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の復旧状況に関する長期的な見通しを可能な限り明らかにしながら 復旧の段階に 応じた役割の分析を行う 5) 交通事業者ヒアリング調査沿線地域に関係する交通事業者 ( 鉄道事業者 2 社 バス事業者 2 社 タクシー事業者 2 社その他 ) に聞き取り調査を行い 定性的な利用特性や地域の公共交通の問題点

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文部科学省では 被災者の生活再建に関連して 就学援助のほか 教員やスクールカウンセラー ボランティアの配置を充実することにより 子供たちの学習支援や心のケアに向けた対応を行っています 被災児童生徒就学支援等事業 (H30 予算額 ( 案 ) 52 億円 (H29 予算額 62 億円 )) 東日本大震

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2. 相談 29

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年齢 年齢 1. 柏 2. 名古屋 3. G 大阪 4. 仙台 5. 横浜 FM 6. 鹿島 -19 歳 0 0.0% 0 0.0% 2 2.7% 1 1.4% 3 4.0% 3 4.6% 歳 4 5.0% 5 6.7% 7 9.6% 2 2.7% 2 2.7% % 25-2


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Transcription:

平成 28 年度老人保健事業推進費等補助金 ( 老人保健健康増進等事業分 ) 事業実施計画書 1 事業名 災害支援の視点にたった地域包括ケアシステムの検討 ~ 地域包括ケアによる災害時に途切れない福祉の実現 ~ 2 事業実施目的 本事業は 災害福祉の視点で地域包括ケアシステムを検討し 地域包括ケアシステムによって災害時も途切れない福祉を実現する方法 更には 災害時も機能する地域包括ケアシステムの構築手法 について提案を行うものである 災害がいつどこで起きるか分からない災害大国日本において 災害時に福祉を機能させ続けるしくみをつくることは急務である 阪神 淡路大震災において 災害時における高齢者支援の重要性が認識されて以降 災害福祉の視点にたった様々な取り組みがなされてきた しかし 東日本大震災においても 十分な支援に至ったとは言い難い 福祉避難所は機能せず 一次避難所の被災高齢者への支援にも時間を要した 仮設住宅のサポート拠点も 目的や機能についての理解が浸透しないまま開設されたため 本来の機能を果たし得ていない場合が多い 復興住宅の建設も 住宅の確保が優先され 福祉やまちづくりの意識が欠けている場合が多い 私たちは 平成 27 年度老人保健健康増進等事業等において この現状を確認すると共に 災害時における高齢者支援のポイントを整理した 一つ目のポイントは 災害時の高齢者支援は地域の中で行われるべき ということである 避難所 仮設住宅 復興住宅の全ての段階において 高齢者を一所に集めるという施策が度々なされてきたが これは支援側の都合によるところが大きく 高齢者の立場に立った施策とは言えない 高齢者に限らず 同じ立場の人だけを集めた空間には 相互支援が成立しない また 他の世代と共にあることの喜びや活気も失われる 高齢者を集めることは 地域や家族の崩壊という二次災害とも言える 二つ目のポイントは 支援を途切れさせない ことである 介護や生活支援が必要な人にとって それらはライフラインと同様で 一時的でも失われることは 生活に大きな影響を及ぼす 高齢者福祉も ライフラインと同様に 寸断しないための努力や 復旧時間の短縮に力を注がれるべき事項である 上記の二つのポイントから 住まいの場所や形態に関わらず支援を行う地域包括ケアシステムが災害に強い福祉の鍵になる という仮説が立てられる 避難所や仮設住宅に移ることは 住まいが変わることと同じと捉え 支援を継続するということである 本事業では この仮説を踏まえ 地域包括ケアシステムによって災害時も途切れない福祉を実現する方法 更には 災害時も機能する地域包括ケアシステムの構築手法 について検討し 具体的な手法や課題を 制度論を含む形で取りまとめ 来たる災害への備えとして 全国に発信する 東日本大震災被災地は 現在 仮設住宅から復興住宅への移行の時期である 復興計画に地域包括ケアを盛り込むためには 早急な対応が必要である そこで 本事業では 上記検討を進めると同時に 東日本大震災被災地には 地域包括ケアを復興計画に盛り込むための具体的な働きかけを行っていく

