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スライド 1

交通結節点が備えるべき機能を整理すると 最も基本となるものとして があり これに加えて 都市機能の誘導 集積を促進させ 都市内の中心的な拠点地区を形成する 及び 都市の顔 となる 交通結節点の計画 整備の検討においては 先に示した の三種の機能がそれぞれ交通結節性 人の交流や景観等の面で役割を果たし

Microsoft Word - 概要版.doc

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8略都市スライド東北(郡山市)全部 [互換モード]

Microsoft Word - H180119コンパクトシティ説明用_仙台市_.doc

目次

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

目次 1 1. 奈良市中心部の道路交通環境 1) 広域的な自転車利用ネットワーク P2 2) 幹線道路の交通状況 ( 交通量 ) P3 3) 幹線道路の交通状況 ( 混雑状況 ) P4 2. 自転車事故の分析結果 1) 道路種別別 ( 国道 県道 市道 ) 自転車事故発生状況 P5 2) 自動車交通

1 見出し1

Microsoft Word 交通渋滞(有明アーバン)_181017

1 見出し1

資料 2 主要渋滞箇所 ( 案 ) の抽出方針について ( 一般道 ) 平成 24 年 8 月 9 日

Ⅴ.( 仮称 ) 登大路バスターミナル整備計画 3-3. 平面図 (1) 地上部 1 階平面図 33


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Microsoft PowerPoint - 潟上市地域公共交通網形成計画(最終)

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1 基本的な整備内容 道路標識 専用通行帯 (327 の 4) の設置 ( 架空標識の場合の例 ) 自 転 車 ピクトグラム ( 自転車マーク等 ) の設置 始点部および中間部 道路標示 専用通行帯 (109 の 6) の設置 ( 過度な表示は行わない ) 専 用 道路標示 車両通行帯 (109)

(Microsoft Word - \201\2403-1\223y\222n\227\230\227p\201i\215\317\201j.doc)

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01_表紙

5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要 棋士のまち加古川 をより幅広く発信するため 市内外の多くの人が 将棋文化にふれる機会や将棋を通じた交流を図ることができる拠点施設を整備するとともに 日本将棋連盟の公式棋戦 加古川青流戦 の開催や将棋を活かした本市独自のソフト事業を展開する 5-2

計画的な再開発が必要な市街地 特に一体的かつ総合的に再開発を促進すべき地区 市町名 名称 再開発の目標 土地の合理的かつ健全な高度利用及び都市機能の更新に関する方針 特に整備課題の集中がみられる地域 ( 課題地域 ) 地区名 西宮市 C-4 浜脇 ( 約 175ha) 居住環境の向上 良好な都市景観

7-3 上田城南地域 (1) 将来像 ( 将来像 ) 水と緑と多様な都市機能が調和し快適な暮らしの環境が整ったまち ( 基本目標 ) 千曲川をはじめ産川や浦野川 小牧山や上田原古戦場 半過岩鼻など奇景や原風景の残る豊かな自然や農地を大切に保全するとともに 秩序ある都市空間づくりを進めます 良好な住環

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【論文】

2-2 需要予測モデルの全体構造交通需要予測の方法としては,1950 年代より四段階推定法が開発され, 広く実務的に適用されてきた 四段階推定法とは, 以下の4つの手順によって交通需要を予測する方法である 四段階推定法将来人口を出発点に, 1 発生集中交通量 ( 交通が, どこで発生し, どこへ集中

4. 基本的な方針太田市が目指す将来像や公共交通が果たすべき役割を踏まえて 以下の4つを計画の基本的な方針とし 太田市にふさわしい公共交通ネットワークの形成を図ります 公共交通の役割取組みの方向性市民の移動手段の確保 おうかがい市バスによる高齢者 障がい者等の通院 買物等の移動手段の確保 学生 生徒

市町合併という基本的枠組みの変更に対応した 市全域を対象とした計画の見直し 少子高齢化をはじめとする本市を取り巻く社会経済情勢の変化に対応した計画づくり 総合計画や都市計画区域マスタープランなど 上位関連計画との整合 調整の必要性 都市計画マスタープランは 都市計画法第 18 条の 2 に基づいて策

NITAS の基本機能 1. 経路探索条件の設定 (1) 交通モードの設定 交通モードの設定 とは どのような交通手段のネットワークを用いて経路探索を行うかを設定するものです NITASの交通モードは 大きく 人流 ( 旅客移動 ) 物流( 貨物移動 ) に分かれ それぞれのネットワークを用いた経路

