資料 -1-2 液状化危険度 土砂災害危険度土砂災害危険度の評価評価手法 1 液状化危険度の評価... 3 1.1 液状化危険度の評価手法... 3 1.1.1 内閣府の手法との比較... 3 1.1.2 PL 値と地表加速度の関係の設定... 5 1.1.3 前回調査の手法との相違 ( 評価対象の基準 )... 6 1.1.4 液状化危険度の評価結果... 6 1.2 液状化に伴う地盤の沈下量... 9 2 土砂災害危険度の評価... 10 2.1 土砂災害危険度の評価手法... 10 2.1.1 対象とする現象 箇所... 10 2.1.2 急傾斜地崩壊危険箇所の評価手法... 10 2.1.3 地すべり危険箇所の評価手法... 12 2.1.4 山腹崩壊危険地区の評価手法... 12 2.2 土砂災害危険度の評価結果... 12 添付資料 13 1 道路橋示方書の手法 (FL 値の算出 ) 13 2 PL 値の算出方法 15 1
2
1 液状化危険度の評価 南海トラフの巨大地震モデル検討会の二次報告において 液状化危険度の評価手法及び 液状化に伴う地盤の沈下量の推定方法が示された 1.1 液状化危険度の評価手法 1.1.1 内閣府の手法との比較 内閣府の手法は 道路橋示方書 同解説 (2002 年 3 月発行 ) に基づき PL 値に より液状化危険度を評価しており 第 1 回委員会で提示した今回想定の手法 ( 添付 資料参照 ) と基本的に同じである しかしながら 以下の相違がある PL 値 : ある地点での液状化の可能性を総合的に評価するための指標であり 一般に PL 値が 15 以上の場合 液状化の危険がかなり高いとされている (1) 南海トラフ ( タイプ Ⅰ) の地震動特性地震動特性によるによる補正係数 ア内閣府 Cw=1.0 Cw: 地層が有する動的せん断強度比 R を求める際に 地盤の繰り返し三軸強度比 RL を補正する係数 (R = Cw RL) イ広島県 ( 案 ) 東北地方太平洋沖地震の被害実態の調査結果を踏まえた 東日本大震災千葉県調査検討専門委員会 ( 平成 24 年 4 月 25 日委員会資料 ) の手法に基づき 南海トラフ ( タイプⅠ) については 次の補正係数を用いる Cw=0.8( 長継続時間地震の場合 ) (2) 粒度の影響影響を考慮考慮したした補正 N 値 ア内閣府 亀井ほか (2002) 1) の式にしたがっている Na=N1+ΔN 0 (Fc<8%) ΔN= 20.769 log 10 (Fc)-18 (8% Fc<40%) ただし 15.27 (Fc 40%) Na: 道路橋示方書の液状化強度比を推定する式における粒度の影響を考慮した 補正 N 値 N1: 有効土載圧 100kN/m 2 相当に換算した N 値 N: 東京低地における細粒分の影響を補正する N 値 Fc: 916/(N+9.21)-29.5 3 (N<22) 0 (N 22) 1 亀井祐聡 森本巌 安田進 清水善久 小金井健一 石田栄介 : 東京低地における沖積砂質土の粒度特性と細粒分が液状化強度に及ぼす影響 地盤工学会論文報告集 Vol.42 No.4 101-110 2002
イ広島県 ( 案 ) 内閣府の手法は 東京低地における沖積砂質土の特性を利用した手法であり 広島県全域でこの手法を用いた検討を行うことは不適切なため 道路橋示方書の手法にしたがう ( 砂質土の場合 ) Na=C 1 N 1 + C 2 N 1 =1.7 N/(σv +0.7) 1.0 ( 0% Fc<10%) C 1 = (Fc+40)/50 (10% Fc<60%) Fc/20-1 (60% Fc) 0 ( 0% Fc<10%) C 2 = (Fc-10)/18 (10% Fc) ( 礫質土の場合 ) Na={1-0.36 log 10 (D 50 /2)} N 1 ここで N : 標準貫入試験から得られる N 値 N 1 : 有効上載圧 1kgf/cm 2 相当に換算した N 値 C 1 C 2 : 細粒分含有率による N 値の補正係数 (3) 地震時せんせん断応力比 (L) の算出算出のためのための設計震度ア内閣府地表震度から間接的に設計震度を求める