平成26年全国消費実態調査 所得分布等に関する結果 結果の概要

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このジニ係数は 所得等の格差を示すときに用いられる指標であり 所得等が完全に平等に分配されている場合に比べて どれだけ分配が偏っているかを数値で示す ジニ係数は 0~1の値をとり 0 に近づくほど格差が小さく 1に近づくほど格差が大きいことを表す したがって 年間収入のジニ係数が上昇しているというこ

統計トピックスNo.92急増するネットショッピングの実態を探る

3 世帯属性ごとのサンプルの分布 ( 両調査の比較 参考 3) 全国消費実態調査は 相対的に 40 歳未満の世帯や単身世帯が多いなどの特徴がある 国民生活基礎調査は 高齢者世帯や郡部 町村居住者が多いなどの特徴がある 4 相対的貧困世帯の特徴 ( 全世帯との比較 参考 4) 相対的貧困世帯の特徴とし

1. 電子マネー 1 の保有状況等の推移二人以上の世帯について 電子マネーを持っている世帯員がいる世帯の割合をみると 電子マネーの調査を開始した平成 2 年以降 毎年上昇しています また 電子マネーを利用した世帯員がいる世帯の割合も上昇しており 平成 2 年には約 2 割でしたが 23 年には3 割

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相対的貧困率等に関する調査分析結果について

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本資料は 様々な世帯類型ごとに公的サービスによる受益と一定の負担の関係について その傾向を概括的に見るために 試行的に簡易に計算した結果である 例えば 下記の通り 負担 に含まれていない税等もある こうしたことから ここでの計算結果から得られる ネット受益 ( 受益 - 負担 ) の数値については

b. 世帯主年齢階級別 負担率 図表 II- 6-4 墨田ブロックの世帯主年齢階級別 平均負担率 図表 II- 6-5 墨田ブロックの世帯主年齢階級別 負担率の分布 合計 5% 未満 % 以上 1% 未満


平成25年 国民生活基礎調査【所得票】 結果表一覧(案)

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統計トピックスNo.96 登山・ハイキングの状況 -「山の日」にちなんで-

目次 第 1 章調査概要 調査の目的 調査の方法... 1 第 2 章分析内容 世帯主年齢階級別の世帯数割合 世帯主年齢階級別の等価可処分所得 世帯主年齢階級別の等価所得 拠出金の内訳 世帯主年齢階級別

III 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況

所得格差はジニ係数 相対的貧困率 年間労働所得 15 万円以下の労働者の割合 いずれの統計でみても 緩やかな拡大を示している ただし その要因については 以下でみるように精査が必要.6 図表 1-1 各種調査においても世帯所得のジニ係数は上昇傾向 図表 1-2 相対的貧困率は緩やかながら増加 12.

統計トピックスNo.120 我が国のこどもの数―「こどもの日」にちなんで―

1 現在最も盛んなスポーツ 男女共にウォーキング 軽い体操とボウリングをした人の割合が高い 歳以上の人について 過去 1 年間 ( 平成 22 年 月 日 ~23 年 月 19 日 ) に何らかの種類のスポーツを行った人の割合 ( 行動者率 ) をみると 男性が 67.9% 女性が 8.3% となっ

マンション棟数密度 ( 東京 23 区比較 ) 千代田区中央区港区新宿区文京区台東区墨田区江東区品川区目黒区大田区世田谷区渋谷区中野区杉並区豊島区北区荒川区板橋区練馬区足立区葛飾区江戸川区

平成27年国勢調査世帯構造等基本集計結果の概要

図表目次 ([ ] 内は詳細結果表の番号 ) 表 1 貯蓄現在高の推移... 4 [8-4 表,8-3 表 ] 図 1 貯蓄現在高階級別世帯分布... 5 [8-1 表,8-3 表 ] 表 2 貯蓄の種類別貯蓄現在高の推移... 6 [8-4 表 ] 図 2 貯蓄の種類別貯蓄現在高及び構成比...

