トップページ #584 感染性結膜炎 概要 監修 : 沖波聡倉敷中央病院眼科中川尚徳島診療所眼科 疾患のポイント : 感染性結膜炎とは 細菌 ウイルスなどによって じる結膜の炎症である 感染性結膜炎は 急性と慢性に分類できる 急性結膜炎の主な原因は 細菌 ウイルス クラミジアである [ID0606] 慢性結膜炎には ブドウ球菌による眼瞼結膜炎や涙道感染 ( 涙嚢炎 涙 管炎 ) に合併した結膜炎がある 急性細菌性結膜炎は 児と 齢者に多く 児ではインフルエンザ菌 肺炎球菌が多く 齢者ではブドウ球菌 コリネバクテリウムなどが多い ウイルス性はアデノウイルス エンテロウイルス 単純ヘルペスウイルス (HSV) の 3 つが代表的で アデノウイルスによる流 性 結膜炎 (EKC) 咽頭結膜熱 (PCF) とエンテロウイルスによる急性出 性結膜炎 (AHC) は伝染性結膜炎である なお 咽頭結膜熱 ( プール熱 ) は学校保健安全法に定める第 種学校感染症疾患であり 主症状が消退した後 2 を経過するまで出席停 とする また 流 性 結膜炎は 急性出 性結膜炎は学校保健安全法に定める第三種学校感染症疾患であり 医師が感染のおそれがないと認めるまで出席停 とする 結膜炎の診断とその原因の特定 :[ID0011]( 結膜炎の鑑別診断 [ID0701] 診察 :[ID0002]) 充 と眼脂は結膜炎の必発の症状であり これらの症状があればまず結膜炎を考える 臨床所 を総合して結膜炎の臨床病型を決定し 原因を類推する ( カタル性 :[ID0601] 濾胞性 乳頭性 化膿性 偽膜性のいずれのタイプの結膜炎か ) 次に 塗抹検鏡による鑑別診断を い 培養や遺伝 検出などの特異的検査をオーダーする 初診当 その場で結果が出る検査は限られている 眼脂の塗抹検鏡と涙液 IgE 測定 アデノウイルス抗原検出キットが使いやすい 鑑別疾患 : 頻度の い疾患 :[ID0020] 頻度としては細菌性が最も多い 細菌性結膜炎 ウイルス性結膜炎 クラミジア結膜炎 涙道感染が頻度の い疾患である 鑑別疾患 : 重篤な疾患 :[ID0021] 淋菌性結膜炎 クラミジア結膜炎 MRSA 結膜炎 涙 管炎が 重篤な疾患である 初期治療 :[ID0014] 結膜炎の原因により 初期治療を決定する 細菌性結膜炎 : フルオロキノロンまたはセフェム系抗菌点眼薬を投与 淋菌性は性感染症ガイドラインを参考に全 投与薬を投与する メチシリン耐性 ブドウ球菌 (MRSA) が考えられる場合は クロラムフェニコール ( オフサロン点眼液 ) をまず投与する ウイルス性結膜炎 : アデノウイルス エンテロウイルスには対症療法のみ ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs) も 1 つの選択肢である 抗菌点眼薬はかならずしも必要ない HSV であれば アシクロビル眼軟膏を約 2 週間投与する クラミジア結膜炎 : オフロキサシン眼軟膏の 8 週間の抗菌点眼薬治療が推奨されている 代替処 としてマクロライド系やフルオロキノロン系抗菌点眼薬が いられることも多い 涙道感染 : 涙道洗浄 涙 管炎では物理的掻爬が必須である フォローアップ 法 :[ID0015] 基本的には 1 週間後の再診 ウイルス性で偽膜形成が懸念されるとき 淋菌性で 膜合併症が懸念されるときは 3 4 後に再来させる 専 医相談のタイミング :[ID0017] 初期治療に反応しない場合や 重篤な合併症 ( 例えば 淋菌性結膜炎の 膜潰瘍 穿孔など ) が懸念される場合は眼感染症の専 医に紹介する 臨床のポイント : 頻度としては細菌性が最も多い アデノウイルス エンテロウイルスによる結膜炎は伝染性であり 伝染予防のため迅速な対応が必要である 淋菌性結膜炎は 膜穿孔などの重篤な合併症を起こすので 早期の診断と治療が必要である 評価 治療の進め 2015/01/28 Page 1 of 31
選定されている評価 治療は 例です 症状 病態に応じて適宜変更してください 結膜炎の鑑別診断で必ず う検査例眼脂の塗抹検鏡を実施して 結膜炎の鑑別診断 病因検索を う 結膜炎の鑑別診断のため すべての症例に対して う 1) 眼脂塗抹検鏡 ( ギムザ染 グラム染 )[ID0621][ID0622][ID0623][ID0624] [ID0501] 伝染性結膜炎の評価のための検査アデノウイルス結膜炎は 伝染予防のため迅速な対応が必要である 迅速病因診断を 掛ける キットの感度に注意が必要 アデノウイルス結膜炎が疑われる場合は ウイルス抗原検出を う ただし 偽陰性に注意が必要である 1) ウイルス抗原検出 [ID0505] 細菌性結膜炎に対する第 1 選択薬剤例起炎菌が判明するまでに まず初期治療として いる抗菌薬 淋菌以外の細菌性結膜炎が考えられる場合は 下記のいずれかを処 する 1) ガチフロ点眼液 0.3% [0.3%1mL]1 本 (1 回 1 滴 1 3 回点眼 ) [ID0502] 薬剤情報を る 2) ベストロン点眼 [0.5%](1 回 1 滴 1 3 回点眼 ) [ID0507][ID0502] 薬剤情報を る 追加情報ページへのリンク 感染性結膜炎に関する詳細情報感染性結膜炎に関する評価 治療例 ( 詳細 ) (2 件 ) 初診時フォローアップ時感染性結膜炎に関するエビデンス 解説 (9 件 ) 感染性結膜炎に関する画像 (15 件 ) 薬剤中分類 法 同効薬 診療報酬は エルゼビアが独 に作成した薬剤情報であり 著者により作成された情報ではありません 尚 法は添付 書より 同効薬は 薬剤師監修のもとで作成しております 最終更新 : 2015 年 1 28 << ページ末尾 :#searchdetails4.aspx?diseaseid=584>> 2015/01/28 Page 2 of 31
