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平成 28 年度革新的造船技術研究開発補助金の採択結果概要 補助対象 :IoT AI 等の革新的な技術を用いた 生産性向上に資する造船技術の研究開発 ( 補助率 :1/2 以下 ) 事業予算 :0.9 億円 ( 平成 28 年度 2 次補正 ) 7 億円 ( 平成 29 年度要求中 ) 採択案件 :

Ⅰ. 世界海運とわが国海運の輸送活動 1. 主要資源の対外依存度 わが国は エネルギー資源のほぼ全量を海外に依存し 衣食住の面で欠くことのでき ない多くの資源を輸入に頼っている わが国海運は こうした海外からの貿易物質の安定輸送に大きな役割を果たしている 石 炭 100% 原 油 99.6% 天然ガ

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スライド 1

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9章第 Ⅰ 部 第 9 章 EEDI 規制値は 4 段階 ( フェーズ ~3) で強化されることとなっており 213 年 1 月から規制が開始され 215 年 1 月からフェーズ1 規制 ( フェーズ(213 年 ~ 214 年 ) に比べて1% 削減を要求 ) が実施されている フェーズ2 規制

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船の種類 船の種類 船の種類 ( 使用目的で分類 ) 商船 ( 積載物の運搬で利益を得る船, 貨物船, 客船 ) 商船の分類 ( 積荷で分類 ) (1) 客船 (2) 貨物船 一般貨物船 (General Cargo Ships)

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下関市立大学広報第71号

J I S J A S O 廃止提案書 1. 対象規格 JASO M 304:02 ( 自動車用発泡体 ) 2. 廃止の背景と理由この規格は自動車用の断熱 防音 防振及びクッション用材料の性能 試験方法を標準化する趣旨で 1969 年に制定され 以後 4 回の改正が行われた なお 本年度の定期見直し

1 監督 検査の意義監督 検査は 会計法 に基づき 契約の適正な履行を確保するための手段です 監督は 通常 製造又は役務の請負契約の履行過程において 必要な立会 工程管理 材料 部品等の審査又は試験 細部設計書の審査 承認等の方法により 検査では確認できない部分について 契約物品に対する要求事項が確

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本日の講演内容 1.JRTT の技術支援について 1 新技術の調査研究 2 共有建造制度による政策誘導 3 離島航路旅客船建造における検討段階からの支援 4 船舶建造の技術支援 5 就航後の技術支援 2. 人にやさしい船 について 3. 人と環境に優しい船 について 1

l. 職業以外の幅広い知識 教養を身につけたいから m. 転職したいから n. 国際的な研究をしたかったから o. その他 ( 具体的に : ) 6.( 修士課程の学生への設問 ) 修士課程進学を決めた時期はいつですか a. 大学入学前 b. 学部 1 年 c. 学部 2 年 d. 学部 3 年 e


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C O N T E N T S TOP MESSAGE TOP MESSAGE 3 1 SPECIAL FEATURES 1 P03 P04-05 TOPICS P06-07 LICENSEE UE2,000 P08-11 P12 TOP MESSAGE 03 PRODUCTS MAC-HB P13

資料 5 自動車検査場における OBD 検査に関する実証実験について 平成 30 年 4 月 ( 独 ) 自動車技術総合機構軽自動車検査協会 Copyright National Agency for Automobile and Land Transport Technology 1

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目 次 1. タムラグループの環境活動 1 2. グリーン調達基準 1 第 1 章総則 1 第 2 章取引先様への要求事項 3 第 3 章材料 部品等の選定基準 3 第 4 章取引先様への調査内容 4 附則 5

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表紙案8

ANNUAL REPORT

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界の人々の豊かな生活と 地球環境の未来に貢献していきます ガス供給設備主要目 LNG タンク容積 : 30m 3 LNG 高圧ポンプ : ピストン式 2 台高圧ベーパライザー : 1 台最大ガス供給圧力 : 30 MPa ガス供給温度 : 45 ME-GI 試験エンジン主要目型式 : Kawasak

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Transcription:

No.49 発行日 : 2017( 平成 29) 年 4 月 19 日発行 : 一般社団法人日本造船工業会 国産の船舶用 SOx スクラバーシステムが初めて船籍国による承認を取得 ~ 大型自動車運搬船 DRIVE GREEN HIGHWAY で~ 川崎汽船株式会社 三菱重工業株式会社 三菱化工機株式会社の 3 社は 船舶用 SOx スクラバー ( 排ガス浄化装置 ) システムを実船に搭載して試験運用に取り組んでおり このたび本システムによる大気汚染物質の排出抑制効果が国際基準に適合していることが認められ 船籍国であるパナマ共和国の承認を取得しました 本 SOx スクラバーシステムは 三菱重工業と三菱化工機が共同で開発した 船舶用エンジンの排ガスから SOx( 硫黄酸化物 ) を効率的に除去する排ガス洗浄システム ハイブリッド SOx スクラバーシステム の初号機で 川崎汽船の 7,500 台積み大型自動車運搬船 DRIVE GREEN HIGHWAY 1 に搭載されているものです 2016 年 2 月に DRIVE GREEN HIGHWAY が竣工して以来実証試験を重ねてきた結果 本 SOx スクラバーシステムが一般財団法人日本海事協会 (NK) による排ガス浄化装置ガイドライン 2 の適合性審査に初めて合格しました これを受け 本船はパナマから実効性が立証された排ガス浄化装置を搭載した船舶であることが認められ 1 月 11 日 在日パナマ大使館において国産 SOx スクラバーシステムとして同国籍の船で初めてとなる証書を授与されました この承認結果は すでに国際海事機関 (IMO) のウェブサイトを通じて海洋汚染防止条約の各締約国へ通知されています 昨年 10 月に開催された IMO の海洋環境保護委員会において 2020 年 1 月 1 日以降 ECA(Emission Control Area: 汚染物質の排出規制海域 ) を除く世界の全海域で船舶用燃料に含まれる硫黄分の規制が現行の 3.5% 以下から 0.5% 以下に強化されることが決まりました 海洋汚染防止条約では 硫黄分 0.5% 以下の船舶用燃料を使用する代わりに 条約締約国の主管庁が認めた同等の実効性を有する装置を船舶に搭載することで 従来の硫黄分 3.5% の船舶用燃料を使用することが認められています 本 SOx スクラバーシステムは 2015 年の ECA 規制以降強化された SOx 排出規制に国産で初めて対応するシステムとして 製品化されたものです 取水した海水を直接排ガスに散布して洗浄するオープンループモードと 洗浄水に清水を使用し排ガス洗浄後に苛性ソーダで中和処理して再度排ガスに散布するクローズドループモードを搭載しており 航行 海域の海水の性状等に影響されることなく 安定した排ガス洗浄性能を発揮します エンジンに付帯する機器は通常船内に設置されるものですが 本システムでは主要構成機器を輸送用 ISO コンテナ内にまとめて搭載することが可能です このコンテナパッケージ化により 主要機器を船外の甲板上等に設置することができ 限られた船内スペースの有効利用が可能となるだけでなく 艤装期間の短縮にも寄与します また コンテナパッケージは比較的容易に取り外して他船への載せ替えができるため 高齢船に搭載する際の障壁も低くなります 川崎汽船 三菱重工業 三菱化工機は 今後とも大気汚染防止対策をはじめとする様々な環境保全に取組み 地球規模で増大している環境負荷の低減に貢献していきます 1: 同船への ハイブリッド SOx スクラバーシステム 搭載プロジェクトは NK 川崎汽船 ジャパンマリンユナイテッド株式会社 三菱重工業 三菱化工機との共同研究体制により NK の 業界要望による共同研究スキーム による支援を受けて実現しました 2: 排ガス浄化装置ガイドライン IMO MEPC.259(68) 2015 Guidelines for Exhaust Gas Cleaning System 排ガス浄化装置が MARPOL 条約附属書 VI 第 14.1 規則および第 14.4 規則において規定される燃料油の硫黄分規制と同等性を有することを確保するための要件を定めたもので 2015 年に開催された第 68 回海洋環境保護委員会で採択されました ディアス駐日パナマ大使による証書の授与式 1

