三. アパート 収益ビル 投資の注意点 (1) 本格的なアパート 賃貸業を目指す場合は 賃貸業 として一棟売りのアパート マンションを買うことになります この場合は 土地と建物双方を一体として単独所有することになりますので 共同 建物の1 室だけを所有するマンションとはかなり違う考慮が必要です また 土地と建物双方を単独所有する為 増改築 再建築 売却等々の処分が自分 の意志通りに出来 インカムゲイン狙いだけでなく キャピタルゲイン狙いも可能 です 主な注意点は前に述べたとほぼ同様です 1 空室にならない物件を選ぶこと 2 借入金は物件価格の60% 以内とすること 3 管理委託業者を選ぶこと 4 建物の維持 管理は自己責任で 入居したくなる物件に仕上げ続けること 5 賃貸物件も時代の波により好まれる物が変化します その時代に合った建物 部屋になるように配慮し リフォームし 建て替え 買換える必要があります (2) 賃貸業 は お客様に 入居して頂き 賃料を払って頂く 事業 です 1 本当のお金持ちの賃貸事業者は 時代に合った建物を新築し 10 年を過ぎた時点で建物の補修工事をして 建物の不安がまだ少ない内に 次の新築物件に買い換えます 10 年超で補修すると 建物もまだまだ立派に見えますので 良い入居者で満室にすれば 収益還元法 で割り出した価格で売り出せば 充分な価格で売れる可能性が高いからです * ところで なぜお金持ちは せっかく好調な賃貸物件を売ってしまうのでしょうか? 経験豊富なお金持ちの賃貸業者にとっては 利回りよりも 安全確実な入居 を考えることが大事だからです 確実に入居者をつける為には その時代に合った建物である新築物件 の方が安全確実だからです また 新築物件は 減価償却が確実に利用でき ますので 節税 と 現金を手元に残す為 にも お金持ちには新しい物件が必要なのです 例えば 木造アパートの場合は20 年で減価償却が終了してしまいますので それ以上所持すれば 減価償却できない分が利益として税金の対象になり 税金の山になるから 手元に残る現金が少なくなるからです 2 賃貸業を軌道に乗せようとする段階では 利回り重視 で 10 年超 ~20 年超の収益物件をオーナーチェンジで買うことになります 中古収益物件で利回りを良くする為の リフォームと管理の仕方で 入居率を上げ 入居者の質を上げることが重要になります 賃貸アパート 収益ビルを1つ持ち 返済が滞りなく進めば 銀行は次の貸し出しを積極的にしてくれるようになります 毎月大きな金額が賃料振り込みで銀行口座を通過し 返済も滞りなければ 銀行は融資の安全性が証明されるからです また 借りる側から言えば オーナーチェンジの中古アパートは 新築マンションと比べて 既にお客様( 入居者 ) がついており 好まれるアパートかどうかの評価が判断しやすく 収支計算がし易く 買ったその日から賃料( お金 ) が手に出来て 借入金の返済の心配がない からです これと比べて 新築アパートの場合は 土地を購入して 建築が完成するまでに7 ヶ月 ~12ヶ月かかり その間の返済等で費用がかさみ 完成後も入居者がつくかどうかの不安もありますし もし建てた物が時代に合わない物であった場合は将来に向かって最悪の結果となる危険もあります
3 * これからお金持ちになりたい人 には 20 年超 ~30 年超の収益物件 への投資が合っています 古くて安くなった物件を購入して 入居者が住みたくなる物に変えるリフォームと賃貸条件等改善する努力をする必要があります 一般的に言えば 収益物件は 建物が古くなると 空室が多くなり 入居率が落ちるので 賃料が安くなり 入居者の質が悪くなることが起きてきます そこで 収益還元法で価格を割り出すと 土地の面積や建物の大きさに比して 価格が安く売り出されます その安くなった物件を購入して 入居者の質を上げ 入居率を上げれば 利回りが飛躍的に上がるから これからお金持ちになりたい人 に向いているのです 既にお客様( 入居者 ) がついており 買ったその日から賃料( お金 ) が手に出来て 収支計算がし易く 借入金の返済の心配がない からです また 収益還元法での価格決定では 入居率が悪い古いアパートは大変安くなりますので 20 年超の木造アパートでは 更地にした土地値よりも安く買えることもあります そこで 安く買って 建物を上手にリフォームすれば 木造でも30 年から 40 年は貸せます 10 年くらい貸している間に土地の価格は値上がりする可能性がありますから担保価値が上がります その間に出来るだけ借入を減らして 新築を建てる時には 銀行は新築費用を喜んで貸してくれるでしょう そして 鉄骨か鉄筋コンクリート建物を新築し 今より良い部屋が出来て 収入も上がるでしょう 場合によっては 更地にして 転売しても大きな利益が出るでしょう 更に 古いアパートを安く買い リフォームと管理で工夫をして 収益を上げれば 銀行はその手腕を評価し信用をして 次の融資をしてくれますので 最初苦労してこの壁を乗り越えることが必要です この時 何よりも大事なのは 空室を埋めること 入居者の質を上げること その為に何をすべきか です その為には 入居斡旋と建物リフォーム 管理等のアイデアを出し 実行してくれる不動産業者と協力することも非常に大事になります 例えば 礼金 0 敷金 0 手数料は 0 フリーレントを原則にして 入居一時金を少なくして 良い入居者を確保する 滞納家賃には保険で対応する