参加者プロフィール 北一成 首都圏模試センター教務情報部長 山中亨 栄光ゼミナール入試サポート部課長 進行 G net 情報センター 瀬川信一 対談 :2017 年の中学入試を語る入試情報多様な入試スタイルの導入で受験生の数は 3 年連続増加に 2017 年首都圏中学入試座談会私立の情報発信が評価され受験率も7年ぶりに15 %台に まずは今春の 首都圏中学入試 が 前年からどのような推移を見せたのかということから話を進めたいと思います 山中母数となる小学校6年生の数が1 7%ほど減少したにもかかわらず 受験生の数は500名ほど増加したと見ています これに公立一貫校の受検生を加味しますと 7年ぶりに21 %台となりました 首都圏では小学校6年生の5人に一人が 私立国立そして公立一貫校のいずれかを受験(受検)しているということになります 北私立国立中学への受験生数は 2014年に底を打った感じです その後3年間微増を続けています また 公立一貫校しか考えていなかった層も 私立を併願するようになり 私立国立中学受験生数は増加したものと思います 私どもの算定では 受験生の数は450名増加して4万4150名となり 受験率も7年ぶりで15 %台となりました 中学受験に対する熱はどうでしたか 山中私立中学がきちんと情報発信してくれることへの評価は高かったのではないでしょうか つまり 私立が2020年度大学入試対策としてあれこれ語っているのに対し 公立は今のところ何も語っていません 学習指導要領がはっきりすれば 語ってくれるのでしょうが 今春入試の保護者が学校選びをしていた段階では 公立の姿勢がどのようなものかは分かりませんでした 私立のフットワークの軽さ 面倒見のいい親切な姿勢に興味をもち 大学入試制度がどうなるか分からない不安を前に 何かに寄り添いたいとなれば 寄り添えられるのは私立だったということです そういう私立に対する見方が中学受験熱という点でも支えていたのではないでしょうか 北2月1日の難関校を見ると 表面的な応募者数には あまり変わりは見られませんでした 中堅以下だとむしろ減っているところが多いかもしれません ただ 実受験率が非常に高いのが目につきました 首都圏中学入試受験生推移 14.8 14.4 14.1 14.4 14.7 15.1 新聞 1 2017 年 4 月 25 日発行 18 号
出 願 状 況 に 関 し て の 印 象 は い か が で したか 北 実は 昨 年 も1月 日の出は悪かった のです 今年はさらに悪くなりました 出願 日の初日にどうしても出してくるという意 識は特にないよう なのです ネットなどで 情 報がしっかりと取れますので 冷 静に対 応しているということだと思います 山中 ちょっと前までは 何回出願しても 受験料は同じという学校には とりあえず 出願しておく というのが中堅前 後の受 験 生の保 護 者の一般 的な 姿 勢でした そのた め 平 均 出 願 校 数 は 増 えていましたが 今 年の様子を見ますと 1月中の結果を見て 2月1日の受 験 校 を決め さらには1日の 午前 午後の結果を含めて 2 3日のとこ ろでひとまずやめる 結果 次 第で4日以降 の受験を考えるが 1 2日の結果で満足い けば出願は取りやめる というふうになって きました ネッ ト 出 願 が 可 能 に なった 学 校 が 多 く そういう 学校に対しては 夜中に画面の該 当 箇 所 を ク リック す れ ば そ れ で 済 むの で す 学校に足を運ばなくてよくなりました し 出願時間を気にしなくてよくなりまし た 出願しやすくなったがゆえ 平均出願校 数は減少に転じたということです 以前は何があるか分からないので と りあえず出願しておくこと それもまとめ て出願しておくことで 安心感を担保して いたところがありました しかし そういう 出願が少なくなったということですね 山 中 絞り込んだ出願をするためには 事 前のコミュニケーションをきちんととってお く必要があります 塾の先生とよく相談し て こういう 結 果 だったらプランAで行 く そういう結果だったらプランBでというパ 見られたことですが それでもこれほどま ターンを事前に作り込んでおかなくてはな での上方シフトとなったことには驚きを隠 らないでしょう それもお子さんとよく 相 せません 談したう えで準 備しておくことです それ 2020年度大学入試改革と結びつけ過 をしておけば 夜中にコンピュータをクリッ ぎてもいけないかもしれませんが 大 学入 クすれば対処できるのですから 試が不安であることには間違いないので 実 相当詰めた上でのネット出願の活用と 績のある学校には信頼感が増すということ いうことですね になります そういう 志向がより上位の学 北 ネット出願 WEB出願 を実施してい 校に集まり チャレンジングな入試となった る学校は全部で142校ありました 半分 のではないでしょうか 近くの学校が導入していることになります そして このようなチャ 今春入試では 2月1日の午 前入試で実 受 レンジングな 受 け 方 をす 験率100 という学校が 校近くありま る一方 で 1 月 中 の 入 