基本認識

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Ⅱ.1 ワーク ライフ バランス施策の定義と類型 (1) ワーク ライフ バランス施策とは work-life balance 1 (2) ワーク ライフ バランス施策の類型

対応していくためには 職員一人ひとりの公務に対する意欲と能力を高め 組織をより活性化し 公務の質を高く保つことが求められている そのためには 各職員の能力と勤務実績を的確に評価し その結果を反映した人事管理を推進していくことが重要である 知事部局等においては 平成 28 年 4 月に施行された地方公

4 子育てしやすいようにするための制度の導入 仕事内容への配慮子育て中の社員のため以下のような配慮がありますか? 短時間勤務ができる フレックスタイムによる勤務ができる 勤務時間等 始業 終業時刻の繰上げ 繰下げによる勤務ができる 残業などの所定外労働を制限することができる 育児サービスを受けるため

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スライド 1

ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)  レベル診断チェックシート

改正要綱 第 1 国家公務員の育児休業等に関する法律に関する事項 育児休業等に係る職員が養育する子の範囲の拡大 1 職員が民法の規定による特別養子縁組の成立に係る監護を現に行う者 児童福祉法の規定により里親である職員に委託されている児童であって当該職員が養子縁組によって養親となることを希望しているも

参考 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに 家

働き方の現状と今後の課題

Microsoft Word - 4AFBAE70.doc

職場環境 回答者数 654 人員構成タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % % 質問 1_ 採用 回答 /654 中途採用 % 新卒採用 % タ

内閣府令本文

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Microsoft Word - H29 結果概要

総務省テレワーク推進計画 平成 27 年 6 月 5 日総務大臣決定 政府方針である 国家公務員テレワーク ロードマップ ( 平成 27 年 1 月 21 日 : 各府省情報化統括責任者 (CIO) 連絡会議決定 ) が定められ 2020 年度までを視野に入れた各府省等におけるテレワーク推進計画を策

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参考 1 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに

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(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

Microsoft Word - H29市町村職員の勤務条件等の状況

テレワーク制度等 とは〇 度テレワーク人口実態調査 において 勤務先にテレワーク制度等があると雇用者が回答した選択枝 1 社員全員を対象に 社内規定などにテレワーク等が規定されている 2 一部の社員を対象に 社内規定などにテレワーク等が規定されている 3 制度はないが会社や上司などがテレワーク等をす

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女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

第 1 章調査の実施概要 1. 調査の目的 子ども 子育て支援事業計画策定に向けて 仕事と家庭の両立支援 に関し 民間事業者に対する意識啓発を含め 具体的施策の検討に資することを目的に 市内の事業所を対象とするアンケート調査を実施しました 2. 調査の方法 千歳商工会議所の協力を得て 4 月 21

厚生労働省発表

第第第ライフスタイルに対する国民の意識と求められるすがた50 また 働いていないが 今後働きたい と回答した人の割合は 男性では 7.4% であるのに対し て 女性は19.1% である さらに 女性の中では 30 代の割合が高く ( 図表 2-1-2) その中でも 特に三大都市圏で高い割合となってい

等により明示するように努めるものとする ( 就業規則の作成の手続 ) 第 7 条事業主は 短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し 又は変更しようとするときは 当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする ( 短時間労働者の待遇の原

4-1 育児関連 育児休業の対象者 ( 第 5 条 第 6 条第 1 項 ) 育児休業は 男女労働者とも事業主に申し出ることにより取得することができます 対象となる労働者から育児休業の申し出があったときには 事業主は これを拒むことはできません ただし 日々雇用される労働者 は対象から除外されます

基本情報 () 非常勤職員の総数 調査対象に該当する非常勤職員の総数は 期間業務職員が 30,429 人 (54%) 期間業務職員以外の非常勤職員が 25,590 人 (46%) 合計で 56,09 人 ( うち女性 42,456 人 76%) だった (2) 非常勤職員が所属する機関 非常勤職員が

従業員に占める女性の割合 7 割弱の企業が 40% 未満 と回答 一方 60% 以上 と回答した企業も 1 割以上 ある 66.8% 19.1% 14.1% 40% 未満 40~60% 未満 60% 以上 女性管理職比率 7 割の企業が 5% 未満 と回答 一方 30% 以上 と回答した企業も 1

