アジレントのラボ投資ガイド [1] に加えて このホワイトペーパーでは 1260 Infinity II Prime LC の新機能により 従来の LC システムと比べて年間 900 万円 * 以上の経済価値がいかにしてもたらされるかを紹介します 経済価値には 1) 運用コストの削減 2) ダウンタ

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ホワイトペーパー InfinityLab LC シリーズによる液体クロマトグラフィーの投資対効果 (ROI) の向上 Agilent 1260 Infinity II Prime LC がもたらす経済価値 はじめに Agilent InfinityLab LC シリーズは 液体クロマトグラフィー分析において優れた効率を実現します 2017 年に InfinityLab LC シリーズに新製品の Agilent 1260 Infinity II Prime LC が登場しました 1260 Infinity II Prime LC は ルーチン分析に最適な InfinityLab LC のハイエンドモデルで 1260 Infinity II LC ファミリーの中で最高の機能性と利便性を誇る LC です ルーチン分析用に設計された他の LC 機器は 通常 40 MPa または 60 MPa の圧力範囲で使用しますが 1260 Infinity II Prime LC は最大 80 MPa まで使用できます 柔軟性の高いクォータナリ溶媒混合の利点と 高圧混合バイナリポンプと類似した混合性能を兼ね備えたシステムです また 移動相の混合を一定にし リモートスタートにより自動パージできるブレンドアシストなど 日常の作業を自動化する機能も備えています さらに カラム交換が容易でサンプルロジスティックスに優れているため エラーを低減し システムのダウンタイムを回避することができます 1260 Infinity II Prime LC にはインテリジェントシステムエミュレーション技術 (ISET) も搭載されており 他の LC システムとの間でメソッドのシームレスな移管が可能です このため 異なる世代または異なるタイプの HPLC や UHPLC にメソッドを移管する際の再バリデーションに必要な労力を大幅に軽減することができます

アジレントのラボ投資ガイド [1] に加えて このホワイトペーパーでは 1260 Infinity II Prime LC の新機能により 従来の LC システムと比べて年間 900 万円 * 以上の経済価値がいかにしてもたらされるかを紹介します 経済価値には 1) 運用コストの削減 2) ダウンタイムの短縮 3) 1 日あたりの分析サンプル数の増加 4) 1 つのシステムでの多数のメソッドの使用 という側面が含まれます 現在使用している機器を 1260 Infinity II Prime LC に変更するにあたって ラボマネージャが経済的な利点を算出するための参考資料となります 表 1. ラボのシステムあたりのサンプルスループットと機器使用率の想定値 パラメータ 設定値 一般的なサンプル分析のサイクル時間 25 分 1 日あたりのサンプル分析数 1 日あたり 20 サンプル サンプルの収益 サンプルあたり 4,400 円 利益率 20 % 1 日あたり 0.5 L 溶媒使用量 年間 130 L 使用するカラム数 年間 12 本 メソッド開発に要する時間の割合 50 % パージ回数 Lab Advisor で解決できるトラブルシューティングの数 1 日あたり 1 回 年間 260 回 年間 0~1 回 運用コストの削減 80 MPa 1260 Infinity II LC は Scientists' Choice Award の 2018 年 Best New Separations Product を受賞しました [2] ワークフロー サンプル数 機器の使用状況は ラボ間で大きく異なるた め すべてのラボに適用できる経済価値の算出は困難です したがってこ のホワイトペーパーでは 例として表 1 に示した代表的なサンプルスルー プットと機器使用率を用います 多くのラボに当てはまる結果となるよう 想定値は控えめに設定しました このため 表 1 よりサンプルスループッ トが高いラボにおいては Agilent 1260 Infinity II Prime LC の経済価 値が ここで算出したものより大幅に高い可能性もあります 分析ラボの総運用コストの大部分を締めるのは 消耗品とスペア部品です LC 分析では 溶媒 カラム フィッティングなどのコストもかかります このセクションでは 1260 Infinity II Prime LC の 2 つの特徴的な機能でいかに運用コストを削減できるかについて説明します ブレンドアシストブレンドアシストは 1260 Infinity II フレキシブルポンプで使用できるソフトウェア機能です 緩衝液や添加剤の濃度をマニュアル作業ではなく自動で混合します そのため ブレンドアシストによって LC ワークフローがシンプルになり メソッド開発が高速化します 緩衝液または添加剤の異なる濃度を用いて 多くの異なる溶媒ボトルをマニュアル作業で調製する必要はなく わずか 4 つの溶液 ( 純溶媒と濃縮原液 ) で調整が可能です 濃縮原液と目的の濃度をブレンドアシストソフトウェアに入力すると 特定の分析に必要な組成の移動相が送液されます こうすることで マニュアル作業で事前に混合するよりも 溶媒の購入コストと廃棄コストを大幅に節約できます ( 表 2 参照 ) * 文中の円価は 110 円 / ドルで換算 2