オーナーから手数料を出して業者が動きたくなるようにする 入居申し込みから1 ヶ月間は賃料を免除するフリーレントを活用して 良い入居者を確保する リフォームと掃除で入居者が入りたくなる綺麗な部屋にする 周辺のワンルームと比較して 入居者が入りたくなるあらゆるサービスと条件を整える工夫が必要になっています また 例えば 古いアパート マンションの場合は ペットを飼える 条件にして そのようなリフォームをして貸し出せば 比較的高く貸せます 更に例えば キッチンセットにIHクッキングヒーターを入れたり カーペットをウッド調のフロアタイル ( フローリング調のクッションフロアの改良版 ) にしたり 小さな風呂トイレ一体型をシャワーと洗面所に分離したりとか 和室を洋室化したりして 壁紙や押入のドア等をアクセントカラーにする 若者が好む洒落た部屋に改造することも必要です
(3) 利回り計算は 前二例と同様です 事例 8 浦安市堀江アパート一棟売り ワンルーム15 室 土地 50 坪 建物 75 坪 浦安市堀江 販売価格 1 億 2,680 万 オーナーチェンジ 月額賃料 852,000 円 年間賃料 10,224,000 円 管理費 7% 年間合計額 715,680 円 土地固定資産評価額約 28,000,000 円 建物固定資産評価額約 13,000,000 円 固定資産税約 260,000 円 物件条件 購入価格 1 億 26,800,000 円 a 年間賃料 10,224,000 円 b 初期費用 仲介手数料 ( 代金 0.0315+6.3 万 ) 4,057,200 円 移転登録税 約 600,000 円 ( 土地の固定資産税評価額 0.01)+( 建物の固定資産税評価額 0.02)+\60,000 円 抵当権設定登録費用 約 350,000 円 ( 借入金額 0.004)+ 30,000 円 ) 不動産取得税 約 1,260,000 円 ( 土地の固定資産税評価額 0.03) +( 建物の固定資産税評価額 0.03)+\30,000 円 初期費用合計 約 6,267,200 円 c 資金条件 自己資金 53,067,200 円 g アパートローン 80,000,000 円 年間ローン支払額 6,628,800 円 f ( 金利 3% 15 年返済の場合 ) 年間ローン返済額 = 借入金 100 万 月額返済指数 12 ヶ月 * 月額返済金 = 借入金 100 万 6,667 円 ( 金利 2.5% 15 年返済の場合 ) * 月額返済金 = 借入金 100 万 5,299 円 ( 金利 2.5% 20 年返済の場合 ) * 月額返済金 = 借入金 100 万 6,905 円 ( 金利 3% 15 年返済の場合 ) * 月額返済金 = 借入金 100 万 5,545 円 ( 金利 3% 20 年返済の場合 ) * 月額返済金 = 借入金 100 万 7,148 円 ( 金利 3.5% 15 年返済の場合 ) * 月額返済金 = 借入金 100 万 5,798 円 ( 金利 3.5% 20 年返済の場合 ) 管理コスト 管理費 ( 年 ) 715,680 円 修繕積立金 ( 年 ) 0 円 火災保険積立金 ( 年 ) 69,360 円 固定資産税 260,000 円 都市計画税 0 円 管理コスト合計 ( 年 ) 1,045,040 円 d 家賃保証料 ( 賃料の 10%) 1,022,400 円 e
表面利回り = 年間賃料収入 物件価格 = b a = 10,224,000 円 1 億 26,800,000 円 =0.0806( 年間利回り 8.06%) 実質利回り計算 初期コストを含めると b ( a+c ) = 10,224,000 円 ( 1 億 26,800,000 円 + 6,267,200 円 ) = 10,224,000 円 1 億 33,067,200 円 = 0.0768 ( 年間利回り 7.68%) 管理コストも考えると (b-d) ( a + c ) =( 10,224,000 ー 1,045,040 円 ) ( 126,800,000 円 + 6,267,200 円 ) = 9,178,960 円 1 億 33,067,200 円 = 0.0689( 年間利回り 6.89%) 家賃保証システムを使うと (b-d ー e ) ( a + c ) =( 10,224,000 円ー 1,045,040 円ー 1,022,400 円 ) 1 億 26,800,000 円 + 6,267,200 円 = 8,156,200 円 1 億 33,067,200 円 = 0.0612( 年間利回り 6.12% ) 空室率 20% の場合 (b 0.8 ー d) (a+c) =( 10,224,000 円 0.8 ー 1,045,040 円 ) ( 1 億 26,800,000 円 + 6,267,200 円 ) = 7,134,160 円 1 億 33,067,200 円 = 0.0536( 年間利回り 5.36%) 自己資金に対する実質利回りは (b-d ー e ー f ) g =( 10,224,000 円ー 1,045,040 円ー 1,022,400 円ー 6,628,800 円 ) 53,067,200 円 = 1,527,760 円 53,067,200 円 = 0.0287 ( 自己資本利回り2.87%)
事例 9 市川市新井マンション ( 一棟売り ) 事例 10 浦安市今川マンション ( 一棟売り )