リトり と 貼り付け を利用する 切り取キすぐに使える 第 回 今回は データの移動や複製を簡単に行う方法や 規則性のあるデータの入力を効率化するテクニックを解説する 土屋和人 =ライター Excel 基本ワザ の コピーや自動化で入力作業を簡単にする Excel には データの入力や編集の作業を効率化するための機能も用意されている 上手に利用すれば パソコンでの作業時間をぐっと短縮できる まずは作成済みの表を利用して 同じような表を手早く作成してみよう ( 図 ) 送る面完成図 入力と編集を効率的に行う コピーと貼り付けで表を再利用 セルやセル範囲に入力したデータを 別の位置に複製して再利用したい場合は コピー と 貼り付け を利用する ほとんどのソフトで共通する基本操作だ まず 複製したいセル範囲を選択し ホーム タブの コピー をクリックする ( 図 ) 選択範囲が動く点線で囲まれるが この状態を コピーモード という 次に 貼り付けたい位置の左上端のセルを選択し 貼り付け をクリック ( 図 3) すると コピーしたセル範囲のデータが 書式も含めて複製される ( 図 4) コピーモードが継続している間は 続 図 数値や文字列などのデータを入力したり 入力済みのデータを編集したりする操作を 効率的に行うためのテクニックを紹介しよう 作例では 最初に作成した新宿店の売上記録の表を複製し 渋谷店の表を素早く簡単に作成する 表の範囲をコピーして貼り付ける コピー 貼り付け 図 コピー元のセル範囲をドラッ図 3 貼り付け先の範囲の左上端セグして選択し ホーム タブの コル (E3セル) をクリックして選択し ピー をクリックする なお 移動 ホーム タブの 貼り付け の上側の場合は 切り取り を実行する ( アイコンの部分 ) をクリックする リけて複数の箇所に 貼り付け が可能 コピーモードは 入力など別の操作を行 E3 G9 セルに表が複製される 図 4 E3 G9 セルに うか [Esc] キーを押すと終了する 一方 複製ではなくセル範囲のデータ コピーしたA3 C9セルと同じデータで 同じ書式が設定された表が作成 を別の位置に移動したい場合は 切り取される この表の各セルのデータを変更し 渋谷店 の表を完成させよう SID=438d68ef477580a7c4f9b8e5c0aa040c63d8684b979d 無断複製 無断転載禁止日経 BP 社 A3 C9 セルを選択 E3 セルを選択 画面は Excel 06 の例です Excel 007/00/03 も基本の操作は同じです 77
キリトリSID=438d68ef477580a7c4f9b8e5c0aa040c63d8684b979d 無断複製 無断転載禁止日経 BP 社 サンプルファイル 動画で解説 左記 URL から 記事に関連したサンプルファイルをダウンロードできます また 定期購読者限定の動画サービスで 動画による解説をご覧いただけます 元の列幅を保持 り を実行すると やはり範囲が動く点線で囲まれる 切り取りモード になるが この状態は 貼り付け 実行と同時に終了する なお コピー は [Ctrl]+[C] キー 切り取り は [Ctrl]+[X] キー 貼り付け は [Ctrl]+[V] キーというシ 貼り付けオプション コピー元と同じ列幅になる 図 5 この操作ではコピー元の表の書式も含めて複製されるが 列の幅は複製されていない 列幅をコピー元と同じにしたい場合は 貼り付けオプション ボタンをクリックし メニューから 元の列幅を保持 を選ぶ ドラッグ操作でも移動やコピーができる 選択 [Ctrl] キー + ドラッグ 表が複製される 図 6 セル範囲の移動や複製は ドラッグ操作でも行える 対象のセル範囲を選択し その外枠部分にマウスポインターを合わせてドラッグすると移動になる [Ctrl] キーを押したままドラッグすると複製になる ョートカットキーでも操作できる 通常の 貼り付け では コピー元のセル範囲の書式も含めて貼り付けられる ただし コピー元を列単位で選択した場合を除き 列幅までは複製されない 