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地域公共交通確保維持改善事業 事業評価 ( 生活交通ネットワーク計画に基づく事業 ) ( 別紙 1) 資料 3 平成 23 年度 平成 24 年 4 月 23 日 協議会 構成員 上田市公共交通活性化協議会 上田市 上田バス 千曲バス 事業名 補助対象事業者等 事業概要 1 事業実施の適切性 2 目

の復旧状況に関する長期的な見通しを可能な限り明らかにしながら 復旧の段階に 応じた役割の分析を行う 5) 交通事業者ヒアリング調査沿線地域に関係する交通事業者 ( 鉄道事業者 2 社 バス事業者 2 社 タクシー事業者 2 社その他 ) に聞き取り調査を行い 定性的な利用特性や地域の公共交通の問題点

01 【北海道】

目 次 1 目指すべき方向の策定に当たって 背景 目的 2 山梨県内の公共交通の現状と課題 本県を取り巻く環境 本県のバス交通の現状等 観光客と利用する交通手段等 3 山梨県のバス交通の目指すべき方向 背景と課題 基本的な考え方 基本理念 実現する将来像 基本目標 4 広域的な路線 5 地域内路線

計画の目的 多様化する生活交通ニーズへの対応 効率的 効果的な生活交通サービスの構築 山陽小野田市では 生活交通バス路線維持 通学児童定期補助 福祉タクシー券の発行等 上記の施策が行われており 生活交通の確保を図っている 行政負担 サービスの地域間格差 交通活性化計画 生活交通の現状と問題点の把握

これらのご要望などを踏まえ 本技術を開発しました 本技術により渋滞予知の精度は大幅に向上し 渋滞があると予測した時間帯において 所要時間の誤差が30 分以上となる時間帯の割合が 従来の渋滞予報カレンダー 7 の8.2% に対して0.8% 20 分以上となる割合が26% に対して6.7% となり また

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2. 本市の上期観光入込客数について平成 27 年度上期観光入込客数は 総数 377,300 人で 前年の 351,600 人より 25,700 人 7.3% の増となった その内訳として 道内客が 84,900 人で 前年の 94,200 人より 9,300 人 9.9% の減 道外客が 292,

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( 様式 -2a 調査概要 ) Ⅰ 調査概要 1 調査名称 : 平成 26 年度神埼市総合都市交通体系調査 2 報告書目次 1. 業務概要 (1) 都市計画道路見直しの必要性 (2) 都市計画道路見直しのスキーム (3) 検討結果の分類 2. 路線の抽出 (1) 都市計画道路の整理 抽出 (2) 検

平成20年度内部評価実施結果報告書《本編》

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-2-


数値目標 事業開始前 ( 現時点 ) 平成 28 年度 (1 年目 ) 平成 29 年度 (2 年目 ) 平成 30 年度 (3 年目 ) 港湾取扱貨物量 556 万トン 4 万トン 0 万トン 20 万トン 観光入込客数 2,899.4 万人回 -9.5 万人回 1.9 万人回 1.9 万人回 7

2

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

資料 -2 国道 24 号烏丸通 歩行者 自転車通行安全協議会 国道 24 号烏丸通の概要 平成 30 年 3 月 国土交通省近畿地方整備局京都国道事務所

(5) 老上西学区 1 まちづくりの方向性 1-1. 生活拠点の形成と交通環境の充実 既存の生活拠点を中心とした 50 戸連坦制度の厳守等により市街地の拡散を抑制するこ とで 利便性の高い生活環境を維持していくものとします 老上西学区は 東側から南側にかけての一帯が市街化区域に含まれ ( 主 ) 大

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県民を対象とした需要喚起方策の検討検討方針県民を対象とした需要喚起方策の検討では 今年度調査の主なターゲットのうち 都心部への自動車流入抑制 を対象とする まずは 都心部への自動車流入抑制に関する最新事例の整理を行う それを参考に 沖縄本島を対象としたケーススタディを行い 需要喚起効果及び課題を整理

