2) 管理数量 下水道 終末処理場には汚水と雨水用の施設があります 管理数量は次のとおりで す 表 2-26 下水道 終末処理場の管理数量 施設名種別数量備考 下水道 ( 汚水 ) 下水道 ( 雨水 ) 汚水管きょ下水道終末処理場中継ポンプ場汚水低地排水ポンプ雨水管きょ雨水低地排水ポンプ雨水ゲート

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(5) 下水道 終末処理場 1) 施設の特徴 本市の公共下水道事業は 住宅都市として昭和 30 年 (1955 年 ) 頃からの急速な人 口増加による河川の水質汚濁や海水浴場の水質悪化を契機に 早期の公共下水道の整 備が必要であると考え 本市の中央部を東西にわたって連なる山々が分水嶺となり南 側を鎌倉処理区 北側を大船処理区とし 2 箇所の下水道終末処理場を建設する計画 としました 昭和 33 年 (1958 年 ) から 神社仏閣や史跡が多く 人口が集中している鎌倉駅を 中心とした地域を鎌倉処理区の第 Ⅰ 期区域として事業に着手しました その後 事業区域の拡大を図り 平成 25 年度 (2013 年度 ) 末では 鎌倉処理区 1,188.5ha のうち 1,179.1ha 99.2% の整備が 大船処理区 1,471.0ha のうち 1,418.3ha 96.4% の整備が完了しています 管きょの材質は 昭和 33 年度 (1958 年度 ) から 50 年度 (1975 年度 ) 頃までは本管 に鉄筋コンクリート管 取付管に陶管を使用し 昭和 51 年度 (1976 年度 ) 以降は施 工性や水密性に優れている硬質塩化ビニル管を本管及び取付管に使用しています 管きょは 既に 標準耐用年数の 50 年を経過したものが約 40 km 約 8% あり 継 ぎ目からの地下水の浸入防止など老朽化対策として二層構造管による管更生を実施し てきましたが 今後も継続して 50 年を越す老朽化した管きょの補修更新が必要であ り 補修更新のピークは平成 60 年度 (2048 年度 ) になります また 敷設年度が不 明な箇所も存在し 劣化状況の調査も併せて行うことが必要です また 鎌倉処理区を整備した当時 開削工法が主流であったことから 埋設深さに 限度がありました したがって 地下埋設物等の影響や河川と交差する箇所では 自 ふせごし 然流下による整備が困難であり 中継ポンプ場が 7 箇所 伏越施設が 60 箇所あります 中でも中継ポンプ場は海岸線に位置しており 地震時の津波被害による機能停止が懸 念されます 鎌倉処理区にある七里ガ浜下水道終末処理場は 平成 17 年度 (2005 年度 ) から 24 年度 (2012 年度 ) にかけて機械 電気設備の改築工事を実施しています 汚水中継ポ ンプ場 (7 箇所 ) についても 平成 21 年度 (2009 年度 ) から改築工事に着手し 平成 28 年度末 (2016 年度末 ) に長寿命化工事が完了する予定です 大船処理区にある山崎下水道終末処理場についても平成 5 年 (1993 年 ) の供用開始 から 20 年以上が経過しており 平成 27 年度 (2015 年度 ) から長寿命化計画に基づく 改築工事を計画的に進めていく予定です ふせごし このように 管きょ等下水道施設の老朽化対策や中継ポンプ場 伏越施設 そして 2 箇所ある下水道終末処理場の存在などが 本市下水道事業の大きな課題です 雨水については 事業認可以前から存在する水路を含め 下水道事業計画施設とし て位置づけ 現在 ( 平成 25 年度末 (2013 年度末 ) 時点 ) では鎌倉排水区域 1,177.7ha のうち 837.9ha 71.1% の整備が 大船排水区域 1,427.2ha のうち 1,174.5ha 82.3% の整備が完了しています 60

