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西洋医学の方法論 診断 治療 診察に基づく種々の検査 検査結果 障害臓器判明 病名の決定 ある疾患群に対する種々の治療 比較 統計処理 治療法 ガイドラインの作成 35 30 25 20 15 疾患 B 10 5 疾患 A 0 治療法 A 治療法 B

漢方医学の基本方針 生体のバランスの崩れを回復バランスを回復する方向へベクトルを持っていく治療法処方の選択を行う 恒常性 ( ホメオスタシス ) 虚 湯 温 寒涼 瀉す 湯 実 温熱 補う 寒

四診によって 目で見る望診 耳で聞きにおいをかぐ聞診 自覚症状に重きをおく問診 実際に触れる切診 舌診 証 を決定 頭髪 顔色 声 脈診 腹診 皮膚 爪 体臭 便臭 動作 歩き方

舌診

脈 診 浮 沈 浮 : 皮膚のすぐ下で打っている脈 病変が表にある 沈 : 深いところで打っている脈病変が裏にある 実 虚 実 : 反発力が充実 虚 : 無力なもの 病変の虚実を反映 数 遅 数 :1 呼吸に 4 拍以上打つ脈 熱のあることを示す 遅 : それ以下の脈 寒を表す 大 小 拍動する脈の大きさを診る 小脈は気血の不足 緊 緩 緊 : 緊張を感じる 実または寒を表す 緩 : 穏やかで正常な脈 滑 渋 渋 : 脈が指の下をドロドロと流れる感じ 瘀血を示す 滑 : 特に病のない状態 参考 : 寺澤捷年 : 絵で見る和漢診療学 医学書院

腹診

病態認識の種々相 五臓の概念 気血水の概念 生体の変調 六病位の概念 陰陽 虚実 寒熱 表裏の概念

オーダーメード の治療 一人ひとりの体質や病気の状態を見極めながら最適の漢方薬を使い分けて行く 同じ病気でも患者さんによって飲む薬が違う ひとつの薬がいろいろな病気に応用される どうびょういち同病異治 いびょうどうち異病同治 なるほどなっとく漢方薬より

漢方薬とは? 漢方薬は幾つもの生薬を組み合わせて作られた薬です 葛根 麻黄 大棗 葛根湯 芍薬 生姜 桂皮 甘草

西洋薬と漢方薬 西洋薬漢方薬 有効成分が単一 いくつもの生薬の組み合わせ 臓器 ターゲットを絞る 特定の症状や病気に効果を発揮 身体全体に働きかける 身体のバランスを整えることで結果病気を治す

漢方医学の基本方針 生体のバランスの崩れを回復する方向へベクトルを持っていく治療法 温 燥 潤 恒常性 ( ホメオスタシス ) を助ける治療 寒

病態認識の種々相ー基本の虚実と寒熱ー 五臓の概念 気血水の概念 生体の変調 六病位の概念 陰陽 虚実 寒熱 表裏の概念

抗病反応の弱 強による薬方の選択 発熱 悪寒自然発汗はない 熱がある頭痛がするのどが痛い 汗をかき易い衰弱している胃腸が弱い 実証 麻黄を含む処方で更に身体を温め発汗による解熱を図る 頻用処方 : 葛根湯 麻黄湯 虚証 桂枝湯などで程々に体温を上げ 保温など体力の温存 鼓舞を図りながら 治癒機転を窺う頻用処方 : 桂枝湯 香蘇散

寒証と熱証の考え方 寒証 乾燥傾向で蒼白 顔面 のぼせ 熱証 温かい物を好む湿潤傾向の舌 泡沫水様性 ( 白色 ) 下痢軟便, 頻尿傾向 口腔 喀痰鼻汁 大小便 口苦感, 粘る, 口渇, 冷たい物を好む黄色舌苔 粘稠性 ( 着色 ) 便秘傾向 ( 着色尿 ) 谿忠人 : 図表で見る現代医療の漢方製剤 医薬ジャーナル社より抜粋

寒証の治療 と 熱証の治療 寒証 の患者さんには? 代謝を亢進し末梢循環を改善する 温める薬 ( 温熱薬 ) を用いる 附子, 乾姜, 桂枝 ( 牛車腎気丸, 桂枝加朮附湯など ) 熱証 の患者さんには? 異常亢進した代謝を抑制し 解熱消炎する 冷やす薬 ( 寒涼薬 ) を用いる 石膏, 黄連, 黄芩 ( 黄連解毒湯, 白虎加人参湯など )

