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Microsoft Word - RIN11_第1章.doc

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奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

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油漏洩 防油堤内 にて火災発生 9:17 火災発見 計器室に連絡 ( 発見 者 計器室 ) 発見後 速やかに計 器室に連絡してい る 出火箇所 火災の状況及び負傷者の発生状況等を確実に伝え 所内緊急通報の実施 火災発見の連絡を受 けて速やかに所内 緊急通報を実施し 水利の確保 ( 防災セ ンター 動

各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要がある

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

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時間災害状況等の推移関係機関関係機関の活動内容道府県 ( 防災本部 ) の留意事項 ( 評価の視点 ) 1 日目 3.1 地震に基因する標準災害シナリオ 9:00 (0:00) 地震発生 ( 震度 6 強 ) 特定事業所 施設等の緊急停止措置 災害拡大防止上必要な施設の手動停止操作 地震発生後 速や

ことを呼びかけます Q4. ミサイルが落下する可能性がある との情報伝達があった場合は どうすれば良いのでしょうか A4. 屋外にいる場合 近くの建物 ( できれば頑丈な建物 ) の中又は地下に避難してください 近くに適当な建物等がない場合は 物陰に身を隠すか地面に伏せ頭部を守ってください 屋内にい

大規模イベント開催時の危機管理等における消防機関のあり方に関する研究結果について ( 概要 ) 研究の趣旨 現在 国際社会では各地で多様な形態のテロが発生し また NBCテロ災害等 特別な備えが必要となる事案が発生する恐れも増してきている 2019 年のラグビーワールドカップ 2020 年のオリンピ

事務連絡平成 24 年 4 月 20 日 都道府県各指定都市介護保険担当主管部 ( 局 ) 御中中核市 厚生労働省老健局総務課高齢者支援課振興課老人保健課 大規模災害時における被災施設から他施設への避難 職員派遣 在宅介護者に対する安全確保対策等について 平成 23 年 3 月 11 日に発生した東

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

第8章 災害復旧計画

(2) 異常現象と認識しているにもかかわらず 情報収集を行った後に通報することとなっている場合には 異常現象と認識した時点で通報する体制とすること (3) 従業員 ( 協力会社等の従業員を含む ) が異常現象の判断に迷うことにより通報が遅れるおそれのある場合には 異常現象の通報に関する教育 訓練の内

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平成 30 年度救急業務のあり方に関する検討会報告書の概要 消防庁救急企画室 はじめに 消防庁救急企画室では 高齢化を背景として救急需要が増大する中 救急車の適正利用の推進や救急業務の円滑な実施と質の向上等 救急業務を安定的かつ持続的に提供し救命率の向上を図ることを目的に 平成 30 年度救急業務の

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発災後 消防庁長官から被災都道府県以外の都道府県の知事等に電話等により連絡し 行うこととなる しかし 大規模地震においては 通信インフラ等に様々な障害が発生する可能性があり その場合には 緊急消防援助隊の出動に支障が生じることが考えられる このため 一定震度以上の大規模地震等が発生した場合に効力が発

宮城県総合防災情報システム(MIDORI)

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

第3編 災害応急対策

資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

L アラート ( 災害情報共有システム ) の概要 1 情報発信 情報伝達 地域住民 市町村 災害時の避難勧告 指示 お知らせ等 収集 フォーマット変換 配信 テレビ事業者 システム接続 ケーブル地上波 デジタル TV データ放送など ( テキストで表示 ) 情報閲覧 入力 防災情報 お知らせ等 都

目 次 1 林地台帳の公表 情報提供 1-1 公表 情報提供の範囲 1-2 公表の方法 1-3 情報提供の方法 2 林地台帳の修正 更新 2-1 修正申出の方法 2-2 情報の修正 更新手順 3 林地台帳管理システム 3-1 管理システムの機能 3-2 林地台帳情報と森林資源情報の連携 4. 運用マ

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二戸市地域防災計画 ( 震災編 ) の一部修正の新旧対照表現行改正案 目次 ( 震災編 ) 目次 ( 震災編 ) 第 1 章総則 第 1 章総則 第 1 節 計画の目的 351 第 2 節 計画の性格 352 第 2 節の2 災害時における個人情報の取り扱い 352 第 3 節 防災関係機関の責務及