Microsoft Word - 07_今後の課題.docx

4-(1)-ウ①

Microsoft PowerPoint - 2_「ゾーン30」の推進状況について

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2. 各学区のまちづくりの方向性と将来ビジョン 第 3 章で整理した各学区の現状 課題等を踏まえ 学区ごとにまちづくりの方向性 ( 基本方針の 3 つの柱の何に該当するのか ) を整理します 方向性を踏まえ 施策の柱ごとに具体的なビジョンを検討します (1) 常盤学区 1 まちづくりの方向性 1-1

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平成 25 年 2013 年 2013 加賀市観光 加賀市観光統計 統計 長期推移 大聖寺川 流し舟 舟 片山津温泉 花火大会 山中温泉 鶴仙渓川床 川床 加佐の岬 岬 山代温泉 大田楽 =========================== 目 次 ========================

8. ピンポイント渋滞対策について 資料 8

1. 国内主要観光都市の入込観光客数の比較 鎌倉市 ( 資料 ) 日本観光協会 全国観光動向 平成 15 年度 同 平成 4 年度 ( 資料 ) 鎌倉市観光基本計画 ( 平成 8 年度策定 ) 2. 主要観光施設の時間帯別入込み比率 34

Microsoft Word - 【H 現在版】■ガイドラインv8.doc

Microsoft Word _MICE_Q&A(最終案)

4. 都市づくりの目標と方針 4-1 都市づくりの基本理念 地域の個性が輝く生活快適都市 上田 ~ 魅力あるふるさと活気ある交流風格ただようまち ~ 基本理念の意味あい 上田市は 歴史 文化 自然 産業などに恵まれた特色ある地域から成り立っており 各地域が個性を発揮し 連携し合い 交流を促進しながら

4.1 自転車駐車場の現状 (1) 公営の自転車駐車場の状況区内の公営の自転車駐車場には 区立施設のほか 公益財団法人練馬区環境まちづくり公社と公益財団法人自転車駐車場整備センターが開設している施設があります 現在 公営自転車駐車場は 84 箇所あり そのうち区立の施設は 72 箇所 収容台数は 3

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コンパクトシティ構想 2つの柱 ( 郊外の開発抑制 + 中心市街地の活性化 ) まちなか住み替え事業 や 家賃補助制度 を行っているが 借りたい人はいるが 貸したい人がいない という状況 コンパクトシティという構想だけでは 民間資本は動かない (= 補助金などのインセンティブが必要 ) 中心市街地活

- 目次 - 1. 基本構想策定の趣旨と役割 1 2. 交通バリアフリー法 2 3. 焼津市移動円滑化基本構想策定体制及び上位計画との関連 4 4. 重点整備地区及び特定経路について 6 5. 地区別の現状把握 整備の目標 心のバリアフリー 24 参考資料 1. 人口と高齢者

スマートICの事業費の基準について

3. 京都府へ来た旅行者の総合的満足度 京都府への旅行者で 満足度が全国平均より高くなっている項目は 食 特産品 大人が楽し めるスポット ホスピタリティ となっている 資料 : じゃらん旅行調査 4. 京都府全域と宇治市の観光入込客の推移 京都府全域と宇治市の観光入込客数の推移をみると 京都府 宇

今後の進め方について

1 はじめに

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Microsoft Word narakouen-s .doc

訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート 調査の概要 訪日外国人旅行者を対象に 旅行中に困ったこと 受入環境 ( 多言語対応 通信環境 公共交通等 ) へのニーズ 満足度等に係るアンケートを実施した 訪日外国人利用者の多い成田国際空港 東京国際空港 関西国際空港を中心とした空港

沖縄でのバス自動運転実証実験の実施について

スライド 1

が実現することにより 利用希望者は認証連携でひもづけられた無料 Wi-Fi スポットについて複数回の利用登録手続が不要となり 利用者の負担軽減と利便性の向上が図られる 出典 : ICT 懇談会幹事会 ( 第 4 回 )( 平成 27(2015) 年 4 月 24 日 ) 2. 現状 日本政府観光局

01-11_20-22.indd

(Microsoft Word p55\201`61\201E\221\3464\217\315.doc)

減道路標識の改善 これまでの取組例 ( 観光渋滞 交通対策 ) 道路空間の再配分 渋滞対策 公共交通との連携 観光地の交通対策 観光地周辺の流入規制 〇路肩を活用し 駐車待ち車両を本線交通から分離することで渋滞を緩和 通常 取組 幅広路肩 2.25m 0.50m とし 1 車線分確保 ( 台 ) 8

