第 68 回税理士試験 相続税法 本解答は平成 30 年 8 月 0 日 3 時に学校法人大原学園が独自に作成したもので 予告なしに内容を変更する場合があります また 本解答は学校法人大原学園が独自の見解で作成 / 提供しており 試験機関による本試験の結果等について保証するものではありません 本解答の著作権は学校法人大原学園に帰属します 無断転用 転載を禁じます
本試験模範解答 相続税法 第一問 -50 点 - 問 について (30 点 ) 概要 ()~(3) のタイトルが全て列挙できていて ( 点 ) 相続税法において 個人以外の者に相続税を課すこととされている規定は 下記のとおり である () 人格のない社団等又は持分の定めのない法人に対する課税 (2) 特定の一般社団法人等に対する課税 (3) 受益者等が存しない信託等の特例 2 人格のない社団等又は持分の定めのない法人に対する課税 (9 点 ) () 人格のない社団等に納税義務が生じる場合 人格のない社団等に対し財産の贈与 遺贈又は設立のための提供があった場合においては その人格のない社団等を個人とみなして 贈与税又は相続税を課する (2) 持分の定めのない法人に納税義務が生じる場合 持分の定めのない法人に対し財産の贈与 遺贈又は設立のための提供があった場合におい て その贈与 遺贈又は提供によりその贈与 遺贈又は提供をした者の親族その他これらの 者と特別の関係がある者の相続税又は贈与税の負担が不当に減少すると認められるときは その持分の定めのない法人を個人とみなして 贈与税又は相続税を課する (3) 法人税等相当額の控除 個人とみなされるものの贈与税又は相続税の額については その個人とみなされるものに 課される法人税等相当額を控除する (4) 住所の判定 納税義務者の規定の適用については 個人とみなされるものの住所は その主たる営業所 又は事務所の所在地にあるものとみなす 3 特定の一般社団法人等に対する課税 (4 点 ) () 特定の一般社団法人等に相続税の納税義務が生じる場合 一般社団法人等の理事である者 ( その一般社団法人等の理事でなくなった日から 5 年を経 過していない者を含む ) が死亡した場合において その一般社団法人等が特定一般社団法 人等に該当するときは その特定一般社団法人等はその死亡した者 ( 以下 被相続人 とい う ) の相続開始時におけるその特定一般社団法人等の次に掲げる金額をその被相続人から 遺贈により取得したものと その特定一般社団法人等は個人とそれぞれみなして その特定 一般社団法人等に相続税を課する 純資産額 ( 財産の価額の合計額負債の価額の合計額 ) 同族理事の数 + (2) 贈与税及び相続税の控除 () の規定により特定一般社団法人等に相続税が課される場合には その特定一般社団法人 等の相続税の額については 持分の定めのない法人としてその特定一般社団法人等に課され た贈与税及び相続税の税額を控除する (3) 住所の判定 相続税の納税義務者の規定の適用については () の特定一般社団法人等の住所は その主 たる事務所の所在地にあるものとする
(4) 生前贈与加算の不適用 () の規定の適用がある場合において その特定一般社団法人等が被相続人に係る相続開始前 3 年以内にその被相続人から贈与により取得した財産の価額については 生前贈与加算の規定は 適用しない (5) 用語の意義 一般社団法人等一般社団法人又は一般財団法人 ( 被相続人の相続開始時において公益社団法人又は公益財団法人 法人税法に規定する非営利型法人その他一定のものを除く ) をいう 2 同族理事一般社団法人等の理事のうち 被相続人又はその配偶者 三親等内の親族その他のその被相続人と特殊の関係のある者をいう 3 特定一般社団法人等一般社団法人等で次に掲げる要件のいずれかを満たすものをいう イ被相続人の相続開始直前におけるその被相続人に係る同族理事の数の理事の総数のうちに占める割合が2 分のを超えること ロ被相続人の相続開始前 5 年以内においてその被相続人に係る同族理事の数の理事の総数のうちに占める割合が2 分のを超える期間の合計が3 年以上であること 4 受益者等が存しない信託等の特例(6 点 ) () 受益者等が存しない信託受益者等が存しない信託 ( 退職年金の支給を目的とする信託を除く 以下同じ ) の効力が生ずる場合において その信託の受益者等となる者がその信託の委託者の親族であるとき ( 受益者等となる者が明らかでない場合には 