病態認識の種々相ー表裏と六病位ー 五臓の概念 気血水の概念 生体の変調 六病位の概念 陰陽 虚実 寒熱 表裏の概念

表 裏 - 病邪はどこにいるかー 表 : 体の表面 皮膚に近いところ 半表半裏 裏 : 消化管のあたり

表 証 表 : 体の表面 皮膚に近いところ 半表半裏 悪寒 項背部のこわばり 頭痛 関節痛 裏 : 消化管のあたり

表証の代表的処方 - 葛根湯 - 肩こり 首のうしろがこる 頭痛 悪寒 発熱 自然発汗がない 胃腸は虚弱ではない 体力あり ( 実 ) 体力なし ( 虚 )

半表半裏 表 : 体の表面 皮膚に近いところ 半表半裏 裏 : 消化管のあたり 口が苦い めまい のどが渇く 吐き気

半表半裏の代表的処方ー小柴胡湯 - 往来寒熱 口が苦い 首筋のこり ( 首のつけねから肩へ横にこる ) 食欲不振嘔気 肋骨弓付近が何となくつかえているみたいで気持ちが悪い 体力あり ( 実 ) 体力なし ( 虚 )

裏 証 表 : 体の表面 皮膚に近いところ 半表半裏 裏 : 消化管のあたり 腹満 便秘 腹痛 下痢

裏証の代表的処方ー真武湯 - めまい 体がふわふわとしてこころもとない 冷え症 ( 四肢の冷感 ) 体が重い 心悸亢進 腹痛下痢 全身倦怠感 体力あり ( 実 ) 体力なし ( 虚 )

初発少陽病六病位 - 漢方医学での急性病の考え方 - 太陽病陽明病陰病期死陽病期 体 力 病 太陰病少陰病毒 厥陰病

急性熱性疾患の経過 熱が出る時期 ( 陽病期 ) 元気がなくなる時期 ( 陰病期 ) 寒けや頭痛 食欲がなくなる 高熱が 出る 下痢して体が冷える すぐ疲れ横になりたがる 重篤な 状態 かぜのひきはじめ こじれたかぜ 悪性のインフルエンザ 消化器の働きが低下 ぐったりした状態 肺炎などの重篤な疾患 太陽病 少陽病 陽明病 太陰病 少陰病 厥陰病

病態認識の種々相ー気血水ー 五臓の概念 気血水の概念 生体の変調 六病位の概念 陰陽 虚実 寒熱 表裏の概念

気血水 - 生体を維持する 3 要素 - 漢方医学では 生体は気血水の 3 要素が体内を循環することによって維持されると考えます 気 目に見えない生命エネルギー生体における精神活動を含めた機能活動を統一的に制御する要素 血 水 気の働きを担って生体を循行する赤色の液体 気の働きを担って 生体を滋潤し 栄養する無色の液体

ネルギ汗 尿血 気の働き 気エ臓腑 ー器官 組織 津 液 排泄 気は生命活動のエネルギー源で 血 津液などを全身に循環させて栄養を供給し 臓腑 器官 組織に活動力を与え 汗や尿などを排出させる動力源にもなる

気 の異常 抑鬱傾向 胸苦しい 発作性頭痛 無気力 きうつ気鬱 喉のつかえ感 停滞 のぼせ 逆流 きぎゃく気逆 動悸 発作 不足 気力がない 食欲不振 ききょ気虚 疲れやすい 身体がだるい

りっくんしとう気虚の代表的処方ー補中益気湯 - 眼つきに力がない 口中に白沫を生じる 食欲不振 ( 味がわからない ) 腹部は軟弱臍の周りに動悸 食後に眠くなる 言語に力がない 微熱 寝汗などやや熱性傾向だが熱いものの飲食を好む みぞおちに軽い抵抗 脈は散大で力がない 気虚 : 気の働きが低下して 活力が落ちた状態 元気がない 疲れやすい 根気がないなどの症状が現れる 体力あり ( 実 ) 手足の倦怠 体力なし ( 虚 )