試 した 昨年が 校ほどでしたので このよう 地 方 校 の 出 張 入 試 を 含 なお金も労力も無駄にしない受験は広がっ めて で押さえをしっかり てくるのではないでしょうか と 取 って い る の で す 戦 略 的に 練ったう えでこの よ う なチャレンジングな 上位校受験に向けての 入 試に挑んでいるのも 特 上方シフトの意味するもの 徴的でした 北 2017年 受 験 生の 保護者世代は バブル経済 がはじけて 社 会 人になっ た 人 た ち で す さ ら に は 2000年以降に成人 社 会 人 に なった 世 代 い わ ゆる ミレニアル世 代 が 入ってきました このミレニアル世 代の 価 値 観の 特 徴 は 学 歴 信 仰 が 低 いこ と 家 族 との 体 験 を重視 することで す か ら 塾 よ り も 習 い 事 を選ぶ傾 向が強いですし 家 族とどこかに行くこと を大 事にして家族の輪を 20 50 60 45 出願でこれだけ絞り込まれたというこ とは 実際の受験においても変化が出たの でしょうか 山中 首都圏模試センターが算定した偏差 値で5ポイントごとのゾーンを設けてそこ に該当する学校を分けて それぞれの受験 者 数を割り振ってみました 驚くほど正規 分 布とのずれが出ています 偏差値で 以 上 未満の学校は 正規分布を下回り 以 上では今度ははるかに上回るのです これは受 験に対して 明らかな上方シフ トが見られるということです 多 くの受 験 生が自分の学力に比べて偏差値で見ると上 位にある学校を受けていることを示してい ます 元来 上方シフトは中学受験では割と 60 どこに基準を置くかによりますが こ 山中 4科目受験生の減少と関連して 塾 れらの学校は大学合格実績面では雙葉に負 も4科目をちゃんと面倒見なくても2科目 けていません 豊島岡女子学園などは東大 の指導でよくなったことで 地元のこじんま 国立大医学部医学科実績では女子学院をも りした塾や個別指導塾に通う生徒が増えて 凌駕する年もありました 敬遠されて当然 いますね ということですね 中学受験にあたっては 4科目をきち 山中 鷗友学園女子もその難しさに敬遠す んとやっておかなくてはという考えは減っ る受 験生が続出しています 実 験 観 察に てきたということですか 小学生なんだか 力 を入れ まじめに取 り 組んでいることで ら 習い事もあるのだから 早々と塾に通っ 大学 受験では理系にも強く そのあたりも て頑張るのもどうかと思う家庭層が増えて 評価を高めています きているということでしたね 共立女子がすべての入試機会で減少し 北 ICT教育がどうしたなどには全く関 ていますが どう見ていますか 心を示さず 昔 と同 様に4科目をがっちり 北 共 立 女 子のCについては入試日を4日 やっている受験生はいますが 上位校を受け から3日に移した影響と見ていいでしょう る層に限定されつつあります が それ以外のA B試験については共立女 と こ ろ で 実 受 験 者 数 で の 前 年 比 で は 子だけではなく大妻にも言えることなので 2月1日の午前では増えているのは東京の すが ボリュームゾーンの4科目受験生の減 共学 校だけなのです これは大学 付属 校へ 少のあおりを受けているのではないかと思 の人気が支えているところもあると思いま われます そのあおりがさらに跡 見 学 園な す 大学付属校は財政的な余裕もあるのか どに深刻な形で出てしまいました ICT教育も思いきりやれますし 大学 受 前年と比べて 女子校では跡見学園が 験をあまり考えなくてもいいということで 入試機会合計での減少数が一番ですね アクティブラーニングなども積極的に導入 できるメリットがあります 男子校で増 加 した学校をまとめてみたのですが 芝 浦 工 業大学附属 明大中野 日大豊山などの大 学付属校が上位を占めていたのが今春の入 試で目についたところです 山中 慶應普通部 同中等部 同湘南藤沢 中等部の慶應の付属は応募者数を減らしま したが 明治大学の付属校そして日本大学 の付属校も人気を博しました これは大学 入試制度改革への不安の裏返しだと思いま す 日本大学にはさまざまな学部がありま すので 安心感もあるのでしょう 北 日大中学 日吉 などは 昨年は午後入 首都圏地区別応募者数推移 首都圏模試センター調べ 栄光ゼミナール提供 尊 重しているところがあり ます トラディ ショナルな価値観とも言える大学合格実績 を重視し そのために早くから塾通いをす る層とは一線を画しています それが受験に も表れてきていると見ていいのではないで しょうか 山中 早い段階から受験準備を進め がち がちな4科受験の学校を受ける層が限定 されてきたということです おそらく上位 ミレニアル世代 とは 2000年以降に成人 あるいは社会人になる世代を指す ミレニアル Millennial は 英語で 千年紀の という意味 主に米国で1980 2000年頃に生まれた若者を ミレニアル世代 新千年紀世代 と呼び それ以前の世代とは異なる特性を持つと注目されている 20 瀬川 2 7