信託終了時に親族が残余財産の給付を受けることとなるとき ) は その信託の効力が生ずる時において その信託の受託者は その信託に関する権利をその委託者から贈与又は遺贈により取得したものとみなす (2) 受益者等が不存在となった場合受益者等の存する信託について その信託の受益者等が不存在となった場合において その受益者等の次に受益者等となる者がその信託の効力が生じた時の委託者又はその前の受益者等の親族であるとき ( 次に受益者等となる者が明らかでない場合には 信託終了時に委託者又はその前の受益者等の親族が残余財産の給付を受けることとなるとき ) は その受益者等が不存在となった時において その信託の受託者は その信託に関する権利をその前の受益者等から贈与又は遺贈により取得したものとみなす (3) 受託者が個人以外である場合 ()(2) の規定の適用がある場合において これらの信託の受託者が個人以外であるときは その受託者を個人とみなして 相続税又は贈与税を課する (4) 法人税等相当額の控除 ()~(3) の規定の適用がある場合において 受託者に課される贈与税又は相続税の額については その受託者に課される法人税等相当額を控除する (5) 住所等の判定納税義務者の規定の適用については ()(2) の信託の受託者の住所は その信託の引受けをした営業所 事務所等の所在地にあるものとし ()(2) の信託の受託者は 日本国籍を有するものとする (6) 信託財産等の承継 ()(2) の規定により贈与又は遺贈により取得したものとみなされる信託に関する権利又は 2
利益を取得した者は その信託の信託財産に属する資産及び負債を取得し 又は承継したも のとみなす 問 2 について (20 点 ) () 特定居住用宅地等の意義 (2 点 ) ( 注 ) 被相続人等の ( 注 2) 居住の用に供されていた宅地等 ( その宅地等が 2 以上ある場合には 一定の宅地等に限る ) で その被相続人の配偶者又は次のいずれかを満たすその被相続人の 親族 ( その被相続人の配偶者を除く 以下 () において同じ ) が相続又は遺贈により取得し たものをいう その親族が相続開始の直前においてその宅地等の上に存する被相続人の居住の用に供され ていた一棟の建物 ( その被相続人 その配偶者又はその親族の居住の用に供されていた部分 として一定の部分に限る ) に居住していた者であって 相続開始時から申告期限 ( その親族 が申告期限前に死亡した場合には その死亡の日 (2) を除き 以下同じ ) まで引き続き その宅地等を有し かつ その建物に居住していること 2 その親族 ( 被相続人の居住の用に供されていた宅地等を取得した者に限る ) が次に掲げる 要件の全てを満たすこと ( その被相続人の配偶者又は相続開始の直前においてその被相続人 の居住の用に供されていた家屋に居住していた親族で法定相続人に該当する者がいない場合 に限る ) イ相続開始前 3 年以内に法施行地にあるその親族 その親族の配偶者 その親族の三親等 内の親族又はその親族と特別な関係がある法人が所有する家屋 ( 相続開始の直前において その被相続人の居住の用に供されていた家屋を除く ) に居住したことがないこと ロ相続開始時にその親族が居住している家屋を相続開始前のいずれの時においても所有 していたことがないこと ハ相続開始時から申告期限まで引き続きその宅地等を有していること 3 被相続人の生計一親族が 相続開始時から申告期限まで引き続きその宅地等を有し かつ 相続開始前から申告期限まで引き続きその宅地等を自己の居住の用に供していること ( 注 ) 被相続人等とは 被相続人又は被相続人の生計一親族をいう ( 注 2) 居住の用は 居住の用に供することができない事由として一定の事由により相続開 始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった場合 ( 一定の用途に供さ れている場合を除く ) におけるその事由により居住の用に供されなくなる直前のその 被相続人の居住の用を含む (2) 貸付事業用宅地等の意義 (8 点 ) ( 注 ) 被相続人等の事業 ( 不動産貸付業等に限る 以下 貸付事業 という ) の用に供されてい た宅地等で 次のいずれかを満たすその被相続人の親族 ( その親族から相続又は遺贈によりそ の宅地等を取得したその親族の相続人を含む 以下 において同じ ) が相続又は遺贈により 取得したもの ( 