通知

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医科_第20次(追加)審査情報提供(広報用)

Microsoft Word - 03_医科_第18次審査情報提供事例

情報提供の例

(事務連絡)公知申請に係る前倒し保険適用通知

別添 審査情報提供 社会保険診療報酬支払基金 審査情報提供検討委員会

170509事務連絡(日本医学会・日本歯科医学会あて)

8 整形外科 骨肉腫 9 脳神経外科 8 0 皮膚科 皮膚腫瘍 初発中枢神経系原発悪性リンパ腫 神経膠腫 脳腫瘍 膠芽腫 頭蓋内原発胚細胞腫 膠芽腫 小児神経膠腫 /4 別紙 5( 臨床試験 治験 )

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用法・用量DB

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審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

審査結果 平成 26 年 1 月 6 日 [ 販 売 名 ] ダラシン S 注射液 300mg 同注射液 600mg [ 一 般 名 ] クリンダマイシンリン酸エステル [ 申請者名 ] ファイザー株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 8 月 21 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 7

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

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DRAFT#9 2011

スライド 1

D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

減量・コース投与期間短縮の基準

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

「             」  説明および同意書

301128_課_薬生薬審発1128第1号_ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドラインの一部改正について

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

5_使用上の注意(37薬効)Web作業用.indd

DRAFT#9 2011

保医発 0930 第 2 号令和元年 9 月 30 日 地方厚生 ( 支 ) 局医療課長都道府県民生主管部 ( 局 ) 国民健康保険主管課 ( 部 ) 長都道府県後期高齢者医療主管部 ( 局 ) 後期高齢者医療主管課 ( 部 ) 長 殿 厚生労働省保険局医療課長 ( 公印省略 ) 厚生労働省保険局歯

の状態により適宜減量する 成人 A 法 : 他の抗悪性腫瘍剤との併用において ブスルファンとして 1 回 0.8 mg/kg を生理食塩液又は 5% ブドウ糖液に混和 調製して 2 時間かけて点滴静注する 本剤は 6 時間毎に 1 日 4 回 4 日間投与する なお 年齢 患者の状態により適宜減量す

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

7. 脊髄腫瘍 : 専門とするがん : グループ指定により対応しているがん : 診療を実施していないがん 別紙 に入力したが反映されています 治療の実施 ( : 実施可 / : 実施不可 ) / 昨年の ( / ) 集学的治療 標準的治療の提供体制 : : グループ指定により対応 ( 地域がん診療病

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

適応病名とレセプト病名とのリンクDB

密封小線源治療 子宮頸癌 体癌 膣癌 食道癌など 放射線治療科 放射免疫療法 ( ゼヴァリン ) 低悪性度 B 細胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫 血液 腫瘍内科 放射線内用療法 ( ストロンチウム -89) 有痛性の転移性骨腫瘍放射線治療科 ( ヨード -131) 甲状腺がん 研究所 滋賀県立総合病

2018 年 10 月 4 日放送 第 47 回日本皮膚アレルギー 接触皮膚炎学会 / 第 41 回皮膚脈管 膠原病研究会シンポジウム2-6 蕁麻疹の病態と新規治療法 ~ 抗 IgE 抗体療法 ~ 島根大学皮膚科 講師 千貫祐子 はじめに蕁麻疹は膨疹 つまり紅斑を伴う一過性 限局性の浮腫が病的に出没

スライド 1

STEP 1 検査値を使いこなすために 臨床検査の基礎知識 検査の目的は大きく 2 つ 基準範囲とは 95% ( 図 1) 図 1 基準範囲の考え方 2

がん化学(放射線)療法レジメン申請書

第169・218回関東支部-9indd.indd

(別添様式)

ウム ( 小腸癌 ) に関する事前評価及び提出された資料から 本品目の小腸癌に対する有効性及び安全性は確認されているものと判断する 以上 医薬品医療機器総合機構における審査の結果 本品目については 以下の効能又は効果並びに用法及び用量で承認して差し支えないと判断した [ 効能又は効果 ] 1. レボ