3 事業内容 1. 検討委員会の実施 (2 回 ) 被災経験者 医療関係者 福祉関係者等による検討委員会を設置し 事業実施に向けた検討及び調整 (1 回 ) と実施後の評価 (1 回 ) を行う 委員は 以下の案を元に 第 1 回ワーキング会議で検討の上 調整を行う 委員案 友保洋三 ( 白鬚橋病院医師 元国立病院機構災害医療センター臨床研究部部長 ) 内出幸美 ( 社会福祉法人典人会理事 総所長 / 東日本大震災被災地岩手県 ) 野田毅 ( 社会福祉法人東北福祉会法人本部次長 / 東日本大震災被災地宮城県 ) 菊池健治 ( 社会福祉法人心愛会常務理事 / 東日本大震災被災地福島県 ) 吉井靖子 ( 高齢者総合ケアセンターこぶし園園長 / 新潟県中越地震被災地 ) 宇都幸子 ( 阪神高齢者 障がい者支援ネットワーク代表 / 阪神 淡路大震災被災地 ) 石黒秀喜 ( 一般財団法人長寿社会開発センター審議役 / 元厚生労働省 ) 研究者 ( 調整中 ) 時期 場所案 第 1 回平成 28 年 7 月下旬東京都港区第 2 回平成 29 年 2 月下旬東京都港区 2. ワーキング会議の実施 (4 回程度 ) 具体的で柔軟な調整を行うため 被災経験者 福祉関係者等による数名のワーキングチームを編成し 2 ヶ月に 1 回程度の会議とネット上での意見交換等で方向性を確認しながら事業を推進する メンバー案 調整中 吉井靖子 ( 高齢者総合ケアセンターこぶし園園長 / 新潟県中越地震被災地 ) 内出幸美 ( 社会福祉法人典人会理事 総所長 / 東日本大震災被災地岩手県 ) 野田毅 ( 社会福祉法人東北福祉会法人本部次長 / 東日本大震災被災地宮城県 ) 安井あゆみ ( 特定非営利活動法人地域交流センター客員研究員東日本大震災被災地茨城県 ) 時期 場所案 第 1 回平成 28 年 7 月上旬東京都港区第 2 回平成 28 年 9 月中旬東京都港区第 3 回平成 28 年 11 月中旬東京都港区第 4 回平成 29 年 2 月中旬東京都港区 3. 災害福祉の視点にたった地域包括ケアシステムの検討 近年の大災害の被災地を含む数か所をモデル地域に設定し 地域包括ケア システムによって災害時も途切れない福祉を実現する方法 及び 災害時も機 能する地域包括ケアシステムの構築手法 について段階的に検討する モデル 地域案及び検討方法案は以下の通り 以下の案について 第 1 回ワーキング会 議 第 1 回検討委員会で検討の上 調整を始める

