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て 弥生時代に起こったとされています 結核は通常の肺炎とは異なり 細胞内寄生に基づく免疫反応による慢性肉芽腫性炎症であり 重篤な病変では中が腐って空洞を形成します 結核は はしかや水疱瘡と同様の空気感染をします 肺内に吸いこまれた結核菌は 肺胞マクロファージに貪食され 細胞内で増殖します 貪食された

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仮面尿崩症を呈した神経サルコイドーシスの1例 症例報告 不明熱にて発症し 仮面尿崩症を呈した神経サルコイドーシスの1例 笹森 寛 泉山典子 齋藤若奈 宍倉 裕 菊地 正 三木 2 3 4 5 6 鈴木靖士 齋藤泰紀 手塚文明 武村民子 江石義信 祐 菊池喜博 要旨 症例は20歳男性 2007年3月末より38 台の発熱出現し近医受診 CTにて縦隔リンパ節腫脹および両側肺野 に10 mm内外の空洞性病変を複数認めた 気管支肺胞洗浄検査 BAL および経気管支肺生検 TBLB を施行 するも診断確定せず 精査目的に同年6月当科紹介となり 胸腔鏡下に肺とリンパ節の生検を行った 病理組織 では壊死と硝子化を伴った類上皮細胞肉芽腫を認めるも悪性所見や結核菌等病原菌は認められず サルコイドー シスの診断確定した 8月より食思不振 悪心嘔吐に頭痛も加わってきたため神経サルコイドーシスを疑われ入 院し MRIにて髄膜炎の所見があり髄液中の細胞数増加も認められ サルコイドーシスによる髄膜炎と診断した 当初尿量増多は認めなかったが プレドニゾロン PSL 60 mg/day投与開始後に多飲多尿出現し仮面尿崩症が 顕在化した ステロイド投与により発熱や頭痛などの症状は改善みられ 髄液細胞数も減少したためステロイド 漸減後退院 外来通院加療となった 日サ会誌 2009; 29: 35-40 キーワード 神経サルコイドーシス 不明熱 空洞 仮面尿崩症 PAB抗体 はじめに の空洞性病変および肺門 縦隔リンパ節の腫脹を認 サルコイドーシスは原因不明の全身性肉芽腫性疾患 めた ツベルクリン反応は陽性 12 12 mm で であるが サルコイドーシスのおおよそ5 程度に中 ACEは12.0 U/Lと正常範囲であった 気管支鏡等施 枢神経病変を生じるといわれ 本邦でも2004年の全 行するもBALFでリンパ球分画の増加を認めるものの 国調査では7.2 に神経病変を認めたと報告されてい CD4/CD8比2.47であり TBLBでも特異的所見得ら る 一方 サルコイドーシス初発症状として発熱は れず診断確定に至らなかったため精査目的に6月当科 諸外国に比して本邦報告例では頻度が少ない 今 紹介となった 6月28日胸腔鏡下肺生検施行し 肺 回我々は不明熱で発症し ステロイド投与により尿崩 組織およびリンパ節に多数の類上皮細胞肉芽腫が認め 症が顕在化した中枢神経サルコイドーシスの症例を経 られた 結核菌等は陰性であり 病理組織的に結節型 験したので報告する サルコイドーシスと診断した 眼病変 心病変 皮膚 2 2, 3 症例呈示 病変は認めなかった 8月より悪心 嘔吐出現 体重 減少や頭痛も加わるようになり 胃内視鏡では逆流性 症例 20歳 男性 食道炎を認めるのみであったが制吐剤やファモチジン 主訴 発熱 投与にても改善せず 髄膜炎を疑われ9月3日当院入 既往歴 家族歴 特記すべき事なし 院となった 喫煙歴 20本/日 1年 入 院 時 現 症 身 長170 cm 体 重52.0 kg 血 圧 現病歴 生来健康であったが 2007年3月下旬よ 116/82 mmhg 脈 拍107 ppm整 脈 体 温37.9 り38 台の発熱出現し近医にて抗生剤など投与され SpO2 97 結膜に貧血 黄疸認めず 頸部以下表在 るも改善しなかった 胸部X線にて両側肺門部リン リンパ節触知せず 胸部聴打診上異常なし 腹部所見 パ節腫脹を認め CT上両側肺野に直径10 mm前後 異常なし 意識清明 JCS-0 項部硬直 ± 麻痺 1 独立行政法人国立病院機構仙台医療センター呼吸器科 2 同 神経内科 3 同 呼吸器外科 4 同 臨床検査科病理 5 日本赤十字社医療センター病理部 6 東京医科歯科大学大学院人体病理学 著者連絡先 笹森 寛 ささもり かん 983-8520仙台市宮城野区宮城野2-8-8 独立行政法人国立病院機構仙台医療センター 呼吸器科 E-mail sasamori@snh.go.jp 日サ会誌 2009, 29 35

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仮面尿崩症を呈した神経サルコイドーシスの1例 症例報告 Figure 1. Chest X-ray on first visiting our hospital, showing bilateral hilar lymphadenopathy and thin-walled cavities in both lung fields. Figure 2. Computed tomography on first visiting our hospital, showing bilateral hilar and mediastinal lymphadenopathy and thin-walled cavities in both lung fields. Figure 3. Brain MRI on admission, showing a well-enhanced mass in the hypothalamic area and pituitary gland. 日サ会誌 2009, 29 37

症例報告 仮面尿崩症を呈した神経サルコイドーシスの1例 a b c Figure 4. Histological findings of lung biopsy specimen obtained by VATS. a Low power view shows epithelioid cell granulomas with central necrosis and hyalinization. Hematoxylin-eosin, 4 b Central eosinophilic necrosis of an epithelioid cell granuloma with giant cell. Hematoxylin-eosin, 20 c Fine granules in a giant cell of the same granuloma are immunohistochemically positive to PAB antibody. Positive reaction to PAB antibody was also observed in epithelioid cells. 100 考察 つなど結核との鑑別は最後まで問題となった サルコ サルコイドーシスの肺野病変は多彩であり びまん イドーシスの空洞病変は原発性空洞と続発性空洞に分 性小粒状影や線維化病変が知られているが 空洞性陰 類され 原発性空洞は肉芽腫中心部の虚血性壊死に基 影や多発結節影を呈することは少ない 本症例は当初 づくと考えられており サルコイドーシスの数 以下 ACE正常 ツ反陽性 TBLB陰性であったため従来 程度と稀ながらも中枢神経サルコイドーシス合併の複 のサルコイドーシス診断基準では臨床診断群にも合致 数の報告例がある 5 結核菌や真菌などの感染による せず 2006年に改訂された新診断基準 4 に照らして もの あるいは中枢側気管支の閉塞のための気腫性嚢 も臨床診断群としてよいか判断は難しかった 全身状 胞等を原因とする場合は続発性空洞とされている サ 態は良好ながらほぼ毎日38 前後の発熱が認められ ルコイドーシス剖検肺66例の検討では10例に空洞を 肺野病変は空洞を形成しておりサルコイドーシスと 認めたが うち8例にアスペルギルス感染を伴ってい しては非典型的であったため 胸腔鏡下肺生検を行っ た 6 本症例は原発性空洞に合致しており 本症例の た 最終的に組織診にてサルコイドーシスの診断確 ような原発性空洞は肉芽腫の融合した結節性肉芽腫の 定したが 組織像でも硝子化主体ながら壊死巣が目立 中でも血管浸潤の強い一亜型と考えることもできる 38 日サ会誌 2009, 29

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