防衛省向けヘリコプター搭載護衛艦 かが 引渡式ジャパンマリンユナイテッド ( 株 ) は 3 月 22 日に防衛省殿向け平成 24 年度計画ヘリコプター搭載護衛艦 (DDH) かが の引渡式を横浜事業所磯子工場 ( 神奈川県横浜市磯子区 ) にて行いました ( 本誌 43 号にて 命名 進水式についてもご紹介させて頂きました 当該記事もあわせてご参照下さい ) 式典には 小林防衛大臣政務官をはじめ 村川海上幕僚長 渡辺防衛装備庁長官など 多数のご来賓にご出席賜りました また 引渡式に続きまして 防衛省殿が 自衛艦旗授与式 を執り行いました 艦旗が授与された後 隊員の方々が整然と乗艦される様子は ご来賓の方々にも大変勇ましく映ったと思います 本艦は 平成 27 年 3 月に引渡された平成 22 年度計画護衛艦 いずも 型の 2 番艦です 高度な航空機多数運用能力や指揮通信情報システムに加え 将来の安全保障環境の多様化にも対応し得る強力な補給 輸送能力等を備え 災害派遣や人道支援にも十二分に対応可能な多目的護衛艦として 就役後は海上自衛艦隊の中枢を担うことが期待されています 出港 213,200DWT 型鉱石運搬船 神山丸 が竣工今治造船広島工場にて建造し 2017 年 1 月に引き渡されました 213,200DWT 型鉱石運搬船 神山丸 についてご紹介致します 本船はオーストラリアやブラジルから日本に鉄鉱石を運ぶ専用船として当社の省エネ技術を盛り込み開発された第一番船となります かが 現在 当社では平成 27 年度および 28 年度計画護衛艦を鋭意建造 しております 当社は 持てる護衛艦建造技術を結集し 今後も優れた 艦船の建造を進めてまいります < 主要目 > 基準排水量 :19,500t 全 長 :248m 最 大 幅 :38.0m 深 さ :23.5m 喫 水 :7.1m 乗 員 数 : 約 520 名 本船の特徴は以下の通りです 1) 鉱石積み専用の 6 ホールド /6 ハッチとし 通常のばら積み運搬船に比べホールド数を少なくすることで荷役効率を向上させた船型です 貨物ホールドの底面とハッチ開口のギャップをできるだけ小さくする事で 荷役時のブルドーザー作業を最低限に抑えることが可能となっています 2) 荷役時の落鉱 ( 鉄鉱石の落下 ) による配管のダメージを少なくするためにデッキ上の配管は 開いたハッチカバー下を通るように配置しています 3) バラスト弁のメンテナンスや万一のトラブル時に 貨物積載時においてもアクセス可能となる交通手段を備え 運航時の保守性に配慮しています 4) 船舶のバラスト水移送による海洋生態系への悪影響を防止するため バラスト水処理装置を搭載しています 5)G 型 (Green Engine) と呼ばれる従来よりもストロークの長い主機関を搭載し燃費向上を図っています 6) 舵及びプロペラ前方の省エネ付加物や低摩擦塗料を採用することにより 更なる推進性能の向上 燃料消費量の低減を達成しています 7) 一般財団法人日本海事協会殿 株式会社商船三井殿 三井造船株式会社殿 ( 順不同 ) との共同研究として VPC(Variable Phase Cycle) System と呼ばれる 中低温の排熱源からエネルギーを回収し船内電力として利用するシステムを導入し 排熱の有効活用を行っています 2