タイトル

家計調査報告 ( 貯蓄 負債編 ) 平成 23 年平均結果速報 ( 二人以上の世帯 ) 目 次 Ⅰ 貯蓄の状況 1 概要 貯蓄の種類別内訳 貯蓄現在高階級別貯蓄の分布状況... 9 Ⅱ 負債の状況 Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄 負債の状況 1 世帯主の職業別の状況

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2 累計 収入階級別 各都市とも 概ね収入額が高いほども高い 特別区は 世帯収入階級別に見ると 他都市に比べてが特に高いとは言えない 階級では 大阪市が最もが高くなっている については 各都市とも世帯収入階級別の傾向は類似しているが 特別区と大阪市が 若干 多摩地域や横浜市よりも高い 東京都特別区

第6章 消費・経済

(3) 可処分所得の計算 可処分所得とは 家計で自由に使える手取収入のことである 給与所得者 の可処分所得は 次の計算式から求められる 給与所得者の可処分所得は 年収 ( 勤務先の給料 賞与 ) から 社会保険料と所得税 住民税を差し引いた額である なお 生命保険や火災保険などの民間保険の保険料およ

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第 7 回大阪市人口移動要因調査報告書 平成 27 年 3 月 大阪市都市計画局

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(3) 消費支出は実質 5.3% の増加消費支出は1か月平均 3 万 1,276 円で前年に比べ名目 6.7% の増加 実質 5.3% の増加となった ( 統計表第 1 表 ) 最近の動きを実質でみると 平成 2 年は 16.2% の増加となった 25 年は 7.% の減少 26 年は 3.7% の

表 1 年齢別持ち家率 平成 25 年平成 20 年 25 歳未満 ~29 歳 ~34 歳 ~39 歳 ~44 歳 ~49 歳 ~54 歳

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図表 II-39 都市別 世帯主年齢階級別 固定資産税等額 所得税 社会保険料等額 消 費支出額 居住コスト 年間貯蓄額 ( 住宅ローン無し世帯 ) 単位 :% 東京都特別区 (n=68) 30 代以下 (n=100) 40 代

01 公的年金の受給状況

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人口 世帯に関する項目 (1) 人口増加率 0.07% 指標の説明 人口増加率 とは ある期間の始めの時点の人口総数に対する 期間中の人口増加数 ( 自然増減 + 社会増減 ) の割合で 人口の変化量を総合的に表す指標として用いられる 指標の算出根拠 基礎データの資料 人口増加率 = 期間中の人口増

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目 次 (1) 財政事情 1 (2) 一般会計税収 歳出総額及び公債発行額の推移 2 (3) 公債発行額 公債依存度の推移 3 (4) 公債残高の累増 4 (5) 国及び地方の長期債務残高 5 (6) 利払費と金利の推移 6 (7) 一般会計歳出の主要経費の推移 7 (8) 一般会計歳入の推移 8

図 3 世界の GDP 成長率の実績と見通し ( 出所 ) Capital in the 21st century by Thomas Piketty ホームページ 図 4 世界の資本所得比率の実績と見通し ( 出所 ) Capital in the 21st century by Thomas P

資料 5_ 世帯年収額 世帯消費支出額 1.23 区全体 図表 1 23 区全体でのひと月当たり平均世帯消費支出額の分布 1 万円未満 万円以上 2 万円未満 万円以上 3 万円未満 万円以上 4 万円未満 27 4 万円以上 5 万円未満 万円以上

2. 繰上げ受給と繰下げ受給 65 歳から支給される老齢厚生年金と老齢基礎年金は 本人の選択により6~64 歳に受給を開始する 繰上げ受給 と 66 歳以降に受給を開始する 繰下げ受給 が可能である 繰上げ受給 を選択した場合には 繰上げ1カ月につき年金額が.5% 減額される 例えば 支給 開始年齢

統計学 Ⅰ(8) 累積度数 : ある階級以下に含まれる度数の合計 階級 度数 相対度数累積度数 累積相対度数 点以上 ~ 点未満.. ~.. ~. 7. ~ 6..6 ~. 6.8 ~ ~ ~ ~ ~.. ~.. 合計. - -

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勤労者世帯の実収入 消費支出は平成 11 年以降減少神奈川県の勤労者世帯 の1 世帯あたりの1ヶ月平均の実収入 ( 2) は 51 万 3842 円で 全国で4 番目に多くなっています 前回調査 (53 万 9542 円 ) と比較すると 名目で 4.8% 減少 消費者物価の影響を除いた実質で 7.

