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食物アレルギーから見た離乳食の考え方

資料1-1 HTLV-1母子感染対策事業における妊婦健康診査とフォローアップ等の状況について

共有化が図られること (4) 授乳や離乳への支援が 健やかな親子関係の形成や子どもの健やかな成長 発達への支援としてより多くの場で展開されること すべての項目に 支援 という言葉が使われ 授乳 離乳の支援ガイド を単なるマニュアルとしてとらえるのではなく 親子を周囲の力で支えていく 育児支援 の考え

はじめての子どもが生まれる前に 赤ちゃんの世話をしたことがある割合 (25 年度と 20 年度の 比較 ) 利用ニーズ把握のための調査 ( 平成 20 年 ( 市民意識調査 ) 25 年 ( 未就学児 )) < 平成 20 年 > 無回答 2.9% < 平成 25 年 > 無回答 %

Microsoft Word - 00_1. 調査の概要0819

Ⅲ 各種施策及び事業の動向 第 1 妊娠 出産期から乳幼児期にかけての子育て支援 4 乳児健康診査 (1) 根拠法令等 母子保健法 厚生省児童家庭局長通知 仙台市乳児健康診査実施要領 (2) 制度の概要 事業目的 対象者 実施機関 一般健康診査 精密健康診査 乳児の心身の異常を早期に発見し, 早期に

3 母子保健事業の量の見込みと提供体制 1 安心して妊娠期を過ごし出産を迎えることができる 親になるための準備と産じょく期の支援 子どもや母親の健康の確保 (1) 母子健康手帳の発行 現状と課題妊娠 出産期から子育てまでの途切れない支援の出発点として 母子健康手帳の交付を保健師が行うことで 妊婦の健

併せて 妊娠 出産 更年期など女性特有の生涯にわたる健康問題を気軽に相談できるよう 対 応を充実させる必要があります はじめての子どもが生まれる前に 赤ちゃんの世話をしたことがある割合 (25 年度と 20 年度の 比較 ) 横浜市利用ニーズ把握のための調査 ( 平成 20 年 ( 市民意識調査 )

豊川市民病院 バースセンターのご案内 バースセンターとは 豊川市民病院にあるバースセンターとは 医療設備のある病院内でのお産と 助産所のような自然なお産という 両方の良さを兼ね備えたお産のシステムです 部屋は バストイレ付きの畳敷きの部屋で 産後はご家族で過ごすことができます 正常経過の妊婦さんを対

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

独立行政法人国立成育医療研究センターエコチル調査メディカルサポートセンター特任部長生体防御系内科部アレルギー科医長 大矢幸弘 1

Microsoft Word - P11~19第2部② 母子保健の現状

安心して育 子育てに自信 集計後設定 児ができる母が持てない母 親の増加 親の割合 父親の育児参加に満足する母親の割合 産後うつ病のリスクのある産婦の割合 子どもの健やかな成長のためには 母親が安心かつ自信を持って育児することが重要である 引き続き 育児不安の軽減や虐待予防に取り組む必要があり 健や

CQ2. 単胎児分娩後の高年初産婦において 母乳育児を推進するための産後 1か月までのケアは何か 希望する授乳方法を確認し 母乳育児に対するモチベーションが高まるように支援する 分娩様式にかかわらず出産当日からの母子同室ができるように支援する ただし 母親 の疲労状態に配慮しながらすすめることが必要

時期場面子ども自身の問題 乳 児 期 乳児訪問 1~2 か月訪問 乳児健診 (3~4 か月 7~8 か月 10 か月 ) 健診時に要チェック項目がある ( 体重増加が悪い 先天性の疾患がある等 ) 既往歴がある ( 硬膜下血腫 頭蓋骨骨折 ) 気持ちを苛立たせるような泣き声 あやしても泣き止まない

2016 年 12 月 7 日放送 HTLV-1 母子感染予防に関する最近の話題 富山大学産科婦人科教授齋藤滋はじめにヒト T リンパ向性ウイルスⅠ 型 (Human T-lymphotropic virus type 1) いわゆる HTLV-1 は T リンパ球に感染するレトロウイルスで 感染者