詳細情報 #584 感染性結膜炎 病態 疫学 診察 疾患情報 [ID0001] 中川尚徳島診療所眼科 感染性結膜炎は 急性と慢性に分類できる 急性結膜炎の主な原因は 細菌 ウイルス クラミジアである [ID0606] 慢性結膜炎には ブドウ球菌による眼瞼結膜炎や涙道感染 ( 涙嚢炎 涙 管炎 ) に合併した結膜炎がある 急性細菌性結膜炎は 児と 齢者に多く 児ではインフルエンザ菌 肺炎球菌が多く 齢者ではブドウ球菌 コリネバクテリウムなどが多い ウイルス性はアデノウイルス エンテロウイルス 単純ヘルペスウイルス (HSV) の 3 つが代表的で アデノウイルスによる流 性 結膜炎 (EKC) 咽頭結膜熱 (PCF) とエンテロウイルスによる急性出 性結膜炎 (AHC) は伝染性結膜炎である クラミジア結膜炎は成 と新 児があり 前者は性感染症 (STD) から 指などを介して 後者は出 時の産道感染による 経験的治療に頼らず 臨床所 と病因検索により結膜炎の原因を突き め 原因に即した治療薬の選択が望ましい 問診 診察のポイント [ID0002] 結膜炎の主要症状について確認する ( 例 : 充 眼脂の有無 発症時期 左右差 眼脂の量と性状など ) 付随症状を確認する ( 発熱 咽頭痛 眼瞼や顔 の異常 [ 特に 疹 ] の有無など ) 家族歴 既往歴 ( 類似の症状の家族がいないか 友 や仕事仲間に結膜炎症状の がいないか 類似の結膜炎の既往がないか 泌尿 殖器症状の有無など ) 診察のポイント 1: 結膜炎の基本病変を捉える 瞼結膜の濾胞 乳頭 偽膜などの所 をとる [1] 診察のポイント 2: 眼脂の 眼的性状をみる [3] 漿液線維素性 粘液性 粘液膿性 膿性を区別し 結膜炎の原因を類推する [ID0607] 診察のポイント 3: 瞼結膜以外の所 をとる 球結膜出 膜混濁 膜潰瘍 眼瞼縁や眼瞼 膚の 疹 涙道感染 前リンパ節腫脹 圧痛などの有無を確認する [2] 臨床所 を総合して結膜炎の臨床病型を決定し 原因を類推する ( カタル性 :[ID0601] 濾胞性 :[ID0602][ID0603] 乳頭性 :[ID0604] 化膿性 :[ID0608] 偽膜性 :[ID0605] のいずれのタイプの結膜炎か ) 診断 針 0: 想起 [ID0010] 充 と眼脂は結膜炎の必発の症状であり これらの症状があればまず結膜炎を考える 1: 診断 [ID0011] 結膜充 と眼脂が認められれば 結膜炎の診断となる 感染性結膜炎を除外するためには 臨床所 を詳細に検討する必要がある ([ID0606]) この時点で 結膜炎以外の充 例えば 虹彩炎や 膜炎による 様充 は除外しなければならない また しばしば患者が 充 として来院する球結膜下出 も簡単に除外できる 結膜炎の主要症状について確認する ( 例 : 充 眼脂の有無 発症時期 左右差 眼脂の量と性状など ) 付随症状を確認する ( 発熱 咽頭痛 眼瞼や顔 の異常 [ 特に 疹 ] の有無など ) 家族歴 既往歴 ( 類似の症状の家族がいないか 友 や仕事仲間に結膜炎症状の がいないか 類似の結膜炎の既往がないか 泌尿 殖器症状の有無など ) 診察のポイント 1: 結膜炎の基本病変を捉える 瞼結膜の濾胞 ([ID0602][ID0603]) 乳頭 ([ID0604]) 偽膜 ([ID0605]) などの所 をとる 診察のポイント 2: 眼脂の 眼的性状をみる 漿液線維素性 粘液性 粘液膿性 膿性 ([ID0608]) を区別し 結膜炎の原因を類推する [ID0607] 診察のポイント 3: 瞼結膜以外の所 をとる 球結膜出 膜混濁 膜潰瘍 眼瞼縁や眼瞼 膚の 疹 涙道感染 前リンパ節腫脹 圧痛などの有無を確認する 臨床所 を総合して結膜炎の臨床病型を決定し 原因を類推する ( カタル性 :[ID0601] 濾 2015/01/28 Page 3 of 31
胞性 乳頭性 化膿性 偽膜性のいずれのタイプの結膜炎か ) 濾胞 : 結膜上 下に形成されたリンパ濾胞 乳頭 : 結膜上 の肥厚と上 下組織の増殖からなる顆粒状の所 2: 疾患の除外 [ID0012] 様充 は 膜の周囲に強く 膜から離れるに従い弱くなる 結膜炎でみられる結膜充 はその逆である 前房炎症の有無 膜病変の有無を必ずチェックし これらの疾患を除外する 感染性結膜炎にはアレルギー 物理 化学的原因による結膜炎などがある 結膜炎の発症様式や既往歴が参考になる 春先に痒みを伴って結膜炎症状があり 炎症状を伴っていれば季節性アレルギーの可能性が い 最終的には 眼脂の塗抹検鏡による好酸球の証明 あるいは涙液 IgE の測定など アレルギーを証明する検査が必要である 治療 針 3: 重症度 予後評価 [ID0013] 重症度 予後について考えるには 結膜炎の原因が何であるかある程度決定できている必要がある 確実な病因決定でなくても おおよその病因診断はできていなければならない 初診当 その場で結果が出る検査は限られており なかでは 眼脂の塗抹検鏡と涙液 IgE 測定 アデノウイルス抗原検出キットが使いやすい 淋菌性結膜炎では早期診断 ( 初診時の病因診断 ) が重要であり 適切な抗菌薬を投与しないと 1 週間 らずで 膜潰瘍 膜穿孔といった重篤な合併症を引き起こす 4: 初期治療 [ID0014] 結膜炎の原因により 初期治療を決定する 細菌性 : フルオロキノロンまたはセフェム系抗菌点眼薬を投与 淋菌性は性感染症ガイドラインを参考に全 投与薬を選択して投与する メチシリン耐性 ブドウ球菌 (MRSA) が考えられる場合は クロラムフェニコールをまず投与する ウイルス性 : アデノウイルス エンテロウイルスには対症療法のみ ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs) も 1 つの選択肢である 抗菌点眼薬はかならずしも必要ない HSV であれば アシクロビル眼軟膏を投与する クラミジア : オフロキサシン眼軟膏が推奨されている 代替処 としてマクロライド系やフルオロキノロン系抗菌点眼薬が いられることも多い 涙道感染 : 涙道洗浄 涙 管炎では物理的掻爬が必須である 5: フォローアップ 法 [ID0015] 基本的には 1 週間後の再診を勧める ウイルス性で偽膜形成が懸念されるとき 淋菌性で 膜合併症が 配なときは 3 4 後に再来させる 6: 治療の中 [ID0016] 充 眼脂などの主要症状が消失すれば 点眼を中 とする ただし クラミジアは 8 週間の抗菌点眼薬治療が必要とされる アデノウイルスでは 結膜炎の軽快後に 膜混濁 (MSI) が残ることがあり ステロイドの点眼をしばらく使 せざるを得ない場合がある HSV では約 2 週間のアシクロビル眼軟膏投与が必要 7: 専 医相談のタイミング [ID0017] 初期治療に反応しない場合や 重篤な合併症 ( 例えば 淋菌性結膜炎の 膜潰瘍 穿孔など ) が懸念される場合は眼感染症の専 医に紹介する 8: 院適応 [ID0018] 感染性結膜炎で 院が必要になる場 は 前項で述べた重篤な 膜合併症が懸念される場合だけである 9: 難治症例の治療 [ID0019] 初期治療に反応しない場合には 細菌培養の結果や薬剤感受性の結果を参考に抗菌薬の変更 追加など治療法の修正を う 原因検索の再検が必要な場合もある 10: 頻度の い疾患 [ID0020] 種々の原因の結膜炎を鑑別する必要がある 頻度としては細菌性が最も多い 2015/01/28 Page 4 of 31
