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資料 1 3 小規模附属物点検要領 ( 案 ) の制定について Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

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7-2 材料 (1) 材料一般 1. アンカーの材料は JIS などの公的機関の規格により保証されているものか もしくは所要の品質や性能を有していることを確認したものとする 2. アンカーの材料を組み立てる場合には 各材料は他の材料に悪影響を与えないことを確認したものを使用する 1) 材料に関する一

磐田市水道事業ビジョン

高浜町 橋梁長寿命化修繕計画 ( 第 2 期 ) 高浜町建設整備課

様式及び記入例 (3) 点検結果一覧表 ( その 1) 半田市橋梁点検 補修設計業務 橋梁諸元 定期点検結果 整理番号 橋梁 ID 橋梁名 橋梁形式 径間 長根橋 ( 上流側 ) PC 単純プレテンホロー桁橋 1 橋種 PC 橋 有効 橋長 幅員 橋面積 (m) (m) (m2) 供

平成20年度内部評価実施結果報告書《本編》

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平成 20 年度 アンカー工設置のり面の健全性評価に関する研究 平成 2 1 年 5 月 アンカー工設置のり面の健全性評価に関する研究 プロジェクトチーム

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橋梁長寿命化修繕計画 ( 案 ) 平成 25 年 3 月 那覇市役所 建設管理部道路管理課

主なメニュー (1). 道路土工構造物とは (2). 道路土工構造物の特性 特徴 (3). 近年の状況変化 (4). 道路土工構造物のマネジメント (5). 道路土工構造物技術基準 (6). 道路土工構造物点検要領 1

イ使用年数基準で更新する施設 ( ア ) 使用年数基準の設定使用年数基準で更新する施設については 将来の更新需要を把握するためにも 更新するまでの使用年数を定める必要がありますが 現時点では 施設の寿命に関する技術的な知見がないことから 独自に設定する必要があります このため あらかじめ施設を 耐久

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CONTENTS

4 健全度の把握及び日常的な維持管理に関する基本的な方針 健全度の把握の基本的な方針橋梁の長寿命化を図るため 定期点検要領に基づき5 年に1 回の定期点検を実施していきます また 定期点検の結果に基づく診断結果 ( 健全度 ) を長寿命化修繕計画に反映させていきます 日常的な維持管理に関する基本的な

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1 1,200m ,482,620m 1 323,825m 1 205,988m 114,988m 60,000m 31,000m ,837m ,158,795m ,340m 1 48,006m 1 33,016m 1,125m

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橋 梁 長 寿 命 化 修 繕 計 画

第1章フランチャイズビジネスの基礎知識

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別紙 3 点検表記録様式 様式 1( その1) 橋梁名 所在地 管理者名等 橋梁名 路線名 所在地 起点側 緯度 経度 学園橋 ( フリガナ ) ガクエンバシ 町道上中下中線 鹿児島県熊毛郡南種子町中之下 管理者名 点検実施年月日 路下条件 代替路の有無 自専道

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十河茂幸 ( そごうしげゆき ) 略歴 1974 年 ~ 大林組技術研究所所属 2011 年 ~ 広島工業大学工学部教授 2017 年 ~ 近未来コンクリート研究会代表

講習会を企画する際に留意すべき点を挙げる 1) 定期点検要領 ( 案 ) への理解を深めること 2) メンテナンスサイクルという概念への理解 メンテナンスサイクルを定着させること 3) 受講者となる地方自治体職員の技術レベルを把握すること 4) 地方自治体職員が受講したい研修を自分で選ぶことが出来る

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平成23年度

技術流出防止指針公表用.PDF


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社会資本の維持管理 更新 社会資本は日々の生活を支えるとともに 産業 経済活動の基盤であり 社会資本がその役割を十分果たすことができるよう 適切な維持管理 更新が必要 道路分野 河川分野 港湾分野 橋梁点検堤防巡視床版の打ち替え トンネル補修排水機場の補修水中溶接による電気防食の施工 1