磐田市水道事業ビジョン

施設までの距離は 地区中心付近からのおおよその距離 大原台 回答者の年齢構成 3 5 主な (2 箇所の行き先 ) 10% 1 70% 主な行き先 フレスタ沼田店 ( 約 0.7km) ビッグハウス沼田店 ( 約 1km) 買物目的 :7 :1 : 最寄り駅 大原 ( 約 0.7km) 駅 :88

姫路市及びたつの市における連携中枢都市圏形成に係る連携協約 姫路市 ( 以下 甲 という ) 及びたつの市 ( 以下 乙 という ) は 連携中枢都市圏構想推進要綱 ( 平成 26 年 8 月 25 日付け総行市第 200 号総務省自治行政局長通知 ) に基づく連携中枢都市圏である播磨圏域 ( 以下

CONTENTS

中期行動計画成24 年度の具体的な行動計画成24 年度の取組結果18 ( 財 ) 札幌勤労者職業福祉センター [ 所管課 : 経 ) 雇用推進課 ] 1 団体目標 新方針重点取組目標 18 ( 財 ) 札幌勤労者職業福祉センター 1 団体の廃止 新公益法人制度への対応平成 28 年度までは 施設の用

堺市新金岡地区の自転車通行環境整備のアンケート 交通量調査結果について 堺市新金岡地区において 歩行者 自転車利用者が安心して通行できる安全なまちづく り を目指し 自転車通行環境の整備を行いました 自転車通行環境モデル地区において 平成 22 年 ~ 平成 23 年に自転車道 歩道の視覚 分離の整

1 1,200m ,482,620m 1 323,825m 1 205,988m 114,988m 60,000m 31,000m ,837m ,158,795m ,340m 1 48,006m 1 33,016m 1,125m

市街化調整区域の土地利用方針の施策体系 神奈川県 平塚市 神奈川県総合計画 神奈川県国土利用計画 平塚市総合計画 かながわ都市マスタープラン 同地域別計画 平塚市都市マスタープラン ( 都市計画に関する基本方針 ) 平塚都市計画都市計画区域の 整備 開発及び保全の方針 神奈川県土地利用方針 神奈川県

by ( 2003) =

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2. 現状と課題 3 大津市の観光地としての課題 大津市の観光地として成長するには強みを磨き上げていく事と並行して 他の観光地と比較し課題を明らかにする事が大切です 大津市の観光地としての課題は 複数の調査結果をまとめ 次の5つであると考えています 1 一人あたりの来訪者の現地小遣いが低い 2 来訪

1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

スライド 1

別紙 町田市観光まちづくり リーディングプロジェクト ( 案 ) 町田市


Transcription:

資料 2 奈良中心市街地 公共交通総合連携計画 ( 案 )

2. 奈良中心市街地の現状と課題 2.5 奈良中心市街地の交通課題 奈良中心市街地の況から 市街地では自動車交通量が多く 休日および平日ともに旅行速度が低く 20km/h を下回っている状況にあります 以降では 休日の観光交通および平日の日常交通に着目して 交通の側面からの課題を示します 2.5.1 観光交通に関する課題 現状 課題 目標 観光動態 観光入込客数 奈良市の観光入込客数は 平成 10 年比率でほぼ横ばい (P15) 来訪交通手段 周遊状況 奈良中心市街地への公共交通の分担率は増加傾向で 平成 25 年には 6 割を占める 目的地別の交通手段は ならまち界隈 奈良公園界隈 では自動車での来訪割合が減少しているものの 依然として自動車割合は一定割合残っている (P16) 奈良公園界隈 ならまち界隈 を中心とした周遊観光が多い (P17) 課題 1: 奈良公園界隈 ならまち界隈を中心とした移動環境の向上 課題 6 へ 奈良公園 中心市街地の移動環境の向上 中心市街地内周遊バス ぐるっとバス 奈良観光周遊バス ぐるっとバスの春季利用者数は 増加傾向 これまでの利用状況を踏まえ 平成 25 年秋のぐるっとバスは 3 ルート運行 (P18-19) 奈良観光周遊バスの利用者は 増加傾向 これまでの利用状況を踏まえ 平成 25 年秋の観光周遊バスは 2 ルート運行 (P20-21) 課題 2: ぐるっとバスや奈良観光周遊バスなど 既存の公共交通のさらなる利用促進 観光バス 駐車場予約システムの利用状況 駐車場予約システムの秋季平均予約率は 7 割 春 秋のピーク時には 利用台数が駐車容量を上回ることがあり 周辺道路の渋滞発生の一因に (P22) 課題 3: 駐車場入庫待ち車両のさらなる削減 P&R 利用状況 実施 各駐車場とも 一定数の P&R 利用台数が存在 (P23) 観光目的の自動車交通について 奈良中心市街地への流入抑制を目的に実施 (P24) 課題 4: 駐車場への案内 誘導の強化などによる既存の P&R の利用促進 課題 5: 渋滞対策に資する意識啓発の充実 渋滞の緩和 交通結節点 情報案内板 乗り継ぎ利用の促進 バスの乗り場や所時間 時刻表などを表示するデジタルサイネージの利用者は 6 割が満足している一方で 1.5 割は不満と回答 (P25) 奈良中心市街地のバスが一日乗り放題となる乗車券に関する取り組みを実施 木簡型一日フリー乗車券利用者のうち 9 割が満足 販売枚数は増加傾向で 平成 25 年秋季は平成 23 年の 2 倍に (P26-27) 課題 6: 快適な乗り継ぎ環境の確保に向けた公共交通結節機能の向上 公共交通機関利用者に対するサービス向上 情報提供 公共交通 P&R に関する広報として アクセスナビ チラシやポスターを実施 関連する広報の認知は 3 割にとどまる (P28) 1

