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. 軸力作用時における曲げ耐力基本式の算定 ) ここでは破壊包絡線の作成を前提としているので, コンクリートは引張領域を無視した RC 断面時を考える. 圧縮域コンクリートは応力分布は簡易的に, 降伏時は線形分布, 終局時は等価応力ブロック ( 図 -2) を考えることにする. h N ε f e


軸受内部すきまと予圧 δeff =δo (δf +δt ) (8.1) δeff: 運転すきま mm δo: 軸受内部すきま mm δf : しめしろによる内部すきまの減少量 mm δt: 内輪と外輪の温度差による内部すきまの減少量 mm (1) しめしろによる内部すきまの減少量しめしろを与えて軸受

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ワギング カッタ シールド工法 (Wagging Cutter Shield Method) - 技術資料 - 平成 23 年 8 月 シールド工法技術協会

はじめにシールド工法技術協会で取り扱っている工法はいずれも多くの実績があり 信頼できる最先端技術および工法であります 現在の社会的要求である地上や地下施設への影響が少なく地球環境にもやさしい技術として さまざまな地盤やトンネル形状にも対応できるものであります これらの工法による工事におきましては 当該工事の目的や構造物の内容 施工期間や施工条件 施工環境などを十分に考慮した上で 設計および施工方法を検討しなければなりません 今回の改訂では 下水道用設計積算要領管路施設 ( シールド工法 ) 編 ( 社団法人 ) 日本下水道協会 (2010 年版 ) の改訂を受けて その改訂内容との整合性を図るとともに 最新技術の知見を反映して各工法の計画 設計および施工に携わる方々が分かりやすくまた活用しやすい内容としました 皆様がシールド工法技術協会に登録しているシールド工法の採用にあたり 適正かつ合理的な計画 設計および施工を行うための資料として本書を大いに活用していただければ幸いに存じます 平成 23 年 8 月

[ ワギング カッタ シールド工法の位置付け ] シールド工法におけるワギング カッタ シールド工法の位置づけを下記に示す 手掘り式シールド工法 全面開放型 半機械掘り式シールド工法 基本系 機械掘り式シールド工法 シールド工法 部分開放型 ブラインド式シールド工法土圧シールド工法土圧式シールド工法 密閉型 泥土圧シールド工法 泥水式シールド工法 泥土加圧シールド工法 気泡シールド工法 ケミカルプラグシールド工法 円形 非円形 偏心多軸シールド工法 ワギングカッターシールド工法 MF シールド工法 断面形状複円形 DOT 工法 H&V シールド工法 拡幅 拡大シールド工法 特殊系直角施工球体シールド工法 シールド工法掘削線形 急曲線 急勾配 分岐 合流 正面地中接合 MSD 工法 鉄筋コンクリートセグメントセグメント鋼製セグメント覆工合成セグメント ECL 工法 P&PC セグメント工法

目 次 1. 概要 1 1.1 工法の概要 1 1.2 工法の特徴 1 1.3 工法の適用範囲 1 (1) 断面 1 (2) 適用土質 2 1.4 工法の用途 2 2. シールド 3 2.1 シールドの構成 3 2.2 シールド本体構造 3 (1) 機長 3 (2) カッタ形状と配置 4 2.3 カッタ 4 (1) カッタヘッド構造 4 (2) オーバカッタ 6 (3) カッタビット 7 2.4 シールドジャッキ 7 2.5 エレクター 8 2.6 その他 8 (1) 姿勢制御 8 (2) 作泥土材注入口 9 (3) 練り混ぜ翼 9 (4) 土圧変動抑制装置 9 3. 覆工構造 10 3.1 覆工構造形式 10 3.2 トンネル断面 10 3.3 トンネル覆工の設計 10 (1) 設計荷重 10 (2) 断面力の算定 11 3.4 特殊偏平断面トンネル覆工の設計例 11 (1) 覆工構造 11

(2) 設計 13 4. 施工及び施工管理 15 4.1 仮設備 15 4.2 施工管理 15 (1) 土圧管理 15 (2) 土量管理 15 (3) カッタのトルク管理 15 (4) オーバカッタの軌跡管理 15 (5) 作泥土材 16 (6) 曲線施工 16 5. 施工事例 17 5.1 きらめき通り地下通路工事 17 (1) 工事概要 17 (2) 土質概要 17 (3) 掘進機概要 18 5.2 三沢川第 4 号雨水幹線築造工事 19 (1) 工事概要 19 (2) 土質概要 19 (3) 掘進機概要 20 5.3 白川改修 ( 今出川分水路 ) 21 (1) 工事概要 21 (2) 掘進機 覆工構造概要 22 5.4 京都市交通局六地蔵北工区 23 (1) 工事概要 23 (2) 掘進機 覆工構造概要 24 5.5 馬込幹線工事 25 (1) 工事概要 25 (2) 土質概要 25 (3) 掘進機概要 25