2) 管理数量 下水道 終末処理場には汚水と雨水用の施設があります 管理数量は次のとおりで す 表 2-26 下水道 終末処理場の管理数量 施設名種別数量備考 下水道 ( 汚水 ) 下水道 ( 雨水 ) 汚水管きょ下水道終末処理場中継ポンプ場汚水低地排水ポンプ雨水管きょ雨水低地排水ポンプ雨水ゲート 488km 2 箇所 7 箇所 57 箇所 237km 10 箇所 8 箇所 開きょ 矩形きょ 台形きょを含む 雨水調整池 7 箇所容量 :25,100 m3 61

3) 施設の情報 データの管理状況下水道 終末処理場の諸元情報については下水道台帳と施設図面がありますが 一部の管きょの敷設年度が不明な箇所があります 点検情報と健全度情報についてはなく また 補修履歴については工事完成図書が保存されている状況です 平成 31 年度 (2019 年度 ) からの地方公営企業法の適用を目指し 平成 28 年度 (2016 年度 ) 以降に固定資産台帳を整備し 施設の状態を把握する予定です 表 2-27 施設の情報 データの管理状況 下水道 諸元情報点検情報 / 健全度情報補修履歴情報 情報有無名称 内容管理状態情報有無名称 内容管理状態情報有無名称 内容管理状態情報有無 ただし 敷設年度が不明 下水道台帳 施設図面 紙 電気設備等の法定点検 各種機械設備等点検 紙 工事完成図書等が残っている場合のみ 工事完成図書 紙 コスト情報 その他情報 備考 名称 内容管理状態情報有無名称 内容管理状態 決算情報電子 市民要望台帳電子平成 28 年度 (2016 年度 ) 以降 固定資産台帳を整備予定 1. : おおむね有り : 一部有り : ほとんどなし ( 確認できていない ) 2. 紙 : 紙資料での管理 (PDF や TIFF 等の画像データの管理の場合を含む ) 電子 : エクセル等の表計算ソフトやアクセス等のデータベースソフトを利用した加工利用可能なデータでの管理 3. 上記は 鎌倉市社会基盤施設白書作成時に入手した資料等に基づき整理 62

図 2-27 汚水施設位置図 4) 施設の位置 汚水と雨水の施設の位置は次のとおりです 63

64 図 2-28 雨水施設位置図

5) 管理経費の歳出実績と将来の管理経費の試算 経費の内訳 表 2-28 下水道 終末処理場 平成 25 年度 (2013 年度 ) の歳出実績と将来の管理経費の試算の比較表 歳出実績 1 将来の試算 2 差額 2-1 ( 将来の試算 - 歳出実績 ) 試算の割合 2/1 ( 千円 / 年度 ) ( 千円 / 年度 ) ( 千円 / 年度 ) (%) 維持管理経費 1,524,476 1,538,940 14,465 100.95 備考 補修更新経費 623,349 4,333,050 3,709,701 695.12 補修更新経費 合計 2,147,825 5,871,990(A) 3,724,166(B) 273.39(C) 下水道 終末処理場の将来の管理経費については 今後 年間約 59 億円 (A) の経費が必要であり 平成 25 年度 (2013 年度 ) の歳出実績と比較すると 年間約 37 億円 (B) 新たな経費が必要であり 歳出は約 2.73 倍 (C) の経費が必要となります この新たな経費の主なものは 老朽化した管きょ 下水道終末処理場 中継ポンプ場の主要な施設の更新にかかる経費を試算したものです ( 表 2-28 参照 ) 下水道事業は 本市の地理的条件や他都市より比較的早い昭和 30 年代から始まる宅 ふせごし 地開発の進む中で 管きょの整備とともに 本市の地理的条件などから伏越施設や 2 箇所の下水道終末処理場や 7 箇所の中継ポンプ場などを整備してきました そのため 将来に向かっては これまでに施設建設のために発行した起債の償還に加え 施設の更新に伴う事業費の大幅な増加が見込まれます 起債の償還については 毎年の額を変更することはできませんが 管きょの更新費は 実態を把握することで 効率的な支出が可能です 昭和 40 年 (1965 年 ) 頃から平成 15 年 (2003 年 ) までの約 40 年間は ほぼ毎年 10 km以上の管きょ整備を行い 平成 10 年 (1998 年 ) には年間で 19.5km を整備しました その後は整備率が上昇したことで 年間の整備延長は減少しましたが 維持管理の延長が増大し 管きょ施設の標準耐用年数である 50 年を超過している延長は 平成 27 年 (2015 年 )3 月現在 約 40km 管理数量の約 8% ですが 10 年後には約 120km 25% 20 年後には約 230km 47% となり 早急な老朽化対策が必要となります 下水道終末処理場や中継ポンプ場なども 施設の老朽化が進んでおり 主要な施設である七里ガ浜下水道終末処理場は供用開始後 40 年以上 山崎下水道終末処理場についても供用開始後 20 年以上が経過し 今後 施設の更新が必要となります これらの更新にかかる経費は 年間平均で約 44 億円 維持管理にかかる経費は 約 15 億円とそれぞれ予測されています 65