その一方で 防災行政無線の聞き取り状況の調 査では 図 3に示すように20% の人が放送内容を聞き取れなかったと答えており 今後の改善 もしくは代替え手段の充実の必要性を示唆している なお 情報の入手先としてテレビの割合が低いのは地震による停電 ( 岩手県 宮城県では95% 以上が停電 ) が原因と

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介護保険施設等における利用者の安全確保及び非常災害時の体制整備の強化・徹底について

エコテックその他火災 ( 産業廃棄物 ) 概要 平成 29 年 6 月 14 日 ( 水 )17 時 00 分飯塚地区消防本部 下線部は 前回からの変更点 1 出火場所嘉麻市大隈 ( 有 ) エコテック代表者氏名代表取締役社長高山和仁 2 出火日時覚知平成 29 年 5 月 28 日 (

1 外国人傷病者対応 資料 1

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対応すべき行動_0921


豪雨災害対策のための情報提供の推進について

( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

平成 30 年度事業報告 一般財団法人自治体衛星通信機構 当機構は 地方公共団体等において通信衛星を共同利用するための設備を設置し 運用することによって 防災情報及び行政情報の伝送を行うネットワークの整備促進を図り もって地域社会における情報通信の高度化及び地域の振興に寄与することを目的として平成

Q4. ミサイルは発射から何分位で日本に飛んでくるのでしょうか A4. 北朝鮮から弾道ミサイルが発射され 日本に飛来する場合 極めて短時間で日本に飛来することが予想されます 例えば 本年 2 月 7 日に北朝鮮西岸の東倉里 ( トンチャンリ ) 付近から発射された弾道ミサイルは 約 10 分後に 発

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「南九州から南西諸島における総合的防災研究の推進と地域防災体制の構築」報告書

試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 29 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

その時点で改めて ミサイルが落下する可能性がある旨を伝達し 直ちに避難することを呼びかけます Q4. ミサイルが落下する可能性がある との情報伝達があった場合は どうすれば良いのでしょうか A4. 屋外にいる場合 近くの建物 ( できれば頑丈な建物 ) の中又は地下に避難してください 近くに適当な建

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(3) 設備復旧対策事例 ~ 基地局及びエントランス回線通信事業者各社で取り組んだ主な基地局あるいはネットワーク設備復旧対策としては 光ファイバー 衛星回線 無線 ( マイクロ ) 回線の活用による伝送路の復旧や 山頂などへの大ゾーン方式 ( 複数の基地局によるサービスエリアを1つの大きなゾーンとし

第 5 部 南海トラフ地震防災対策推進計画

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できない場合は 代表消防機関代行の倉敷市消防局又は津山圏域消防組合消防本部の職員をもって充てるものとする 4 岡山県大隊に 消火 救助 救急等の任務単位毎に中隊を設けることとし 各中隊を 消火中隊等 と呼称するものとする なお 中隊長は 岡山県大隊長が指定するものとする 5 各中隊に 各車両又は付加

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防災業務計画 株式会社ローソン

自衛隊の原子力災害派遣に関する達

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事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

第1節 計画の方針

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報道資料

スライド 1

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浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

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(2) 日本の領土 領海の上空を通過した場合 旧 1 ミサイル発射情報 避難の呼びかけ 新 ミサイル発射情報 ミサイル発射情報 先程 北朝鮮からミサイルが発射された模様です 続報が入り次第お知らせします ミサイル発射 ミサイル発射 北朝鮮からミサイルが発射された模様です 頑丈な建物や地下に避難して下

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3.[ トップ画面 ] データ放送連携トップ画面 トップ画面には ゆめネットデータ放送と連携した情報が表示されます " メニュー部分を左右に移動させると様々な情報メニューが表示されます " 情報メニューをタップすると内容が表示されます " データ放送以外の情報は 下部のタブメニューをタップすると他の

土砂災害警戒情報って何? 土砂災害警戒情報とは 大雨警報が発表されている状況でさらに土砂災害の危険性が高まったときに, 市町村長が避難勧告等を発令する際の判断や住民の方々が自主避難をする際の参考となるよう, 宮城県と仙台管区気象台が共同で発表する防災情報です 気象庁 HP より :

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U2. 北朝鮮のミサイルについて Q3. 北朝鮮によるミサイル発射の現状はどうなっているのか 北朝鮮は 過去に例を見ない頻度でミサイルを発射しており 平成 28 年 8 月以降 ミサイルが日本の排他的経済水域 (EEZ) 内に落下する事例も起こっています Q4. ミサイルは 発射から何分位で日本に飛

