平成 21 年度泌尿器科卒業試験 問 1 頻尿が出現し その後下腹部に痛みが出現するとの主訴にて来院した 30 歳代の女性患者さんで発熱はない もっとも頻度の高い疾患の組み合わせを選べ A. 膀胱炎 B. 尿路上皮癌 C. 悪性リンパ腫 D. 尿路結石 E. 腎盂腎炎 (1) A,B (2)A,C (3)A,D (4)C,E (5)B,E (6)D,E 問 2 下記の中で A. 左副腎中心静脈は通常左腎静脈に還流する B. 左精巣静脈 (Spermatic vein) は通常左腎静脈に還流する C. 左腎静脈は通常腹部大動脈の上方 ( 腹側 ) を超えて 下大静脈に還流する D. ミュラー管 (Mullerian duct) より精管が発生する (1) A,B (2)A,C (3)B,D (4)A,C,D (5)B,C,D (6)A,B,C 問 3 KUB(Kidney Ureter Bladder) で右腎下方 尿管あたりに結石陰影がある 次に行う検査の組み合わせで正しいものを選べ A. CT B. RP C. 尿管ファイバースコープ D. 腎シンチ E. IVP (1) A,B,C (2)A,C (3)B,C,E (4)B,C,D (5)A,E 問 4 次のうち副作用として排尿障害を生じる可能性のある薬剤はどれか A. 気管支拡張剤 (β2 刺激薬 ) B. 抗ヒスタミン薬 C. α1 遮断降圧薬 D. 抗アンドロゲン薬 E. 頻尿 尿失禁治療 ( 抗コリン ) 薬 (1) A,B,C (2)B,C,D (3)C,D,E (4)A,D,E (5)A,B,E 1
問 5 前立腺肥大症につき正しい記述はどれか A. 尿道圧迫による閉塞症状が主な症状であり 刺激症状を訴えることは少ない B. QOL 疾患であり 経過観察も治療選択肢の 1 つである C. 繰り返す尿閉や尿路感染あるいは膀胱結石の合併では手術の適応となる D. 慢性尿閉では奇異性尿失禁を生じる E. 前立腺肥大症では前立腺腫の大きさと症状の重症度はほぼ相関する (1)A,B,C (2)B,C,D (3)C,D,E (4)A,D,E (5)A,B,E 問 6 次のうち 38 以上の高熱を伴うことがまれでない疾患はどれか A. 急性精巣炎 B. 急性精巣上体炎 C. 急性前立腺炎 D. 急性尿道炎 E. 急性膀胱炎 (1)A,B,C (2)B,C,D (3)C,D,E (4)A,D,E (5)A,B,E 問 7 停留精巣につき正しいのはどれか A. 満 1 歳までは自然下降があるので経過観察する B. 片側の停留精巣では将来の不妊症の頻度は高くなる C. 手術で陰嚢内に固定された精巣でも精巣癌の発生率は高い D. 片側の停留精巣では二次性徴が不完全となる E. 停留精巣の発生頻度は出生男児の 0.1% 程度である (1)A,B,C (2)B,C,D (3)C,D,E (4)A,D,E (5)A,B,E 問 8 正しい組み合わせのものを選べ A. 精巣回転 ( 捻転 ) 症は抗菌剤 ( 抗生物質 ) の投与が有効である B. 通常のクラインフェルター症候群は X 染色体が 1 本過剰である C. 精索静脈瘤は 不妊症の原因となることもある D. 抗がん剤の投与により 精子濃度 運動率は上昇することが多い (1) A,B (2)B,C (3)C,D (4)D,E (5)A,E 問 9 正しい組み合わせのものを選べ A. 精液量が 0.1ml では明らかに少ない B. 精子濃度が 100 10 6 /ml では 明らかに乏精子症である C. 精子運動率の正常値 ( 基準値 ) は 5% 以上である D. 精液採取は市販のコンドーム ( 殺精子剤が入っているもの ) 内に採取して検査することが望ましい E. 無精子症患者の中には精路 ( 精巣から尿道までの精子の通路 ) 異常があることもある (1)A,B (2)B,C (3)C,D (4)D,E (5)A,E 2