細菌性 : 眼脂の塗抹検鏡 ( ギムザ染 グラム染 ) 細菌培養 ( 好気性 必要があれば嫌気性 ) 細菌の PCR( 特に淋菌など ) ウイルス性 : 眼脂の塗抹検鏡 アデノウイルス抗原検出 ウイルス PCR 清抗体価測定 クラミジア : 抗原検出 クラミジア PCR 結膜擦過物の塗抹検鏡 涙道感染 : 分泌物の塗抹検鏡 細菌培養 細菌 PCR( 特に放線菌 ) 涙道洗浄 11: 重篤な疾患 [ID0021] 淋菌性結膜炎 : 迅速診断が肝 眼脂の塗抹検鏡 ( グラム染 ) が重要 細菌培養のオーダーは必ず 淋菌 を 的菌種として明記すること 多剤耐性が多いので薬剤感受性も必ず調べる クラミジア結膜炎 : 抗原検出 PCR MRSA 結膜炎 : 細菌培養と薬剤感受性 涙 管炎 : 涙道洗浄 涙道分泌物の塗抹検鏡 12: 隔離等 感染予防 公衆衛 での注意点 [ID0024] 隔離等 感染予防 公衆衛 での注意点 ( 含む感染経路 ) 咽頭結膜熱 (PCF) 流 性 結膜炎 (EKC) 急性出 性結膜炎 (AHC) の三疾患は 眼脂や涙液から 指などを介して接触感染で感染が広がる 伝染 が強く しばしば家族内感染や院内感染を起こす 基本的な感染予防として 眼に触らないことと 洗いの励 が重要である 患者が触れた部位は アルコールや弱酸性 などで清拭する 使 したリネン類は熱湯消毒する 学校は下記の学校保健安全法に従って登校禁 とする 会社は 伝染 が強い発症後 1 週間程度は休むことが望ましい 出勤する場合は 他 との接触を避ける 他 と物を共有しない などの注意が必要である 医事従事者院内感染予防のためには 医療従事者の徹底した 洗いや診察環境の整備 対策が重要である 汚物に接触したときの対応 指に眼脂や涙液などの分泌物が触れたときは まず 鹼と流 で洗い流し その後速乾性の擦り込み式消毒薬を いる 器具は滅菌できるものは滅菌し 不可能なものは薬液を いて消毒する 中 準以上の消毒液を いる 感染症法 学校保健法咽頭結膜熱 (PCF) 流 性 結膜炎 (EKC) 急性出 性結膜炎 (AHC) は感染症法の第 5 類疾患に定められ 基幹定点医療機関で発 数が監視されている PCF は 児科定点から 他の 2 疾患は眼科定点から報告されている EKC は年間定点あたり 10 15 程度の報告数であるが AKC は EKC のおよそ 1/30 程度と少ない 学校保健安全法では PCF は第 2 類に分類され 主要症状が消失した後 2 を経過するまで出席停 と規定されている EKC AHC は第 3 類に分類され 症状により学校医その他の医師が感染のおそれがないと認めるまで出席停 となっている ただし PCF では症状が消失した後も 1 カ 程度は糞便中にウイルスが排泄されるため プールは禁 とする イメージ [ID0601] カタル性結膜炎と粘液膿性眼脂 2015/01/28 Page 5 of 31
濾胞や乳頭がなく 充 と結膜の っぽい浮腫が特徴である これらはカタル性結膜炎と呼ばれる 粘性が くやや い眼脂を伴う 細菌性結膜炎の典型例である [ID0602] クラミジアによる濾胞性結膜炎 結膜円蓋部を中 に 型の充実性濾胞が多数みられる クラミジア結膜炎の成 例 アデノウイルス結膜炎との鑑別が必要である [ID0603] アデノウイルスによる濾胞性結膜炎 2015/01/28 Page 6 of 31
充 と濾胞形成が認められる [ID0604] 乳頭増殖 ( 乳頭性結膜炎 ) 上瞼結膜に充 と細かい乳頭の増殖がある い点の集合のようにみえる 結膜炎が 期に及んだ場合に起こる変化である [ID0605] 偽膜性結膜炎 2015/01/28 Page 7 of 31
上下の瞼結膜に偽膜形成がみられる 厚くなるとこのような いゴム様の外観を呈する アデノウイルス結膜炎の例 単純ヘルペス 新 児クラミジア結膜炎でもみられることがある [ID0606] 感染性ならびに 感染性結膜炎の原因 結膜炎の原因は感染性と 感染性に 別され 前者には細菌 ウイルス クラミジアがあり 後者にはアレルギーや物理化学的なものが含まれる [ID0607] 眼脂の 眼的性状と考えるべき原因 眼脂の 眼的性状は 4 種類に分類される 性状によって 結膜炎の原因を類推できる [ID0608] 淋菌性結膜炎の膿性眼脂 量の クリーム状の膿性眼脂がみられる 第 に淋菌を考えるべき所 である アルゴリズム ページ上部に戻る 2015/01/28 Page 8 of 31
[ID0701] 結膜炎の鑑別診断 結膜の所 をとり 臨床病型と眼脂の性状から結膜炎の原因を考え 初期治療を選択する 鑑別疾患 感染性結膜炎アレルギー性結膜炎 ( 季節性 通年性 アトピー性 ) 物理 化学的結膜炎乾性 結膜炎 ( シェーグレン症候群含む ) 眼瞼 膚疾患による結膜炎マイボーム腺関連 結膜炎霰粒腫 粒腫眼瞼縁炎に伴う結膜炎酒さ伝染性軟属腫 全 疾患に伴う結膜炎川崎病 疹 疹インフルエンザ 痘 エビデンス / 解説 1. 結膜炎の鑑別診断 病因診断には塗抹検鏡が有 である 迅速性 感度の点で細菌培 ページ上部に戻る ページ上部に戻る 2015/01/28 Page 9 of 31