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3 医療安全管理委員会病院長のもと 国府台病院における医療事故防止対策 発生した医療事故について速やかに適切な対応を図るための審議は 医療安全管理委員会において行うものとする リスクの把握 分析 改善 評価にあたっては 個人ではなく システムの問題としてとらえ 医療安全管理委員会を中心として 国府台

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

長野県消防防災ヘリコプター運航協議会会則

H30雑踏事故防止通達(公表用)

先行的評価の対象とするユースケース 整理中. 災害対応に関するユースケース. 健康に関するユースケース. 移動に関するユースケース. 教育に関するユースケース. 小売 物流に関するユースケース 6. 製造 ( 提供した製品の保守を含む ) に関するユースケース 7. 農業に関するユースケース 8.

目次 1 降雨時に土砂災害の危険性を知りたい 土砂災害危険度メッシュ図を見る 5 スネークライン図を見る 6 土砂災害危険度判定図を見る 7 雨量解析値を見る 8 土砂災害警戒情報の発表状況を見る 9 2 土砂災害のおそれが高い地域 ( 土砂災害危険箇所 ) を調べたい 土砂災害危険箇所情報を見る


目次 1 目的 1 2 医療機関及び行政機関等との協力関係の確保 1 3 事業主体 1 (1) ドクターヘリ 1 (2) 防災消防ヘリ 1 4 定義 1 (1) ドクターヘリ基地病院 1 (2) 地域救急医療体制支援病院 1 (3) ヘリ救急搬送体制支援病院 2 (4) 出動区分 2 5 ドクターヘ

北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本に飛来する可能性がある場合における全国瞬時警報システム (J アラート ) による情報伝達に関する Q&A Q1. 北朝鮮の弾道ミサイル発射の現状はどうなっているのでしょうか A1. 北朝鮮は過去に例を見ない頻度で弾道ミサイルを発射し 平成 28 年 8 月以降

弾道ミサイルが発射された場合の情報伝達と取るべき行動に関する Q&A 情報伝達の概要について Q1. どのような場合に J アラートが使用されるのでしょうか A1. 全国瞬時警報システム (J アラート ) は 弾道ミサイルが日本の領土 領海に落下する可能性又は領土 領海を通過する可能性がある場合に

ミサイル_縦_0927

(6) 行方不明者の捜索 (7) 治安の維持 (8) 被災者等への情報伝達 (9) 前各号に掲げるもののほか 派遣先都道府県警察の長が特に指示する活動一部改正 平成 25 年第 15 号 ( 即応部隊の活動 ) 第 4 条即応部隊は 大規模災害発生時に直ちに被災地等へ赴き それぞれ次に掲げる活動を行

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

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大規模災害対策マニュアル

学校の危機管理マニュアル作成の手引

( ウ ) 交通管制被災区域への車両の流入抑制及び緊急交通路を確保するための信号制御等の交通管制を行う (3) 警察官 自衛官及び消防吏員による措置命令警察官は 通行禁止区域等において 車両その他の物件が緊急通行車両の通行の妨害となることにより災害応急対策の実施に著しい支障が生じるおそれがあると認め

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

Q4. ミサイルは発射から何分位で日本に飛んでくるのでしょうか A4. 北朝鮮から弾道ミサイルが発射され 日本に飛来する場合 極めて短時間で日本に飛来することが予想されます 例えば 平成 28 年 2 月 7 日に北朝鮮西岸の東倉里 ( トンチャンリ ) 付近から 発射された弾道ミサイルは 約 10

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( 活動基地及び活動区域 ) 第 5 条 航空隊の活動基地は 西八代郡市川三郷町黒沢 5375 番地に設置する山梨県警察航空基地 ( 以下 航空基地 という ) とする 2 航空隊の活動区域は 県内全域とする ( 編成 ) 第 6 条 航空隊の編成は 別表第 1 のとおりとする ( 業務 ) 第 7

事務連絡平成 30 年 10 月 26 日 各都道府県消防防災主管課東京消防庁 各指定都市消防本部 } 殿 消防庁予防課 外国人来訪者や障害者等が利用する施設における災害情報の伝達及び避難誘導に関するガイドライン のリーフレットの配布について 2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会が開

