塩分 大岡分水路 表層 底層 図 1-2 塩分の水平分布 ( 左図 : 表層 右図 : 底層 ) 調査の結果 表層の塩分は 東京湾西岸で低く 東岸に向かうにしたがって高くなる傾向が確認されました 特に 隅田川や荒川 鶴見川, 大岡分水路の河口付近では 塩分が低くなっており これは調査日の3 日前に降

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3-3 現地調査 ( カレイ類稚魚生息状況調査 ) 既存文献とヒアリング調査の結果 漁獲の対象となる成魚期の生息環境 移動 回遊形態 食性などの生活史に関する知見については多くの情報を得ることができた しかしながら 東京湾では卵期 浮遊期 極沿岸生活期ならびに沿岸生活期の知見が不足しており これらの

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群馬県衛生環境研究所年報第45号p.43~47資料(高坂ら)

別紙 2 平成 28 年度水環境の状況について 県は 水質汚濁防止法に基づいて 国土交通省 同法の政令市である横浜市 川崎市 相模原市 横須賀市 平塚市 藤沢市 小田原市 茅ヶ崎市 厚木市及び大和市と共同して 公共用水域及び地下水の水質の測定を行いました 1 測定結果の概要 (1) 公共用水域測定結

2 章アオコ発生への対応 アオコ発生への対応としては 日常的にもアオコ発生に影響する環境条件を把握するとともに アオコの発生警戒時 発生時 発生後の各段階に応じて適切な対応を行う必要があります この章では アオコ発生への対応として 必要な調査や確認の方法に関する情報について紹介します 2.1 アオコ

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1-3.概要

Ⅰ 目的この要領は 公共用水域の水質測定結果を報告する上で必要な数値の取扱い 水質測定結果報告書である 北海道公共用水域水質測定結果入力票 ( 平成 28 年度 ) ( 以下 入力票 という ) への記載方法等に関し定めたものである Ⅱ 数値の取扱い等について 1 報告下限値等 (1) 報告下限値に

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本プログラムでは, 植物プランクトンの増殖を COD で表 すこととし, 以下の式 6) により計算した A-COD: 植物プランクトン態 COD( mg /L),A-CODIn: 流入水の植物プランクトン態 COD( mg /L),μ: 比増殖速 度 (1/day),kd: 死滅速度 (1/day

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環境モニタリング結果について 資料 1 環境モニタリング調査地点図 ( 浸出水 浸出水処理施設放流水 センター内地下水 発生ガス 悪臭 ) ( 放流先河川 周辺地下水 ) Ⅰ Ⅱ 浸出水 放流水 1 浸出水 2 浸出水処理施設放流水 センター内地下水 1 観測井 1 号 2 観測井 2 号 3 観測

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北清掃工場 平成 28 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 主灰 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰処理汚泥 ( 含有 溶出試験 ) 6 (3) 汚水処理汚泥 ( 含有試験 ) 7 4

渋谷清掃工場 平成 28 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 不燃物 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰 ( 含有試験 ) 6 4 周辺大気環境調査結果 7 5 試料採取日一覧 8 (

平成 29 年度大学院博士前期課程入学試験問題 生物工学 I 基礎生物化学 生物化学工学から 1 科目選択ただし 内部受験生は生物化学工学を必ず選択すること 解答には 問題ごとに1 枚の解答用紙を使用しなさい 余った解答用紙にも受験番号を記載しなさい 試験終了時に回収します 受験番号

ンゴ類及びその他底生生物 ) の生息状況を観察した ジグザグに設置したトランセクト ( 交差することのないよう, かつ, 隣り合う調査線の視野末端が重複するように配置された調査線 ) に沿って ROV を航走させ トランセクト上に宝石サンゴがあった場合は 位置 種 サイズ等を記録した 同時に海底の操

ダム貯水池水質調査要領

○③本文(公共用水域及び地下水)(H31案)

Transcription:

別紙 3 平成 3 年度東京湾環境一斉調査の調査結果図等 9 月 7 日までに事務局へ提出されたデータのみを使用して作成しています 追加データ及び今後のデ ータの精査を経て修正する可能性がありますので ご留意ください 1. 海域における調査結果平成 3 年 9 月 7 日までに事務局へ提出されたデータのうち データ数の多い平成 3 年 8 月 1 日の調査結果について 表層 ( 海面下 1m) 底層( 海底上 1m) に分け 水温 塩分及び溶存酸素 (DO) の水平分布図を作成しました 水温 表層 底層 図 1-1 水温の水平分布 ( 左図 : 表層 右図 : 底層 ) 調査の結果 表層の水温は東京湾奥で水温が高く 東京湾口に向かうにしたがって水温は低くなっていました 底層の水温は 東京湾奥で水温が高く 東京湾中央から湾口にかけて水深の深い海域で水温が低くなる傾向が確認されました ( 参考 ) 東京湾の海底地形平面図 第三管区海上保安本部 HP http: //www1.kaiho.mlit.go.jp /KAN3/sodan/news/ 26/ 181tokyo-kaitei.htm 1