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女性が働きやすい制度等への見直しについて

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1. 口座管理機関 ( 証券会社 ) の意見概要 A 案 ( 部会資料 23: 配当金参考案ベース ) と B 案 ( 部会資料 23: 共通番号参考案ベース ) のいずれが望ましいか 口座管理機 関 ( 証券会社 ) で構成される日証協の WG で意見照会したところ 次頁のとおり各観点において様々

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の手支援策の紹介事例の紹介1 ページに記載した法改正の趣旨や内容を十分に理解した上で 以下の手順で制度導入を進めましょう STEP 1 STEP 1 STEP 2 STEP 3 STEP 4 有期社員の就労実態を調べる社内の仕事を整理し 社員区分ごとに任せる仕事を考える適用する労働条件を検討し 就業

制度名 No. 1 ( 働 1) フレックスタイム制度 対象者: 営業職の正社員 労働時間の清算期間: 毎月 1 日から末日までの1か月 1 日の所定労働時間は 8 時間 清算期間内の総労働時間: 1 日あたり8 時間として 清算期間中の労働日数を乗じて得られた時間数 ただし 清算期間内を平均し1

平成 29 年 4 月 12 日サイバーセキュリティタスクフォース IoT セキュリティ対策に関する提言 あらゆるものがインターネット等のネットワークに接続される IoT/AI 時代が到来し それらに対するサイバーセキュリティの確保は 安心安全な国民生活や 社会経済活動確保の観点から極めて重要な課題

目 次 Ⅰ 子育てのサポート 1 妊娠前 妊娠中のサポート 1 生理休暇 2 不妊治療の受診 3 妊娠障害 ( つわり ) 休暇 4 健康診査及び保健指導に係る休暇 5 危険有害業務の就業制限 6 深夜勤務及び時間外勤務の制限 7 通勤緩和措置 8 職員の休息等 2 出産前後のサポート 1 産前 産

事務連絡 平成 26 年 4 月 23 日 各実施機関実施責任者殿 各実施機関事務連絡担当者殿 文部科学省科学技術 学術政策局 人材政策課 科学技術人材育成費補助金により雇用する研究者等に係る人件費の取扱いについて 旧科学技術振興調整費 ( 以下 旧調整費 という ) の課題を実施する研究者等の人件

市町村における再任用制度の構築・運用に向けて

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地域包括支援センターにおける運営形態による労働職場ストレス度等の調査 2015年6月

Microsoft PowerPoint - 2の(別紙2)雇用形態に関わらない公正な待遇の確保【佐賀局版】

深夜勤務の制限 5 妊産婦の時間外 休日 妊娠中の女性が 母体または胎児の健康保持のため 深夜勤務や時間外勤務等の制限を所属長に請求できます 病院助手専攻医臨床研修医 6 妊娠中の休息 妊娠中の女性は 勤務時間規程に規定する 職務に専念する義務の免除 を利用して 母体または胎児の健康保持のため 勤務

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)各 職場復帰前 受入方針の検討 () 主治医等による 職場復帰可能 との判断 主治医又はにより 職員の職場復帰が可能となる時期が近いとの判断がなされる ( 職員本人に職場復帰医師があることが前提 ) 職員は健康管理に対して 主治医からの診断書を提出する 健康管理は 職員の職場復帰の時期 勤務内容

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図表 1 人口と高齢化率の推移と見通し ( 億人 ) 歳以上人口 推計 高齢化率 ( 右目盛 ) ~64 歳人口 ~14 歳人口 212 年推計 217 年推計

4-1 育児関連 休業期間を有給にするか 無給にするかは 就業規則等の定めに従います また 雇用保険に加入している労働者には 国から給付金が支給されます (P106 参照 ) 産前産後休業期間中及び育児休業期間中は 労働者 使用者とも申請により社会保険料が免除になります 育児休業の対象者 ( 第 5

男女共同参画に関する意識調査

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2018年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果

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23 歳までの育児のための短時間勤務制度の制度普及率について 2012 年度実績の 58.4% に対し 2013 年度は 57.7% と普及率は 0.7 ポイント低下し 目標の 65% を達成することができなかった 事業所規模別では 30 人以上規模では8 割を超える措置率となっているものの 5~2