当社の基本理念である 船主とともに伸びる を合言葉に造船専業メーカーとして豊富な実績と経験をもとにし より速く大量に そして環境にやさしく より安全な海上輸送を命題とし 次世代に向けた造船の可能性に挑戦し続けます < 主要目 > 全長 : 319.95 m 幅 : 55.00 m 深さ : 24.30 m 載貨重量 : 215,790 MT 航海速力 : 14.5 knots 供給システム ABS AIP 燃料タンク ABS AIP 当社のガス供給システムは低圧式であり 中小型 4 ストロークの専焼及び二元燃料機関を対象に開発を行いました 船級承認取得では 749 総トン内航ばら積船を想定した配置 配管系統やシステム制御の検討を行いました ガス燃料船の安全に関する国際コードである IGF(International Code of Safety for Ships using Gasses or other Low-flashpoint Fuels) を満足する設計を行うのは言うに及ばず 特に液体状態ではマイナス 164 の極低温である LNG の低温対策やガス危険区画を考慮した機器配置等 リスクアセスメントに関わる部分の検討に時間がかかりました 神山丸 1 LNG 燃料供給システムの船級承認を取得当社は 2014 年より陸上用低温貯槽メーカーのセイカエンジニアリング と共同で LNG 燃料供給システムの開発を進め 2016 年 8 月に日本海事協会 (NK) より供給システムの標準設計承認と燃料タンク及び気化器の標準構造図面承認を取得 2017 年 2 月にアメリカ船級協会 (ABS) より供給システムとタンク及び気化器の基本構想承認 (AIP:Approval in principle) を取得しました 当社の承認モデル仕様概要 749 総トン内航ばら積船 低圧式 4 ストローク二元燃料主機関 燃料タンク:Type C 41m3 x2 基 気化器( 加圧蒸発器内蔵 ): 円筒縦型 400kg/h x2 基 承認モデル配置パース 供給システム NK 標準設計承認 燃料タンク NK 標準構造承認 造船所である当社が今回メーカーとして LNG 燃料供給システムを開発したのは 船舶を取り巻く環境規制の中で環境負荷の小さいエネルギーへの転換の流れがあり 北欧では既に数十隻が就航 新造船の建造ニュースも頻繁に耳にするようになっている中で 環境規制と LNG 燃料供給インフラ整備の観点より内航船含む小型船が近い将来ガス燃料化されるのは一つの流れと考え数年前より取り組みました 3