養に勝る場合もある 詳しく る 2. 細菌性結膜炎に対する初期治療 ( エンピリック治療 ) は フルオロキノロンかセフメノキシムの点眼が推奨される 詳しく る 3. ウイルス性結膜炎 ( アデノウイルス結膜炎 ) に対して 細菌の 次感染予防の 的で抗菌点眼薬を使う必要はない 詳しく る 4. アデノウイルス結膜炎では初期からステロイド点眼 ( 結膜炎の消炎 的 ) を いるべきではない 詳しく る 5. アデノウイルス結膜炎の抗原検出法 ( 免疫クロマトグラフィ ) は 感度がやや低いために偽陰性に注意が必要である 詳しく る 6. MRSA 結膜炎では バンコマイシンの前にクロラムフェニコール点眼 ( オフサロン ) を試してみる価値がある 詳しく る 7. コリネバクテリウムは 齢者の結膜炎の原因菌の1つであり フルオロキノロン耐性が多いので アミノグリコシド系やセフェム系抗菌薬を選択する 詳しく る 8. クラミジア結膜炎では 性器のほか咽頭感染の合併も多く 抗菌薬の全 投与による治療が必要である 詳しく る 9. 淋菌性結膜炎を市販抗菌点眼薬のベストロンで治療できる保証はない 全 投与が必須である 詳しく る ガイドライン ページ上部に戻る 関連するガイドライン [http://www.nichigan.or.jp/member/guideline/adenovirus.jsp アデノウイルス結膜炎院内感染対策ガイドライン ] 1: 内 幸男 : 結膜の症候学. 眼科 MOOK33 結膜疾患 ( 中直彦編 ), 原出版,1987; 16-24. ページ上部に戻る 2: 中川尚 : 結膜以外を観察する. 眼科診療クオリファイ 2 結膜炎オールラウンド ( 橋裕 編 ), 中 書店,2010; 31-35. 3: 秦野寛 : 眼脂を 分ける. 眼科診療クオリファイ 2 結膜炎オールラウンド ( 橋裕 編 ), 中 書 2015/01/28 Page 10 of 31
3: 秦野寛 : 眼脂を 分ける. 眼科診療クオリファイ 2 結膜炎オールラウンド ( 橋裕 編 ), 中 書店,2010; 6-9. 4: 中川尚 : スメアを採る. 眼科診療クオリファイ 2 結膜炎オールラウンド ( 橋裕 編 ), 中 書店,2010; 25-30. 最終更新 : 2015 年 1 28 << ページ末尾 :#actiondetails4.aspx?diseaseid=584>> 2015/01/28 Page 11 of 31
エビデンス 解説 #584 感染性結膜炎 中川尚徳島診療所眼科 1: エビデンス [ID0501] 1 / 9 結膜炎の鑑別診断 病因診断には塗抹検鏡が有 である 迅速性 感度の点で細菌培養に勝る場合もある 推奨度 1 現在 感染症診断は抗原検出や遺伝 検出などの特異的検査が主流であるが 古くからある塗抹検鏡は鑑別診断において有 な検査法である 培養の難しい細菌の検出 ( 放線菌 嫌気性菌など ) に優れており 初診時にその場で検査結果が得られるため 迅速性にも優れている 眼脂中の 球の種類をみることで細菌 ウイルス クラミジア アレルギーなどのおおまかな鑑別診断の情報が得られるうえ 光学顕微鏡で発 できる細菌 クラミジアなどではその場で確定診断も可能である 1: 内 幸男, ほか : 結膜の擦過標本の. あたらしい眼科, 1984; 1:303-310. 2: 中川尚 : スメアを採る. 眼科診療クオリファイ 2 結膜炎オールラウンド ( 橋裕 編 ), 中 書店,2010; 25-30. 3: 中川尚 : 眼感染症における塗抹検鏡の重要性. Medical Technology, 2010; 38:573-576. 2: エビデンス [ID0502] 2 / 9 細菌性結膜炎に対する初期治療 ( エンピリック治療 ) は フルオロキノロンかセフメノキシムの点眼が推奨される 推奨度 2C 細菌性結膜炎からの検出菌に対する薬剤感受性は 総じてフルオロキノロンとセフェム系が良好であるとの報告がある したがって 菌種や薬剤感受性が判明するまでの初期治療 ( エンピリック治療 ) としては 両者のどちらかを選択することがよいと考えられる ただし 淋菌が考えられる場合は例外で 必ず性感染症学会のガイドラインに沿って薬剤選択をしなければならない そのためには 初診時に塗抹検鏡でおおまかな菌種を把握しておくことが重要である 1: 松本治恵, ほか : 多施設共同研究による細菌性結膜炎における検出菌動向調査あたらしい眼科, 2007; 24:647-654. 2: 早川信 郎, ほか : 細菌性結膜炎における検出菌 薬剤感受性に関する 5 年間の動向調査 ( 多施設共同研究 ). あたらしい眼科, 2011; 38:679-687. 3: エビデンス [ID0503] 3 / 9 ウイルス性結膜炎 ( アデノウイルス結膜炎 ) に対して 細菌の 次感染予防の 的で抗菌点眼薬を使う必要はない 推奨度 2J かつてわが国では ウイルス性結膜炎に対して細菌の 次感染予防のために抗菌点眼薬を処 されることが多かった たしかに ウイルス性結膜炎で細菌培養を うとかなりの率で細菌が検出されるが その菌が起炎菌と考えられる すなわち細菌の重複感染と考えられる症例は 較的まれと考えられる 抗菌薬の適正使 の観点からも抗菌点眼薬の使 は必要ないと考えられる 重症例で 膜びらんを合併し 細菌感染の危険が いと考えられる症例に限定して使 すべきであろう 1: 井上幸次 : 第 5 章治療. ウイルス性結膜炎のガイドライン, 眼会誌, 2003; 107:24-26. 2: 渡辺洋 郎, ほか : アデノウイルス結膜炎患者結膜における細菌感染. 眼会誌, 2000; 104: 555-558. 2015/01/28 Page 12 of 31