特例子会社を設立しようとお考えの企業の皆様 特例子会社を運営している企業の皆様

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

表紙案8

ニュースリリース:P&G「ダイバーシティ時代の“管理職1000人の本音”調査」を実施(参考資料)

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Microsoft Word - 行動計画(ダイジェスト)【最終版】

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第 3 章 雇用管理の動向と勤労者生活 ては 50 歳台まで上昇する賃金カーブを描いており 他の国々に比して その上昇テンポも大きい また 第 3 (3) 2 図により勤続年数階級別に賃金カーブをみても 男女ともに 上昇カーブを描いており 男性において特に その傾きは大きくなっている なお 女性につ

今回の改正によってこの規定が廃止され 労使協定の基準を設けることで対象者を選別することができなくなり 希望者全員を再雇用しなければならなくなりました ただし 今回の改正には 一定の期間の経過措置が設けられております つまり 平成 25 年 4 月 1 日以降であっても直ちに希望者全員を 歳まで再雇用

2015年 「働き方や仕事と育児の両立」に関する意識(働き方と企業福祉に関する

指定特定相談支援事業 指定障害児相談支援事業の指定に係る Q&A 注意事項事業の実施にあたっては, 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準 や 児童福祉法に基づく指定障害児相談支援の事業の人員及び運営に関する基準 等を必ず確認

個人情報保護法の3年ごと見直しに向けて

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指針に関する Q&A 1 指針の内容について 2 その他 1( 特許を受ける権利の帰属について ) 3 その他 2( 相当の利益を受ける権利について ) <1 指針の内容について> ( 主体 ) Q1 公的研究機関や病院については 指針のどの項目を参照すればよいですか A1 公的研究機関や病院に限ら

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男女共同参画に関する意識調査

Microsoft Word - notes①1210(的場).docx

第22回規制改革会議 資料3

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Microsoft Word 第二弾【公開版】改正育介法Q&A

庁内文書


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Microsoft Word - 内部統制システム構築の基本方針.doc

スライド 1

改定事項 基本報酬 1 入居者の医療ニーズへの対応 2 生活機能向上連携加算の創設 3 機能訓練指導員の確保の促進 4 若年性認知症入居者受入加算の創設 5 口腔衛生管理の充実 6 栄養改善の取組の推進 7 短期利用特定施設入居者生活介護の利用者数の上限の見直し 8 身体的拘束等の適正化 9 運営推

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

平成23年9月29日WG後修正

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佐藤委員提出資料

Transcription:

資料 1 今後の公務における働き方の変化と在宅勤務の導入について ( 前々回 前回の議論のポイントの整理 ) 基本認識 ( 目指すべき公務員の働き方の在り方 ) 民間企業におけるテレワーク導入には 生産性の向上に繋げるという面と ワークライフバランスを重視する職員のニーズに応え 優秀な人材の確保を図るという2つの面がある 公務においても 生産性の向上 個人のワークライフバランスの実現 人材の確保 活用等の観点から ライフステージに応じた職員のニーズを踏まえつつ 働き方の多様化 柔軟化を進めることが必要 民間準拠で給与が決定される公務員の場合 給与面で人材を惹きつけることは期待できない 今までとは発想を変えなければ 今後ますます公務に優秀な人材を確保することは困難 勤務形態を弾力化して働きやすい職場を作ることが 優秀な人材を公務に誘致 確保していくためには必要 在宅勤務は柔軟な働き方の選択肢の一つ 在宅勤務を導入する場合 働き方の多様化 柔軟化を進めることが前提となる また このことは 在宅勤務の導入ということにとどまらず 公務の働き方や仕事の構造の全般的な見直しという幅広い方向につながる 在宅勤務は 職員が自律的に職務を遂行し 仕事の成果を出せるということが前提 民間企業では 職員の自律性を重視している 職員の側にもそのような自覚と十分な職務遂行能力 高い規律が求められる 今までの公務の働き方 仕事の進め方 現在の公務組織においては 上司が服務管理をしながら仕事を命じてやらせるという勤務管理の方式をとっている 現在の公務では 仕事が課や係単位で割り当てられており 個人ではなくチーム単位で処理する場合が多い また 個人の分担範囲が実際上必ずしも明確ではなく 状況に応じて弾力的な事務処理をチームとして行うことが多い このため 情報の授受や 業務の方針や執行に関する意思統一も チーム単 - 1 -

