この章では 既存のグラフにデータを追加する方法や異なる種類のグラフを組み合わせて作成す る方法 グラフに図を追加する方法などを学習します また よく利用するグラフの書式をテン プレートとして登録し 利用する方法についても学習します 1 データ系列系列の追加追加と削除 既存のグラフに対して 後からデータ系列を追加したり 削除することができます データ系列 とは グラフ上の関連す るデータ要素の集まりのことで 各データ系列は色やパターンで区分され 凡例に表示されます また データ系列のそれぞ れの値を データ要素 といい データ系列の 1 つをポイントすると系列や要素名と共に値となる数値が表示されます このグラフには 東京 大阪 福岡 の 3 つのデータ系列があり 同じデータ系列は同じ色で表 データ系列系列の追加 データ系列を追加するには グラフの元データを必ず行や列見出しを含めて範囲選択して コピーした後 グラフをアクティブにして貼り付けます 行や列見出しを含めずに範囲選択した場合は 凡例の表示が 凡例 4 などの通し番号になります ショートカットメニューを使用して貼り付けを行う場合は グラフエリアで右クリックします データ系列系列の削除 不要なデータ系列を削除するには 削除したいデータ系列を選択し Delete キーを押します また ショートカットメニューから [ 削除 ] をクリックしても削除することができます データ要素の選択 例えば 東京 の 6 月 の縦棒グラフだけ色を変更するなど データ系列の一部の要素だけ書式を変更したい場合は 東京 のいずれかの棒グラフをクリックし 再度 6 月 の棒グラフをクリックして そのデータ要素だけを選択することができます 東京 の 6 月 の縦棒グラフにだけ選択ハンドルが表示されています 72
2 複合グラフグラフの作成 異なる種類のグラフを組み合わせて作成したグラフを 複合グラフ といいます 複合グラフは 量と比率など単位が異なるデータを 1 つのグラフで比較するときに利用します 複合グラフに 3-D グラフを使用することはできません データ系列系列のグラフグラフ種類種類の変更 データ系列のグラフの種類を変更するには 変更したいデータ系列を選択し [ グラフの種類の変更 ] ダイアログボックスを表示します [ グラフの種類の変更 ] ダイアログボックスは以下の方法で表示することができます A) データ系列で右クリックし ショートカットメニューから [ 系列グラフの種類の変更 ] を選択します B) データ系列を選択し [ グラフツール ] の [ デザイン ] タブの [ グラフの種類の変更 ] ボタンをクリックします 第 2 軸の表示 複合グラフなど 1 つのグラフに単位が異なるデータや数値の範囲が大きく異なるデータがある場合は グラフに 2 つ目の数値軸を表示します 第 2 軸を表示するには [ データ系列の書式設定 ] ダイアログボックスの [ 系列のオプション ] を使用します [ データ系列の書式設定 ] ダイアログボックスは以下の方法で表示することができます A) データ系列で右クリックし ショートカットメニューから [ データ系列の書式設定 ] を選択します B) データ系列を選択し [ グラフツール ] の [ レイアウト ] タブ または [ 書式 ] タブの [ 選択対象の書式設定 ] ボタンをクリックします 3 図形の挿入 Excel に用意された図形ツールを利用して ワークシートやグラフに図形を追加して データにコメントなどを付けることが できます 図形には 四角形や線 矢印 フローチャート 星形とリボン 吹き出しなどがあり 描画した図形を選択して文 字を入力すると図形内に文字が挿入されます グラフへのへの図形図形の挿入 グラフ内に図形を挿入するには 対象となるグラフを選択し [ レイアウト ] タブの [ 図形 ] ボタンから作成したい図形をクリックして グラフ内に描画します [ 挿入 ] タブの [ 図形 ] ボタンを使用してグラフに挿入することもできますが その場合は必ずグラフを選択した状態で図形を描画します グラフ内に挿入した図形は グラフを移動したり サイズ変更すると一緒に変更されます ワークシートへのへの図の挿入 ワークシート上に図形を挿入するときも [ 挿入 ] タブの [ 図形 ] ボタンから図形を挿入することができます 73