貼り付け先の列幅をコピー元と同じにするには 貼り付け 操作の直後に表示される 貼り付けオプション ボタンをクリックし メニューから 元の列幅を保持 を選ぶ ( 図 5) 貼り付けオプション ボタンからは これ以外にもさまざまな貼り付け方法を選択可能だ なお ここではいったん貼り付けてからオプションで変更しているが コピー した後 ホーム タブの 貼り付け の から 元の列幅を保持 やその他の貼り付け方法を選ぶこともできる 選択している範囲の移動や複製は ドラッグだけでより簡単に操作することもできる 選択範囲の外枠部分にマウスポインターを合わせ 形状が矢印に変わったところで目的の位置までドラッグすれば移動 つまり 切り取り + 貼り付け の操作と同じになる このとき 同時に [Ctrl] キーを押しておくと ドラッグした位置に元の範囲が複製される ( 図 6) ただし ドラッグ操作では セル範囲の列幅までは複製できない 貼り付け方法のバリエーションは コピー と 貼り付け の方が豊富だ 書式だけを別の表に複製 コピー元のデータは無視して 書式だけを貼り付けることも可能だ コピー した後 貼り付け の から 書式設定 を選ぶこともできるが ここでは直 78
リト同じデータや 一連の規則的なデータをキExcel の基本ワザ 接書式だけを複製してみよう 書式のコピー元のセル範囲を選択し ホーム タブの 書式のコピー / 貼り付け をクリックする マウスポインターがブラシ付きの形に変わったら 貼り付け先の範囲の左上端をクリック そのセルを起点とする同じ位置関係の各セルに コピー元の各セルの書式が貼り付けられる ( 図 7) クリックではなく セル範囲をドラッグして 書式を貼り付ける範囲を指定することも可能だ 書式の複製は ドラッグ操作で行うこともできる ただし 通常の左ボタンでのドラッグではなく 書式のコピー元のセル範囲を選択し 右ボタンを押してドラッグする 貼り付け先のセル範囲までドラッグして右ボタンから指先を離し 表示されるメニューから ここに書式のみをコピー を選べばよい ( 図 8) このメニューからは 移動や複製に関するそのほかの操作も行える セル範囲の上下を入れ替えるといった操作も ドラッグで行える 対象のセル範囲を選択し その外枠部分を [Shift] キーを押しながらドラッグ すると ドラッグした位置のセルの境界に縦線または横線が表示される マウスボタンを離すと その線の位置に挿入される形で選択範囲が移動する ( 図 9) このとき 同時に [Ctrl] キーも押していると ドラッ 書式だけのコピーなども可能 書式のコピー / 貼り付け 書式が複製される 図 7 コピー元のセル範囲を選択し ホーム タブの 書式のコピー / 貼り付け をクリック マウスポインターがブラシ付きの形に変わったら 複製先の範囲の左上端のセルをクリックする 図 8 ドラッグ操作で 書式の複製も行える コピー元の範囲を選択し その外枠部分でマウスの右ボタンを押して複製先の範囲までドラッグし 表示されるメニューから ここに書式のみをコピー を選ぶ このメニューからはいろいろな方法でのコピーや移動も選べる ドラッグ操作で表中のセルを移動する リグした位置に挿入される形で 選択範囲の内容が複製される 選択規則的なデータを自動的に入力図 9 作成済みの表のセルを入れ替えるには [Shift] キーを押しながらドラッ Excel の作業では 特定のセル範囲に グするという方法が使える 対象のセル範囲を選択し その外枠部分を [Shift] キーを押しながらドラッグ 挿入したい位置に線が表示されたところでマウスボタンから指先を離す SID=438d68ef477580a7c4f9b8e5c0aa040c63d8684b979d 無断複製 無断転載禁止日経 BP 社 選択 選択 [ S h i f t ] キー + ドラッグ 3 クリック 右ボタンを押してドラッグ 3 メニューから選ぶ 挿入して移動 79
