平成 27 年度テナントビルの低炭素化 省エネ化の普及促進セミナー エネルギー管理と電力自由化 平成 27 年 12 月 18 日 公益社団法人東京都環境公社東京都地球温暖化防止活動推進センター ( クール ネット東京 ) 常慶隆一
今日のポイント Ⅰ. エネルギー管理の必要性と背景 Ⅱ. 報告書制度に見るテナントビルの省エネ実績 Ⅲ. 電力自由化への対応 Ⅳ. エネルギー管理の進め方 Ⅴ. 中小規模事業所向けの支援策 2
Ⅰ. エネルギー管理の必要性と背景 3
Ⅰ. エネルギー管理の必要性と背景 中小規模事業所の省エネルギー対策テキスト P.1 地球温暖化の進行 地球の平均気温 : IPCCの第 5 次報告では 2100 年には最大 4.8 の上昇を予測 CO2 濃度 : 工業化以前 約 280ppm 2013 年 396ppm 海水面の上昇 異常気象の増加 伝染病の拡大などが懸念される パリで開催の COP21 では工業化以前に対して 今世紀末の温度上昇を 2 未満に抑えないと取り返しがつかないことを議論!! 4
Ⅰ. エネルギー管理の必要性と背景 参考資料 エネルギーコストの上昇 電力料金は 2010 年度 ~2014 年度で 38% 上昇 今と同じエネルギーを使っていると エネルギーコストは上昇! ( 出典 ) 平成 27 年 7 月資源エネルギー庁平成 26 年度エネルギー白書概要 5
Ⅱ. 報告書制度に見るテナントビルの省エネ実績 6
Ⅱ. 報告書制度に見るテナントビルの省エネ実績 参考資料 オフィス ( テナント専有部 )1 出典 : 東京都環境局 7
Ⅱ. 報告書制度に見るテナントビルの省エネ実績 参考資料 オフィス ( テナント専有部 )2 25 年度の 22 年度対比削減率 19.1% 減 25 年度の 22 年度対比削減率 18.5% 減 出典 : 東京都環境局 8
Ⅱ. 報告書制度に見るテナントビルの省エネ実績 参考資料 テナントビル ( オフィス系 )1 出典 : 東京都環境局 9
Ⅱ. 報告書制度に見るテナントビルの省エネ実績 参考資料 テナントビル ( オフィス系 )2 25 年度の 22 年度対比削減率 13.9% 減 25 年度の 22 年度対比削減率 13.9% 減 出典 : 東京都環境局 10
Ⅱ. 報告書制度に見るテナントビルの省エネ実績 中小規模事業所の省エネルギー対策テキスト P.21 下の表を参考にして あなたの事業所の CO2 排出量と原油換算量を計算してみましょう 11
Ⅱ. 報告書制度に見るテナントビルの省エネ実績 中小規模事業所の省エネルギー対策テキスト P.21 12
Ⅱ. 報告書制度に見るテナントビルの省エネ実績 参考資料 地球温暖化対策報告書の統計データと自社の実績との比較 自社の CO2 排出原単位と電力使用量原単位を計算してみましょう 延べ床面積に対応した CO2 排出原単位のグラフと自社の実績を比較してみましょう 平均値より大きければ原因を追究して改善を図り 小さければ良好ですから維持と更なる改善を進めましょう 過去のデータから年度ごとの CO2 排出原単位の改善状況を確認しましょう 地球温暖化対策報告書作成ツールを利用することで パソコンからの入力で簡単に CO2 削減量や原油換算量を記載した報告書を作成することができます 地球温暖化対策報告書ツール のダウンロードはこちら http://www8.kankyo.metro.tokyo.jp/ondanka/report/format/index.html 13
Ⅲ. 電力自由化への対応 14
Ⅲ. 電力自由化への対応 参考資料 1. 電力自由化とは 競争原理を導入して 需要家の選択肢や事業者の事業機会拡大等を図る 50kW 以上の高圧受電需要家はすでに自由化されている 平成 28 年 4 月より家庭などへの小売事業について全面自由化される 今回自由化 東京電力等の在来の電力会社 新電力 既に自由化 資源エネルギー庁資料より作成 15