4: エビデンス [ID0504] 4 / 9 アデノウイルス結膜炎では初期からステロイド点眼 ( 結膜炎の消炎 的 ) を いるべきではない 推奨度 1J アデノウイルス結膜炎は 眼瞼腫脹や結膜充 などの炎症所 が強いため 消炎 的で初診時からステロイド点眼を処 されているケースに時々遭遇する しかし 動物実験ではステロイド点眼によってウイルスの排出期間が延 するとの結果も されており 感染予防の観点からは好ましくない また 眼瞼ヘルペスや 膜潰瘍を合併していない単純ヘルペス結膜炎は アデノウイルス結膜炎と臨床的に区別できない このような症例に 知らずにステロイド点眼を処 すると 結膜炎が遷延し さらに 膜ヘルペスを惹起する結果となる このような医原性 膜ヘルペスを防ぐためにも ステロイド点眼はアデノウイルス結膜炎の 膜合併症 (MSI) に限り使 するべきである 炎症所 の強い例には NSAIDs を使ってもよい 1: 井上幸次 : 第 5 章治療. ウイルス性結膜炎のガイドライン, 眼会誌, 2003;107:24-26. 2: The effects of corticosteroids of adenoviral replication. PMID 8619769 Arch Ophthalmol. 1996 May;114(5):581-5. 3: Clinical and epidemiological features of acute follicular conjunctivitis with special reference to that caused by herpes simplex virus type 1. PMID 10966946 Br J Ophthalmol. 2000 Sep;84(9):968-72. 5: エビデンス [ID0505] 5 / 9 アデノウイルス結膜炎の抗原検出法 ( 免疫クロマトグラフィ ) は 感度がやや低いために偽陰性に注意が必要である 推奨度 1o 免疫クロマト法のアデノウイルス抗原検出キットは 外来にて 15 分程度で施 可能な便利な検査キットである 偽陽性がほとんどないため 陽性と出れば まず間違いなくアデノウイルス感染症と診断できる 咽頭と異なり結膜炎の場合 感度は 80% 程度とやや低いため偽陰性を す場合がある 結果が陰性の場合には 真の陰性か 感度が悪いための偽陰性かを判断する必要がある 眼脂の塗抹検鏡所 が判断のための重要な情報源になる 迅速性に けるが PCR などの遺伝 診断をオーダーしてもよい 1: 有賀俊英, ほか : 改良型アデノチェックの臨床的検討. 臨眼, 2005; 59:1183-1188. 2: 吉 和彦, ほか : アデノウイルス迅速診断キット キャピリアアデノアイ の検討. 臨眼, 2008; 62:71-74. 3: 内聡, ほか : アデノウイルス結膜炎迅速診断キットキャピリアアデノとアデノチェックとの 較. あたらしい眼科, 2006; 23:921-924. 6: エビデンス [ID0506] 6 / 9 MRSA 結膜炎では バンコマイシンの前にクロラムフェニコール点眼 ( オフサロン ) を試してみる価値がある 推奨度 2o 2015/01/28 Page 13 of 31
現在 MRSA 結膜炎に対する抗菌点眼薬として 1% バンコマイシン眼軟膏がある しかし 本剤の適正使 の観点から 本眼科学会専 医あるいは専 医の指導のもとでの使 に制限されているため 誰でも容易に使 することはできない 結膜炎から分離された MRSA の薬剤感受性をみると 既成抗菌点眼薬のなかでクロラムフェニコールの感受性がよい この点眼薬の使 で 80% の MRSA 結膜炎が治癒した報告があり クロラムフェニコール点眼をまず試してみることが推奨される 1: 藤 敦, ほか : 重篤な MRSA 眼感染症と 家調整バンコマシシン眼軟膏. あたらしい眼科, 2000; 17:93-95. 2: 橋秀 : 齢者の MRSA 結膜 80 例の臨床的検討. 眼科, 2001; 43:403-406. 3: 外園千恵 : 膜感染症への対処法 MRSA 膜感染症. あたらしい眼科, 2002; 19:991-997. 7: エビデンス [ID0507] 7 / 9 コリネバクテリウムは 齢者の結膜炎の原因菌の1つであり フルオロキノロン耐性が多いので アミノグリコシド系やセフェム系抗菌薬を選択する 推奨度 1C コリネバクテリウムは病原性の弱い菌で 外眼部感染症の起炎菌にはならないだろうとかつて考えられてきた したがって コリネバクテリウムが結膜炎患者から検出されても 起炎菌とは判断されなかった しかし 近年の研究により コリネバクテリウムは結膜炎や 膜炎の原因になり得ることが判明し 特に 齢者の外眼部感染症の起炎菌として注 されている さらに 近年のキノロン系抗菌点眼薬の汎 を反映して 分離されるコリネバクテリウムの半数がキノロン耐性である これらの耐性菌には アミノグリコシド系 ( トブラシン など ) あるいはセフェム系 ( ベストロン ) 抗菌点眼薬が有効であり これらの点眼薬を選択する 1: 井上幸次, ほか : 前眼部 外眼部感染症における起炎菌判定 - 本眼感染症学会による眼感染症起炎菌 薬剤感受性多施設調査 -. 眼会誌, 2011;115:801-813 2: High-level fluoroquinolone resistance in ophthalmic clinical isolates belonging to the species Corynebacterium macginleyi. PMID 18077650 J Clin Microbiol. 2008 Feb;46(2):527-32. doi: 10.1128/JCM.01741-07. Ep 8: エビデンス [ID0508] 8 / 9 クラミジア結膜炎では 性器のほか咽頭感染の合併も多く 抗菌薬の全 投与による治療が必要である 推奨度 2o クラミジア結膜炎は 新 児でも成 でも全 合併症の存在に注意する必要がある 新 児では 結膜炎患児の 50% に咽頭感染を合併するといわれ そのなかでクラミジア肺炎に進展する場合もある 規模な調査はなされていないが 成 結膜炎患者でも咽頭感染の合併率は少なくとも 20 30% 以上と考えられる 結膜炎の治療にあたり 全 合併症の存在を考慮し内服治療を併 するべきと考えられる 1: Persistence of chlamydial infection after treatment for neonatal conjunctivitis. PMID 7212757 Arch Dis Child. 1981 Mar;56(3):193-8. 2: 中川尚, ほか : 呼吸器感染を合併した新 児封 体結膜炎の 5 例. 臨眼, 1990; 44:1141-1145. 3: 全奈都, ほか : 成 型封 体結膜炎と上咽頭クラミジア感染. 臨眼, 1995; 49:443-445. 2015/01/28 Page 14 of 31