2. 奈良中心市街地の現状と課題 2.5.2 日常交通に関する課題 現状 課題 目標 通勤 通学 企業規模 奈良中心市街地の事業所は 民間企業が 7 割 従業員 20 人以下の規模の企業が 7 割 (P29) 企業立地状況 大半の事業所は 鉄道およびバスの圏域内に立地 (P29) 通勤 通学流動 奈良市内々や大阪府 京都府間の人の動きが多い (P30) 自動車通勤と削減意向 通勤時の交通手段 マイカー通勤の削減意向と理由 通勤時の交通手段は 鉄道 バスが 5 割弱 一方で 自動車の割合は 3 割超 (P31) マイカー通勤削減意向のある企業は全体の 4 割 それ以外の企業のうち 3 割が 取り組むきっかけがない 取り組み方が不明 などの意見であり きっかけづくりなどが重 (P31) 課題 7: 公共交通サービス水準の高い奈良中心市街地において マイカーから公共交通への転換を促進 マイカー通勤から公共交通利用への転換 鉄道交通 乗車人員 奈良中心市街地内にある鉄道駅の乗車人員は 減少傾向 (P32) 路線バス 運行状況 奈良中心市街地の路線バスは 高いサービス水準で運行 (P33) 利用状況 路線バスの利用者数は 年間 2170 万人 (P33) 2

3. 基本理念および計画目標 3.1 基本理念 奈良中心市街地内で 観光客 市民双方にとって移動のしやすい空間を創出するためには 自動車利用から公共交通利用への転換を促進することが重であり そのためには公共交通の利用環境向上に向けて取り組んでいくことが不可欠です 行政 交通事業者の積極的な取り組みはもとより 市民 観光客などの関係者相互の協力により 公共交通で快適に移動できる地域を創出することを念頭に置き 次の理念を掲げるものとします 地域に親しまれ 観光客に好まれる 公共交通網の構築による地域活性化の実現 理念 1: 地域の快適性向上と活性化 理念 2: 観光客の満足度向上 理念 3: 世界遺産など 奈良の文化財や自然環境の保護 3.2 計画目標 本理念を踏まえ 課題を解決するための本計画の目標として 奈良中心市街地において 過度に自動車に頼らず 公共交通で快適に移動できる交通体系の確立を目指します 本計画の計画目標として 右のとおり設定します 種類 観光 交通 (1) (2) (3) 計画目標渋滞の緩和公共交通機関利用者に対するサービスの向上奈良公園 中心市街地の移動環境の向上 具体目標奈良中心市街地における旅行速度の向上公共交通の分担率奈良市の観光入込客数 日常交通 (4) マイカー通勤から公共 交通利用への転換 公共交通への転換者数 3

