2. 環動高分子材料の調製と応用環動高分子材料の原料としては 軸分子に PEG 環状分子にa-CD キャッピング分子としてアダマンタンを用いたポリロタキサンが 現在のところ収率などの点で最も優れており 量産化が進んでいる 環動高分子材料の特性を発揮させるためには CD 環が長い距離を動ける方がよいの

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高分子材料 高分子材料の新 新しいエントロピー しいエントロピー しいエントロピー弾性 弾性 東京大学大学院新領域創成科学研究科 東京大学大学院新領域創成科学研究科 伊藤 東京大学大学院新領域創成科学研究科 伊藤 耕三 e-mail kohzo@k.ukohzo@k.u-tokyo.ac.jp tokyo.ac.jp 電話 FAX 電話 04--7136-3756 3756 1 はじめに はじめに 超分子化学 超分子化学の中でも でも特に 幾何学的 幾何学的に に拘束さ れた分子から から構成されているトポロジカル されているトポロジカル されているトポロジカル超分 子は最近大 最近大きな注目 注目を集めている めている その その典型的 な例が 線状高分子 線状高分子が多数の環状分子 線状高分子 環状分子を を貫き さらに環状分子 環状分子が抜 抜けないように けないように大きな きな分子で 高分子の両末端 両末端を留 留めたポリロタキサン ロタキサン ロタキサン構造で 1 ある 19900 年ころに に Harada ら 1) は a-cyclodextrin cyclodextrin (CD)と polyethylene glycol (PEG) (PEG)を水溶液中 水溶液中で混 合したところ したところ自己組織的 自己組織的に多数 多数のa- CD と PEG が包接錯体 包接錯体を形成することを することを初 初めて発見 発見し さ 図1 環動高分子材料の模式図 環動高分子材料 模式図 らにその両末端 両末端を大 大きな分子で で封止した たポリロタキサンの ポリロタキサンの合成 合成に成功した した 我々は 2000 年ころにポリロタキサン ころにポリロタキサン ころにポリロタキサン構造を利用 利用して 従来 従来とは全 全く異なる架橋高分子 架橋高分子 材料を合成 合成した 2) 具体的には には図1のように のように 高分子量 高分子量の PEG を用いて いてa-CD がすかすか に入ったポリロタキサンを ったポリロタキサンを合成 ったポリロタキサンを合成し 次に異 異なるポリロタキサン なるポリロタキサン上のa-CD なるポリロタキサン CD を化学的 化学的に架橋す す ることで 8の字状 字状の架橋点が が自由に動 動く高分子材料 高分子材料を初めて めて作成し し これを環動高分子 環動高分子 材料 Slide Slide-Ring Ring Materials Materials と名付 名付けた このような このような架橋点が自由 自由に動く く高分子材料 高分子材料は 1999 年に de Gennes3)が sliding gel と と名づけて けて理論的に に考察した例 例があるのみで のみで概念としても としても新 新 しく 日米中欧 日米中欧で物質 物質に限定され されない基本特許 基本特許が成立済 成立済みである みである 1839 1839 年にグッドイヤー グッドイヤー による化学架橋 化学架橋の発見以来 発見以来 架橋高分子材料 架橋高分子材料 架橋高分子材料については については 架橋点 架橋点が固定 固定していることを していることを前 前 提としてこれまでに としてこれまでに実験 理論 としてこれまでに 理論の両面で で膨大な研究 研究が行なわれてきたが なわれてきたが 2000 なわれてきたが 年 年になって になって 架橋点が自由 自由に動く く材料が初めて めて登場し し 架橋高分子材料 架橋高分子材料に に関するこれまでの するこれまでの常識 常識が次々 々 と塗り替えられつつある えられつつある 本講演 えられつつある 講演では 以上のような のような背景を を踏まえ 環動高分子材料 環動高分子材料につ につ いての特に に最近の研究例 研究例を紹介 紹介する

