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発表結果から, 植物の種類や生育状況が光や土のしめり具合とかかわっていることを知 6~7 6 7 観察 B 水中の小さな生物 持参した池の水や理科室の水槽の水から, 観察する試料を集め プレパラートをつく 顕微鏡を用いてプレパラートを観察し, 発見した水中の小さな生物をスケッチす 水中で見られる小さ

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彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

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○数学科 2年 連立方程式

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画像, 映像などの気象情報や天気と1 日の気温の変化の仕方に興味 関心をもち, 自ら気象情報を収集して天気を予想したり天気の観測をしたりしようとしている 気象情報を活用して, 天気の変化を予想することができる 1 日の気温の変化の仕方を適切に測り, 記録することができる 天気の変化は気象情報を用いて

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7 3. 単元の指導計画 (7 時間扱い ) 時 学習内容 授業のねらい 物質の溶解と水溶液の均一性 コーヒーシュガーが水に溶ける様子を観察し, 色の様子からコーヒーシュガーの拡散と水溶液の均一性を理解する ( 観 実 ) コーヒーシュガーと食塩の溶解 物質の溶解と水溶液の均一性 2 物質が目に見え

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

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能を習得したり活用したりすることの必要性について確認する グラフをかく力やグラフを読み取る力を身に付けさせるとともに, 一次関数を学ぶことに対する意欲を高めたい 小単元全体を通して主体的に学ぶ意欲を高め, 自分の考えを説明したいという気持ちにさせた上で, 目的や方法等を明確にした意図のあるペアやグル

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座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

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1mm のものを その他では 葉柄の太さに応じて異なる径のものを使い分けた Ⅲ. おもな手順 1. 色素液の準備透明なプラスチック板などを適当な大きさ ( 約 1cm 10cm) に切り 適当な長さに切ったシリコンチューブをセロハンテープ等で固定した 次に ピペットなどを利用して シリコンチューブに

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5 指導について (1) 単元について 3 年磁石の性質 4 年電気の働き 5 年電流の働き ( 本単元 ) 磁石に引きつけら 乾電池の数とつな 鉄心の磁化 極の変化 れる物 ぎ方 電磁石の強さ 異極と同極 光電池の働き 電気の通り道 電気を通すつなぎ方 電気を通す物 6 年電気の利用 中学 2 年

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での生活では, 理科の学習という意識が薄くなっている 理科の学習が自分の生活に役に立っていると 感じている児童は多いが, 便利にしてくれると感じている児童は少ない このことから理科で学習した 内容が, 生活の中で生かされていることを実感できるような指導を行っていきたい ( 学習活動への意識に関するこ

3 4 年上年間指導計画例 1 わたしたちのまちは, どんなまち (P6~41 25 時間 ) 本単元の学習目標身近な地域の特色ある地形や土地利用の様子, 主な公共施設などの場所と働き, 交通の様子, 古くから残る建造物の位置と様子を, 観察, 調査したり, 白地図にまとめたりして調べ, 地域の様子

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4. 題材の評価規準 題材の評価規準 については, B 日常の食事と調理の基礎 (2),(3), D 身近な消費生活 と環境 (1) の 評価規準に盛り込むべき事項 及び 評価規準の設定例 を参考に設定して いる 家庭生活への関心 意欲 態度 お弁当作りに関心をもち, おか 生活を創意工夫する能力

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(1) 児童観本学級の児童は, 理科の学習に興味をもって取り組んでいる 特に, 観察や実験に意欲的である 昨年度は, 変える条件, 変えない条件を考えながら実験に取り組んできたことにより, 条件に目を向けて調べようとする力は育ってきている 本単元にかかわる児童の実態を把握するために, 発電, 蓄電,

いきたいと考えるはずである 水溶液を区別する ためには, 水溶液のどんな性質やはたらきに着目していったらよいか, 子どもたちの考えを大切にしながら学習を進めていきたい 本単元の問題を解決するためには, いくつかの実験結果から, 総合的に判断することが必要である そこで,5つの水溶液を区別するという意