3. 基本理念および計画目標 平均旅行速度 (km/h) (1) 渋滞の緩和 : 奈良中心市街地における旅行速度の向上 奈良中心市街地における渋滞を緩和させ 快適な観光を実現するため 主道路における 旅行速度を向上させることを目標とします 平均旅行速度 (km/h) < 平成 28 年度 > 現況値 15.2(km/h) 目標値 20(km/h) 以上 図. 計画目標 : 平均旅行速度の対象区間 7 時 ~19 時の 12 時間の平均旅行速度 (km/h) 奈良公園と平城宮跡など 主な観光施設へのアクセス道として利用する主道路である 大宮通り ( 国道 24 号東側 ) を対象 休日秋季 : 西行き 15.2(km/h) 東行き 19.9(km/h) 春季 : 西行き 18.0(km/h) 東行き 20.9(km/h) 目標値は 公益財団法人道路交通情報センター (JARTIC) の渋滞情報 一般道路 20km/h 未満は混雑 を参照に設定 25.0 20.0 15.0 10.0 5.0 15.2 19.9 18.0 20.9 20km/h 0.0 西行き東行き西行き東行き 秋季 春季 出典 : 平成 24 年 10 11 月 平成 25 年 4 5 月の民間プローブデータ ( ホンダインターナビ統計データ ) 図. 大宮通りにおける休日の平均旅行速度 現況値 目標値 ( 例 :1300 年祭時 ) 60% JR 近鉄路線バス奈良観光周遊バスぐるっとバス自動車徒歩その他 n=443 65% JR 近鉄路線バス観光バス自動車徒歩その他 n=619 出典 : 平成 25 年 11 月休日中心市街地来訪者アンケート調査平成 23 年 11 月休日中心市街地来訪者アンケート調査 図. 公共交通の分担率 4

3. 基本理念および計画目標 観光入込客数 ( 万人 ) (3) (1) 奈良公園 中心市街地の移動環境の向上 : 奈良市の観光入込客数 奈良中心市街地における移動環境を向上させ 公共交通での周遊観光を促進させることに よって 奈良市の観光入込客数を増加させることを目標とします 観光入込客数 現況値 1,397( 万人 / 年 ) < 平成 28 年度 > 目標値 1,507( 万人 / 年 ) 奈良市内への観光入込客数 奈良市第 4 次総合計画に記載の観光入込客数 平成 21 年 :1,397 万人 / 年 平成 27 年 : 1,491 万人 / 年のトレンドを考慮し 平成 28 年度の値を推定し 目標値として設定 出典 : 奈良市第 4 次総合計画 2,000 1,500 1,000 500 0 計画策定時の現状値 1,397 1,397 万人 第 4 次総合計画の観光入込客数の目標値を参考に設定 平成 28 年計画策定時推定値の目標値 1,491 1,491 万人 1,507 万人 1,507 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 一次線形式 :y = 15.667x + 1224.7 により予測 出典 : 奈良市第 4 次総合計画に基づき予測 図. 観光入込客数の推移と目標設定 (4) (1) マイカー通勤から公共交通利用への転換 : 公共交通への転換者数 従業者などへの公共交通に対する意識を向上させることによって 日常の交通手段につい て マイカーから公共交通への転換者数を増加させることを目標とします 公共交通への転換者数 現況値 0( 人 / 年 ) 目標 < 平成 28 年度 > より多くの人をマイカーから転換 5

4. 実施施策 4.1 施策体系 計画目標を達成するための施策体系を右に示します 施策実施にあたっては 関係機関と充分に協議しながら進めていきます 種類 計画目標 1 渋滞の緩和 1 2 実施施策渋滞対策に資する効果的な広報の実施パーク & ライドの実施 モニタリング指標 1チラシおよびポスター配布枚数 箇所数 2HP アクセス数 3 放送回数 1 利用台数 3 駐車場利用の平準化 1JR 奈良駅市営駐車場の利用台数 4 観光バスの需調整 1 予約台数 2 予約率 観光 交通 2 公共交通機関利用者に対するサービスの向上 5 鉄道駅などでの乗り継ぎ利便性の向上 1 情報端末利用者数 2 木簡型一日フリー乗車券の販売数 3 奈良公園 中 6 ターミナルの検討 心市街地の移動 環境の向上 7 観光拠点間の移動環 1 ぐるっとバス利用者数 境の充実 8 ならまち界隈の動線確保 1 大宮通りと大森高畑線の東向き交通量の比率 2ならまち振興館入館者数 日常交通 4 マイカー通勤 から公共交通利 用への転換 9 モビリティ マネジメ ントの実施 1 マイカー通勤から他の通勤手段への 転換者数 6

