本時では, 鑑賞する際に着目する [ 共通事項 ] を4つ示し, 強弱 を必ず手がかりとすることに加え, 音色 リズム 旋律 のいずれかを生徒自らが選択し着目することとした そうすることで, 個々の生徒のレベルに応じた学習となり, 努力を要する 状況と判断した生徒にも無理のない学習活動となると考える

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第2学年音楽科学習指導案

し, 音楽の味わいをより一層深めていけるようにする このような活動を通して, 音楽のよさや美しさを味わって聴く力が身につくと考える 4 教材オペラ アイーダ から第 1 幕第 1 場 可愛い娘よこちらへ, 勝ちて帰れ! ジュゼッペ ヴェルディ作曲 5 題材の評価規準 ア音楽への関心 意欲 態度エ鑑賞

(Microsoft Word - \211\271\212y\211\310\201i\340_\226{\224\362\222\271\202Q\201j.docx)

7 題材の評価規準ア音楽への関心 意欲 態度 イ音楽的な感受や表現の工夫 ウ表現の技能 エ鑑賞の能力 題 材 の 評 価 規 準 日本の伝統的な音楽や和楽器に興味 関心をもち, 聴いたり表現したりする学習に, 主体的に取り組もうとしている 日本の旋律の特徴や歌詞の情景を感じとり, それらを生かした表

3 題材の目標と言語活動について (1) 題材の目標 1 ブルタバ の音楽を形作っている旋律 音色 強弱 速度等を知覚し それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら 曲の誕生した背景となる歴史と関連づけて 作曲者の思いを感じながら聴くことができる [ 鑑賞の能力 ] (2) 本校における音楽科

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Taro-s10音楽 「浜辺の歌 音楽

< 実用例 >2 3 年下 年間授業時数 35 時間 ユッニット A 題材名 教材 参考教材 オリエンテーションまたは < 追加教材 > オリエンテーション : ガイダンス及び 2 年生の復習校歌他 歌詞の内容や曲想の変化を味わって 花 p.4 荒城の月 p.14 荒城の月 ( 山田耕筰補作編曲 )

少ない生徒たちに, 本題材を通して, 尺八の音色に親しみ, 様々な奏法による音色の変化を感じ取り, 尺八の魅力を味わわせたい 一方, 尺八の表現活動においては, 塩ビ尺八 を使用し, 実際に尺八の音出しの難しさを体験させ, 練習を重ね音が出た時の喜びと, 夕焼け小焼け 等の簡単な旋律が吹けるようにな

(2) 授業との関連 共通事項 の各項目の中から音色 リズム 旋律 強弱を中心に, それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら場面を想像する学習をする 自の思い浮かべた場面は音楽のどのようなところから想像したのかを言葉で説明したり友達の考えと比較したりしながら, よさや美しさを味わう学習によっ

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< 児童のアンケートより > 音楽の学習について 好きな領域 鑑賞器楽歌唱 好きな領域 (3) 指導観本題材の流れのように 楽曲に出会う 楽曲を理解する 自分なりに感じる めあてに向かって鑑賞 表現するという一連の活動は 自分の思いと友達の感じ方や思いを共感したり 比較したりすること

歌詞の表す様子や気持ちを想像して, 歌い方を工夫することができるようにする 本題材で位置付ける 共通事項 共通事項 本題材における学習内容 ( ア ) 曲の構成鑑賞曲 人形のゆめとめざめ から感じる場面や様子の変化は, 曲の構成や拍子の変化によることを知る 強弱速度歌唱曲 海とおひさま の歌詞は,

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3 研究課題と研究の手だて (1) 研究課題 音楽から感じ取ったことや表現したい思いを伝え合う活動の充実 研究主題 児童一人ひとりが生き生きと学ぶ授業の創造 ~ 主体的な言語活動の工夫 ~に基づき 児童一人ひとりが楽曲を聴いて 感じ取ったことや表現したい思いを伝え合うことにより 音楽に対する自分の思