アトウモロコシの実 葉をミキサーにかけて こした後は乾燥させる イでんぷんを顕微鏡で観察する 実験の結果 () ボカシ発酵について下の図は 母材の温度変化を表したグラフである A B コウジ菌のみを入れたもの コウジ菌 ヨーグルト 納豆を入れ たもの 温 度 ( 土 の 中 )

第 4 学年算数科指導案 平成 28 年 11 月 2 日 ( 水 ) 第 5 校時場所 4 年 2 組男子 22 名女子 10 名指導者垣見遥 ともなって変わる量 思考力 判断力 表現力の育成 ~ 児童の考えを引きだす算数的活動の工夫 ~ 1 単元名 ともなって変わる量 2 単元の目標 ともなって

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

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Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

第 3 学年 1 組理科学習指導案 指導者 1 単元名ものの重さをしらべよう 2 授業づくりの視点 子どもの興味 関心の実態 本学級の子どもたちは, 算数科の学習で天秤や台秤を使った経験から, 自分たちの身の周りの物の重さを量りとることに大変興味をもっている また, いろいろな物の重さを量る際に ラ

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授業では, 課題を解決するための情報を集める前に, どのような方法だと必要な情報を集めることができるのかを考えています 58.8% 41.2% 授業では, 調べたことなどを, 図, グラフ, 表などにまとめています 73.5% 26.5% 授業では, 情報を比べたり ( 比較 ), 仲間分けしたり

解答類型

数学科学習指導案 1 次方程式 ( 中学校第 1 学年 ) 神奈川県立総合教育センター < 中学校 高等学校 > 数学 理科授業づくりガイドブック 平成 22 年 3 月 問題つくりを題材として取り上げ 身近な生活の中にある数量関係を見いだし それを基に文章題を作らせる指導によって 自ら具体的な事象

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(3) 指導観本時は 連立方程式の文章題を扱う最初の時間である 方程式の文章題は 個数と代金に関する問題 速さ 時間 道のりに関する問題 割合に関する問題 を扱う これらを解くときには図や表 線分図などを書くことが有効であることを生徒達は昨年度一次方程式の時にも経験している 一元一次方程式を利用する

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きるか, 必要なものを取捨選択したり, 試したり見立てたり工夫したりしながら, 自分が選んだおもちゃや楽器をつくる できたおもちゃや楽器を交流し, 友達とアドバイスしあいながら, 改良したり, 遊び方を工夫したりして, よいものにしようとする おもちゃフェスティバルを開き実際に遊び, みんなが楽しく

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3. 単元目標 自の育てている野菜の変化の様子を観察したり 地域の人に話しかけたりしながら すすんで課題を解決することができる ( 関心 意欲 態度 ) 野菜の生長の様子や 地域のお店の様子について気付いたことを絵や文章などにかき 伝えることができる ( 思考 表現 ) お店の人にインタビューしたり