4. 実施施策 4.2 施策 それぞれの事業は 以降に示すとおりであり 取り組み状況および効果を定期的に把握するために モニタリング指標を設定します (1) 施策 1: 渋滞対策に資する効果的な広報の実施 鉄道駅 高速 SA/PA などにおけるチラシの留め置き ポスターの掲示 ホームページの充実 これまでの広報事業を参考にして 認知度が高いことが確認された鉄道駅や高速 SA/PA において チラシ ポスターによる広報を実施します 奈良中心市街地における観光目的利用者を対象に 魅力的な観光情報を紹介するためのポータルサイト : アクセスナビの情報充実化を図ります 観光案内に加え ぐるっとバスや周遊観光バス さらには P&R 駐車場などを分かりやすく示すことで 公共交通の利用促進を図ります P&R の利用促進に 自動車来訪者に対して 奈良中心市街地で公共交通を利用し資するラジオ 道路て観光してもらうために P&R を推進します 情報板などでの情 P&R 駐車場に関して自動車運転中でも情報を取得可能な 報提供ラジオや道路情報板 案内看板や横断幕の設置を行います (2) 施策 2: パーク & ライドの実施 R24 高架下駐車場 と 奈良市役所駐車場 などで P&R を実施し ぐるっとバス等で観光周遊を促進し 奈良中心市街地の交通渋滞を抑制します 指標 1: 利用台数 124 台 / 日 ( 平成 25 年秋季 ) 奈良県 奈良市 (3) 施策 3: 駐車場利用の平準化 指標 1: チラシおよびポスター配布枚数 箇所数 チラシ :14,520 枚 27 箇所ポスター :115 枚 7 箇所 ( 平成 25 年秋季 ) 指標 2:HP アクセス数 7,822 回 / 月 ( 平成 25 年 ) 指標 3: 放送回数 48 回 / 月 ( 平成 25 年 ) 奈良県 奈良市 分かりやすい駐車場案内の整備 JR 奈良駅前周辺駐車場の利用促進 円滑な駐車場利用を促進させるために 駐車場案内システムを整備するとともに 駐車場への案内 誘導を充実します JR 奈良駅周辺駐車場の料金見直しなどにより 奈良中心市街地における駐車場利用の平準化を促進し 渋滞の緩和を図ります 指標 1:JR 奈良駅市営駐車場の利用台数 401 台 / 日 ( 平成 25 年秋季 ) 奈良県 奈良市 図. ポスターおよびチラシ 7

4. 実施施策 (4) 施策 4: 観光バスの需調整 (6) 施策 6: ターミナルの検討 観光ピーク期間に観光バスが来訪する時間帯を分散し 駐車場への入庫待ちによる渋滞を解消するため ウェブ上での予約を基本とする観光バス駐車場予約システムを継続的に実施します 奈良公園への来訪公共交通手段と公園内を走行するぐるっとバスとの交通結節機能を向上させるために 基本計画を策定して 乗り継ぎ利便性向上に向けたターミナルの検討を行います 指標 1: 予約台数 69 台 / 日 ( 平成 24 年 ) 指標 2: 予約率 63.3%( 平成 24 年 ) 奈良県 - 奈良県 (5) 施策 5: 鉄道駅等での乗り継ぎ利便性の向上 情報案内強化による乗り継ぎ利便性の向上 鉄道駅からバスへの快適でかつ円滑な乗り継ぎが可能となるように 鉄道駅にてバス停の位置やバスルートなどの運行情報に関する案内を行います 近鉄奈良駅構内の観光案内所の前に設置しているデジタルサイネージ ( 電子看板 ) について バス停の乗り場案内 おすすめバス観光ルートなどの案内情報の強化を図ります 奈良中心市街地内における公共交通による周遊観光を促進す木簡型一日フリーるために 継続的に木簡型一日フリー乗車券を製作 販売し乗車券の企画 販売ます (7) 施策 7: 観光拠点間の移動環境の充実 奈良公園や平城宮跡 ならまちなどの観光地 鉄道駅などを結ぶ周遊バス ( ぐるっとバス等 ) について 運行形態などを見直しながら 継続的に運行します 指標 1: 情報端末利用者数 48,246 人 / 月 ( 平成 25 年 ) 指標 2: 木簡型一日フリー乗車券の販売数 173 枚 / 日 ( 平成 25 年秋季 ) 奈良県 奈良市 JR 近鉄 奈良交通 協議会 指標 1: ぐるっとバス利用者数 738 人 / 日 ( 平成 25 年秋季 ) 協議会 図. デジタルサイネージおよび木簡一日フリー乗車券 8