図形のハンドル 図形を選択すると図の周囲に複数のハンドルが表示され ハンドルをドラッグしてサイズ変更や回転 図形の形状を変更することができます 緑色の 回転ハンドル 図を回転するときに使います 黄色の 調整ハンドル このハンドルが付いている図形は 形状を変更することができます 水色の サイズ変更ハンドル サイズを変更するときに使います 四隅の丸いハンドルは 縦横同時に拡大または縮小します 辺の四角いハンドルは 高さまたは幅だけ変更します 描画時のキーキーの併用 キー操作結果 Shift キー + ドラッグ Ctrl キー + ドラッグ Alt キー + ドラッグ 水平 / 垂直線 正方形 真円などを描くことができます サイズ変更時は 縦横の比率を維持したまま拡大または縮小します マウスのボタンを押し始めた位置を中心として 図形を描くことができます サイズ変更時は 中心から拡大または縮小します ワークシート上に描画する場合 セルの枠線に合わせて図形を描くことができます 図形の書式設定 図形の書式設定は グラフと同様に図形を選択すると表示される [ 描画ツール ] の [ 書式 ] タブで [ 図形のスタイル ] や [ 図形の塗りつぶし ] [ 図形の枠線 ] [ 図形の効果 ] ボタンなどを使用して設定することができます また 図形を右クリックし ショートカットメニューの [ 図形の書式設定 ] をクリックして表示される [ 図形の書式設定 ] ダイアログボックスで設定することもできます 図形内に入力した文字もセル内の文字と同様に書式を設定することができます 6 章 1 操作してみよう! ここでは データ系列の追加と削除 複合グラフの作成方法 グラフに図を挿入する方法について確認しましょう STEP 1 Excel を起動し ドキュメントフォルダから 6 章 (1) 複合グラフ.xlsx ブックを開き 第 1 四半期 シートがアクティブになって いることを確認しましょう STEP 2 セル A3 から D8 を基に 4 月から 6 月の支社別の積み上げ縦棒グラフを作成し 次の編集をしましょう グラフのスタイル : スタイル 18 グラフの位置とサイズ : セル A11 から G28 STEP 3 セル F3 から F8 の 売上目標 を積み上げ縦棒グラフに追加し 折れ線グラフに変更して複合グラフを作成しましょう 1 セル F3 から F8 をコピーします 74
2 積み上げ縦棒グラフのグラフエリアで右クリックし ショートカットメニューから [ 貼り付け ] を選択します 3 4 5 Esc キーでコピーを解除します [ 系列 売上目標 ] で右クリックし ショートカットメニューから [ 系列グラフの種類の変更 ] を選択します [ グラフの種類の変更 ] ダイアログボックスで [ マーカー付き折れ線 ] を選択します STEP 4 STEP3 で追加した 売上目標 の折れ線グラフを削除しましょう STEP 5 セル G3 から G8 の 達成率 を積み上げ縦棒グラフに追加し 折れ線グラフに変更して複合グラフを作成しましょう 1 STEP3 と同様の操作でセル G3 から G8 を積み上げ縦棒グラフに追加します 2 [ グラフツール ] の [ レイアウト ] タブの [ グラフの要素 ] ボックスから [ 系列 達成率 ] を選択します 3 [ グラフツール ] の [ デザイン ] タブの [ グラフの種類の変更 ] ボタンを使用して [ マーカー付き折れ線 ] に変更します STEP 6 達成率 のデータ系列で使用する軸を第 2 軸に変更し 折れ線グラフの書式を設定しましょう 1 [ グラフツール ] の [ レイアウト ] タブの [ グラフの要素 ] ボックスから [ 系列 達成率 ] を選択し [ 選択対象の書式設定 ] ボタンをクリックして [ データ系列の書式設定 ] ダイアログボックスを表示します 2 [ 系列のオプション ] で [ 第 2 軸 ( 上 / 右側 )] を選択します ( プロットエリアの右側に 達成率 を表示するパーセンテージの数値軸が表示されます ) 3 [ マーカーのオプション ] で [ 種類 ] を [ ] にし [ サイズ ] を [7] に設定します 4 [ 線のスタイル ] で [ 幅 ] を [3pt] に設定します [ データ系列の書式設定 ] ダイアログボックスは開いたままにしておきます STEP 7 [ データ系列の書式設定 ] ダイアログボックスを開いたまま 凡例をクリックし [ 凡例の書式設定 ] ダイアログボックスを表示して 凡例の位置を [ 上 ] に変更します [ 書式設定 ] ダイアログボックスは 開いたままグラフ要素の選択を切り替えて使用することができます 75