特定同族会社事業用宅地等及び相続開始前 3 年以内に新たに貸付事業の用に供 された宅地等 ( 相続開始の日まで 3 年を超えて引き続き一定の貸付事業を行っていた被相続人 等のその貸付事業の用に供されたものを除く ) を除く ) をいう その親族が 相続開始時から申告期限までの間にその宅地等に係る被相続人の貸付事業を 引き継ぎ 申告期限まで引き続きその宅地等を有し かつ その貸付事業の用に供している こと 2 被相続人の生計一親族が 相続開始時から申告期限まで引き続きその宅地等を有し かつ 相続開始前から申告期限まで引き続きその宅地等を自己の貸付事業の用に供していること ( 注 ) 被相続人等の事業には 準事業を含む 3
第二問 -50 点 - 各相続人等の相続税の課税価格の計算 () 相続又は遺贈により取得した個々の財産 ( 次の (2) 及び (3) に該当するものを除く ) の価額の計算 ( 単位 : 円 ) 財産の種類取得者 宅地 H 課税価格に算入される金額 計算過程 50,000 0.97=494,700<500,000 0.99=495,000 乙 76,40,080 {(500,000 0.99)+(50,000 0.97 0.08)} 330 m2 =76,40,080 宅地 I 750,000 0.99 50 m2 =,375,000 E 9,327,500,375,000 ( 注 )0.82=9,327,500 ( 注 ) 56m2 =37.33% 0.82 50m2 宅地 J 380,000.00 320 m2 =2,600,000 乙 C 60,800,000 2,600,000 2 =60,800,000 60,800,000 2,600,000 2 =60,800,000 建物 K 8,000,000.0=8,000,000 乙 C 9,000,000 8,000,000 2 =9,000,000 9,000,000 8,000,000 2 =9,000,000 (4 点 ) 4
() 相続又は遺贈により取得した個々の財産 ( 次の (2) 及び (3) に該当するものを除く ) の価額の計算 ( 続き ) ( 単位 : 円 ) 財産の種類取得者 課税価格に算入される金額 計算過程 宅地 L D 43,350,000 50,000 ( 注 ).00 ( 注 2)0.85 340 m2 =43,350,000 ( 注 ) 340m2 =24.28m>22m 22m.00 4m 66m2-340m2 ( 注 2) =44.80% 0.85 66m2 山林 P C 9,640,000 (( 注 )60,500-,400) 400 m2 =9,640,000 ( 注 ) 55,000.=60,500 Q 社株式 () 2,950 (2) 2,920 (3) 2,95 (4) 2,960 2,95 E 58,300,000 2,95 20,000 株 =58,300,000 R 社転換社債 型新株予約権 付社債 () 増資割合 20,000,000-40,000,000,000 =0. 800,000 株 (2),550+,000 0. =,500 +0. (3),000<,500 A 0,500,000,500 00,000 7,000,000 =0,500,000 00 (5 点 ) 5
() 相続又は遺贈により取得した個々の財産 ( 次の (2) 及び (3) に該当するものを除く ) の価額の計算 ( 続き ) ( 単位 : 円 ) 財産の種類取得者 課税価格に算入される金額 計算過程 S ゴルフ会員権 C - 預託金等の返還が受けられないため評価しない U 銀行 F 2,680,000 200,000 ドル 08.40=2,680,000 外貨普通預金 (2) 相続又は遺贈により取得した個々の財産 ( 取引相場のないO 社株式 ) の価額の計算イ評価方法の判定 ( 単位 : 円 ) () 同族株主等の判定 70%>50% 同族株主 (2) 取得者の判定乙 ( 乙 A H) 70% 25% 中心的な同族株主 原則的評価方式 A(A 乙 ) 60% 25% 中心的な同族株主 原則的評価方式 H(H 乙 ) 30% 25% 中心的な同族株主 原則的評価方式判定結果が合っていて (3 点 ) 6