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4 題材の目標 (1) 歌詞の内容や曲想に関心をもち 音楽表現を工夫して歌う学習に主体的に取り組む ( 音楽への関心 意欲 態度 ) (2) 声部の役割や全体の響きを感じ取って音楽表現を工夫し どのように合わせて歌うかについて思いや意図をもっている ( 音楽表現の創意工夫 ) (3) 歌詞の内容や曲

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H26関ブロ美術プレ大会学習指導案(完成版)

Microsoft Word - H21言語活動指導案.doc

4 分の3 拍子 ) ア(123) 終わりの部分 ( コーダ ) という三部形式である アの3つの旋律は, ホルンが中心となって奏でられており, 全体的に華やかな印象である また, イでは, 弦楽器が中心となって, 主な旋律が繰り返し演奏されており, 繰り返されながら楽器が増えていくことで, 重厚で

(3) 指導について 本校生徒の鑑賞の学習における意欲は, 表現活動と比較すると低く, 鑑賞の授業を充実させることは, 以前から大きな課題であった 楽曲において感受した曲想が, 音楽を形づくっている要素のどの部分の働きによるものかなどを具体的に知覚 感受することが十分でないために, 学習した内容が具

第1学年2組 音楽科学習指導案

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3 題材の目標 歌詞と旋律が一体となって生み出す曲想を味わいながら聴いたり 思いや意図をもって歌ったりする 4 教材 思い出のメロディー ( 歌唱 ) 深田じゅんこ作詞 / 橋本祥路作曲 花 ( 鑑賞 ) 武島羽衣作詞 / 滝廉太郎作曲 箱根八里 ( 鑑賞 ) 鳥居枕作詞 / 滝廉太郎作曲 ふるさと

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Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

音楽科学習指導案題材名 いろいろな音色を感じ取ろう 学年 : 第 4 学年 13 名 ( 男子 8 名 女子 5 名 ) 日時 : 平成 26 年 10 月 15 日 ( 水 ) 第 5 校時指導者 : 安芸高田市立根野小学校大野裕子 1 題材について 題材の目標 いろいろな音の特徴や音色の違いを感

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○ ○ 科 学 習 指 導 案

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5 年 p. 16~19 題材名 ( 扱い時数 扱い月のめやす ) 題材のねらい 題材の評価規準例 アンサンブルのみりょく (7 時間扱い 6~7 月 ) 声の種類を知り, 様々な形態による合唱の響きの特徴を感じ取って聴く 歌詞の内容や曲想を生かした表現を工夫して, 合唱を楽しむ 楽器の音色をとらえ

英語科学習指導案 京都教育大学附属桃山中学校 指導者 : 津田優子 1. 指導日時平成 30 年 2 月 2 日 ( 金 ) 公開授業 Ⅱ(10:45~11:35) 2. 指導学級 ( 場所 ) 第 2 学年 3 組 ( 男子 20 名女子 17 名計 37 名 ) 3. 場所京都教育大学附属桃山中

3 題材の目標 (1) (2) 4 題材の評価規準 ( 指導要録の四つの観点 ( 生活や技術への関心 意欲 態度 ) から題材の学習を通して目指す生徒の姿を示します ) 文章の語尾は 評価規準の作成, 評価方法の工夫改善のための参考資料 ( 中学校技術 家庭 ) 平成 23 年 11 月 ( 国立教

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第 1 学年音楽科 1 音楽を学ぶ意義 目的 何のために学ぶのか 表現及び鑑賞の幅広い活動を通して, 音楽を愛好するとともに, 音楽活動の基礎的な能力を伸ばし, 音楽文化についての理解を深め, 広く音楽に親しむ 2 学習到達目標 この 1 年間を通して どのような力をつけていくのか 音楽活動の楽しさ

