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被用者保険の被保険者の配偶者の位置付け 被用者保険の被保険者の配偶者が社会保険制度上どのような位置付けになるかは 1 まず 通常の労働者のおおむね 4 分の 3 以上就労している場合は 自ら被用者保険の被保険者となり 2 1 に該当しない年収 130 万円未満の者で 1 に扶養される配偶者が被用者保

資料1 短時間労働者への私学共済の適用拡大について

<本調査研究の要旨>

社会保障 税一体改革大綱(平成24 年2月17 日閣議決定)社会保障 税一体改革における年金制度改革と残された課題 < 一体改革で成立した法律 > 年金機能強化法 ( 平成 24 年 8 月 10 日成立 ) 基礎年金国庫負担 2 分の1の恒久化 : 平成 26 年 4 月 ~ 受給資格期間の短縮

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

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第 50 号 2016 年 10 月 4 日 企業年金業務室 短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大及び厚生年金の標準報酬月額の下限拡大に伴う厚生年金基金への影響について 平成 28 年 9 月 30 日付で厚生労働省年金局から発出された通知 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能

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平成16年年金制度改正における年金財政のフレームワーク

8-1 雇用保険 雇用保険の適用基準 1 31 日以上引き続き雇用されることが見込まれること 31 日以上雇用が継続しないことが明確である場合を除き この要件に該当することとなります このため 例えば 次の場合には 雇用契約期間が31 日未満であっても 原則として 31 日以上の雇用が見込まれるもの

この改正は 1 企業に勤務していながら厚生年金 健康保険の恩恵を受けられない非正規労働者に厚生年金 健康保険を適用し セーフティネットを強化することで 社会保険における 格差 を是正することや 2 社会保険制度における 働かない方が有利になるような仕組みを除去することで 特に女性の就業を促進して 今

目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

Microsoft PowerPoint - 雇用保険法等の一部を改正する法律案 改正内容

2. 改正の趣旨 背景税制面では 配偶者のパート収入が103 万円を超えても世帯の手取りが逆転しないよう控除額を段階的に減少させる 配偶者特別控除 の導入により 103 万円の壁 は解消されている 他方 企業の配偶者手当の支給基準の援用や心理的な壁として 103 万円の壁 が作用し パート収入を10

年金改革の骨格に関する方向性と論点について

再任用と年金加入の関係をまとめると次のようになる ( 都道府県によって勤務形態は異なる ) 再任用の勤務形態フルタイム勤務 3/4 1/2 週の勤務時間 38 時間 45 分 29 時間 19 時間 15 分 共済年金 厚生年金 (2016 年 9 月 30 日まで ) 加入する年金 (2015 年

2016年 弾丸メールセミナー № 33 雇用保険法 高年齢再就職給付金

短時間労働者の適用拡大 新しい 4 分の 3 基準 に満たない場合であっても 平成 28 年 10 月 1 日以降 次のすべての要件に該当した場合は 短時間労働者の適用拡大の対象となります 週労働時間 20 時間以上 勤務期間 1 年以上 月額賃金 8.8 万円以上 学生でない 従業員 501 人

資料9

平成 27 年改正の概要 ( サマリー ) 一般労働者派遣事業 ( 許可制 ) 特定労働者派遣事業 ( 届出制 ) 26 業務 期間制限なし 26 業務以外 原則 1 年 意見聴取により最長 3 年まで 規定なし 規定なし 1. 許可制への統一 2. 派遣契約の期間制限について すべての労働者派遣事

第3回税制調査会 総3-2

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目次 1. 被保険者資格の取得要件 ( 総論 ) 問 1 被用者保険の適用拡大の実施により 厚生年金保険 健康保険の被保険者資格の取得要件はどのようになるのか 問 2 施行日以降は 4 分の 3 基準をどのように判断するのか 問 2 の 2 就業規則や雇用契約書等で定められた所定労働時間又は所定労働

公的年金制度について 制度の持続可能性を高め 将来の世代の給付水準の確保等を図るため 持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく社会経済情勢の変化に対応した保障機能の強化 より安全で効率的な年金積立金の管理及び運用のための年金積立金管理運用独立行政法人の組織等の見直し等の

厚生年金の適用拡大を進めよ|第一生命経済研究所|星野卓也

女性が働きやすい制度等への見直しについて

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支給開始日以前に カ月の標準報酬月額がある場合 06 年 月 日まで 06 年 4 月 日以降 休んだ日の標準報酬月額 0 日 / 支給開始日以前の継続した カ月間の各月の標準報酬月額の平均額 0 日 / ( 例 ) 支給開始日以前の継続した カ月間に 標準報酬月額が 6 万円の月が カ月 0 万円