ロ資産及び負債の計算 ( イ ) 資産の部 ( 単位 : 円 ) 科 目 帳簿価額 相続税評価額 計 算 過 程 現金預金 5,327,000 5,327,000 受取手形 2,000,000 2,000,000 売掛金 32,84,000 32,84,000 ( 千円未満切捨 ) 商品 4,393,000 4,393,000 建物 35,000,000 28,200,000 30,000,000.0=30,000,000 30,000,000 (-0.3 5 )=28,200,000 土地 60,000,000 78,500,000 保険積立金 0 0 繰延資産 0 0 生命保険金等 30,000,000 30,000,000 合計 79,534,000 9,234,000 ( ロ ) 負債の部 ( 単位 : 円 ) 科 目 帳簿価額 相続税評価額 計 算 過 程 買掛金 29,548,000 29,548,000 未払費用 2,74,000 2,74,000 借入金 2,000,000 2,000,000 貸倒引当金 0 0 退職手当金等 5,000,000 5,000,000 未払法人税 3,062,000 3,062,000 ( 千円未満切捨 ) 未払消費税,786,000,786,000 ( 千円未満切捨 ) 未払事業税,426,000,426,000 ( 千円未満切捨 ) 未払道府県民税 872,000 872,000 ( 千円未満切捨 ) 保険差益に対する 法人税等 2,590,000 2,590,000 (30,000,000-8,000,000-5,000,000) 37%=2,590,000 合計 68,458,000 68,458,000 (9 点 ) 7
ハ 株当たりの純資産価額の計算 ( 単位 : 円 ) 計算過程 (9,234,000-68,458,000)-(79,534,000-68,458,000)=,700,000 37%=4,329,000 9,234,000-68,458,000- =8,447,000 =2,368( 円未満切捨 ) 50,000 株 ニ 株当たりの価額の計算 ( 単位 : 円 ) 財産の種類取得者 O 社株式 課税価格に算入される金額 比準要素等 計算過程 A 2 2 22 3 23 4 20 5 2 2 (,250,000+,00,000) 2 =.4(0. 円未満切捨 ) ( 注 )800,000 株 ( 注 ) 40,000,000 50=800,000 株 5,700,000 =64( 円未満切捨 ) 800,000 株 2 (5,700,000+54,750,000) 2 =66( 円未満切捨 ) 800,000 株 3 <2 64 40,000,000+65,250,000 =3( 円未満切捨 ) 800,000 株 評価額 類似業種比準価額 ( イ ) 2.4.7 (0.82)+64 0 +3 8 (.) 3 (2.77) 0.7=27.(0. 円未満切捨 ) ( ロ ) ( イ ) ( 注 2)800 =3,473( 円未満切捨 ) 50 ( 注 2) 40,000,000 =800 50,000 株 2 純資産価額 2,368 3 >2 2,368 乙,840,000 2,368 5,000 株 =,840,000 A 47,360,000 2,368 20,000 株 =47,360,000 H,840,000 2,368 5,000 株 =,840,000 (5 点 ) 8
(3) 相続又は遺贈によるみなし取得財産の価額の計算 ( 単位 : 円 ) 財産の種類取得者 生命保険金等 課税価格に算入される金額 計算過程 30,000,000-2,000,000=28,000,000 乙 7,000,000 28,000,000-2,000,000=7,000,000 24,000,000 2,600,000 9.222=23,977,200 24,000,000 24,000,000 50%=2,000,000 C 3,000,000 2,000,000-9,000,000=3,000,000 (X 生命保険に係る ) 生命保険契約に関する権利は掛捨保険のため評価しない ( 生命保険金等の非課税金額の計算 ) 5,000,000 6( 法定相続人の数 )=30,000,000<28,000,000+2,000,000=40,000,000 乙 C 30,000,000 28,000,000 40,000,000 =2,000,000 2,000,000 40,000,000 =9,000,000 (4 点 ) 9