表 2-29 将来の管理経費の試算の条件 施設の分類 従来の管理手法を継続する場合の予測条件 管きょ 維持管理経費 下水道終末処理場中継ポンプ場その他 維持管理経費は 現在の経費を継続する 下水道事業特別会計 補修更新経費 雨水調整池管きょ下水道終末処理場中継ポンプ場その他雨水調整池 補修更新経費は 耐用年数の 50 年 ( ) で更新を計画する 補修更新経費は 耐用年数の 38 年 ( ) で更新を計画する 補修更新経費は 耐用年数の 20 年 ( ) で更新を計画する 補修更新経費は 耐用年数の 38 年 ( ) で更新を計画する 補修更新経費は 耐用年数の 38 年 ( ) で更新を計画する 耐用年数は 総務省地方公会計の整備促進に関するワーキンググループ公開の耐用年数を 基に利用しました (http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/chikou_wg/) 表 2-30 将来の管理経費の試算の内訳 ( 千円 / 年度 ) 経費 施設 予測額 ( 千円 / 年度 ) 管きょ 234,484 下水道終末処理場 951,879 維持管理経費 中継ポンプ場 101,224 その他 244,835 雨水調整池 6,518 合計 1,538,940 補修更新経費 管きょ 2,606,034 下水道終末処理場 1,452,429 中継ポンプ場 101,866 その他 15,846 雨水調整池 156,875 合計 4,333,050 66

6) 施設の管理上の課題 以上の施設の特徴 管理数量 各施設の情報 データの管理状況 施設の位置 管 理経費の実績と将来予測から 下水道 終末処理場の管理上の課題を抽出します 施設の状態に関する課題 管理経費に関する課題組織や体制に関する課題 i 施設情報の管理に関する課題 管きょ 大雨時に不明水の浸入 ふせごし や伏越施設 等で流れが阻害される事に起因する溢水が発生している 予防保全のための優先順位が充分に整理されていない 敷設年度が不明のものが多く 劣化状況の調査も不十分なため今後の予算計画が困難である 表 2-31 施設の管理上の課題 下水道終末処理場 中継ポンプ場 その他施設 雨水調整池 2 箇所ある処 地震時の津 計画的な維 定期的な点 理場のうち 1 波により機 持管理 補修 検がされて 箇所は老朽 能停止の危 更新が行わ いない 化し耐震性 険性がある れていない 能が確保さ れていない 処理場が 2 7 箇所あり管 計画的な維 耐用年数か 箇所あり管 理経費増加 持管理 補修 ら判断する 理経費増加 の要因であ 更新がされ と今後 補 の要因であ る ていない為 修更新経費 る 予算計画が が増加す 不十分であ る る 財源不足 人手不足に対する市民協働 民間活力の活用は行われていない 地方公営企業法の適用に伴う 公営企業の経営戦略 の検討がされていない 敷設年度や劣化状況の把握が不十分である 台帳はない 補修履歴をまとめたものはない 台帳はない 補修履歴をまとめたものはない 台帳はない 補修履歴をまとめたものはない 一部管理台帳はある 補修履歴をまとめたものはない 67