1. 概要 1.1 工法の概要ワギング カッタ シールド工法は カッタヘッドを一定の角度内で揺動運動 (= Wagging) しながら掘進するシールド工法である 強力なオーバカッタを併用することで 様々な掘削断面形状への適用が可能である 同工法で施工する様々な断面形状に適用できる覆工として オープンサンドイッチ構造の覆工がある これは 鋼 ダクタイル製の一次覆工 + 後打ちの二次覆工で一体化を図るもので 剛性が大きいことから偏平な断面形状を実現できる 1.2 工法の特徴 1 様々な掘削断面形状へ適用が可能カッタヘッドを複数配置し 余掘り装置を併用することで円径以外にも複円形や矩形といった様々な形状のシールドトンネルを施工することが可能である 2 コンパクトなシールドマシンカッタヘッドを少数の揺動ジャッキで駆動するため シールド内部の機器を簡素化することが可能である また シールド機長が短縮され 発進立坑の縮小や急曲線対応などで有利となる 3 平断面への適用が可能な覆工構造一次覆工と後施工の二次覆工で合成構造を構成することで セグメント卖独では難しかった偏平断面の覆工構造が可能となる この際 一次覆工に剛性の高い 摩擦接合継手 や仮柱を使用する 1.3 工法の適用範囲原則として 泥土圧シールド工法を前提とした工法であるが 泥水シールド工法への適用も考えられる (1) 断面断面形状としては 円形はもちろんのこと 複円形や矩形といった様々な形状のシールドトンネルを施工することが可能である 覆工に関しては 土被りや水圧 経済性との兼ね合いで適用範囲は変化する 実績からいえば 覆工の外形比で縦 1: 横 1.6 の偏平断面まで可能である 一方で 最小断面については 主にセグメント組立の制約から 円形の場合でセグメント外径がφ2m 程度 矩形の場合で外形が 2.5 2.5m 程度になる - 1 -

表 1.3-1 掘進機構 円形複円形矩形 掘削機構 (2) 適用土質泥土圧シールドで適用可能な地盤条件に対しては概ね適用可能である ただし 玉石層や軟岩ではオーバカッタにローラビットが配置できない等の理由から 円形以外の断面への適用は施工条件の十分な検討が必要である 1.4 工法の用途既に実績がある事例から見ると 地下鉄や地下通路などにおいて偏平 ( 矩形 ) 断面で小離隔 急曲線 小土被りへの適用が可能である 下水や電力 NTT 等では 円形 急曲線への対応が期待できる 将来の展開として 地下鉄駅舎 ( 複円形 ) や地下道路 ( 大型矩形 馬蹄形 ) など複雑な断面構造トンネルへの適用が考えられる 表 1.4-1 適用例 地下鉄駅舎 地下道路 適用事例 - 2 -

2. シールド 2.1 シールドの構成ワギング カッタ シールド工法は シールドのカッタヘッドを油圧ジャッキにて作動させる 油圧ジャッキは 揺動ジャッキとアシストジャッキから構成されており 隔壁の背面に設置される カッタの支持方式は ジャッキ配置の関係から中央支持方式とする場合が多い 余掘りを担うオーバカッタは カッタスポーク内に収納される なお フード部 ガーダー部 テール部の構成は一般のシールドと同様である スポーク断面 ( 正面図 ) ( 断面図 ) ( 背面図 ) 図 2.1-1 マシン構造 2.2 シールド本体構造 (1) 機長カッタ駆動を油圧ジャッキで行っているため 電動モータを使用する場合に比較して機長を短くすることができる レイアウト例を以下に示す 表 2.2-1 掘削方式による機長の比較 ( 例 ) 揺動掘削方式回転掘削方式 機長の 比較 - 3 -

