浅井正孝先生お別れの会に出席して

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6 腰椎用エクササイズパッケージ a. スポーツ選手の筋々膜性腰痛症 ワイパー運動 ワイパー運動 では 股関節の内外旋を繰り返すことにより 大腿骨頭の前後方向への可動範囲を拡大します 1. 基本姿勢から両下肢を伸展します 2. 踵を支店に 両股関節の内旋 外旋を繰り返します 3. 大腿骨頭の前後の移

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358 理学療法科学第 23 巻 3 号 I. はじめに今回は, 特にスポーツ外傷 障害の多い肩関節と膝関節について, 各疾患の診断を行ううえで重要な整形外科徒手検査法と徴候を中心に述べるので, 疾患については特に説明を加えないので, 成書を参照すること 1. 非外傷性肩関節不安定症 1 sulcu

5 月 22 日 2 手関節の疾患と外傷 GIO: 手関節の疾患と外傷について学ぶ SBO: 1. 手関節の診察法を説明できる 手関節の機能解剖を説明できる 前腕遠位部骨折について説明できる 4. 手根管症候群について説明できる 5 月 29 日 2 肘関節の疾患と外傷 GIO: 肘関節の構成と外側

P26 3. 肩関節複合体の関節運動肩複合体の関節運動 P27 図 15 P28 4. 肩関節複合体の運動に関与する筋肩複合体の運動に関与する筋 P28 (2) 下制 3 行目 鎖骨下神経 鎖骨下筋神経 P28 下から 1 行目長筋神経長胸神経 P29 図 17 ( 誤 ) 2

保発第 号

かかわらず 軟骨組織や関節包が烏口突起と鎖骨の間に存在したものを烏口鎖骨関節と定義する それらの出現頻度は0.04~30.0% とされ 研究手法によりその頻度には相違がみられる しかしながら 我々は骨の肥厚や軟骨組織が存在しないにも関わらず 烏口突起と鎖骨の間に烏口鎖骨靭帯と筋膜で囲まれた小さな空隙

3. 肘関節 屈曲 : 基本軸は上腕骨 移動軸は橈骨 前腕が肩に近づく動き 伸展 : 基本軸は上腕骨 移動軸は橈骨 前腕が肩から遠ざかる動き 前腕は回外位で検査 肘関節伸展位 前腕回外位で前腕が橈側に偏位する ( 生理的外反肘 肘角 ) 他覚所見として外反( 内反 ) ストレス時疼痛 屈曲 ( 伸展

運動器検診マニュアル(表紙~本文)

第3回 筋系

足関節

膝蓋大腿関節 (PFJ) と大腿脛骨関節 (FTJ) Femur Tibia Patella

選考会実施種目 強化指定標準記録 ( 女子 / 肢体不自由 視覚障がい ) 選考会実施種目 ( 選考会参加標準記録あり ) トラック 100m 200m 400m 800m 1500m T T T T33/34 24

神経叢 ) と ( 鎖骨下動脈 ) が通過する 4 鎖骨下動脈 subclavian artery は 右は( 腕頭動脈 ) から起こり 左は ( 大動脈弓 ) から起こる 5 甲状頸動脈の枝として 不適切なものを選べ 肩甲背動脈 肩甲上動脈 下甲状腺動脈 上行頸動脈 頸横動脈 6 鎖骨下動脈の枝を

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退院 在宅医療支援室主催小児医療ケア実技研修会 看護師のための 緊張が強いこどものポジショニング 神奈川県立こども医療センター 発達支援部理学療法科 脇口恭生 1

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イ業務量が 1 か月の平均又は 1 日の平均では通常の日常の範囲内であつても 1 日の業務量が一定せず 例えば次の ( ア ) 又は ( イ ) に該当するような状態が発症直前に 3 か月程度継続しているような場合をいうものであること ( ア ) 通常の 1 日の業務量のおおむね 20% 以上業務量

足部について

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スライド 1

整形外科プライマリケアの対象 * 痛みプライマリケアの痛みを知れば誤診が防げる * しびれ * 小児整形外科 * 骨粗鬆症 * 外傷 など手術を必要としない疾患で整形外科の患者の 90% 以上を扱う

