催眠状態では 脳性マヒの子供の強い緊張が緩んだり 動きにくかった手足がかなり自由動作法とはに動かせるようになったりすることをみつけ 不自由さが脳の障害によるものだけでは説明がつかないことがわかった 間違った動きをしているのは 子供が からだの動かし方を間違って学習してきたものと考えて 正しい動かし方を覚えていこうとしたもの 脳性マヒの子供の不自由を説明する時に 意図 努力 身体動作が使われる 飲みたいな コップを口に運ぶのに腕が曲がるように筋肉に力を入れたり 手首を曲げる動作をしようとしたりする 飲む 緊張が入り 手が違う方へ動いてしまう 動作法は 緩めるのではない 動きを妨げる緊張を取り除いて 邪魔な緊張をなくし 必要な緊張を入れることを教えていく 体幹部分も 必要な緊張を肩や首の緊張は必要ないので 緩める保って 姿勢を維持する下肢の筋肉群で支える ( 緊張を入れる ) 自分で意図してからだを動かす感覚を主動感という 動作法は 指導者の指示に合わせて自分のからだを動かし からだのコントロール力を高めていきます 動かし方を学習し 援助を減らして子ども自身の動き 主動感 を感じられるようにしていくと 緊張と弛緩の自己コントロール力が高められていきます 大切にしたいこと 実現意図 実現してほしいこと したいことを共有する トレーニー 実現意図 トレーナー あなたも私も思っている = 共有 ( インテーク ( はじめの面接 ) で必ず確認しておくこと ) 生活の何につながっているのかを考える 例 : 卒業生 現在 27 歳 B 型事業所に通勤状況 生活場面で動くことが少ない 体が動かなくなってきている 在学中の活発さがなくなり意識レベルが低くなっている = 脳の活性化がなくなってきている 願い 1 生きる中で前向きに考え 意欲をもって生活してほしい 2 年をとっても動きを維持したり 踏ん張って立ったりしてほしい そうすることで トイレの立位 車いすへの乗り込みなど 生活場面で介助が楽になる 取り組み 1 腹ばい 立位などに向けて取り組み 動けることを実感させ 自信につなげる 動かすことで 筋肉が緩んでくる 2 生活の場面につながっていくことも一緒に教える * 脳性マヒ 40 歳以上になると ぐっと年をとる 上肢を使うばかりすると 側湾がでる 目的を持って伝える 何のためにしているのかを必ず意識すること * 子供に伝わりやすい その時にできたことは共有体験ができる * 今していることは 次のどんな課題のために行っていることかを考えておく 例 1 座位姿勢をとるために 背中の緊張をとる 例 2 安定した座位姿勢をとるために 骨盤の動かし方を練習する 快適な暮らしをしてもらうためには どうしたらよいかを考える できたこと なぜできるようになったのか ( 考察 ) 今後どうすればよいかを考えること例背中が伸びた側臥位を自分で行うようにした その時の支援で 動きを感じやすくした 動くことに合わせて フィードバック ( 伸びたよ そうそうなどの声かけ ) した
動作法の基本の姿勢づくり ( モデルパターン動作 ) 躯幹のひねり 腰回りの力を抜く 自分で緩める感覚をつける ひねる方向 ( 後ろの方向に肩を倒して 足の方向に腕を伸ばしながら ) や膝でブロックする箇所 ( 背中 肩 腰 ) によって 緩まる箇所が違う あぐら座 座位や立位は 骨盤で姿勢の調整を行っていることを体感してみました まっすぐな姿勢をとり 骨盤を動かす ( 腰入れ : おへそを前に出す たおす ) 左右のおしりにのる骨盤が動くことは 座位姿勢保持がとれるようになるのに重要だそうです 節作り立位で行いました腰入れ ( 骨盤を前後に動かす ) 左右の骨盤をあげる ( 重心移動 ) 骨盤が動くことで バランスを取りながら上半身の姿勢を調節できるようになります * 骨盤を動かすことで体幹のバランスをとっています 骨盤の動きができると 座位 立位はスムーズになります 骨盤は大切 骨盤をいろいろな方向に動かせると 骨盤で体幹を支えることができるようになります さらに * 骨盤が使える = たおすことができる 戻すことができる ことで 下肢全体で体幹を調節することができる 自分で姿勢を直せる部分が増える 腰の分離 ( 片足ずつ上げる ) ができると 姿勢の安定がはかれます たとえば 体の揺れを使って足を前に出しているトレーニーは 体の揺れを使わずに 骨盤を動かし て歩くことを目指して動作学習を行います * 腰にのれていない 骨盤が使えない時の例 肩の筋肉で体を支えて調整している あごを出すことで体をつり上げる 股関節に関わる筋肉の一部 動作学習の組み立て方 (J 君の場合 ) 1 股関節の緩め動かすことで緩む * 股関節は骨盤とつながっているため 股関節が緩むと お尻や骨盤回りの筋肉が柔軟になり 腰全体の可動域が広がる 股関節を稼働させて緩める 足を曲げて 前後左右に動かす 大腿筋膜張筋 ( だいたいきんまくちょうきん ) 筋肉を伸ばし 緩める 内側を股関節の方向へ 外側 を引っ張る方向へ 股関節を外転する筋肉 膝 or まくらをお尻の下に入れる 腰を上げることで 自分の足の重さで 股関節が開く 無理なく股関節を広げることができ 脱臼がある時も痛がることが少ない 足先を 半分ずつ上下に曲げる 股関節が緩む 2 膝の曲がりを緩める 膝を曲げ伸ばすことで膝裏をのばす 膝を伸ばす方向に押し下げ ながら 足首を下方向に引いていく