3分の1と見ていいのではないでしょうか ほかの多くは習い事を中心にやっているようです かつては4年になったら習い事はやめて受験一本やりで というのが普通でしたが そうではなくなってきているということです 北受験生の二極化が言われて何年にもなりますが 準備スタイルにも二極化が表れてきたということです きちんと準備した層は 上位の学校を目指していますし 一方で中堅下位の学校には 公立一貫校からシフトした層や準備が遅かった受験生がやってくるのです いわゆる駆け込みの対象にもなっており 2科目受験生の増加にもつながっています 低学年は習い事中心でいいと考える家庭層の子どもは 5 6年になって本格的な受験勉強をするスタイルを採用しています 準備スタイルの二極化 さらには価値観の二極化が見えてきますね 昔は 4科目型の受験勉強をやるのが 本道 のような見方もありましたし 4科目勉強していないと 受験生としては一人前ではないというような風潮もありましたが それがここにきて大きく変わってきているわけですね 情報発信する学校に安心感多様な入試スタイルを評価 大学入試制度改革に絡む出願の変化ということではいかがでしたか 山中大学入試制度改革の方向性は出ていますが 保護者にしても大学入試制度改革が具体的にどうなるかはまだ分かっていません 分らないゆえの保護者の不安感が大きいことで 新しい教育スタイルを模索してくれる学校 ちゃんと動いている学校に安心感を抱き そこに期待感を持っていいだろうと判断しているところがあります 自分たちがやってきたこと やろうとすることをきちんと示す学校が評価されているのだと思います やってきたこと やろうとすることをきちんと示さず 安心してくださいでは不安も出るでしょう 親は安心する材料がほしいのです 大学合格実績もその一つだと思います 大学入試制度改革との関連で言いますと 麻布や栄光学園 桐朋などが人気を博しましたが これらの学校の入試問題は思考力及び表現力を重視することで知られています そういう出題姿勢が好まれたことで さらに評価を高めたと見てもいいでしょう 北昨年比で応募者数が増加した学校を上位からまとめてみました 入試日別でもまとめてみましたが ここでは入試機会をまとめて学校別での増加数に注目してみました (次ページの表参照)そこから何が見えてくるかと考えてみましたが まずは21 世紀型学力に留意している学校 スーパーグローバルハイスクール(SGH) スーパーサイエンスハイスクール(SSH)などに加えて スーパーグローバルユニバーシティ(SGU)の付属など 共通項目が出てきました さら従来からの伝統校を選択しているところも見えてきましたので 保護者は従来からの伝統校を選択もし さらには新しい期待のできる学校も選択したということです 学校のいいところを見ていくというスタンスなのですね 北学校の発信力が問われているとも言えますね 保護者が気になることならば そんなことはやっているから大丈夫というのではだめで 具体的に伝えないと評価されません 減少が目につく学校には難易度の上昇から敬遠傾向が出た学校もありますが それを別にすれば 発信力が伴っていないというか 具体的でなかった学校が目につきます 山中発信がどっちつかずだとだめですね ある学校の場合など 従来の学校スタイル カラーを錬磨していくのか 大学受験力を高めていくのかの方針が受験生側にしっかりと伝わらず 受験生側にどっちつかずと見られてしまい定員割れを起こしてしまいました 新しい大学入試制度改革では思考力 表現力 判断力が問われるということが判明していますが それに対応する入試スタイルが大変多様になってきました それらの多様な入試スタイルを実施する学校への評価はいかがでしたでしょうか 北小学生の多様な資質と可能性を測る新たな入試にはどのようなものがあるかと整理しますと 適性検査型入試 総合型入試 記述型入試 英語入試 思考力入試 自己アピール入試に加えて 得意選択型入試そして推薦入試などに分かれます これらの新しい入試スタイルを実施した学校は全部で165校となりました 中には 多少苦し紛れの学校もないわけではありません 塾側からも何をやっているのかと見られていた学校もありましたが 継続することで一定の評価を上げていますね 今春入試では得意選択型入試を実施した学校が人気を博しました たとえば 1日午後の鎌倉学園の算数入試は人気でしたね 受験生からすると受けてみようかと思わせるものがあったのかもしれません 山中攻玉社の特別選抜入試(国語か算数を選択)も5日と後半にあった関係であまり目立ちませんでしたが 上位の一定層から評価を得ていました 新しい入試スタイルを入れるということで 受験生を振り向かせる材料となっていることはあるでしょう 振り向かせて説明会に来てもらえば あとはその学校の教育内容が問われるということになります 北そのためにも 発信力というかメッセージがしっかりと伝わらないとだめだということです 新しい入試スタイルを導入した学校の例では 光塩女子学院が昨年から1日に総合型の入試を持ってきましたが 実受験率100%で その入試機会から入学者も十分確保できたということでした 大妻中野もグローバル入試 新思考力入試などを実施し 表面的な応募者数は減りましたが 受験動向を見ますと評価の高まりが感じられます 宝仙学園理数インターもグローバル入試 リベラルアーツ入試などを実施しましたが 受験生は大きな関心を寄せていました 入試スタイルで何か新しいことを導入した学校はそれなりの評価を得て 3