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平成 22 年国勢調査産業等基本集計結果 ( 神奈川県の概要 ) 平成 22 年 10 月 1 日現在で実施された 平成 22 年国勢調査 ( 以下 22 年調査 という ) の産業等基本集計結果が平成 24 年 4 月 24 日に総務省統計局から公表されました 産業等基本集計は 人口の労働力状態

高齢者世帯の経済的余力を検証―社会保障と税の一体改革を進めるに当たって―

目 次 (1) 財政事情 1 (2) 一般会計税収 歳出総額及び公債発行額の推移 2 (3) 公債発行額 公債依存度の推移 3 (4) 公債残高の累増 4 (5) 国及び地方の長期債務残高 5 (6) 利払費と金利の推移 6 (7) 一般会計歳出の主要経費の推移 7 (8) 一般会計歳入の推移 8

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労働市場分析レポート第 43 号平成 26 年 10 月 31 日 マッチング指標を用いたマッチング状況の分析 労働市場における労働力需給調整を評価するための指標として 就職率や充足率があるが 求人倍率が上昇する時には 就職率が上昇し充足率が低下するなどの動きがみられ それぞれ単独の利用には注意が必

Ⅰ 調査の概要 1. 調査の目的 本調査は 今後の公的年金制度について議論を行うにあたって 自営業者 被用者 非就業者を通じた横断的な所得に関する実態を総合的に把握し その議論に資する基礎資料を得ることを目的とする なお 本調査は 平成 22 年公的年金加入状況等調査 の特別調査として 当該調査の調

地域別の一般世帯数における平成 22 年から平成 までの今後 25 年間の増減率をみると 区部では北区を除くすべての地域で増加となり 多摩 島しょにおいては 八王子市をはじめとする 18 地域で増加し 青梅市や福生市などその他の地域では減少することが見込まれる ( 図 1-2) 図 1-2 地域別一

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原稿

平成 年 2 月 日総務省統計局 労働力調査 ( 詳細集計 ) 平成 24 年 10~12 月期平均 ( 速報 ) 結果の概要 1 Ⅰ 雇用者 ( 役員を除く ) 1 1 雇用形態 2 非正規の職員 従業員の内訳 Ⅱ 完全失業者 3 1 仕事につけない理由 2 失業期間 3 主な求職方法 4 前職の

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人口推計 における人口の算出方法 Ⅰ 概要 1 人口推計の範囲人口推計の範囲は, 我が国に常住している * 全人口 ( 外国人を含む ) である ただし, 外国人のうち, 外国政府の外交使節団 領事機関の構成員 ( 随員及び家族を含む ) 及び外国軍隊の軍人 軍属 ( 家族を含む ) は除いている

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20 金融資産目標残高 今後の金融商品の保有希望 元本割れを起こす可能性があるが 収益性の高いと見込まれる金融商品の保有 日常的な支払い ( 買い物代金等 ) の主な資金決済手段 日常的な支払い ( 買い物代金等 ) の主な資金決済手段 ( 続き )

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個人金融に関する研究会

イノベーションの担い手の活動状況07

ポイント 〇等価尺度法を用いた日本の子育て費用の計測〇 1993 年 年までの期間から 2003 年 年までの期間にかけて,2 歳以下の子育て費用が大幅に上昇していることを発見〇就学前の子供を持つ世帯に対する手当てを優先的に拡充するべきであるという政策的含意 研究背景 日本に

3章 度数分布とヒストグラム

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資料 7 1 人口動態と子どもの世帯 流山市人口統計資料 (1) 総人口と年少人口の推移流山市の人口は 平成 24 年 4 月 1 日現在 166,924 人で平成 19 年から増加傾向で推移しています 人口増加に伴い 年尐人口 (15 歳未満 ) 及び年尐人口割合も上昇傾向となっています ( 人

(2) 高齢者の福祉 ア 要支援 要介護認定者数の推移 介護保険制度が始まった平成 12 年度と平成 24 年度と比較すると 65 歳以上の第 1 号被保険者のうち 要介護者又は要支援者と認定された人は 平成 12 年度末では約 247 万 1 千人であったのが 平成 24 年度末には約 545 万

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平成 26 年全国消費実態調査 所得分布等に関する結果 結果の概要 平成 28 年 10 月 31 日