位で行われることが多い 業務の構造の見直しの必要性 IT 化の進展などにより公務をめぐる状況は大きく変化している 現在の働き方が本当に最適なものなのかどうかは実はよくわからない 公務組織においても 効率的な業務の遂行 生産性の向上という面から 業務の構造や仕事の仕方を見直すことが必要 今後 高齢化や労働人口の減少が見込まれる中で 優秀な人材を確保し 長く働き続けてもらうことが重要な課題 男性も女性も育児と仕事を両立させなければならない社会となり 高齢者の活用も課題となる これに対応するためには ライフステージに応じた多様で柔軟な働き方が可能となるようにすることが必要 特に 子育て等の時期に職員が多様 柔軟な働き方を選択することができるようにすることは 優秀な人材を公務に誘致し 働き続けてもらうために重要 全員が長時間職場にいるというような働き方は変えていかなければならない 公務組織においても 現在の業務の構造や仕事の仕方を見直し 職員の自主性や創意工夫をより生かす方向で 働き方の多様化 柔軟化を進めていくことが必要 公務と民間とで必ずしも大きな違いがあるのではなく 問題は仕事の任せ方である 職掌の境界が不明確で 職務内容がその都度決まるという構造をどう変えていくかということが大きな課題 チーム単位で行動して分担範囲が不明確であるのを 1 人 1 人に明確な指図を与えるような仕事の仕方にしないといけない 女性が働きたいと思うような職場をつくらなくてはならない 女性職員の数が一定水準を超えると 女性が長く働き続けられるように働き方を変えないとまわらなくなる 在宅勤務導入の位置付け 導入の進め方 公務組織においても 業務の効率化 個人のワークライフバランス 人材確 - 2 -

保の観点から 職員の自主性や創意工夫をより生かす方向で業務の構造や仕事の仕方を見直し 働き方の多様化 柔軟化を進めることが必要 在宅勤務については 在宅で集中して業務に取り組むことによる業務の生産性 効率性の向上 時間管理を個人にまかせることによる職員の自律性 自己管理能力の向上 職員のストレスの緩和といった効果が期待できる また 職員側においても 通勤時間の緩和等による生活の質の向上 育児介護等の事情を抱えた職員の就労継続 ライフワークバランスの実現 といった効果が期待でき 職員の満足度の増加に資する 在宅勤務の導入は 場所の面での柔軟化を進める方向での見直しの一つ 公務において率先して在宅勤務の導入を図るべき 在宅勤務は 業務の構造の見直しを進める中で 活用が可能となる条件が整ってくるもの 在宅勤務の導入を進めるには 業務構造の見直し 働き方の多様化 柔軟化を進めることを第一に考えていくべき 在宅勤務の導入については 現在の試行段階の第 1 ステージから長期的目標としての第 4 ステージまで 複数の段階 ( ステージ ) を設定して考えることとするのが有効 子育てをする場合にも昇進に影響がなく やりたい仕事ができる必要がある 在宅勤務の導入の目標を明確にするべきである そうでないと 給与面等での処遇が厳しい状況の中では 優秀な人材を公務に確保することが難しい 週 1 日程度であれば 1 日分の仕事を切り出すことでテレワークが可能であるが 少子 高齢化が進展する中で 子育てのための時間の確保や在宅介護への対応 障害者の雇用や加齢による体力低下への対応 といった観点から 最終的には まとまった期間 普通に在宅勤務ができるようにすることを目指すべき 業務管理と業務の切り出し 職場勤務の場合と在宅勤務の場合とで同様の業務管理が可能であるかどうか 換言すれば 部下が上司の目の前にいるときといないときとで 同じように - 3 -