承認モデルは規則上最も厳しい周囲条件を想定しております 個船設計では承認モデル程の難しさは無いと想定しておりますが初号機受注には船主 エンジンメーカー 建造造船所との念入りな打合せが必要です 今後 体制強化を含めて受注に向けて突き進んでまいります ジブラルタル海峡横断中 スペインにて 2 留学体験記船舶営業本部修繕船営業部高岡慎吾平成 28 年 4 月 2 日から 9 月 17 日の約半年にわたり 語学研修としてイギリスケンブリッジ / ロンドンに滞在させて頂きました 滞在中の生活を通じ 通常では出来ないような貴重な経験をする事ができました その中で特に印象に残っている事について ご紹介いたします 毎年弊社からの留学生が通学している Eurocentres という語学学校には世界各地から生徒が集まっており 英語の学習は勿論 英語圏以外の他国の文化に触れることが出来ました 中でもトルコからの留学生と親しくなり 共にイギリス内を旅行した事が印象に残っています 彼は敬虔なイスラム教徒で 決まった時間にメッカに向かって礼拝をし 豚肉やアルコールを口にすることはありません 今までイスラム教徒の方と接した事の無い私は ニュース等で彼らの宗教に対し怖いイメージを抱いてしまっていましたが 共に話し 旅をする中で彼らの寛容さに触れ 今まで抱いていたイメージが徐々に変化していくのを感じました この出会いのお蔭で 中東のテロリズムのニュースも どこか遠い国の出来事 ではなく 友人が暮らす国での危機 と感じるようになり 帰国後様々なニュースのとらえ方が変化していると感じます 学友と 滞在中は見聞を広める為 なるべく外出するよう心掛けました 諸外国もイタリア フランス等の有名国から北極圏 ( アイスランド ) からアフリカ大陸 ( モロッコ ) まで 様々な国を訪れました 特に印象に残っているのは数年前 弊社建造船の現場監督として駐在されていた監督の方と 彼らの母国で再開することが出来た事です 監督さんからは 我々が日本に滞在していた時 丁寧に対応してもらい非常に世話になった 今回はお前がゲストだ 招待出来る事を光栄に思う というお言葉をかけて頂き 彼らの案内のお蔭で一人で訪れただけでは出来なかったであろう体験が出来ました 半年間の語学研修という機会はもちろんですが 仕事を通じ得たご縁でより豊かな経験が出来 造船業の魅力を再発見したように感じます 1 7,400 台積み自動車運搬船 BROOKLANDS 竣工 2017 年 1 月 12 日 宇和島運輸 様向けに 7,400 台積載可能な自動車運搬船 BROOKLANDS を 新来島どっく大西工場にて命名引渡しを執り行いましたので 本船の概要についてご紹介致します 本船はパナマ運河拡張にあわせ計画されたオーバーパナマックス型自動車運搬船となり 従来の自動車運搬船より積載能力を大きく増やし かつ自動車一台当たりの燃費も大きく削減した次世代型自動車運搬船となります 又 建機 重機等の大型重量車両の輸送及び荷役にも配慮された最新鋭の船となっております 本船は引渡しを行った後 無事初荷役を終えており 現在豪州へ向け処女航海に就いております 特長 1. 航路上の制限を受けないように 従来船同様に全長を 200m 未満とし パナマ運河の拡張を見据え 従来のパナマックス幅より船幅を大きく広げた 38m とすることで 車両積載台数を大幅に増大させております このため 貨物 1 台当たりの燃費が既存の自動車船と比べ格段に優れております 2. 推進性能向上のため A.S. FIN TURBO-RING と呼ばれる省エネ付加物や 翼形状を最適化した K3-PROPELLER 風圧抵抗を低減する AERODYNAMIC SCREEN 船底の摩擦抵抗を低減する低摩擦塗料等を装備しており 省エネを考慮し 環境への配慮がなされた船型となっております 3. 船殻構造は新規開発した構造を採用することで PARTIAL BHD を無くしており これにより艙内ランプを舷側に配置できるため ワイドランプ化 直行ランプ化が図れ 荷役効率に優れた艙内ランプ配置としております 4. 本船は合計 12 層の自動車甲板を持ち その内の 4 層がリフタブルカーデッキで構成されております このため 大型重量貨物の積載量も従来から大幅に増え かつこれらを昇降させることにより大型重量車両から小型乗用車までを効率的に積載することが可能です 特に乗り込み甲板については 大きなクリアハイトを有し ショアランプからの交通性も配慮することにより 貨物に対する汎用性を持たせております 5. ショアランプは 船尾右舷に全長 40.0m 幅 12.0m(150t 車両走行可能 ) のスタンランプ 1 基と 中央部右舷に全長 21.0m 幅 4.5m(20t 車両走行可能 ) のセンターランプ 1 基を装備しており 大型重量貨物にも配慮したショアランプ構成となっております 6. 主機関は高い信頼性を持った 2 サイクル電子制御機関を搭載しております 電子制御化により機関性能最適化を行うことができ 環境性能 4