塩分 大岡分水路 表層 底層 図 1-2 塩分の水平分布 ( 左図 : 表層 右図 : 底層 ) 調査の結果 表層の塩分は 東京湾西岸で低く 東岸に向かうにしたがって高くなる傾向が確認されました 特に 隅田川や荒川 鶴見川, 大岡分水路の河口付近では 塩分が低くなっており これは調査日の3 日前に降った雨の影響によるものと考えられます 底層の塩分は 水深の深くなる海域で高く 河川水が流入する沿岸域で低くなっていました 2

溶存酸素量 (DO) お台場 表層 底層 図 1-3 溶存酸素量 (DO) の水平分布 ( 左図 : 表層 右図 : 底層 ) 調査の結果 表層の溶存酸素量 (DO) は全体的に 6.mg /L 程度を超えており, 特に花見 川と養老川の河口付近の海域及びお台場付近の海域で高い値が確認されました 底層の溶存酸素量 (DO) は 東京湾奥部において およそ 3.mg/L を下回る低い値が広 域にわたり検出され 特に西岸部で低い値となっていました ただし 荒川 江戸川及び 花見川の河口付近においては 溶存酸素量 (DO) の低い値は確認されませんでした 3

2. 陸域における調査結果平成 3 年 9 月 7 日までに事務局へ提出されたデータのうち データ数の多い平成 3 年 8 月 1 日の調査結果について 化学的酸素要求量 (COD) の分布図を作成しました 下記の図に使用したデータは 下水処理場の放流水などの排水を含みます 凡例 : 環境水 ( 河川水など ) : 排水 ( 下水処理場の放流水など ) 図 2 東京湾流域の化学的酸素要求量 (COD) 分布 ( 表層 ) 調査の結果 海域において化学的酸素要求量 (COD) は 全体的に東京湾口よりも東京湾奥で高い値を示しました また 湾奥部において局所的に周囲に比べて値の高い海域がありました 陸域においては 多摩川及び鶴見川流域では 江戸川及び荒川流域と比較して 低い値となっていました また 下水処理場の放流水などの排水 ( 図 2の ) と環境水 ( 河川水など )( 図 2の〇 ) の値を比較すると 全体的に排水の方が高い傾向にありました 4

3. 気象 海象状況 風速 (m/s) 平均気温 ( ) 降水量 (mm/da y) 日照時間 (h) 潮位 (cm) 東京湾周辺の気象 海象データについて アメダス ( 羽田 日照時間のみ東京 千葉 横浜 ) の観測データ ( 平均気温 降水量 日照時間 風速 ) 及び潮位 ( 東京 ) のデータ からグラフを作成しました 東京湾環境一斉調査当日は 3 地点とも平均気温は 3 で 日照時間は 12 時間以上で 降雨はなかったものの 3 日前にはまとまった雨量が観測されました また当日は南風が 吹いていました 35 32 29 26 23 2 7/1 8 7/2 7/22 7/2 4 7/2 6 7/28 7/3 8/1 8/3 8/5 8/7 8/9 8/1 1 8/1 3 8/1 5 6 5 羽田 千葉 横浜 4 3 2 1 16 14 12 1 8 6 4 2 2 N 15 羽田 1 5-5 -1-15 -2 風速 風向 風速 7/18 7/2 7/22 7/24 7/26 7/28 7/3 8/1 8/3 8/5 8/7 8/9 8/1 1 8/13 8/15 36 3 24 18 12 羽田千葉横浜 7/18 7/2 7/2 2 7/2 4 7/2 6 7/28 7/3 8/1 8/3 8/5 8/7 8/9 8/1 1 8/13 8/1 5 7/18 7/2 7/2 2 7/2 4 7/2 6 7/28 7/3 8/1 8/3 8/5 8/7 8/9 8/1 1 8/1 3 8/1 5 欠測 東京千葉横浜 6 : 満月 : 新月 7/18 7/2 7/2 7/24 7/26 7/28 7/3 8/1 8/3 8/5 8/7 8/9 8/11 8/13 8/15 東京 図 3 調査日前後の気象 海象状況 ( : 東京湾環境一斉調査実施日 ) 5