(2) カッタ形状と配置偏平な断面 ( 概ねシールドの縦横比が 1:1.5 を超える場合 ) では 2 軸のカッタ配置を検討する この場合 カッタの回転中心はオーバカッタの負担を均等化する位置に置く その結果 スポークの長さの異なる場合が多い 2.3 カッタ (1) カッタヘッド構造揺動掘削方式は トルクアームを介した油圧ジャッキの伸縮によりカッタヘッドを約 95 の範囲で揺動駆動する 従来のモータとギヤによる高精度な構造に対し 油圧ジャッキ リンクおよびピンによる構成となるため駆動部の構造が簡素化される 図 2.3-1 揺動掘削 図 2.3-2 揺動駆動状態 カッタヘッド出力トルクは 回転カッタ方式が出力トルク一定であるのに対し 揺動掘削方式では揺動角度毎に出力トルクが変化する T=R Fcosθ (θ=90 +(β-α)) ここで T; 出力トルク R; トルクアーム回転半径 F; 油圧ジャッキ推力 α,β; 図中の各角度 図 2.3-3 揺動ジャッキトルク計算式 例えば 図 2.3-2 に示すような油圧ジャッキ配置では 揺動終端近傍で出力トル クが低下する このため砂礫層 付着性の高い洪積粘性土等 特に高トルクを必要 とする場合は留意しなければならない - 4 -

この出力トルク低下を補うためにアシストジャッキを用いる方式がある この方 式は 一定角度揺動させた段階でアシストジャッキに油圧を加え 出力トルクを増 加させるものである ( 図 2.3-4 参照 ) 図 2.3-4 アシストジャッキ方式 矩形や異形断面掘削などオーバカッタによる掘削をともなう場合 隅角部掘削やカッタヘッドの揺動終端近傍でオーバカッタのストロークが大きくなり 所要トルクも増大する このような場合 アシストジャッキ方式の採用は有効となる また 装備トルクは 従来の回転カッタと同様に所要トルク計算と慣用トルク計算式 (T=α D 3 ) により設定することを基本とするが 揺動終端近傍での抵抗増分などに対して余裕を見込んだ数値とすることが望ましい さらに 前述のオーバカッタを用いて掘削する場合は 揺動角度によりスポーク長が変化するため掘削トルクもその分増減することになる 一例として カッタの平均直径から装備トルクを設定する算出例を図 2.3-5 に示す - 5 -

(D ave ) 3 4 i 1 {2 (Li Ri)} 3 オーバカッタ 4 スポーク Li; 各スポークの長さ Ri; 各オーバカッタのストローク 図 2.3-5 平均直径計算式 (2) オーバカッタ矩形や異形断面掘削において 未掘削領域が生じる場合は油圧ジャッキなどを内蔵した伸縮式のオーバカッタにより掘削する オーバカッタは カッタヘッドの揺動角度に合せて油圧ジャッキを伸縮させ その先端部のカッタによりスキンプレート外形線に沿った掘削を行う 図 2.3-6 オーバカッタ作動状態 油圧ジャッキは 電気 油圧によるフィードバック制御システムなどを用いて そのストロークおよびカッタの出代精度を確保することが望ましい - 6 -

オーバカッタは 従来のコピーカッタに対し 高速でかつ常時伸縮するため 軸受や土砂シールおよび潤滑シールなどの耐久性に留意する必要がある また油圧ジャッキのストロークは方向修正や曲線施工に必要なオーバカット量が確保できるように余裕を見込んでおく必要がある (3) カッタビット 1. カッタスポーク部揺動掘削方式では カッタスポークが各々卖独で1つの領域を掘削することになる したがって 各カッタスポークは内周から外周までメインビットと補助ビットを交互に配置して 未掘削部図 2.3-7 ビット配置を残さないようにする必要がある ( 図 2.3-7 参照 ) 2. オーバカッタ部オーバカッタ上に設置するビットについては 伸縮作動に伴い1 掘進方向 2 揺動方向 3 半径方向の3 次元的な掘削が必要となる 一例として 図 2.3-8 にスパイクビットを示す スパイクビットは 五角錐状の形状で 先端と角錐の各稜線に超硬チップを埋め込んであり どの方向にも掘削できることを特徴としている 図 2.3-8 スパイクビット 2.4 シールドジャッキシールドジャッキは 従来シールドと同様である 土質 曲線施工 セグメント幅 セグメント分割数などの条件に応じて従来計算や実績にもとづき 推力 ストローク等を設定する また ローリング修正に対し シールドジャッキスプレッダとセグメントの間にキャンバー ( テーパプレート ) を挿入させることも想定し キャンバーおよびキャンバーを設置するためのブラケット等の検討も行っておく必要がある - 7 -