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

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1981 年 男 全部位 C00-C , , , , ,086.5 口腔 咽頭 C00-C

60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 敗血症の本質にせまる 新規治療法開発 大きく前進 - 制御性樹状細胞を用い 敗血症の治療に世界で初めて成功 - 敗血症 は 細菌などの微生物による感染が全身に広がって 発熱や機能障害などの急激な炎症反応が引き起

別添 審査情報提供 社会保険診療報酬支払基金 審査情報提供検討委員会

Epilepsy2015

第 19 次審査情報提供事例 ( 医科 ) 平成 30 年 9 月 28 日提供分 社会保険診療報酬支払基金

要望番号 ;Ⅱ-286 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望

医師主導治験 急性脊髄損傷患者に対する顆粒球コロニー刺激因子を用いたランダム化 プラセボ対照 二重盲検並行群間比較試験第 III 相試験 千葉大学大学院医学研究院整形外科 千葉大学医学部附属病院臨床試験部 1

5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

Microsoft Word - JAID_JSC 2014 正誤表_ 原稿

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

ポプスカイン0.75% 注シリンジ 75mg /10 院 Popscaine 75mg /10 院 / 筒 丸石 薬価 円 / 筒 効 硬膜外麻酔 用 ( 注 )1 回 150mg ( 本剤として20 院 ) までを硬膜外腔に投与 禁 大量出血やショック状態, 注射部位またはその周辺に

中医協総 再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて 再生医療等製品の保険適用に係る取扱いについては 平成 26 年 11 月 5 日の中医協総会において 以下のとおり了承されたところ < 平成 26 年 11 月 5 日中医協総 -2-1( 抜粋 )> 1. 保険適

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モビコール 配合内用剤に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 モビコール 配合内用剤 有効成分 マクロゴール4000 塩化ナトリウム 炭酸水素ナトリウム 塩化カリウム 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全

分類

平成29年度沖縄県がん登録事業報告 背表紙印字

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1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

膵臓癌について

緒言


関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で

第16回日本臨床腫瘍学会学術集会 共催セミナー報告集

開発の経緯 ゲムシタビン点滴静注用 200mg 1g サンド は 後発医薬品として開発を企画し 規格及び試験方法を設定 加速試験を行い 平成 22 年 1 月に製造販売承認を取得した ( 薬食発第 号 ( 平成 17 年 3 月 31 日 ) に基づき承認申請 ) 製品の特徴及び有用

2. 転移するのですか? 悪性ですか? 移行上皮癌は 悪性の腫瘍です 通常はゆっくりと膀胱の内部で進行しますが リンパ節や肺 骨などにも転移します 特に リンパ節転移はよく見られますので 膀胱だけでなく リンパ節の検査も行うことが重要です また 移行上皮癌の細胞は尿中に浮遊していますので 診断材料や

2018 年 3 月 15 日 株式会社千早ティー スリー 代表取締役谷口仁志 平成 30 年度診療報酬改定における重症度 医療 看護必要度関連の変更について 拝啓時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます さて 平成 30 年度診療報酬改定における施設基準等が 3 月 5 日に公開され 重症度

日本内科学会雑誌第98巻第12号

院内がん登録における発見経緯 来院経路 発見経緯がん発見のきっかけとなったもの 例 ) ; を受けた ; 職場の健康診断または人間ドックを受けた 他疾患で経過観察中 ; 別の病気で受診中に偶然 がん を発見した ; 解剖により がん が見つかった 来院経路 がん と診断された時に その受診をするきっ

2 院内処方 ( 入院外 投薬 ) 及び院外処方 ( 薬局調剤 ) における薬剤点数薬剤点数階級別件数の構成割合を入院外の投薬 ( 以下 院内処方 という ) 薬局調剤( 以下 院外処方 という ) 別にみると ともに 500 点未満 が最も多く それぞれ 67.0% 59.4% となっている また