系統看護学講座 クイックリファレンス 2012年 母性看護学

会場対象者申込み方法 刈谷市保健セン初妊婦とその夫保健師 助産師 保育士電話または来所で予約ふれあい遊び 沐浴体験 妊婦体験 ハイリスク者向け事業 ( 多胎児 外国人 転入者対象 MCG 等 ) 名称時期 回数会場対象者申込み方法 マタニティサロン 広場等 名称フレッシュ ママクラスマタニティーサロ

【訂正版】出産・育児に関する実態調査2016」発表。約8割が「自然分娩」で出産し、約4人に1人は立ち会い出産を実施。若い人ほど立ち会い出産を経験する割合が高い。出産時の入院・分娩費用は平均42.5万円

系統看護学講座 クイックリファレンス 2013年7月作成

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市町村名 岡崎市 窓口 岡崎市保健部健康増進課 住所 岡崎市若宮町 2 丁目 1 番地 1 電話 FAX URL

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中国人ママの育児用品の購入に関する調査(2016)

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別紙様式 (Ⅱ)-1 添付ファイル用 本資料の作成日 :2016 年 10 月 12 日商品名 : ビフィズス菌 BB( ビービー ) 12 安全性評価シート 食経験の評価 1 喫食実績 ( 喫食実績が あり の場合 : 実績に基づく安全性の評価を記載 ) による食経験の評価ビフィズス菌 BB-12

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72 豊橋創造大学紀要第 21 号 Ⅱ. 研究目的 Ⅲ. 研究方法 1. 対象 A B

日本における「カンガルーケア・ガイドライン」

H27地 08 子どもの食と栄養

2. 栄養管理計画のすすめ方 給食施設における栄養管理計画は, 提供する食事を中心とした計画と, 対象者を中心とした計画があります 計画を進める際は, それぞれの施設の種類や目的に応じて,PDCA サイクルに基づき行うことが重要です 1. 食事を提供する対象者の特性の把握 ( 個人のアセスメントと栄

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分科会 2 ワークショップ 母乳育児支援の困難を乗り越える 最初の 1 か月 WORKSHOP: OVERCOMING DIFFICULTIES OF SUPPORTING BREASTFEEDING DURING THE FIRST MONTH 滝元宏 ( 小児科医 2006 年認定 ) Moto

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資料 3 全国精神保健福祉センター長会による自殺予防総合対策センターの業務のあり方に関するアンケート調査の結果全国精神保健福祉センター長会会長田邊等 全国精神保健福祉センター長会は 自殺予防総合対策センターの業務の在り方に関する検討チームにて 参考資料として使用されることを目的として 研修 講演 講

Ⅰ 基本構想の策定 1 策定の趣旨魚津市では 平成 14 年から毎年 1 か所ずつ分娩施設の休業等が続き 平成 18 年 8 月には 市内には分娩できる施設がなくなりました 以来 魚津市民や里帰りされる方々は 止むを得ず市外で出産せざるを得ない状況となっていました この間 多くの市民からは 市内で安

5 出産支援交通費の助成申請書 定期的に健診を受け 健やかな妊娠期を送っていただくために1 回の妊娠につき1 回 健診のために医療機関等へ通院される交通費の一部を助成します 第 1 子または第 2 子の妊娠 10,000 円第 3 子以降の妊娠 20,000 円 ( 平 上平 利賀地域の方は上記金額

乳幼児健康診査について

肥満と栄養cs2-修正戻#20748.indd


< 目次 > Ⅰ 基本構想の策定 1 策定の趣旨 2 基本構想の位置づけ 3 現状と課題 めざす姿 4 基本理念 5 基本方針 6 基本方針を実現するために 7 新施設のイメージ Ⅱ 各機能の概要 1 分娩できる施設 ( 産科施設 ) (1) 整備の背景 (2) 整備の概要 (3) 新生児への対応

