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3) 適切な薬物療法ができる 4) 支持的関係を確立し 個人精神療法を適切に用い 集団精神療法を学ぶ 5) 心理社会的療法 精神科リハビリテーションを行い 早期に地域に復帰させる方法を学ぶ 10. 気分障害 : 2) 病歴を聴取し 精神症状を把握し 病型の把握 診断 鑑別診断ができる 3) 人格特徴

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賀茂精神医療センターにおける精神科臨床研修プログラム 1. 研修の理念当院の理念である 共に生きる 社会の実現を目指す に則り 本来あるべき精神医療とは何かを 共に考えて実践していくことを最大の目標とする 将来いずれの診療科に進むことになっても リエゾン精神医学が普及した今日においては 精神疾患 症

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

多くの大学においては 新入生のオリエンテーション時やサークルの代表者に 未成年者の飲酒の防止と イッキ飲み 等過剰飲酒の禁止に関する指導や啓発が行われています また 平成 27 年度からは 県保健所 精神保健福祉センター等が中心となり 大学生向けのアルコール健康障害や適正飲酒の知識に関する出前講座を

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山梨県生活習慣病実態調査の状況 1 調査目的平成 20 年 4 月に施行される医療制度改革において生活習慣病対策が一つの大きな柱となっている このため 糖尿病等生活習慣病の有病者 予備群の減少を図るために健康増進計画を見直し メタボリックシンドロームの概念を導入した 糖尿病等生活習慣病の有病者や予備

公的医療保険が対象とならない治療 投薬などの費用 ( 例 : 病院や診療所以外でのカウンセリング ) 精神疾患 精神障害と関係のない疾患の医療費 医療費の自己負担ア ) 世帯 ( 1) における家計の負担能力 障害の状態その他の事情をしん酌した額 ( しん酌した額が自立支援医療にかかった費用の 10

改訂後 ⑴ 依存性連用により薬物依存を生じることがあるので 観察を十分に行い 用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること また 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により 痙攣発作 せん妄 振戦 不眠 不安 幻覚 妄想等の離脱症状があらわれることがあるので 投与を中止する場合には 徐々に

もくじ 目的 目標 支援体制図 4 運用規準 ) 運用地域 ) 運用開始時期 ) 実施方法 4) 実施手順 5) 個人情報の取扱い 6) 運用に関する留意事項 5 資料 精神障害者の治療中断 4 精神障害者の治療中断の アセスメント項目 適用例 考え方 6

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

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ただ太っているだけではメタボリックシンドロームとは呼びません 脂肪細胞はアディポネクチンなどの善玉因子と TNF-αや IL-6 などという悪玉因子を分泌します 内臓肥満になる と 内臓の脂肪細胞から悪玉因子がたくさんでてきてしまい インスリン抵抗性につながり高血糖をもたらします さらに脂質異常症

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調査の概要 本調査は 788 組合を対象に平成 24 年度の特定健診の 問診回答 (22 項目 ) の状況について前年度の比較から調査したものです 対象データの概要 ( 全体 ) 年度 被保険区分 加入者 ( 人 ) 健診対象者数 ( 人 ) 健診受診者数 ( 人 ) 健診受診率 (%) 評価対象者

「             」  説明および同意書

Ⅰ 向精神薬の合理的な用い方 ④ 3 理学的および生化学的検査 身長 体重 体温 脈拍 血圧などの測定とともに 心電図およ び血液生化学的検査を施行し生体の病的状態の有無を評価してお く 脳波 CT MRI SPECT PET NIRS 等も必要に応じて施行 する 2 薬物療法の実際 ① 適切な薬剤


児に対する母体の甲状腺機能低下症の影響を小さくするためにも 甲状腺機能低下症を甲状腺ホル モン薬の補充でしっかりとコントロールしておくのが無難と考えられます 3) 胎児 新生児の甲状腺機能低下症 胎児の甲状腺が生まれながらに ( 先天的に ) 欠損してしまう病気があります 通常 妊娠 8-10 週頃

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肥満者の多くが複数の危険因子を持っている 肥満のみ約 20% いずれか 1 疾患有病約 47% 肥満のみ 糖尿病 いずれか 2 疾患有病約 28% 3 疾患すべて有病約 5% 高脂血症 高血圧症 厚生労働省保健指導における学習教材集 (H14 糖尿病実態調査の再集計 ) より