目 次 結果の概況 Ⅰ ジニ係数 1 等価可処分所得のジニ係数... 1 2 世帯のジニ係数... 3 Ⅱ 貧困率 1 相対的貧困率... 5 2 子どもの相対的貧困率... 5 < 付 録 > ジニ係数の計算方法... 7 等価可処分所得の計算方法... 8 相対的貧困率の計算方法... 9

図表目次 ([ ] 内は e-stat に掲載する結果表の表番号 ) <Ⅰ ジニ係数 > - 等価可処分所得のジニ係数 - 図 Ⅰ-1 等価可処分所得のジニ係数の推移 ( 総世帯 )... 1 [( 全国 ) 分析表 : 第 81 表 ] 図 Ⅰ-2 世帯主の年齢階級別等価可処分所得のジニ係数及び世帯分布 ( 総世帯 )... 1 [( 全国 ) 分析編 : 第 81 表,( 全国 ) フロー編 : 第 43 表 ] 表 Ⅰ-1 世帯主の年齢階級別等価可処分所得のジニ係数及び世帯分布 ( 総世帯 )... 2 [( 全国 ) 分析編 : 第 81 表,( 全国 ) フロー編 : 第 43 表 ] 参考表 1 主要 7か国の等価可処分所得のジニ係数の推移 ( 総世帯 )... 2 [( 全国 ) 分析表 : 第 81 表,OECDデータベース] - 世帯のジニ係数 - 図 Ⅰ-3 年間収入のジニ係数の推移 ( 二人以上の世帯 )... 3 [( 全国 ) 分析表 : 第 57 表 ] 図 Ⅰ-4 世帯主の年齢階級別年間収入のジニ係数及び世帯分布 ( 二人以上の世帯 )... 3 [( 全国 ) 分析表 : 第 57 表,( 全国 ) フロー編 : 第 6 表, 第 8 表 ] 表 Ⅰ-2 世帯主の年齢階級別年間収入のジニ係数及び世帯分布 ( 二人以上の世帯 )... 4 [( 全国 ) 分析表 : 第 57 表,( 全国 ) フロー編 : 第 6 表, 第 8 表 ] 図 Ⅰ-5 資産の種類別ジニ係数の推移 ( 二人以上の世帯 )... 4 [( 全国 ) 分析表 : 第 57~60 表 ] <Ⅱ 貧困率 > 表 Ⅱ-1 相対的貧困率の推移 ( 総世帯 )... 5 [( 全国 ) 分析表 : 第 80 表, 第 84 表 ] 表 Ⅱ-2 子どもの相対的貧困率の推移 ( 総世帯 )... 5 [ 特別集計による結果 ] 参考表 2 主要 7か国の相対的貧困率の推移 ( 総世帯 )... 6 [( 全国 ) 分析表 : 第 84 表,OECDデータベース]

用語の解説 年間収入平成 25 年 12 月 1 日から平成 26 年 11 月末日までの1 年間の収入総額をいう 年間可処分所得年間収入から税金 社会保険料 ( 推計値 ) を除いたものをいう 貯蓄現在高平成 26 年 11 月末日現在の貯蓄現在高をいう 金融機関への預貯金に加え, 積立型の生命保険や有価証券なども含めている なお, 負債残高は控除していない 実物資産住宅資産現住居及び現住居以外で家計用に所有している住宅をいう 宅地資産現居住地 ( 借地を含む ) 及び現居住地以外で家計用に所有している宅地をいう なお, 宅地とは, 登記簿上の宅地及び住宅を建てるために所有している土地をいう 耐久消費財資産システムキッチンなどの設備器具や冷蔵庫, ルームエアコンなど耐用年数が短期間でないものをいう なお, 時価評価が困難な衣料, 宝石 貴金属及び書画骨とう品は, 調査対象から除外している ジニ係数年間収入等の分布の均等度を表す指標をいう 0~1の値をとり,0は均等を示し,1に近づくほど不均等となる 等価可処分所得世帯の年間可処分所得を当該世帯の世帯人員数の平方根で割って調整したものをいう 経済協力開発機構 (OECD) の国際比較では, 各国のジニ係数や相対的貧困率は, 等価可処分所得で算出したものを用いている 相対的貧困率全人口のうち, 等価可処分所得が貧困線 ( 等価可処分所得の中央値の半分の額 ) を下回る人数の割合をいう 子どもの相対的貧困率全ての17 歳以下の人口のうち, 等価可処分所得が貧困線 ( 相対的貧困率と同じ貧困線 ) を下回る人数の割合をいう 計算方法などの詳細は 付録 (7~9ページ) 参照