2.5 エレクター円形シールドにおいては 従来シールドと同様のエレクターとする 一方 矩形や異型断面シールドにおいてはセグメント形状が各ピース毎に異なるため 従来の 旋回 昇降 摺動 の作動だけでは組立が困難になる場合がある 特に 矩形断面シールドにおいては 隅角部のセグメントに対し 左右摺動 ローリング屈曲 などの機能もエレクターに付加する必要がある 横長や縦長の異形断面シールドにおいては 図 2.5-1 に示すようにそれらの機能を付加したエレクターを複数基装備することで対応する 旋回 昇降 左右微摺動 左右摺動 前後摺動 ローリング屈曲 図 2.5-1 矩形シールドのエレクタ 2.6 その他 (1) 姿勢制御蛇行修正におけるヨーイング ピッチング対策に関しては 通常のシールドとなんら変わるところはない 一方 ローリングに関しては揺動掘削方式であるのでカッタ回転時の切削反力を利用する修正ができない その対策として ローリング修正ジャッキやキャンバーを用いる方法 ツインカッタの場合は前胴の左右を独立させ互いの中折れ方向をずらすことでローリング修正力を得る方法がある 卖軸で小規模の場合は カッタの回転方向で掘進速度を変化させることでローリング修正を行うこともできる この方法は簡卖に行えるものなので 予備として組み込む考え方もある - 8 -

(2) 作泥土材注入口揺動掘削方式では カッタスポークが各々卖独で1つの領域を掘削することになるため 作泥土材注入口もカッタスポークに各々 1ヶ所ずつ設置することが望ましい また 注入系統も独立とし各々連続注入可能とすることが望ましい 掘削土量に対する注入率は従来シールドと同様である (3) 練り混ぜ翼練り混ぜ翼も作泥土材注入口と同様の理由により 各カッタスポークに1 本以上設置し 隣接するカッタスポークの練り混ぜ翼と軌跡をずらして配置することが望ましい また スポークの外周側についてはオーバカッタ部があるため 図 2.6-1 に示すようなL 形の練り混ぜ翼を設けるなどして練り混ぜ効果を高める配慮が必要である オーバカッタ L 型練り混ぜ翼 チャンバ カッタスポーク 図 2.6-1 L 型練り混ぜ翼 (4) 土圧変動抑制装置オーバカッタの伸縮にともないカッタヘッドチャンバ内は体積変化を生じ チャンバ内土圧に影響することもある オーバカッタ伸縮による土圧変動を抑制するために土圧変動抑制装置を装備する方法がある 本装置は バルクヘッドに設けた伸縮ピストンによりオーバカッタ伸長時にピストン格納し体積変化を相殺させるもので オーバカッタと連動させることにより抑制効果がより高まる - 9 -

3. 覆工構造円形断面及び複円形断面については 従来の覆工構造 ( セグメント ) と同様である ここでは ワギング カッタ シールド工法の適用により対応可能な楕円形 馬蹄形などの特殊偏平断面トンネルの覆工構造について記述する 3.1 覆工構造形式楕円形 馬蹄形などの特殊偏平断面 ( 複円形は除く ) におけるシールドトンネルの場合 RCセグメント 鋼製セグメント ダクタイルセグメント 合成セグメントの他 オープンサンドイッチ構造 ( 二次覆工との合成覆工構造 ) が適用可能である 3.2 トンネル断面トンネル断面形状の設定は 覆工厚に大きな影響を及ぼす 一般に 覆工に作用する軸力は形状が変わってもさほど差が出ない しかし 曲げモーメントは僅かな曲率の変化でも 変動することになる 合理的な覆工構造とするためには必要内空を確保した上で 緩やかな曲率を持つ覆工形状にすることが望ましい 3.3 トンネル覆工の設計 (1) 設計荷重覆工の設計にあたって考慮する荷重は次のものがある 1 鉛直および水平土圧 2 水圧 3 自重 4 上載荷重の影響 5 地盤反力 6 内部荷重 7 施工時荷重 ( ジャッキ推力 裏込め注入圧等 ) 8 地震の影響 9その他 覆工は以上に挙げた1~9の荷重を設計の対象として考慮し トンネル供用中および施工途中についても安全と機能が満足されるように設計する必要がある なお トンネル計画位置によっては併設トンネルの影響 近接施工の影響 地盤沈下の影響などが考えられるため これらについても必要に応じて検討を行う必要がある 特に 特殊偏平断面では偏圧による影響が円形断面に比較して大きいため 施工条件に応じて裏込め注入圧や完成後の作用土圧のバラツキ ( 偏圧 ) を考慮し - 10 -