氏名 ( 本籍 ) 中 川 達雄 ( 大阪府 ) 学位の種類 博士 ( 人間科学 ) 学位記番号 博甲第 54 号 学位授与年月日 平成 30 年 3 月 21 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 学位論文題目 股関節マイクロ牽引が腰下肢部柔軟性に及ぼす影響 - 身体機能および腰痛

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2015 年度手術のうちわけ ( 実績 ) セキツイ脊椎 ナンブソシキ軟部組織 椎間板摘出術 35 アキレス腱断裂手術 40 内視鏡下椎間板摘出 4 腱鞘切開術 ( 関節鏡下によるものを含む ) 0 シュコンカン 脊椎固定術 椎弓切除術 椎弓形成術 ( 多椎間又は多椎弓の場合を含む )( 椎弓形成

背屈遊動 / 部分遊動 装具の良好な適合性 底屈制動 重心移動を容易にするには継手を用いる ただし痙性による可動域に抵抗が無い場合 装具の適合性は筋緊張の抑制に効果がある 出来るだけ正常歩行に近付けるため 痙性が軽度な場合に用いる 重度の痙性では内反を矯正しきれないので不安定感 ( 外 ) や足部外

問題 5 55 歳の女性.5 年前に右肩関節周囲炎の既往がある. 約 1か月前に階段を踏みはずし右肩を強打した. 以来, 運動痛, 夜間痛が持続している. 肩関節は他動的に挙上可能であるが, 自動的には外側挙上は45 度までにとどまる 最も考えられる疾患名はどれか. 1. 五十肩 2. 上腕骨骨頭骨

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骨・関節を“診る”サブノート

椎間板の一部が突出した状態が椎間板ヘルニアです 腰痛やあしに痛みがあります あしのしびれやまひがある場合 要注意です 対応 : 激しい運動を控えましょう 痛みが持続するようであれば 整形外科専門医を受診して 検査を受けましょう * 終板障害 成長期では ヘルニアとともに骨の一部も突出し ヘルニア同様

葛原 / 日本保健医療行動科学会雑誌 28(2), 焦点 3 筋の不均衡を改善するためのパートナーストレッチング 葛原憲治愛知東邦大学人間学部人間健康学科 Stretching with a Partner to Improve Muscle Imbalance Kenj

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原著論文 肩関節屈曲による交互滑車運動器使用時における肩甲骨の動きからみた肩甲上腕リズムの検討 寒川貴雄 (RPT) 1) 成末友祐 (RPT) 2) 新枝誠人 (RPT) 1) 原田貴志 (RPT) 1) 澤近知代 (RPT) 3) Key Word 交互滑車運動器 肩関節屈曲 肩甲骨の動き 肩甲

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Key words: 肩腱板損傷 / 肩関節周囲炎 / リハビリテーション / 疼痛誘発テスト / 超音波検査要旨Jpn J Rehabil Med 2017;54: 特集 運動器リハビリテーションに必須の評価法と活用法 û 肩関節痛のリハビリテーションに必須な評価法と活用法 The

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46 図L 受傷時の肩関節の外観 肩甲上腕関節部に陥凹がみられる 矢印 a b C 図2 受傷時の単純X線像 a 正面像 肩甲上腕関節裂隙の開大 vacant glenoid sign 上腕骨頭の内旋 light bulb 肩甲骨 前縁と上腕骨頭距離の開大 rim sign がみられた b 軸写像

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10035 I-O1-6 一般 1 体外衝撃波 2 月 8 日 ( 金 ) 09:00 ~ 09:49 第 2 会場 I-M1-7 主題 1 基礎 (fresh cadaver を用いた肘関節の教育と研究 ) 2 月 8 日 ( 金 ) 9:00 ~ 10:12 第 1 会場 10037

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0. はじめに 当院でこれまで行ってきたメディカルチェックでは 野球選手のケガに対するアンケート調査も行 ってきました (P.4 表 1 参照 ) アンケート調査で 肘 ( ひじ ) の痛みを訴えていた選手は 高校生で 86.7% 小学生で 41.1% でした また 小学生に対しては 超音波 ( エ