結果の概況 Ⅰ ジニ係数 1 等価可処分所得のジニ係数 (1) 概況等価可処分所得のジニ係数は, 前回 ( 平成 21 年 ) と比べて 0.002 低下総世帯における等価可処分所得のジニ係数は, 平成 26 年は 0.281 となり, 前回 ( 平成 21 年 ) 調査結果の 0.283 から 0.002 低下している ( 図 Ⅰ-1) 図 Ⅰ-1 等価可処分所得のジニ係数の推移 ( 総世帯 ) 0.360 0.340 0.320 0.300 0.280 0.273 0.278 0.283 0.281 0.260 0.240 0.220 1999 年 ( 平成 11 年 ) 2004 年 (16 年 ) 2009 年 (21 年 ) 2014 年 (26 年 ) (2) 年齢階級別等価可処分所得のジニ係数は,65 歳未満で低下総世帯における世帯主の年齢階級別等価可処分所得のジニ係数は, 前回 ( 平成 21 年 ) 調査結果に比べ,65 歳以上では同数, それ以外の年齢階級では全て低下している ( 図 Ⅰ-2, 表 Ⅰ-1) 0.340 図 Ⅰ-2 世帯主の年齢階級別等価可処分所得のジニ係数及び世帯分布 ( 総世帯 ) 0.320 0.300 0.280 平成 21 年ジニ係数 ( 左目盛 ) ( ポイント ) 8.0 0.260 0.240 0.220 0.200 平成 26 年ジニ係数 ( 左目盛 ) 6.0 4.0 2.0 0.0 参考 : 世帯主の年齢階級別世帯分布の差 ( 右目盛 ) 30 歳未満 30~49 50~64 65 歳以上 -2.0-4.0 1

表 Ⅰ-1 世帯主の年齢階級別等価可処分所得のジニ係数及び世帯分布 ( 総世帯 ) 世帯主の年齢階級別ジニ係数 総数 30 歳未満 30~49 50~64 65 歳以上 平成 26 年 0.281 0.234 0.236 0.290 0.300 21 年 0.283 0.239 0.248 0.291 0.300 26 年 - 21 年 -0.002-0.005-0.012-0.001 0.000 世帯主の年齢階級別世帯分布 (%) 総数 30 歳未満 30~49 50~64 65 歳以上 平成 26 年 100.0 4.7 27.3 28.2 39.7 21 年 100.0 5.6 30.5 30.6 33.3 26 年 - 21 年 - -0.9-3.2-2.4 6.4 < 参考国際比較 > 参考表 1 主要 7 か国の等価可処分所得のジニ係数の推移 ( 総世帯 ) 0.400 アメリカ 0.375 国名 ( 調査年 ) ジニ係数 0.350 アメリカ (2012 年 ) 0.389 0.325 0.300 0.275 イギリスイタリアカナダフランスドイツ日本 イギリス (2010 年 ) 0.341 イタリア (2013 年 ) 0.324 カナダ (2011 年 ) 0.316 フランス (2011 年 ) 0.309 ドイツ (2011 年 ) 0.293 日本 (2014 年 ) 0.281 0.250 1999 年 ( 平成 11 年 ) 2004 年 (16 年 ) 2009 年 (21 年 ) 2014 年 (26 年 ) ( 出典 ) 日本 全国消費実態調査結果日本以外 OECD データベース 2