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⑤5 地方公共団体における検証等に関する調査結果

スライド 0

次世代ヘルスケア産業協議会第 17 回健康投資 WG 資料 6 職場における食生活改善の質の向上に向けて 武見ゆかり第 6 期食育推進評価専門委員会委員 ( 女子栄養大学教授, 日本栄養改善学会理事長 )

(1) 庁内外の関係機関と密に連携を図りつつ必要に応じてひとり親家庭を訪問 1 背景ひとり親家庭からの相談窓口に寄せられる相談件数は増加傾向にある また養育に問題を抱える父母からの相談 父母や子どもが精神的に不安定であるケースに関する相談等 相談内容やその背景も複雑化してきていることから 碧南市では

井上 富岡 梅﨑 流山陽論叢 : 妊婦が希望する妊娠中の母乳育児支援第 22 巻 (2015) か月では完全母乳栄養の母親は 46%,3 か月では 38% まで減少するという報告がある 1) これまで母乳育児の継続を阻害する要因に関する報告は多くなされており, その主な要因として, 母親自身および母

PS2011_004V2017 ENG 母乳育児 所信声明母乳育児 Breastfeeding 背景 母乳育児は 乳児が健全に成長し発育するための理想的な栄養を与える方法として 他に類を見ないものである また 生殖のプロセスにおいて欠くことのできない部分でもあり 母親の健康にとって重要な意味を伴って

3 睡眠時間について 平日の就寝時刻は学年が進むほど午後 1 時以降が多くなっていた ( 図 5) 中学生で は寝る時刻が遅くなり 睡眠時間が 7 時間未満の生徒が.7 であった ( 図 7) 図 5 平日の就寝時刻 ( 平成 1 年度 ) 図 中学生の就寝時刻の推移 図 7 1 日の睡眠時間 親子

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このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

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保健師管理栄養士 窓口 電話 FAX メール 保健師 栄養士の会に分けることで よりきめ細かな内容になっている 就労している方にも参加しやすいように 土曜日開催日を設けている ハイリスク者向け事業 ( 多胎児 外国人 転入者対象 MCG 等 ) ティーンズママの会 ( 子ども ノーバディズパーフェク

産前 産後ママの体と心のケアです 赤ちゃんを預けてママだけの参加も大歓迎! 動きやすい服装でご参加ください 日時開催場所申込期間定員 10 月 21 日 ( 月 ) 午前 10 時 30 分 ~11 時 30 分渋江児童館 9 月 30 日 ( 月 )~10 月 20 日 ( 日 ) 先着 10 組

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中にいる間 その子どもたちに影響をして小さく生まれてくる そして この小さく生まれてきた子というのは 将来 肥満とか糖尿病 脂質異常症等の いわゆる生活習慣病を発症しやすくなっていることが知られるようになっております わが国の低出生体重児は 2005 年に向けて大体 10% ぐらいに上がってきており

Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%

様式 3 論文内容の要旨 氏名 ( 神﨑光子 ) 論文題名 周産期における家族機能が母親の抑うつ 育児自己効力感 育児関連のストレス反応に及ぼす影響 論文内容の要旨 緒言 女性にとって周産期は 妊娠 分娩 産褥各期の身体的変化だけでなく 心理的 社会的にも変化が著しいため うつ病を中心とした気分障害

始前に出生したお子さんについては できるだけ早く 1 回目の接種を開始できるように 指導をお願いします スムーズに定期接種を進めるために定期接種といっても 予防接種をスムーズに進めるためには 保護者の理解が不可欠です しかし B 型肝炎ワクチンの接種効果は一生を左右する重要なものですが 逆にすぐに効

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

別紙様式 (Ⅴ)-1-3で補足説明している 掲載雑誌は 著者等との間に利益相反による問題が否定できる 最終製品に関する研究レビュー 機能性関与成分に関する研究レビュー ( サプリメント形状の加工食品の場合 ) 摂取量を踏まえた臨床試験で肯定的な結果が得られている ( その他加工食品及び生鮮食品の場合