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173 1 単元のねらい 植物の体内の水などの行方や葉で養分をつくる働きについて興味 関心をもって追究する活動を通して, 植物の体内のつくりと働きについて推論する能力を育てるとともに, それらについての理解を図り, 植物の体のつくりと働きについての見方や考え方をもつことができるようにする 2 単元の内容 植物を観察し, 植物の体内の水などの行方や葉で養分をつくる働きを調べ, 植物の体のつくりと働きについての考えをもつことができるようにする ア植物の葉に日光が当たるとでんぷんができること イ根, 茎及び葉には, 水の通り道があり, 根から吸い上げられた水は主に葉から蒸散していること ここでは, 新しくできたジャガイモにでんぷんがあることなどの気付きや疑問を基に, 植物は体内のどこででんぷんをつくっているかについて追究する 日光が当たっている何枚かの葉で, アルミニウム箔などを被せて遮光した葉と遮光しない葉の対照実験を行い, ヨウ素でんぷん反応によって日光が当たっている葉の中でのでんぷんの存在を調べ, 植物が自らでんぷんをつくりだしていることを推論を通してとらえるようにする また, 植物をさした花びんの水が少なくなっていることや植物に水をあげる体験などを基に, 植物の体内の水の行方について追究する 植物に着色した水を吸わせ, 葉や茎などを切って, その体内の内部のつくりを観察することから, 植物の体内には水の通り道があり, 隅々まで水が行きわたっていることについての理解を深めるようにする さらに, 根から吸い上げられた水はどこから出るのかという気付きや疑問を取り上げ, 何枚かの葉に透明な袋で覆いをして袋につく水の量を観察することから, 根から吸い上げられた水は主に葉から水蒸気として出ていくことをとらえるようにする 3 単元の評価規準の設定例 自然事象への関心 意欲 態度 科学的な思考 表現 観察 実験の技能 自然事象についての知識 理解 1 植物の体内の水などの行方や葉で養分をつくる働きに興味 関心をもち, 自ら植物の体のつくりと働きを調べようとしている 2 植物体内の水の行方や葉で養分をつくる働きに生命のたくみさを感じ, それらの関係を調べようとしている 1 日光とでんぷんのでき方との関係や植物の体内の水などの行方について予想や仮説をもち, 推論しながら追究し, 表現している 2 日光とでんぷんのでき方との関係や植物の体内の水などの行方について, 自ら行った実験の結果と予想や仮説を照らし合わせて推論し, 自分の考えを表現している 1ヨウ素液などを適切に使って日光とでんぷんのでき方を比較したり, 植物に着色した水を吸わせ, 蒸散する水について実験したりして調べている 2 植物を観察し, 植物体内の水の行方や葉で養分をつくる働きについて調べ, その過程や結果を記録している 1 植物の葉に日光が当たるとでんぷんができることを理解している 2 根, 茎及び葉には, 水の通り道があり, 根から吸い上げた水は主に葉から蒸散していることを理解している

4 指導と評価の計画 全 6 時間 時学習活動教師の支援 留意点評価規準及び評価方法第1次3時間え方についての理解を深めることができる 第2次2時間を照らし合わせて考察するようにする 第3次1時間 活動のきっかけ 新しくできたジャガイモの中には何があるの かを調べる あらかじめ, ジャガイモを栽培しておくよう にする 問題新しいジャガイモにあるでんぷんは, どこでつくられたのだろう 関心 意欲 態度 1 行動観察 記述分析 でんぷんがつくられる場所の予想や仮説をもつ 実験の計画を立てる 実験 1 遮光した葉とそうでない葉で対照実験をして, 日光の当たっている葉ででんぷんをつくっていることを調べる 実験の結果から, どこででんぷんがつくられ るのかについて考察する 見方や考え方植物の葉に日光が当たるとでんぷんができる 活動のきっかけ 花がさしてある花びんの水が少なくなってい ることについて話し合う 植物の成長には日光が必要である という 第 5 学年 (1) 植物の発芽, 成長, 結実 での 学習を想起させるようにする 日光に当てた葉と日光に当てない葉の結果を 比較できるように実験を行うようにする 時間があれば, ジャガイモだけでなく別な植 物でも実験することにより, 植物の葉に日光 が当たるとでんぷんができるという見方や考 根がついているホウセンカを花びんにさして 教室などに置いておくと, 児童の興味 関心 を高めることができる 問題水は植物の体内のどこを通っているのだろうか 思考 表現 1 行動観察 記述分析技能 1 行動観察 記録分析知識 理解 1 記述分析 水は植物の体内のどこを通っているのかについて予想や仮説をもつ 観察の計画を立てる 実験 2 ホウセンカを着色した水を吸わせ実験計画を立て, 実験する, 茎や葉に水の通り道があることを調べる 観察の結果から, 水が植物の体内のどこを 通っているのかについて考察する しおれた植物が水をあげることで生き生きとしてくることや人体と関連付けて考えたりすることで, 水の通り道がいたるところにあるのではないかと推論させる 自分の予想や仮説と茎や葉などでの観察結果 思考 表現 2 行動観察 記述分析技能 2 行動観察 記録分析 見方や考え方水は, 植物の根, 茎及び葉を通っている 問題根から吸い上げられた水は, 植物の体内にある通り道を通ってどこにいくのだろうか 水の行方について予想や仮説をもつ もし水の出口がなかったら, 水はどうなるか 観察の計画を立てる を考えたり, 人体と比較しながら考えたりす実験 3 ることで, 自分なりの予想や仮説をもつこと 葉に透明な袋を被せて実験計画を立て, 実験する, 葉から蒸散してができるようにする いることを調べる 葉がついた植物と, 葉を取ってしまった植物 観察の結果から, 植物の体内を通った水の行 方について考察する の両方にビニル袋をかぶせることで, 水が主 に葉から出ていることをとらえることができ るようにする 時間があれば, 葉のどこから水が出ているの だろうという気付きや疑問を取り上げ, 気孔 の観察を行う 見方や考え方根から吸い上げられた水は, 主に葉に行き, 葉から蒸散される 関心 意欲 態度 2 行動観察 記述分析知識 理解 2 記述分析 174