設計荷重の設定を行う必要がある また 鉛直土圧として緩み土圧を設定する場合 トンネル断面形状に応じて適切 な緩み幅を評価することが重要である (2) 断面力の算定断面力の算定は 1セグメントリングを曲げ剛性一様なリングと考える方法 ( 慣用法 修正慣用法 剛性一様リング- 地盤ばねモデル ) と 2セグメントリングを回転ばねをもつリングと考え 千鳥組みによる添接効果をせん断ばねで評価する方法 ( はり-ばねモデル ) がある いずれの方法においてもトンネル剛性と地盤の剛性により算定される断面力が異なってくるので 地盤の剛性は土質条件を考慮して適切に評価する必要がある また はり-ばねモデルによる計算法では継手部の位置及び剛性の評価により断面力が異なるため 覆工構造に応じた適切なモデル化を行う必要がある 3.4 特殊偏平断面トンネル覆工の設計例一般に 偏平断面トンネルでは 円形断面と異なり軸力よりも曲げモーメントが卓越し 大きな曲げモーメントが作用するが 施工時においてトンネルに仮設の中柱を設置できる場合には 中柱を設置することで一次覆工である鋼殻 ( 鋼製セグメント等 ) の断面力を軽減することができ トンネル完成時にはこの一次覆工である鋼殻 ( 鋼製セグメント等 ) と二次覆工との合成構造 ( オープンサンドイッチ構造 ) とすることで 高品質で合理的な覆工構造とすることができる ( 中柱は 二次覆工打設終了後にコンクリート強度が出た時点で切断 撤去する ) ここでは トンネル完成時に中柱や中壁等の中間支保材を設置できない特殊偏平トンネルの場合に合理的な覆工構造となる オープンサンドイッチ構造 の構造及び設計方法について きらめき通り地下通路工事を事例として紹介するものである (1) 覆工構造施工ステップごとの覆工構造図を図 3.4-1 に示す なお トンネルの構築は以下に示す1~5の手順で行った 1 一次覆工鋼殻の組立 2 中柱設置 3 二次覆工配筋 4 二次覆工コンクリート打設 5 中柱撤去 化粧工 - 11 -

STEP1 STEP2 STEP3 トンネル断面図 施工内容 1 一次覆工鋼殻の組立 2 中柱設置 3 二次覆工配筋 ( 主筋, 配力筋, せん断補強筋 ) 4 二次覆工コンクリート打設 5 中柱撤去, 化粧工 覆工断面図 図 3.4-1 施工ステップごとの覆工構造図 - 12 -

次に 覆工構造の特徴を以下に示す 1. 継手構造鋼殻ピース間継手のうち 完成時にトンネル外側 ( 鋼殻側 ) が常時引張になる継手については引張強度の高い摩擦接合継手を採用した 摩擦接合継手位置図を図 3.4-2 に示す また 摩擦接合継手構造図を図 3.4-3 示す 図 3.4-2 摩擦接合継手位置図 図 3.4-3 摩擦接合継手構造図 2. せん断補強鋼材一次覆工である鋼殻と有筋の二次覆工を確実に一体化するために せん断補強筋を設置した せん断補強筋は予めプレートに溶接しておき プレートと主桁を高力ボルトによって摩擦接合で定着する構造とした 3. 中柱中柱は施工時において鋼殻に発生する断面力を低減する目的で設置した (2) 設計 図 3.4-4 に覆工部材設計フローを示す - 13 -

START 各部材の仮定 1: 鋼殻 2: 継手部材 3: 中柱 4: 主筋 5: せん断補強筋 6: コンクリート 施工時の検討 施工時部材応力度 σ1 の算定 断面力算定モデル 照査断面 部材応力度の照査 (1,2,3) σ1<σ a No Yes 完成時の検討 完成時部材応力度 σ2 の算定 完成時 1 の検討 1 ( 完成系の検討 ) 断面力算定モデル 照査断面 部材応力度の照査 (1,2,3,4,5,6) σ2<σa No Yes 完成時の検討 2 中柱撤去時部材応力度 σ3 の算定 シールド推進時中柱軸力 N No ( 施工ステップを考慮した検討 ) 断面力算定モデル 部材応力度の照査 (4,5,6) σ3<σa Yes No 照査断面 部材応力度の照査 (1,2) σ1+σ3<σa No Yes 部材の決定 END 図 3.4-4 覆工部材設計フロー - 14 -