の向上 燃費改善による経済性の向上を実現しております また 付属設備として 主機関部分負荷での燃費改善の効果がある EGB( 排気バイパス ) システムを採用しており 更なる省エネ向上を行っております 7. 居室には全室プライベートラバトリーを装備しており 乗組員の居住性を向上させております 本船の建造にあたり お客様をはじめ 船級 舶用機器メーカー その他多くの皆様のご指導により無事竣工を向かえることができました この場をお借りし御礼申し上げます また 本船が世界の物流を支え続けられますよう ご安航を祈っております 新来島どっくでは 本船のような輸送能力 荷役能力の優れた自動車運搬船の建造に加え ケミカルタンカーやバルクキャリアー セメント運搬船等の多種多様な船舶の建造を通じ 国内外の物流に貢献するとともに より燃費 環境性能が優れた船舶の建造を念頭に入れ お客様のニーズに答え続けていきます 開会式選手宣誓 玉掛け競技 BROOKLANDS 2 第 2 回新来島グループ技能オリンピック開催 2017 年 3 月 4 日に大西工場にて 第 2 回目となる技能オリンピックを実施しました 今回は 前回と違い できるだけ多くの技能者が参加できるよう 下記 3 点を改善し開催致しました 1. 新来島どっくだけでなく グループ各社からの参加 2. 切断競技の追加 3. 評価基準における作業の安全性重視 グループ会社 ( 工場 ) と言えども 普段は中々顔を合わせることがないため 同世代の仲間達と競い合う良い機会だったと思います このような場で精一杯競技にチャレンジすることによって 自分の長所や短所を再確認することができ 技能者としての誇りや向上心を持つきっかけにもなるに違いありません そして 評価基準として安全性を重視した狙いは 競技者だけでなく 採点者である管理監督者の安全意識の向上です 安全に作業を進めるに当たって 管理監督者の安全眼は欠かす事はできません 管製作競技 競技後には 表彰式も行いましたが 見事 2 連覇を達成した参加者や 入社 2 年目の若手が入賞したりと 見応えのある結果となりました そして何より競技中の真剣な表情 表彰式での悔しそうな表情を見ていると これからも技量はどんどん伸びていく と確信致しました 今後も 現場作業者の技能向上 安全意識向上のきっかけ作りとなるよう 定期的に開催して参ります 5

深海 2000ⅿに挑む!Shell Ocean Discovery XPRIZE への挑戦 ~ 超広域高速海底マッピングに関する共同研究 Team KUROSHIO の始動 ~ 国内 7 機関から 海中探査ロボットシステムの若手研究者が結集して立ち上げた共同研究チーム Team KUROSHIO は 超広域高速海底マッピングの技術を競う賞金総額 700 万ドルの国際コンペティション Shell Ocean Discovery XPRIZE に挑戦します ~ クラウドファンディングに挑戦中!~ Team KUROSHIO の共同代表者である JAMSTEC 中谷武志技術研究員と大木健技術研究員は 5 月 26 日までクラウドファンディングサイト academist ( https://academist-cf.com/projects/?id=41 ) で 500 万円の資金調達に挑戦中です また SNS で海上試験の様子なども随時レポートしています Team KUROSHIO HP: http://www.jamstec.go.jp/maritec/od_xprize/j/ Team KUROSHIO Twitter: @team_kuroshio Team KUROSHIO Facebook: https://www.facebook.com/teamkuroshiojapan/ <Shell Ocean Discovery XPRIZE の概要 > 自律型海中ロボット (AUV) とともに Team KUROSHIO のメンバー機関国立研究開発法人海洋研究開発機構 (JAMSTEC) 国立大学法人東京大学 生産技術研究所国立大学法人九州工業大学国立研究開発法人海上 港湾 航空技術研究所三井造船株式会社日本海洋事業株式会社株式会社 KDDI 総合研究所 Shell Ocean Discovery XPRIZE は 石油業界大手の Royal Dutch Shell が主たるスポンサーとなり 無人での超広域 超高速の海底マッピングをミッションとする国際コンペティションです 期間はおよそ 3 年間にわたり その間に技術提案書審査 (2017 年 2 月 ) 実海域試験 Round1( 水深 2,000m 2017 年 9 月頃 ) 実海域試験 Round2( 水深 4,000m 2018 年 9 月頃 ) という大きく 3 つの関門があります Team KUROSHIO は 2 月の技術提案書審査を突破し 世界 21 チームのうち唯一の日本チームとして Round1 に進出します Round1 は水深 2,000m の海底で 100 km2以上のマップを構築することが求められており Team KUROSHIO は Round1 突破に向けて機器の運用技術及び信頼性を向上するための要素技術開発等を行っています 三井造船は 洋上中継器 (ASV) の供用と周辺技術の開発ならびに試験環境を提供します なお 大会に使用する洋上中継器 (ASV) は 当社が所有しており 当社が開発している無人船技術の評価試験機がベースとなっています Team KUROSHIO 2/17 記者会見資料より 課題 超広範囲 (100 km2以上 ) の海底マッピング ( 解像度 : 水平 5m, 垂直 50cm 以上 ) の実現 ルール 支援母船を用いない等 海域に人が立ち入らない( 海域へのロボットの展開 回収含む ) 機材の持込みは 40feet コンテナ 1 つまで 調査後 48 時間以内での海底地形図の作成および提出 コンペティション内容 Shell Ocean Discovery XPRIZE では下記 2 つの試験で海底マッピング技術を競います 1 海域試験 Round1(2017 年 9 月開催 ) 水深 2,000m で 16 時間以内に最低 100 km2以上の海底マップ構築 海底ターゲットの写真撮影 (5 枚 ) 2 海域試験 Round2(2018 年 9 月開催 ) 水深 4,000m で 24 時間以内に最低 250 km2以上の海底マップ構築 海底ターゲットの写真撮影 (10 枚 ) 6