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外

1)表紙14年v0

ハイゼントラ20%皮下注1g/5mL・2g/10mL・4g/20mL

情報提供の例

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

2 成分が同一の剤形変更 例 タケプロンOD 錠 15mg タケプロンカプセル 15mg ユリーフOD 錠 4mg ユリーフ錠 4mg コカールドライシロップ 40% カロナール細粒 20% ( 粉砕 ) レボフロキサシン錠 500mg レボフロキサシン細粒 10% 患者に説明 ( 価格 服用方法等

がん登録実務について

放射線併用全身化学療法 (GC+RT 療法 ) 様の予定表 No.1 月日 経過 達成目標 治療 ( 点滴 内服 ) 検査 処置 活動 安静度 リハビリ 食事 栄養指導 清潔 排泄 / 入院当日 ~ 治療前日 化学療法について理解でき 精神的に安定した状態で治療が

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

2 成分が同一の剤形変更 例 タケプロンOD 錠 15mg タケプロンカプセル 15mg ユリーフOD 錠 4mg ユリーフ錠 4mg コカールドライシロップ 40% カロナール細粒 20% ( 粉砕 ) レボフロキサシン錠 500mg レボフロキサシン細粒 10% 患者に説明 ( 価格 服用方法等

2019年3月期第1四半期 開発品の進捗状況

保医発 第 1 号平成 2 9 年 6 月 2 6 日 地方厚生 ( 支 ) 局医療課長都道府県民生主管部 ( 局 ) 国民健康保険主管課 ( 部 ) 長都道府県後期高齢者医療主管部 ( 局 ) 後期高齢者医療主管課 ( 部 ) 長 殿 厚生労働省保険局医療課長 ( 公印省略 ) 公

医師のためのTUE申請ガイドブック2013_本文.indd

「血液製剤の使用指針《(改定版)

小児がん中央機関からの報告 1 情報提供 ( 院内がん登録 ) 国立がん研究センターがん対策情報センター センター長若尾文彦 1

平成14年度研究報告

PowerPoint プレゼンテーション

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

(Microsoft PowerPoint - \201iweb\214\374\201j2009_11 \222\307\225\342\225i\224\255\224\204\210\304\223\340.PPT)

(別添様式1)

用法 用量 発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制 mg mg mg mg kg 30kg 40kg 20kg 30kg 10kg 20kg 5kg 10kg 1900mg mg mg mg

Microsoft Word KDIGO_GN_ES_J docx

(事務連絡)公知申請に伴う前倒し保険適用通知廃止

保医発 第 9 号平成 2 9 年 3 月 2 日 地方厚生 ( 支 ) 局医療課長都道府県民生主管部 ( 局 ) 国民健康保険主管課 ( 部 ) 長都道府県後期高齢者医療主管部 ( 局 ) 後期高齢者医療主管課 ( 部 ) 長 殿 厚生労働省保険局医療課長 ( 公印省略 ) 公知申

タフィンラーカプセル50mg/75mg、メキニスト錠0.5mg/2mg 添付文書改訂のお知らせ

健康な生活を送るために(高校生用)第2章 喫煙、飲酒と健康 その2

Transcription:

- - -

別添 審査情報提供 社会保険診療報酬支払基金 審査情報提供検討委員会 http:.//www.ssk.or.jp

審査情報提供事例について 審査支払機関における診療報酬請求に関する審査は 健康保険法 療養担当規則 診療報酬点数表及び関係諸通知等を踏まえ各審査委員会の医学的 歯科医学的見解に基づいて行われています 一方 審査の公平 公正性に対する関係方面からの信頼を確保するため 審査における一般的な取扱いについて広く関係者に情報提供を行い 審査の透明性を高めることとしております このため 平成 16 年 7 月に 審査情報提供検討委員会 平成 23 年 6 月に 審査情報提供歯科検討委員会 を設置し 情報提供事例の検討と併せ 審査上の一般的な取扱いに係る事例について 情報提供を行ってまいりました 今後とも 当該委員会において検討協議を重ね 提供事例を逐次拡充することとしておりますので 関係者の皆様のご参考となれば幸いと考えております なお 情報提供する審査の一般的な取扱いについては 療養担当規則等に照らし 当該診療行為の必要性 用法 用量の妥当性などに係る医学的 歯科医学的判断に基づいた審査が行われることを前提としておりますので 本提供事例に示された適否が すべての個別診療内容に係る審査において 画一的あるいは一律的に適用されるものではないことにご留意ください 平成 23 年 9 月