9: エビデンス [ID0509] 9 / 9 淋菌性結膜炎を市販抗菌点眼薬のベストロンで治療できる保証はない 全 投与が必須である 推奨度 2J 淋菌性結膜炎の治療は 性感染症学会ガイドラインに沿って われるべきである 率なキノロン耐性からキノロン点眼は禁忌であるが 部のセフェム系抗菌薬にも耐性がみられており セフメノキシム ( ベストロン ) が有効であるというエビデンスはない したがって 淋菌性結膜炎の治療で最も 切なことは ガイドラインに された全 投与薬を いて治療を うことであり 点眼薬を併 する場合は分離された菌の薬剤感受性をみて既成点眼薬のなかから選択するか 家調整で点滴 薬剤を 0.5 1% 程度に希釈して点眼として いるなどの 法を考慮するべきと考えられる 1: 本性感染症学会 : 性感染症診断 治療ガイドライン 2011. 本性感染症学会雑誌, 2011; 22:57-6152-59. 2: 中川尚, ほか : フルオロキノロン耐性株による淋菌性結膜炎の 児例. あたらしい眼科, 2010; 27:235-238. 最終更新 : 2015 年 1 28 << ページ末尾 :#evidencedetails4.aspx?diseaseid=584>> 2015/01/28 Page 15 of 31
画像 覧 #584 出典欄記述 法 作図にあたって参考にした 献 さらに詳しく知るための参考資料 の場合は 出典と区別するために 参考 献 : とご記述いただけましたら幸いです 画像出典表記についてご了承のお願い先 に元図をご提供いただき それを元に弊社にてイラストを描き起こしている場合は エルゼビア作成のイラストとして 出典を割愛させていただいている場合があります その点ご了承のほどお願いいたします 他社出版社発 物からの転載は 額の場合や許諾が下りない場合は 掲載できない場合がありますので ご了承ください 説明 出典のご記載を頂いている場合は空欄で結構です 1 ガイドライン 編者名 編 : ガイドライン名 策定年度 年版 p 掲載 or 図版番号 発 元 出版年 2 雑誌著者名 : 表題. 雑誌名発 年 ( 暦 ); 巻 ( 号 ): -. 例 1 郎 : 中枢神経の構造的特徴. 脳と神経 1998;45(7):12-15. 例 2 参考 献 :Hauenstein EJ, Marvin RS, Snyder AL, et al.: Stress in parents of children with diabetes mellitus. Diabetes Care 1989; 12(1): 18-23. PMID: 2714163 3 単 本著者名 : 表題. 編者名. 書名. 発 所所在地 ( 本の出版社の場合は不要 ): 発 所, 発 年 ( 暦 ); 掲載. 例 1 郎 : 脳と脊髄への 液供給. 吉 次郎編. 神経科学. エルゼビア ジャパン, 2003;125. 例 2 参考 献 :Kettenmann H, Ranson BR: Neuroglia. New York: Oxford University Press,1955; 154. 4 その他 学 先 よりご提供 等 明記してください 感染性結膜炎 中川尚徳島診療所眼科 [ID0601] 画像 覧 表 カタル性結膜炎と粘液膿性眼脂 濾胞や乳頭がなく 充 と結膜の っぽい浮腫が特徴である これらはカタル性結膜炎と呼ばれる 粘性が くやや い眼脂を伴う 細菌性結膜炎の典型例である 出典 2015/01/28 Page 16 of 31
[ID0602] クラミジアによる濾胞性結膜炎 結膜円蓋部を中 に 型の充実性濾胞が多数みられる クラミジア結膜炎の成 例 アデノウイルス結膜炎との鑑別が必要である 出典 [ID0603] 画像 覧 表 アデノウイルスによる濾胞性結膜炎 充 と濾胞形成が認められる 2015/01/28 Page 17 of 31
出典 [ID0604] 乳頭増殖 ( 乳頭性結膜炎 ) 上瞼結膜に充 と細かい乳頭の増殖がある い点の集合のようにみえる 結膜炎が 期に及んだ場合に起こる変化である 出典 [ID0605] 偽膜性結膜炎 上下の瞼結膜に偽膜形成がみられる 厚くなるとこのような いゴム様の外観を呈する アデノウ 2015/01/28 Page 18 of 31
イルス結膜炎の例 単純ヘルペス 新 児クラミジア結膜炎でもみられることがある 出典 [ID0606] 感染性ならびに 感染性結膜炎の原因 結膜炎の原因は感染性と 感染性に 別され 前者には細菌 ウイルス クラミジアがあり 後者にはアレルギーや物理化学的なものが含まれる 出典 [ID0607] 眼脂の 眼的性状と考えるべき原因 眼脂の 眼的性状は 4 種類に分類される 性状によって 結膜炎の原因を類推できる 2015/01/28 Page 19 of 31
出典 [ID0608] 淋菌性結膜炎の膿性眼脂 量の クリーム状の膿性眼脂がみられる 第 に淋菌を考えるべき所 である 出典 [ID0621] 結膜炎の診断に必要な検査 病因診断に必要な検査には 特異的検査と 特定の微 物をターゲットにした特異的検査がある 2015/01/28 Page 20 of 31
出典 [ID0622] 眼脂の塗抹検鏡による結膜炎の鑑別 眼脂中の 球の種類や付随所 から結膜炎の原因を推定できる 出典 [ID0623] 好中球浸潤と細菌 ( フェイバー G 染 ) 眼脂塗抹標本をグラム染 の簡易キットフェイバー G で染 したもの 好中球優位で グラム陽性の双球菌が観察される 好中球による貪 像があり 莢膜による菌体周囲の不染帯も確認でき 肺炎球菌が強く疑われる 2015/01/28 Page 21 of 31
出典 [ID0624] リンパ球優位の 球浸潤 ( ディフ クイック染 ) この眼脂塗抹標本では リンパ球優位の 球浸潤が観察され ウイルス性結膜炎が疑われる ( アデノウイルス結膜炎の症例より ) 出典 [ID0625] 蛍光抗体法によるクラミジアの検出 2015/01/28 Page 22 of 31