送信日 番組開始番組終了 題名発信者備考 12/3 内部統制制度に関する説明会 (11/20) 12/4 平成 30 年度防災啓発中央研修会 (7/5-6) 12/5 ファイアーファイティングスピリッツ -もうひとつの生き方 見つけた - 12/5 15:19 全国市長会創立 120 周年記念市長フ

Microsoft PowerPoint - 参考資料 各種情報掲載HPの情報共有

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Transcription:

第 8 章まとめと今後の課題 8.1 検討結果のまとめ 本検討では 大規模林野火災が発生したときの情報収集 連絡 関係機関の情報共有 連携を主題とし そのための体制のあり方や新しい技術の活用について検討し その結 果を以下のような報告書としてとりまとめた 第 1 章では 現状における林野火災対策の実態を把握するために 都道府県地域防災 計画に記載された林野火災対策の内容を調べ 本検討に関わる応急対策時の組織体制 各関係機関の役割及び情報連絡系統を整理した 第 2 章では 平成 14 年以降に発生した大規模林野火災 (18 事例 ) を対象に 以下の事項に関わる活動状況及び問題点 課題ついて調査し その結果をまとめた 1 初動時における情報収集 連絡 2 応援要請 3 現地指揮本部の設置 情報連絡体制 4 災害対策本部の設置 情報連絡体制 5 空中消火活動時の情報連絡体制 6 住民等の避難 7 一般住民に対する広報 8 関係機関との連携 第 3 章では 海外の林野火災の実態 対応組織及び関係機関の連携等に関して オーストラリアを対象とした現地視察を行った結果 また文献 資料を収集 整理した結果についてまとめた オーストラリアにおける林野火災対応の特徴は 災害時において様々な組織が整合性をもって行動するためのICS(Incidental Command Syste) 予防対策としての林野火災危険度の指数化及び住民参加型のリスクマネジメントの導入などが挙げられ これらは日本でも参考になると考えられる 第 4 章では 林野火災対策の現状と問題点 課題を踏まえ 上記 1~8の事項について体制等のあり方について検討し 以下のようにまとめた 1 初動時における情報収集 連絡林野火災の通報を受けた消防本部は 火災確認後速やかに関係機関に林野火災発生の連絡を行い 火災拡大に備えた情報連絡 活動体制を整える 連絡を行う機関は 通常は都道府県 ( 防災部局 ) 消防防災航空隊 市町村( 防災部局 ) 及び警察署となるが 状況によっては都道府県森林部局 隣接市町村 消防本部 あるいは道路 交通 電力等の関係機関にも知らせておく - 159 -

2 応援要請消防防災ヘリコプターや自衛隊ヘリコプター等の応援要請に関わる法的手続きは既に整備されているが これらの具体的な要請方法をマニュアル化して関係職員に周知しておく また 消防庁通知 ( 林野火災の予防及び消火活動について ) に基づいて できるだけ早急にヘリコプターの応援要請が行えるような体制を整えておく 特に発災元と同一都道府県内の消防防災ヘリコプターについては 早期に出動して偵察活動を行うことが可能なことから 気象条件や出火場所等に応じて林野火災発生 ( 確認 ) 後直ちに出動要請が行えるような基準を作成しておく 3 現地指揮本部の設置 情報連絡体制現地指揮本部は 火災現場が見渡せ 活動現場との無線通信が良好に行える場所に設置する 現地指揮本部には 地元消防本部や消防団のほかに 都道府県 ( 防災部局及び森林部局 ) 市町村 応援消防隊( 消防防災航空隊及び地上部隊 ) 自衛隊 警察署 森林組合等の関係機関の指揮者 ( 責任者 ) が参画し 情報共有 連携を行いながら一貫した防ぎょ活動を行う 現地指揮本部には消防無線 自衛隊無線 航空無線等の各関係機関の無線施設を集結し これらを支障なく運用することにより火災状況や各部隊の活動状況の把握を行う 情報収集にあたっては ヘリテレと この画像を現地指揮本部で見るための可搬型 ( あるいは車載型 ) 受信装置が特に有効である 消防防災ヘリコプターにヘリテレが未整備の場合には 警察本部のヘリコプターと情報収集のための相互応援を行うことも検討する 指揮本部における情報共有のためには 林野火災防ぎょ図が主要な手段となる 近年は GIS( 地理情報システム ) の機能向上 自治体への普及が進んでいることから これを利用して林野火災防ぎょ図の作成 管理を行う 都道府県の森林部局では 管内の森林に関わる地図や各種の情報を所有 管理しており そのための GIS を整備しているところもあることから これを活用することも考えられる 4 災害対策本部の設置 情報連絡体制現地指揮本部とこれを後方支援するための市町村及び都道府県の災害対策本部との間で画像等による情報連絡を行うための手段が必要である 消防防災ヘリコプターによるヘリテレ映像は 基地局のある都道府県あるいは消防本部に送られてくる 警察や自衛隊のヘリコプターによるヘリテレ映像は それぞれの機関から都道府県 ( 災害対策本部 ) に提供を受けることになる 現地指揮本部に車載型や可搬型の受信装置があればそこで直接映像を見ることが可能であるが そうでない場合には 都道府県 ( 災害対策本部 ) から市町村 ( 災害対策本部 ) や現地指揮本部に映像 ( または映像に基づく情報 ) を送信して共有できることが望ましい - 160 -