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構造 用途 鉄筋コンクリート造鉄骨 鉄筋コンクリート造 高品質の場合 普通の品質の場合 高品質の場合 重量鉄骨 鉄骨造 普通の品質の場合 軽量鉄骨 ブロック造れんが造 木造 学校庁舎 Y 100 以上 Y 60 以上 Y 100 以上 Y 60 以上 Y 40 以上 Y 60 以上 Y 60 以上

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第 2 章横断面の構成 2-1 総則 道路の横断面の基本的な考え方 必要とされる交通機能や空間機能に応じて, 構成要素の組合せ と 総幅員 総幅員 双方の観点から検討 必要とされる道路の機能の設定 通行機能 交通機能アクセス機能 滞留機能 環境空間 防災空間 空間機能 収容空間 市街地形成 横断面構

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目 次 1. 長寿命化修繕計画の背景と目的 背景 目的 2 1) 持続可能な維持管理体制の確立 2 2) 対症療法的な修繕から 予防保全的な修繕への転換 2 2. 長寿命化修繕計画の対象 ウイング21 大型ボックスカルバート 岩岳トンネル

各取組は PDCA サイクルを回し効果を評価し 目標が達成できない見通しとなったときは さらなる総量の縮減や取組 体制の強化等 基本方針等を見直します [ 図表 40] [ 図表 40:PDCA サイクル ] 計画修正 Action 計画修正 Action Plan Check 計画等修正 Acti

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平成 29 年度事業報告 ( 平成 29 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日まで ) 平成 29 年度事業の概要 当会計年度における県内の経済は 公共投資では大型案件の増加等により 景気は回復基調にありましたが 県が行う土木事業については 減少傾向にありました 平成 29 年度の

3-1 2 修繕工事の実態 ( ヒアリング ) 計画修繕は 定期点検等で明らかになった建物の劣化の補修のため 調査 診断 修繕計画の作成 工事の実施へと 区分所有者の合意を形成しつつ 進められる 当勉強会で実施したヒアリングより 管理会社による点検 定期点検は 1 回 / 年の頻度で行っている 目視

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目 次 Ⅰ. はじめに 1 Ⅱ. 本州四国連絡高速道路株式会社の役割 2 Ⅲ. 計画の範囲 2 1. 対象施設 2 2. 計画期間 2 Ⅳ. 対象施設の現状と課題 3 1. 高速道路の課題 3 2. 点検 診断 / 修繕 更新等 5 3. 基準類の整備 7 4. 情報基盤の整備と活用 8 5. 個別

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中央区 橋梁長寿命化修繕計画

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台東区橋梁長寿命化修繕計画 平成 30 年 3 月 台東区

( 第 10 刷まで反映 ) 擁壁工指針 ( 平成 24 年度版 ) の訂正 箇所修正前修正後 p.3 上から 9 行目と 10 行 目の間 地盤材料試験の方法と解説 なお, これらの基準 指針類が改定され, 地盤材料試験の方法と解説 舗装の構造に関する技術基準 同解説 ( 平成 13 年 ; 日本

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速度規制の目的と現状 警察庁交通局 1

平成 26 年度公共事業事後評価調書 1. 事業説明シート (1) ( 区分 ) 国補 県単 事業名道路事業 [ 国道橋りょう改築事業 ( 国補 )] 事業箇所南巨摩郡身延町波高島 ~ 下山地区名国道 300 号 ( 波高島バイパス ) 事業主体山梨県 (1) 事業着手年度 H12 年度 (2) 事

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5.4章.xdw


勝浦市橋梁長寿命化修繕計画 平成 25 年 3 月 勝浦市都市建設課

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8 章橋梁補修工 8.1 橋梁地覆補修工 ( 撤去 復旧 ) 8.2 支承取替工 8.3 沓座拡幅工 8.4 桁連結工 8.5 現場溶接鋼桁補強工 8.6 ひび割れ補修工 ( 充てん工法 ) 8.7 ひび割れ補修工 ( 低圧注入工法 ) 8.8 断面修復工 ( 左官工法 ) 8.9 表面被覆工 (