3 股を楽に開けるようにする 股を広げる方向に膝が動き 力を緩める感じが分かる 無理にしない トレーニーが開くことに手を合わせてついて行く * 股関節を自分で可動させ 緩める 4 股関節の本来の位置を教える 筋をのばして 股関節を元の位置まで戻す 股関節 ( 大転子 ) を押さえておく 5 背中の筋肉をゆるめる ( 腹臥位 )* 呼吸を楽にする 座位の安定 肩と座骨を縮める 筋肉を動かすことで背中 の筋肉をゆるめる 皮を動かすだけでもよい 6 側臥位で肋骨周辺の筋肉を緩める * 呼吸を楽にする 側臥位で左右に揺らす 引っ張る 押す * 縮まっている方で呼吸をしているので あまりのばしすぎる 大転子 と 呼吸が苦しくなるので様子を見て行う 7 鎖骨を動かすことで呼吸を楽にする ( 背臥位 ) 肩を動かす 腕を上げる ことで 鎖骨を動かすこと ができる 肩を横に上げただけでは 鎖骨が動かない そのため胸 を広げることはできない 8 骨盤を動かす * バランスをとったり 姿勢保持の力を高める ( いす座位でも同じ ) とんび座り or いす座位で腰入れ腰を倒す 腰を伸ばす ( 腰をたおす いれる ) *J 君の場合 あごで体幹を支えなくても 腰で姿勢の調節ができるようにする 9 腹臥位で這う * 足で床をとらえるようにする 足や腰で体を支える練習 手で前に進まないように 手は肩より前に出す 足裏が床につくように側面を全部床に押しつける J 君の場合股関節が開かないので 足が曲がらない ( 股関節が邪魔している ) 右腰を浮かせて 腰を回旋する 股関節が開きにくいのを補助する
10 四つばいから腰を入れる ( 膝立ちの際に 尻を後ろに突き出すことがなく 体をまっすぐにするため ) 腰を入れる 腕が伸びない時は 天井を向かせる ( 反射 : 対称性緊張性頸反射 ) 反対 方向へ手を伸ばす 11 あぐら座位 おしりへの体重の左右のせ 骨盤を動かし 上肢を支える幅を広げる 12 イス座位から立ち上がる 床を踏みしめる感覚 骨盤にのる ( おしりで床を踏みしめる ) 左足が内反しているので 床が踏みしめられるように膝を 外側と下に押しつける 13 片足上げ動作 腰が引けない * 骨盤で重心がとれる そのほか 膝立ち 肩を入れ 自分の 体重を腰で支え 姿 勢を調整する 片マヒは動かすことが大切 マヒ側の手は 使わないと意識から消えてしまう うつぶせで 首の座りの練習 うつぶせの状態で首を持ち上げる 縦にして 首の座りの練習 ( 四つばい ) セラピーボールにのる セラピーボールを揺らすと 首や頭を支える練習になる そのまま起こす 腰を曲げる セラピーボールに横たわりながら 首を左右に動かす
学習に当たって 子供のまねができる 同じ姿勢がとれる * どこに力が入っているかが分かる 子供に求めている動きが自分もできる * イメージを持って子供に伝えることができる 課題は自分が体験してみておくこと * しんどいところが分かる 力の入れ方を伝えやすい ボディ イメージが形成されていない子どもは 自分のからだに気づきにくい 動かし方が分からない * 初めは一緒にことばを添えて からだを動かすところから始め 少しでも自分でからだを動かせられるようになってきたら すぐにほめてその成功体験をフィードバックすることを繰り返す そのことでからだの部位の名前を覚えたり からだの動かし方が理解できたりしてくる 人の生態系は 25 時間 1 日 24 時間周期なので 日光に当たって覚醒を促す必要がある * 医ケアの生徒こそ 朝起きたら日光に当たらなくてはいけない そのリズムは大人が作ってやらなくてはいけない 感じる手を作ろう ( 体験してみたこと 相手に重心の位置を確実に伝えること ) 目をつぶって 相手の後ろから肩をさわる 相手に手や足を動かしてもらって どの部位を動かしたか当てる ( 左手を挙げた 指を動かしたなど ) 動かそうと思って 相手の体に 手を置いていると 微妙にその方向に相手は動く 肩に手を置いて 立っている相手の足の親指に重心を移動させる 重心の移動を相手に教えられる