2 世帯のジニ係数 (1) 年間収入のジニ係数ア概況年間収入のジニ係数は, 前回 ( 平成 21 年 ) と比べて 0.003 上昇二人以上の世帯における年間収入のジニ係数は, 平成 26 年は 0.314 となり, 前回 ( 平成 21 年 ) 調査結果の 0.311 から 0.003 上昇している ( 図 Ⅰ-3) 0.360 図 Ⅰ-3 年間収入のジニ係数の推移 ( 二人以上の世帯 ) 0.340 0.320 0.300 0.280 0.260 0.271 0.280 0.293 0.297 0.301 0.308 0.311 0.314 0.240 0.220 1979 年 ( 昭和 54 年 ) 1984 年 (59 年 ) 1989 年 ( 平成元年 ) 1994 年 (6 年 ) 1999 年 (11 年 ) 2004 年 (16 年 ) 2009 年 (21 年 ) 2014 年 (26 年 ) イ年齢階級別年間収入のジニ係数は,60 歳代以外で低下年齢階級別にみて2 番目にジニ係数が高い 70 歳以上の世帯構成比が上昇二人以上の世帯における世帯主の年齢階級別年間収入のジニ係数は, 前回 ( 平成 21 年 ) 調査結果に比べて 60~69 歳では上昇, それ以外の年齢階級では全て低下している また, 世帯主の年齢が 70 歳以上の世帯は, 年齢階級別にみて2 番目にジニ係数が高く, 前回 ( 平成 21 年 ) 調査結果より世帯構成比が上昇している ( 図 Ⅰ-4, 表 Ⅰ-2) 図 Ⅰ-4 世帯主の年齢階級別年間収入のジニ係数及び世帯分布 ( 二人以上の世帯 ) 0.360 0.340 0.320 0.300 0.280 0.260 平成 21 年ジニ係数 ( 左目盛 ) ( ポイント ) 8.0 6.0 0.240 0.220 0.200 平成 26 年ジニ係数 ( 左目盛 ) 4.0 2.0 0.0 30 歳未満 30~39 40~49 50~59 60~69 70 歳以上 3 参考 : 世帯主の年齢階級別世帯分布の差 ( 右目盛 ) -2.0-4.0

表 Ⅰ-2 世帯主の年齢階級別年間収入のジニ係数及び世帯分布 ( 二人以上の世帯 ) 世帯主の年齢階級別ジニ係数総数 30 歳未満 30~39 40~49 50~59 60~69 70 歳以上 平成 26 年 0.314 0.227 0.223 0.249 0.284 0.339 0.305 21 年 0.311 0.228 0.233 0.260 0.285 0.327 0.310 26 年 - 21 年 0.003-0.001-0.010-0.011-0.001 0.012-0.005 世帯主の年齢階級別世帯分布 (%) 総数 30 歳未満 30~39 40~49 50~59 60~69 70 歳以上 平成 26 年 100.0 2.0 11.5 19.6 18.5 24.8 23.5 21 年 100.0 2.4 15.0 18.7 21.1 24.4 18.3 26 年 - 21 年 - -0.4-3.5 0.9-2.6 0.4 5.2 注 ) 年齢階級別ジニ係数は, 統計表 [( 全国 ) フロー編 : 第 8 表 ] から計算している (2) 資産の種類別ジニ係数資産の種類別ジニ係数は, 前回 ( 平成 21 年 ) と比べて住宅 宅地資産では低下している一方, 貯蓄現在高及び耐久消費財資産では上昇二人以上の世帯における資産の種類別ジニ係数は, いずれの資産も年間収入より高くなっている ジニ係数を資産の種類別にみると, 前回 ( 平成 21 年 ) 調査結果に比べ, 住宅 宅地資産は低下しているが, 貯蓄現在高及び耐久消費財資産では上昇している ( 図 Ⅰ-5) 0.750 図 Ⅰ-5 資産の種類別ジニ係数の推移 ( 二人以上の世帯 ) 0.700 0.650 0.600 0.550 0.500 0.450 0.400 0.350 0.300 0.250 0.200 耐久消費財資産 0.360 0.680 0.641 0.580 ( 平成 16 年遡及 ) 0.577 0.573 0.579 0.597 0.565 0.563 0.571 0.556 0.538 0.542 貯蓄現在高 0.471 住宅 宅地資産 0.417 0.428 ( 平成 16 年遡及 ) ( 平成元年 ) (6 年 ) (11 年 ) (16 年 ) (21 年 ) (26 年 ) 0.341 0.368 0.293 0.297 0.301 0.308 0.311 0.314 年間収入 1989 年 1994 年 1999 年 2004 年 2009 年 2014 年 注 1) 住宅 宅地資産及び耐久消費財資産は, 減価償却を考慮し価額評価した 純資産額 を用いている また, 貯蓄現在高は, 負債残高を控除していない額 注 2) 平成 21 年以降と 16 年以前では実物資産の価額評価方法が異なるため, 21 年の価額評価方法に合わせて遡及集計した 16 年の数値も併せて掲載している 4