アップルグリーンに染まるクラミジア粒 が多数観察される ( 結膜擦過物の塗抹標本 ) 出典 [ID0626] 細菌性結膜炎に対する選択薬剤 般的な第 1 選択薬はフルオロキノロンまたはセフェム系である 耐性菌に対しては 各々の菌に感受性のある抗菌薬を選ぶ 出典 2015/01/28 Page 23 of 31
出典 [ID0671] 細菌性結膜炎 カタル性結膜炎と粘液膿性眼脂を特徴とする 出典 [ID0672] アデノウイルス結膜炎 濾胞性結膜炎 ( 多くは 前リンパ節腫脹 圧痛を伴う ) 2015/01/28 Page 24 of 31
出典 [ID0701] 結膜炎の鑑別診断 結膜の所 をとり 臨床病型と眼脂の性状から結膜炎の原因を考え 初期治療を選択する 出典 最終更新 : 2015 年 1 28 << ページ末尾 :#ImageList4.aspx?DiseaseID=584>> ページ上部に戻る 2015/01/28 Page 25 of 31
評価 治療例 ( 詳細 ) #584 感染性結膜炎 初診時 対象患者 コメントを隠す / 表 する 中川尚徳島診療所眼科 下記は 部を除き 執筆者が過去に診た 20 の患者で 2 以上に った事を羅列して頂いています 実際の 1 の患者に った内容は 下記の 部分であることを了解下さい 評価 針 治療 針 感染性結膜炎の検査は迅速性 簡便性 感度 特異性などを考慮して適宜オーダーする 基本的には 特異的検査と特異的検査を組み合わせて う 検体検査 細菌培養対象患者 : 細菌性結膜炎を疑うすべての患者 ( 推奨度 2) ウイルス抗原検出 [ID0505] 対象患者 : アデノウイルス結膜炎を疑うすべての患者 ( 推奨度 2) ウイルス遺伝 検出 (PCR) [ID0505] 対象患者 : アデノウイルス エンテロウイルス 単純ヘルペスウイルスを疑うすべての患者 ( 推奨度 2) クラミジア抗原検出 [ID0625] 対象患者 : クラミジア結膜炎を疑うすべての患者 ( 推奨度 2) クラミジア遺伝 検出対象患者 : クラミジア結膜炎を疑うすべての患者 ( 推奨度 2) 涙液 IgE 測定対象患者 : アレルギー性結膜炎を疑うすべての患者 ( 推奨度 2) 感染性結膜炎との鑑別上必要があれば 涙道洗浄対象患者 : 涙道感染症を疑うすべての患者 ( 推奨度 1) 理 画像検査 眼脂塗抹検鏡 ( ギムザ染 グラム染 )[ID0621][ID0622][ID0623][ID0624] [ID0501] 対象患者 : 結膜炎を疑うすべての患者 ( 推奨度 1) 結膜炎鑑別診断の最も重要な検査 結膜擦過物塗抹検鏡対象患者 : クラミジア結膜炎を疑うすべての患者 ( 推奨度 3) 感度が低い 結膜炎の原因により 治療薬を選択する 細菌性 : 抗菌点眼薬 [ID0626][ID0502] ウイルス性 : 抗炎症薬点眼 ( 対症療法 ) 単純ヘルペスウイルスの場合はアシクロビル クラミジア : 抗菌薬 ( 点眼 内服 )( マクロライド テトラサイクリン フルオロキノロンのなかから選択する ) 治療 眼科 抗菌薬ガチフロ点眼液 0.3% [0.3%1mL]1 本 (1 回 1 滴 1 3 回点眼 ) [ID0502] 腎可肝可妊 C 乳可児量無 2015/01/28 Page 26 of 31
対象患者 : 細菌性結膜炎 ( 淋菌を除く ) ガチフロ ベストロン ベガモックスはいずれか 1 つを いる ベストロン点眼 [0.5%](1 回 1 滴 1 3 回点眼 ) [ID0507][ID0502] 腎可肝可不明不明児量 [ 有 ] 対象患者 : 細菌性結膜炎 ( 淋菌を含む ) ガチフロ ベストロン ベガモックスはいずれか 1 つを いる ベガモックス点眼液 [0.5%](1 回 1 滴 1 3 回点眼 ) [ID0502] 腎可肝可不明乳可児量無 対象患者 : 細菌性結膜炎 ( 淋菌を除く ) ガチフロ ベストロン ベガモックスはいずれか 1 つを いる エコリシン点眼液 [1mL](1 時間ごと ) 腎可肝可不明不明児量 [ 有 ] 対象患者 : クラミジア結膜炎 ( 推奨度 1) 保険適 なしエコリシン タリビッドは通常いずれか 1 つを いる タリビッド眼軟膏 [0.3%](1 5 回 ) 腎可肝可妊 C 乳可児量無 対象患者 : クラミジア結膜炎 ( 推奨度 2) エコリシン タリビッドは通常いずれか 1 つを いる オフサロン点眼液 [5mL](1 3 回 ) [ID0506] 腎可肝可不明不明児量無 対象患者 : MRSA 結膜炎 ( 推奨度 2) 抗菌薬 ( マクロライド系 ) ジスロマック錠 [250mg](500mg 分 1 3 間 ) [ID0508] 腎可肝注妊 B 乳可児量 [ 有 ] 対象患者 : クラミジア結膜炎 ( 全 合併症がある場合 )( 推奨度 1) 上記の点眼と併 する 抗菌薬 ( セフェム系第 3 世代 ) ロセフィン静注 [1g](1 回 1g 点滴静注 ) [ID0509] 腎注肝可妊 B 乳可児量 [ 有 ] 対象患者 : 淋菌性結膜炎 ( 推奨度 1) 保険適 なし 眼科 副腎 質ステロイドフルメトロン点眼液 [0.1%](1 回 1 滴 1 3 回点眼 ) [ID0504] 腎可肝可不明不明児量 [ 有 ] 対象患者 : アデノウイルス結膜炎 ( 膜混濁合併例 ) 対症療法として ( 推奨度 2) フルメトロン リンデロンはいずれか 1 つを いる リンデロン点眼 点 点 液 [0.1%](1 回 1 滴 1 3 回点眼 ) 腎可肝可不明不明児量 [ 有 ] 2015/01/28 Page 27 of 31