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

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2016年 弾丸メールセミナー № 36回 雇用保険法 育児休業給付金

短時間労働者への厚生年金 国民年金の適用について 1 日又は 1 週間の所定労働時間 1 カ月の所定労働日数がそれぞれ当該事業所 において同種の業務に従事する通常の就労者のおおむね 4 分の 3 以上であるか 4 分の 3 以上である 4 分の 3 未満である 被用者年金制度の被保険者の 配偶者であ

Microsoft PowerPoint - 7.【資料3】国民健康保険料(税)の賦課(課税)限度額について

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0 表紙

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企業 メリット : 1 労働者が社内では得られない知識 スキルを獲得することができる 2 優秀な人材の獲得 流出の防止ができ 競争力が向上する 3 労働者が社外から新たな知識 情報や人脈を入れることで 事業機会の拡大につながる 留意点 : 1 必要な就業時間の把握 管理や健康管理への対応 労働者の職

Microsoft PowerPoint 徴収一元化

(1) はじめに 何故この 3 点のみご案内させていただくのかと申しますと 他の要件と比較し導入がしやすい点にあります 非正規労働者の職業訓練や賃金テーブルの見直し 法定外の健康診断制度は導入する敷居が若干高く また それらは一度制度として導入してしまうと助成金の申請期間が過ぎた後も通常続けざるを得

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被用者年金一元化法

自動的に反映させないのは133 社 ( 支払原資を社内で準備している189 社の70.4%) で そのうち算定基礎は賃金改定とは連動しないのが123 社 (133 社の92.5%) となっている 製造業では 改定結果を算定基礎に自動的に反映させるのは26 社 ( 支払原資を社内で準備している103

年金部会ワーキングチームの進め方について

( 参考 ) 平成 29 年度予算編成にあたっての財務大臣 厚生労働大臣の合意事項 ( 平成 29 年 12 月 19 日大臣折衝事項の別紙 ) < 医療制度改革 > 別紙 (1) 高額療養費制度の見直し 1 現役並み所得者 - 外来上限特例の上限額を 44,400 円から 57,600 円に引き上

第14章 国民年金 

(0830時点)PR版

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要 旨 被用者年金一元化法案では パート労働者に対する厚生年金の適用拡大が盛り込まれた 厚生年金の適用拡大は 労使ともに保険料負担増となるため これまで実現してこなかったが 昨今の正社員とパート労働者 ( 非正社員 ) の処遇格差が社会問題化するなかで 年金制度における格差是正対策として実施される見

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規定例 ( 育児 介護休業制度 ) 株式会社 と 労働組合は 育児 介護休業制度に関し 次 のとおり協定する ( 対象者 ) 育児休業の対象者は 生後満 歳に達しない子を養育するすべての従業員とする 2 介護休業の対象者は 介護を必要とする家族を持つすべての従業員とする 介護の対象となる家族の範囲は

2 社会保障 2.1 社会保障 2.2 医療保険 2.3 年金保険 2.4 介護保険 2.5 労災保険 2.6 雇用保険 医療保険は社会保険を構成する1つです 医療保険制度の仕組みや給付について説明していきます 医療保険制度 医療保険制度は すべての国民に医療を提供することを目的とした制

被用者年金一元化法による追加費用削減について 昨年 8 月に社会保障 税一体改革関連法の一つとして被用者年金一元化法が成立 一元化法では 追加費用財源の恩給期間にかかる給付について 以下の配慮措置を設けた上で 負担に見合った水準まで一律に 27% 減額することとし 本年 8 月まで ( 公布から 1

Microsoft Word ①概要(整備令)

新規裁定当該期間 ( 月又は年度 ) 中に新たに裁定され 年金受給権を得た者が対象であり 年金額については裁定された時点で決定された年金額 ( 年額 ) となっている なお 特別支給の老齢厚生年金の受給権者が65 歳に到達した以降 老齢基礎年金及び老齢厚生年金 ( 本来支給もしくは繰下げ支給 ) を

現下の雇用失業情勢と雇用対策について

消費税 5% 引上げによる社会保障制度の安定財源確保 消費税率 ( 国 地方 ) を 2014 年 4 月より 8% へ 2017 年 4 月より 10% へ段階的に引上げ 消費税収の使い途は 国分については これまで高齢者 3 経費 ( 基礎年金 老人医療 介護 ) となっていたが 今回 社会保障