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

報告書トピックス

厚生労働省による 平成 30 年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.1) に対する 八王子介護支援専門員連絡協議会からの質問内容と八王子市からの回答 Q1 訪問看護ステーションによるリハビリのみの提供の場合の考え方について厚労省 Q&A(Vol.1) での該当項目問 21 問 22 問 23 A

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てんかんinfo ブックレットシリーズ No.3

1 現状と課題

子どもの保健 Ⅰ・Ⅱ .indd

(3) 摂取する上での注意事項 ( 該当するものがあれば記載 ) 機能性関与成分と医薬品との相互作用に関する情報を国立健康 栄養研究所 健康食品 有効性 安全性データベース 城西大学食品 医薬品相互作用データベース CiNii Articles で検索しました その結果 検索した範囲内では 相互作用

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す しかし 日本での検討はいまだに少なく 比較的小規模の参加者での検討や 個別の要因との関連を報告したものが殆どでした 本研究では うつ病患者と対照者を含む 1 万人以上の日本人を対象とした大規模ウェブ調査で うつ病と体格 メタボリック症候群 生活習慣の関連について総合的に検討しました 研究の内容

1. 子育て短期支援事業の概要 根拠法 子育て短期支援事業 は 児童福祉法 ( 昭和 22 年法律第 164 号 以下 法 という ) 第 6 条の 3 第 3 項に規定する市町村が実施する事業 用語の意味 児童 児童福祉法第 4 条に規定する者をいう 保護者 児童福祉法第 6 条に規定する者をいう

調査結果概要 ( 旭川市の傾向 ) 健康状態等 子どもを病院に受診させなかった ( できなかった ) 経験のある人が 18.8% いる 参考 : 北海道 ( 注 ) 17.8% 経済状況 家計について, 生活のため貯金を取り崩している世帯は 13.3%, 借金をしている世帯は 7.8% となっており

乳児家庭全戸訪問事業(一部改正)

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医療連携ガイドライン改

 

子育てケアプラン ( 出産前後 1 歳のお誕生日前後 ) 出産予定日 2か月前から出産後の方 生後 10か月から1 歳 6か月のお子さんがいる保護者の方を対象に 子育てケアマネジャーや保健師が子育ての目標や受けられる市のサポートなどを保護者の方と一緒に考え その方にあった子育てケアプランを作ります

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第 7 章栄養方法の選択について Ⅰ 栄養方法の選択に関する説明と留意点 HTLV-1 母子感染の経路としては 母乳を介する感染が最も関与していると考えられているが 母乳感染を予防する方法は それぞれに特徴と留意点を有している また HTLV-1 キャリアであるという説明を受けた妊婦は 自身の AT

お子さんの成長にあわせ お母さんの食生活を見直してみませんか? お子さんの成長にあわせて あなたの食生活をかえるチャンスがあります 3 か月 か月 か月

赤ちゃんにやさしい病院 (Baby friendly hospital) の認定を受けました平成 19 年に WHO/UNICEF から 赤ちゃんにやさしい病院 (Baby friendly hospital: BHF) の認定を受けました 当院では 母乳育児を通して豊かな母子関係を育むことを目的と

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娠中の母親に卵や牛乳などを食べないようにする群と制限しない群とで前向きに比較するランダム化比較試験が行われました その結果 食物制限をした群としなかった群では生まれてきた児の食物アレルゲン感作もアトピー性皮膚炎の発症率にも差はないという結果でした 授乳中の母親に食物制限をした場合も同様で 制限しなか

Ⅲ. 研究方法 1. 文献検索の方法 Web CiNii Articles Google Scholar 分析と方法 1 表 1 2 表 2 3. 用語の定義 Ⅳ. 結果 1. 退院後の母乳育児支援に関する

横浜市育児支援家庭訪問事業実施要綱 制 定平成 17 年 5 月 20 日福子地第 126 号 最近改正平成 28 年 10 月 1 日ここ第 2713 号 ( 目的 ) 第 1 条この要綱は 児童福祉法 ( 法律第 164 号 昭和 22 年 12 月 12 日 ) 第 21 条の10の2 及び養