4. 用語解説 表水質指標について 項目 単位 説明 環境との関連 水中に溶けている酸素量のこと 水中に溶ける酸素量は 水温 塩分 貧酸素状態が続くと 好気性微生物 ( 酸素を必要とする生物 ) にかわって嫌気性微生物 ( 酸 溶存酸素量圧力によって決まります 素を必要としない生物 ) が増殖するようにな mg/l (DO) ります 嫌気性微生物の活動により 有機物 の腐敗 ( 還元 嫌気的分解 ) が起こり メタ ンやアンモニア 有害な硫化水素が発生し 底層溶存酸素量 mg/l 海底から1m 以内の底層で測定された溶存酸素量のことです ( 底層 DO) 塩分 psu 海水 1kg 中に溶解している塩化ナトリウムなどを主とした固形物質の全量に相当します ( 絶対塩分 ) 海水には非常に多くの物質が溶け込んでおり 絶対塩分を直接測定することは困難なので 精度良く測定できる海水の電気伝導度から換算式を用いて仮想の塩分 ( 実用塩分 ) を求める方法が一般的です 単位は実用塩分 水中の有機物を酸化剤で化学的に酸 化学的酸素 化する際に消費される酸化剤の量を 要求量 mg/l 酸素量に換算したもので 水中の有 (COD) 機物の分解に必要な酸素の量を表し ます 全窒素 全リンは 湖沼や内湾など 全窒素 mg/l の閉鎖性水域の富栄養化の指標とし (T-N) て用いられています 水中では 窒 素 リンは 硝酸 リン酸イオンな どの無機イオンや含窒素 含リン有 全リン機物として存在しており ここで示 mg/l (T-P) す 全窒素 全リン は 試料水中に 含まれる窒素 リンの総量を測定し た結果です 全ての藻類に含まれる光合成色素でクロロフィル-a μg/l あることから 水中の植物プランクトン量の指標として用いられます 悪臭の原因となります また 生物生息環境の多様性が低下し 魚類を含めた底生生物は生息できなくなります 海面を通じての降水量と蒸発量の差や 河川水等による淡水流入の影響で変化します 低塩分の海水は 密度が小さく相対的に軽いため 表層に低塩分水が分布すると 底層と表層の海水が混ざりにくくなります こうなると底層の水へ酸素が供給されにくくなることから底層の貧酸素化に影響します 湖沼 海域などの停滞性水域や藻類の繁殖する水域の有機汚濁の指標に用いられます COD が高い状態が続くと 生物生息環境の多様性が低下し 魚類を含めた底生生物は生息できなくなります 窒素やリンは 植物の生育に不可欠なものですが 過剰な窒素やリンが内湾や湖に流入すると富栄養化が進み 植物プランクトンの異常増殖を引き起こすことがあります そのため 湖沼におけるアオコや淡水赤潮の発生 内湾における赤潮発生の直接の原因となります 6

水質汚濁現象について 赤潮( 水質指標キーワード : クロロフィル-a ph) 水中に生存している植物プランクトン等が異常に増殖し 水の色が著しく変わる現象です 水の色は原因となるプランクトンの種によって異なり 赤褐色 茶褐色などの色を呈します 赤潮が発生する背景としては 窒素やリンの流入負荷量増加に伴う水域の富栄養化が原因のひとつと指摘されています 大量に発生した赤潮生物は死滅後 微生物によって分解される過程で大量の酸素を消費するため 貧酸素水塊の形成要因のひとつとされています この他にも 毒性を持つプランクトンによる赤潮は その水域の生物に直接的に被害を与えることがあります 写真 : 千葉港内 ( 平成 15 年 8 月 11 日 ) 写真 : 隅田川河口部 ( 平成 22 年 7 月 5 日 ) 青潮( 水質指標キーワード :DO 底層 DO) 富栄養化や有機物による水質汚濁の進んだ内海の底層では 大量発生したプランクトンの死骸が微生物に分解される過程で酸素が消費され 貧酸素水塊が形成されます 貧酸素水塊中では 底質中の硫黄化合物の還元が促進され 次第に水中への硫化水素の蓄積が進みます このような水塊が風などによって表層まで湧き上がると 含まれていた硫化水素が酸素と反応して硫黄のコロイドを大量に生成します コロイドは 太陽光を反射して海水を乳青色や乳白色に変色させます 青潮も赤潮と同様に水生生物の大量死を引き起こすなど 生物に被害を与えます 東京湾ではアサリの大量死が起こることもあります 写真 : 羽田沖 ( 平成 16 年 8 月 18 日 ) 写真 : 千葉港 ( 平成 23 年 8 月 3 日 ) 貧酸素水塊 ( 水質指標キーワード :DO 底層 DO) 生物に影響が及ぶほど酸素濃度の低い水塊 境界値についてはさまざまな指標がありますが 水産用 水基準においては 4.3mg/L が 底生生物の生息状況に変化を引き起こす臨界濃度 とされています ま た 環境省が告示する生活環境の保全に関する環境基準において, 生息段階において貧酸素耐性の低い 水生生物が生息できる場を保全 再生する水域又は再生産段階において貧酸素耐性の低い水生生物が再 生産できる場を保全 再生する水域の基準は 4.mg/L 以上, 生息段階において貧酸素耐性の低い水生生 物を除き 水生生物が生息できる場を保全 再生する水域又は再生産段階において貧酸素耐性の低い水 生生物を除き 水生生物が再生産できる場を保全 再生する水域は 3.mg/L 以上とされています ( 詳し くは,https://www.env.go.jp/ kijun/mizu.html をご覧ください ) 7