[ モデル地域案 ] 被災のイメージができるメンバーで検討を進めるために 近年の大災害の 被災地や想定被災地をモデル地域とする モデル地域の選定は 本事業の 趣旨を理解し 積極的に参加してくれるという視点も重視して行う 検討 は 都道府県全域ではなく 都道府県内の一地域で実施する 1 東日本大震災被災地 : 岩手県, 宮城県 2 新潟県中越地震被災地 : 新潟県 3 阪神 淡路大震災被災地 : 兵庫県 4 想定被災地 : 静岡県, 高知県等 [ 検討方法案 ] 福祉サービスの提供者側 ( 福祉事業者 行政 社会福祉協議会等 ) と受給 者側 ( 高齢者と家族を含む ) の双方を含むメンバーで 検討を進める 効 果的で具体的な検討を行うため 各モデル地域には現地調整者を置き 参 加者や対象地域の絞り込み等を行っていく 以下を手順案とするが 地域 性に合せて柔軟に対応しながら 進行していく (1) 検討会の実施 災害福祉の視点で地域包括ケアシステムの課題を検討する 時期 場所案 岩手県平成 28 年 8 月 ~ 平成 28 年 9 月宮城県平成 28 年 8 月 ~ 平成 28 年 9 月新潟県平成 28 年 8 月 ~ 平成 28 年 9 月兵庫県平成 28 年 8 月 ~ 平成 28 年 9 月静岡県平成 28 年 8 月 ~ 平成 28 年 9 月高知県平成 28 年 8 月 ~ 平成 28 年 9 月 (2) モデルプランの作成 検討会での議論を踏まえ 検討地域における地域包括ケアシステムの モデルプランを作成する 時期 場所案 岩手県平成 28 年 10 月宮城県平成 28 年 10 月新潟県平成 28 年 10 月兵庫県平成 28 年 10 月静岡県平成 28 年 10 月高知県平成 28 年 10 月 (3) 机上訓練 ( シミュレーション ) の実施 モデルプランを元に 災害対応の机上訓練を実施し 課題を抽出し 検討を深める 時期 場所案 岩手県平成 28 年 11 月 ~ 平成 28 年 12 月宮城県平成 28 年 11 月 ~ 平成 28 年 12 月新潟県平成 28 年 11 月 ~ 平成 28 年 12 月兵庫県平成 28 年 11 月 ~ 平成 28 年 12 月静岡県平成 28 年 11 月 ~ 平成 28 年 12 月高知県平成 28 年 11 月 ~ 平成 28 年 12 月

4. 東日本大震災における復興のまちづくりの検討 4-1. 東日本大震災における復興のまちづくりの調査東日本大震災における復興のまちづくりの現状と課題を以下の手順で調査 検討する (1) アンケート調査の実施 岩手県, 宮城県, 福島県内の被災市町村と仮設住宅サポート拠点に 復興のまちづくりの現状と課題についてアンケート調査を行う 過去の被災地の経験によると 復興住宅移転により支援とコミュニテ ィが途切れることが 高齢者の心身の状況悪化に繋がっている そこ で アンケートは啓発にも繋がるという認識のもとに本調査を実施す る 手順案 アンケート案及び実施手法案の作成平成 28 年 7 月アンケート及び実施手法の検討平成 28 年 8 月アンケートの実施 ( 発送 ~ 回収 ) 平成 28 年 9 月アンケートの集計 分析平成 28 年 10 月 (2) ヒアリング調査の実施 アンケートを補てんするヒアリング調査を実施する 実施場所や内容 については アンケート調査の結果を踏まえて判断する 手順案 ヒアリング実施手法案の作成ヒアリング実施手法の検討ヒアリングの調整ヒアリングの実施 まとめ (3) 調査結果検討会の実施 平成 28 年 7 月平成 28 年 8 月 ~9 月平成 28 年 10 月平成 28 年 11 月 ~12 月 アンケート調査とヒアリング調査の結果を踏まえ 東日本大震災被災 地の復興のまちづくりについて 調査担当者等による検討会を実施す る 時期 場所案 調査結果検討会平成 29 年 1 月東京都港区 4-2. 復興のまちづくりの提案調査を踏まえ 地域包括ケアシステムの構築の必要性を含む 復興のまちづくりについての提案書を作成し 東日本大震災の被災市町村及び仮設住宅サポート拠点に送付する 5. 報告書の作成と普及事業の内容及び成果をまとめた報告書を作成する 概要版を全国の県及び市町村福祉担当課 ( 約 2,000 件 ) 東日本大震災仮設住宅サポート拠点 ( 約 120 件 ) 等 計約 2,120 件に送付する 要点を広く知らせることを重視する 問い合わせには随時対応することとする