STEP 8 グラフをアクティブにし 右図を参考に 大阪 の 達成率 の折れ線グラフの上に [ 図形 ] ボタンから [ 角丸四角形吹き出し ] を作成し 次の設定を行いましょう 1 吹き出しの図形を選択し 目標達成! と文字を入力します 2 [ 図形のスタイル ] から [ 枠線のみ-アクセント 2]( 左から 3 番目上から 1 番目 ) を設定します 3 目標達成! のフォントサイズを 9pt にし 太字に設定します 4 目標達成! の配置を図形の中で中央揃えに設定します STEP 9 6 章 (2) 複合グラフ.xlsx というファイル名を付けて ドキュメントフォルダ内の 保存用 フォルダに保存しましょう STEP10 Excel を終了しましょう 完成例 参照 ) ドキュメントフォルダ内の 6 章 (2) 複合グラフ.xlsx ブック 4 グラフテンプレート 独自に作成したグラフをグラフテンプレートとして登録しておくと 同じ形式のグラフを作成する際に利用して グラフ編集 の手間を省くことができます グラフテンプレートの登録 グラフテンプレートは 編集済みのグラフを選択し [ グラフツール ] の [ デザイン ] タブの [ テンプレートとして保存 ] ボタンをクリックして [ グラフテンプレートの保存 ] ダイアログボックスを表示して保存します グラフテンプレートは Templates フォルダ内の Charts フォルダ に crtx という拡張子で保存されます 76
グラフテンプレートの利用 登録したグラフテンプレートは 通常のグラフを作成するときと同様に [ グラフの挿入 ] ダイアログボックスから選択して 利用することができます グラフテンプレートは [ グラフの挿入 ] ダイアログボックスの [ テンプレート ] をクリックして表示します アイコンをポイントするとファイル名が表示されます グラフテンプレートの削除 不要になったグラフテンプレートは [ グラフの挿入 ] ダイアログボックスのテンプレートの管理ボタンをクリックし Charts フォルダのウィンドウを表示して Delete キーまたは ショートカットメニューを使用して削除することができます グラフテンプレートを削除すると [ ファイルの削除 ] ダイアログボックスが表示され はいボタンをクリックして ごみ箱に移動します 5 ワードアートの挿入 ワードアートを使用すると見栄えがする装飾文字をワークシートに挿入し 表のタイトルなどに利用することができます ワードアートを挿入するには [ 挿入 ] タブの [ ワードアート ] ボタンをクリックし 一覧から目的のワードアートスタイルを選 択します ワードアートの書式設定 ワードアートの文字は [ ホーム ] タブやミニツールバーを使用して フォントやサイズ スタイルなどを設定することができます また その他の書式はワードアートを選択すると表示される [ 描画ツール ] の [ 書式 ] タブの [ ワードアートスタイル ] グループや [ 図形のスタイル ] グループなどを使用して設定することができます ワードアートスタイルワードアートスタイル [ ワードアートスタイル ] グループの [ ワードアートクイックスタイル ] ボタンの一覧から定義済みのワードアートスタイルを選択し 文字の塗りつぶし 輪郭 特殊効果などをすばやく設定することができます また [ 文字の塗りつぶし ] [ 文字の輪郭 ] [ 文字の効果 ] ボタンから個別の詳細な設定を行うことができます < こんな方法も!!> ワードアートを右クリックし ショートカットメニューの [ 図形の書式設定 ] をクリックして表示される [ 図形の書式設定 ] ダイ アログボックスで設定することもできます 77
6 章 2 操作してみよう! ここでは ワークシートにワードアートを挿入する方法とグラフテンプレートの利用方法について確認しましょう STEP 1 Excel を起動し ドキュメントフォルダから 6 章 (2) 複合グラフ.xlsx ブックを開き 第 1 四半期 シートがアクティブになってい ることを確認しましょう (6 章 -1: 操作してみよう! を練習した場合は ドキュメントフォルダ内の 保存用 フォルダから開きます ) STEP 2 複合グラフをアクティブにし 四半期支社別売上.crtx というファイル名でグラフテンプレートとして保存しましょう STEP 3 第 2 四半期 シートをアクティブにし 登録したグラフテンプレートを使用して 第 2 四半期支社別売上 の複合グラフを作成しましょう 1 セル A3 から D8 とセル G3 から G8 を選択します 2 [ 挿入 ] タブの [ グラフ ] グループの右下にあるダイアログボックス起動ツールをクリックし [ グラフの挿入 ] ダイアログボックスを表示します 3 [ テンプレート ] をクリックし [ マイテンプレート ] ボックスの 四半期支社別売上 グラフテンプレートを適用します 4 グラフの位置とサイズをセル A11 から G28 に合わせて調整します 5 右図を参考に 吹き出しの図形を 東京 の 達成率 の折れ線グラフの上に配置します STEP 4 セル A1 のタイトルを削除し ワードアートで表のタイトルを作成しましょう 1 [ 挿入 ] タブの [ ワードアート ] から任意のワードアートを選択します 2 作成したワードアートに 第 2 四半期支社別売上 と入力します 3 フォントサイズを 32pt にし 斜体に設定します 4 完成例を参考に 表の上に移動します 5 ワードアートを選択し [ ワードアートクイックスタイル ] の [ 図形内のすべてのテキストに適用 ] から [ 塗りつぶし-アクセント 2 面取り ( つや消し )]( 左から 3 番目上から 2 番目 ) を選択します STEP 5 [ グラフの挿入 ] ダイアログボックスのテンプレートの管理ボタンをクリックし 四半期支社別売上.crtx グラフテンプレートを 削除しましょう STEP 6 上書き保存をして Excel を終了しましょう 完成例 参照 ) 完成フォルダ内の 6 章 (2) 複合グラフ _ 完成.xlsx ブック 78
第 6 章のトレーニング ここでは 複合グラフを作成し グラフテンプレートとして利用する方法について練習します STEP 1 Excel を起動し ドキュメントフォルダから 6 章トレーニング.xlsx ブックを開き 東京 シートがアクティブになっている ことを確認しましょう STEP 2 セル A3 から M5 を基に 1 月から 12 月の東京都の降水量の縦棒グラフを作成し 次の編集をしましょう グラフのレイアウト : レイアウト 1 グラフタイトル : 2006 年東京都 グラフのスタイル : スタイル 31 グラフの位置とサイズ : セル A10 から M30 STEP 3 [ 系列 1 日の最大降水量 ] を削除しましょう STEP 4 セル A6 から M6 の 平均気温 ( ) を縦棒グラフに追加し 追加した 縦棒グラフを折れ線グラフに変更しましょう STEP 5 グラフに次の書式を設定しましょう ([ 書式設定 ] ダイアログボックスは開いたまま操作します ) 1 [ 系列 平均気温 ( ) ] に次の書式を設定します 系列のオプション : 第 2 軸 線の色 : 線 ( 単色 ) ( 標準の色 ) 赤 線のスタイル : 幅 3.5pt 2 凡例の位置を下に設定します 3 プロットエリアの塗りつぶしを [ しずく ] のテクスチャに設定します STEP 6 グラフをアクティブにし 右図を参考に 10 月 の 降水量 (mm) の棒グラフの上に [ 雲形吹き出し ] の図形を作成し 次の設定を行いましょう 文字 : 10 月の日照時間 138.7H 図形のスタイル : 任意のスタイル フォントサイズとスタイル :9pt 太字 文字の配置 : 中央揃え STEP 7 グラフをアクティブにし 降水量と気温.crtx というファイル名でグラフテンプレートとして保存しましょう 79
STEP 8 静岡 シートをアクティブにし グラフテンプレートを使用してセル A3 から M4 とセル A6 から M6 を基に 降水量と気温 グラフを作成しましょう STEP 9 完成例を参考に STEP8 で作成したグラフに次の設定を行いましょう グラフの位置とサイズ : セル A10 から M30 グラフタイトル : 2006 年静岡県 吹き出しの文字 : 6 月の日照時間 118H 吹き出しの位置 : 6 月 の 降水量 (mm) の棒グラフの上 STEP10 セル A1 のタイトルを削除し 完成例を参考にワードアートで表のタイトルを作成しましょう ワードアートのスタイル : 任意のスタイル 文字 : 2006 年静岡県気象データ フォントサイズ :32pt STEP11 降水量と気温 グラフテンプレートを削除しましょう STEP12 2006 年気象データ.xlsx というファイル名を付けて ドキュメントフォルダ内の 保存用 フォルダに保存しましょう STEP13 Excel を終了しましょう 完成例 参照 ) 完成フォルダ内の 2006 年気象データ _ 完成.xlsx ブック 東京 シート 静岡 シート 80