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深夜勤務の制限 5 妊産婦の時間外 休日 妊娠中の女性が 母体または胎児の健康保持のため 深夜勤務や時間外勤務等の制限を所属長に請求できます 病院助手専攻医臨床研修医 6 妊娠中の休息 妊娠中の女性は 勤務時間規程に規定する 職務に専念する義務の免除 を利用して 母体または胎児の健康保持のため 勤務

医科診療報酬点数表関係 別添 1 在宅患者支援療養病床初期加算 在宅患者支援病床初期加算 問 1 療養病棟入院基本料の注 6の在宅患者支援療養病床初期加算及び地域包括ケア病棟入院料の注 5の在宅患者支援病床初期加算の算定要件に 人生の最終段階における医療 ケアの決定プロセスに関するガイドライン 等の

日本の子どもたちが危ない があるのでしょうか? 日本において低出生体重児が急激に増えていることに強い危機感を覚えていらっしゃるとうかがいました その原因にはどのようなことが考えられるのでしょうか? 日本は1978 年頃以降 低出生体重児 ( 出生体重 2500g 未満の児 ) が年々増加傾向にありま

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第 12 回子どもの食育を考えるフォーラム 新しい授乳 離乳の支援ガイドについて - 授乳の支援ー - 順天堂大学大学院小児思春期発達 病態学清水俊明

新しい授乳 離乳の支援ガイドについて - 授乳の支援ー (1) 授乳 離乳の支援ガイドラインについて (13:40~) 座長 : 清水俊明 ( 順天堂大学医学部小児科教授 ) 玉井浩 ( 大阪医科大学小児科教授 ) 1 小児科医からみたガイドライン : 山城雄一郎 ( 順天堂大学プロバイオティクス講座特任教授 ) 2 授乳 離乳の支援ガイドラインについて : 清野冨久江 ( 厚生労働省母子保健課栄養専門官 ) 3 ガイドライン使用の実際 : 堤ちはる ( 日本子ども家庭総合研究所母子保健研究部栄養担当部長 )

授乳 離乳の支援ガイド 平成 7 年 12 月に離乳指導の目安として 改定離乳の基本 が厚生省から出された 平成 19 年 3 月に厚生労働省から 授乳 離乳の支援ガイド が発表され 母子保健や医療関係者の子育て支援として活用されている

新しい授乳 離乳の支援ガイド 2005 2007 2015 2018 2019 平成 17 年乳幼児栄養調査 検討会 平成 27 年乳幼児栄養調査 厚労省科学研究 ( 楠田班 ) 検討会 改定離乳の基本 授乳 離乳の支援ガイド 新しい支援ガイド

新しい授乳 離乳の支援ガイド - 授乳の支援 - 1. 授乳支援の基本的な考え方 2. 乳幼児栄養調査からみた授乳の実態 3. 新しい支援ガイドのための提言

新しい授乳 離乳の支援ガイド - 授乳の支援 - 1. 授乳支援の基本的な考え方 2. 乳幼児栄養調査からみた授乳の実態 3. 新しい支援ガイドのための提言

1. 授乳支援の基本的な考え方 授乳の支援にあたっては 母子の健康を維持するとともに 健やかな母子 親子関係の形成を促し 育児に自信を持たせることを基本とする 妊娠から退院後まで継続した支援を進める環境作りが推進される 産科施設や小児科施設 保健所 市町に関する基本情報の共有化を行う

授乳支援の推進に向けて

母乳育児の支援を進めるポイント 妊娠中 出産後から退院まで 退院後 妊婦さんやその家族とよく話し合いながら 母乳で育てる意義とその方法を教える できるだけ早く 母子が触れ合って母乳を飲めるように支援する 母親と赤ちゃんが終日 一緒にいられるように支援する 赤ちゃんが欲しがる時 母親が飲ませたい時には いつでも母乳を飲ませられるように支援する 母乳不足感や体重増加不良などへの専門的支援 困った時に相談できる場所作りや仲間作りなど 社会全体で支援する