(3) 相続又は遺贈によるみなし取得財産の価額の計算 ( 続き ) ( 単位 : 円 ) 退職手当金等 乙 0 5,000,000-5,000,000=0 ( 退職手当金等の非課税金額の計算 ) 乙 5,000,000 6( 法定相続人の数 )=30,000,000 5,000,000 5,000,000 ( 点 ) 0
(4) 小規模宅地等の特例の計算 ( 単位 : 円 ) () 有利判定 計算過程 E 宅地 I 9,327,500 50 m2 50% 200 m2 =60,885,000 順位 2 C 宅地 J 60,800,000 60 m2 80% 330 m2 =00,320,000 順位 (2) 減額金額 C 宅地 J E 宅地 I 60,800,000 60m2 20 (- 60m2 00 )=48,640,000 9,327,500 03.03m2 50m2 =62,730,000( 円未満切捨 ) 62,730,000 (- 50 00 )=3,365,000 ( 注 ) 60m2 200 +03.03m2 200 m2 330 特例適用対象財産取得者課税価格から減額される金額 宅地 J C 48,640,000 宅地 I E 3,365,000 (5) 課税価格から控除すべき債務及び葬式費用 ( 単位 : 円 ) 債務及び葬式費用 負担者金 額 計 算 過 程 債務 乙 2,480,000 600,000+380,000+,500,000=2,480,000 保険会社からの借入金はないものとする 葬式費用 C 4,600,000 4,500,000+00,000=4,600,000 香典返戻費用 墓碑及び墓地の購入費用 初七日の法要費用は控除できない (3 点 )
(6) 課税価格に加算する贈与財産 ( 暦年贈与財産 ) 価額の計算 ( 単位 : 円 ) 贈与年分受贈者 加算される贈与 財産価額 計算過程 H28 G - 相続又は遺贈により財産を取得していないため適用なし H29 C 2,000,000 現金 H29 F 5,000,000 普通預金 (7) 相続時精算課税に係る贈与財産価額の計算 ( 単位 : 円 ) 贈与年分受贈者 加算される贈与 財産価額 計算過程 H28 A 8,000,000 定期預金 (8) 相続人等の課税価格の計算 ( 単位 : 円 ) 区分 相続人等 配偶者乙子 A 子 C 養子 C 孫 D 養子 E 孫 F 孫 G 孫 H 相続又は遺贈による取得財産 258,050,080 57,860,000 2,60,000 9,640,000 43,350,000 8,262,500 2,680,000,840,000 みなし取得財産 7,000,000-3,000,000 相続時精算課税の適用を受ける贈与財産 8,000,000 債務及び葬式費用 2,480,000 4,600,000 生前贈与加算 ( 暦年課税分 ) 2,000,000 5,000,000 - 課税価格 (,000 円未満切捨て ) 262,570,000 65,860,000 9,560,000 2,640,000 43,350,000 8,262,000 26,680,000 -,840,000 (6 点 ) 2
2 納付すべき相続税額の計算 () 相続税の総額の計算 課税価格の合計額遺産に係る基礎控除額課税遺産額 569,762 千円 30,000+6,000 6( 法定相続人の数 )=66,000 千円 503,762 千円 法定相続人法定相続分法定相続分に応ずる取得金額相続税の総額の基となる税額 乙 2 25,88 千円 86,346,450 円 A C C 2 5 50,376 8,2,800 E 2 5 + 2 5 2 75,564 5,669,200 F 2 5 2 25,88 3,278,200 合計 6 人 (00 円未満切捨て ) 29,632,200 円 (3 点 ) 3
(2) 相続人等の納付すべき相続税額の計算 ( 単位 : 円 ) 区分 相続人等 配偶者乙子 A 子 C 養子 C 孫 D 養子 E 孫 F 孫 G 孫 H 算出税額 59,739,903 4,984,46 4,450,289 4,923,530 9,862,988 26,906,959 6,070,23-2,693,835 加算又は減算 相続税額の 2 割加算額,972,597 538,767 贈与税額控除額 ( 暦年課税分 ) 配偶者の税額軽 減額 未成年者控除額 59,739,903 94,000 400,000 485,000 差引税額 0 4,984,46 4,450,289 4,729,530,835,585 26,506,959 5,585,23-3,232,602 納付税額 (00 円未満切捨て ) 0 4,984,400 4,450,200 4,729,500,835,500 26,506,900 5,585,200-3,232,600 (5 点 ) 4