Ks=Amax/9.8 Amax: 地表最大加速度 (m/s 2 ) 9.8 : 重力加速度 (m/s 2 ) 南海トラフの巨大地震の地震動予測では 地表は震度のみの出力となっている 地表最大加速度は 地表の震度より 童 山崎 (1996) による計測震度と最大加速度の関係式を用いて求めた I=0.59+1.89 log 10 (PGA) イ広島県 ( 案 ) グリーン関数法により地震動計算を行うため 直接地表最大加速度が求められ その地表最大加速度から設計震度を求める Ks=α / g α: 地表最大加速度 (gal) g: 重力加速度 (980gal) 4
1.1.2 PL 値と地表加速度の関係の設定各メッシュの PL 値は 地盤タイプ毎 (241 タイプ ) に地表加速度と PL 値の関係 ( 曲線 ) を設定して算定した 地盤タイプ毎の PL 値と地表加速度の関係は 当該地盤タイプにボーリングデータがある場合は ボーリングデータにより地表加速度に対する PL 値を求めて曲線を設定し ボーリングデータがない場合は 地盤タイプの層構造による PL 値と加速度の関係から曲線を設定した なお 収集したボーリングデータは 11,167 本あり N 値が記載されていないもの 掘削深度が 20m に達していないものを除いた 5,344 本を利用した ( 図 1-1 参照 ) 図 1-1 収集ボーリングデータボーリングデータの分布 90 80 70 : ボーリングデータからの計算値 : ボーリングデータの平均値 : 地盤タイプの層構造からの計算値 60 P L 値 50 40 30 20 10 0 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 加速度 (gal) 図 1-2 PL 値と地表加地表加速度速度の関係関係の例 ( 地盤タイプ H05) 5
1.1.3 前回調査の手法との相違 ( 評価対象の基準 ) 前回調査 ( 平成 19 年 3 月 ) では 今回調査と同様に PL 値により液状化危険度を評価し 液状化危険度の評価対象として次の基準を設定している 今回調査では 前回調査の基準により評価対象外となる場合でも 強い揺れとなる地域では 液状化が起こる可能性があると考え 評価の対象として取り扱っている なお 気象庁震度階級関連解説表では 震度 5 弱以上で亀裂や液状化が生じることがある との記載があることから 今回調査においては 震度 5 弱以上の地域を対象に液状化の検討を行う 図 1-3~ 図 1-5 に 液状化の検討を行う対象地域を震度別に設定した結果を示す 液状化判定を行う必要がある土層沖積層の砂質土層で以下の3つの条件全てに該当する場合には 地震時に液状化が生じる可能性があるため 液状化の判定を行う 地下水位が現地盤面から 10m 以内にあり かつ現地盤面から 20m 以内の深さに存在する飽和土層 細粒分含有率 Fc が 35% 以下の土層 または Fc が 35% を超えても塑性指数 Ip が 15 以下の土層 平均粒径 D 50 が 10mm 以下で かつ 10% 粒径 D 10 が 1mm 以下である土層 出典 : 広島県地震被害想定調査報告書平成 19 年 3 月広島県 1.1.4 液状化危険度の評価結果 各想定震源の液状化危険度の評価結果を資料 -1-3 に示した 6
五日市断層における液状化危険度分布図 震度別に液状化を検討した結果 図 1-3 案1 震度5 震度5弱以上の 弱以上の地域を 地域を対象に 対象に検討 図 1-4 案2 震度 4 以上の 以上の地域を 地域を対象に 対象に検討 7
図 1-5 案3 震度に 震度に係らず全 らず全ての地域を 地域を対象に 対象に検討 図 1-6 参考 震度分布図 震度分布図 五日市断層 五日市断層 8