問 10 A. 成人の腎腫瘍のうち 悪性の頻度は 80 家ら 90% である B. 悪性腎腫瘍では腎癌 腎盂癌の頻度はおおよそ 1:1 である C. 腎血管筋脂肪腫は 50~60 歳代の男性に好発する D. 3~4cm 大の腎血管筋脂肪腫が見つかった場合は良い手術適応である 問 11 A. 腎癌では CT ダイナミック検査が有用である B. 腎癌では CT ダイナミック検査で hypervascular なものが多い C. 腎血管筋脂肪腫は単純 CT では low intensity を示すことが多い D. 腎血管筋脂肪腫は超音波検査では high echo を示すことが多い 問 12 A. 腎癌の病理組織型では 淡明細胞型が約 80% を占める B. 腎癌の病理組織型では 淡明細胞型に次いで乳頭状が多い C. 淡明細胞型では VHL 癌抑制遺伝子の変異が高頻度 (50% 以上 ) に検出される D. 腎癌では高 Ca 血症を呈するものは予後が悪い 問 13 腎癌患者の血液生化学検査で有用なものはどれか A. CRP B. Hgb( ヘモグロビン ) C. CEA D. AFP(α フェトプロテイン ) 問 14 前立腺癌に関する以下の事項で 正しい組み合わせを選べ A. PSA は前立腺癌だけではなく 前立腺肥大症や前立腺炎でも上昇する場合がある B. 前立腺癌の病理診断は 悪性度を点数化したグリソンスコアで行う C. 前立腺癌の悪性組織は単一構造の場合が多いため 病理診断は容易である D. 前立腺癌の発生部位は 外腺 ( 辺縁領域 ) に比べ内腺 ( 中心および移行領域 ) に多い E. 前立腺癌には 前立腺肥大症を合併していることが多い (1)A,B,C (2)A,B,E (3)A,C,E (4)B,C,D (5)B,D,E 3
問 15 前立腺癌に関する以下の事項で 正しい組み合わせを選べ A. 骨転移のある進行前立腺癌でも 前立腺全摘術を行い局所コントロールに努める B. 前立腺全摘術後の尿失禁は一時的な発生が多く 一生涯パッドが必要になるのは 10% 以下である C. 前立腺全摘術後の術前には 自己血貯血して手術に備える D. 早期前立腺癌に放射線治療を行った後に局所再発した場合は 前立腺全摘術を行うのが一般的である E. 病理学的悪性度の低い癌病巣が前立腺内に限局している早期癌の場合 密封小線源治療 ( ブラキセラピー ) は治療選択 (1)A,B,C (2)A,B,D (3)B,C,D (4)B,C,E (5)C,D,E 問 16 前立腺癌に関する以下の事項で 正しい組み合わせを選べ A. 前立腺癌のホルモン療法は アンドロゲンを除去する去勢術とアンドロゲン受容体をブロックする方法がある B. LHRH アナログ投与は ホルモン療法の去勢術の一つである C. 抗アンドロゲン剤は 精巣からのアンドロゲン ( テストステロン ) をブロックするだけで十分である D. 骨転移を有する進行癌症例では 初期治療としてホルモン療法を優先的に行う E. ホルモン療法は治療開始から 1 年以内に効果が薄れ すぐに再燃状態となるのが一般的である (1)A,B,C (2)A,B,D (3)A,C,D (4)B,C,D (5)C,D,E 問 17 前立腺癌に関する以下の事項で 正しい組み合わせを選べ A. 骨転移巣は溶骨性変化が特徴的で 除痛のための放射線照射は効果的でない B. 再燃癌治療として タキサン系抗がん剤を用いた化学療法を行うことがある C. 前立腺全摘後の局所再発に対して放射線治療を行う場合がある D. 再燃癌の進展によって疼痛が増悪した場合でも オピオイドは副作用が強いため なるべく使用しないようにする E. 再燃癌の診断として PSA の上昇傾向は重要な徴候である (1)A,B,C (2)A,B,D (3)B,C,D (4)B,C,E (5)C,D,E 問 18 正しい組み合わせを選べ A. 尿路結石の約 8 割が原因不明である B. 尿路結石の成分として シュウ酸カルシウムを含む結石が一番多い C. シスチン結石の結晶形態は 正方形が特徴的である D. 上皮小体 ( 副甲状腺 ) 機能亢進症による腎結石は腎杯近くに多発するのが特徴である E. 尿路結石の再発率は 5 年で 40% と高い (1)A,B,C (2)A,B,D (3)B,C,D (4)B,D,E (5)C,D,E 4