共通事項 1 キャリアアップ 管理者情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 奨励金対象労働者数 ( 全労働者数 ) 9 企業規模 ( 該当

例 言 厚生年金保険被保険者厚生年金保険被保険者については 平成 27 年 10 月 1 日から被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律が施行されたことに伴い 厚生年金保険法第 2 条の5の規定に基づき 以下のように分類している 1 第 1 号厚生年金被保険者第 2

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任意継続被保険者制度について

平成 31 年度社会保障関係予算のポイント 頁 新 ( 平成 31 年 1 月 18 日閣議決定 ) 旧 ( 平成 年 12 月 21 日閣議決定 ) 1 平成 31 年度社会保障関係費の姿 平成 31 年度社会保障関係費の姿 ( 注 ) 年度 31 年度増 減 329, ,914 +1

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Microsoft Word - 雇用保険等の追加給付に関するQ&A (2).docx

育児休業や 介護休業をする方を 経済的に支援します 育児休業給付の支給 介護休業給付の支給 育児休業等期間中の社会保険料 ( 健康保険 厚生年金保険 ) の免除 育児休業等終了後の社会保険料 ( 健康保険 厚生年金保険 ) の特例 3 歳未満の子を養育する期間についての年金額計算の特例 ( 厚生年金

Microsoft PowerPoint - 2の(別紙2)雇用形態に関わらない公正な待遇の確保【佐賀局版】

大金問発第   号

150130【物価2.7%版】プレス案(年金+0.9%)

平成 28 年 9 月度実施実技試験 損保顧客資産相談業務 139

米国の給付建て制度の終了と受給権保護の現状

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

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均衡待遇・正社員化推進奨励金 支給申請の手引き

12 ページ, 図表 ,930 円 保険料納付済月数 + 全額免除月数 1/2+4 分の 3 免除月数 5/8+ 半額免除月数 3/4+4 分の 1 免除月数 7/8 ( 出所 ) 厚生労働省 老齢年金ガイド平成 2730 年度版 より筆者作成 40 年 ( 加入可能年数

4-1 育児関連 育児休業の対象者 ( 第 5 条 第 6 条第 1 項 ) 育児休業は 男女労働者とも事業主に申し出ることにより取得することができます 対象となる労働者から育児休業の申し出があったときには 事業主は これを拒むことはできません ただし 日々雇用される労働者 は対象から除外されます

2 職務専念義務 秘密保持義務 競業避止義務を意識することが必要である 3 1 週間の所定労働時間が短い業務を複数行う場合には 雇用保険等の適用がな い場合があることに留意が必要である 企業 メリット : 1 労働者が社内では得られない知識 スキルを獲得することができる 2 労働者の自律性 自主性を

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

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厚生年金基金に関する要望.PDF

一元化後における退職共済年金および老齢厚生年金の在職支給停止 65 歳未満の場合の年金の支給停止計算方法 ( 低在老 ) 試算表 1 年金と賃金の合算額が 28 万を超えた場合に 年金額の支給停止 ( これを 低在老 といいます ) が行われます 年金と賃金の合算額 (c) が 28 万以下の場合は

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退職後の健康保険の任意継続ってなに?

参考資料

図表 1 年金改革関連法案の概要 国民年金法改正案 ( 未成立 ) (1) 主要改正項目 2012 年度及び13 年度について 国庫は 年金特例公債 ( つなぎ国債 ) により基礎年金国庫負担割合 2 分の1と36.5%( 現在財源が手当てされている国庫負担割合 ) の差額を負担する 2012 年度

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中小企業の退職金制度への ご提案について

金のみの場合は年収 28 万円以上 1 年金収入以外の所得がある場合は合計所得金額 2 16 万円以上が対象となる ただし 合計所得金額が16 万円以上であっても 同一世帯の介護保険の第 1 号被保険者 (65 歳以上 ) の年金収入やその他の合計所得が単身世帯で28 万円 2 人以上世帯で346

2909_0 概要

平成 30 年 1 月末の国民年金 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 及び福祉年金の受給者の 年金総額は 49 兆円であり 前年同月に比べて 6 千億円 (1.3%) 増加している 注. 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 受給 ( 権 ) 者の年金総額は 老齢給付及び遺族年金 ( 長期要件 ) につ

事業活動の縮小に伴い雇用調整を行った事業主の方への給付金

平成 30 年 2 月末の国民年金 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 及び福祉年金の受給者の 年金総額は 49 兆円であり 前年同月に比べて 7 千億円 (1.4%) 増加している 注. 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 受給 ( 権 ) 者の年金総額は 老齢給付及び遺族年金 ( 長期要件 ) につ