このイメージは 現在表示できません 気鬱の代表的処方ー半夏厚朴湯 - 気分がふさぐ不安 咽喉や食道部の異物感 みぞおちに軽い抵抗がある 気うつ : 気の巡りが悪くなっている状態 心の抑うつ 不安感が特徴的で 訴える症状は移り変わることが多い 胸がつかえた感じ 腹部は全体に柔らかいが少しはった感じ 体力あり ( 実 ) 体力なし ( 虚 )

気逆の代表的処方ー苓桂朮甘湯 - 頭痛 起立性めまい 身体動揺感 呼吸促迫 みぞおちがつかえる 心悸亢進 体力あり ( 実 ) 体力なし ( 虚 ) 気逆 : 気の循環の失調状態 気がのぼってきて のぼせや動悸が起きたり 消化管のガスが上がってげっぷが出たりする

血 の異常 眼輪部の色素沈着 月経障害顔面の色素沈着 お けつ 瘀血 唇の暗赤化 瘀血 : 血のめぐりが悪くなった状態 皮膚や粘膜の色が悪くなったり 月経異常などが起こる 気や水の異常と関連していることも多い 顔面蒼白 健忘 皮膚枯燥 貧血 けっきょ血虚 息切れ 血虚 : 血の作用が不足した状態 血を十分に作り出せないか 消費が多いのが原因 貧血や皮膚の乾燥などが起きてくる

とうきしゃくやくさん 色白で貧血傾向 疲れやすい めまい 頭痛 頭重 肩こり 腹部は全体に柔らかい 足腰の冷え みぞおちの下を軽く叩くとポチャポチャと音がする 臍の近くに軽い抵抗 圧痛がある月経不順 月経困難 体力あり ( 実 ) 体力なし ( 虚 )

けいしぶくりょうがん のぼせ 赤ら顔 肩こり 臍の近くに軽い抵抗 圧痛がある月経痛 月経異常 足は冷える 腹部は割と緊張がよい下腹部全体に軽い抵抗あり 体力あり ( 実 ) 体力なし ( 虚 )

かみしょうようさん 発作性の発汗 冷えのぼせ 不眠 イライラ 怒りやすい 肩こり みぞおちに軽い抵抗がある 疲れやすい 訴える症状が多彩で変化する 腹部は全体に柔らかい 体力あり ( 実 ) 体力なし ( 虚 )

水の偏りを正す漢方薬 五苓散 たちくらみ 車酔いしやすい 頭重感 めまい めまい感 すい どく 水毒 代表的な利水剤 体内の水分代謝異常を調整し, 正常に戻します 浮腫 ネフローゼ 二日酔など広く使用されます 水を巡らすそうじゅつぶくりょうちょれいたくしゃ 蒼朮茯苓猪苓沢瀉 ケイシ + 桂枝

利水 と 利尿 水毒 嘔吐 利尿 利水 浮腫 腎 循環 胃内停水 再吸収阻害 再分布 吸収促進 下痢 肛門 尿 利尿 尿 利尿 腎臓での水の再吸収を抑えて尿量を増やす利尿に対し 利水は水の流れを変えると考える 田代眞一月刊薬事 32(7):1409-1420 (1900)

病態認識の種々相 五臓の概念 気血水の概念 生体の変調 六病位の概念 陰陽 虚実 寒熱 表裏の概念

東洋医学の特徴 整体観 自然や宇宙との一体観で生体をみること 一体観は構造や機能すべてに当てはまり 大宇宙で成り立つ原理や原則は その構成要素にすべて当てはまると考える. 一個人が宇宙全体の中で有機的に機能する一要因であると同時に 個体もまた一個の有機体として全宇宙と同様の構造や原理で機能していることを意味する.