2. 環動高分子材料の調製と応用環動高分子材料の原料としては 軸分子に PEG 環状分子にa-CD キャッピング分子としてアダマンタンを用いたポリロタキサンが 現在のところ収率などの点で最も優れており 量産化が進んでいる 環動高分子材料の特性を発揮させるためには CD 環が長い距離を動ける方がよいので 軸分子はなるべく長く また包接する CD の数は比較的少ない方が好ましい 一例として分子量 35000 程度の PEG を軸とし 90 100 個の CD を包接した 試料 4) などがよく用いられるが 他にも様々な合成例が報告されている また ポリロタ キサン中の CD の数の制御もある程度可能であり ポリロタキサンおよび環動高分子材料の構造や物性は CD の包接率によって大きく変化することが分かっている このようにして得られた PEG/CD のポリロタキサンは CD 間の強い分子内 分子間水素結合のため 水や大半の有機溶媒には溶解しない ポリロタキサンの良溶媒としてはこれまでに DMSO NaOH 水溶液 Li 塩を含む DMAc や DMF 環状アミンオキシド Ca(SCN) 2 水溶液 イオン液体などの特殊な溶媒が報告されている 5) このポリロタキサンの溶解性の問題は CD の修飾によって劇的に改善され ポリロタキサン誘導体では水やアセトン トルエン クロロホルム 酢酸ブチルなどへの溶解も可能である ( 難溶性であるセルロースが修飾によって有機溶媒や水に可溶になるのと同様 ) ポリロタキサンの架橋には 未修飾の場合には水酸基どうしの架橋剤 誘導体の場合にはそれ以外の架橋剤やあるいは光なども利用できる 一方 環動高分子材料の軸高分子としては PEG 以外の様々な高分子が利用可能である 実際に我々は 軸高分子にポリシロキサンあるいはポリブタジエンとg-CD を用いた環動高分子材料や PEG と PPG のブロックコポリマーとb-CD を用いた環動高分子材料の合成に成功している 6) 低包接率のポリロタキサンでは CD は軸分子にそって移動したり軸分子の周りを回転したりできると考えられている このような性質を特に環動性と呼んでいる 環動高分子材料は CD の環動性により架橋点が自由に動くために 従来の架橋点が固定されたエラストマーやゲルとは大きく異なる特性を示す たとえば 環動ゲルは乾燥重量に対し最大 24000 倍の膨潤率 ( 純水膨潤時 ) 元長に対して 24 倍の伸長率を示す またゲルとして 80 90% の溶媒 ( 水 ) を含みながらゴムのように伸び縮みする いわゆるエラストマー様の引張り特性を示す さらに 血管や皮膚などの生体組織と同様のJ 字型の応力伸長特性を示すことから 生体代替材料としての応用が期待されている 7)