表 2. ブレンドアシストと InfinityLab フィッティングによる消耗品コストの削減がもたらす経済価値 ブレンド アシスト InfinityLab フィッティング パラメータ メソッド開発における標準的な混合と比較した 場合のブレンドアシストによる溶媒の節約率 総溶媒コスト 1260 Infinity II Prime LC とブレンドアシスト を用いた場合の溶媒コストの節約額 33 % カラム交換中のカラム損傷の平均割合 4.5 % カラムコスト 設定値 年間 748,000 円 年間 125,950 円 カラムあたり 55,000 円 InfinityLab フィッティングカラム接続の不備は ピークテーリング ピーク幅の拡大 ピークの割れ キャリーオーバーの原因となります また カラムの損傷を引き起こすこともあります InfinityLab クイックコネクトフィッティングとクイックターンフィッテイングは最大 130 MPa まで使用でき ゼロデッドボリュームの接続が可能で 取り付けも簡単です この 2 つのフィッティングにより カラム交換時の接続の失敗を減らし カラムの破損によって発生するコストを節約できます InfinityLab フィッティングによるカラムコストの節約額他社製フィッティングのコストの節約額 年間 29,700 円 年間 77,000 円 合計消耗品コストの節約額年間 232,650 円 この経済価値はメソッド開発の数によって変わります 一般的なメソッド開発では 緩衝液 / 添加剤の 6 つの濃度を評価します 事前に混合する場合 ラボのスタッフは調製に最大 12 個 ( 各濃度につき 2 個 ) の溶媒ボトルが必要です 一方 ブレンドアシストを使用すると 調製に必要な溶液はわずか 4 つです 事前に混合したボトルの内容物の 50 % のみが分析中に消費されると仮定すると ブレンドアシストでは溶媒消費量を 33 % 節約できます 表 1 に示した予想値によると 機器あたり 130 L の溶媒 また機器の使用の 50 % がメソッド開発に使われており システムあたりの年間の節約額は 125,950 円となります さらに 今回考慮していないピペットチップ メンブレンフィルタ ボトル洗浄に関するコストも節約できます Agilent InfinityLab クイックコネクトフィッティング表 1 に示すように 各 LC システムに接続するカラム数は 年間平均 12 本と想定しています LC システムの分析時間のうち 70 % が経験豊富な分析者によるもので 30 % が経験不足のオペレータによるものと考えると InfinityLab フィッティングにより 経験不足のオペレータによる失敗率は 15 % から 0 % に下がります InfinityLab フィッティングにより 各 LC システムにつき失敗率が 4.5 % 減少し システムあたり年間 0.54 本のカラムが節約できます 一般的なカラムのコストは 55,000 円です したがって InfinityLab フィッティングにより システムあたり年間 29,700 円のカラムコストを節約できます さらに InfinityLab フィッティングは 多くの他社製カラムにも使用でき 追加で他社製フィッティングを購入する必要がありません 他社 2 社のカラムを各システムで使用すると仮定した場合 InfinityLab フィッティングを使用すると年間 77,000 円の節約となります 3

ダウンタイムの低減による経済価値 LC システムがエラーモードになった場合や 不具合のためメンテナンスでシステムを停止しなければならない場合 経済的損失が発生する可能性があります このセクションでは システムのダウンタイムを短縮する 1260 Infinity II Prime LC の 3 つの機能について説明します ダウンタイムを短縮することによって ラボは短時間でより多くのサンプルを分析でき 社内外の顧客により迅速に結果を報告できるようになります 溶媒の自動パージ 1260 Infinity II フレキシブルポンプは多目的統合バルブを内蔵しています このバルブを使用すれば ソフトウェアのユーザーインタフェースで 1 回クリックするだけで自動パージが始まり ラボ内の機器を直接操作する必要がありません これにより 1 回のパージで少なくとも 1 分を節約できます 表 1 に示したように 1 日あたり 