対象患者 : アデノウイルス結膜炎 ( 偽膜形成例 結膜癒着例などの重症例 ) 対症療法として ( 推奨度 2) フルメトロン リンデロンはいずれか 1 つを いる 眼科 抗ウイルス薬ゾビラックス眼軟膏 [3%](1 5 回 ) 腎可肝可妊 B 乳可児量無 対象患者 : 単純ヘルペスウイルス結膜炎 ( 推奨度 1) 眼科 NSAIDs ニフラン点眼液 [0.1%](1 回 1 滴 1 3 回点眼 ) [ID0504] 腎可肝可不明不明児量無 対象患者 : アデノウイルス結膜炎 対症療法として ( 推奨度 2) その他涙 管掻爬対象患者 : 涙 管炎による結膜炎 ( 推奨度 1) 偽膜除去対象患者 : 偽膜性結膜炎 ( 主にアデノウイルス結膜炎 )( 推奨度 1) 合併症のコントロール 膜穿孔に注意対象患者 : 淋菌性結膜炎 ( 推奨度 1) クラミジア咽頭炎 性器クラミジア感染症の精査 治療対象患者 : クラミジア結膜炎 ( 推奨度 1) コンサルト 眼科対象患者 : 重症結膜炎の患者 ( 推奨度 1) 指導 感染予防対策 ( 登校禁 ) 対象患者 : アデノウイルス結膜炎 エンテロウイルス結膜炎 ( 推奨度 1) 再診 院の指 通常 1 週間以内 重症例 膜合併症が懸念される場合には 2 3 後 対象患者 : すべての結膜炎患者 ( 推奨度 1) 推奨度 1: 明らかに利益が害やコストよりも上回る 必ず う必要があり得る 為 推奨度 2: 害 コストよりも 利益が上回る可能性が い 半数以上の状況で われ得る 為 推奨度 3: 利益よりも 害 コストが 上回る可能性が い 半数以下の状況で われ得る 為 推奨度 4: 明らかに利益が害やコストよりも下回る 医学的に原則禁忌といわれている 為 ( 詳細はこちら参照 ) 薬剤中分類 法 同効薬 診療報酬は エルゼビアが独 に作成した薬剤情報であり 著者により作成された情報ではありません 尚 法は添付 書より 同効薬は 薬剤師監修のもとで作成しております 最終更新 : 2015 年 1 28 << ページ末尾 :#situationdetails6.aspx?diseaseid=584&situationno=1>> 2015/01/28 Page 28 of 31
評価 治療例 ( 詳細 ) #584 感染性結膜炎 フォローアップ時 対象患者 コメントを隠す / 表 する 中川尚徳島診療所眼科 下記は 部を除き 執筆者が過去に診た 20 の患者で 2 以上に った事を羅列して頂いています 実際の 1 の患者に った内容は 下記の 部分であることを了解下さい 評価 針 治療 針 初期治療に反応しない場合 結膜所 が悪化する場合は もう 回結膜炎の原因を再検索する必要がある 検体検査 細菌培養対象患者 : 細菌性結膜炎 ( 耐性菌疑い ) を疑う症例 ( 推奨度 2) クラミジア抗原検出対象患者 : クラミジア結膜炎を疑うすべての患者 ( 推奨度 2) クラミジア遺伝 検出対象患者 : クラミジア結膜炎を疑う症例 ( 推奨度 1) 涙道洗浄対象患者 : 涙道感染症 ( 涙嚢炎 涙 管炎 ) を認める患者 ( 推奨度 1) 理 画像検査 眼脂塗抹検鏡対象患者 : 結膜炎を疑うすべての症例 ( 推奨度 1) 結膜炎鑑別診断の最も重要な検査 細菌性結膜炎で初期治療に反応しない場合は 耐性菌感染症の可能性を考えて 点眼薬の変更を考慮する [ID0626] 治療 眼科 抗菌薬トブラシン点眼液 [0.3%](1 回 1 滴 1 3 回点眼 ) [ID0507] 腎可肝可妊 D 乳可児量無 対象患者 : 細菌性結膜炎 ( 耐性コリネバクテリウムに対し ) トブラシン オフサロン バンコマイシンは通常いずれか 1 つを いる オフサロン点眼液 [5mL](1 回 1 滴 1 3 回点眼 ) [ID0506] 腎可肝可不明不明児量無 対象患者 : 細菌性結膜炎 (MRSA に対して ) 保険適 なしトブラシン オフサロン バンコマイシンは通常いずれか 1 つを いる バンコマイシン眼軟膏 [1%](1 4 回 ) [ID0506] 腎可肝可不明乳可児量無 対象患者 : 細菌性結膜炎 (MRSA に対して ) トブラシン オフサロン バンコマイシンは通常いずれか 1 つを いる その他 涙 管掻爬 2015/01/28 Page 29 of 31
対象患者 : 涙 管炎 偽膜除去対象患者 : 偽膜性結膜炎 ( 主にアデノウイルス結膜炎 ) コンサルト 眼科対象患者 : 初期治療を って改善のみられない例 悪化する例 ( 推奨度 1) 推奨度 1: 明らかに利益が害やコストよりも上回る 必ず う必要があり得る 為 推奨度 2: 害 コストよりも 利益が上回る可能性が い 半数以上の状況で われ得る 為 推奨度 3: 利益よりも 害 コストが 上回る可能性が い 半数以下の状況で われ得る 為 推奨度 4: 明らかに利益が害やコストよりも下回る 医学的に原則禁忌といわれている 為 ( 詳細はこちら参照 ) 薬剤中分類 法 同効薬 診療報酬は エルゼビアが独 に作成した薬剤情報であり 著者により作成された情報ではありません 尚 法は添付 書より 同効薬は 薬剤師監修のもとで作成しております 最終更新 : 2015 年 1 28 << ページ末尾 :#situationdetails6.aspx?diseaseid=584&situationno=2>> 2015/01/28 Page 30 of 31
感染性結膜炎 まぶたの裏面から白目の部分までを覆う結膜に起こる炎症を結膜炎といいます 原因には 細菌 ウイルス アレルギーなどがあります 細菌やウイルスに感染して起こる結膜炎を感染性結膜炎といいます 細菌性結膜炎の多くは 抗菌点眼により数日で治ります 原因を突き止めるために 眼脂 ( 目やに ) の顕微鏡検査や培養検査を行います 中には全身疾患に関連した結膜炎もあります 必要に応じて全身検査を受ける必要があります アデノウイルス結膜炎やエンテロウイルス結膜炎は伝染力が強いので 周囲の人にうつらないように注意が必要です 結膜炎の原因を突き止めるためには 複数の検査が必要です 初診時にすべての検査結果が得られないときには 途中で診断が変更される場合もあります 診断変更に伴い 初期治療が変わることもあります アデノウイルス結膜炎やエンテロウイルス結膜炎など伝染性結膜炎と診断された場合は 汚れた手で目をこすらない 手をよく洗うといった感染予防を行いましょう 点眼薬は 点眼回数をきちんと守り 症状が改善しても指示があるまでは中止せずに続けましょう 点眼薬を使用して 眼の痛みやかゆみ 充血の増加などの症状が現れたときは 主治医に申し出てください 2015/01/28 Page 31 of 31