改正労働基準法

日韓比較(10):非正規雇用-その4 なぜ雇用形態により人件費は異なるのか?―賃金水準や社会保険の適用率に差があるのが主な原因―

政策課題分析シリーズ16(付注)

Transcription:

資料 6-2 参考資料 非正規雇用者への社会保険の 適用拡大について 平成 21 年 2 月 12 日 厚生労働省

雇用保険法等の一部を改正する法律案の概要 現下の厳しい雇用失業情勢を踏まえ 非正規労働者に対するセーフティネット機能及び離職者に対する再就職支援機能の強化を重点に 所要の法改正を行う 1. 1. 非正規労働者に対するセーフティネットの機能の強化 労働契約が更新されなかったため離職した有期契約労働者について 受給資格要件を緩和 : 被保険者期間 12 か月 6 か月 ( 解雇等の離職者と同様の扱い ) 給付日数を解雇等による離職者並に充実 ( は 3 年間の暫定措置 ) 雇用保険の適用基準である 1 年以上雇用見込み を 6 か月以上雇用見込み に緩和し 適用範囲を拡大 2. 2. 再就職が困難な場合の支援の強化 解雇や労働契約が更新されなかったことによる離職者について 年齢や地域を踏まえ 特に再就職が困難な場合に 給付日数を 60 日分延長 ( 例えば所定給付日数が 90 日の場合 150 日 ) 3. 3. 安定した再就職へのインセンティブ強化 早期に再就職した場合に支給される 再就職手当 の支給要件緩和 給付率の引上げ ( 給付率について 30% 40% 又は 50%) 就職困難者 ( 障害者等 ) が安定した職業に就いた場合に支給される 常用就職支度手当 について対象範囲を拡大 ( 年長フリーター層を追加 ) 給付率の引上げ (30% 40%) 4. 4. 育児休業給付の見直し 平成 22 年 3 月末まで給付率を引き上げている暫定措置 (40% 50%) を当分の間延長 休業中と復帰後に分けて支給している給付を統合し 全額を休業期間中に支給 5. 5. 雇用保険料率の引下げ 失業等給付に係る雇用保険料率 ( 労使折半 ) を平成 21 年度に限り 0.4% 引下げ (1.2% 0.8%) 施行期日 : 平成 21 年 4 月 1 日 ( 育児休業給付の見直しについては平成 22 年 4 月 1 日 ) 1 * 船員保険法についても 雇用保険法に準じた改正を行う

非正規労働者に対するセーフティネット機能の強化について 2 見直しの背景 雇用失業情勢の悪化の影響として 有期雇用者の雇止めなどの雇用調整の動きが拡大する中で 雇用保険制度の セーフティネット機能をより強化することが必要 受給資格要件として 安易な離職を防止する等の観点から 被保険者期間 12 か月 ( 解雇 倒産等の場合は 6 か月 ) を必要としているが 希望に反して雇止めとなった有期雇用者については 被保険者期間が短い者 (1 年未満 ) であって も 必要な給付を受けられるようにすることが必要 見直しの内容 受給資格要件の緩和 雇止めにより離職した有期雇用者については 解雇 倒産等の場合と同様に 6か月の被保険者期間で受給資格を得られるようにする 給付日数の暫定的な充実 現下の雇用失業情勢を踏まえ 雇止めにより離職した有期雇用者の給付日数を解雇等の離職者並に充実する (3 年間の暫定措置 ) 適用基準の見直し ( 要領改正 ) 40 時間 短時間労働者についての雇用保険の適用の基準である 1 年以上雇用見込み について 6 か月以上雇用見込み に緩和する 主たる雇用関係 における 週所定労働時間 20~40 時間未満 20 時間未満 通常の労働者 通常の労働者 よりも所定労働時間が短いか又は 通常の労働者 が存在しない場合 6か月以上の雇用が見込まれる か No (6 か月以上の雇用見込み無し ) Yes 一般被保険者 ( 適用除外 )