いますし 学校も手ごたえを感じているのではないでしょうか これだけ選択オプションが増加したことで いろんな過ごし方をしてきた小学生にチャンスが広がったということは理解できました 新しい入試スタイルを各校が実施することで 受験生が新たに掘り起こされたわけですね 活気が感じられる埼玉入試千葉は東邦大学付属東邦が活性源 今春入試の全体的な動向は理解できました 学校名も具体的に出てはいますが これからは地区別の動向を見ていきたいと思います 埼玉県の動向はどうでしたでしょうか 山中全体的には前年よりもプラスとなりました 解禁日である1月10 日の応募者数は過去7年間で最高値となりました 応募者数が増加している地方校の出張入試が今年は10 日前が多く 重なったのは佐久長聖くらいであったこと 通学可能性を考えての練習校(通ってもいい事前校と言ってもいいでしょう)としての評価が高まっていることもあるでしょう また 県内の受験生の県内私学への評価も高まってきたということ 私学としての認知が高まったことが大きいでしょう 昨年の東大入試で公立の合計合格者数を私立合計の合格者数が上回ったこともあり 県内私学の評価が高まったとも言われています 埼玉県内の私学は歴史の浅い学校ばかりと見られていましたが その若い学校に ある種の伝統 が備わってきたと言えるでしょう その典型が栄東です 同校には通うことを想定して1月10 日のA入試をという受験生が多くなってきています この爆発的な人気はアクティブラーニングをいち早く導入し 21 世型のスキルの育成に努めつつ大学合格実績を順調に伸ばしていることが大きいでしょう 他に開智も高い評価を得ていますし 浦和明の星女子も高校募集なしのカトリックの完全中高一貫校として人間教育に取り組んでいます 05 年に中学校が開校する前は大学受験では文系主体の学校でしたが 今では理系学部 学科への合格実績を伸ばし堅調な人気を博しています 埼玉の学校は大変元気があるという印象が強いのですが 山中元気印の学校としては昌平 星野学園などが特に目につきます ほかに本庄東高校附属 開智未来なども健闘しています 県内私学では定員を充足した学校は 昨年はわずかでしたが 今春は増加しました 北それらの学校が周辺エリアの受験生を掘り起こしていると思います 埼玉栄には医学クラスがありますが 全国の医学雑誌に広告を出したり 医師の子弟にアピールしたりしているのを見ますと 埼玉私学のパワフルさ 行動力を感じます 元気印の学校として紹介された昌平は国際バカロレア(IB)の中等教育プログラム(MYP)の認定校に今年の3月になりました 中高一貫生はMYPに沿った授業を日本語で受けることになります 同校は 質の高い チャレンジに満ちた国際教育 を実施することで ますます元気な学校となっていくのではないでしょうか 山中氏 男子校 / 2017 年学校別 のべ志願者総数増加順 女子校 / 2017 年学校別 のべ志願者総数増加順 共学校 / 2017 年学校別 のべ志願者総数増加順 * 各表とも TOP40 のうちのトップ 15 校までを示しました 4
千葉県はいかがでしたでしょうか 山中千葉の入試では 東邦大学付属東邦が高校募集をやめた分をあらたに推薦入試で30 名募集したことが大きな話題となっていました 推薦入試には640名近くが挑みましたが 同校は推薦入試で定員の30 名きっかりしか合格者を出しませんでした 推薦入試を失敗した受験生の多くは1月21 日の一般前期入試に再挑戦していきましたので 同校の前期入試は活況を呈し 100名超増加しました 21 日全体で見ても前年に比べて320名応募者が増加しました 前日の解禁日の1月20 日は前年並みの応募者数でしたので 千葉の入試は県外からの事前受験組は かつてに比べれば減ってはいますが 県内の受験生の動向を見れば 県内私学への注目は高いと思います 東邦大学付属東邦のがんばりで千葉県全体が例年以上に盛り上がったのではないでしょうか 北東邦大学付属東邦の推薦入試での不合格者が一般入試でリベンジしたことで 例年以上に千葉県の入試状況をかき回したというか活性化したことは確かです 近年 東邦大学付属東邦は難易度面で渋谷教育学園幕張 市川に若干差をつけられた感がありましたが 今回の推薦入試の実施の波及効果と言いましょうか 一般入試では両校との差が縮まったのではないでしょうか 市川が英語選択入試を実施しましたが いかがでしたか 山中英語選択入試は1回目(20 日)と同時に行われ 特に定員を決めていませんが 英検2級程度と指定していますので 相当レベルの高い受験生が集まり うまく機能したと思います 大事なのは 英語選択入試をやるというメッセージを発したことなのです 同校では リベラルアーツ教育を実践していますが リベラルアーツ教育を充実させようというメッセージがそこにあったのでしょうね 山中市川の一般入試では 枠が英語選択入試の分 狭まるのではないかと下位層から敬遠する受験生が出たため若干減少はしましたが 