問 19 正しい組み合わせを選べ A. 尿酸結石やシスチン結石の予防対策として 尿をアルカリ化することが大事である B. 尿路結石の成分はカルシウムが多いため カルシウム分の多い食物の経口摂取を控えるべきである C. 腎結石に対して 頻回に及ぶ ESWL は腎実質に障害を与える可能性があり サンゴ状結石など大きな腎結石の治療は注意を要す D. 動物性脂肪や塩分の過剰摂取は尿路結石の促進因子である E. 径 9mm の尿路結石は自然排泄しやすいため 経過観察で見てもよい (1)A,B,C (2)A,B,E (3)A,C,D (4)B,C,D (5)C,D,E 問 20 誤っている組み合わせのものを選べ A. Sertoli 細胞は卵胞刺激ホルモン (FSH) の支配をうける B. Leydig 細胞は男性ホルモンを分泌する C. 精索静脈瘤は左側に好発する D. 両側の停留精巣は 男性ホルモン産生不全のために性分化異常の原因となる E. 乏精子症の患者にはテストステロン筋肉注射が有効である (1)A,B (2)B,C (3)C,D (4)D,E (5)A,E 問 21 誤っている組み合わせのものを選べ A. 精液の約 70% は精巣で 約 30% は前立腺で作られる B. 男性ホルモン ( アンドロゲン ) の約 10% は副腎で産生される C. 胎生期の Muller 管は精管 精嚢 前立腺に分化する D. 性染色体が XX でも精巣決定因子 (SRY) があれば 精子形成は正常である E. 先天性低ゴナドトロピン性性腺機能低下症の男児において 外性器発育不全はテストステロン筋肉注射で治療できる (1)A,B (2)B,C (3)C,D (4)D,E (5)A,E 問 22 性分化について誤っている組み合わせを選べ A. 同一個体が精巣と卵巣を有するものを男性半陰陽という B. ミューラー関抑制因子 (MIS) は Leydig 細胞が産生する C. 男性外性器の発達にはテストステロンよりもジヒドロテストステロンが重要である D. 先天性副腎過形成の原因の多くは ステロイド 21 水酸化酵素遺伝子の変異である E. 先天性副腎過形成の治療は ステロイド内服である (1)A,B (2)B,C (3)C,D (4)D,E (5)A,E 問 23 正しい組み合わせを選べ A. 精巣女性化症候群の原因の殆どはアンドロゲン受容体遺伝子の変異である B. 精巣女性化症候群の治療として精巣摘除術を行う C. 精巣女性化症候群の患者はほぼ正常な子宮を有している D. 精巣女性化症候群は Y 染色体異常を高頻度に伴う E. 精巣女性化症候群の患者ではエストロゲン過剰分泌が見られる (1)A,B (2)B,C (3)C,D (4)D,E (5)A,E 5
問 24 下の文章の中から誤りがあるものを一つだけ選べ 1. 排尿は随意にできるが 膀胱の収縮は主として副交感神経の興奮によっておこる 2. 排尿をバランスよく行うためには 排尿筋括約筋協調運動が重要である この協調運動の調節を担うのは 仙髄にある排尿中枢である 3. 脳血管障害では頻尿 尿失禁をきたすことが多く 脊髄障害では排尿困難 尿閉をきたすことが多い 4. 神経因性膀胱の原因として 脳血管障害 脊髄損傷 パーキンソン病 糖尿病 直腸癌手術後 などの疾患があげられる 5. 神経因性膀胱の治療 対処方法としては 薬物療法 間欠導尿 カテーテル留置 尿路変向術 ( 膀胱瘻や尿管皮膚瘻 ) などがある 問 25 下の文章の中から正しいものを一つだけ選べ 1. 