3. スライもし架橋と 外力が形態変化にヤング率はれた高分子ことが知らング率は何図 2 は ある 高分できるのにない環状分その結果 ントロピー新たなエンーの減少に呼んでいる最近の中 ( スライデことが分か予想されるすなわち運動はとも先に動き出性が現れるり 高分子様に 架橋環状分子がが消失してイディング橋点が本当がかかってに基づくエは架橋密度子材料いわられている何によって 環動高分分子が環状に対して 分子は架橋 自由な環ーが減少すントロピーに基づくエる 中性子スピディングモかっているる ち 低温 もに凍結し出すのは高る ( ゴム状子は架橋点橋点は固定が動き出すて スライグ弾性当に自由に動ても高分子のエントロピー度に比例せわゆるゴムる それでて決まってい分子を横に状架橋点を 架橋点間橋点を通り抜環状分子の分する これがー弾性を生みエントロピーピンエコーのモード ) は る すると 高周波ではしており ガ高分子のミク状態 ) このと点をすり抜け定された状態すとともに イディング運動き 高分の形態は常ー弾性が発せず 通常のムに比べてはでは 環動高いるのであに伸長したとを自由に通り間に存在する抜けること分布が不均が 環動高み出すことー弾性 すの測定結果 高分子セ 環動高分は高分子のガラス状態をクロブラウとき環状分けることが態にある 高分子が運動による分子が架橋点常に等方的に発生しないこの架橋が固はるかに小高分子材料あろうか ときの模式り抜けるこる架橋されとができな均一になっ高分子におとになる こすなわちゴム果によれば セグメントの分子材料のダのミクロブラを示す 温ウン運動であ分子のスラができない さらに温度が架橋点を自るスライディ一軸点を十分にになってしことになる固定さ小さい料のヤ式図でことがれていない ってエおけるこれを 従ム弾性と区 自由な環のミクロブダイナミクラウン運動温度の上昇ああり ガラライディング すなわち度が上がる自由にすりィング弾性軸伸長されに速く通りしまうのでる 実際に従来の高分区別してス環状分子のブラウン運クスは図 3 動と環状分あるいは周ラス転移をグ運動はまち 通常のるか周波数りぬけるよ性が現れる図 2 れた環動高り抜けることで いわゆるに 環動高分分子の形態エスライディンのスライディ運動に比べ一 3 のようにな分子のスライ周波数の低下を経ていわゆまだ凍結したのゴムや化学数が下がるとようになり る ( スライデ高分子材料 とができるる高分子の分子材料のエントロピング弾性とィング運動一般に遅いなることがイディング下に伴い ゆるゴム弾たままであ学ゲルと同と 今度は ゴム弾性ディング状 るののピと動いがグ 弾あ同は性状

態 ) このようにゴム弾性からスライディング弾性に変化することを スライディング転移 と呼ぶことにする スライディング転移やスライディング状態の存在は 環動高分子材料 の最も重要な特徴であると考えている 図 3 環動高分子材料のダイナミクス 最近我々は 実際にいくつかの軸高分子の異なる環動高分子材料でスライディング転移の観測に成功している また 簡単な理論モデルに基づいてスライディング弾性を計算して求めたところ 弾性率は 環状分子の包接率に比例するとともに 架橋密度の 1/3 乗に比例するという結果が得られた もし包接率が高く スライディング弾性がゴム弾性より大きい場合には スライディング領域にあったとしても通常のゴムと同様に高分子の形態が変形し スライディング弾性は見えなくなるはずである 実際に そのような実験結果も得られている 4. 環動エラストマーの物性ポリロタキサンにポリカブロラクトンなどをグラフトし 他の高分子をブレンドして架橋すると ゴムのような無溶媒の材料すなわちエラストマーを作成することができる 7) このような方法で作成した環動エラストマーの諸物性を以下に示す 以下の測定結果はすべて アドバンスト ソフトマテリアルズ株式会社から提供されたものである

表 1 環動エラストマー (SeRM エラストマー ) の諸物性 まず表 1からわかるように 一般に環動エラストマーは 弾性率 ( ゴム硬度 ) と圧縮永久歪がともに小さいという特徴がある また図 4に 環動エラストマ ーの tand の周波数依存性を示す 環動 エラストマーでは 振動の吸収を非常に 図 4 環動エラストマーの tand の周波数依存性 広い周波数帯域にわたって大きくする ことが可能であり 実に 5 桁以上にわた り 1 以上の tand が実現できる これは 振動と音響を 1 つの材料で同時に吸収で 図 4 環動エラストマーの透明性 tand の周波数依存性