業務管理ができるのかということが問題となる 同様に業務管理ができるのであれば 在宅勤務のために特段業務を切り出して行う必要はないことになる 一方 同様に業務管理をすることはできないのであれば 業務管理上支障がない業務だけを切り出して在宅勤務を行うということになる 業務管理に関連した整理の方向としては選択肢が3つある 1 業務管理は従来のままで業務の切り出しを行わずに現在の業務のままで在宅勤務を行う 2 業務管理は従来のままで切り出し可能な業務のみ在宅勤務を行う 3 成果主義の導入等により業務管理の在り方を変更し切り出し可能な業務を増加させて在宅勤務を行う の 3 つである 公務における在宅勤務については これらのいずれをも視野に入れる必要がある 公務においては業務管理は当局側が行っていることから 在宅勤務をする場合は 通常何らかの業務管理の見直しが必要な場合が多いものと考えられる このため 在宅勤務の実施に当たっては 当面 業務の切り出しが一番の焦点となる 業務の切り出しについては 対象業務が限定されるような印象を与えることがないようにするとともに 在宅勤務を任せられる職員が在宅勤務を希望する場合に どういう業務が在宅勤務として可能なのか 適切なのかを判断できる程度のものを示すことが必要 在宅勤務に適した業務については 上司の意欲と的確な仕事の切り出しを行うということが重要であり それがしっかりしていて 成果をチェックできるような仕組みがあれば 適した業務はそれなりにあるのではないか あらかじめ業務に限定をかけてしまうと対象となる業務が非常に少なくなってしまう可能性が高いので 何を変えればこのような業務を在宅勤務で行うことができるようになるかという実験的なアプローチが必要 在宅勤務の際に情報通信機器を常時通信可能な状態にすれば ある程度の勤務時間管理は可能なので フレキシビリティの高い働き方でなくても在宅勤務を行うことはできるものと考えられる 在宅勤務の対象者については 育児と介護だけでなく なるべく多くの事由がある方がバランスがよい 育児 介護以外の理由でも使い得るということを示す方がよい 傷病後の療養のための在宅勤務の需要もあるので - 4 -

健康状況なども配慮できるように考えていく方が ワークライフバランス の時代としては適切である 在宅勤務可能な職種 職場が限定されないように 幅広い職場 職種での在宅勤務がイメージできるようにすべきである どこの職場でも在宅勤務の実施の可否の検討は最低でもすべきである 在宅勤務可能な部署に異動させ一部の部署でのみ在宅勤務を実施するという形では 小さくまとまってしまう可能性がある 一般職の職員の中で 地方機関の職員の占める割合は大きい これらの職員 の勤務形態の弾力化を図ることも考える必要がある 公務の中でも特殊性がある業務については 特有の問題点や困難性があるの でその点を明確にする必要がある 業務を分類し それぞれの仕事の仕方や業務実施の責任の在り方を考える必要がある 業務の成果を適正に評価する仕組みを導入していくことで 在宅勤務の対象となる業務をできる限り限定しないようにすることが必要である 勤務時間管理 勤務時間制度 職場では 固定的な勤務時間管理をしているのに 在宅勤務にだけ特別な勤務時間制度や勤務時間管理の仕組みを導入し 柔軟性の高い働き方を認めることは 職場で勤務する職員の理解を得られにくくなるおそれがある 職場の勤務時間管理をそのまま在宅でも適用するというやり方が現実的 情報機器など技術的なサポートを活用すれば 自宅であっても職場と同じような環境 ( バーチャルオフィス ) を作ることは可能である 勤務時間制度面でも 現実の職場とテレワークをしている職員とを地続きで考えられるよう 在宅勤務時の勤務時間管理は 普通の職場と同じ勤務時間管理とすることを原則とすべきである 将来的に勤務時間管理の弾力化を進めるとしても 在宅勤務についてだけでなく 職場勤務も含めた全体の仕組みについて行うべきである 裁量労働制の適用拡大や 休憩時間帯を職員の判断で随時設定できる制度などは 将来の課題としてはあり得ないことではないが 現段階においては現在の勤務時間管理 勤務時間制度を前提とするべきである - 5 -