間欠自己導尿の合併症の中で 最も頻度が高いのは尿路感染症である したがって 一日の導尿回数はなるべく少なく設定する 2. カテーテルを用いた排尿は 体内に異物を挿入することになるので合併症が多い したがって 可能であれば腹圧排尿を優先するべきである 3. 脊髄損傷などによる膀胱機能障害でやむを得ずカテーテルを生涯にわたって留置しなければならない場合には カテーテルは尿道に留置するよりも膀胱瘻を造設して留置した方が合併症が少ない 4. 神経障害のために 膀胱の収縮が全くおこらず 膀胱内圧が低圧環境に維持されるようになると 膀胱変形をまねくことになる 5. 膀胱変形が進行すると 腎盂尿管接合部の狭窄が起こり 水腎症をきたす 問 26 精巣腫瘍に関して正しい組み合わせを選べ A. 精巣腫瘍は転移があっても多くの場合抗癌剤治療によって完治することが可能である B. 悪性腫瘍なので初発症状から激痛を伴うことが多い C. 精巣腫瘍は悪性の癌であり 治療しても完治しなければ死に至る事もある D. 精巣腫瘍の病理組織は常にセミノーマという単一の組織からなる E. 精巣腫瘍は 60 歳台以上の高齢者に多く発症する (1)A,B (2)A,C (3)C,D (4)D,E (5)A,E 問 27 精巣腫瘍の診断で正しい組み合わせを選べ A. 精巣腫瘍を疑った場合 まず一部を生検して組織を確認する B. 抗癌剤は補助的な役割で 手術と放射線が第一選択である C. 局所所見として無通性陰嚢腫大を呈することが多い D. HCG や AFP は腫瘍マーカーとして特異性が高い E. 腹圧や立位で腫瘍が陰嚢内に出たり引っ込んだりすることが特徴である (1)A,B (2)A,C (3)C,D (4)D,E (5)A,E 6
問 28 A. 右副腎静脈は右腎静脈に注ぐ B. 左副腎静脈は左腎静脈に注ぐ C. 腹腔鏡下副腎摘除術において 皮下気腫は気腹による合併症である D. 腹腔鏡下副腎摘除術において 気腹圧 30mmHg は適当である 問 29 A. 褐色細胞腫の手術中 腫瘍圧迫による高血圧に注意が必要である B. 褐色細胞腫は悪性の場合がある C. 褐色細胞腫は両側副腎にできる場合がある D. 副腎原発褐色細胞腫では 腫瘍は副腎皮質から発生している 問 30 A. 右腎静脈は下大静脈の背側を通る B. 左腎静脈は大動脈の腹側を通る C. 腎盂癌に対する標準術式は腎尿管全摘術である D. 尿管癌に対する標準術式は腎尿管全摘術である 問 31 A. 経尿道的膀胱腫瘍切除術 (TUR-Bt) は 治療と診断を兼ねた内視鏡手術である B. 経尿道的手術 (TUR) の際 非電解質のかん流液が大量に血液中に入ると 低ナトリウム血症を引き起こす C. 男性の根治的膀胱全摘術では前立腺 精嚢腺も一塊に摘除する D. 根治的膀胱全摘術に続いて 回腸を使用して代用膀胱 ( 新膀胱 ) を作成し 内尿道口に吻合した この患者にストマは不要である 問 32 早期前立腺癌に対する治療について正しい組み合わせのものを選べ A. 根治的前立腺全摘除術では勃起障害や尿失禁 直腸障害が発生する危険性が各々 30% 程度ある B. 手術療法と放射線治療 ( 内照射 外照射 ) 以外に治療法はない C. 放射線内照射治療 ( 密封小線源治療 : ブラキセラピー ) は日本では行われていない D. 経尿道的前立腺切除術 (TUR-P) は適応外である E. 根治的前立腺全摘除術ではサントリーニ静脈叢からの出血コントロールが重要である (1)A,B (2)A,B,C (3)B,D (4)D,E (5)A,E 7