11総法不審第120号

幻覚が特徴的であるが 統合失調症と異なる点として 年齢 幻覚がある程度理解可能 幻覚に対して淡々としている等の点が挙げられる 幻視について 自ら話さないこともある ときにパーキンソン様の症状を認めるが tremor がはっきりせず 手首 肘などの固縮が目立つこともある 抑うつ症状を 3~4 割くらい

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透析看護の基本知識項目チェック確認確認終了 腎不全の病態と治療方法腎不全腎臓の構造と働き急性腎不全と慢性腎不全の病態腎不全の原疾患の病態慢性腎不全の病期と治療方法血液透析の特色腹膜透析の特色腎不全の特色 透析療法の仕組み血液透析の原理ダイアライザーの種類 適応 選択透析液供給装置の機能透析液の組成抗

第 1 回なかじま きみひろ 年五稜会病院勤務 2009 年理事長就任 日本精神神経学会認定精神科専門医 日本精神神経学会所属 五稜会病院中島公博理事長となどを指します 英語圏でも Karoshi として辞典に載っており 日本独特の問題として知られています 1999年に厚労省から通達された 心理的負

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目次 1 はじめに 2 診断 治療選択のフローチャート 3 アルコール依存症の診断 :ICD-10 4 アルコール依存症の治療選択 4.1 断酒を選択すべき患者 ( 図 1 フローチャート中の1) 4.2 飲酒量低減を治療目標とする患者 ( 図 1 フローチャート中の2) 5 治療 ( 図 1 フロ

アルコール性肝炎 脂肪肝の状態からさらに大量の飲酒をした場合に起こるのが アルコール性肝炎 ( 腹痛 発熱 黄疸の症状 ) という重度な症状で 死に至る事があります アルコール性肝炎と診断された人のほとんどは その時点で断酒が不可能な アルコール依存症 ( 一時的にはお酒をやめたり控えたりすることが

甲状腺機能が亢進して体内に甲状腺ホルモンが増えた状態になります TSH レセプター抗体は胎盤を通過して胎児の甲状腺にも影響します 母体の TSH レセプター抗体の量が多いと胎児に甲状腺機能亢進症を引き起こす可能性が高まります その場合 胎児の心拍数が上昇しひどい時には胎児が心不全となったり 胎児の成

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02 28結果の概要(3健康)(170622)

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

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抗精神病薬の併用数 単剤化率 主として統合失調症の治療薬である抗精神病薬について 1 処方中の併用数を見たものです 当院の定義 計算方法調査期間内の全ての入院患者さんが服用した抗精神病薬処方について 各処方中における抗精神病薬の併用数を調査しました 調査期間内にある患者さんの処方が複数あった場合 そ

健康管理学 29 社 1_21 健康管理学.xlsx 1 年 科目名 : 健康管理学 担当教員氏名 : 成瀬優知 単位 開講時期 ( 年次 期 ) 2 1 年次後期 科目の区分 授業方法 必修 / 選択 専門選択科目講義選択 備考 健康管理士一般指導員受験資格 健康を維持するために必要な健康管理法に

のつながりは重要であると考える 最近の研究では不眠と抑うつや倦怠感などは互いに関連し, 同時に発現する症状, つまりクラスターとして捉え, 不眠のみならず抑うつや倦怠感へ総合的に介入することで不眠を軽減することが期待されている このようなことから睡眠障害と密接に関わりをもつ患者の身体的 QOL( 痛


 

(2) たばこが引き起こす病気は? たばこは 肺がんをはじめ 様々ながんを引き起こします また がんだけでなく 心筋梗塞や脳梗塞 喘息 COPD( 慢性閉塞性肺疾患 ) など多くの病気の原因となることが分かっています その他 うつ病 糖尿病 メタボリックシンドローム バセドウ病 骨粗しょう症など 喫

からコントロールが不良の年長児では 前述の精神神経障害により生活面でトラブル となる場合もある 3. 成人期の主な臨床症状 治療と生活上の障害コントロール良好例では 通常の進学 就労や結婚が可能であり 生活上問題となるほどの明確な精神神経症状はない その他の問題としては 骨粗鬆症をきたしやすい 酸化

第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

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( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

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肥満症の認知状況関する アンケート調査 ~速報~

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

時期場面子ども自身の問題 乳 児 期 乳児訪問 1~2 か月訪問 乳児健診 (3~4 か月 7~8 か月 10 か月 ) 健診時に要チェック項目がある ( 体重増加が悪い 先天性の疾患がある等 ) 既往歴がある ( 硬膜下血腫 頭蓋骨骨折 ) 気持ちを苛立たせるような泣き声 あやしても泣き止まない