東洋医学の特徴 整体観

五行説 水から木が生まれ ( 木は水で育まれる ) 木 相生 木から火が生まれ ( 木は摩擦で燃える ) 水 火 金から水が生まれ ( 金属はその表面に水滴ができる ) 火から土が生まれ ( 燃えたものが灰土になる ) 金 土 土から金が生まれ ( 金属は土中から採れる ) 本 001475-38 1/1 漢方概論

五行説 水は火を消す 木 相克 木は根で土を抑える 水 火 金は木を切り倒す 火は金を溶かす 金 土 土は水を堰き止める 本 001475-40 1/1 漢方概論

五行学説 五行学説では 自然界も人間の体もすべて 5 つの要素に分けられると考え 諸現象はこれらのバランスのもとに成り立っていると説明する 行 季 方 気 化 色 味 臓 腑 竅 華 志 声 木 春 東 風 生 青 酸 肝 胆 目 爪 怒 呼 火 夏 南 暑 長 赤 苦 心 小腸 舌 脈 喜 笑 土 長夏 中 湿 化 黄 甘 脾 胃 口 唇 思 歌 金 秋 西 燥 収 白 辛 肺 大腸 鼻 皮毛 悲 哭 水 冬 北 寒 蔵 黒 鹹 腎 膀胱 耳 毛 恐 呻

五行 相克 肝木 相生 腎水 心火 肺金 脾土

五臓 相克 肝 相生 腎 心 肺 脾

腎は先天の本

脾は後天の本

樹木や風のように巡らせる肝

外殻としての肺

心は陽中の陽

症例 1(88 歳男性 ) 主訴 嘔吐 下痢 悪寒 既往歴 高血圧 糖尿病 逆流性食道炎 下肢閉塞性動脈硬化症 前立腺肥大症 末梢神経障害 アルツハイマー型認知症 現病歴 平素より下痢気味で耳鳴もあり めまいや寒気で倒れて救急搬送されることがたびたびあった X 年 6 月 10 日の朝から水様性下痢あり ( 腹痛なし ) 生ものや焼肉など特別なものは食べておらず 朝食べたケーキが悪かったのか と本人談だが 最近よくサーモンのお寿司をコンビニで買って食べていたと ( 次女談 ) 近医クリニックにかかり点滴の上シプロキサンを処方されて帰宅したが 翌 6/11 も食事がとれず嘔吐もあり 気分不良のため当院紹介 救急車にて来院 やはり腹痛はないが 嘔気 めまいあり 身体所見 呼吸数上昇 苦しい と呻吟あり 皮膚に黄染あり 腹部 : 軟 圧痛なし 体位変化やストレッチャー移動により強い嘔吐反射!! 内服薬 1 ドネペジル OD5mg/day 1T, 1 M 2 タムスロシン OD( ハルナール )0.2mg 1T, 1 M 3 バイアスピリン 100mg 1T, 1 M 4 シロスタゾール 100mg 1T, 1 M 5 オメプラゾン 10mg 1T, 1 T 6 ミヤ BM 3g 3 N 7 コタロー八味丸料 9g 3 N 8 メコバラミン 0.5mg 3 N 9 ストミン A 配合錠 ( 耳鳴り ) 3T 3 N 10 デパス 0.5 1T, 頓用 ( 気分不快時 )

輸液を行いながら プリンペラン メイロンなどの投与を行うが 嘔気 嘔吐のため ストレッチャーでの移動が困難な状態 内服困難のため 五苓散を注腸 数分後 症状軽減し歩行可能! CT 等検査可能となる 翌日院長に病棟で呼び止められ 五苓散の注腸なんて 初めて聞いた! と驚かれる 院長の力添えにより その後漢方外来開設となる

水の偏りを正す漢方薬 五苓散 たちくらみ 車酔いしやすい 頭重感 めまい めまい感 すい どく 水毒 代表的な利水剤 体内の水分代謝異常を調整し, 正常に戻します 浮腫 ネフローゼ 二日酔など広く使用されます 水を巡らすそうじゅつぶくりょうちょれいたくしゃ 蒼朮茯苓猪苓沢瀉 ケイシ + 桂枝

主訴 呼吸不全 症例 2(89 歳女性 ) 既往歴 前頭側頭型認知症 ( ピック病 ) 甲状腺機能低下症 現病歴 特老入所中 X-1/12/21 に嘔吐があり 食事を絶食にし 胃管にて 500ml の水 + 点滴 (1000ml/day) で経過観察していた 12/22 から SpO2 低下あり 酸素 ( マスク 2L) 投与 12/23 ご家族の希望で当院へ救急搬送 来院時 BUN:76.8mg/dl Cr:2.70mg/dl K:7.0mEq/l の上昇がみられ 脱水 腎不全として入院となった 現症 意思疎通困難 血圧 :103/38mmHg, 脈拍 :85/min. SpO2:99%(02 3l 投与 ) 眼瞼結膜貧血 (+) 眼球結膜黄染 (-) 頚部リンパ節腫脹 (-) 胸部 : 気管支狭窄音あり 心雑音 : なし腹部 : 平坦 軟 腸雑音低下 圧痛 (-) 自発痛 (-) 四肢 : 両上肢拘縮あり 前医処方 1 セロクエル (25)2T, 2 MA