ジャンルの音楽やそのしくみに関心を持つこと, そして, 音楽を形づくっている要素である リズム 旋律 構成 の理解を深める学習を目指したい (3) 学びの自覚化について本校音楽科では, 感性を豊かにし, 主体的に表現 鑑賞する生徒の育成 を研究主題としている 音楽科の目標に示されている 音楽に対する

第 1 学年国語科学習指導案 日時 平成 27 年 11 月 11 日 ( 水 ) 授業 2 場所 八幡平市立西根中学校 1 年 2 組教室 学級 1 年 2 組 ( 男子 17 名女子 13 名計 30 名 ) 授業者佐々木朋子 1 単元名いにしえの心にふれる蓬莱の玉の枝 竹取物語 から 2 単元

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

項目評価規準評価方法状況 C の生徒への対応 関心意欲態度 1 自の考えを持ち 積極的に交流 討論している 2 自らの言葉で 中学生にかりやすく紹介文を書こうとしている 交流 討論で得た仲間の意見を取り入れて 自らの考えを深めるよう促す 参考例を示したり 書き出しを例示したりして 参考にするように指

イ歌詞の表す情景や気持ちを想像したり, 楽曲の気分を感じ取ったりし, 思いをもっ て歌うこと ウ自分の歌声及び発音に気を付けて歌うこと エ互いの歌声や伴奏を聴いて, 声を合わせて歌うこと 音楽づくり ア声や身の回りの音の面白さに気付いて音遊びをすること イ音を音楽にしていくことを楽しみながら, 音楽

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解答類型

2年音楽

平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

Taro-平成21年度 音楽科 第3学

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考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

中学校第 3 学年国語科学習指導案 日時平成 28 年 月 日第 校時対象第 3 学年 組学校名 中学校授業者 1 教材名 故郷 2 単元の目標 情景や人物を描写する語句や表現を読み取り 内容への理解を深めることができる 作品を通して 社会の中での人間の生き方について考え 自分の意見をもつことができ

技術 家庭科学習指導案 安芸高田市立向原中学校指導者久保田美恵 1 日時平成 26 年 11 月 10 日 ( 月 ) 第 5 校時 (14:15~15:05) 2 場所 2 年教室 3 学年 学級第 2 学年男子 11 名女子 11 名計 22 名 4 題材名 食品の選択 小題材名 加工食品の選び

作品の情景をよりわかりやすく伝える手だてともなる 指導にあたって 1 では まず 俳句は17 音で作ることや季語を入れることと言ったきまりをおさえる そして 教科書の例を読み 想像した情景や作者の思いを想像し 良いと思うところ 工夫されていると思うところを発表できるようにする 2 の俳句を作る場面で

し, 定期的に評価することで 自己の考え を自覚する場面を意図的に設定している 本教材の学習においては, 様々な情報の中から必要な情報を取り出し, 整理 分析し, それに基づいた自分の考えを表現する活動を通して, 自己の考えの深まりや広がり を実感させることによって, 課題改善につなげたいと考えてい

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3 題材の目標 (1) 拍子やリズムの特徴を感じ取りながら 拍を感じて歌ったりリズム唱したりして 拍やリズムについて理解する 知識及び技能 (2) なかなかほい でリズムを感じて歌い遊ぶことを通して 音楽の構造を理解し 反復や変化などの音楽の仕組みを生かして まとまりのあるリズムをつくる 思考力 判

Microsoft Word - 平成28年度 第2回模範授業指導案(金田 指導案)

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第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

Microsoft Word - 小学校第6学年国語科「鳥獣戯画を読む」

座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

第○学年 ○○科指導計画

具体的な場面を設定し 実際に整理 整頓の計画を立てることで 実生活に繋げていくことができる よう指導していきたい また 第 3 次には環境とのかかわりについても押さえ 広い視野で考えられ るようにしていきたい 3 題材の目標 身の回りの整理 整頓に関心をもち 気持ちよく過ごそうとする 家庭生活への関