175 5 本単元における観察, 実験例 実験 1 遮光した葉とそうでない葉で対照実験をして, 日光の当たっている葉ででんぷんをつくっていることを調べる 本実験の前に, 第 5 学年 B(1) 植物の発芽, 成長, 結実 の学習を想起させる 植物の成長には日光が関係していることを振り返り, 葉で成長の養分となるでんぷんをつくっているのではないか と推論することにより, 本実験の結果の見通しをもつことができるようにする なお, 本実験の内容は, 第 6 学年 B(3) 生物と環境 の学習との関連が深い 植物は自分ででんぷんをつくりだしているが, 人や他の動物は植物や動物を食べている という見方や考え方につながる内容であることを踏まえて指導することが大切である ジャガイモの葉 日光を遮光しないジャガイモの葉 日光を遮光したジャガイモの葉 エチルアルコール お湯(70 ~ 80 ) ビーカー ピンセット ヨウ素液など 1 実験をする前の日の午後から,2 枚のジャガイモの葉にアルミニウム箔で覆いをし, 日光に当てないようにする 2 次の日の朝に,1 枚の葉のアルミニウム箔を外し, 日光に当てる 3 もう1 枚の葉の覆いはそのままにしておき, 日光に当てないようにしておく 4 朝から4 ~ 5 時間程度葉に日光を当てたら,2 枚とも葉をつみ取る 5 2 枚の葉を湯につけて, やわらかくする 6 湯 (70~80 ) で温めたエチルアルコールに葉を入れて, 葉の葉緑素を溶かし出す 7 葉緑素が溶けたら, 湯に入れて葉を洗い, うすいヨウ素液に浸し, 反応を調べる 結果 日光に当てた葉は, 青紫色に変化する 覆いをしたままの葉は, 変化しない 指導面 ヨウ素液はでんぷんに反応することを確認する 必要があれば, でんぷん粉などにヨウ素液をつけて, 青紫色に反応することを試してみる 安全面 エチルアルコールといった刺激臭のある液体を使う 換気などに十分注意させる アルコールが入った入れ物を直接熱したり, アルコールのそばで火を使ったりしないように指導を徹底する 必ず湯で温めるようにする 日光に当てた葉と日光に当てていない葉との結果を比較しながら考察することが大切である また, 他の植物でも同じような結果が得られるのだろうか という児童の気付きや疑問を大切にして, 身近な植物でも実験することにより, ジャガイモだけでなく, 植物は葉に日光が当たるとでんぷんをつくる という見方や考え方をもつことができるようにする ただし, 単子葉類は直接糖をつくってしまう ヨウ素でんぷん反応がでないので注意が必要である