第 12 次審査情報提供事例 (6 事例 ) 情報提供事例 診療科 成分名ページ 289 外 1 テガフール ギメラシル オテラシルカリウム 内服薬 1 290 産 1 ニトログリセリン 注射薬 2 291 皮 1 メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム 注射薬 4 292 皮 2 ジアフェニルスルホン 内服薬 7 293 泌 1 カルボプラチン 注射薬 9 294 泌 2 パクリタキセル 注射薬 10

使用例において審査上認める根拠 の表現整理について これまでの医薬品適応外使用に関する審査情報提供事例の 使用例において審査上認める根拠 については 薬理作用が同様と推定される としていたところですが 第 10 次審査情報提供より 適応外の病名に対して認める事例に加え 用法 用量の範囲外に対して認める事例を情報提供することとしたことから 次のとおり表現を整理しています 1 適応外の病名に対してのみ認める場合 薬理作用が同様と推定される 2 現行の適応症について 用法 用量の範囲外に対して認める場合 薬理作用に基づいており 妥当と推定される 3 適応外の病名及び用法 用量の範囲外に対して認める場合 薬理作用が同様であり 妥当と推定される

289 テガフール ギメラシル オテラシルカリウム ( 外科 1) 標榜薬効 ( 薬効コード ) 代謝拮抗剤 (422) 平成 26 年 2 月 24 日新規 成分名テガフール ギメラシル オテラシルカリウム 内服薬 主な製品名ティーエスワン配合カプセル ティーエスワン配合顆粒 他後発品あり 承認されている効能 効果胃癌 結腸 直腸癌 頭頸部癌 非小細胞肺癌 手術不能又は再発乳癌 膵癌 胆道癌 薬理作用代謝拮抗剤 抗腫瘍効果はデガフールが体内で 5-FU 更に活性代謝物である FduMP に代謝され DNA 生合成阻害を示す 使用例原則として テガフール ギメラシル オテラシルカリウム 内服薬 を 食道癌 に対し処方した場合 当該使用事例を審査上認める 使用例において審査上認める根拠薬理作用が同様と推定される 留意事項一次化学療法では 症例を選び適正に使用されるべきであること 1

290 ニトログリセリン ( 産婦人科 1) 標榜薬効 ( 薬効コード ) ニトログリセリン注射液 (217) 平成 26 年 2 月 24 日新規 成分名ニトログリセリン 注射薬 主な製品名ミリスロール注 1mg/2mL バソレーター注 1mg ニトログリセリン注 1mg/2mL HK ミオコール静注 1mg 承認されている効能 効果手術時の低血圧維持 手術時の異常高血圧の救急処置 急性心不全 ( 慢性心不全の急性増悪期を含む ) 不安定狭心症 承認されている用法 用量本剤は 注射液そのまま 又は生理食塩液 5% ブドウ糖注射液 乳酸リンゲル液等で希釈し ニトログリセリンとして 0.005~0.05%(1mL 当たり 50~ 500μg) 溶液を点滴静注する 本剤は 通常 1 分間に体重 1Kg 当たりニトログリセリンとして 効能 効果ごとに下表に基づき投与する < 手術時の低血圧維持 > 1~5μg/Kg/ 分の投与量で投与を開始し 目的値まで血圧を下げ 以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節する < 手術時の異常高血圧の救急処置 > 0.5~5μg/Kg/ 分の投与量で投与を開始し 目的値まで血圧を下げ 以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節する < 急性心不全 ( 慢性心不全の急性増悪期を含む )> 0.05~0.1μg/Kg/ 分の投与量で投与を開始し 目的とする血行動態を得るまで血圧 左心室充満圧などの循環動態をモニターしながら 5~15 分ごとに 0.1~0.2μg/Kg/ 分ずつ増量し 最適点滴速度で維持する < 不安定狭心症 > 0.1~0.2μg/Kg/ 分の投与量で投与を開始し 発作の経過及び血圧をモニターしながら約 5 分ごとに 0.1~0.2μg/Kg/ 分ずつ増量し 1~2μg/Kg/ 分で維持する 効果がみられない場合には 20~40μg/Kg の静注を 1 時間ごとに併用する なお 静注する場合は 1~3 分かけて緩徐に投与する 薬理作用ニトログリセリンは直接血管平滑筋に作用し 低用量では静脈の 高用量では静脈及び動脈の拡張作用を示すとされている 2