CONTENTS はじめに 3 必修問題 7 第 14 回 8 第 15 回 13 第 16 回 19 第 17 回 25 第 18 回 31 第 19 回 37 第 20 回 43 第 21 回 49 第 22 回 56 第 23 回 63 解剖学 71 第 13 回 72 第 14 回 79 第

GM アフ タ クター & アタ クター どの年代でも目的に合わせたトレーニングができる機器です 油圧式で負荷を安全に調節できます 中殿筋と内転筋を正確に鍛えることで 骨盤が安定し 立位や歩行時のバランス筋力を向上させます 強化される動き 骨盤 膝の安定性 トリフ ル エクステンサー ニー エクステ

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syndrome と呼んだ 4) 典型的な神経所見から診断が比較的容易な症例もあるが 軽症例から重症例まで神経所見は多彩であり 臨床症状からだけでは診断に苦慮する症例も少なくない 3) 親指から薬指半分までの手のひらのシビレや痛みで特に夜間や手を使用した後に悪化する しびれは手を振ると改善するようで

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目 次 第 1 章肩の解剖学 1 第 1 節総論... 1 第 2 節肩の骨格... 2 第 3 節肩に関連する筋の解剖学 第 1 項肩甲骨 鎖骨に関連する筋 第 2 項肩関節に関連する筋 第 3 項肘関節に関連する筋 第 4 項体幹に関連する筋...

退院患者数 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 合計 24 年度 年度

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Transcription:

檜山 潤 きんべこ B.J.I 平成 15 年 11 月号 ~ 平成 16 年 4 月号掲載

学術部檜山潤日ごろ 私たちの柔整業務で 診断 はとても重要です 特集 4では 6 回シリーズで全身の代表的な検査法を掲載していきますので 復習の意味でも参照して下さい アドソンテスト (Adson test) 頭部 ( 頸椎 ) を後屈して回旋させると 前斜角 筋は引き伸ばされて第 1 肋骨と前 中斜角筋で作 る斜角筋三角が狭くなり その中を通る鎖骨下動 脈や腕神経叢が圧迫される この状態で深吸息を 行うと 胸郭は上昇して肋鎖間隙も狭くなるため に神経 血管はさらに圧迫される 頸の過伸展 深吸気 時の橈骨動脈の拍動の 減弱または消失があれ ば陽性 また 同時に ら頸の患側 健側への 回旋伸展位でも同様に検査する ライトテスト (Wright test) 上肢を過外転していくと鎖骨は後方へ回転し 肩 甲帯は後方に引かれて第 1 肋骨と鎖骨の間隙及び 烏口突起下で小胸筋と胸壁の間が狭くなり 腕神経 叢や鎖骨下動脈が圧迫され易くなる 両側を比較 評価する 両上肢を受動的に肘を直角に屈曲位 肩関節 90 度 外転 90 度外旋位にさせた場合 橈骨動脈の拍動が 消失するものを陽性 とする 上肢帯の動的筋労 作では小胸筋等の筋 の策状緊張により 過外転症候は陽性 になることが多い モーリーテスト (Morly test) 胸鎖乳突筋鎖骨頭の外縁から1 横指半または 2 横指分 外方にある前斜角筋を鎖骨上縁部を圧迫して 局所の疼痛と放散痛の有無を調べる 健常者は不快感程度であるが 胸郭出口症候群の斜角筋群が緊張状態にある場合は圧痛 放散痛を訴える 頭部前傾姿勢での静的筋労作では 頭 頸板状筋 僧帽筋 のほかに 斜角筋の過緊張 が認められる アレンテスト (Allen test) 肩関節 90 度外転 外旋 肘関節 90 度屈曲位で頸を健側に回旋させると 橈骨動脈の拍動が消失または減弱する場合を陽性とする スパーリングテスト (Spurling test) 頸を側屈し下方に圧力を加えると 側屈した側 の椎間孔の閉鎖が起こる 局所痛は椎間孔の障害 を 放散痛は神経根に圧迫があることを示唆す る 頸部を側屈させ頭頂 部から圧迫する 障害 がなければ疼痛は誘発 されないが 頸椎部に 神経根障害が存在すれば 患側上肢に疼痛 シビ レ感が放散する 圧迫 する時は愛護的に行うことが大切である ジャクソンテスト (Jackson test) スパーリングテストと目的は同じであるが 安静時に疼痛を訴えている場合 麻痺のある場合は 検査手技によって症状増悪することがあるので慎重に行うことが重要である 頸部を側屈 前屈または後屈させて頭頂部に圧迫を加える 神経根障害が存在する時は 上肢に放散痛が誘発されたり 疼痛が増強する 参考文献 : 菅原勇勝著 : ストレイン カルテマニュア