問 33 前立腺肥大症に対する外科的治療のうち 経尿道的前立腺切除術 (TUR-P) について正しい組み合わせのものを選べ A. 術後合併症として逆行性射精や尿道狭窄がありうる B. 前立腺の腫大による急性尿閉は手術適応となる C. 前立腺が腫大しているだけでは手術適応とはならない D. 排尿障害があるので薬物治療より先に手術を勧めた E. 術後に前立腺癌が発生することはない (1)A,B (2)A,B,C (3)B,D (4)D,E (5)A,E 問 34 以下のうち 間違っている組み合わせを選べ A. 膀胱癌の自覚症状として最も多いのは排尿時痛を伴う肉眼的血尿である B. 喫煙 芳香族アミン 放射線は膀胱癌の病因と考えられている C. 膀胱がん発生率の男女比は 1:2 もしくは 1:3 と女性に多い D. 病理学的には移行上皮癌が最も多く 次いで扁平上皮癌 腺癌などがみられる E. 膀胱癌が最も転移しやすい臓器は骨である (1)A,B,C (2)B,C,D (3)A,D,E (4)A,C,E (5)B,D,E 問 35 以下のうち A. 手術不能な進行性膀胱癌に対する現在の標準療法は分子標的治療である B. 早期膀胱癌の再発予防として 内視鏡手術後にシスプラチンを膀胱内に注入する C. 腫瘍浸潤が筋層内にとどまっていれば 内視鏡手術にて 90% 以上の症例の治癒が可能である D. 回腸動管は装具の必要な失禁型尿路変更術の代表的なものである E. 尿管癌に対する外科的治療は腎尿管全摘術が基本である (1)A,B (2)A,C (3)A,D (4)A,E (5)B,C (6)B,E (7)C,E (8)D,E 問 36 下記の疾患のうち 水腎症の原因とならない疾患を 1 つ選べ 1. 腎盂尿管移行部狭窄症 2. 尿道下裂 3. 下大静脈後尿管 4. 膀胱尿管逆流症 (VUR) 5. 後部尿道弁 問 37 小児泌尿器科疾患の治療について述べた下記の文章のうち誤っているものを 1 つ選べ 1. 満 1 歳を過ぎた停留精巣では自然下降の可能性が低い 2. 小児での真性包茎は本来生理的な状態であるため 排尿障害等の病的症状がなけれは基本的に 手術適応とはならない 3. 小児の陰嚢水腫は腹腔内と交通性があることが多いが 治療法の第一選択は穿刺排液である 4. 膀胱尿管逆流症は経過観察のみで成長とともに改善することがある 5. 腎盂尿管移行部狭窄症は片側性であることが多く また経過観察のみで改善することがある 8
問 38 次の中から正しいものの組み合わせを選べ A. 膀胱炎と腎盂腎炎の起炎菌にはほとんど差がなく 急性の炎症の原因はほとんどが腸球菌である B. 小児の尿路感染症では尿路の先天奇形を基礎疾患とする単純性尿路感染症が多い C. 高齢者 特に男性では前立腺肥大症や神経因性膀胱等を基礎疾患とする複雑性尿路感染症が多い D. 検尿で膿尿もしくは細菌尿を認めた場合には症状の有無にかかわらず抗菌剤の投与を行うべきである E. 尿路感染症患者に尿路の閉塞機転が認められた場合には感染を抗菌剤で完治させた後に閉塞の解除 (1)A,B (2)A,C (3)B (4)C,D,E (5)C 問 39 写真の病変について正しい物の組み合わせを選べ A. 末期の梅毒患者における典型的な陰茎病変である B. 外陰部に乳頭状 鳥冠状の疣贅が見られている C. 病原体は単純ヘルペスで 初回感染では 1 型が多いとされている D. 確定診断をつけるには STS や TPHA あるいは FTA-ABS などを行う E. 治療は焼灼か抗癌剤の軟膏塗付が有効 (1)A,B (2)A,D (3)B,C (4)B,E (5)C,E 9