診療のガイドライン産科編2014(A4)/fujgs2014‐114(大扉)


す しかし 日本での検討はいまだに少なく 比較的小規模の参加者での検討や 個別の要因との関連を報告したものが殆どでした 本研究では うつ病患者と対照者を含む 1 万人以上の日本人を対象とした大規模ウェブ調査で うつ病と体格 メタボリック症候群 生活習慣の関連について総合的に検討しました 研究の内容

わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症

婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M

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平成30年度精神保健に関する技術研修過程(自治体推薦による申込研修)

目 次 第 1 章 計画の基本的な考え方 1 計画の策定趣旨 1 2 計画の位置付け 1 3 計画期間 2 第 2 章 アルコール健康障害に関する高知県の現状 1 飲酒者の状況 3 2 アルコール依存症患者の状況 6 3 アルコール関連問題の状況 8 4 県民のアルコール健康障害に関する意識 10

第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に

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インスリンが十分に働かない ってどういうこと 糖尿病になると インスリンが十分に働かなくなり 血糖をうまく細胞に取り込めなくなります それには 2つの仕組みがあります ( 図2 インスリンが十分に働かない ) ①インスリン分泌不足 ②インスリン抵抗性 インスリン 鍵 が不足していて 糖が細胞の イン

助成研究演題 - 平成 23 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 重症心不全の集学的治療確立のための QOL 研究 東京大学医学系研究科重症心不全治療開発講座客員研究員 ( 助成時 : 東京大学医学部附属病院循環器内科日本学術振興会特別研究員 PD) 加藤尚子 私は 重症心不全の集学的治療確立のた

1.[ 慢性腰痛症患者の生活実態について ] 1-1. 仕事への影響 -3 人に1 人が慢性的な腰痛で仕事を辞めたいと思ったことがあると回答 - 慢性的な腰痛 が仕事へ与える影響について調査したところ 3 人に1 人が 仕事を辞めたいと思ったことがある (35.2%) と回答しました さらに 5 人

睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン_プレス資料

10075 口頭発表 身体活動 8 月 31 日 ( 金 ) 8:30~9:20 第 8 会場 朱鷺メッセ 3F 小会議室 口頭発表 診断 -その他 8 月 30 日 ( 木 ) 11:00~12:20 第 5 会場 朱鷺メッセ 3F 中会議室

はじめての子どもが生まれる前に 赤ちゃんの世話をしたことがある割合 (25 年度と 20 年度の 比較 ) 利用ニーズ把握のための調査 ( 平成 20 年 ( 市民意識調査 ) 25 年 ( 未就学児 )) < 平成 20 年 > 無回答 2.9% < 平成 25 年 > 無回答 %

複製 転載禁止 The Japan Diabetes Society, 2016 糖尿病診療ガイドライン 2016 CQ ステートメント 推奨グレード一覧 1. 糖尿病診断の指針 CQ なし 2. 糖尿病治療の目標と指針 CQ なし 3. 食事療法 CQ3-2 食事療法の実践にあたっての管理栄養士に

ケア困難患者や家族への直接ケア 医療スタッフへのコンサルテーション 退院や倫理的問題を調整する調整 ケアの質を改善 向上させるための教育と研究を実践し CNS が関わることで患者の病状や日常生活機能と社会的機能が改善して 患者と家族の QOL が高まり 再入院が減少することが明らかとなってきておりま

Transcription:

東邦大学医療センター佐倉病院市民公開講座 Jul. 23 (Sat), 16 適正飲酒とアルコール依存症 桂川修一東邦大学医療センター佐倉病院 メンタルヘルスクリニック

アルコール関連問題 アルコールに関係したすべてをアルコール関連問題と呼び, さまざまな健康問題や社会問題を包含 世界保健期間 (WHO) は,60 以上もの病気がアルコールによって引き起こされていると報告 問題は飲酒する当人に限らず, 親の飲酒の影響を受けた胎児や子どもなどにも広がっている アルコール関連問題は 問題群 であり, それ自体は診断ではないが, その広がりは注目される

出生前 乳幼児期 アルコール関連問題の広がり ( 樋口 2008)

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出生前 乳幼児期 アルコール関連問題の広がり 胎児性アルコール症候群 少年期 青年期 ( 樋口 2008)