使用例原則として ニトログリセリン 注射薬 を 分娩時の緊急子宮弛緩 を目的とする治療として 1 回 60~90μg 最大 100μg を緩徐に静脈内に投与した場合 当該使用事例を審査上認める 使用例において審査上認める根拠薬理作用が同様であり 妥当と推定される その他参考資料等産婦人科診療ガイドライン産科編 2011( 日本産科婦人科学会 / 日本産婦人科医会 ) 3

291 メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム ( 皮膚科 1) 標榜薬効 ( 薬効コード ) 副腎皮質ホルモン剤 (245) 平成 26 年 2 月 24 日新規 成分名メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム 注射薬 主な製品名ソル メドロール 他後発品あり 承認されている効能 効果 < ソル メドロール静注用 40mg 125mg 500mg 1000mg> 急性循環不全 ( 出血性ショック 感染性ショック ) 腎臓移植に伴う免疫反応の抑制 受傷後 8 時間以内の急性脊髄損傷患者 ( 運動機能障害及び感覚機能障害を有する場合 ) における神経機能障害の改善 ネフローゼ症候群 多発性硬化症の急性増悪 < ソル メドロール静注用 40mg 125mg> 気管支喘息 < ソル メドロール静注用 40mg 125mg 500mg> 以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法再発又は難治性の悪性リンパ腫 承認されている用法 用量 < 急性循環不全 > : ソル メドロール静注用 40mg 125mg 500mg 1000mg 出血性ショック通常 メチルプレドニゾロンとして 1 回 125~2000mg を緩徐に静注又は点滴静注する 症状が改善しない場合には 適宜追加投与する 感染性ショック通常 成人にはメチルプレドニゾロンとして 1 回 1000mg を緩徐に静注又は点滴静注する 症状が改善しない場合には 1000mg を追加投与する なお 年齢 症状により適宜増減する < 腎臓移植に伴う免疫反応の抑制 > : ソル メドロール静注用 40mg 125mg 500mg 1000mg 通常 成人にはメチルプレドニゾロンとして 1 日 40~1000mg を緩徐に静注又は点滴静注する なお 年齢 症状により適宜増減する < 受傷後 8 時間以内の急性脊髄損傷患者 ( 運動機能障害及び感覚機能障害を有する場合 ) における神経機能障害の改善 > : ソル メドロール静注用 40mg 125mg 500mg 1000mg 受傷後 8 時間以内に メチルプレドニゾロンとして 30mg/Kg を 15 分間か 4