国土技術政策総合研究所 研究資料

() 過去の災害海岸地区道路は厳しい自然環境下であり, かつ, 脆弱な地質構造を有することから, 豪雨による土砂崩落, 越波, 雪崩などの災害が多いところである. 主な過去の災害の一例を写真 ~4 に添付する. また, この海岸地区道路は異常気象時における規制 ( 土砂崩壊, 地すべり, 雪崩 )

Transcription:

高速道路におけるアンカーの維持管理の状況 平成 25 年 7 月 30 日 高速道路総合技術研究所 ( ) 関茂和 内 容 1. 高速道路におけるアンカーの施工実績 2. アンカーの損傷事例 3. 高速道路におけるアンカーの維持管理 3.1 点検 3.2 調査 3.3 まとめ 3.4 課題など 2

1. 高速道路におけるアンカーの施工実績 3 アンカー施工本数と高速道路延長 140,000 120,000 アンカー施工本数 ( 累計 ) 高速道路の供用延長 ( 累計 ) グラウンドアンカー工設計指針制定 8,000 7,000 アンカー施工本数 ( 本 ) 100,000 80,000 60,000 40,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 供用延長 (km) 20,000 1,000 0 S38 S43 S48 S53 S58 S63 H05 H10 H15 年度 0 4

2. アンカーの損傷事例 5 アンカーの損傷 アンカーの破断事例 鋼より線タイプ より線の浮き上がり 鋼棒タイプ 鋼棒の飛び出し 6

旧タイプアンカーの腐食の実態 7 3. 高速道路におけるアンカーの維持管理 8

アンカーに関する基準類 1.NEXCO 基準関係 1 保全点検要領 ( 構造物編 ) 2グラウンドアンカーの設計 施工要領 2. 地盤工学会基準グラウンドアンカー設計 施工基準, 同解説 9 3.1 点検 10

1 点検体系の概要 NEXCO 保全点検要領 ( 構造物編 ),H24.4 点検種別 初期点検 点検の主な目的 方法 初期状態把握 近接目視 打音等 点検標準頻度 供用開始前構造変更時 日常点検定期点検基本点検詳細点検 必要性判断詳細調査等臨時点検特別点検緊急点検 安全性の確認等 車上目視等 安全性把握 管内全般の現状把握等 遠望 or 近接目視等第三者等の安全性把握 スクリーニング 非破壊検査等 + 近接目視 打音等 健全性把握 スクリーニング 1 回 /5~10 年 非破壊検査等 + 近接目視 打音等各種調査マニュアル等参照 他の点検の補完類似構造物把握等防災関連要領等参照 任意実施内容 11 交通量で設定 4 日 /2 週 5 日 /2 週 6 日 /2 週 7 日 /2 週 1 回以上 / 年 1 回 /5 年 必要の都度必要の都度 2 点検種別 NEXCO 保全点検要領 ( 構造物編 ),H24.4 (1) 初期点検構造物の完成後の初期状況を把握することを目的として行う点検 (2) 日常点検構造物を常に良好な状態に保ち 安全な道路交通の確保や第三者に対する被害を未然に防止するために 構造物の変状発生状況などを日常的に把握することを目的として行う点検 (3) 定期点検 ( 基本点検 詳細点検 ) 構造物を長期的に保持するための健全性の把握および安全な道路交通の確保や第三者に対する被害を未然に防止するために 定期的に構造物の変状発生状況を把握し その状態を評価 判定することを目的として行う点検 (4) 臨時点検 ( 特別点検 緊急点検 ) 日常点検では対応が困難な場合や詳細点検の補完および異常気象時などに それぞれ対象とする構造物や点検内容を特定し 必要に応じて行う点検 12