キリトリSID=438d68ef477580a7c4f9b8e5c0aa040c63d8684b979d 無断複製 無断転載禁止日経 BP 社 オートフィル でデータを簡単入力 ドラッグ 図 0 同じデータを連続するセル範囲にまとめてコピーしたり 連続するデータを入力したりしたいときは オートフィル を活用しよう 文字列のセルを選択し その右下の黒点をドラッグすると そのセル範囲の全てのセルに 最初のセルの文字列が複製される 数値の複製 入力して選択 ドラッグ セル範囲に複製 図 対象のセルのデータが文字列ではなく数値の場合も そのセルを選択してオートフィルすると やはり複製の操作になる なお [Ctrl] キーを押しながら下方向または右方向へドラッグすると 先頭のセルから つずつ増えていく連続データが自動入力される 連続する数値が自動入力される 図 一定の量で変化する連続データを入力したい場合は 先頭のセルと 番目のセルに数値を入力し このつのセルを選択してオートフィルを行えばよい これ以降 この つのセルの差の分だけ増減していく一連の数値が 自動的に入力される 連続する日付が自動入力される 文字列中の数字が つずつ増加する 図 3 日付データを下方向または右 図 4 文字列のオートフィルは 通 方向へオートフィルすると 日ずつ増えていく連続データが自動入力される 変化する日数を指定したい場合は 先頭のつのセルに日付を入力してオートフィルすればよい 常は複製の操作になるが 文字列の中に数字が含まれていた場合 下方向または右方向へオートフィルすると その数字がつずつ増加していく連続データになる 入力する場合が多い オートフィル の機能を活用すれば このような作業を効率的に行うことができる 対象の範囲内の全てのセルに同じ文字列を入力したい場合は まず先頭のセルに文字列を入力し そのセルを選択して 右下に表示される黒点をドラッグする オートフィルによって ドラッグした範囲に 先頭セルの文字列が複製される ( 図 0) 上下左右のいずれの方向にも可能であり コピー と 貼り付け の操作より手早くできる つの数値データを基準としてオートフィルを行うと やはりドラッグした範囲に複製される ( 図 ) それだけでなく [Ctrl] キーを押しながら下方向または右方向へオートフィルした場合は つずつ増加する連続データが入力される 逆に 上方向または左方向へドラッグすると つずつ減少する連続データになる 特定の量だけ増減する連続データを入力したい場合は あらかじめ先頭のセルと 番目のセルに数値を入力し この つのセルを基準としてオートフィルを行う 例えば この表の 完了分 列に 毎日の作業進捗の積み重ねとして 4つずつ増えていく数値を入力してみよう D4 セルに 4 D5 セルに 8 と入力し このセル範囲を選択して下方向へオートフィルすると D6 D8 セルに 6 0 という連続データが入力される( 図 ) なお 同じセル範囲を基準として上方向へオートフィルすると 4つずつ減少していく連続データになる 日付データも数値の一種だが 通常の数値とは異なり 下方向または右方向へ 80
リトをセル範囲に自動入力する フラッシュキExcel の基本ワザ のオートフィルでは 日ずつ増加する連続データになる ( 図 3) そのほか 数字を含む文字列データも 下方向または右方向へオートフィルすると その数字部分が つずつ増える ( 図 4) こうした日付や数字を含む文字列のデータを 変化させずに複製したい場合は [Ctrl] キーを押しながらオートフィルすればよい ( 図 5) 単純な数値の場合とは逆なので注意しよう オートフィルで変化する連続データの規則を 独自に定義することも可能だ ここでは 一定の順番で毎日交代している作業担当者の氏名を オートフィルで入力できるようにしてみよう ファイル タブの オプション をクリックして Excel のオプション 画面を表示し 詳細設定 で ユーザー設定リストの編集 をクリックする ( 図 6) なお Excel 007の場合は Officeボタンから Excelのオプション を選び 基本設定 で ユーザー設定リストの編集 をクリックする ユーザー設定リスト 