当院における結石性腎盂腎炎について

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れいなつくとの
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1 当院における結石性腎盂腎炎オープンカンファレンス

2 本日の内容 1. 尿管結石症概論 2. 結石性腎盂腎炎の治療方針 3. 当院における結石性腎盂腎炎の治療成績

3 本日の内容 1. 尿管結石症概論 2. 結石性腎盂腎炎の治療方針 3. 当院における結石性腎盂腎炎の治療成績

4 上部尿路結石の年間罹患率 1 食生活や生活様式の欧米化 2 診断技術の向上 (CTや超音波検査が広く行われるようになった) 3 人口構成の高齢化尿路結石症診療ガイドライン 2013 年

5 当院における尿管結石症人数 ( 人 ) 歳 ( 年 )

6 臨床症状疼痛 : 発作性の激しい腰背部痛明け方に多い血尿 : 顕微鏡肉眼的血尿消化器症状 : 悪心嘔吐自律神経症状 : 冷感頻脈発熱 : 感染合併結石性腎盂腎炎に注意

7 診断問診 : 臨床症状既往歴家族歴の確認身体所見 : 腹部触診肋骨脊柱角叩打痛尿検査 : 血尿細菌尿血液検査 : 感染の有無腎機能障害の有無

8 診断画像検査超音波検査感度 (%) 特異度 (%) 腎結石尿管結石 Ray AA et al. Urology 2010 簡便! 水腎症 ( 尿路閉塞 ) の確認

診断画像検査 KUB 感度 (%) 特異度 (%) 尿路結石 44-47 88 HeidenreichA et al.

9 診断画像検査 KUB 感度 (%) 特異度 (%) 尿路結石 HeidenreichA et al. EurUrol2002 X 線透過性結石 ( 約 10%) 尿酸結石シスチン結石キサンチン結石 X 線非透過性結石 ESWL( 体外衝撃波結石破砕術 ) 可能

10 診断画像検査単純 CT 感度 (%) 特異度 (%) 尿路結石 HeidenreichA et al. EurUrol2002 診断能の高さ迅速性他疾患との鑑別における有用性から救急診療において第一選択の検査となっている

11 40 歳男性 c.c. 右腰背部痛 KUB

12 CT 40 歳男性 c.c. 右腰背部痛

14 本日の内容 1. 尿管結石症概論 2. 結石性腎盂腎炎の治療方針 3. 当院における結石性腎盂腎炎の治療成績

15 結石性 ( 閉塞性 ) 腎盂腎炎上部尿路結石による尿路閉塞を伴う腎盂腎炎しばしば重篤化し時に集中治療が必要な状態となりうる ( 急性複雑性腎盂腎炎による敗血症患者の死亡率は約 2% との報告もある ) Members of the American College of Chest Physicians Society of Critical Care Medicine Consensus Conference Committee:Crit Care Med 1992 水腎症膿瘍形成ガス産生などを伴う重篤で特殊な病態では迅速かつ的確に診断し必要に応じて泌尿器科的処置 ( ドレナージなど ) を行わなければならない JAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2015 尿路感染症男性性器感染症

16 重症治療困難例の要因敗血症 DIC 多臓器不全多発性結石大型結石感染性結石薬剤耐性菌高齢糖尿病担癌脳血管障害神経疾患循環器呼吸器疾患基礎体力低下

17 当院における結石性腎盂腎炎治療方針結石性腎盂腎炎尿管結石症腎盂腎炎なし即尿路ドレナージ尿管ステント ( 腎瘻 ) 自然排石不可結石治療 ESWL TUL 自然排石可経過観察重症化を防ぐより短い治療期間炎症鎮静化結石治療 ESWL TUL 尿管ステント ( 腎瘻 ) 定期交換

18 症例患者 :68 歳女性既往 : 肺癌主訴 : 発熱左腰部痛現病歴 : 2 日前から発熱左腰背部痛あり近医受診解熱剤で経過観察症状改善認めず紹介受診

19 来院時所見体温 38.3 腹部圧痛軽度腹部エコー : 左水腎症

20 来院時所見 CBC WBC /μl Neut /μl Hb 12.3 g/dl PLT /μl 尿沈渣 RBC 5-9 個 HPF WBC >100 個 HPF 生化 AST 38 IU/l ALT 33 IU/l ALP 273 IU/l γ-gtp 34 IU/l BUN 22.0 mg/dl Cr 0.79 mg/dl egfr 55 ml/min/1.73m 2 TP 6.5 g/dl Alb 3.6 g/dl CRP mg/dl Na 135 meq/l K 3.6 meq/l

21 KUB

22 CT 腎周囲脂肪織毛羽立ち左上部尿管 9 4mm 大

23 左尿管ステント留置

24 入院経過最高体温 ( ) WBC(/μ L) 尿血液培養 K.pneumoniae 入院 2 日目 3 日目 4 日目 5 日目 6 日目 7 日目 8 日目 9 日目 ( 退院 ) ステント留置 CAZ SBT/ABPC LVFX p.o.