Ⅱ 貧困率 1 相対的貧困率相対的貧困率は, 前回 ( 平成 21 年 ) と比べて 0.2 ポイント低下平成 26 年の貧困線 ( 等価可処分所得の中央値の半分の額 ) は 132 万円となっており, 相対的貧困率 ( 貧困線に満たない世帯人員の割合 ) は 9.9% となり, 前回 ( 平成 21 年 ) 調査結果の 10.1% から 0.2 ポイント低下している ( 表 Ⅱ-1) 表 Ⅱ-1 相対的貧困率の推移 ( 総世帯 ) 1999 年 ( 平成 11 年 ) 2004 年 (16 年 ) 2009 年 (21 年 ) 2014 年 (26 年 ) % % % % 相対的貧困率 9.1 9.5 10.1 9.9 世帯主の年齢階級別 30 歳未満 15.2 15.7 15.6 12.0 30~49 歳 7.1 7.2 7.7 6.6 50~64 歳 7.7 8.4 9.6 9.5 65 歳以上 15.0 14.1 13.7 13.6 世帯類型別 単身 21.5 19.6 21.6 21.0 大人 1 人と子供 62.7 59.0 62.0 47.7 2 人以上の大人のみ 7.2 7.9 8.3 8.9 大人 2 人以上と子供 7.5 7.8 7.5 6.6 万円 万円 万円 万円 中央値 312 290 270 263 貧困線 ( 中央値 2) 156 145 135 132 注 ) 世帯主の年齢階級別及び世帯類型別の相対的貧困率は, 統計表 [( 全国 ) 分析表 : 第 84 表 ] から計算している 2 子どもの相対的貧困率子どもの相対的貧困率は, 前回 ( 平成 21 年 ) と比べて 2.0 ポイント低下相対的貧困率と同様の貧困線 (132 万円 ) を用いて算出した子どもの相対的貧困率 (17 歳以下 ) は 7.9% となり, 前回 ( 平成 21 年 ) 調査結果の 9.9% から 2.0 ポイント低下している ( 表 Ⅱ-2) 表 Ⅱ-2 子どもの相対的貧困率の推移 ( 総世帯 ) 1999 年 ( 平成 11 年 ) 2004 年 (16 年 ) 2009 年 (21 年 ) 2014 年 (26 年 ) 注 ) 特別集計による結果 % % % % 子どもの相対的貧困率 9.2 9.7 9.9 7.9 5

< 参考国際比較 > 参考表 2 主要 7 か国の相対的貧困率の推移 ( 総世帯 ) (%) 20.0 18.0 16.0 14.0 12.0 10.0 8.0 アメリカイタリアカナダイギリス日本ドイツフランス 国名 ( 調査年 ) 相対的貧困率 アメリカ (2012 年 ) 17.4 イタリア (2013 年 ) 13.1 カナダ (2011 年 ) 11.7 イギリス (2010 年 ) 10.0 日本 (2014 年 ) 9.9 ドイツ (2011 年 ) 8.7 フランス (2011 年 ) 8.0 6.0 4.0 1999 年 ( 平成 11 年 ) 2004 年 (16 年 ) ( 出典 ) 日本 全国消費実態調査結果日本以外 OECD データベース 2009 年 (21 年 ) 2014 年 (26 年 ) 6