使用するシステムにつき 1 パージと仮定すると 自動パージを使用すれば年間最大 260 分の節約が可能です ポンプから 3 2 4 1 5 8 6 7 廃液へパージモードでのバルブ位置 InfinityLab フィッティング先述のとおり InfinityLab クイックコネクトフィッティングとクイックターンフィッテイングにより カラム交換をするたびに 経験に関係なく誰でも適切なカラム接続ができます ツールや特別なトレーニングは必要ありません したがって カラム接続が素早く行われるため 大幅な時間短縮が期待できます 前述のとおり LC の分析時間の 70 % が経験豊富なオペレータによるもので 30 % が経験不足のユーザによるものと仮定しています InfinityLab フィッティングにより カラムの接続を経験豊富なオペレータでは 0.5 分 未経験のオペレータでは 1.5 分短縮できるとすると 1 回のカラム接続につき 平均 0.8 分を節約できます したがって 各システムにつき年間 150 回のカラム接続が実施される場合 年間で 120 分の短縮が可能になります Lab Advisor ラボマネージャは 機器の予定外のダウンタイムを回避するため LC システムの点検サービスの重要性を認識するようになっています 機器が突然エラーステータスになれば トラブルシューティングに時間をとられます Agilent Lab Advisor は Agilent LC 機器のキャリブレーション 診断 メンテナンスをするために設計されたソフトウエアです Lab Advisor は オペレータやフィールドサービスエンジニアによるトラブルシューティングをサポートする一連のテストとツールを備えています このソフトウェアにより 機器の修理を短時間で行い トラブルシューティングにおけるダウンタイムを短縮できます 表 1 では トラブルシューティングは年間 0 ~ 1 回あり Lab Advisor を使用すると 2 ~ 3 時間以内でトラブルシューティングが完了すると想定しています Lab Advisor を使用せずにマニュアルで作業した場合 トラブルシューティングによって最大 1 ~ 2 日 ( 作業時間 16 時間 ) のダウンタイムが発生します ( エンジニアへの連絡 アポイント エンジニアの訪問などを含みます ) したがって Lab Advisor により 各 LC 機器につき年間 840 分 (14 時間 ) のダウンタイムを短縮できます 表 3 にまとめたように 1260 Infinity II Prime LC の 3 つの機能でダウンタイムを年間 1,220 分短縮できます サンプル分析の一般的なサイクル時間を 25 分と仮定すると ダウンタイムを回避した場合 1 年間でさらに 49 サンプルを分析できます 表 1 に示したように サービスラボはサンプルあたり平均 4,400 円を課金しており ダウンタイムを回避することによる年間の増分収益は 214,720 円になります 一般に 人件費とインフラストラクチャコストがほぼ一定であることを踏まえ 表 1 では利益率を 20 % と仮定しています したがって 年間 42,900 円の増分利益が得られることになります 4

表 3. 自動パージ InfinityLab フィッティング Lab Advisor による増分利益の経済価値 パラメータ 自動パージパージあたりの短縮時間 1 分 InfinityLab フィッティング Lab Advisor パージ回数 自動パージによる節約時間 設定値 1 日あたり 1 回 年間 260 回 年間 260 分 1 回のカラム接続操作あたりの短縮時間 0.8 分 カラム接続の回数 InfinityLab フィッティングによる節約時間 の合計 Lab Advisor で解決できるトラブル シューティングインシデントの数 Lab Advisor による節約時間 年間 150 回 年間 120 分 年間 1 回 年間 840 分 合計節約時間年間 1,220 分 一般的なサンプル分析のサイクル時間 追加分析可能なサンプル数 予想収益 増分収益 25 分 49 サンプル サンプルあたり 4,400 円 年間 214,720 円 自動カラム再生とデュアルニードル注入自動カラム再生 (ACR) により 2 つのポンプと 2 本のカラムを用いて アイドル時間を短縮し 分析時間を最適化します これは 1 本目のカラムを再生している間に 2 本目の類似カラムで次のサンプルをグラジエント分析することにより実現できます これにより カラム洗浄と再平衡化に必要な時間を最小限に抑えることができるため 総分析時間を短縮できます InfinityLab マルチサンプラのデュアルニードルオプションにより 分析時間のさらなる最適化が可能になります スマートオーバーラップの高スループットモードでは 第 1 の流路でサンプルを分析し それと並行して第 2 の流路でサンプルを吸引して次の分析に備えます アジレントアプリケーションノート [3] に示したように