1.2 液状化に伴う地盤の沈下量液状化に伴う地盤の沈下量の推定手法は 内閣府の手法に準じる 内閣府の手法液状化に伴う地盤の沈下量 S は 建築基礎構造設計指針 (2001) に示されている補正 N 値と繰返しせん断ひずみの関係を用いて 補正 N 値と応力比のプロット点に対応する繰返しせん断ひずみを隣接するγcy 曲線の対数補間により求める このとき 繰返しせん断ひずみ 8% の曲線より左側にプロットされる場合には γcy = 8% とし 0.5% より右側にプロットされる場合には γcy =0.5% とする 繰返しせん断ひずみγcy を体積ひずとみεv として読み替える そして 沈下量 S を次のようにして推定する S =Σ( H i εv i ), i = 1~n S : 沈下量 H i :FL<1.0 となる砂質土層 i の層厚 εv i :FL<1.0 となる砂質土層 i の体積ひずみ n :FL<1.0 となる砂質土層数 図 1-7 補正 N 値と繰返繰返しせんしせん断ひずみのひずみの関係 ( 建築基礎構造設計指針 (2001), p.66, 図 4.5.7 補正 N 値と繰返しせん断ひずみの関係に加筆 ) 9
2 土砂災害危険度の評価 2.1 土砂災害危険度の評価手法 第 1 回委員会で承認済み 2.1.1 対象とする現象 箇所土砂災害危険度の予測の対象は 土砂災害危険箇所のうち 地震による発生危険性が高い急傾斜地崩壊危険箇所 地すべり危険箇所 山腹崩壊危険地区とし 土石流危険渓流については 地震により直接崩壊する危険性は低いため対象外とした 2.1.2 急傾斜地崩壊危険箇所の評価手法 (1) 対象と資料被害の想定には 急傾斜地崩壊危険箇所調査 ( 平成 14 年度調査 ) を用い 当該資料による急傾斜地崩壊危険箇所のうち 保全対象人家 ( 公共施設を含む ) を有し かつ対策工事が実施されていない箇所を対象とした (2) 判定方法資料には 耐震ランクが含まれないため 中央防災会議 (2006) を基に 表のように地形地質状況等を点数付けし その合計点数 ( 基準要素点 ) に応じて耐震ランクを設定し さらに当該急傾斜地崩壊危険箇所の位置の震度から危険度ランクを判定した 10
表 2-1 耐震ランクランクの配点 大項目 小項目 点数 斜面の高さ 50m H 10 30m H<50m 8 10m H<30m 7 H<10m 3 斜面勾配 (θ) 59 θ 7 30 (45 ) θ<59 4 θ<30 (45 ) 1 オーバーハング 有 4 無 0 斜面の地盤 亀裂が発達 開口しており 転石 浮石が点在する 10 風化 亀裂が発達した岩である 6 礫混じり土 砂質土 5 粘性土 1 風化 亀裂が発達していない岩である 0 表土の暑さ 0.5m 以上 3 0.5m 未満 0 湧水 有 4(2) 無 0 落石 崩壊履歴 新しい崩壊地がある 5 古い崩壊地がある 3 崩壊値は認められない 0 注 : 点数は 中央防災会議 (2006) での配点を参考とし 広島県の特性を考慮して斜面勾配と湧水 状況を変更している ( カッコ内は中央防災会議 (2006) で使用された値 ) 文献 : 広島県地震被害想定調査報告書 ; 平成 19 年 3 月, 広島県 表 2-2 耐震ランクランクの配点耐震ランク基準要素点 a 24 点以上 b 14~23 点 c 13 点以下 表 2-3 危険度ランクランクの判定 耐震ランク震度 a b c 6 強以上 A A B(A) 6 弱 A B(A) B 5 強 B(A) B C 5 弱 B C C 4 C C C 注 : 平成 13 年芸予地震の再現計算結果を参考にテーブルを一部変更している ( カッコ内は中央防災会議 (2006) で使用された値 ) 文献 : 広島県地震被害想定調査報告書 ; 平成 19 年 3 月, 広島県 ランク A B C 表 2-4 危険度ランク 危険度発生する可能性が高い発生する可能性がある発生する可能性は低い 11