実験 2 ホウセンカに着色した水を吸わせ, 茎や葉に水の通り道があることを調べる 児童は, 植物の成長に水は不可欠であることは理解している しかし, 植物が吸収した水が, 植物体内のどこを通って, どこにいくのかについては考えることが少ない そこで, 植木鉢にホウセンカを植え, そこに水をあげた後に, 水はどこにいくのかを考えたり, 根がついたホウセンカを花びんに入れて, 花びんの水が減っている様子を観察させたりすることにより, 植物の体内をどのように水が通っていくのかについて, 気付きや疑問をもつことができるようにする また, ホウセンカの茎や葉を切ったときに水がしみ出てくる様子を観察させることにより, 植物体内には水の通り道があるのではないかと推論することができるようにする ホウセンカ 食紅を溶かした水 スライドガラス カッターナイフ 顕微鏡または解剖顕微鏡など 1 水 1Lに食紅 3 ~ 5gを溶かし, その上ずみ液, または, ろ液を用意する そのまま使うと, でんぷん粒が植物体内につまり, 染まりにくく, しおれやすくなる 2 ホウセンカを根ごと掘りあげてよく洗う 根をよく洗うことで根部組織が壊れて, 色水が吸収しやすくなる 3 食紅を溶かした水にホウセンカを入れ, 水を吸わせる 4 葉や茎をカッターナイフで切る 5 スライドガラスにのせ, 顕微鏡で観察する 結果 葉や茎には, 赤く染まる部分がある 指導面 顕微鏡または解剖顕微鏡で観察させるため, うすい切片は必要ない 安全面 茎や葉をカッターナイフで切る際は, 安全面に十分注意させる 安全面を考慮して, やや厚めに切って観察させる 茎を縦に切ったり横に切ったりした記録や葉, 根での記録を基に, 植物体内では, どのように水が通っているのかについて考察することが大切である そのためにも, 観察した物を丁寧にスケッチさせ, 記録に残すようにする また, 時間があれば, 他の植物でも観察してみたいという児童の思いや願いを取り上げ, 他の身近な植物でも調べる場を設定する 176

177 実験 3 葉に透明な袋をかぶせて, 葉から蒸散していることを調べる ホウセンカを入れた花びんから, 水が蒸発しないようにポリエチレンなどで覆ったものを提示し, それでも水位が下がっていくことを観察させることで, 水が植物体内を通った後, どこに行くのかについて気付きや疑問をもつことができるようにする また, もし, 植物が水を吸うばかりだったら と考えたり, 人の体と関連付けて水の行方を考えたりすることにより, 葉などから水が出ていくのではないかと推論することができるようにする 葉のついた植物 葉を取った植物 ビニル袋 モールなど 1 葉のついた植物と葉を取った植物を準備する 2 両方の植物にビニル袋をかぶせ, モールなどで茎の部分をしばる 3 約 10 分後に, ビニル袋の内側を観察する 結果 葉がついた植物のビニル袋の内側には水滴がついている 葉を取った植物のビニル袋の内側の様子に変化は見られない 4 時間をおいて, 再度観察し, ビニル袋の内側についている水滴の量の変化を観察する 結果 葉がついた植物のビニル袋の内側には水滴がたくさんついている 葉を取った植物のビニル袋の内側にも少し水滴がついている 発展的に気孔の観察を行う場合 1 葉をちぎって, 裏側のうすい皮をはがす 2 はがした皮をスライドガラスにのせて, 顕微鏡で観察する 指導面 葉から水が出ていくと考える児童もいれば, 目には見えない水蒸気として出ていくと考える児童もいる そこで, ビニル袋をかぶせて確かめる意味を理解させる 葉から水が出ていくと考える児童の他にも, 茎からで出ていくと考える児童もいる そこで, 葉をつけたまま調べる物と, 葉をとってしまって茎だけにして調べる物の2 種類を行う 葉を取ってしまった枝を覆ったビニル袋の内側にも水滴がつくことから, 葉だけではなく枝からも水は蒸発していることをとらえさせる また, ビニル袋の内側がくもることから, 植物体内からは, 水は水蒸気として外に出ていることをおさえる 時間があれば, 身近にある植物を使って同じ実験をするとよい また, 葉のどこから水がでるのだろう という児童の気付きや疑問を取り上げ, 気孔の観察を行ってもよい