3 点検の流れ NEXCO 保全点検要領 ( 構造物編 ),H24.4 建設時に発生した災害とその復旧記録 切土後の地山の状況などの整理 記録 初期点検 ( 変状等の発見 ) 点検計画資料収集により優先的に点検すべき箇所などを検討 変状調査 アンカーの緊張力確認等 ( 現場で必要に応じて ) 点検の実施 ( 日常 定期 ) 点検結果の判定 緊急 応急対策 測定結果の判定 評価 対策計画立案 対策の実施 13 4 点検結果の判定区分 判定区分 AA A NEXCO 保全点検要領 ( 構造物編 ),H24.4 一般的状況 変状が著しく 機能面への影響が非常に高いと判断され 速やかな対策が必要な場合 変状があり 機能低下に影響していると判断され 対策の検討が必要な場合 個別の変状に関する判定 A1 1 変状があり 機能低下への影響が高いと判断される場合 A2 1 変状があり 機能低下への影響が低いと判断される場合 B 変状はあるが 機能低下への影響は無く 変状の進行状態を継続的に観察する必要がある場合 第三者等被害に関する判定 C OK E 変状の状態 ( 機能面への影響度合いなど ) に関する判定を行うために 調査を実施する必要がある場合 変状がないか もしくは軽微な場合 安全な交通または第三者に対し支障となる恐れがあるため 対策が必要と判断される場合 1: 日常点検以外の点検では A 判定区分を 2 区分に細分化した判定を実施する 14

5 判定基準 点検箇 AA A1~A2 B 所グランドアンカー点検部位 変状の種類 判定の標準 アンカー 要な場合 アンカーの飛び出しなどによる変状 1 飛び出しなどのが著しく 機能面への影響が非常に変状高いと判断され 速やかな対策が必 浮き上がりなどの変状はあ浮き上がりなどの変状があ浮き上がりなどによる変状が著しく るが 機能低下への影響 1 浮き上がりなどり 機能低下に影響してい機能面への影響が非常に高いと判は無く 変状の進行状態をの変状ると判断され 対策の検討防護コンクリート断され 速やかな対策が必要な場合 継続的に観察する必要がが必要な場合 ある場合 2 湧水 アンカー頭部からの湧水が 認められる場合防護工保護キャップ NEXCO 保全点検要領 ( 構造物編 ),H24.4 保護キャップに変状があり保護キャップの変状が著しく 機能面 1 保護キャップの機能低下に影響していると保護キャップに変状が認めへの影響が非常に高いと判断され 変状判断され 対策の検討が必られる場合速やかな対策が必要な場合 要な場合 アンカー頭部からの湧水が 2 湧水 認められる場合 防錆油 1 受圧板に変状があり 機能油漏れが認められる場合の造り受圧板の変状が著しく 機能面への物面低下に影響していると判断受圧板に変状が認められ受圧板 1 受圧板の変状影響が非常に高いと判断され 速や構され 対策の検討が必要なかな対策が必要な場合 場合 のり面全体で多量の湧水地下水 1 湧水の有無 湧水が認められる場合 る場合そのが認められる場合 他周辺地盤および変状が進行が認められる 1 変状 変状が発生した場合 周辺構造物場合 15 3.2 調査 16

健全度調査の主な項目 1) 事前調査 2) 頭部詳細調査 1 目視調査 2 アンカー頭部を露出させての調査 3) リフトオフ試験 4) 頭部背面調査 5) モニタリング グラウンドアンカー設計 施工基準, 同解説 ( 地盤工学会 ),2012. 17 旧タイプアンカーの目視調査結果と劣化予測の例 参考文献グラウンドアンカーの健全度調査及び劣化の状態, 第 46 回地盤工学研究発表会 ( 地盤工学会 ),H23 18