ジニ係数の計算方法 <ジニ係数の考え方 > 世帯 ( 又は世帯員 ) を年間収入等の低い順に並べ, 世帯数 ( 又は世帯人員数 ) の累積百分率を横軸に, 年間収入等の累積百分率を縦軸にした散布図を描く この散布図の点を結ぶ弓形の曲線をローレンツ曲線という 全ての世帯 ( 又は世帯員 ) の年間収入等が完全に同じであれば, ローレンツ曲線は, 原点を通る傾斜 45 度の直線 ( 均等分布線という ) となる 均等分布線とローレンツ曲線で囲まれる弓形の面積が, 均等分布線より下の三角形の面積に占める割合がジニ係数である 図年間収入の世帯分布のローレンツ曲線 <ジニ係数の計算式 > 全国消費実態調査では, ローレンツ曲線による横軸との間の面積 ( 数値積分 ) を年間収入等の十分位階級及びシンプソンの公式を用いて近似しており, ジニ係数 λ を次の式により算出している λ = 2 15 { 7 ( y + y + y + y ) ( y + y + y + y + y )} 2 4 6 8 2 1 3 5 7 9 y i : 年間収入等 の十分位階級における第 i 階級までの累積年間収入等の, 第十階級までの累積年間収入等に対する割合 ( 統計表中では, y を百分率で表章している ) i 資産の種類別ジニ係数では, それぞれ 住宅 宅地資産, 貯蓄現在高, 耐久消費財資産 となる < 本資料内のジニ係数の種類 > 全国消費実態調査では, 等価可処分所得, 年間収入, 資産の種類別のジニ係数を作成しており, 本資料において使用しているジニ係数は次の表のとおりである 等価可処分所得年間収入資産の種類別 世帯員単位 ( 総世帯 ) 図 Ⅰ-1 図 Ⅰ-2 表 Ⅰ-1 参考表 1 - - 世帯単位 ( 二人以上の世帯 ) - 図 Ⅰ-3 図 Ⅰ-4 表 Ⅰ-2 図 Ⅰ-5 図 Ⅰ-5 7

等価可処分所得の計算方法 < 等価可処分所得の計算方法 > 全国消費実態調査は世帯を単位として実施しているため, 各世帯を構成している世帯員の等価可処分所得を以下の方法により計算している 1 世帯員ごとの年間収入額から, 年間の税額及び社会保険料を推計し, それらを控除することによって, 世帯員ごとの年間可処分所得を計算する 2 世帯員ごとに計算された年間可処分所得を合算し, 世帯の年間可処分所得 (I) を計算する 3 世帯の年間可処分所得 (I) を世帯人員数 (S) の平方根で除し, 等価可処分所得 (W): 世帯人員 1 人当たり経済厚生 ( 効用水準 ) を算出する I W = S 一般に, 世帯人員 1 人当たり経済厚生は, I W = E S で表され,E は等価弾性値といい,0~1 の間のいずれかの値をとるとされている (E=0 のときは世 帯所得がそのまま各世帯員の効用となり,E=1 のときは 1 人当たり所得が各世帯員の効用になる ) OECD 基準では,E=0.5 としており, 全国消費実態調査でも E=0.5 を用いている また, 世帯人員は, 日本の総人口 ( ただし, 以下に掲げる世帯に属する者は除外 ) となるように復元して計算した 全国消費実態調査の調査対象外世帯 ( 矯正施設の入所者や自衛隊の営舎内居住者, 単身の学生世帯など ) 年間収入が不詳の世帯 18 歳未満の単身世帯 家計を主に支える人 が世帯員以外の家族である世帯 単身赴任, 出稼ぎの単身世帯 8

相対的貧困率の計算方法 中央値 ( 全ての世帯人員を等価可処分所得の低い順に並べた際に, ちょうど中央に来る者の等価可処分所得の額 ) の半分の額を貧困線と呼び, 貧困線を下回る所得の世帯人員の割合を相対的貧困率という 相対的貧困率 (%)= 貧困線を下回る所得の世帯人員数 全ての世帯人員数 100 子ども 1 の相対的貧困率 (%)= 貧困線 2 を下回る所得の 17 歳以下の世帯人員数 17 歳以下の全ての世帯人員数 100 1 子どもとは,17 歳以下の者をいう 2 相対的貧困率の貧困線と同じ額を用いている 9

平成 26 年全国消費実態調査 の詳しい結果を御覧になる場合は, 次のURLを参照ください http://www.stat.go.jp/data/zensho/2014/index.htm この冊子は, 次のURLからダウンロードできます http://www.stat.go.jp/data/zensho/2014/kekka.htm 本調査の統計データを引用 転載する場合には, 必ず, 出典の表記をお願いします 出典 : 総務省統計局 平成 年全国消費実態調査結果 < 内容に関する問合せ先 > 統計調査部消費統計課企画指導第二係 162-8668 東京都新宿区若松町 19 番 1 号電話 :03-5273-1173( 直通 ) FAX:03-5273-1495 * 結果の概要は, 統計メールニュースでも配信しています メールニュースのお申込みは, 統計局ホームページから 統計局ホームページ http://www.stat.go.jp/ 政府統計の総合窓口 (e-stat) http://www.e-stat.go.jp/sg1/estat/estattopportal.do