けて点滴静注し その後 45 分間休薬し 5.4mg/Kg/ 時間を 23 時間点滴静注する < ネフローゼ症候群 > : ソル メドロール静注用 40mg 125mg 500mg 1000mg 1. 通常 成人にはメチルプレドニゾロンとして 1 日 500~1000mg を緩徐に静注又は点滴静注する 2. 通常 小児にはメチルプレドニゾロンとして 1 日 30mg/Kg( 最大 1000mg) を緩徐に静注又は点滴静注する < 多発性硬化症の急性増悪 > : ソル メドロール静注用 40mg 125mg 500mg 1000mg 通常 成人にはメチルプレドニゾロンとして 1 日 500~1000mg を緩徐に静注又は点滴静注する < 気管支喘息 > : ソル メドロール静注用 40mg 125mg 1. 通常 成人にはメチルプレドニゾロンとして初回量 40~125mg を緩徐に静注又は点滴静注する その後 症状に応じて 40~80mg を 4~6 時間ごとに緩徐に追加投与する 2. 通常 小児には メチルプレドニゾロンとして 1.0~1.5mg/Kg を緩徐に静注又は点滴静注する その後 症状に応じて 1.0~1.5mg/Kg を 4 ~6 時間ごとに緩徐に追加投与する < 再発又は難治性の悪性リンパ腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合 > : ソル メドロール静注用 40mg 125mg 500mg 他の抗悪性腫瘍剤との併用において 本剤の投与量及び投与方法はメチルプレドニゾロンとして 250~500mg を 1 日 1 回 5 日間 緩徐に静注又は点滴静注する これを 1 コースとして 3~4 週ごとに繰り返す 薬理作用抗炎症 免疫抑制作用 使用例原則として メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム 注射薬 を 広汎性円形脱毛症 ( 脱毛が急速に進行している 脱毛巣が 25% 以上の成人症例 ) に対し 500mg/ 日もしくは 8mg/Kg/ 日を 3 日連続で点滴静注した場合 当該使用事例を審査上認める 使用例において審査上認める根拠薬理作用が同様であり 妥当と推定される 留意事項入院の上使用されるべきであること 5

その他参考資料等日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2010( 日本皮膚科学会ガイドライン ) 6

292 ジアフェニルスルホン ( 皮膚科 2) 標榜薬効 ( 薬効コード ) その他の外皮用薬 (269) 平成 26 年 2 月 24 日新規 成分名ジアフェニルスルホン 内服薬 主な製品名レクチゾール 承認されている効能 効果 1 持久性隆起性紅斑 ジューリング疱疹状皮膚炎 天疱瘡 類天疱瘡 色素性痒疹 2 ハンセン病 適応菌腫 本剤に感性のらい菌 適応症 ハンセン病 承認されている用法 用量 1 持久性隆起性紅斑 ジューリング疱疹状皮膚炎 天疱瘡 類天疱瘡 色素性痒疹ジアフェニルスルホンとして 通常 成人 1 日 50~100mg を 2~3 回に分けて経口投与する 2 ハンセン病ジアフェニルスルホンとして 通常 成人 1 日 75~100mg を経口投与する 原則として 他剤と併用して使用すること なお 年齢 症状により適宜増減する 薬理作用抗炎症作用 ( 活性酸素の産生抑制 マクロファージからサイトカイン (I L 類,TNF 類 ) の産生抑制 ) 使用例原則として ジアフェニルスルホン 内服薬 を シェーンライン ヘノッホ紫斑病 に対し小児に 0.5~1.5mg/Kg/ 日 成人に 50~150mg/ 日を処方した場合 当該使用事例を審査上認める 使用例において審査上認める根拠薬理作用が同様であり 妥当と推定される 留意事項当該医薬品は 重篤な薬疹等が生ずる場合があり 当該医薬品の副作用に精通した医師の管理のもとで使用されるべきであること 7

その他参考資料等血管炎 血管障害ガイドライン ( 日本皮膚科学会ガイドライン ) 8

293 カルボプラチン ( 泌尿器科 1) 標榜薬効 ( 薬効コード ) その他の腫瘍用剤 (429) 平成 26 年 2 月 24 日新規 成分名カルボプラチン 注射薬 主な製品名パラプラチン注射液 50mg 同 150mg 同 450mg 他後発品あり 承認されている効能 効果頭頸部癌 肺小細胞癌 睾丸腫瘍 卵巣癌 子宮頸癌 悪性リンパ腫 非小細胞肺癌 乳癌以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法小児悪性固形腫瘍 ( 神経芽腫 網膜芽腫 肝芽腫 中枢神経系胚細胞腫瘍 再発又は難治性のユーイング肉腫ファミリー腫瘍 腎芽腫 ) 薬理作用抗腫瘍作用 ( 腫瘍細胞の DNA 鎖と結合し DNA 合成及びそれに引き続く癌細胞の分裂を阻害する ) 使用例原則として カルボプラチン 注射薬 を 腎機能障害がある尿路上皮癌 に対し点滴静注した場合 当該使用事例を審査上認める 使用例において審査上認める根拠薬理作用が同様と推定される その他参考資料等膀胱癌診療ガイドライン 2009 年版 ( 日本泌尿器科学会 ) 9