4. 施工及び施工管理 4.1 仮設備仮設備は通常の円形シールドと原則変わるものではないが 電動駆動のカッタを使用する場合に比較し 作動油を多く使用する オーバカッタを併用する場合は さらにタンクやポンプ 油の冷却設備が必要となる 4.2 施工管理 (1) 土圧管理ワギング カッタ シールド工法の場合 スポークタイプのカッタヘッドとなることが多くなる オーバカッタを併用する場合はカッタの外周リングを装備することができないため オーバカッタを併用する場合に 土圧変動抑制装置を設けることを原則とする すなわち 密閉されたチャンバー内でオーバカッタを作動させた場合に土圧が変動するが この変動をバルクヘッドに付けた別のシリンダーの出入でキャンセルしようとするものである 土圧変動抑制装置の設置個所によっては 土圧計に影響が及ぶ場合もある 複数の土圧計を設置し 管理に相応しい土圧計を選ぶことが望ましい また 地盤条件 作泥土材の使用状況等によっては多少の変動が残る場合がある その場合は 変動を考慮して土圧管理値の設定をする (2) 土量管理土量管理は 土砂圧送ポンプを使用する場合に流量計等を装備することで 精度良い管理が可能となる 鋼車に受けて搬出する場合はその台数 ( ボリューム ) 荷重計を付けて重量を計測する方法等があるが 事後の確認程度となるため 日ごろから設定土圧へのフィードバックや掘削途中でのチェックなどが重要である (3) カッタのトルク管理オーバカッタを併用する場合 カッタスポークの長さが刻々と変化するため トルクもこれに伴って変動する トルク自身もジャッキ作用点と回転軸中心との離隔が変わるのでトルク-ジャッキ油圧は一対一で対比することができない さらに アシストジャッキが途中で加わる これらを一元的に管理することは手間がかかる 通常反転直前にトルクの最大値を示すため この値を管理することが比較的合理的である なお 回転角とジャッキ油圧については 随時チェックする必要がある (4) オーバカッタの軌跡管理チャンバー内や地山の状況によってはオーバカッタの軌跡がずれる場合もあり得る 掘削中の軌跡を確認するために計画ストロークと実測ストロークとの差を表示させて管理する なお これについても回転角とストローク差の関係を随時チェックする必要がある - 15-

(5) 作泥土材作泥土材の選定や使用方法について 通常の泥土圧シールド工法と特に差異はない 泥土圧系のシールドで共通する問題点として 砂礫地盤でのビットやカッタディスクの磨耗があり 地盤の状況に応じて 高分子系に粘土 ベントナイト等の併用を検討する (6) 曲線施工曲線施工時には オーバカッタの余掘り量を変えることで対処する 余掘り量は計画段階で数パターン準備し 状況に応じて使い分ける 矩形や楕円形の場合 4 辺を8 分割しそれぞれで出代を設定できるよう計画する 5. 施工事例 - 16-

5.1 きらめき通り地下通路工事 (1) 工事概要 図 5.1-1 イメージ工事名 : きらめき通り地下通路建設工事工事場所 : 福岡市中央区天神 2 丁目きらめき通り発注者 : 株式会社岩田屋 NTT 九州不動産株式会社 ( きらめき通り地下通路建設共同事業者 ) 施工者 : 鹿島建設株式会社工期 :1997 年 8 月 ~1999 年 4 月工事諸元 掘削外形 : 幅 7.81m 高 4.98m 一次覆工 : 鋼製 ( 幅 7.612m 高 4.712m 厚 306mm) 二次覆工 : 鋼 RC のオープンサンドイッチ構造 仕上り内形: 幅 6.2m 高 3.3m 施工延長 :120m 土被り :4.8m 本工事は 既設地下街と既設建物地下を結ぶ地下通路の建設工事である 工事場所が商店街で開削工事が困難であり また埋設物との干渉等の問題があったため 矩形形状のシールド工法が採用された (2) 土質概要土質呼称 : 沖積シルト質砂 N 値 :7~20 概要 : シールド上部は比較的シルトを多く含む砂層 下部は砂粒子が不均一で 20mm 程度の礫が点在する 砂層での透水係数は 10-3 オーダである (3) 掘進機概要 - 17-

シールド工法 : 泥土圧シールド工法シールド機外形 : 幅 7.81m 高 4.98m 長 6.55m カッタ駆動方式 : 油圧ジャッキ揺動方式 ( 揺動角 100 度 ) カッタ支持方式 : センターシャフト方式カッタトルク : 最小 1,850kN m(α=1.55) 最大 2,870kN m(α=2.40) 中折れ装置 : 左右前胴部とも上下 1 度屈曲揺動ジャッキ :1,200kN 4 本 2set 総推力 :42,000kN(1,500kN ジャッキ 28 本 ) 隅角部カッタ :φ300mm 600st 6 基排土量 : 最大 152m 3 /h(76m 3 /h 2 基 ) 写真 5.1-1 マシン全景 写真 5.1-2 オーバカッタとビット 図 5.1-1 覆工構造の施工ステップ - 18-