4 事業の効果及び活用方法 事業の効果 本事業の主な効果は 以下の三つである 1. 地域包括ケアシステム構築の推進本事業により 災害福祉の視点で地域包括ケアシステムについて検討を深め その有効性を確認することは 地域包括ケアシステムの構築の推進に繋がる 2. 地域包括ケアシステムによる災害時も途切れない福祉の実現 = 今後の被災地における高齢者支援の質の向上本事業により 災害時も機能する地域包括ケアシステムの構築手法 について検討し 全国に発信することは 災害時に確実に機能する福祉の実現に繋がる サービス論だけでなく 制度論も十分に検討することで 災害時における高齢者支援に関わる制度の強化にもつなげていく 3. 東日本大震災被災地の復興のまちづくりに地域包括ケアシステムの視点を盛り込む東日本大震災の被災地では 復興のまちづくりが始まっているが 住宅の確保が優先され 福祉やまちづくりの視点が欠けている場合も多い 復興計画は 新たに理想のまちづくりを行う機会でもある 本事業で 災害福祉の視点で地域包括ケアシステムの可能性を明らかにし 東日本大震災被災地に発信することは 地域包括ケアシステムを盛り込んだ復興のまちづくりを検討するきっかけとなり得る 活用方法 本事業は 以下のように活用していく計画である 1. 東日本大震災被災地の復興のまちづくりの支援東日本大震災被災地の復興計画に地域包括ケアシステムを盛り込むために 本事業の成果を発信すると共に 必要な支援を行っていく 被災者の立場になった支援が行えるよう 被災地にある支部や被災経験をもつ会員等と共に実施していく 2. 災害時も機能する地域包括ケアシステムの構築支援熊本地震及び今後の大災害において 確実に福祉を機能させるために 本事業の成果を研修やフォーラム等によって全国に発信し続けると共に しくみづくりのための支援も行っていく

別添 調査事業計画書 調査名東日本大震災における復興のまちづくりの調査 調 東日本大震災被災地調査対象地区岩手県, 宮城県, 福島県 検討委員会で最終調整を行う 以下の項目についても同様 県及び市町村福祉担当課調査対象者等仮設住宅サポート拠点 査 対 悉皆 抽出の別 1. アンケート調査 : 悉皆 2. ヒアリング調査 : 抽出アンケート調査結果を元に ワーキング会議で調査対象を選定する 地域包括ケアシステムを復興計画に盛り込んでいる市町村 復興住宅の支援を継続的に行う仮設住宅サポート拠点 復興のまちづくりに問題を抱えている市町村 等 本事業の検討に有効な事例を選定する また 原則として 1 泊 2 日の日程で回れる範囲に絞り込むこととする 象 調査方法 1. アンケート調査の実施 1 ワーキング会議で アンケート案を作成する 調査手法 調査対象についても検討する 2 検討委員会で アンケート案を検討 確認する 調査手法 調査対象についても確認を行う 3 調査対象者にアンケートを郵送する 依頼状 本事業の趣旨 法人パンフレットと返信封筒を同封する 4 回答のあったアンケートを集計する 5 集計結果をワーキング会議で分析する ( 分析結果に基づき ヒアリング調査対象の選定を行う ) 2. ヒアリング調査の実施 1 ワーキング会議で ヒアリング調査項目案を作成する 調査手法についても検討する 2 検討委員会で ヒアリング調査項目案を検討 確認する 調査手法についても確認を行う 3 ワーキング会議で アンケート調査結果を元に ヒアリング対象を選定する 併せて ヒアリング担当者案についても検討する 4 ヒアリング調査担当者を調整する 5 ヒアリング調査対象への依頼及び日程等の調整を行う 6 担当者がヒアリング調査を行う 7 ヒアリング調査結果をまとめ ワーキング会議で分析する 3. 調査結果の検討 13 県の調査担当者, 被災経験者による調査結果検討会を実施し アンケート調査とヒアリング調査の結果をもとに検討を深める 2 検討委員会で 調査結果の検討 評価を行う