例年のごとく厳しい入試で 大勢に影響はありませんでした 市川から受験生が主に流れたのは専修大学松戸でした 同校はすべての入試で応募者数を増加させています 常磐線沿いで 地下鉄で入りやすい東京の受験生にとっての練習校としても評価されてきました 専修大学松戸は昨年の大学入試でも東大に3名合格者を出すなど注目されていましたね 山中専修大学松戸では中学入学生は 高校からの入学生とは別棟で一貫教育を行っています こういうことも評価の一部となっているのかもしれません 北千葉の私学トップである渋谷幕張の受験生が22 日の1回目で 男女合計で2000名を突破しました 2000名台に乗ったのは5年ぶりで 帰国入試 2回目入試の合計でも238名増加しています 渋幕レベルで増えるということはすごいことです 千葉の上位校は 千葉御三家と言われる渋幕 市川 東邦大学付属東邦 それに専修大学松戸も含めて活気が出ています 専修大学松戸の人気に隠れて目立ちませんでしたが 芝浦工業大学柏も地元の受験生から安定した人気を得ていました ただ 立地面でちょっと損をしているというか 東京からの受験生は増えないかもしれません 推薦入試に話を進めますと 昨年より始めた千葉日本大学第一などを見ても新たな市場を掘り起こしていると思われるほど従来の受験層以外から注目を集めました また 中堅から下を見ますと 昭和学院は自己表現文やプレゼンテーションなどで自己アピールを行う新しい入試(マイプレゼンテーション入試)を導入しました 同校の校長は都立両国から迎えたということですので 新しい入試でいい子が来ることを経験的に知っている方です 同校ではアクティブラーニングや英語イマージョン教育をすでに導入していますので 今回の入試で入学した生徒の表現力 発信力を どのように鍛えていくのか楽しみです 女子校の応募状況はいかがでしたが 北国府台女子学院は落ち着いた人気でした 共学校並みにアピールすればもっと人気は高まるはずだと思いますが 和洋国府台女子は2回目の2科受験生が増加しました 山中和洋国府台女子はこれまで中学と高校のキャンパスが離れていましたが 中学校が高校のキャンパスに入る形で同じキャンパスになりました これで 最寄駅からも近く 歩いていくことができますので 今後注目を集めるのではないでしょうか 北聖徳大学附属女子が特待生選抜で優秀生を集めたようです 今後に期待したいですね 聖徳大学附属女子は教育環境がすばらしいですし 自己表現活動に結びつく情操教育面でも高く評価されていますので今後が楽しみですね 芝浦工業大学附属に大きな注目市立サイエンスフロンティアも では 次に2月入試の東京の学校について見ていきたいと思います 一番の話題校となると豊洲に移転した芝浦工業大学附属でしょうか 山中これまでの板橋区から併設大学である芝浦工業大学と隣接する豊洲への移転で 大学のリソースも活用できるなど教育環境が大きく変わりました 中高大連携の教育を実践していこう ということからか校名も 芝浦工業大学附属 と旧校名に附属の文字が加わったところにメッセージが込められているのでしょうか また 他大学進学についても 芝浦工業大学がセーフティネットとなり さまざまな大学に挑戦できる可能性もあるのではないでしょうか 併設大学がスーパーグローバルユニバーシティ(SGU)のグローバル化牽引型の24 校の一つに指定されたことで(ほかにトップ型13 校があり すべてで37 大学が指定されている) 財政的にも豊かというのも魅力的です 理工学教育の設備が充実していますので 実験 観 北氏 5
察スペースは抜群で 自律的学習を支える学びの環境も整備されているということです 北私立の理工系大学でSGUに指定されたのは芝浦工業大学だけということは その設備を活用できる同校への評価も高めてくれたのではないでしょうか 山中芝浦工業大学附属は今後とも注目が集まるでしょうし 家庭層もこれまでとは変わるのではないかと見ています ちなみに高校では女子募集を行い共学となります ただし 中学入学生は高校の共学部とは合流しない予定だということです 大学入試制度改革の流れと軌を一つにするように 思考力を見る入試への評価が生まれているという指摘がありましたが 海城が1回目 2回目とも応募者数を減らしています これは難易度が高いことでの敬遠でしょうか それとも東大合格者が昨年大幅に減少したからでしょうか 北東大合格者数については どの学校も年度によって増減は多少あるものです 今春入試でもさらに減少ということになれば影響は大きいでしょうが 減少したのは難易度面からの敬遠傾向と見ていいでしょう さらにそれに加えて考えなくてはならないのは 海城の場合 その論述型の入試への対策が難しい(しにくい)ことも敬遠要素となっているのではないでしょうか 海城の論述問題に十分対策を立てられる能力があれば 麻布や武蔵に向けられると見る塾もあり 実際にそのような指導も行われています 海城の教育がインターナショナルバカロレア(IB)的になっていることに トラディショナルな価値観に重きを置く家庭からは煙たがられるというか怖がられているところもあると思います その面からの敬遠もあるでしょう 私立にはその数だけの個性的な教育像があるわけですから 