画面の リストの項目 欄に 各作業担当者名を改行 ([Enter] キー ) で区切って入力 O K をクリックする ( 図 7) 通常画面に戻ったら まず先頭のセルに 登録した作業担当者の中の 人の氏名を入力 このセルを基準としてオートフィルを行うと 登録した順番の通りに [Ctrl] キー + ドラッグ 数字が変化せず複製される 図 5 日付や文字列の中の数字のように自動的に変化する値を 変化させずそのまま複製したい場合は [Ctrl] キーを押しながらオートフィルすればよい ここでは 班 という文字列を [Ctrl] キー +ドラッグで下方向のセル範囲に複製した オートフィルの連続データを定義する 図 6 オートフィルで自動的に入力できる 連続データ は その内容や順番をユーザーが定義することも可能だ ファイル タブの オプション をクリックし Excel のオプション 画面の 詳細設定 で ユーザー設定リストの編集 をクリックする リ各作業担当者が入力されていく ( 図 8) 入力 規則を推測して自動入力 Excel 03 以降なら データの規則を Excel 自身に推測させて 一連のデータ SID=438d68ef477580a7c4f9b8e5c0aa040c63d8684b979d 無断複製 無断転載禁止日経 BP 社 3 図 7 ユーザー設定リスト 画面には オートフィルで自動入力できるデータのセットがあらかじめ何種類も登録されている リストの項目 欄に 新しいリストとして登録したい氏名を改行で区切って入力し OK をクリックする 8
キリトリSID=438d68ef477580a7c4f9b8e5c0aa040c63d8684b979d 無断複製 無断転載禁止日経 BP 社 登録した連続データが自動入力される 図 8 リストとして登録した氏名の つを先頭のセルに入力し オートフィルを行うと リストに登録した通りの順番で 各セルに担当者の氏名が自動入力されていく なお オートフィルでリストの最後の氏名まで入力されたら その後は再び先頭の氏名に戻る Excel 03/06 は規則性を推測できる 入力 選択 図 9 店名 列では 店舗の名称の後にスペースを空けて 店 と入力している その右の 所在地 のセルでは この に 市 を付けて入力したい Excel 03 以降なら 最初に つ程度入力してから 3 番目のセルを選択し ホーム タブの フィル から フラッシュフィル を選ぶ 市名が自動入力される 図 0 店名 が入力されている全ての行で 店 の部分が自動的に 市 として取り出される なお データの内容によっては この操作を行わなくても 行目を入力した時点でフラッシュフィルが自動的に機能する場合もある 4 3 フィル 機能も利用できる 作例の表の 店名 列では エクセル食堂 などの店舗の名称の後に 半角スペースを空けて 店 のように入力している ( 図 9) この各セルの右側に 所在地 として の部分に 市 を付けた文字列を自動入力させてみよう 規則を推測させるためのサンプルとして 最初にいくつかのデータを入力する ここでは最初の つ分だけ 市 を入力し ホーム タブの フィル をクリックして フラッシュフィル を選ぶ すると B6セル以下にも自動的に 市 が入力される ( 図 0) ただし サンプルが不十分だったり曖昧だったりした場合 データの規則が正しく推測されない可能性がある 例えば の部分が常に 文字だった場合は 半角スペースの後の 文字 + 市 という規則でデータが自動入力されてしまうので要注意だ ( 図 ) 逆に 対象データの規則が分かりやすい場合 最初に つ程度のデータを入力した段階で 自動的にフラッシュフィルが働いて 残りの行の入力候補が表示されることもある 3 入力 選択 4 市名が 文字しか入力されない 図 自動入力の規則は 既存のデータの内容から Excelが推測するため 必ずしも正しい規則とは限らない 先頭のつのセルの市名がいずれも 文字だった場合は スペースの後の 文字 + 市 という規則で取り出されてしまうので注意が必要だ 8