勤務時間中の私的行為については 通常の職場勤務の場合と同様に考えればよい すなわち 社会常識上 職場で認められるような範囲のものであれば認められるが そうでなければ職場における場合と同様に認められないと考えるべき 育児 介護目的の在宅勤務について 育児 介護を行う職員が 在宅勤務のような柔軟な勤務形態を選択できるよ うにすることは必要 ただし 育児 介護目的での在宅勤務であっても 勤務時間中は職務に専念することが原則である 在宅勤務時の育児 介護のために特殊な勤務時間制度を設けることは 職場で勤務する職員の理解が得られず 適当ではない 育児については 子供の年齢等にもよるが 未就学児の場合はベビーシッターなど保育のための措置を講じて業務に専念できる環境をつくることが必要 短時間勤務やフレックスタイム制と組み合わせることにより 子供の保育のための時間を確保することも考えられる 介護についても 要介護度によって状況は異なるが 他の制度との併用によ り対応するのが適当 また 介護のための行為に関する時間の目安が必要 なお 育児や介護に係る緊急事態の際には 上司の了解を得るとともに その時間に応じて年次休暇を取得する等によって対応することとするのが 適当 育児 介護の必要がある職員を在宅勤務させようとする場合 実際上 特定の部署への配置転換により対応する人事運用が行われることが予想されるが 育児 介護に従事する期間が長くなるほど処遇の不平等の意識が芽生えることにもなるので 望ましいこととはいえない そのようなことにならないようにするためにも できる限り幅広い職場 職種で在宅勤務を実施する方向で検討するべきである - 6 -

属人的要件 ( 自己管理能力 ) について 自己管理能力は 職務との間において発現されるものであって 業務上必 要とされる能力と考えるべき 在宅勤務の対象者は 自己管理能力があると認められる者であることが必要であるが 現在は 通信機器の常時接続等により勤務時間管理が可能となっていることもあり 自己管理能力の有無を厳格に客観的に評価するまでの必要はない ただし 自己管理能力があることを完全に外してしまうと 問題が生じるおそれもあるので 要件には加えておく必要がある また 在宅勤務を行う者について 一定期間の指導や研修を受けさせるこ ととすることは必要である 在宅勤務を実施したところ問題が発生したような場合は 在宅勤務を中止 させる等の対応をとることでよい その他 テレワークをしたことで不利益な取扱いを受けないようにする ということ も取り扱わなければならない - 7 -

第 1 ステージ ( 現在 ) 第 2 ステージ 第 3 ステージ 第 4 ステージ ( 長期的目標 ) 当該ステージにおける在宅勤務の実施状況実施のための主な条件 課題等 ( 技術的課題は除く ) 限定された数の職員が 担当する業務の中で在宅で実施可能なものを自ら切り分け 週 1 回程度の在宅勤務日に実施 1 在宅勤務を希望する職員が在宅による実施が可能なものとして切り出された業務について 週 1 回程度の在宅勤務を普通に行うことができる状態 2 業務内容や業務管理の実態から 特に業務管理の仕方を変更をしなくても在宅勤務が可能な業務に従事している職員が希望する場合には 週当たり複数回以上の在宅勤務を普通に行うことができる状態 1 在宅勤務を希望する職員が在宅による実施が可能なものとして切り出された業務について 週当たり複数回以上の在宅勤務を普通に行うことができる状態 2 業務内容や業務管理の実態から 特に業務管理の仕方を変更をしなくても在宅勤務が可能な業務に従事している職員が希望する場合には 在宅勤務を通常の勤務形態とすることを普通に行うことができる状態 職務の性質上在宅勤務の実施ができない場合 ( 窓口業務等 ) を除き 職員が希望する場合には 在宅勤務を通常の勤務形態とすることを普通に行うことができる状態 職員個人による在宅勤務日の仕事の切り分け 直属の長及び同僚 部下の理解 当局側で在宅勤務実施可能な業務を積極的に切り出し 職員に提示 ( 職場における職員の理解が前提 ) 職場全体における在宅勤務に対する理解の深化 勤務時間管理上の工夫 ( バーチャルオフィスなど ) 当局側で在宅勤務を主たる勤務形態の一つとして位置付け 在宅勤務実施可能な業務をできる限り多く切り出し 職員に提示 ( 職場における職員の理解が前提 ) 業務管理の在り方の見直し 職場におけるより柔軟な勤務時間管理制度の導入 より成果に着目した評価制度 職員の自己管理能力 規律保持 全般的な勤務形態の柔軟化 弾力化