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

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8 題材の目標と評価規準 観点 1 観点 2 観点 4 音楽への関心 意欲 態度音楽的な感受や表現の工夫鑑賞の能力 題 オーケストラの多彩な音 オーケストラの多彩な音 オーケストラの多彩な音材色や豊かな響き 楽曲の構色や豊かな響き 楽曲の構色や豊かな響き 楽曲の構の成の働きによる曲想の変化成の働きに

4 教材について (1) 学習指導要領との関連 B 鑑賞ア楽曲の気を感じ取って聴くことイ音楽を形づくっている要素のかかわり合いを感じ取って聴くことウ楽曲を聴いて想像したことや感じ取ったことを言葉で表すなどして 楽曲や演奏の楽しさに気付くこと 共通事項 音楽を形づくっている要素についての指導内容ア (

た, 導入で扱うイメージキャラクターについて, デザインやネーミングの意図, 理由について疑問や関心を持つことにより, より北広島町に興味を持つことが可能となる その他, 調べる際に新聞記事を利用することにより, 記事をスクラップすることができる 記録性 に優れ, 疑問を解決するための手立て, 情報

○ ○ 科 学 習 指 導 案

○ ○ 科 学 習 指 導 案

第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

4. 題材の評価規準 題材の評価規準 については, B 日常の食事と調理の基礎 (2),(3), D 身近な消費生活 と環境 (1) の 評価規準に盛り込むべき事項 及び 評価規準の設定例 を参考に設定して いる 家庭生活への関心 意欲 態度 お弁当作りに関心をもち, おか 生活を創意工夫する能力

国語科第 1 学年熊野町立熊野中学校指導者森島登紀子 単元名 根拠を明確にして書こう 本単元で育成する資質 能力 自ら考え判断する力, 読解力 情報収集能力 1 日 時平成 29 年 11 月 16 日 5 校時 2 場 所 1 年 3 組教室 3 学年 学級第 1 学年 3 組 (27 名男子 1

第1学年国語科学習指導案

Taro-6学習指導案(事例①小学校

平成23年度第2回学力向上対策会議協議資料  <遠野市立綾織小学校>

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第1学年国語科学習指導案

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上に食に関する指導の充実が求められている 食環境の乱れが社会的課題とっている今日 中学生が食生活の自立を目指した学習をすることは大切なことであるので 本時は 自分や家族の食生活の中で見付けた問題点の改善に自主的に取り組むことができるように 指導を進めることにした 指導に当たっては これまでの学習を踏

指導内容科目国語総合の具体的な指導目標評価の観点 方法 読むこと 書くこと 対象を的確に説明したり描写したりするなど 適切な表現の下かを考えて読む 常用漢字の大体を読み 書くことができ 文や文章の中で使うことができる 与えられた題材に即して 自分が体験したことや考えたこと 身の回りのことなどから 相

国語科学習指導案 平成 25 年 6 月 25 日 ( 火 ) 5 校時 第 3 学年 A 組 ( 男子 12 名, 女子 15 名計 27 名 ) 授業教室 3A 教室 指導者相田健太郎 (T1) 柿内香予 (T2) 1 単元の学習指導について (1) 単元名 近現代の短歌 俳句 読もう 詠もう短

○ ○ 科 学 習 指 導 案

評価規準の作成,評価方法等の工夫改善のための参考資料|国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research

(3) 本題材における指導本題材は 音を出す素材を発見したり音の出し方を工夫したりする自由な音づくりから 自分たちの思いや意図に合った音づくりや音の組合わせを工夫していく さらに 音の特徴や音色の違いを感じ取って 想像豊かに聴いたり表現したりすることができるようにすることをねらいとしている 音楽を構

のイ 音楽を形づくっている要素のかかわり合いを感じ取り 楽曲の構造に気をつけて聴くこと ウ 楽曲を聴いて想像したことや感じ取ったことを言葉で表すなどして 楽曲の特徴や演奏のよさに気づくこと に関るものである ここでは 声や楽器の音 身近に聴くことのできる様々な音に関心をもって耳を傾けるとともに 表現