Ⅲ. 電力自由化への対応 参考資料 2016 年 4 月より 電気をどこから買うか自由に選べるようになります 現在 全面自由化後 特別高圧高圧低圧 電灯 大規模工場大規模オフィスビル 中規模工場オフィスビル 小規模工場店舗一般家庭 16
Ⅲ. 電力自由化への対応 参考資料 2. すぐに実行したい電力全面自由化への対応 電気供給メニューに関 する現状把握 現在の自社の契約電力について知っていますか 契約の種別 ( 高圧か低圧か 季節別 時間帯別などの選択約款 ) 契約電力の大きさ 年間使用量と支払料金 電力単価 : 円 /kwhは妥当か? 自社の現状を把握したうえで 新電力の供給メニューの検討も可能 自社のエネルギー使用状況の把握と自由化に向けた体制の構築エネルギーコスト低減のための継続的な活動契約口数のまとめ 1 年間の毎月の電力使用量は把握 記録されていますか 毎月の最大電力記録と現在の契約電力は把握されていますか 時間帯別 用途別の電力消費状況は把握されていますか 生産性を高め コストミニマムにするにはどのような体制が最適か 経営トップのリーダーシップ発揮 : 目標の設定 担当者の指名 全員参加など データによる管理 見える化はできていますか PDCA による継続的な活動になっていますか 一つの構内に 2 口の高圧受電や複数口の低圧電力 複数口の従量電灯を契約している例を見受けます この機会に高圧受電の 1 本化 低圧電力 従量電灯それぞれの一本化を図り最大電力を抑制して 基本料金を低減しましょう 17
Ⅲ. 電力自由化への対応 参考資料 3. 契約先の選択 電力会社について供給メニューの調査 自社の受電最大電力 / 消費電力量 / 需要形態 に対応できるか 電力会社の 信頼度 / 電気料金 / 二酸化炭素排出係数 などの検討 省エネ推進にどのような 提案 / 情報 が得られるか 4. 電力会社を変更する場合の需要家の負担 通常の契約変更では需要家の負担はありません 契約 1 年未満で契約先を変更する場合 契約時点にさかのぼって割増料金を徴収されることがあります 18
Ⅲ. 電力自由化への対応 参考資料 5. その他 契約電力会社の供給力がダウンした場合 一般電気事業者から供給されるので 需要家には迷惑は掛かりません ただし 供給できなかった新電力は肩代わりに要した費用を一般電気事業者に支払うことになります 契約電力会社が倒産した場合 契約先を他の電力会社に切替えることになります デマンドコントローラは継続使用できるか 継続使用はできるが 取引計器を取り換える場合は 新しい電力計からパルスを取り入れることが必要です 太陽光発電の売電先はどうなるか 契約先を新しい電力会社に変更することもできますので 当該新電力に相談 して下さい 19
Ⅲ. 電力自由化への対応 参考資料 電力会社に要望すること 簡潔で分かりやすいメニューを提示すること 電力会社の特徴 得意とする点などを示し 需要家が電力会社を選定する参考になること 供給可能地域 供給可能電力 電源の種類 供給可能と思われる需要家の規模 需要形態などの情報を提供すること スマートメータの導入 省エネの進め方などの情報提供 6. 電力全面自由化に期待すること (1) 電力料金の低減 (2) クリーンエネルギーの普及による CO2 排出量の低減 (3) スマートメータの普及や IT 技術の導入により 需要家が電気の使用状況を 見える化 して適切な管理ができること (4) 快適な社会生活や経済の活性化に寄与すること 20
Ⅳ. エネルギー管理の進め方 21
Ⅳ. エネルギー管理の進め方 参考資料 企業経営をエネルギーという切り口で見ましょう エネルギーの調達輸送 分配使用 1. 調達するエネルギーの種類の選定 有利な調達電力 燃料の調達エネルギーの変換 : ボイラ コンプレッサ 冷凍機など 2. 輸送 分配経路の損失を最小に配電 蒸気の輸送 エアーの輸送 冷温水の輸送など 3. エネルギー使用場所での効率的な使用と損失の防止機械の種類と効率 空調 照明効率 空転防止 使用時間の短縮など 4. 問題解決のための全員参加と職場の活性化職場の QC 活動 管理部門の問題意識とチャレンジ 22