5.2 三沢川第 4 号雨水幹線築造工事 (1) 工事概要 ( 断面図 ) 図 5.2-1 平面図 工事名 : 三沢川第 4 号雤水幹線築造工事工事場所 : 青森県三沢市東岡三沢一丁目他地内発注者 : 三沢市施工者 : 鹿島 睦建設工事共同企業体工期 :1998 年 12 月 ~2001 年 3 月工事諸元 掘削外形 :φ3,940mm セグメント:RC 製外径 3,800mm 厚 125mm 仕上り内形:φ3,000mm 施工延長 :601.5m 土被り : 最大 7.2m 本工事は三沢市内の雤水幹線築造工事であり 12mR の S 字状超急曲線が施工上の特徴になっている 急曲線の施工を考え シールド機長短縮を目的にワギング カッタ シールド工法が採用された (2) 土質概要土質呼称 : 細砂 N 値 :10~20 概要 : 施工箇所全域にわたり比較的均一な細砂で 2~4mm の礫が混在 - 19-

(3) 掘進機概要シールド工法 : 泥土圧シールド工法シールド機外形 :φ3,940mm 長さ 5,355mm カッタ駆動方式 : 油圧ジャッキ揺動方式 ( 揺動角 95 度 ) カッタ支持方式 : センターシャフト方式カッタトルク : 最大 1,439kN m(α=2.35) 中折れ装置 : 左右 10.3 度 上下 0.5 度揺動ジャッキ : メイン 1,200kN 2 本アシスト 600kN 2 本総推力 :14,000kN(1,000kN ジャッキ 14 本 ) コピーカッタ :φ150mm 260st 4 基排土量 : 最大 53.6m 3 /h 写真 5.2-1 マシン全景 ( 回転掘削方式 ) 図 5.2-2 掘削方式の比較 ( 揺動掘削方式 ) - 20-

5.3 白川改修 ( 今出川分水路 ) (1) 工事概要 図 5.3-1 平面図 図 5.3-2 断面図 工事名 : 都市基盤河川改修事業白川改修 ( 今出川分水路 ) 工事施工場所 : 京都市左京区田中門前町他地内発注者 : 京都市 ( 建設局水と緑環境部河川課 ) 施工者 : 青木 吉村共同企業体工期 : 平成 11 年 9 月 9 日 ~ 平成 13 年 12 月 20 日工事内容 1シールド工一次覆工 ( 泥土加圧式矩形シールド工法 ) 延長 :L=90.7m 路線勾配 1.00% 平面線形 :R=200m 1カ所 L=21.667m シールド機: 外径 H4,300mm W4,900mm セグメント: 鋼製 89 リング外径 H4,106mm W4,706mm 土被り : 約 2.52m~2.75m 地下水位 GL-4m~-8.1m 掘削土質 : 砂礫及び粘土混じり砂礫 N=20~60 二次覆工 : 仕上り内径 H3,400mm W4,000mm 地盤改良工:2 重管ストレーナ ( 複相 ) 2 開削工 発進立坑工 到達立坑工柱列土留杭工法計 2 カ所他 - 21-

(2) 掘進機 覆工構造概要総推力 :26,460kN(1,470kN 1,150st 18 本 ) 卖位面積当り推力 :1,254kN/m 2 シールドジャッキ速度 : 最大 5cm/min( 全数無負荷作動時 ) カッタヘッド揺動トルク : 最小 3,015kN m/ 最大 4,944kN m 揺動 / アシストジャッキ推カ :2,352kN 1,200st 2/1,568kN 480st 2 カッタヘッド揺動角 速度 : 左右各 47.5 /2 往復 /min(1 往復 190 ) オーバカット量 : 最大 570 mm 2 基,425mm 1 基オーバカットジャッキ推力 :294kN (570st 2 本 +425st 1 本 ) 前胴屈曲角度 : 上下左右方向各 1.3 スクリュウコンベヤ排土量 : 最大 82m 3 /h ( 断面図 ) ( 正面図 ) ( 背面図 ) 図 5.3-3 マシン構造図 ( 一次覆工セグメントは位置図 ) ( 完成形断面 ) 図 5.3-4 覆工構造 - 22-