2018 年卒大学生向け工場見学会 2017 年も 3 月が過ぎ 各社のリクルート活動が本格化しております 名村造船所では 2018 年大学 ( 大学院 高専含む ) 卒業予定者を対象に 3 月 24 日に工場見学会を実施し 九州地域の大学生を中心に 遠方は東京から 計 30 名の学生にお越し頂きました 当日のスケジュールは 1 造船業界及び当社の紹介 2 内業工場 建造ドックの見学 3 艤装船への乗船 4 若手職員との意見交換会です 普段見ることの出来ない工場設備の見学や 25 万トン積み鉄鉱石運搬船への乗船を通じ 学生に造船業のスケールの大きさを体感して頂きました また 若手職員との意見交換会では 若手職員の業務内容や生活について 学生から積極的な質問が飛び交っており 入社後の具体的なイメージを掴んでくれたようです 以下に学生と接した若手職員の感想を少しだけ記載させて頂きます 3( 船殻設計部船殻設計課田中孝幸 ) 皆さんとても緊張していましたので 私はまず緊張をほぐすために 意識してフレンドリーに接しました 就職すると約 40 年間その会社で働くことになります 会社選びで後悔して欲しくないので 意見交換会では職場の雰囲気や残業の話など 私が思う当社の良いところ 悪いところを正直にお話しました 様々な企業説明会等に参加し 企業情報に記載されていないことも就職した先輩等に教えてもらい しっかり調べた上で採用試験を受けて欲しいと思います この日お話をした学生の中から 来年の春に新入社員としてお会いできる方がいることを願っています 1( 基本設計部機電計画課田中宏明 ) 船舶学科専攻でない学生も多く 意見交換会では 専攻外でも活躍できるのか 業務上でどういう壁に突き当たったか など 専門知識の有無や入社後の実務に対する不安をもった学生が多い印象を受けました 私自身もそうですが 大学で専門外の研究をしていた方でも 入社後は設計や製造部門のスタッフとして第一線で活躍する方も沢山いることをアピールすることができ 意義ある意見交換会になりました 2( 生産管理部生産計画課有松征太郎 ) 私が所属する生産計画課という部署は業務内容をイメージしづらい事もあり 意見交換会では業務内容 苦労 やりがい等の質問が多かったです また 入社前に造船知識や設計スキルの勉強が必要か? 入社後の新人教育や配属後の技術教育は? 等 造船に関する知識が無いことへの不安の声や 婚活支援制度が有るか という面白い質問もありました 乗船見学では 25 万トン積み鉄鉱石運搬船を案内し 大型船のスケールを肌で感じて頂けたと思います 若手職員との意見交換会の様子 学生に配慮し写真を加工しております名村造船所では 2018 年度卒大学生を 26 名採用する計画としております 求人倍率は高く 売り手市場と言われる昨今ですが 1 人でも多くの学生に造船業の魅力を伝え 業界への興味を持ってくれるよう 様々な施策に取り組んでいきたいと考えております 7