第2学年 美術科学習指導案

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実態調査 (6 月 1 日実施 ) 1 小学校で歌ったことのある曲に をつけましょう ( 季節感のある楽曲 ) 学年 知らない知っている 学年 知らない知っている 小学 うみ ( 夏 ) 0 29 小学 こいのぼり ( 春 ) かたつむり ( 梅雨 ~ 初夏 ) 赤とんぼ

Taro-15事例10.jtd

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3 僕が蝶を一つ一つつぶしたのは償いのためであとすこれらは 生徒の感想や疑問をもとに教師が設定した人物像 行動 結末の意図に焦点を当てて3つに絞ったそれぞれを賛成 反対 2つの視点から読み進めていくには 討論会の形式で提示すことが有効であ討論会の班編成は まず課題に対して自分が肯定か否定かを考えさせ

Transcription:

音楽科学習指導案 安芸高田市立向原中学校 教諭 山口 彩 1 日 時 平成 26 年 9 月 25 日 木 5 校時 13:35~14:25 2 学年 学級 1 年 A 組 B 組 C 組 男子 11 名女子 14 名合計 25 名 3 場 所 向原中学校音楽教室 4 題材名 詩の内容と音楽が一体となった歌曲のよさを味わおう 5 教材名 魔王 シューベルト作曲 6 題材について 1 題材観本題材は, 中学校学習指導要領 平成 20 年 の 第 1 学年 の B 鑑賞 の内容のうち,1 指導事項ア 音楽を形づくっている要素や構造と曲想とのかかわりを感じ取って聴き, 言葉で説明するなどして, 音楽のよさや美しさを味わうこと, 共通事項 のうち音色, リズム, 旋律, 強弱を扱う 本題材では, シューベルト作曲の歌曲 魔王 を教材とする この教材は, 詩を手がかりに情景をイメージしたり, 詩を手がかりにイメージした情景と関わらせながら音楽を形づくっている要素や構造を捉えたりする学習を行うなどの視点から, 中学生の鑑賞の学習に適したものの一つである この題材を扱うことによって, 旋律や強弱, 伴奏の変化や音の高低の知覚を深めながら, それらの働きと場面の描写や登場人物の心情の変化との関わりを感じ取る能力を身につけることができると考える 2 生徒観生徒の実態として, 本学級の生徒は, 特に和太鼓等の大きな身体の動きを伴った活動の際, 意欲的に取り組むことができる 音楽の授業についてのアンケートでは, 音楽を聴くことが好きである という問いに対して,81.7% の生徒が肯定的な回答をしている しかし, クラシック音楽を聴くことが好きである という問いに対しては, 好きである と回答した生徒が9.0%, まあまあ好きである と回答した生徒が18.1%, あまり好きでない と回答した生徒が59.0%, 嫌いである と回答した生徒が13.6% と, 否定的な回答の割合が多い その理由としては, 普段はあまり聴く機会がないから 眠くなるから J-POPの方が好きだから 歌詞がわからないから といった内容が目立った この結果から, 生徒はクラシック音楽に対して退屈な印象を持ち, よさを見いだせていないことがうかがえる 鑑賞領域においては, これまで 春 ヴィヴァルディ作曲 を通して, 楽曲が表している情景を自分なりに想像しながら聴いたり, それと関わらせながら音楽を形づくっている要素や構造を捉えたりする学習を行ってきた その中で, 強弱や速度を捉えることは大体の生徒ができているが, 旋律を捉えることには課題が残っている 本題材では, 伴奏の変化を中心に, 音楽を形づくっている要素や構造を知覚 感受し, 詩の内容との関わりを感じ取らせることで, どのような効果が生み出されているのかを感じ取らせたい 3 指導観本題材では, 楽曲の魅力や特徴を自分なりに捉え, それを言葉で説明することによって, 思考力 判断力だけでなく, 表現力の向上も目指す また, 他者との意見交流を通して, 多様な捉え方や感じ方があることを理解させたい また本題材では, 生徒が楽曲を聴く中で知覚 感受したことを, 言語活動を用いて思考 判断する学習活動を設定した そうすることで, 音楽を形づくっている要素と曲想の変化との関わりについてなど, 生徒自らが気づき感じたことを, 根拠をもって批評する力を伸ばしたいと考える