学術部檜山潤 日ごろ 私たちの柔整業務で 診断 はとても重要です 特集 4 では 6 回シリーズで全身の代表的な検査法を掲載していきますので 復習の意味でも参照して下さい 神経伸長テスト 1(SLR:Straight Leg Raising test) このテストは主に 坐骨神経と L5,S1,S2 レベルの神経根を伸展させ 股関節屈曲 70 ~90 の間で神経は完全に伸展するので 以下の評価ができる テスト前に 膝曲がり徴候 の有無を診る 足首を持ち矢状面上にゆっくりと下肢を挙上し 膝を曲げるか調べる 坐骨神経根症がある患者の場合は 膝曲がり徴候 ( 牽引の痛みで膝を曲げる ) を示すので 次のテストは愛護的に行うことが重要である 膝曲がり徴候 背臥位で 検者は一手で踵部を 他手を膝蓋骨上に置き膝関節伸展位を保 持し 矢状面にゆっくり挙上して 以下を評価する 正常者は 70 ~90 まで疼痛を伴わず挙上可能である 腰椎椎間関節の痛み 椎間板病変 1)70 以上で痛みが誘発されれば 腰椎椎間関節の痛み を疑う 2)35 ~70 で椎間板上で坐骨神経根が緊張するので この角度から放散痛が始まれば 椎間板病変による坐骨神経根の刺激を疑う 3) 股関節屈曲 0 ~35 では硬膜の動きがないので 坐骨神経は伸展されず弛緩しているので この角度内で痛みが誘発されれば硬膜外の病変が疑われる 例えば 梨状筋の痙縮あるいは仙腸関節の病変である また大腿後面に鈍痛があればハムストリングスの過緊張を示唆している 4) 椎間板病変 ( 椎間板ヘルニア ) の疑いがあれば 次の神経伸長テスト -2 及び ラセーグテスト を実施し評価する 硬膜外障害 神経伸長テスト 2(WLR:Well Leg raising test) ラセーグテスト (Lasegue s test) 健側肢 患側肢 SLR テストが陽性の場合 その反対側の 健側下肢に SLR テスト を行って 患側下肢に誘発痛が認められるときは 腰椎椎間板ヘルニアの存在の可能性は極めて高い 通常は 神経伸長テスト-1 2 の陽性所見で 医療機関への精査 診療を依頼すべきであるが 次の ラセーグテスト を行う場合もある 背臥位で 検者は下腿を両手で把持する 1) 膝を屈曲させ 同時に股関節を屈曲させる 2) 次に股関節を屈曲した位置で保持し 膝を伸展させて 以下の誘発痛を評価する 1) の操作で痛みが誘発されず 2) の操作で痛みがあれば 坐骨神経根症の疑いがある 参考文献 : 菅原勇勝著 : ストレイン カルテマニュアル