5.4 京都市交通局六地蔵北工区 (1) 工事概要工事名 : 高速鉄道東西線建設工事 ( 六地蔵北工区 ) 工事場所 : 宇治市六地蔵奈良町 23-1 番地先 ~ 京都市伏見区石田森東町 27-4 番地先発注者 : 京都市交通局施工者 : 鹿島 奥村 大豊 吉村 岡野特定共同企業体工期 :1999 年 10 月 1 日 ~2003 年 10 月 31 日主要寸法 : 一次覆工外寸法 H=6,500mm W=9,900mm 渡り線部 ( 合成セグメント ) L=56m 一般線路部 ( ダクタイルセグメント ) L=697m 地盤条件 : 洪積砂礫層 N 値 =20~50 以上 15.0m 西 歩道部 車道部 歩道部 東 8,248 水道管 Wφ700 水道管 Wφ400 NTT Tφ100 ~ 下水道管 Sφ800 14,430 50 6,5 5,5 50 西行 東行 9,900 図 5.4-1 標準断面図 ( 渡り線部 ) - 23-

シールドジャッキ総推力 (2) 掘進機 覆工構造概要 77450kN カッタヘッド揺動トルク ( 低速時 1.0 往復 / 分 α 値は平均掘削半径による ) 最大 10025/ 最小 6082kN (α =33.0/23.9) 単位面積当り推力 1229kN/ m2 ( 面積 : 約 63 m2 ) 揺動ジャッキ推力 3432kN 2 本 シールドジャッキ推力 アーチジャッキ総推力 アーチジャッキ推力 カッタヘッド揺動トルク ( 高速時 1.5 往復 / 分 α 値は平均掘削半径による ) カッタヘッド揺動トルク ( 中速度 1.25 往復 / 分 α 値は平均掘削半径による ) 2941kN 1400st 8 本アシストジャッキ推力 1961kN 2 本 2451kN 1400st 16 本カッタヘッド揺動角 95 2451kN 1700st6 本 61200kN 2550kN 24 本 最大 6301/ 最小 3822kNm (α =20.7/15.0) 最大 8020/ 最小 4865kNm (α=26.4/19.4) 主要諸元 スクリューコンペア回転トルク 回転速度 スクリューコンペア回転数 スクリューコンペア排土量 常用時 68kNm 最大 12.8rpm 最大トルク時 101kNm 最大 8.7rpm 常用最大 12.8rpm 最大トルク時 8.7rpm 常用最大 165m 3 /h 2 基最大トルク時 112m3/h 2 基 図 5.4-2 シールド全体図及び仕様 図 5.4-3 合成セグメント 図 5.4-4 DC セグメント - 24-

5.5 馬込幹線工事 (1) 工事概要 図 5.5-1 平面図工事名 : 馬込幹線工事工事場所 : 東京都大田区中央一丁目 ~ 单馬込四丁目発注者 : 東京都下水道局施工者 : 鹿島 東急 大日本建設共同企業体工期 :2000 年 3 月 ~2002 年 10 月工事諸元 掘削外径 :φ5,240mm セグメント:RC 製外径 5,100mm 厚 300mm スチール製外径 5,100mm 厚 190mm 仕上り内径:φ4,500mm 施工延長 :1,309m 土被り : 最大 44.0m 本工事は大田区東馬込 中馬込および单馬込地域の雤水幹線築造工事であり 最大 8mR の超急曲線が施工上の特徴になっている 急曲線の施工を考え シールド機長短縮を目的に円形揺動式シールド工法が採用された (2) 土質概要土質呼称 : 上総層群 ( 泥岩細砂 ) N 値 :50 概要 : 施工箇所ほぼ全域にわたり 泥岩を主体とし 部分的に細砂を層状に挟んでいる (3) 掘進機概要シールド工法 : 泥土圧シールド工法シールド機外径 :φ5,240mm 長さ 5,230mm カッタ駆動方式 : 油圧ジャッキ揺動方式 ( 揺動角 95 度 ) - 25-

カッタ支持方式 : センターシャフト方式カッタトルク : 最大 3,675kN m(α=25.5 ) 中折れ装置 : 左 17 度 右 3.5 度 上下 1 度揺動ジャッキ : メイン 2,600kN 2 本アシスト 1,275kN 1 本総推力 :23,520kN(1,470kN ジャッキ 16 本 ) コピーカッタ :450st 4 基排土量 : 最大 100m 3 /h 写真マシン全景 5.5-1 ( 揺動掘削方式 ) 図 5.5-2 ( 回転掘削方式 ) 掘削方式の比較 - 26-

ワギング カッタ シールド工法技術資料平成 15 年 10 月発行第 1 版平成 18 年 4 月発行第 2 版平成 19 年 6 月発行第 4 版平成 23 年 8 月発行第 5 版 シールド工法技術協会 URL : http : //www. shield-method. gr.jp - 27-