調査内容 調査客体数 1. アンケート調査 : 約 247 件 [ 内訳 ] 県及び被災市町村仮設住宅サポート拠点 2. ヒアリング調査 :6~12 か所程度 [ 内訳 ] 岩手県 2~4 か所程度宮城県 2~4 か所程度福島県 2~4 か所程度 130 件 117 件 本調査は 東日本大震災被災地に 復興のまちづくりに地域包括ケアシステムを盛り込むことの重要性と手法を適切に伝える提案書作成のための現状調査である 本調査を実施すること自体が 被災地への啓蒙啓発活動に繋がるという認識のもとに内容を検討する 本調査は 今後の大災害のために 地域包括ケアシステムにより災害時も途切れない福祉のしくみ と 災害時も機能する地域包括ケアシステムの構築手法 を検討するための基礎調査でもある 調査の主要項目は 以下の通り 1. アンケート調査アンケート調査項目は 以下が考えられる 詳細については ワーキング会議で案を作成し 検討委員会で検討をした上で 決定する 復興のまちづくり ( 復興計画 ) の進行状況 復興のまちづくりにおける高齢者福祉の位置づけと具体策 仮設住宅サポート拠点の復興住宅移行後の位置づけ ( 仮設住宅サポート拠点設置市町村のみ ) 復興のまちづくりの課題 ( 問題点と対応策 ) 地域包括ケアシステムによる復興のまちづくりについての意見等 2. ヒアリング調査アンケート調査の結果を踏まえて ワーキング会議で調査対象を検討する際 調査項目についても併せて検討する ヒアリング対象は 地域包括ケアシステムを復興計画に盛り込んでいる市町村 復興住宅の支援を継続的に行う仮設住宅サポート拠点 復興のまちづくりに問題を抱えている市町村 等となることから アンケート調査項目について より具体的に調査すると共に 他の市町村への提案等についても聞き取りを行う計画である 調査時期 1. アンケート調査平成 28 年 7 月 ( 内示後すぐ )~10 月アンケート案及び実施手法案の作成平成 28 年 7 月 アンケート及び実施手法の検討 平成 28 年 8 月 アンケートの実施 ( 発送 ~ 回収 ) 平成 28 年 9 月 アンケートの集計 分析 平成 28 年 10 月 2. ヒアリング調査 平成 28 年 7 月 ~12 月 ヒアリング実施手法案の作成 平成 28 年 7 月 ヒアリング実施手法の検討 平成 28 年 8 月 ~9 月 ヒアリングの調整 平成 28 年 10 月 ヒアリングの実施 まとめ 平成 28 年 11 月 ~12 月

1. アンケート調査 調査結果の主要集計項目 復興のまちづくり ( 復興計画 ) の進行状況 復興のまちづくりにおける高齢者福祉の位置づけと具体策 仮設住宅サポート拠点の復興住宅移行後の位置づけ ( 仮設住宅サポート拠点設置市町村のみ ) 復興のまちづくりの課題 ( 問題点と対応策 ) 地域包括ケアシステムによる復興のまちづくりについての意見等 2. ヒアリング調査 復興のまちづくり( 復興計画 ) の進行状況 復興のまちづくりにおける高齢者福祉の位置づけと具体策 仮設住宅サポート拠点の復興住宅移行後の位置づけ( 仮設住宅サポート拠点設置市町村のみ ) 復興のまちづくりの課題( 問題点と対応策 ) 地域包括ケアシステムによる復興のまちづくりについての意見 他市町村への提案等 調査結果の活用法 1. 復興のまちづくりの提案書作成調査を踏まえ 地域包括ケアシステムの構築の必要性を含む 復興のまちづくりについての提案書を作成し 東日本大震災の被災市町村及び仮設住宅サポート拠点に送付する 2. 報告書の作成と普及調査結果を踏まえ 本事業の概要版報告書を作成し 全国の県及び市町村福祉担当課 ( 約 2,000 件 ) 東日本大震災仮設住宅サポート拠点 ( 約 120 件 ) 等 計約 2,120 件に送付する