保護者は価値観や教育観に従って学校を選択していけばいいということですね ところで 海城と長くライバルと見られていた巣鴨が 近年応募者数が伸びていませんが これはどう見たらいいでしょうか 山中新校舎も完成して 授業内容も含めてさまざまな工夫が見られ 今後への期待も大きい学校なのですが 応募者数の伸び悩みは 発信力が弱いからではないでしょうか 特にネットからの発信が少ないためだと思います 北トラディショナルな価値観というか 大学合格実績が堅調なことを好む家庭からは評価されていると思います ただ それが限定的でコアなファンで構成されている感は否定できません 親世代の価値観を理解し 積極的にネットなどを活用してアピールしていけば 巣鴨のよさは理解されるということですね 開成は別格的に厳しいところがあるかもしれませんが 駒場東邦 神奈川では聖光学院などは受験生の学習量が比較的ストレートに合否に反映すると言われます それらの学校の中に巣鴨も入るかと思います ならば駒場東邦 巣鴨という流れがあってもおかしくないと思うのですが 都内で駒場東邦をあきらめた層は巣鴨に向かっているとは思われません どこに向かっているのでしょうか 山中私が見るところ本郷ではないでしょうか ちなみに 神奈川で聖光学院をあきらめた層は浅野や逗子開成に向かうということになります もっとも入試日が異なりますから併願受験はあるでしょうが 北女子校に目を移しますと 豊島岡女子学園 鷗友学園女子 吉祥女子そして神奈川の洗足学園は女子の御三家と変わらないと指導する向きも出てきました 豊島岡女子学園 洗足学園の応募者数の減少は敬遠傾向だということがはっきりと出ています 6
出 願 状 況 に 関 し て の 印 象 は い か が で したか 北 実は 昨 年 も1月 日の出は悪かった のです 今年はさらに悪くなりました 出願 日の初日にどうしても出してくるという意 識は特にないよう なのです ネットなどで 情 報がしっかりと取れますので 冷 静に対 応しているということだと思います 山中 ちょっと前までは 何回出願しても 受験料は同じという学校には とりあえず 出願しておく というのが中堅前 後の受 験 生の保 護 者の一般 的な 姿 勢でした そのた め 平 均 出 願 校 数 は 増 えていましたが 今 年の様子を見ますと 1月中の結果を見て 2月1日の受 験 校 を決め さらには1日の 午前 午後の結果を含めて 2 3日のとこ ろでひとまずやめる 結果 次 第で4日以降 の受験を考えるが 1 2日の結果で満足い けば出願は取りやめる というふうになって きました ネッ ト 出 願 が 可 能 に なった 学 校 が 多 く そういう 学校に対しては 夜中に画面の該 当 箇 所 を ク リック す れ ば そ れ で 済 むの で す 学校に足を運ばなくてよくなりました し 出願時間を気にしなくてよくなりまし た 出願しやすくなったがゆえ 平均出願校 数は減少に転じたということです 以前は何があるか分からないので と りあえず出願しておくこと それもまとめ て出願しておくことで 安心感を担保して いたところがありました しかし そういう 出願が少なくなったということですね 山 中 絞り込んだ出願をするためには 事 前のコミュニケーションをきちんととってお く必要があります 塾の先生とよく相談し て こういう 結 果 だったらプランAで行 く そういう結果だったらプランBでというパ 見られたことですが それでもこれほどま ターンを事前に作り込んでおかなくてはな での上方シフトとなったことには驚きを隠 らないでしょう それもお子さんとよく 相 せません 談したう えで準 備しておくことです それ 2020年度大学入試改革と結びつけ過 をしておけば 夜中にコンピュータをクリッ ぎてもいけないかもしれませんが 大 学入 クすれば対処できるのですから 試が不安であることには間違いないので 実 相当詰めた上でのネット出願の活用と 績のある学校には信頼感が増すということ いうことですね になります そういう 志向がより上位の学 北 ネット出願 WEB出願 を実施してい 校に集まり チャレンジングな入試となった る学校は全部で142校ありました 半分 のではないでしょうか 近くの学校が導入していることになります そして このようなチャ 今春入試では 2月1日の午 前入試で実 受 レンジングな 受 け 方 をす 験率100 という学校が 校近くありま る一方 で 1 月 中 の 入 試 した 昨年が 校ほどでしたので このよう 地 方 校 の 出 張 入 試 を 含 なお金も労力も無駄にしない受験は広がっ めて で押さえをしっかり てくるのではないでしょうか と 取 って い る の で す 戦 略 的に 練ったう えでこの よ う なチャレンジングな 上位校受験に向けての 入 試に挑んでいるのも 特 上方シフトの意味するもの 徴的でした 北 2017年 受 験 生の 保護者世代は バブル経済 がはじけて 社 会 人になっ た 人 た ち で す さ ら に は 2000年以降に成人 社 会 人 に なった 世 代 い わ ゆる ミレニアル世 