( 参考 ) リフトオフ試験の面的調査 ( 緊張力分布と地質の関係 ) ~ 効率的な点検方法の検討 ~ 参考文献切土のり面におけるグラウンドアンカーの緊張力分布について, 斜面 のり面の維持管理と防災マネジメントに関するシンポジウム発表論文集 ( 地盤工学会 ), H23.11 19 3.3 維持管理のまとめ 日常点検や定期点検を行い 異常が見られないか確認する 異常が見られる場合あるいは定期的に 健全度調査を行う 目視調査では構造物の沈下や亀裂の有無を確認する リフトオフ試験や荷重計により 残存引張り力を確認する 耐久性向上 補修 補強を実施し 供用期間中の機能低下を防ぐ 飛び出しや頭部落下の可能性が高い場合は除荷もしくは飛び出し防止対策を実施する 点検実施による判定結果が 応急処置 観察 詳細調査 対策等の実施につながるものであり 必要な情報を記録蓄積していく必要がある ( 蓄積されたデータは さらに次の点検などに反映され これらが繰り返し行われる ) 維持管理において 点検の計画 (PLAN) 点検の実施 (DO) 点検結果の確認 (CHECK) 対策計画立案および補修などの実施 (ACTION) の PDCA サイクルを循環させ 点検から対策等までの維持管理業務のマネジメントを確立することが重要である 20

3.4 課題など 1. 道路構造物の適切な維持管理に向けて 1 劣化現象のモデル化ができていないため 早期の知見形成等について検討 2 動態観測などの計測結果を用いた通行規制などのソフト対策の検討 2. メンテナンスサイクルの充実に向けて 非破壊検査 構造物の劣化予測などの技術開発 3. 第三者被害防止及び点検のあり方等のソフト対策 フェールセーフ対策 点検実施基準の再設定 点検の信頼性向上 点検から補修 記録までのサイクルの再構築 点検や補修及び第三者被害防止対策の確実性及び安全性を確保する設計思想の導入などの検討 21 ( 参考 ) 高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会 22

高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会 設立趣旨 高速道路の総延長 8,716 km ( 平成 23 年度末 ) であり 供用後の経過年数が 30 年以上の区間が約 3,200 kmとなり 橋梁 土構造物 トンネルなどの高速道路資産の経年劣化が進むとともに 大型車交通の増加や積雪寒冷地や海岸部を通過するなど厳しい環境条件下で構造物の老朽化や劣化が顕在化してきている そこで 高速道路ネットワークにおける構造物の健全性を将来にわたって永続的に確保するため 高速道路資産の長期保全及び更新のあり方について予防保全の観点も考慮に入れた技術的見地より基本的な方策を検討する必要があることから 本委員会を設立 検討を行っている 学識経験者を中心に平成 24 年 11 月設置 平成 25 年秋に最終提言予定 中間とりまとめ (4 月 25 日 ) 高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会資料 23 高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会 旧タイプアンカーの健全度評価 高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会資料 24

高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会 旧タイプアンカーは 新タイプアンカーより鋼材の防食機能が不十分であるため 頭部外観調査でも健全度が低下傾向であり 鋼材が破断する事象が顕在化している したがって このまま放置するとのり面全体の安定が確保できなくなることが想定されるため 健全なうちに防食機能を有した新タイプアンカーに更新する必要がある なお 新タイプアンカーについても変状が見られることから モニタリングを実施し 再施工の必要性を検討する グランウドアンカー施工時期 1 1991(H3) 以前 ( 旧タイプアンカー ) 大規模更新新タイプアンカーによる再施工 1992(H4) 以降 ( 新タイプアンカー ) モニタリング 2 ( 点検 調査等 ) 1 グラウンドアンカーに関する基準類の変遷による 2 新タイプアンカーは防食機能改善に伴う耐久性向上は確認されているものの まだ実績は浅いため 今後のモニタリングが重要 永続的な使用を考えた場合 必要と想定される対策 大規模更新新タイプアンカーの再施工 高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会資料 25