パート労働者に対する厚生年金適用の拡大 ( 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案 ( 継続審議中 ) で措置 ) 1. 新たな適用基準 具体的な数値 20 時間 98,000 円 1 年 300 人 については法律で明記 1 労働時間 : 週所定労働時間が 20 時間以上 であること 2 賃金水準 : 賃金が月額 98,000 円以上 であること 3 勤務期間 : 勤務期間が 1 年以上 であること 4 学生の取扱い : 学生は適用対象外とする 5 中小零細事業所への配慮 : 従業員が 300 人以下 の中小零細事業主には新たな基準の適用を猶予 雇用保険の例に同じ 現行の厚生年金の保険料負担の基準 ( 標準報酬等級 ) の下限の額 賞与 通勤手当 残業手当等を含まない毎月の賃金支給額で判断 大学 短大 高校 高専 専修学校 各種学校 (1 年以上課程 ) 等の学生 現在厚生年金の適用対象とされている従業員の人数で算定 猶予期間は 別に法律で定める日 まで この基準により新たに適用対象となる人数は約 10~20 万人程度 現在 4 分の 3 以上 の基準により既に厚生年金の適用対象とされているパート労働者については 引き続き現行の基準による 2. 健康保険 介護保険 被用者に対する社会保険制度として一体的な運営を行っていることから 厚生年金で新たに適用対象となる者については 健康保険 介護保険も適用する 3. 施行時期 制度の周知や企業の対応 行政実務 ( 日本年金機構 ) の対応など十分な準備期間を設ける観点から 平成 23 年 9 月 1 日から 施行する ( 日本年金機構 : 平成 22 年 1 月発足予定 ) 3

社会保障審議会年金部会における議論の中間的な整理 - 年金制度の将来的な見直しに向けて - ( 抄 ) 平成 20 年 11 月 27 日社会保障審議会年金部会 6. パート労働者に対する厚生年金適用の拡大等 賃金により生計を営む被用者については パート労働者や非適用事業所の被用者等を含め できる限り厚生年金を適用し 報酬比例部分を含めた年金権の確保を図り その老後の生活の安定を図ることが求められている 一方で 低所得のパート労働者への適用拡大を図る場合 現行の標準報酬月額の下限 (98,000 円 ) の引下げが必要となるが この場合 国民年金の第 1 号被保険者 ( 平成 20 年度で月額 14,410 円の保険料負担 ) が基礎年金しか受給できないことに対し それよりも低額の保険料負担で厚生年金も併せて受給できるというアンバランスが生じることが懸念される そのような中で 現在国会に提出されている被用者年金一元化法案は 働き方が正社員に近いパート労働者について厚生年金の適用対象としようとするものであり 厚生年金の適用拡大の第一歩として まずは その早期成立を図るべきである 将来 年金制度の見直しの中で 保険料軽減支援制度が導入されるなど基礎年金の最低保障機能の本格的な強化が図られた場合には 上述のアンバランスを避けられる可能性も出てくることから 制度環境が大きく変化した際に 更なる厚生年金の適用拡大を検討すべきである この場合 厚生年金の適用拡大は年金財政にとってマイナスの影響を及ぼす可能性があるが それを補填する費用をどうするかという点についても検討する必要がある 一方で この適用拡大は 低所得者に対する所得保障の充実という意味において 基礎年金の最低保障機能の強化と同様の効果をもたらすものであり また 基礎年金での対応を必要最小限のものとする効果も有していることから そのような観点からも 年金制度全体の見直しと一体的に検討を進めていくことが重要であると考えられる 4

5 ( 参考 ) 社会保障国民会議第一分科会 ( 所得確保 保障 ( 雇用 年金 )) 中間とりまとめ 社会保障制度健全化の鍵は現役世代の活力 ( 抄 ) 2. 社会保障制度と経済活力 (2) 現役世代の活力の維持 増大 5 働き方に中立的な社会保険制度等の確立上述の雇用政策と年金政策が連動するように 年金制度を働き方と中立的なものにする必要がある このうち個人の就業行動に与える影響については すでに高齢者の就労を抑制するような年金制度を就労と中立的にすべきことを指摘したが 企業側の雇用行動を歪めている点も見過ごせない とくに企業にとって社会保険制度上コストが低くなるために非正規雇用の増加につながったり 社会保険の非適用事業所に雇用されているために厚生年金などの適用を受けられない労働者も少なくないということは懸念されるところである このことは正規雇用者と非正規雇用者の格差を固定することにもなっているので 非正規雇用者への年金保険や雇用保険の拡大を早急に進めるべきである また 非正規雇用者の老後所得の保障という観点からも非正規雇用者に対する被用者年金適用の拡大が重要であることはいうまでもない この点については現在国会に上程されている改正法案の成立を急ぎつつ 非正規雇用者への社会保険適用と適用事業所の対象をさらに拡大する方向で 早急に検討すべきである その際 短時間就労を含め 労働時間にかかわりなく保険料を支払う制度についても 適用を免れるための細切れ労働時間を設定させないという視点からは検討する価値があるだろう