代 が 入ってきました このミレニアル世 代の 価 値 観の 特 徴 は 学 歴 信 仰 が 低 いこ と 家 族 との 体 験 を重視 することで す か ら 塾 よ り も 習 い 事 を選ぶ傾 向が強いですし 家 族とどこかに行くこと を大 事にして家族の輪を 20 50 60 45 出願でこれだけ絞り込まれたというこ とは 実際の受験においても変化が出たの でしょうか 山中 首都圏模試センターが算定した偏差 値で5ポイントごとのゾーンを設けてそこ に該当する学校を分けて それぞれの受験 者 数を割り振ってみました 驚くほど正規 分 布とのずれが出ています 偏差値で 以 上 未満の学校は 正規分布を下回り 以 上では今度ははるかに上回るのです これは受 験に対して 明らかな上方シフ トが見られるということです 多 くの受 験 生が自分の学力に比べて偏差値で見ると上 位にある学校を受けていることを示してい ます 元来 上方シフトは中学受験では割と 60 どこに基準を置くかによりますが こ 山中 4科目受験生の減少と関連して 塾 れらの学校は大学合格実績面では雙葉に負 も4科目をちゃんと面倒見なくても2科目 けていません 豊島岡女子学園などは東大 の指導でよくなったことで 地元のこじんま 国立大医学部医学科実績では女子学院をも りした塾や個別指導塾に通う生徒が増えて 凌駕する年もありました 敬遠されて当然 いますね ということですね 中学受験にあたっては 4科目をきち 山中 鷗友学園女子もその難しさに敬遠す んとやっておかなくてはという考えは減っ る受 験生が続出しています 実 験 観 察に てきたということですか 小学生なんだか 力 を入れ まじめに取 り 組んでいることで ら 習い事もあるのだから 早々と塾に通っ 大学 受験では理系にも強く そのあたりも て頑張るのもどうかと思う家庭層が増えて 評価を高めています きているということでしたね 共立女子がすべての入試機会で減少し 北 ICT教育がどうしたなどには全く関 ていますが どう見ていますか 心を示さず 昔 と同 様に4科目をがっちり 北 共 立 女 子のCについては入試日を4日 やっている受験生はいますが 上位校を受け から3日に移した影響と見ていいでしょう る層に限定されつつあります が それ以外のA B試験については共立女 と こ ろ で 実 受 験 者 数 で の 前 年 比 で は 子だけではなく大妻にも言えることなので 2月1日の午前では増えているのは東京の すが ボリュームゾーンの4科目受験生の減 共学 校だけなのです これは大学 付属 校へ 少のあおりを受けているのではないかと思 の人気が支えているところもあると思いま われます そのあおりがさらに跡 見 学 園な す 大学付属校は財政的な余裕もあるのか どに深刻な形で出てしまいました ICT教育も思いきりやれますし 大学 受 前年と比べて 女子校では跡見学園が 験をあまり考えなくてもいいということで 入試機会合計での減少数が一番ですね アクティブラーニングなども積極的に導入 できるメリットがあります 男子校で増 加 した学校をまとめてみたのですが 芝 浦 工 業大学附属 明大中野 日大豊山などの大 学付属校が上位を占めていたのが今春の入 試で目についたところです 山中 慶應普通部 同中等部 同湘南藤沢 中等部の慶應の付属は応募者数を減らしま したが 明治大学の付属校そして日本大学 の付属校も人気を博しました これは大学 入試制度改革への不安の裏返しだと思いま す 日本大学にはさまざまな学部がありま すので 安心感もあるのでしょう 北 日大中学 日吉 などは 昨年は午後入 首都圏地区別応募者数推移 首都圏模試センター調べ 栄光ゼミナール提供 尊 重しているところがあり ます トラディ ショナルな価値観とも言える大学合格実績 を重視し そのために早くから塾通いをす る層とは一線を画しています それが受験に も表れてきていると見ていいのではないで しょうか 山中 早い段階から受験準備を進め がち がちな4科受験の学校を受ける層が限定 されてきたということです おそらく上位 ミレニアル世代 とは 2000年以降に成人 あるいは社会人になる世代を指す ミレニアル Millennial は 英語で 千年紀の という意味 主に米国で1980 2000年頃に生まれた若者を ミレニアル世代 新千年紀世代 と呼び それ以前の世代とは異なる特性を持つと注目されている 20 瀬川 2 7