出生前 乳幼児期 アルコール関連問題の広がり 胎児性アルコール症候群 少年期 青年期 発達障害 精神障害 ( 樋口 2008)

出生前 乳幼児期 アルコール関連問題の広がり 胎児性アルコール症候群 少年期 青年期 発達障害 精神障害 本人の問題 急性アルコール中毒 臓器障害 行動障害 ( 樋口 2008)

出生前 乳幼児期 アルコール関連問題の広がり 主として成年期以降 胎児性アルコール症候群 少年期 青年期 発達障害 精神障害 本人の問題 急性アルコール中毒 臓器障害 行動障害 ( 樋口 2008)

出生前 乳幼児期 アルコール関連問題の広がり 主として成年期以降 胎児性アルコール症候群 少年期 青年期 臓器障害 肝障害 膵障害 心筋症 高血圧 糖尿病 高脂血症 ホルモン異常 悪性腫瘍 発達障害 精神障害 本人の問題 急性アルコール中毒 臓器障害 行動障害 ( 樋口 2008)

出生前 乳幼児期 アルコール関連問題の広がり 主として成年期以降 胎児性アルコール症候群 少年期 青年期 臓器障害 肝障害 膵障害 心筋症 高血圧 糖尿病 高脂血症 ホルモン異常 悪性腫瘍 精神 神経障害 認知症 意識障害 末梢神経障害 うつ病 嫉妬妄想 睡眠障害 性格変化 発達障害 精神障害 本人の問題 急性アルコール中毒 臓器障害 行動障害 ( 樋口 2008)

出生前 乳幼児期 アルコール関連問題の広がり 主として成年期以降 胎児性アルコール症候群 少年期 青年期 臓器障害 肝障害 膵障害 心筋症 高血圧 糖尿病 高脂血症 ホルモン異常 悪性腫瘍 精神 神経障害 認知症 意識障害 末梢神経障害 うつ病 嫉妬妄想 睡眠障害 性格変化 結婚 家庭問題 夫婦の不和 別居 離婚 暴力 児童虐待 家族の心身症 経済的問題 発達障害 精神障害 本人の問題 急性アルコール中毒 臓器障害 行動障害 ( 樋口 2008)

出生前 乳幼児期 アルコール関連問題の広がり 主として成年期以降 胎児性アルコール症候群 少年期 青年期 臓器障害 肝障害 膵障害 心筋症 高血圧 糖尿病 高脂血症 ホルモン異常 悪性腫瘍 精神 神経障害 認知症 意識障害 末梢神経障害 うつ病 嫉妬妄想 睡眠障害 性格変化 結婚 家庭問題 夫婦の不和 別居 離婚 暴力 児童虐待 家族の心身症 経済的問題 発達障害 精神障害 本人の問題 急性アルコール中毒 臓器障害 行動障害 社会的問題 飲酒時の暴力 警察保護 飲酒運転 ( 樋口 2008)

出生前 乳幼児期 アルコール関連問題の広がり 主として成年期以降 胎児性アルコール症候群 少年期 青年期 臓器障害 肝障害 膵障害 心筋症 高血圧 糖尿病 高脂血症 ホルモン異常 悪性腫瘍 精神 神経障害 認知症 意識障害 末梢神経障害 うつ病 嫉妬妄想 睡眠障害 性格変化 結婚 家庭問題 夫婦の不和 別居 離婚 暴力 児童虐待 家族の心身症 経済的問題 発達障害 精神障害 本人の問題 急性アルコール中毒 臓器障害 行動障害 社会的問題 飲酒時の暴力 警察保護 飲酒運転 職業上の問題 頻回の欠勤 休職 失職 頻回の転職 能率低下 事故 ( 樋口 2008)

出生前 乳幼児期 アルコール関連問題の広がり 主として成年期以降 胎児性アルコール症候群 少年期 青年期 臓器障害 肝障害 膵障害 心筋症 高血圧 糖尿病 高脂血症 ホルモン異常 悪性腫瘍 精神 神経障害 認知症 意識障害 末梢神経障害 うつ病 嫉妬妄想 睡眠障害 性格変化 結婚 家庭問題 夫婦の不和 別居 離婚 暴力 児童虐待 家族の心身症 経済的問題 発達障害 精神障害 本人の問題 急性アルコール中毒 臓器障害 行動障害 社会的問題 飲酒時の暴力 警察保護 飲酒運転 アルコール依存症 職業上の問題 頻回の欠勤 休職 失職 頻回の転職 能率低下 事故 ( 樋口 2008)

