外国人医療支援ガイド 1 上手な受診のしかた 1 症状を説明できる人と一緒に受診しましょう 日本語でのコミュニケーションに不安がある場合は 通訳をしてくれる人と一緒に受診しましょう 外国語での対応が可能な医療機関もあります あらかじめ調べておきましょう 2 近くの医療機関の診療時間を確認しておきましょう 事前に診療時間を確認し その時間内に受診しましょう 時間外は医師 看護師 薬剤師などのスタッフや検査体制が限られています 3 診察室でたずねられること ( あらかじめ整理しておきましょう ) 気になる症状はどんなことですか? その症状はいつからありますか? 今までに大きな病気にかかったことがありますか? 薬や食べ物にアレルギーがありますか? 家族にも同じような症状がありますか? 4 休日や夜間のかかり方 休日や夜間に受診できる医療機関も増えています 近くの医療機関の受診時間を確認しておきましょう また 受診する場合は予め電話で確認の上受診してください どこの病院へ行ったらよいかわからない場合は 茨城県救急医療情報コントロールセンター (029-241-4199) で 24 時間医療機関 ( 歯科を除く ) 案内を行っています ( 5 医療機関の案内 を参照してください ) 症状が重いと思う場合は 119 番 ( 消防署 ) に電話し 救急車を利用しましょう ( 6 緊急時の対応 を参照してください ) 2 受診の手順受付窓口での手続きは 医療機関によって異なります 以下は一例です 1 日本の健康保険被保険者証 ( 保険証 ) をお持ちの場合は 新患受付 に提示して どの科の診察を受けたいかを伝えます 別の医療機関などからの診療情報提供書 ( 紹介状 ) があれば提出してください 2 診察科の受付で 診療申し込み票 に氏名や住所等の必要事項を記入して 診察の順番を待ちます 3 診察終了後 会計窓口で治療費を支払います 日本の健康保険被保険者証がない場合 診察だけで 2700 円以上かかります ( 時間帯によっては 加算金額があります )
4 医師から処方される薬があるときは 病院の薬局で薬を受け取る場合と 病院外の薬 局へ行き 医師からの処方箋を出して薬を購入する場合の 2 とおりがあります 3 別の医療機関への紹介病気やケガで 医療を受けたいときは まず 近くの診療所などに行きます 専門的で高度な治療が必要なときは その医師から診療情報提供書 ( 紹介状 ) をもらい 設備の整った病院へ行きます 一定の規模以上の大きな病院に医師の診療情報提供書 ( 紹介状 ) を持たずにかかると 通常の診療費以外に費用がかかることがあります 4 入院病室には 個室 4 人部屋 6 人部屋などの種類があります 入院費には原則として健康保険が適用されますが 患者の希望で個室などの特別な部屋を利用したときには追加料金が加算され その分は原則として自己負担となります 5 医療機関の案内 1 茨城県救急医療情報システム http://www.qq.pref.ibaraki.jp/ 携帯サイト http://www.qq.pref.ibaraki.jp/kt/( 一部サーヒ スが利用できます ) インターネットで県内の病院 診療所 歯科診療所をいろいろな条件で検索することができるシステムです 外国語対応可能な病院などについても 言語別に検索することができます ( 情報内容は日本語です ) 2 茨城県救急医療情報コントロールセンター電話番号 :029-241-4199 年中無休 24 時間対応休日や夜間に救急対応してくれる医療機関 ( 歯科を除く ) をオペレーターが日本語で案内してくれます 3 茨城子ども救急電話相談電話番号 : 8000( プッシュ回線 携帯電話から ) :029 254-9900( 公衆電話からはこちら ) 相談時間月曜 ~ 土曜午後 6 時 30 分 ~ 午後 11 時 30 分日曜 祝日 年末年始午前 9 時 ~ 午後 5 時救急かどうか迷ったとき お薬や医療について 看護師など専門家のアドバイスが電話で受けられます ( 日本語による相談です )
6 緊急時の対応 1 救急車を電話で呼ぶ時には 119 番で消防署へ通報してください 電話が通じたら 火事であるか救急であるか 事故などの内容を話し 現場の住所 その場所の近くの大きな目標物の名称 通報者の氏名 電話番号を伝えます ( 日本語による対応になります ) 2 救急車を利用する場合 病人等の搬送は無料ですが 医療機関での治療費は自己負担です 健康保険証や必要な現金を用意してください 3 救急車は ケガや急病など 緊急に病院へ搬送しなければならない人のためのものです 緊急時以外は タクシーなどの利用ができないかもう一度考えてみましょう 7 医療保険制度 1 医療保険の目的日本の医療保険制度は 病気やケガをしたときの医療費負担を少しでも軽くしようという目的で設けられています 国民皆保険制度をとっているため どこの国の人でも日本に住む人は 原則として公的医療保険に加入しなければなりません 2 医療保険の種類医療保険には 自営業の人などを対象とする地域保険の 国民健康保険 と 会社や事業所に勤める人とその家族が加入する被用者保険の 社会保険 があります 国民健康保険 在留資格があり 外国人登録証明書を持っている人で 1 年以上の在留期間があるか または1 年以上日本に滞在することが明らかな人は 国民健康保険に加入しなければなりません 窓口は市町村の担当課になります 社会保険 健康保険が適用される会社や団体などで働く人であれば 全員が加入することになっています 各健康保険組合または 勤務先の担当窓口に相談ください 3 保険料保険料は所得などの状況により金額が異なります ご自分で銀行などで払い込む場合 給料から天引きされる場合があります 4 被保険者証 ( 保険証 ) 日本の健康保険に加入していることを証明するものです 保険医療機関で診察を受ける時には掲示しなければなりません 以下のようなときには 市町村の国民健康保険担当課 又は加入している健康保険組合または勤務先担当窓口に届け出てください