試を実施し 今春からはグローバルコースを設けるなど積極的に入試改革を進めています 山中日大豊山女子の思考力型入試もその一つです 話題を提供して受験生を振り向かせないとだめなのです すでに神奈川の学校に言及していただいておりますが 今春の神奈川県の入試状況はどうでしたか 北男子校 女子校 共学校に分けて 実受験者数を前年と比較しても増減はないわけではありませんが 東京に比べますとかなり小さなもので 全体的には減少しているのではないでしょうか 学校別では 新校舎人気もあって 栄光学園は応募者数を増やしました 同校の入試が思考力 表現力を求めるものであることも時代の要請というか流れのようなものがあったのかもしれません 山中聖光学院は難しいという予想からの敬遠が出ました その分 栄光学園が人気となったところがあります 4日の同校の2回目はまさに最優秀の受験生の 最後の砦 となっていますが ここでも絞られたというか敬遠者が出ており 応募者数の減少となりました その他の学校では 逗子開成がすべての入試機会で増加するなど評価の高まりを感じさせます 鎌倉学園は算数入試で人気を博しましたが それ以外の入試機会はすべて応募者数が減少しています 神奈川の女子受験生に東京シフトが発生して 近年東京の学校に流れている傾向があるように思いますが そのあたりはどうでしたでしょうか 山中神奈川の女子校への受験生数はそれほど前年と比べて減少していません ということは 女子の不人気は続いていると考えていいと思います フェリス女学院は例年並みで すでに言及されたことですが 神奈川の女子で唯一の元気印であった洗足学園も難易度の高さから敬遠者が出て 応募者は減少しました 2日の湘南白百合学園もフェリス 横浜雙葉などの最上位受験生の 受け皿 ではなくなっているのではないでしょうか 3日の横浜共立学園B方式も前年の減少よりは回復しましたが 一時ほど高い評価はされていないと見ていいでしょう 神奈川の女子の一部 国公立大学や医学部や理系学部志向の強い受験生は最初から桜蔭や豊島岡女子学園などの東京の学校へとシフトしていたところがあります 北学校別の応募者数を増やした学校では清泉女学院が首都圏の女子校ではトップですし 聖園女学院も上位でした もっとも清泉女学院は新設した1日午後入試(2科もしくは英語選択)が大人気であったこと 聖園女学院はこれも新設した3日午後の 総合力テスト で応募者数を増やした結果です 4科目受験生が減少したことを受けての 新しい入試スタイルを導入しての人気とも見ることができるでしょう かつては神奈川の受験は4科目ではなくては入試ではありませんという雰囲気が強かったものですが すっかり様変わりしましたね ところで 公立一貫校の横浜市立サイエンスフロンティアは注目を集めましたがいかがでしたか 山中併設の高校がSSHに指定されていることもあり 理科好き 実験好きの男子には人気があったと思います 浅野が応募者数を減らしのは 同校の誕生の影響と見ていいでしょう ただ 男女合計で80 名という募集人数の少なさへの警戒感から敬遠した受験生も出ました 公立一貫校では同じ市内にある市立南などに流れたのではないでしょうか 市立サイエンスフロンティアの誕生で公立一貫校としての受験生の掘り起こしというか注目度は高まり 県立相模原の応募者数は3年ぶりに1200名台に達しました 685名という応募者数は開校初年度で集めた数値としては 過去の千葉県立千葉の2 000名台と比べれば 大きくはありませんが 2月3日実施で併願受験の中に組み込まれてのものであることを考えれば 市立サイエンスフロンティアがいかに注目されていたかが分かります 帰国生入試に熱い視線多様性のある私立が注目 帰国生入試が活況を呈していたと思いますが そのあたりいかがですか 北私から見て勢いが感じられる学校はほとんど帰国生入試の枠を増やしてきています それだけ帰国生の中には魅力的な人材がいるということなのでしょう たとえ入学してもらうことができなくても 帰国生入試の実施をてことして学内の教育改革などにつなげていこうという学校も多いです 山中東京の学校では 12 月 1月の出願者の数が増加しています これはまさしく帰国生枠が増加したからです 帰国生争奪戦の様相を呈しているわけですね 一般入試で英語入試を実施しているのも リベンジマッチの場を用意しているということなのでしょうか 北山脇学園が一般入試と同じ日程で英語入試(帰国生入試と合計で40 名)を実施して 優秀な生徒を獲得していますし 東京都市大学付属も帰国生入試だけなく 2月2日にグローバル入試を実施しています 同校の帰国生入試 グローバル入試で集まる生徒のほとんどが英検準2級以上のレベルというすごいことになっています 最後に 来春入試に向けて実りある結果を獲得するために 保護者に留意してほしいことはありますか 山中私学の提供する教育内容は多様であり その入口も多様になってきているということだと思います この多様なものに価値があることが分かってきたのではないでしょうか 受験生にとってこの傾向はありがたいことだと思います 多様性のある私立への道にのらない手はないのです そのためにも足を運んで学校を見て 雰囲気を感じることが大事です 脳みそだけで判断しないで 足と目と肌で学校を探してほしいと思います 北多様な入試スタイルが登場し それを活用する受験生が増えました さまざまな受験生にチャンスが生まれたということです 今春入試でも預かったお子さんの自己肯定感を伸ばそうと腐心している学校が評価されたと思います 親世代が自分を大事にしなくてはという思いが強いので 自分が生きてきた半生の意味を検証して それを子どもの学校選択に生かそうとしているところがあるように思います 来春入試に向けては それぞれのご家庭で学校に何を求めているのかということ 自分たちの価値観をきちんと確認して臨んでほしいと思います 8 Gakken Educational