4. 実施施策 (8) 施策 8: ならまち界隈の動線確保 (9) 施策 9: モビリティ マネジメントの実施 ならまち南エリアで周遊観光が多いことを踏まえ 観光および交通の両面について ならまちのエントランスとなる拠点を整備します その動線を確保するために JR 京終駅の役割強化や路線バスの活用を図ることによって 大宮通り ( 国道 369 号 ) への流入車両を分散させるなど 奈良中心市街地の渋滞を緩和させます 指標 1: 大宮通りと大森高畑線の東向き交通量の比率 指標 2: ならまち振興館入館者数 597 人 / 月 ( 平成 24 年 ) 奈良市 マイカー通勤削減の意向が高く 利用転換が可能な公共交通が整備されている事業所を主対象に通勤における公共交通への意識転換を図ります 指標 1: マイカー通勤から他の通勤手段への転換者数 奈良市 ならまち内々 ならまちと奈良公園間の動線を確保 図. 目指す観光客の周遊動線 9

5. 事業スケジュール 計画期間の各年度に実施する事業内容 計画目標 事業計画 奈良県 奈良市 事業計画期間 ( 年度 ) JR 近鉄 奈良交通 協議会 平成平成平成 26 年度 27 年度 28 年度 1 渋滞の緩和 渋滞対策に資する効果的な広報の実施 検証 実施 パーク & ライドの実施 検証 実施 駐車場利用の平準化 整備 情報の提供 検討 観光バスの需調整 検証 実施 2 公共交通機関利用者鉄道駅などでの乗りに対するサービスの向継ぎ利便性の向上上 検証 実施 3 奈良公園 中心市街地の移動環境の向上 ターミナルの検討 設計 整備 観光拠点間の移動環境の充実 運行 検証 整備 ならまち界隈の動線確保 拠点整備 検証 4 マイカー通勤から公共交通利用への転換 モビリティ マネジメントの実施 調査 検証 10

6. 推進体制 6.1 推進体系 本計画を確実に推進して実現していくためには 住民 交通事業者 行政など それぞれが自らの役割を認識し 分担しながら果たしていくことが重です 事業主体は奈良中心市街地の交通状況および課題 基本理念 目標を相互に理解 共有し 緊密な連携を図りながらより快適な観光および日常生活の実現に向けて 公共交通で快適に移動できる地域の創出を進めていくこととします 関係主体の役割 推進体系 主体 住民など 観光客交通事業者行政 役割 啓発活動などを通して 通勤 通学 私用などの全ての移動目的に関して 公共交通機関を使う意識を醸成し 無駄な自動車利用を減らして公共交通機関を積極的に利用する役割を担う 広報などを確認して公共交通機関を利用する役割を担う やむを得ずマイカーでの観光客は P&R を積極的に利用する役割を担う 企画切符などのサービスや広報活動をさらに充実させ 行政との連携を図りつつ公共交通利用促進を図る また 交通モード間での連絡強化を図り 利便性の高い公共交通を構築する役割を担う 県 市 国が協働し 円滑な事業実施に努めるとともに 公共交通利用促進に関して 交通事業者を支援する役割を担う 11

6. 推進体制 6.2 事業推進に係る目標達成状況および施策効果検証の実施 奈良中心市街地における公共交通を取り巻く環境 ( 利用状況 交通事業者の状況 行政の財政状況 社会状況など ) は 時間の経過とともに今後も変化することが予想されるため 本計画で定める事業内容においても その変化に適切に対応すべく 定期的な見直しを行うことによって 持続可能な公共交通の確率を図ることが重です 本計画では PDCA サイクルによって 計画の策定 (Plan) 事業実施 (Do) 評価 (Check) 柔軟な見直し (Action) についてマネジメントを行い 効率的かつ効果的な事業の実施へとスパイラルアップを図ります 今後も定期的に協議会を開催し PDCA サイクルに従って各モニタリング指標に基づいた評価を行いながら 改善を図りつつ 各事業を推進していきます PDCA サイクルによるスパイラルアップのイメージ 12