5 空中消火活動時の情報連絡体制空中消火を行うにあたっては 現地指揮本部において各機関のヘリコプターや地上部隊からの情報を統括し 効果的な防ぎょ戦術を決定し 各部隊 ( 空中及び地上 ) に活動方針や活動エリアを的確に伝達する そのためには 火災や活動に関わる詳細な情報を必要し 現地指揮本部員が消防防災ヘリコプターに搭乗して情報収集を行う 自衛隊のヘリコプターが活動する場合には 空中消火用の資機材 消火薬剤の搬送 空中消火基地での資機材組み立てや注水 攪拌等の準備作業が必要になることもある これらの作業を現地指揮本部で行うことは困難であり 市町村や都道府県の災害対策本部による後方支援体制が重要になる 6 住民等の避難火災の情報 ( 延焼範囲や飛び火等 ) とあわせて 山林内あるいは山林に隣接した住居 ( 居住地区 ) 養護施設( 老人ホーム等 ) 学校 幼稚園 ゴルフ場 自然公園 あるいはハイキングや山菜採りによる入山者等の情報を迅速 的確に把握する 現地指揮本部では 収集した火災の情報をもとに 近隣の居住地や施設に延焼が及ぶ可能性を予測し 避難勧告を行うべき区域と時間の把握に努める この場合 地元の気象台と連携し 延焼予測に必要な気象情報を入手して活用する 避難勧告の発令 伝達 避難誘導 避難所の開設 運営等の一連の避難対策は 基本的に市町村防災計画に基づいて行われる したがって 現地指揮本部で把握した火災状況や延焼危険に関する情報を市町村 ( 災害対策本部 ) に伝え 市町村が実施した避難対策の状況を現地指揮本部に伝えるなど 緊密な情報連絡 連携体制が要求される 7 一般住民に対する広報広報にあたっては 消防機関 ( 現地指揮本部 ) では対応が困難な場合もあり 市町村 ( 災害対策本部 ) と連携し 専用窓口を設け内容の一元化を図る 情報を広域に伝える場合には報道機関 簡潔な情報を特定の区域に伝える場合には防災行政無線や広報車 詳しい情報を正確に伝える場合にはインターネットが有効である 8 関係機関との連携林野火災の防ぎょ活動にあたっては 消防防災関係機関のほか 警察 林野関係機関 自衛隊等の関係機関との連携が不可欠となる 各機関との連携のあり方については本文 ( 第 4 章 4.8) を参照されたい 第 5 章では 無人航空機 (UAV) の一種であるカイトプレーンについて 林野火災時の情報収集手段としての実証実験を行い 有効性と活用方策について検討してまとめた 可視カメラでは 人の存在を上空 200m 以下の高度であれば確認することが可能で 更に高高度であっても林野の焼けた状況を色の違いで確認することができた 暗視カメラを用いれば 高度 300m からでも 木材の焚き火やが熾 ( おき ) の状態になった熱源や 石油ストーブ程度の大きさの熱源を把握することがでた これらのことから 林野火災時の情報収 - 161 -