学術部檜山潤 日ごろ 私たちの柔整業務で 診断 はとても重要です 特集 4 では 6 回シリーズで全身の代表的な検査法を掲載していきますので 復習の意味でも参照して下さい 棘上筋腱炎テスト 坐位で 検者がかける抵抗に抗して上腕を外転させる 抵抗に抗して上腕を外転させると 棘上筋腱にストレスがかかるので 棘上筋腱の付着部上の痛みは棘上筋腱の変性性腱炎を示唆する ドロップアームテスト (Drop Arm test sign ) 坐位で 検者は患側手関節部を把持し 腕を 90 外転させその肢位から 手を離すと その肢位を保持できず落下する どの腱板が損傷されているかは 肩関節のテスト肢位で確認できる 腱板は 棘上筋 棘下筋 小円筋 肩甲下筋 で構成され 肩関節外転位では棘上筋をやや内旋位では棘下筋 強い内旋位で小円筋の損傷を確認する事ができる ただし 肩峰下滑液包炎や麻痺性の肩障害の際にも出現する事を念頭に置いて評価しなければならない アプレー スクラッチテスト (Apley Scratch test) 坐位で a: 患側の手指を後頭部に回して 反対側の肩甲骨上角を触れるように指示する 次にb: その手指を背部に回して 反対側の肩甲骨下角を触れるよう指示する 痛みが増強するようであれば 腱板 ( 通例では棘上筋腱 ) の変性性腱炎を示唆する

ドーバーンテスト (Dawbarn test) 坐位で上肢を下垂させ 検者は一手で前腕下端部を把持 他手で肩峰前部直下を指頭で圧迫し圧痛 放散痛の有無を調べる 次に指頭で圧迫したままで 腕を 90 以上に外転させる 外転させると 肩峰直下の部分は三角筋で覆われるので痛みは減少する 外転で痛みが減少するようなら 肩峰下滑液包炎が示唆される ペインフルアークサイン (Painful Arc sign) 坐位で検者の一手を肩峰前縁部に当て 他手で手関節部を把持し 外転させていき 外転 60~120 の間で疼痛が出現し それ以外の領域で疼痛を全く感じない徴候を 有痛弧 (painful arc) という その際 肩峰前縁部で音が聴取 ( 触指伝音 ) する事ができる (crepitus) 肩峰下滑液包炎か肩腱板損傷かの鑑別に有効である ヤーガソンテスト (Yergason test) 坐位で 肘関節を 90 屈曲させて 検者は一手で肘を保定する 次に他手で手を把持し前腕を回内させてから 抵抗に抗して前腕を回外させる 肘関節を 90 屈曲位で前腕の回外運動に対する抵抗によって 上腕二頭筋に強い収縮が起こる この収縮によって腱炎や腱鞘炎 または腱の不安定性があれば疼痛が誘発及び増強する

学術部 檜山 潤 日ごろ 私たちの柔整業務で 診断 はとても重要です 特集 4では 6 回シリーズで全身の代表的な検査法を掲載していきますので 復習の意味でも参照して下さい 肘の内 外側上顆の疼痛いわゆる テニス肘 ゴルフ肘 といわれるものは ストレイン 1 度の発生機序を誘因とする コーゼンテスト (Cozen s test) ゴルフエルボーテスト (Golfer Elbow test) 坐位で 検者は一手で肘を保定する 患者に指を握らせ拳をつくらせ背屈させる 次に検者は背屈した拳に他手の掌部を当て掌屈させるように力を加え その抵抗に抗して患者はさらに背屈する 手部を背屈させる総伸筋群 ( 総指伸筋 小指伸筋 尺側手根伸筋 ) に炎症があると 背屈した手関節を屈曲させる事によって 外側上顆と付着している腱群が刺激され痛みが発生する 痛みが誘発されれば外側上顆炎 ( テニス肘 ) が疑われる 坐位で 肘を屈曲させて前腕を回外させる 検者は一手で上腕下端部を固定して 他手で手背部を保定し 患者に抵抗に抗して肘を伸展するように指示する 内側上顆の痛みは内側上顆炎 ( ゴルフ肘 ) を示唆する 肘靭帯不安定性テスト 1. 内転ストレステスト : 外側に不安定性 痛みがあれば外側側副靭帯の損傷 障害を示唆 2. 外転ストレステスト : 内側に不安定性 痛みがあれば内側側副靭帯の損傷 障害を示唆 ファレンテスト (Phalen test) フィンケルスタインテスト (Finkelstein test) 両手関節を最大屈曲 ( 掌屈 ) させて 両手背部を合わせ押し付けて 1 分間維持させて シビレが誘発されるか増悪するかを評価する 両手首を掌屈すると 手根横靭帯が正中神経を圧迫するので 小指を除く指の正中神経枝のどこかにシビレ様の痛みが出現したら手根管症候群が示唆される 正常であれば 1 分間以内にシビレ感は発症しない 検者は 患者の母指を手掌側に内転させて手指を把持し 手関節を尺屈させて橈骨茎状突起部に疼痛が発現するかをみる また 患者に母指を中に入れて握らせ拳を作らせて 尺屈するよう指示する 橈骨茎状突起より遠位の痛みは 長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の損傷を示唆する ( 狭窄性腱鞘炎 ) 参考文献 : 菅原勇勝著 : ストレイン カルテマニュアル