カラム再生の切り換えとデュアルニードル注入を用いることで 時間を 60 % 短縮できます 一般的な分析 ( 分析時間 15 分 カラム洗浄と平衡化 10 分 ) では ACR とデュアルニードル注入により 分析サイクル時間が 40 % 短縮します メソッド開発の時間は年間 50 % とされています ( 表 1) が ACR とデュアルニードル注入はメソッド開発に適用していません 経済価値の算出には 追加ポンプと追加カラムのコストも考慮しています 増分利益 年間 42,900 円 連続分析 260 1 日あたりのサンプルスループット向上の価値 ラボマネージャは ハイスループット分析がラボの経済的な成功に大きく貢献できることを認識しています また 分析サイクル時間には サンプル注入 グラジエント実行時間 カラム洗浄 カラム平衡化が含まれることを理解しています 次の 2 つのセクションでは 80 MPa の機能 デュアルニードル注入と自動カラム再生によるサンプルスループットの向上について説明します 粒子の小さいカラムで最大 80 MPa 1260 Infinity II Prime LC は最大流量 5 ml/min 最大圧力 80 MPa の範囲で優れた性能を発揮します 粒子の小さいカラムを用いて 1260 Infinity II Prime LC で分析すると 40 MPa または 60 MPa の従来の LC システムと比べて分析が高速化します 表 1 に示したように サンプル分析のサイクル時間は 60 MPa の場合 25 分であるため 1260 Infinity II フレキシブルポンプでは 1 回のサンプル分析あたり約 7 分節約できます デュアルニードルによる並行注入 デュアルニードルと自動カラム再生 110 150 0 50 100 150 200 250 300 時間 ( 分 ) 図 1. 自動カラム再生を用いた 100 回超の注入での超ハイスループットで実現する時間短縮 5

表 1 に示したように サンプル分析のサイクル時間は 25 分で 1 台の LC 機器につき 1 日 20 サンプルの分析をすると仮定します より小さい粒子 のカラムを用いて 1 回の分析で 7 分節約できるとすると サイクル時間は 18 分になります サイクル時間が短くなると 1 日あたりに追加で 7 ~ 8 サンプルを分析できます メソッド開発にかかる年間 50 % (130 日 ) とい う時間は ACR とデュアルニードルは考慮されていません 残りの作業日 数 130 日では ACR とデュアルニードルにより 分析サイクル時間が 40 % 短縮します すなわち 1 日あたり 26 サンプルを追加で分析できます 年間では 4,290 サンプルの追加分析が可能になります 表 1 に示したサ ンプルの収益と利益率の予想を含め ACR 用の追加のポンプと追加のカ ラムのコストを差し引くと 年間の増分収益は 16,566,000 円 増分利益 が 3,313,200 円となります ( 表 4 参照 ) 表 4. 80 MPa ACR とデュアルニードル注入によって 1 日あたりのサンプル数が増加することによる経済価値 パラメータ 80 MPa 分析時間の短縮 7 分 ACR と デュアルニードル 合計 インジェクタのオーバーラップ時間による 1 回の分析あたりの節約率 追加のポンプコスト 40 % 設定値 - 1,650,000 円 追加のカラムコスト - 55,000 円 12 ( 年間 ) 80 MPa ACR と デュアルニードルで分析できる 追加のサンプル数 年間 4,290 サンプル 1 つのシステムで多数のメソッドを用いる経済価値 インテリジェントシステムエミュレーション技術 (ISET) 1260 Infinity II Prime LC で利用できる ISET は 他のLC システムをエミュレートする独自の機能です 1 台の LC 機器から別の LC 機器に リスクなしでシームレスにメソッドを移管できます ISET の適用にはさまざまな方法があります まず 他の LC システムで開発した既存のメソッドを 変更せずに 1260 Infinity II Prime LC で実行する方法です また 1260 Infinity II Prime LC で他のターゲットシステム用にメソッドを開発するという方法もあります この方法では 他のターゲットシステムでメソッドの再調整が必要ありません このように ISET 搭載の 1 台の 1260 Infinity II Prime LC が 複数台の LC システムの役割をこなします さらに 1 台のシステムのみを使用して作業すれば ラボワークフロー全体がシンプルになり スペースの節約 機器やトレーニング 修理用部品 メンテナンスなどのコストの削減が可能になります この算出では 1260 Infinity II Prime LC の ISET 機能により 別の LC を追加で年間 1 台購入することを避けられると考えています LC の平均価格は 