本時では, 鑑賞する際に着目する [ 共通事項 ] を4つ示し, 強弱 を必ず手がかりとすることに加え, 音色 リズム 旋律 のいずれかを生徒自らが選択し着目することとした そうすることで, 個々の生徒のレベルに応じた学習となり, 努力を要する 状況と判断した生徒にも無理のない学習活動となると考える さらに, 学習意欲を高める視点から, 全体での意見交流を取り入れた授業展開を行い, 生徒同士の共感的人間関係を育成するとともに, 個々の生徒の自己存在感の高陽を図りたい 7 題材の目標 魔王 の音楽を形づくっている音色, リズム, 旋律, 強弱を知覚し, それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら, 要素や構造と曲想との関わりを感じ取って聴き, 主体的に解釈したり価値を考えたりして, 音楽のよさや美しさを味わうことができる 8 題材の評価規準 音楽への関心 意欲 態度 1 魔王 の音楽を形づくっている音色, リズム, 旋律, 強弱や構造と曲想との関わりに関心をもち, 鑑賞する学習に主体的に取り組もうとしている 鑑賞の能力 1 魔王 の音楽を形づくっている音色, リズム, 旋律, 強弱を知覚し, それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受している 2 知覚 感受しながら, 魔王 の音楽を形づくっている要素や構造と曲想との関わりを感じ取って, 解釈したり価値を考えたりし, 言葉で説明するなどして, 音楽のよさや美しさを味わって聴いている 9 指導と評価の計画 全 3 時間 時間 学習活動 学習内容 評価規準 評価方法 共通事項 1 魔王 の全体の流れを聴き, 音楽の雰囲気などを感じ取る 魔王 を聴いて, 感じ取ったことを自由に意見交流する 教師は, 生徒の発言の中から, 音色, リズム, 旋律, 強弱に関わるものを取り上げ, 板書を用いて整理する 4 人の登場人物をどのように表現しているかを感じ取る 4 人の登場人物を1 人の歌手が歌い分けていることを知る 語り手, 子, 父, 魔王 教科書の詩を読んで, その内容から4 人の様子を理解する シューベルト, ゲーテについて理解する 教科書で確認する 魔王 の音楽を形づくっている音色, リズム, 旋律, 強弱や構造と曲想との関わりに関心をもち, 鑑賞する学習に主体的に取り組もうとしている 音楽への関心 意欲 態度 1 観察, ワークシート Ⅰ 音色リズム旋律強弱