学術部檜山潤日ごろ 私たちの柔整業務で 診断 はとても重要です 特集 4では 6 回シリーズで全身の代表的な検査法を掲載していきますので復習の意味でも参照して下さい 今回は膝 下腿 足部の検膝 下腿 足部の検査 膝関節損傷時 伸展または屈曲不可能の場合 無理に検査肢位を強要させず愛護的検査法から行う事である ボンスホームテスト (Bounce Home test) 膝関節の屈曲が疼痛のため困難な場合 背臥位で 可能な限り膝を屈曲させ 検者は患者の踵を把持し 緩徐に膝を伸展させる 膝を完全に伸展できなかった場合 また ほぼ完全に伸展できそうな時に 弾力性の抵抗感が触知されたら 膝半月の損傷が疑われる 数日の加療で疼痛も緩解し始めるので 他の検査等による評価を必ず実施する事である 検査 評価をせずに 受傷後 3 日以上の加療 は 患者の利益にはならない マックマレーテスト (Mc Murray test) 膝関節の屈曲 伸展が疼痛軽微で可能な場合 背臥位で 可能な限り膝を屈曲させる 検者は一手の母指と 4 指を膝関節内 外側の関節裂隙に当て 他手で足部を把持し 下腿を内 外旋を加えて膝関節を伸展していき クリックや疼痛の有無をみる 膝半月の後方断裂の診断に有用といわれる 最大屈曲より 90 の間でクリックや疼痛が出現した場合は 外 内側半月後部損傷 90 ~0 間で 外 内側半月中節部損傷 が疑われる アプレーテスト (Apley test) 膝半月と側副靭帯損傷合併の有無の鑑別 腹臥位で 検者は膝を 90 屈曲させ 大腿後部を膝で固定する 1: 検者は患者の足部を把持し下方へ押圧し 足部を内旋 外旋させて疼痛の出現をみる * 内旋の際の痛みは内側半月 外旋の際の痛みは外側半月の損傷を示唆する 2: 上記と同様の肢位で 検者は上方に牽引して内 外旋を行い疼痛の有無を調べる * 内側に疼痛があれば内側側副靭帯 外側にあれば外側側副靭帯の損傷 ( 断裂 不安定性 ) が示唆される 半月板消去テスト (Retreating Meniscus test) 上述のテストで 半月損傷が疑われた場合 本テストで再確認する 背臥位で 股関節と膝関節を 90 屈曲させる 検者は内 外側側副靭帯の前方の関節間隙に母指と示指を当て半月の消去を触診する様 指尖に神経を集中させる 他手で足部を把持し下腿を内旋 外旋しながら半月板が残存しているか または消失するかをみる 回旋させた時に 半月板が消失しない場合は半月の断裂が疑われる これは断裂した半月が脛骨の回旋に伴って動いていないためである 参考文献 : 菅原勇勝著 : ストレイン カルテマニュアル