2009 泌尿器科解答該当授業プリントは生殖器の一部と 腎臓の一部です 問 1. 3 E: 腎盂腎炎は高熱が出る問 2. 6 問 3. 5 A: レントゲンで写らない石も写ることがある B: RP=retrograde pyelography 逆行性腎盂造影 次に行うものとしては不適切かと D: 腎シンチは占拠性病変の診断 E: 腎盂造影で水腎症の有無を調べる尿路結石の診断の流れ : 問診 診察 検査 ( 検尿 エコー IVP/CT KUB) 問 4. 5 この他 三環系抗うつ薬も尿閉になる問 5. 2 A: 尿意切迫感などの刺激症状を訴える D: 奇異性尿失禁とはためられなくなった尿があふれ出すこと問 6. 1 A: 急性精巣炎はムンプスによりおこる 高熱 痛みがある 問 7. 1 D: 男性化は正常 E: 3~4% 未熟児に多い問 8. 2 A: 手術する問 9. 5 A: 2.0ml 以上が正常 B: 20 10 6 以上あれば正常 C: 50% 以上問 10. 1 B: 腎癌 : 腎盂癌 =80:15 C: 30 代女性に好発 D: 4cm 以下 無症状は経過観察問 11. 5 B: 淡明細胞癌 ( 腎癌の 80%) は hypervascular 問 12. 5 B: 5~10% を占める問 13. 2 腎癌には特異的腫瘍マーカーがない問 14. 2 Gleason 分類前立腺癌のみに用いられる分類 癌の組織構築と浸潤様式のみに着目し 核異型や分化の程度を加味しない 予後との相関が高いことから世界的に使用されている 1~5 の Gleason grade から 最も多くの面積を占める組織像 (primary grade) と secondary grade を加算して Gleason score( 最高 10 最低 2) を求める Grade は数字が大きいほど悪性度が高い 問 15. 4 問 16. 2 問 17. 4 A: 溶骨性ではなく骨形成性 10
問 18. 4 B: シュウ酸カルシウム結石が約 80% で一番多い C: シスチン結晶は六角形問 19. 3 B: 尿路結石の成分はシュウ酸が多い シュウ酸とカルシウムを結合させて 吸収されないようにするため カルシウムは多めに摂る 問 20. 4 E: GnRH を投与問 21. 3 D: 本来 Y 染色体上にある SRY が転座すると XX 女性が男性化する 真性半陰陽である 精巣 卵巣ともに正常な機能は有さないことが多い みたいです E: 精子形成には GnRH が必要問 22. 1 A: 真性半陰陽と言う B: MIS はセルトリ細胞が産生 C: テストステロンはウォルフ管を分化させるだけ ジヒドロテストステロンはウォルフ管を発育させ かつ外生殖器を分化発育させる 問 23. 1 A: アンドロゲン受容体遺伝子は X 染色体上にあり 90% は Androgen receptor の point mutation E: 正常男性に比べてエストラジオールは上昇している 精巣摘出後 第二次性徴を誘発するためにエストロゲン補充療法を行う 問 24. 2 2: 橋にある排尿中枢が担う 5: 薬物療法として α ブロッカー コリン作動薬を用いる問 25. 3 4: 膀胱内圧が高圧環境となると膀胱変形をきたす 5: 尿管下端の狭窄で水腎症となる問 26. 2 A: 約 70% が完治 E: ピークは幼児 or15~35 歳問 27. 3 その他 非特異的なマーカーとして LDH がある 問 28. 3 問 29. 4 D: 皮質ではなく髄質から発生する問 30. 5 問 31. 5 C: 精嚢腺 は精嚢の間違いだと思われます問 32. 4 A: 尿失禁は 8% 程 B: ホルモン療法 経過観察 その他方法あり問 33. 2 問 34. 4 E: リンパ節 肺肝 骨の順問 35. 8 A: 分子標的治療ではなく抗癌剤治療 11
問 36. 2 問 37. 3 経過観察する問 38. 5 A: 急性はほとんど大腸菌 慢性で腸球菌 B: 複雑性尿路感染症が多い D: 菌が検出されても症状があるときだけ投与問 39. 4 写真は不鮮明ですが おそらく尖圭コンジロームの写真 ( 授業プリントと同じ写真?) 泌尿器科小川先生より 10/4 現在 ノーアイディア まだ卒試の問題作ってないよ だそうです 例年通りで あまり難しい問題は作らないようにするとのことでした 12