新しい授乳 離乳の支援ガイド - 授乳の支援 - 1. 授乳支援の基本的な考え方 2. 乳幼児栄養調査 (2015) からみた授乳の実態 3. 新しい支援ガイドのための提言

新しい授乳 離乳の支援ガイド 2005 2007 2015 2018 2019 平成 17 年乳幼児栄養調査 検討会 平成 27 年乳幼児栄養調査 厚労省科学研究 ( 楠田班 ) 検討会 改定離乳の基本 授乳 離乳の支援ガイド 新しい支援ガイド

2. 乳幼児栄養調査からみた授乳の実態 乳幼児栄養調査 は 授乳 離乳の支援 乳幼児の食生活改善のための基礎資料を得ることを目的として行われている 1985 年から 10 年ごとに実施 ( 今回の 2015 年が 4 回目 ) 最近の乳幼児の食に関する課題に対する実態把握の観点から調査項目が設定 乳幼児栄養調査企画 評価研究会 にて調査項目を設定 座長 吉池信男 メンバー 阿部彩 石川みどり 尾島俊之 清水俊明 堤ちはる

乳幼児栄養調査 (2015 年 ) 対象 2015 年 5 月 31 日現在で 6 歳未満の子どものいる無作為に抽出された 2992 世帯 6 歳未満の子どもは 3871 人 方法 9 月に調査員が被調査世帯を訪問し 養育者に調査票の記入を依頼し 後日調査員が回収

乳幼児栄養調査 (2015 年 ) 調査項目 母乳育児に関する認識や指導の状況 授乳や離乳食の状況 子どもの食物アレルギーの状況 子どもの健康状態や生活習慣 保護者の生活習慣 世帯の状況など

授乳期の栄養方法の推移 (1 か月 ) 母乳栄養混合栄養人工栄養 昭和 60 年度 (n=6,567) 49.5 41.4 9.1 平成 7 年度 (n=3,728) 46.2 45.9 7.9 平成 17 年度 (n=2,539) 42.4 52.5 5.1 平成 27 年度 (n=1,235) 51.3 45.2 3.6 0% 50% 100%

授乳期の栄養方法の推移 (3 か月 ) 母乳栄養混合栄養人工栄養 昭和 60 年度 (n=6,567) 39.6 32.0 28.5 平成 7 年度 (n=3,728) 38.1 34.8 27.1 平成 17 年度 (n=2,539) 38.0 41.0 21.0 平成 27 年度 (n=1,235) 54.7 35.1 10.2 0% 50% 100%

母乳育児に関する出産施設での支援状況 平成 17 年度 (n=2,706) 平成 27 年度 (n=1,212) 出産後 30 分以内に母乳を飲ませた 32.4 37.2 出産直後から母子同室だった 17.3 27.9 赤ちゃんが欲しがる時はいつでも母乳を飲ませた 52.9 74.9 0 20 40 60 80 100 (%)

授乳について困ったこと 授乳について困ったこと 総数 (n=1,242) 栄養方法 (1 か月 ) 別 (n=1,200) 母乳栄養 (n=616) 混合栄養 (n=541) 人工栄養 (n=43) 困ったことがある 77.8 69.6 88.2 69.8 母乳が足りているかどうかわからない 40.7 31.2 53.8 16.3 母乳が不足ぎみ 20.4 8.9 33.6 9.3 授乳が負担 大変 20.0 16.6 23.7 18.6 人工乳 ( 粉ミルク ) を飲むのをいやがる 16.5 19.2 15.7 2.3 外出の際に授乳できる場所がない 14.3 15.7 14.4 2.3 子どもの体重の増えがよくない 13.8 10.2 19.0 9.3 卒乳の時期や方法がわからない 12.9 11.0 16.1 2.3