2 本時 各登場人物の特徴を表すために, どのような工夫 がされているかを感じ取る 音楽を聴き取りながら, 音色, リズム, 旋律, 強 弱の意味などを教師の説明を聞いて理解する 子と魔王の特徴的なフレーズを聴き, どちらの セリフか, 音楽のどのようなところからそう思 ったか をワークシートに書き, 意見を発表し合 う 子と魔王の音楽を聴き, それぞれにどのような音 楽的工夫がされているか感じ取る 3 ピアノ伴奏の前奏部分のみをリズムに着目して 聴き, 何を表現しているのかを感じ取る 学習を振り返りながら紹介文を書き, よさや美し さを味わって聴く 魔王 の音楽について, 自分が気に入ったとこ ろなど, ぜひ他の人に紹介したいこと を紹介文 にまとめる その際, 音楽から想像したことや 感じ取ったこと と その理由 を含めて書く その理由 については, 音色 リズム 旋 律 強弱 のうちから 2 つ以上の言葉を用いる 紹介文を基に意見交流をする 魔王 の音楽を形づくっている音色, リズム, 旋律, 強弱を知覚し, それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受している 鑑賞の能力 1 ワークシートⅡ 魔王 の音楽を形づくっている要素や構造と曲想との関わりを感じ取って, 解釈したり価値を考えたりし, 言葉で説明するなどして, 音楽のよさや美しさを味わって聴いている 鑑賞の能力 2 ワークシートⅢ 音色リズム旋律強弱音色リズム旋律強弱 10 本時の目標 それぞれの登場人物の声の音色や, 子の声の高さの変化, 詩の内容に合わせた強弱, 伴奏のリズムの変 化を知覚し, それらの働きが生み出す特質や雰囲気を, 詩の内容と関わらせながら感じ取ることができる 11 本時の評価規準おおむね満足できる状況 B ワークシートⅡ 1に 誰の音楽 セリフ か を書き, かつ,2の その理由 に, 音色 リズム 旋律 強弱 のいずれを選択した場合も 魔王 の音楽についての内容を書いている さらに,3 に 登場人物ごとにどのような音楽的工夫がされていたか, 詩の内容と関わらせて書いている 十分満足できる状況 A ワークシートⅡ 1に 誰の音楽 セリフ か を書き, かつ,2の その理由 に, 音色 リズム 旋律 強弱 のいずれを選択した場合も 魔王 の音楽的な特徴として的確な内容を書いている さらに,3に 登場人物ごとにどのような音楽的工夫がされていたか, 詩の内容と関わらせて, 具体的かつ音楽的な特徴として適切な内容を書いている 努力を要する 状況C と判断した生徒への指導の手立て どの要素に着目すればよいか分からない生徒には, 音の高低や明暗 旋律 を手がかりにして聴くよう指導する 2 人の登場人物について, 要素を聴き取れない生徒に対しては,1 人だけでも聴き取るよう助言する

12 設定した言語活動を通して育てたい力 魔王 の音楽を聴いて感じたことを, 音楽を形づくっている要素 それぞれの登場人物の声の音色や, 子の声の高さの変化, 詩の内容に合わせた強弱, 伴奏のリズムの変化 を手がかりとして, 他者に伝えることができる 13 準備物教科書 教育芸術社 中学生の音楽 1, ファイル, 自己評価シート, 筆記用具 14 本時の学習展開 2 時間目 / 全 3 時間 導入 5 分 学習活動 学習内容 1 課題意識をもたせる 前時での意見交流から, 音 楽の雰囲気について感じた ことを想起する 指導上の留意事項 努力を要する 状況と判断した生徒への指導の手立て < 生徒指導の三機能 > 前時での意見交流をもとに, 曲を聴いて 感じ取ったことについての生徒の発言の 中から, 音色 リズム 旋律 強弱 に関わるものを整理し, スライドで視覚 化する 評価規準 観点 評価方法 前時の生徒の発言例 最後の部分は悲しい歌い方で, 子が亡くなったのが伝わった 音色 ピアノ伴奏は, 同じ音の連打が多用されており, 雨が打ち付けている様子が浮かんだ リズム 子のセリフ部分は, だんだんと音が高くなっていった 恐怖が増し, 父に助けを求めて叫んでいるようだった 旋律 魔王の最後のセリフ部分で, 音が強くなったことで, 優しかった魔王が本性を現した感じがした 強弱 4 人の登場人物を 1 人の歌 手が歌い分けていることを 復習する 2 本時のめあてを確認する 魔王 の詩の内容と音楽との関わりを感じ取り, 子と魔王の部分の音楽的な工夫についてまとめよう 自己評価シートに, 本時の 内容およびめあてを記入す る