Ⅳ. エネルギー管理の進め方 中小規模事業所の省エネルギー対策テキスト P.15 1. テナントビルの省エネルギー推進体制 ビル全体のエネルギー使用量のうち60~70% はテナント専有部で使用 オーナーとテナントの協力なくしてテナントビルの省エネルギーは進まない 共同で省エネを推進するためには定期的な情報交換の場を持つオーナーはエネルギー使用量をテナントごとに見える化して配布するテナント側は自社の省エネ対策を相互に情報交換して協力を確かなものにする ビル管理会社も省エネルギーに参画し協力する 23
Ⅳ. エネルギー管理の進め方 参考資料 トップ ( テナントビルオーナ ) のリーダーシップ 1. エネルギー管理方針を打出す 2. 目標を設定する 3. エネルギー管理担当者を指名し 管理状況の確認を行う スタッフ ( ビル管理者 ) の役割 1. トップの指示を待つまでもなく 積極的に行動する 2. 経営トップに意見具申して 省エネ活動について理解を得る 3. 空調 照明 生産機械などについて 省エネのポイントを知る データによる管理 1. 電気 ガス 水道などの毎月の使用料と支払金額を記録する 2. 更に進めて 用途別 部門別の使用状況を記録する 3. データをグラフ化して 問題点を把握する 4. 月別 年度別の変化から対策の効果を確認し 改善をはかる 24
Ⅳ. エネルギー管理の進め方 中小規模事業所の省エネルギー対策テキスト P.17 管理標準を策定 管理標準 エネルギー使用の合理化 ( 省エネルギー ) を適切かつ効果的に実施するために定める マニュアルと呼ばれる 皆さんで決めたことをルール化し 文章にしておくこと 内容 管理する事項 計測 記録する事項 保守 点検の内容 時期 新設時の措置 設備 機器ごと工程ごと事務所ごと 配布 実施 25
Ⅳ. エネルギー管理の進め方 中小規模事業所の省エネルギー対策テキスト P.19 エネルギー使用実績の把握と分析 原単位の管理 見える化 ( グラフ化 ) 26
Ⅳ. エネルギー管理の進め方 中小規模事業所の省エネルギー対策テキスト P.20 原単位管理 エネルギー使用量は 生産量や延べ床面積などの変更によっても増減するため エネルギー使用量だけの比較では 省エネ努力の評価や他工場 他ビルとの比較が単純には行えません エネルギー消費原単位は エネルギー管理の指標となるものです 原単位 = 密接に関係する数値でエネルギー使用量を割った値 工場 : 生産量 生産額など kwh/ トン kwh/ 千個 事務所 : 延床面積 営業時間など kwh/ m2年 MJ/ m2年 原単位で管理するメリット 生産量や規模に左右されない数値で管理できる 他工場 ビル等との比較ができる 省エネ法では 年平均 1% 以上のエネルギー 消費原単位の低減を目標としています 27
Ⅴ. 中小規模事業所向けの支援策 28
Ⅴ. 中小規模事業所向けの支援策 中小規模事業所の省エネルギー対策テキスト P.87~ 問い合わせ先 : 東京都地球温暖化防止活動推進センター省エネ推進チーム TEL 03-5990-5087 29
Ⅴ. 中小規模事業所向けの支援策 問い合わせ先 : 東京都地球温暖化防止活動推進センター省エネ推進チーム TEL 03-5990-5087 30
Ⅴ. 中小規模事業所向けの支援策 問い合わせ先 : 東京都地球温暖化防止活動推進センター省エネ推進チーム TEL 03-5990-5087 31
Ⅴ. 中小規模事業所向けの支援策 問い合わせ先 : 東京都地球温暖化防止活動推進センター事業支援チーム TEL 03-5990-5088 問い合わせ先 : 東京都地球温暖化防止活動推進センター事業支援チーム TEL 03-5990-5089 32
Ⅴ. 中小規模事業所向けの支援策 33
Ⅴ. 中小規模事業所向けの支援策 34
Ⅴ. 中小規模事業所向けの支援策 03-3251-7889 35
省エネは先ず実行 1. 宝は現場にあり 2. データがものをいう 3. 継続は力なり 36
ご清聴ありがとうございました 東京都地球温暖化防止活動推進センター ( クール ネット東京 ) 37