新しい授乳 離乳の支援ガイド - 授乳の支援 - 1. 授乳支援の基本的な考え方 2. 乳幼児栄養調査からみた授乳の実態 3. 新しい支援ガイドのための提言

3. 新しい支援ガイドのための提言 平成 19 年 授乳 離乳の支援ガイド の内容を最新の科学的根拠で検証し 変更が必要な場合は変更案を提言することを目的とし 厚生労働科学研究費助成を受け 妊産婦及び乳幼児の栄養管理の支援のあり方に関する研究 ( 楠田班 ) が行われた 研究代表者 楠田聡 研究分担者 清水俊明 田村文誉 堤ちはる 塙佳生 米本直裕

妊産婦及び乳幼児の栄養管理支援のあり方に関する研究 方法 授乳 離乳の支援ガイド の内容についてクリニカルクエッション (CQ) を設定し 系統的に文献検索を行い それぞれの CQ に対して提言を作成する事とした 結論 母乳栄養を推奨すると共に 栄養法に関わらず育児支援が重要である 母乳栄養の効果には限界があり 栄養やアレルギー疾患との関係に関しての科学的根拠が必要

授乳の支援に関するクリニカルクエッション CQ2.1 正期産児に母乳栄養を行うと児のアレルギー疾患を予防できるか? CQ2.2 正期産児に母乳栄養を行うと児のメタボリック症候群を予防できるか? CQ2.3 母乳育児は母親の育児不安を低減できるか? CQ2.4 母乳栄養は消化管機能を改善させるか? CQ3.1 正期産児に完全母乳栄養を行うと児の神経発達が促進されるか? CQ3.2 完全母乳栄養はビタミンK 欠乏症の頻度を上昇させるか?

授乳の支援に関するクリニカルクエッション CQ5.1 母乳栄養中の摂取禁忌食品あるいは薬物は? CQ5.2 早産児または低出生体重児での母乳栄養は正期産児と同等の効果があるか? CQ5.3 母子同室が母乳育児推進に繋がるか? CQ5.4 混合栄養は育児不安に繋がるか?

授乳の支援に関するクリニカルクエッション CQ2.1 正期産児に母乳栄養を行うと児のアレルギー疾患を予防できるか? CQ2.2 正期産児に母乳栄養を行うと児のメタボリック症候群を予防できるか? CQ2.3 母乳育児は母親の育児不安を低減できるか? CQ2.4 母乳栄養は消化管機能を改善させるか? CQ3.1 正期産児に完全母乳栄養を行うと児の神経発達が促進されるか? CQ3.2 完全母乳栄養はビタミンK 欠乏症の頻度を上昇させるか?

CQ2.1 正期産児に母乳栄養を行うと児のアレルギー疾患を予防できるか? #1 breastfeeding or exclusive breastfeeding: 45244 #2 allergy or allergic disease: 418670 #3 meta-analysis or systematic review: 167013 上記 #1 and #2 and #3 で Pub Med から抽出した文献のうち 2009 年以降の 5 文献および加水分解乳についての最新のメタアナリシスを追加して提言を作成

CQ2.1 正期産児に母乳栄養を行うと児のアレルギー疾患を予防できるか? 検索したデータベース :Pub Med 文献検索フローチャート 検索された文献数 :66 他の方法で検索された文献数 :0 総検索文献数 :66 除外文献数 :61 内容を吟味した文献数 :5 採用した文献数 :5 除外文献数 :0

CQ2.1 正期産児に母乳栄養を行うと児のアレルギー疾患を予防できるか? 6 か月間の母乳栄養には 子どものアレルギー疾患発症の予防効果はない アレルギー素因のある児も含め アレルギー疾患に対する母乳の予防効果は限定的である 加水分解乳のアレルギー予防効果についてもエビデンスは十分でない 育児用ミルクでアレルギー疾患になり易い あるいは加水分解乳でアレルギーは予防できるという指導は慎むべき

CQ2.2 正期産児に母乳栄養を行うと児のメタボリック症候群を予防できるか? #1 breastfeeding or exclusive breastfeeding: 45244 #2 metabolic syndrome or type 2 diabetes or obesity: 340109 #3 meta-analysis or systematic review: 167013 上記 #1 and #2 and #3 で Pub Med から抽出した文献のうち 2006 年以降の 5 文献および国内から発表された大規模な縦断的研究を追加して提言を作成