展開 35 分 3 各登場人物の特徴をそれぞれ表すために, どのような工夫がされているかを感じ取る 音楽を聴き取りながら, 音色, リズム, 旋律, 強弱の意味などを教師の説明を聞いて理解する 子と魔王の特徴的なフレーズを聴き, どちらのセリフか, 音楽のどのようなところからそう思ったか をワークシートに記入する 考えを発表し合う 子と魔王の特徴的なフレーズを聴かせ, どちらのセリフだと思うか質問する なぜその人物だと思ったか, 理由も考えさせる その際は, 次の要素から2つを手がかりとさせる 魔王 の音楽を形づくってい 要素 る音色, リズム, 音色, リズム, 旋律, 強弱旋律, 強弱を知その際,1 つは教師が提示をする 強弱 覚し, それらのもう1つは生徒自身に決定させる 働きが生み出す < 自己決定の場を与える> 特質や雰囲気を感受している 着目する要素を, 生徒自身に1つまたは 鑑賞の能力複数選択させる 1 どの要素に着目すればよいか分からない ワークシート生徒には, 音の高低や明暗 旋律 を手 Ⅱ がかりにして聴くよう指導する 2 人の登場人物について, 要素を聴き取れない生徒に対しては,1 人だけでも聴き取るよう助言する 2つの要素同士の関わりについても考えさせる 一人一人が自信をもって自分の考えを発表し, 仲間の意見も大切にする雰囲気をつくる < 共感的人間関係を育成する> 言語活動の充実 < 自己存在感を高める> 予想される生徒の反応 子 : 助けを求めて叫んでいる感じがしました 理由は, 高い音域を使い, フレーズごとに音の高さが上がっていったからです 音色旋律魔王 : 最初は優しくて, 最後に本性を現したように感じました 伴奏形が他の登場人物とは異なり, 長調で子を誘うような優しい音色がするし, 最後には激しく, 短調になるからです リズム音色強弱

子と魔王の音楽を聴き, それぞれにどのような音楽的工夫がされているか感じ取る 子 魔王 歌唱だけでなく, ピアノ伴奏にも焦点を当てることで, それぞれが相乗効果をもたらし, 物語を劇的に表現していることに気づかせる スライドやワークシートを活用して, 確実に学習させる 登場人物ごとに, 音楽的な特徴を板書し, 振り返りの際に役立てる まとめ 10 分 4 本時のまとめを行う 登場人物ごとにどのような音楽的工夫がされていたか, 詩の内容と関わらせてまとめる 生徒のまとめ例 期待する生徒の姿 子 : 高い音域を使うことで子どもの声の感じを出していた また, フレーズごとに一音ずつ高い音を使うことで, 恐怖心の高まりや, 父に助けを求めている感じがよく表れていた 魔王 : 前半のピアノ伴奏が, 前奏や他の登場人物のときに使われている同じ音の連打ではなく, 音が細かく動いており楽しい雰囲気だった また, 長調で優しい音色だったが, 最後にとても強く激しい音色に変化し, 魔王の本性である凶暴さが表れていた 5 本時を振り返り, 次時に つなげる 音楽を形づくっている要素を手がかりにして鑑賞することで, 詩の内容と音楽の関わりを感じ取ることができることを整理する 次時ではピアノ伴奏の前奏部分に焦点を当てて鑑賞するとともに, 全曲を通して聴き紹介文を書くことを伝え, 次時の学習につなげる

15 板書計画 9 月 25 日 木 魔王 / シューベルト作曲めあて 魔王 の詩の内容と音楽との関わりを感じ取り, 子と魔王の部分の音楽的な工夫についてまとめよう 手がかりとなる要素音色リズム旋律 1つ選ぶ強弱 必ず使う子魔王 授業の流れ 1 復習 2 めあての確認 3 登場人物を表すための工夫 4 まとめ, 振り返り 生徒の考え 理由 生徒の考え 理由 高い音域 他の人物とは異なるピアノ伴奏 1 音ずつ音が高くなる最初は優しい音色 短調 最後に強く, 激しくなる 長調 短調