294 パクリタキセル ( 泌尿器科 2) 標榜薬効 ( 薬効コード ) 抗腫瘍性植物成分製剤 (424) 平成 26 年 2 月 24 日新規 成分名パクリタキセル 注射薬 主な製品名タキソール注射液 30mg 100mg 他後発品あり 承認されている効能 効果卵巣癌 非小細胞肺癌 乳癌 胃癌 子宮体癌 再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌 再発又は遠隔転移を有する食道癌 血管肉腫 進行又は再発の子宮頸癌 再発又は難治性の胚細胞腫瘍 ( 精巣腫瘍 卵巣腫瘍 性腺外腫瘍 ) 承認されている用法 用量 非小細胞肺癌 胃癌及び子宮体癌には A 法を使用する 乳癌には A 法又は B 法を使用する 卵巣癌には A 法又はカルボプラチンとの併用で C 法を使用する 再発又は難治性の胚細胞腫瘍には他の抗悪性腫瘍剤と併用で A 法を使用する 再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌 再発又は遠隔転移を有する食道癌 血管肉腫には B 法を使用する 進行又は再発の子宮頸癌にはシスプラチンとの併用において D 法を使用する A 法 : 通常 成人にはパクリタキセルとして 1 日 1 回 210mg/ m2 ( 体表面積 ) を 3 時間かけて点滴静注し 少なくとも 3 週間休薬する これを 1 クールとして 投与を繰り返す B 法 : 通常 成人にはパクリタキセルとして 1 日 1 回 100mg/ m2 ( 体表面積 ) を 1 時間かけて点滴静注し 週 1 回投与を 6 週連続し 少なくとも 2 週間休薬する これを 1 クールとして 投与を繰り返す C 法 : 通常 成人にはパクリタキセルとして 1 日 1 回 80mg/ m2 ( 体表面積 ) を 1 時間かけて点滴静注し 週 1 回投与を 3 週連続する これを 1 クールとして 投与を繰り返す D 法 : 通常 成人にはパクリタキセルとして 1 日 1 回 135mg/ m2 ( 体表面積 ) を 24 時間かけて点滴静注し 少なくとも 3 週間休薬する これを 1 クールとして 投与を繰り返す 10

薬理作用抗腫瘍作用 ( 微小管蛋白重合を促進することにより 微小管の安定化 過剰形成を引き起こし 紡錘体の機能を障害することにより細胞分裂を阻害して抗腫瘍活性を発揮する 使用例原則として パクリタキセル 注射薬 を 尿路上皮癌 ( 腎機能障害がある場合又は二次化学療法として使用される場合に限る ) に対し A 法 ( 通常 成人にはパクリタキセルとして 1 日 1 回 210mg/ m2 ( 体表面積 ) を 3 時間かけて点滴静注し 少なくとも 3 週間休薬する これを 1 クールとして投与を繰り返す ) 又は C 法 ( 通常 成人にはパクリタキセルとして 1 日 1 回 80mg/ m2 ( 体表面積 ) を 1 時間かけて点滴静注し 週 1 回投与を 3 週間連続する これを 1 クールとして 投与を繰り返す ) により点滴静注 した場合 当該使用事例を審査上認める 使用例において審査上認める根拠薬理作用が同様であり 妥当と推定される その他参考資料等膀胱癌診療ガイドライン 2009 年版 ( 日本泌尿器科学会 ) 11