25 退院後 ESWL1 回目 ESWL2 回目

26 症例 2 患者 :83 歳男性既往 : 頚髄損傷糖尿病主訴 : 発熱現病歴 : 施設入所中 39 発熱ありSBT/ABPC 投与も解熱認めず救急外来受診 CT 上尿管結石水腎症認め当科紹介受診

27 来院時所見体温 39.0 血圧 80/62mmHg, 脈拍 112 回 / 分, SpO2 92%(ra) CBC WBC /μl Neut /μl Hb 11.8 g/dl PLT /μl 凝固 Fibrinogen 461 mg/dl FDP 13.2 μg/ml PT-INR 1.33 尿沈渣 RBC >100 個 HPF WBC >100 個 HPF 生化 AST 47 IU/l ALT 15 IU/l ALP 216 IU/l γ-gtp 15 IU/l BUN 31.8 mg/dl Cr 1.45 mg/dl egfr 36 ml/min/1.73m 2 Alb 3.0 g/dl CRP mg/dl Na 132 meq/l K 4.1 meq/l HbA1c 5.8 %(NGSP)

28 KUB

29 CT 腎周囲脂肪織毛羽立ち左上部尿管 20 10mm 大

30 左尿管ステント留置

31 入院経過最高体温 ( ) WBC(/μ L) 尿血液培養 ESBL 産生 E.Coli ショックバイタルステント留置 PMX rtm,ig DOA BIPM

32 退院後 ESWL 4 TUL

34 本日の内容 1. 尿管結石症概論 2. 結石性 ( 閉塞性 ) 腎盂腎炎概論 3. 当院における結石性腎盂腎炎の治療成績

35 対象 2011 年 1 月から 2015 年 12 月まで結石性腎盂腎炎と診断した 67 例方法患者背景起炎菌結石治療の経過早期ドレナージの有無における起炎菌解熱までの日数抗菌薬点滴期間入院期間施設入所の有無における耐性菌の割合について後ろ向きに検討した

36 患者背景 n=67 年齢中央値 ( 歳 ) 81(39-98) 男性 : 女性 24:43 結石長径中央値 (mm) 7(3-24) 既往歴脳血管疾患 21 例糖尿病 15 例パーキンソン病 3 例脊柱疾患 3 例 PS(JCOG) 0~2 28 例 3~4 39 例施設入所 16 例

37 敗血症性ショック 7 例 (10%) DIC 合併 7 例 (10%) D-Jステント留置可能留置不能腎瘻 r-tul 保存的治療保存的治療 ( 患者家族希望 ) 56 例 8 例 2 例 1 例 5 例 3 例平均抗菌薬点滴期間 ( 日 ) 6.5(3~13) 解熱まで ( 日 ) 2.7(1~8)

38 起炎菌菌種検出数 ESBL 産生 LVFX 耐性 CAZ 耐性 Escherichia coli 35 14(40%) 22(63%) 15(43%) Enterococcus faecalis Klebsiella pneumoniae Pseudomonas aeruginosa Proteus mirabilis その他尿 ( 分腎 ) 培養陽性 :67 検体 74 菌腫血液培養陽性 :21 検体 24 菌腫

39 施設入所有無の耐性菌割合施設入所あり n=16 施設入所なし n=51 LVFX 耐性菌 11 例 (69%) 16 例 (31%) CAZ 耐性菌 8 例 (50%) 15 例 (29%) ESBL 産生菌 7 例 (44%) 10 例 (20%)

40 早期ドレナージ群 VS 保存的加療群早期ドレナージ群 n=59 ( 尿管ステント 56 例腎瘻 2 例 r-tul1 例 ) 保存的加療 n=8 平均入院期間 ( 日 ) P = (4~59) 20.1(9~61) 平均抗菌薬点滴投与期間 ( 日 ) P= (3~13) 7.8(6~12) 解熱まで ( 日 ) P= (1~8) 3.5(1~8)

41 結石治療 ( 早期ドレナージ症例に施行 ) ESWL TUL ESWL+TUL 定期ステント交換自然排石 24 例 12 例 3 例 12 例 9 例 Stone free rate:82% * 結石治療は炎症改善し一旦退院後施行

42 まとめ結石性腎盂腎炎は重症化しうる疾患であり速やかに尿路閉塞解除が望ましいほぼ全例に早期ドレナージを行うことで速やかに解熱し比較的早期に退院可能であった施設入所入退院歴を有する患者層が増加するに伴い耐性菌保菌者が増加しており重症例では広域抗菌薬の使用が望まれる

43 ご静聴ありがとうございました

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性 2019 年 2 月 13 日放送 ESBL 産生菌と尿路感染症の治療戦略岡山大学病院泌尿器科講師和田耕一郎はじめに私が頂きましたテーマは ESBL 産生菌と尿路感染症の治療戦略ですこれから ESBL 産生菌の分離状況や薬剤感受性さらに岡山大学病院泌尿器科における抗菌薬の使用例について紹介したいと思います尿路感染症を取り巻く状況まず尿路感染症を取り巻く状況について説明します近年各種抗菌薬に耐性を示す細菌の増加が国内外で大きな問題となっていることに加えて

当院における結石性腎盂腎炎 について

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