2.1.3 地すべり危険箇所の評価手法 (1) 対象と資料被害の想定には 地すべり危険箇所調査 ( 砂防課 : 平成 10 年調査 ) 山地災害危険地区調査 ( 森林保全課 : 平成 15 年調査 ) 地すべり等崩壊危険地調査 ( 農業基盤課 : 平成 6 年調査 ) を用い 当該資料による地すべり危険箇所のうち 保全対象人家 ( 公共施設を含む ) を有する箇所を対象とした (2) 判定方法地すべり危険箇所の危険性については 地質条件 地形的変状 活動履歴等を考慮した手法によって個別に判定されている 地震時の地すべりの危険性をあらわす要因は 落石や崩壊と比較して不明瞭であり 個別の詳細な安定解析を行うか 既往調査結果を判断指標に用いる他ない 本調査では 前回調査に引き続き 既往調査の危険度ランク (A: 発生する可能性が高い,B: 発生する可能性がある,C: 発生する可能性は低い ) を耐震ランク (a,b,c) と読み替えて 耐震ランクとメッシュ震度から急傾斜地崩壊危険箇所と同様に危険度を判定した 2.1.4 山腹崩壊危険地区の評価手法 (1) 対象と資料被害の想定には 山地災害危険地区調査 ( 森林保全課 : 平成 15 年調査 ) を用い 当該資料による山腹崩壊危険地区のうち 保全対象人家 ( 公共施設を含む ) を有し かつ対策工事が実施されていない箇所を対象とした (2) 判定方法前回調査に引き続き 既往調査の危険度ランク (A,B,C) を耐震ランク (a,b,c) と読み替えて 耐震ランクとメッシュ震度から急傾斜地崩壊危険箇所と同様に危険度を判定した 2.2 土砂災害危険度の評価結果 各想定震源の土砂災害危険度の評価結果を資料 -1-3 に示した 12
添付資料 1 道路橋示方書の手法 (FL 値の算出 ) 道路橋示方書から抜粋編集及び東日本大震災千葉県調査検討専門委員会 ( 平成 24 年 4 月 25 日委員会資料 ) により加筆 地盤内の各深度における液状化に対する抵抗率 FL 値は 地層が有する動的せん断強度比 R と作用する地震時せん断応力比 L によって定義し この値が 1.0 以下の土層については液状化するものとみなす FL = R / L 地震時せん断応力比 L は 地表最大加速度から次式で表される L=(α / g) (σv/σv ) γd ここに α g : 地表最大加速度 (gal) : 重力加速度 (=980gal) σv : 全上載圧 (kgf/cm 2 ) σv : 有効上載圧 (kgf/cm 2 ) γd : 低減係数 (=1.0-0.015z z: 地表面からの深さ (m)) 地層が有する動的せん断強度比 R は 地盤の繰返し三軸強度比 RL を用いて以下の補正式 により求める R = Cw RL 地震動特性による補正係数 Cw は以下のように定められている ( プレート境界型の大地震の場合 ) Cw=1.0 13
( 内陸直下型地震の場合 ) 1.0 (RL 0.1) Cw= 3.3RL+0.67 (0.1<RL 0.4) 2.0 (0.4<RL) ( 長継続時間地震の場合 ) Cw=0.8 太字部分 : 東日本大震災千葉県調査検討専門委員会 ( 平成 24 年 4 月 25 日委員会資料 ) 繰返し三軸強度比 RL は 以下の式により算出する RL= 0.0882 (Na/1.7) 0.0882 (Na/1.7)+1.6 10-6 (Na-14) 4.5 (Na<14) (Na 14) 粒度の影響を考慮した補正 N 値 (Na) は 次のように求める ( 砂質土の場合 ) Na=C 1 N 1 + C 2 N 1 =1.7 N/(σv +0.7) 1.0 ( 0% Fc<10%) C 1 = (Fc+40)/50 (10% Fc<60%) Fc /20-1 (60% Fc) C 2 = 0 ( 0% Fc<10%) (Fc-10)/18 (10% Fc) ( 礫質土の場合 ) Na={1-0.36 log 10 (D 50 /2)} N 1 ここに N : 標準貫入試験から得られる N 値 N 1 : 有効上載圧 1kgf/cm 2 相当に換算した N 値 C 1 C 2 : 細粒分含有率による N 値の補正係数 14
2 PL 値の算出方法上記 1 の液状化抵抗率(F L ) は ある深度における液状化の発生の可能性を評価するものであるため 地盤全体を評価する指標として液状化指数 PL を岩崎ら (1980) の手法により次のように求める PL= 20 0(1-F L ) (10-0.5z)dz ここに F L : 液状化に対する抵抗率 (F L 1.0 の場合には F L =1) Z: 地表面からの深さ (m) 15