( 血液学的検査 ) WBC 11900/μl Nt 93.5% Ly 9.4% Mo 6.6% Eo 0.4% Ba 0.1% RBC 345 万 /μl Hgb 10.5 g/dl Hct 32.7% Plt 16.4 万 /μl ( 生化学的検査 ) Alb 2.3 g/dl T.Bil 0.70 mg/dl AST 54 IU/l ALT 35 IU/l 入院時検査 γgtp 7 IU/l LD 287 IU/l CK 329 IU/l BUN 76.8 mg/dl Cr 2.70 mg/dl Na 125 mmol/l K 7.0 mmol/l Cl 94 mmol/l Ca 7.7 mg/dl UA 7.2 mg/dl BS 90 mg/dl CRP 26.09 mg/dl TSH 2.28 μiu/ml ft4 1.17 ng/dl ( 凝固系 ) PT% 44% APTT 35.2 秒 FDP 82.5μg/ml D-dimer 39.1 μg/ml ( 尿検査 ) 比重 :1.020 PH:6.0 蛋白定量 :30mg/dl 潜血定性 (2+) ケトン体 (-) ( 尿沈渣 ) 赤血球 5-9/hpf 白血球 50-99/hpf

入院後経過 1 入院の上で 絶食 グルコースインスリン療法やケイキサレート注腸などを行いながら フロセミドの間欠 持続投与 (~12/24) で利尿をはかった 入院時の血液培養 ( 鼠径 )2 セットのうち 1 セットから Klebsiella pneumoniae 検出 15/12/23-PIPC 12/27-PIPC CTRX( 血小板減少のため ) 12/30 まで CTRX 投与 全身状態 データなども改善したが 泥状 水様便が続くようになった CD toxin (-)

入院後経過 2 7 6 5 PIPC CT RX GFO+ オリゴワン ペプチノールアップル (200/day) ペプタスタンダードペプタスタンダード (300/day) (600/day) 6 泥状便 粘液便 水様便 1/27 真武湯 E7 Ⅱ (900/day) 2/8 退院 4 3 便秘のためピコスルファート投与 2 1 0 12 月 24 日 12 月 31 日 1 月 7 日 1 月 14 日 1 月 21 日 1 月 28 日 2 月 4 日

裏証の代表的処方ー真武湯 - めまい 体がふわふわとしてこころもとない 冷え症 ( 四肢の冷感 ) 体が重い 心悸亢進 腹痛下痢 全身倦怠感 体力あり ( 実 ) 体力なし ( 虚 )

主訴 血球減少 発熱 咳嗽 症例 3(74 歳女性 ) 既往歴 高血圧 糖尿病 脂質異常症 両側乳癌術後 現病歴 X 2 年 6/30 に両側乳癌に対し 左乳腺全摘 + 右乳房温存術施行 7/25-EC 療法 (EPI125mg, CPA690mg)6 クール施行 X 2 年 11/28 から X-1 年 1/7 まで RT( 計 50 グレイ /25 回 ) X-2 年 12/5- ホルモン療法 ( アリミデックス ) を施行されていたが 汎血球減少 (WBC:1600/μl, Hb:10.3g/dl, Plt:7.9 万 /μl ) のため X 1 年 10/16 中止 近医での処方も中止するが 血球減少が持続するため血液専門 C 病院に紹介となった 化学療法施行予定であったが X-1 年 12/29 に発熱 気管支炎で緊急入院となった TAZ/PIPC, ITCZ-OS, CFPM, AZT, MEPM, VCM などの抗生剤 抗真菌剤を投与されるも発熱 CRP 改善せず 1/18 からアムビゾーム投与を 2/22 まで行ったところ CRP12 2mg/dl への改善 しかし 1/22 に再度 CRP;11 への増悪を認め MEPM に変更 末梢血 FISH 法で 100 細胞中 86.0% が EV11/AML1 転座を有する MDS クローンの造血細胞であり強い易感染性 で 緩和ケアのお願い ( 紹介状より抜粋 ) とのことで X 年 2/26 に当院紹介 転院となった 現症 血圧 :173/86, 脈拍 :90, 体温 :36.8 度 SpO2:98 % 肺音 : 異常なし 心音異常なし 四肢に皮下出血あり 前医処方 1 ハイペン錠 200mg 2T, 2 MA 2 ランソプラゾール OD15mg1T 1xA 3 ディオバン 40mg 2T 2xMA 4 アムロジピン OD5mg 1T, 1 M 5 アルダクトン A25mg 3T, 1xM