(3) 相続税額の 2 割加算及び控除金額の計算 ( 単位 : 円 ) 加算及び控除の項目 相続税額の 2 割加算 対象者金額計算過程 D 20,972,597 9,862,988 00=,972,597 20 H 538,767 2,693,835 00=538,767 対象者 贈与税額控除 ( 暦年課税分 ) H29 (2,000,000+3,000,000-,00,000) 5%-00,000=485,000 2,000,000 C 94,000 485,000 2,000,000+3,000,000=94,000 F 485,000 H29 (5,000,000-,00,000) 5%-00,000=485,000 配偶者の税額軽 減 () 59,739,903 (2) 29,632,200 ( 注 ) 262,570,000 569,762,000 =59,739,903 ( 注 ) 569,762,000 2=284,88,000 60,000,000 284,88,000 2 262,570,000 3 >2 262,570,000 乙 59,739,903 (3) () (2) 59,739,903 やり方 未成年者控除 E 400,000 00,000 (20 歳 -6 歳 )=400,000 (2 点 ) 5
合格ラインの読み 理論については2 問体制の出題で 問目が応用理論 2 問目が個別理論で 平成 8 年より出題が続いていた事例形式での出題はなく ボリュームは多めでした また 税制改正に関する内容が色濃く問われておりました 計算については 例年と同様に総合問題での出題で 比較的ボリュームが多い問題でした 小規模宅地等の特例の適用の有無につき判断に迷う部分や適用対象者の指示書きなど特徴的な論点もありましたが 基礎的な論点が多く問われていました 以下 各問の合格ラインについて簡単に触れることにします 第一問. 問 の理論問題は 個人以外に相続税を課する規定をベースとして 相続税法の内容及び計算方法を問う問題で ボリュームが多めの問題となっていました 大原では人格のない社団等又は持分の定めのない法人に対する課税 特定の一般社団法人に対する課税は いずれもAランクで予想し 直前対策模擬試験などの模擬試験や講義内で実施する理論問題演習でも出題している論点であり これらの理論は高い精度の解答が充分可能であったと思われます 特に 特定の一般社団法人等に対する課税は本年度の改正で新設された項目であり 精度良くひととおりの解答できたかどうかが合否の分かれ目となると思われます 受益者等が存しない信託等の特例については ボリューム等を考慮すると 解答できなくても合否に大きな影響はないと思われます 2. 問 2の理論問題は 小規模宅地等の特例に関する 特定居住用宅地等 貸付事業用宅地等 の適用要件を問う出題でした これらは ともに本年度の改正項目ではありますが 大原ではAランク理論として予想し 直前予想公開模擬試験で類似した問題を出題しており これらの理論は高い精度の解答が可能であったと思われます これらの規定を カッコ書きや注書きを含めて ほぼ模範解答どおりに解答できたかどうかがポイントとなります 第二問 計算問題は 財産評価を中心とした総合問題でした 個々の財産評価では 宅地に関して 正面路線の判定 都市計画道路予定地 共有持分 不整形地 ( 計算上の奥行距離 ) などの論点が出題されておりました 取引相場のない株式に関しては 類似業種比準価額 純資産価額 などの論点が出題されておりました いずれも基本的な項目であるため これらの項目につき確実に解答することがポイントになると思われます 昨年度に比して難易度は同等の問題でしたが ボリュームが多く 最終値まで辿り着くことは困難であったと思われますので基礎項目をいかに取りこぼさずに解答できたかがポイントになります 全体としてのボーダーラインは理論 37 点 計算 36 点 合計 73 点前後になると思われ 合格確 実ラインは合計 84 点以上になると思われます 6
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