きることを意味しており 振動吸収材料としての応用が注目を集め始めている その他に環動エラストマーは 図 5のようにきわめて高い透明性を示す これは 環動エラストマーのきわめて高い均一性を示している 環動エラストマーが きわめて低い永久歪や透明性を示すのは 環状分子や軸高分子のスライ ディング運動が常に材料の均一性を保つためであると解釈し ている 図 5 環動エラストマーの透明性 一方環動エラストマーは 図 5のように無機フィラーを大量に分散しても ゴムのように弾性率やヒステリシスが著しく大きくならないという特徴も示す したがって 無機フィラーの分散剤として有効であり 高熱伝導性 高導電性あるいは高誘電性エラストマーへの応用が期待されている たとえば 高誘電性環動エラストマーを用いた軽量 高出力 低電圧駆動の誘電アクチュエータの開発が進んでいる さらに 環動エラストマーは塗膜として用いると 顕著な耐傷特性や耐剥がれ性を示す 自動車 携帯電話 コンピュータなどのコーティングへの応用が盛んに検討されており 携帯電話ではすでに実用化もされている 図 6 環動エラストマーの応力伸張曲線 微粒子を分散しても応力伸張曲線がほとんど影響を受けない 5. 環動ゲルの伸張誘起膨潤と溶媒透過特性化学ゲルを溶媒中で一軸伸長すると 高分子の形態に異方性が生じてエントロピーが減少するため 異方性を緩和するために伸長と垂直方向にゲルが膨潤する これを伸長誘起膨潤特性と呼んでいる ゲルの膨潤特性を記述するFlory-Rhenerモデルによれば 伸長誘起

膨潤におけきわめてよゲルの伸長 Flory-Rhen によって定示した実験また 環透過特性を形特性が観は 溶媒のに対して 見られ しって大きくンオフ特性見されたのれは 特に著しく妨げ架橋密度のに対し 低グ運動が常ところが圧ると やはのスライデ均一系からこり 通常化したと解すなわち本ストマーが明性や低い子材料と本けるポアソよく一致し長誘起膨潤 ner 理論から定性的に説験結果にな環動ゲルのを測定した観測されたの透過速度 環動ゲルしかもそのく変化して性がゲルののは 世界に低静水圧げられていの低い部分低静水圧下常に材料の圧力があるはり環状分子ディング運ら不均一系常ゲル膜と同解釈してい本実験結果が示すきわい永久歪と本質的に異ソン比は伸長しており F 潤におけるポら大きく外説明することなっている の圧力下におたところ 著た 通常の化度は圧力に比ルではオンオの閾値が架橋ている このの溶媒透過特界で初めてで圧領域で溶媒いるというこ分を常に溶媒下の環動ゲルの均一性を保る閾値を超え子や軸高分運動によって系に転移が起同じ特性にいる ( 図 8) 果は 環動エわめて高い透とも密接に関異なる特性を図 8 長率にほと Flory-Rhene ポアソン比外れる結果ととが可能で おける溶媒著しい非線化学ゲルで比例するのオフ特性が橋密度によのようなオ特性で発である こ媒の透過がことが異常媒が透過すルでは 前保とうとすえ分子て起に変 ) エラ透関係していを示すこと図 8 環動ゲルとんど依存せ er 理論の妥比は 特に低となっていであり 架橋媒線でのがよオこが常である 通することで溶前述したようするために いる 以上のとが明らかに図 7 環動ル膜の静水せずに一定妥当性を見事低伸長領域いる 8) これ橋点が実際通常のゲル溶媒透過特うな環状分 溶媒の透のように環になった 動ゲル膜の溶水圧による均定になる こ事に示して域で伸長率にれは 架橋点際に動いていル膜は架橋に特性が線形に分子や軸高分透過性が著し環動高分子は 溶媒透過特均一 不均これは 実ている しかに強く依存点が動いていることをに不均一性になってい分子のスラしく妨げらは 従来の特性 均一転移 実験結果とかし 環動存し ていることをマクロに性があり いる これライディンられている の架橋高分動

参考文献 1) A. Harada et al., Nature, 356, 325 (1992). 2) Y. Okumura and K. Ito, Adv. Mater., 13, 485 (2001). 3) P. G. de Gennes, Physica A, 271, 231 (1999). 4) J. Araki et al., Macromolecules, 38, 7524 (2005). 5) J. Araki and K. Ito, Soft Matter, 3(12), 1456 (2007). 6) K. Kato et al., Macromolecules, 43, 8799 (2010). 7) J. Araki et al., Soft Matter, 4, 245 (2008). 8) N. Murata et al., Macromolecules, 42 (21), 8485 (2009).