アルコールの代謝

多量飲酒 健康日本 21 の定義 節度ある適度な飲酒 =1 日平均 20g 程度の飲酒 多量飲酒 =1 日平均 60g 以上の飲酒

アルコール依存症 飲酒行動 : 一言でいうと コントロール障害 次第に連続飲酒という形に集約されていき, 臨床で遭遇するほぼすべての患者がこの症状を呈する離脱症状身体的 精神的合併症肝障害をはじめとするさまざまな身体障害や, うつ病や不眠症を代表する精神障害が合併

薬物依存または物質依存 精神依存 身体依存 耐性

アルコール依存症の診断 ICD-10 過去 1 年間のある時期に下記 6 項目のうち 3 つ以上がみられれば 依存症候群と診断する 1 物質を摂取したいという強い欲望あるいは強迫感 2 物質摂取行動に対する自己統制能力の欠如 3 離脱症状の出現 4 耐性の存在 5 物質使用以外のことへの関心の低下 6 物質使用による明瞭な有害な結果にもかかわらず 物質使用を続けること

a. 男性版 (KAST-M) 最近 6か月のあいだに, 以下のようなことがありましたか 項目 1. 食事は1 日 3 回, ほぼ規則的にとっている 2. 糖尿病, 肝臓病, または心臓病と診断され, その治療を受けたことがある 3. 酒を飲まないと寝つけないことが多い 4. 二日酔いで仕事を休んだり, 大事な約束を守らなかったしたことがある 5. 酒をやめる必要性を感じたことがある 6. 酒を飲まなければ良い人だとよくいわれる 7. 家族に隠すようにして酒を飲むことがある 8. 酒が切れたときに, 汗が出たり, 手が震えたり, いらいらや不眠など苦しいことがある 9. 朝酒や昼酒の経験が何度かある 10. 飲まないほうが良い生活を送れそうだと思う合計点 はい いいえ 0 点 1 点 点 判定合計点が4 点以上 : アルコール依存症の疑い群合計点が1 3 点 : 要注意, ただし質問項目 1 番による1 点のみの場合は正常群合計点が0 点 : 正常群 b. 女性版 (KAST-F) 最近 6か月のあいだに, 以下のようなことがありましたか 項目 1. 酒を飲まないと寝つけないことが多い 2. 医師からアルコールを控えるよういわれたことがある 3. せめて今日はだけは酒をのむまいと思っていても, つい飲んでしまうことが多い 4. 酒の量を減らそうとしたり, 酒をやめようと試みたことがある 5. 飲酒しながら, 仕事, 家事, 育児をすることがある 6. 私のしていた仕事をまわりの人がするようになった 7. 酒を飲まなければ良い人だとよくいわれる 8. 自分の飲酒についてうしろめたさを感じたことがある合計点 はい いいえ 点 判定合計点が3 点以上 : アルコール依存症の疑い群合計点が1 2 点 : 要注意, ただし質問項目 6 番による1 点のみの場合は正常群合計点が0 点 : 正常群

アルコール依存症の治療 薬物療法 精神療法 社会復帰活動

薬物療法 飲酒の中止と断酒の継続を目的 ジスルフィラム, シアナマイドといった抗酒剤を使用 飲酒試験を行い, 顔面紅潮, 発汗, 呼吸困難, 頭痛, 頻脈, 血圧下降, 悪心, 嘔吐といった不快な症状を経験させて維持量を決めた上で投与する 幻覚妄想, 不安焦燥, 興奮などの症状が持続するときは抗精神病薬, 抗不安薬を, 痴呆症状には脳代謝賦活剤などを投与する 飲酒欲求を抑制する薬 : アカンプロサート ( レグテクト, 2013 年 5 月国内承認 )

精神療法 よく面接して訴えをよく聴き, 支持的な態度で断酒への動機づけをする 条件に応じて, 個人精神療法, 集団精神療法, 家族療法, 環境調整を行う

社会復帰活動 失職, 家庭崩壊, 単身生活, 低所得などの社会的問題を抱えていることが多い これら依存促進因子を取り除くには, 家庭 職場 地域社会の協力が不可欠となる 患者自身による自助組織 ( 断酒会 Alcoholic Anonymous) が各地で開催されているので参加を促す

胎児性アルコール症候群 妊娠中の母体が長期間アルコール摂取した場合, 児に知能障害, 顔面の小奇形, 身体の発達障害が現れる