( 血液学的検査 ) WBC 9800/μl Nt 26.0% Ly 18.0% Mo 56.0% Eo 0.0% Ba 0.0% RBC 289 万 /μl Hgb 8.9g/dl Hct 26.6% MCV 91.8 fl Plt 4.9 万 /μl ( 生化学的検査 ) TP 6.1 g/dl Alb 3.8 g/dl T.Bil 0.6 mg/dl 入院時検査 AST ALT LD CK BUN Cr Na K Cl Ca UA T.Cho 25 IU/l 85 IU/l 222 IU/l 11 IU/l 13.4 mg/dl 0.50 mg/dl 140 mmol/l 2.6 mmol/l 103 mmol/l 8.2 mg/dl 2.1 mg/dl 137 mg/dl ferritin 1235.5 mg/dl BS 191 mg/dl CRP βdg 2.45 mg/dl 3.2pg/ml ( 凝固系 ) PT% 42% APTT 27.0 秒 D-dimer 0.8 μg/ml ( 尿検査 ) 比重 :1.010 PH:7.5 蛋白定量 :15mg/dl 潜血定性 (-) ケトン体 (-) ( 尿沈渣 ) 赤血球 <1/hpf 白血球 <1/hpf

入院後経過 2/26 転入院 MEPM 2/27 3/5 発熱 3/7 3/23 3/4 人参養栄湯 CRP(mg/dl) (3/4)7.77 (3/10)8.86 (3/17)2.83 (3/28)0.70 (4/4)0.90 (4/21)0.24 (5/2)0.25 (5/10)2.90 MAP2 単位 10 9 8 ヘモグロビン (g/dl) 7 6 5 PC10 単位 4 3 血小板 ( 万 /μl) 2 1 0 2/22 2/29 3/7 3/14 3/21 3/28 4/4 4/11 4/18 4/25 5/2 5/9

貧血 息切れ咳 虚弱るいそう 診断のポイント 虚弱 衰弱者 四肢倦怠 虚熱 息切れ 食欲不振 自汗 心下悸 腹部軟弱 髙山宏世編著 腹證圖解漢方常用處方解説 より

症例 3 その後の経過 5/28 に自宅退院となり 外来で適宜輸血など行っていくことになったが 前医では退院不可能といわれていたためご本人やご家族は大変喜ばれた ( 前医からは 看取りを と紹介を受けていた ) 実はこの症例は漢方以外の代替 補完療法も併用していたが 患者さんの実感としては 音響励振療法と片岡式温圧療法が効果的であったとのこと

音響励振療法

サイマティクス療法 ( 音響励振療法 )

新生児黄疸の治療法 青色光線療法 の開発

1.8Hz 骨組織 2.6 結合組織 関節 心臓弁 2.6-3.4 横紋筋肉組織 心筋 3.4 筋肉組織 4.2 消化器系の上皮組織 4.9 肝臓 胆嚢組織 4.9-5.8 肝臓上皮組織 生殖器 5.8 咽頭のリンパ管気道 リンパ組織 脾臓 卵巣前立腺 6.6 抹消神経組織 副腎 甲状腺 7.4 脳の皮質下組織 脳橋 小脳 大脳辺縁 肺 8.2Hz 網膜 視神経 大脳皮質

片岡式温圧療法

これからも漢方をはじめとした種々の医療を勉強し 可能な限りあらゆる手段を用いて診療にあたりたいと思っています ご清聴ありがとうございました! May in 2013@Cluny Hill, Forres