5,500,000 円で 新しい機器のトレーニング代に 49,500 円 メンテナンスなどのコストが 220,000 円と考えられます したがって ISET 搭載の 1260 Infinity II Prime LC により 合計で年間最大 5,769,500 円の経費を節約できます ( 表 5 参照 ) 増分収益 増分利益 年間 16,566,000 円 年間 3,313,200 円 表 5. ISET により 1 つのシステムで複数のメソッドを使用する経済価値 機能パラメータ設定値 ISET LC システムの購入年間 1 台未満 節約額新しいシステム導入によるトレーニングコストの節約額システムあたりのメンテナンスコストの節約額コストの節約額 機器あたり 5,500,000 円 49,500 円年間 220,000 円年間 5,769,500 円 6

Agilent 1260 Infinity II Prime LC がもたらす経済価値 これまでのセクションで実施した算出によって 1260 Infinity II Prime LC の InfinityLab LC 技術が 従来のLC システムと比べて年間 900 万円以上の経済価値を生み出す可能性があることが示されました ( 表 6 参照 ) また 1260 Infinity II Prime LC には他にも多数の機能が搭載されており これらの機能によってさらなる経済的利点が得られると考えられます 例えば InfinityLab クイックチェンジバルブにより カラム交換が大幅に減少するため 時間の節約が可能になるとともに カラム交換での失敗の頻度が低下します 他の例としては InfinityLab コンパニオンがあります ローカルインタフェースで直接コントロールすることで時間を節約でき またリモートコントロールやモバイルからの操作も可能です しかし これらの節約はラボ間で大きなばらつきがあるため このホワイトペーパーでは考慮していません 表 6. Agilent 1260 Infinity II Prime LC がもたらす経済価値の推計 機能 パラメータ 設定値 ブレンドアシスト 運用コストの節約額 232,650 円 InfinityLab フィッティング 自動パージ ダウンタイムの短縮による節約額 42,900 円 InfinityLab フィッティング Lab Advisor 自動カラム再生 サンプルスループットの向上 3,313,200 円 デュアルニードル注入 ISET 追加機器の導入コストの節約額 5,769,500 円 経済価値の年間総増分額 9,358,250 円 経済価値の直接算出に加えて Agilent 1260 Infinity II Prime LC における次の重要な機能が さらに多くの利点をもたらします : バイナリポンプと同等の混合性能により 正確で精度の高い結果が得られ 他のクォータナリシステムと比べてディレイボリュームが少なく サンプル間のキャリーオーバーが最小限に抑えられます また DAD 検出器における感度の向上 直線性範囲の拡大という利点もあります これらの利点によって 分析ラボの LC ワークフローが効率化し オペレータの日常の作業がシンプルになり 失敗率が低下して 最終的には結果の一貫性と信頼性が向上することになります * 文中の円価は 110 円 / ドルで換算 1. アジレントのラボ投資ガイド : https://efficientuhplc.agilent.com/1260/calc/ : 2018 年 1 月 30 日時点 2. Winners of the 2018 Scientists' Choice Awards: http://www.selectscience.net/ scientistschoiceawards/awards/best-new-separations-product-of-the-year, 2018 年 3 月 1 日時点. 3. Schneider, S., Metzlaff, M., Ultrafast Analysis of Food Preservatives Using Automated Column Regeneration and Dual-Needle Injection.Agilent Technologies Application Note, publication number 5991-6150EN, 2015. 7

ホームページ www.agilent.com/chem/jp カストマコンタクトセンタ 0120-477-111 email_japan@agilent.com 本製品は一般的な実験用途での使用を想定しており 医薬品医療機器等法に基づく登録を行っておりません 本文書に記載の情報 説明 製品仕様等は予告なしに変更されることがあります アジレント テクノロジー株式会社 Agilent Technologies, Inc. 2018 Printed in Japan, April 1, 2018 5991-9120JAJP