転職などで他の公的な健康保険に加入又は脱退したとき 住所や世帯主 氏名が変わったとき ( 国民健康保険の方は転出すると 旧い保険証は使用できません ) 被保険者証をなくしたとき 5 給付内容 医療費: 病院などで被保険者証を提示して診察や治療を受けたときは その医療費の7 割が保険から支払われます 残りは自分で支払います ( 乳幼児 高齢者などは自己負担額が異なります ) 出産育児一時金: 子供が生まれたとき 支給されます 葬祭費( 埋葬費 ): 被保険者が死亡した時一定額が支給されます 高額療養費: 医療機関に支払った1 箇月の窓口負担金が一定額を超えたとき 超過した金額が後日支給されます ( 届出が必要な場合もあります 各健康保険の窓口に相談しましょう ) ( 注意 ) 健康診断 予防接種 美容整形 歯列 ( 歯並び ) 矯正 正常出産の費用 仕事上のケガや病気は保険給付の対象となりません ( 被保険者証は使えません ) 交通事故による治療の場合には まず それぞれの健康保険の窓口にお問い合わせください 緊急で受診する場合は 実費 ( 被保険者証をつかわない ) を一旦医療機関窓口でお支払いいただき 加入している健康保険窓口に相談したあと健康保険扱いで精算することもあります 8 予防接種予防接種は 感染症に対する免疫を身体の中につくることにより 病気にかかるのを防いだり 病気の流行を防ぐために行います 次のようなときに 下記の表にある予防接種の対象者であれば無料で受けられます ( 対象外の人は有料 ) 受けようとする子供が外国人登録をしていること 市町村の定めた期間内に指定の医療機関や保健センターで受けるとき 受けようとする子供が接種できる状態であること 自己負担額や受けられる時期などは 市町村によって違いますので あらかじめ市役所等に問い合わせてください 財団法人予防接種リサーチセンターのホームページでは外国語版 予防接種と子どもの健康 をダウンロードすることができます 予防接種や予防接種の対象となる病気の説明などが載っています 上記以外の インフルエンザ おたふくかぜ 水痘 B 型肝炎などの予防接種希望者は
医療機関で個別に受けることとなりますので かかりつけの医師と相談して 接種してく ださい なお 予防接種料金は有料です 種類対象者回数間隔 三種混合 1 期 初回接種生後 3 月 ~90 月未満 3 回 20 日 ~56 日 ( シ フテリア 追加接種 生後 3 月 ~90 月未満 百日咳 破 (1 期初回接種 (3 回 ) 終了後 6 月 傷風 ) 以上の間隔をおく ) 二種混合 1 期 初回接種生後 3 月 ~90 月未満 2 回 20 日 ~56 日 ( 百日咳 追加接種 生後 3 月 ~90 月未満 破傷風 ) (1 期初回接種 (3 回 ) 終了後 6 月 *1 以上の間隔をおく ) 2 期 11 歳 ~13 歳未満 ポリオ生後 3 月から 90 月未満 2 回 41 日以上 麻しん風し ん混合 1 期生後 12 月 ~24 月未満 2 期 5 歳 ~7 歳未満で小学校就学前の 1 年間 3 期 4 期 13 歳となる日の属する年度の初日から当該年度の末日までの間にあるもの 18 歳となる日の属する年度の初日から当該年度の末日までの間にあるもの 麻しん 風しん *2 1 期 生後 12 月 ~24 月未満 2 期 5 歳 ~7 歳未満で小学校就学前の1 年間 3 期 13 歳となる日の属する年度の初日から当該年度の末日まで 4 期 の間にあるもの 18 歳となる日の属する年度の初日から当該年度の末日まで の間にあるもの 日本脳炎 1 期 初回接種生後 6 月 ~90 月未満 2 回 6 日 ~28 日 *4 追加接種 生後 6 月 ~90 月未満 (1 期初回終了後概ね 1 年おく ) 2 期 9 歳 ~13 歳未満 BCG 生後 0 月 ~6 月未満 *1 百日咳にかかったことがある場合には 三種混合又は二種混合のいずれかのワクチンで接種を行うか選択
することになります *2 原則として 麻しん風しん混合ワクチンを接種します ただし 麻しん又は風しんのいずれか一方にかかったことがある場合や特に単抗原ワクチン ( 麻しんワクチン又は風しんワクチンのみ ) の接種を希望される場合には 混合ワクチンか単抗原ワクチンのいずれかを選択できます 2 回目 (2 期 ) の定期接種を受けなかった者を対象に,2 回目として2012 年度まで実施されます *4 1995.6.1~2007.4.1 までに生まれたお子さんは, 接種期間を 20 歳未満まで延長しました 20 歳になるまでの間に第 1 期として3 回, 第 2 期としての予防接種が公費にて実施されます