集手段として有効であることが確認できたが UAV と基地局との無線交信の問題が提起 された また ヘリコプターとの同時飛行を避ける必要があり 実用化に向けて具体的な 活用方策の検討が必要である 第 6 章では 本事業において林野庁及び森林総合研究所が開発した 林野火災延焼危険度 ( 植生乾燥度 ) 画像作成システム 林野火災早期発見システム 林野火災地点情報システムについて述べた 林野火災延焼危険度画像作成システムは 衛星画像解析により日本全土の植生乾燥度を判定してインターネットで公開するもので 林野火災の発生危険や発生時の延焼危険の把握に活用することが可能である また 林野火災早期発見システムは 衛星画像からホットスポットを認識し火災かどうかの判定を行うもの 林野火災地点情報システムは 認識した火災地点の情報を当該都道府県にメールにより知らせるものである これらにより 発見されにくい場所での火災 あるいは夜間の火災 ( 件数は少ないが ) の早期発見が可能になると期待される 第 7 章では GISによる林野火災防ぎょ図作成の一例として 消防科学総合センターが開発した 標準型市町村防災 GIS の活用について述べた このGISは 現在全国の都道府県や市町村の防災部局及び消防機関に配布しており これに林野火災防ぎょ図作成に特化した機能を付加することにより 各消防本部において容易に防ぎょ図作成を行うことが可能になる 8.2 今後の課題 林野火災に関する調査 検討としては 平成 14 年度に林野火災の予防対策全般及び空中消火活動のあり方について検討し ( 消防庁 林野庁 林野火災対策に関する調査研究報告書 ) 平成 16 年度に火災気象通報の地域細分化を踏まえた火災警報発令及び林野火災発生防止のあり方について検討した ( 消防庁 林野火災の有効な低減方策検討会報告書 ) さらに 平成 18 年度 ( 本年度 ) は 林野火災発生時の情報収集 連絡 関係機関の情報共有 連携のあり方や新しい技術の活用について検討を行った これらの検討結果を踏まえ 今後の検討課題として次のような事項が挙げられる 1 新しい情報収集 共有技術の実用化本検討では 林野火災における新しい情報収集 共有技術として 無人航空機 (UA V) の活用 林野火災の延焼危険度 早期発見 地点情報システムの開発 GISによる林野火災防ぎょ図作成について述べた 今後 これらを実用化するための具体的な技術開発及び活用方策の検討が必要になる UAVについては 搭載するカメラの付け替えや配線等飛行準備の簡素化 UAV と基地局との無線交信の改善が望まれるほか ヘリコプターとの同時飛行といった活 - 162 -

用上の制約条件を明確にしたうえで実証実験を繰り返し行う必要があると考えられる また GISについては 本検討で示した防災 GISあるいは都道府県の森林 GI Sを活用した実用的な林野火災防ぎょ図作成システムの開発を行うことが望まれる さらに 地形データ ( 標高データ ) や衛星画像を活用した3 次元の林野火災防ぎょ図作成や この画面上で延焼シミュレーションを行って表示できるようなシステムも考えられる 2 林野火災リスクマネジメントの検討予防面での検討として 第 3 章 3.1 で述べたように オーストラリアでは林野火災に対する住民参加型のリスクマネジメント計画が導入されており 日本でもこのような計画の導入について検討することは有意義であると考えられる リスクは事故や災害の危険度を発生危険と被害程度の両面から捉えた概念であり これが許容できる水準に納まるようにコントロールしていくことがリスクマネジメントである 林野火災の発生危険は 気象条件に大きく依存し これを低減するために消防庁と気象庁で 火災気象通報運用改善に伴う火災警報の効果的な活用の試行 として検討が進められているが ( 参考資料 2) これをさらに林野火災発生危険度指数として発展させることも考えられる 被害程度については 気象条件もさることながら 発生場所及びその周辺地域の諸条件にも依存し これを低減するには平成 14 年に検討した空中消火のあり方 本年度に検討した情報収集 連絡及び関係機関の連携のあり方 さらに地域住民との協力体制といった多くの要因が絡んでくる また 第 6 章で述べたような植生乾燥度のような情報も活用できるであろう このような林野火災のリスク低減に関わる多種多様な要因及び情報を整理し 具体的なリスクマネジメント計画を提示し できればモデル地区を選定してケーススタディを実施してみることが望ましい 3 林野火災の防ぎょ戦術の検討林野火災の防ぎょ戦術は 発生場所の地形や植生 気象状況 水利や道路等の状況 山林内の施設の状況 周辺の居住地の状況といった諸条件によって異なってくる 過去の大規模林野火災での防ぎょ活動をこのような観点から調査し 各種条件に応じた防ぎょ戦術 ( 防ぎょの優先度 ) のあり方を整理することは 林野火災による被害を低減するうえで有意義であると考えられる - 163 -

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