学術部檜山潤今回は先月に引き続き 膝 下腿 足部の検査です なお このシリーズは今回で終了となります 膝 下腿 足部の検査 膝関節損傷時 伸展または屈曲不可能の場合 無理に検査肢位を強要させず愛護的検査法から行う事である 前十字靭帯の断裂 ラックマンテスト (Lachman test) 膝関節屈曲困難な場合 前十字靭帯損傷の有無の鑑別 正常 後十字靭帯の断裂 正常 靭帯の断裂 靭帯の断裂 背臥位で 検者は一手で患側の大腿遠位端部を保持し 他手で下腿近位端部を把持する 膝関節を軽度屈曲 (10~30 ) 位させてから 下腿を後方より前方へ引き出すように引く 下腿を前方に引いた時 エンドポイント ( endpoint: グッと止まる感じ ) の抵抗感がなければ 前十字靭帯の損傷が示唆される 引き出し徴候 (Drawer sign) 膝関節が 90 屈曲可能な場合 前 後十字靭帯損傷の鑑別に用いる 背臥位で膝関節を 90 屈曲させ足底をベッドにつけさせて 検者はその前足部を膝か 臀部で固定する 検者は両手で下腿近位端部を把持し 前後方向に 引いたり 押したり して動揺性をみる * 下腿を引いた時 前方に異常可動性 ( エンドポイント無 ) のある場合は 前方引き出し陽性といい 前十字靭帯断裂を示唆する * 下腿を押した時 後方に異常可動性 ( エンドポイント無 ) のある場合は 後方引き出し陽性といい 後十字靭帯断裂を示唆する 外転ストレステスト ( Abduction Stress test) 鵞足筋の疲憊性弱化 ( ストレイン ) の有無を調べるのに有用 1 2 背臥位にさせる 1 検者は 膝伸転位させ一手で大腿外側を保定し 下腿を外側に引っ張るように牽引する この際 脛骨が大腿骨からずれ動いたり 膝関節内側に痛みが出現した場合 第 1 に 内側側副靭帯の損傷 次に 半膜様筋腱複合体 ( 鵞足筋腱 ) その他前 後十字靭帯の変性弱化による不安定性が示唆される 2 膝関節を 20~30 屈曲させて 1 と同様の操作を行い陽性反応が生じた場合には 内側側副靭帯の変性弱化による不安定性 と 鵞足筋腱の疲憊性弱化による不安定性 を証明する

膝蓋骨テスト (Patella test) 背臥位で 手掌や母指頭で膝蓋骨を下方へ圧迫または内 外側へ動かして 痛みや膝蓋骨の跳動をみる 膝関節に痛みがあれば膝蓋軟骨軟化症あるいは膝蓋大腿関節の関節炎 膝蓋骨の跳動がみられれば 関節液 ( 浸出液 ) の貯留などが示唆される 浸出液が多量の場合 ストロークテスト ( Stroke test) により 膝蓋骨の下内側縁に集まり この部が膨れあがる トンプソンテスト (Thompson test) 腹臥位にさせベッドより足部を出す 検者は腓腹筋の中央部を下腿骨に向かって把持すると 腓腹筋とヒラメ筋は機械的に収縮する 正常であれば足関節の屈曲 ( 底屈 ) が生じるが アキレス腱の完全断裂があると足関節は屈曲しない 足関節の靭帯 前脛腓靭帯 前距腓靭帯 後脛腓靭帯 後踵腓靭帯 1. 外側不安定性テスト背臥位で 検者は一手で足関節を内側後方より保持し 他手で中足部を外側から把持し 内返し をさせる 健側に比較して緩みがあれば 前距腓靭帯もしくは踵腓靭帯の弱化または断裂を疑う 外側距踵靭帯 踵腓靭帯 2. 内側不安定テスト背臥位で 検者は一手で足関節を内側後方から保持し 他手で中足部を前外方より把持し 外返し をさせる 健側に比較して緩みがあれば 三角靭帯の弱化または断裂を疑う 三角靭帯 上から後脛腓靭帯脛踵靭帯前脛腓靭帯脛舟靭帯 底側踵舟靭帯 後踵腓靭帯 3. 引き出し徴候背臥位にさせる 1 一手で後方より踵部を保持し 他手は下腿下部前面を把持して上から押し下げる 押し下げた際 緩みがあれば前距腓靭帯の弱化または断裂が示唆される 2 一手で足関節前面部を保持し 他手で下腿下部後面を把持して下から引き上げる 引き上げる際 緩みがあれば後距腓靭帯の弱化または断裂が示唆される 前腓靭帯 参考文献 : 菅原勇勝著 : ストレイン カルテマニュアル