することができる 2 BがAの承諾を得て土地をCに転貸し 建物を譲渡した場合 AB 間 BC 間の契約が ともに期間満了し更新がなければ CはAに対し直接建物買取請求権を有する 3 Bが適法にAに建物買取請求権を行使すると その所有権は直ちに BからA に移転するが BはAが代金を支払うまで 建物の引渡しを拒むことができる 4 AB 間の借地契約が 公正証書により10 年の事業専用の目的で締結された場合には Bは建物買取請求権を有しない 要点 4 問 -4
問 9 Aは 建物の所有を目的として Bから土地を賃借し 建物を建築して所有しているが その土地の借地権については登記をしていない この場合において その土地の所有権がBからCに移転され 所有権移転登記がなされたときに関する次の記述のうち 借地借家法の規定及び判例によれば 正しいものはどれか 1 Aが Aの名義ではなく Aと氏を同じくするAの長男名義で 本件建物につき保存登記をしている場合 Aは 借地権をCに対抗することができる 2 Aが自己の名義で本件建物につき保存登記をしている場合で BからC への土地の所有権の移転が 当該保存登記後の差押えに基づく強制競売によるものであるとき Aは 借地権をCに対抗することができる 3 本件建物が火事により滅失した場合 建物を新たに築造する旨を本件土地の上の見やすい場所に掲示していれば Aは 本件建物について登記していなかったときでも 借地権をCに対抗することができる 4 借地権が借地借家法第 22 条に規定する定期借地権である場合 公正証書によって借地契約を締結していれば Aは 本件建物について登記していなかったときでも 借地権をCに対抗することができる 問 10 AがBのために新たに借地権を設定した場合に関する次の記述のうち 借地借家法の規定及び判例によれば 誤っているものはいくつあるか ア借地権の存続期間は 契約で25 年と定めようと 35 年と定めようと いずれの場合も 30 年となる イ 期間満了の際 AがBに対し相当の一定額の交付さえ行えば Aは更新を拒絶できる と特約しても その特約は 無効である ウ 借地権の設定から30 年経過後に AがBの建物を時価で買い取り 契約は更新しない と特約しても その特約は 無効である 1 一つ 2 二つ 3 三つ 4 なし ( 以下余白 ) 要点 4 問 -5