CQ2.2 正期産児に母乳栄養を行うと児のメタボリック症候群を予防できるか? 検索したデータベース :Pub Med 文献検索フローチャート 検索された文献数 :87 他の方法で検索された文献数 :0 総検索文献数 :87 除外文献数 :78 内容を吟味した文献数 :9 採用した文献数 :5 除外文献数 :4

CQ2.2 正期産児に母乳栄養を行うと児のメタボリック症候群を予防できるか? 母乳栄養が小児期の過体重や肥満症のリスクを減らす 母乳栄養児に後の 2 型糖尿病の発症が少ない 母乳栄養児と混合栄養児との間に肥満や 2 型糖尿病に差があるとするエビデンスはない 育児用ミルクを与えることによって肥満になるといった 表現で誤解を与えないような配慮が必要

CQ2.3 母乳育児は母親の不安を軽減できるか? #1 breastfeeding or exclusive breastfeeding: 45244 #2 depression or anxiety: 470032 #3 meta-analysis or systematic review: 167013 上記 #1 and #2 and #3 で Pub Med から抽出した文献のうち 2009 年以降の 3 文献を採用し提言を作成

CQ2.3 母乳育児は母親の不安を軽減できるか? 検索したデータベース :Pub Med 文献検索フローチャート 検索された文献数 :58 他の方法で検索された文献数 :0 総検索文献数 :58 除外文献数 :55 内容を吟味した文献数 :3 採用した文献数 :3 除外文献数 :0

CQ2.3 母乳育児は母親の不安を軽減できるか? 産後不安やうつ徴候がある女性では母乳栄養期間が短い もしくは母乳栄養の短縮が産後うつの発症リスクを上げる 授乳不安が強く うつ傾向の強い母親に対しては 早期からの産科医 小児科医 助産師あるいは 保健師などによる専門的アプローチを検討する

その他の授乳支援に関するクリニカルクエスション CQ2.4 母乳栄養は消化管機能を改善させるか? 文献検索でも 現時点では新しいエビデンスは示されなかった CQ3.1 正期産児に完全母乳栄養を行うと児の神経発達が促進されるか? 完全母乳栄養児と混合栄養児との間に認知 行動に関する神経発達において有意差は認めなかった

その他の授乳支援に関するクリニカルクエスション CQ3.2 完全母乳栄養はビタミン K 欠乏症の頻度を上昇させるか? 母乳栄養とビタミン K とで今回参考となる文献は検索されなかった CQ5.1 母乳栄養中の摂取禁忌食品あるいは薬物は? 実際の授乳婦が服薬するか否かの決定は専門職による指示のもとで行われている場合が多く 包括的に示す文献は見られなかった

その他の授乳支援に関するクリニカルクエスション CQ5.2 早産児または低出生体重児での母乳栄養は正期産児と同等の効果があるか? 母乳育児を行うことにより精神運動発達指数 全行動パーセンタイルスコアの改善 入院リスクの減少 新生児壊死性腸炎の減少が示された CQ5.3 母子同室が母乳育児推進に繋がるか? 母乳育児の方が母親の満足度は高いので 母乳育児に繋がる母子同室が推奨された

新しい授乳 離乳の支援ガイド 2005 2007 2015 2018 2019 平成 17 年乳幼児栄養調査 検討会 平成 27 年乳幼児栄養調査 厚労省科学研究 ( 楠田班 ) 検討会 改定離乳の基本 授乳 離乳の支援ガイド 新しい支援ガイド

まとめ 1. 平成 27 年乳幼児栄養調査結果を基に 既存の授乳 離乳支援ガイドに対して 最新の科学的根拠から提言を行う作業が終了した 2. 新しい授乳 離乳の支援ガイドは 今後上記の提言を参考にして検討会で議論し 来年には公表される予定である